特許第6000480号(P6000480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000480
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/64 20100101AFI20160915BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20160915BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20160915BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20160915BHJP
   F21V 29/85 20150101ALI20160915BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20160915BHJP
   F21V 29/504 20150101ALI20160915BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20160915BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20160915BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20160915BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20160915BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160915BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20160915BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20160915BHJP
【FI】
   H01L33/64
   H01L33/50
   F21S2/00 432
   F21V29/503
   F21V29/85
   F21V29/76
   F21V29/504
   F21S2/00 444
   G03B21/14 A
   G02B6/00 301
   F21Y105:10
   F21Y113:10
   F21Y115:10
   F21Y115:15
   F21Y115:30
【請求項の数】15
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-563071(P2015-563071)
(86)(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公表番号】特表2016-526751(P2016-526751A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2014062951
(87)【国際公開番号】WO2014202726
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2015年12月17日
(31)【優先権主張番号】13173030.1
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】バン ボメル ティエス
【審査官】 吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5226077(JP,B1)
【文献】 特表2005−501269(JP,A)
【文献】 特開2007−165811(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0121703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
F21K 99/00
F21V 8/00
B60Q 1/00
F21S 8/10
B62J 6/02
G03B 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作中、第1のスペクトル分布の光を発する光源と、
互いに対してゼロではない角度で延在する第1の光入力面及び第1の光出口面を有する第1の発光導光体と、
前記第1の発光導光体の少なくとも1つの面に隣接して、且つ、前記光源と前記第1の発光導光体との間の光路内に配置された第1の透明ヒートシンク要素とを含み、
前記第1の発光導光体は、前記第1の光入力面において、前記第1のスペクトル分布の光を受け取り、前記第1のスペクトル分布の光の少なくとも一部を第2のスペクトル分布の光に変換し、前記第2のスペクトル分布の光を前記第1の光出口面に誘導し、前記第2のスペクトル分布の光を前記第1の光出口面から導出し、
前記第1の発光導光体の前記少なくとも1つの面は前記光出口面ではなく、前記第1の透明ヒートシンク要素は、屈折及び回折の何れか一方によって光を方向転換させる、発光素子。
【請求項2】
前記第1の透明ヒートシンク要素は、1W/(K・m)より高い、10W/(K・m)より高い、又は20W/(K・m)より高い熱伝導率を有する材料から構成される、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の光入力面及び前記第1の光出口面以外の前記第1の発光導光体の1つ以上の面は、反射層を有する、請求項1又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1の発光導光体は、発光ガーネット、発光ドープガーネット、透明発光材料、集光発光材料、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される発光材料から構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第1の透明ヒートシンク要素と前記第1の発光導光体との間にギャップが設けられる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1の透明ヒートシンク要素と前記第1の発光導光体との間の前記ギャップは、空気及び/又は光学接着剤を含む、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1の透明ヒートシンク要素は、前記第1の光出口面と平行な反対側の面の上に若しくは当該面において配置された結合構造、及び/又は、散乱材料を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1の透明ヒートシンク要素は、テーパ状の2つの側面を有する台形の断面形状を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項9】
前記第1の透明ヒートシンク要素は、前記第1の発光導光体の少なくとも2つの面に隣接して延在する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項10】
前記第1の透明ヒートシンク要素は、前記第1の発光導光体の4つの面に隣接して延在し、また、三角形の断面形状を有し、前記第1の透明ヒートシンク要素の3つの側面の全ての上に光源が配置される、請求項9に記載の発光素子。
【請求項11】
前記第1の透明ヒートシンク要素の透明材料は、サファイアと、YAG、LuAG等のアンドープ透明ガーネットと、ガラスと、石英と、アルミナ等のセラミック材料と、発光材料と、蛍光体と、これらの組み合わせとを含む群から選択される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項12】
前記第1の透明ヒートシンク要素の反対側を向く前記第1の発光導光体の面に隣接して配置された第2の透明ヒートシンク要素を更に含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記光源はベースの上に配置され、前記ベースは不透明ヒートシンクである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項14】
前記第1の透明ヒートシンク要素及び/又は前記第1の発光導光体と、物理的に及び/又は熱的に接触するよう配置された不透明ヒートシンクが設けられる、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の発光素子を含むプロジェクター、ランプ、又は照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光体及び透明ヒートシンク要素を含む発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
US8,008,845B2は、バックリフレクタ、並びに、前面に位置する正極及び負極を有する透明ヒートシンク内に配置された封止LEDの形態の照明デバイスを開示する。LEDによって発せられた光は、照明デバイスから出る前に透明ヒートシンクの少なくとも一部を通過する。
【0003】
スポットライト及びデジタル光投射を含む様々なアプリケーションにとって、高輝度光源は関心の対象である。この目的のために、透明度が高い発光材料内で短い波長の光を長い波長の光に変換する波長変換素子が使用され得る。かかる透明な発光材料の導光体は、導光体内でより長い波長を発生させるために、LEDによって照射される。その後、導光体内の変換された光を面のうちの1つから取り出すことにより、強度上昇がもたらされる。
【0004】
したがって、より高い出力強度を得るには、導光体に照射される光の密度を高めることが望ましい。しかし、導光体内に放出される熱の移動及び拡散が、取得可能な最大光強度を著しく制限する。
【0005】
また、過熱は、例えば熱消光に起因する光学性能の低下をもたらし、信頼性に関する問題を生じ得る。
【0006】
EP2346101A1は、半導体発光素子によって発せられた光の波長を、反射フィルムを有する光波長変換セラミックが変換する発光モジュールを開示する。光波長変換セラミックを通過した光の発光領域は、半導体発光素子の発光領域よりも小さくなるよう狭められる。反射要素は、半導体発光素子の発光面と略平行に光が出射されるよう光を誘導する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上記問題を克服し、導光体の過熱を低減することによって光学性能が向上され、より高い強度及び強度上昇を達成可能な発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によれば、上記及び他の課題は、動作中、第1のスペクトル分布の光を発する光源と、互いに対してゼロではない角度で延在する第1の光入力面及び第1の光出口面を有する第1の発光導光体とを含み、第1の発光導光体は、第1の光入力面において、第1のスペクトル分布の光を受け取り、第1のスペクトル分布の光の少なくとも一部を第2のスペクトル分布の光に変換し、第2のスペクトル分布の光を第1の光出口面に誘導し、第2のスペクトル分布の光を第1の光出口面から導出し、第1の発光導光体の少なくとも1つの面に隣接して、且つ、光源と第1の発光導光体との間の光路内に配置された第1の透明ヒートシンク要素を更に含み、少なくとも1つの面は光出口面ではなく、第1の透明ヒートシンク要素は、屈折及び回折の何れか一方によって光を方向転換させる、発光素子によって達成される。
【0009】
第1のスペクトル分布の光の少なくとも一部を第2のスペクトル分布の光に変換するよう構成されたガーネットからなる導光体を提供することにより、特に多くの変換された光がガーネット内に留まり、よって面のうちの1つから取り出され得る導光体が提供され、これは、特に大きな強度上昇をもたらす。
【0010】
第1の発光導光体に隣接した第1の透明ヒートシンク要素を提供することにより、導光体から離れる方向の熱放散の著しい改良が得られ、よって、発光素子の取得可能な最大出力光強度が著しく高められる。更に、例えば熱消光に起因する光学性能への悪影響が大きく低減され又は排除さえされ、改良された光学性能を備えた、信頼性が顕著に高い発光素子が提供される。
【0011】
第1の発光導光体の第1の光入力面及び第1の光出口面は、互いに対してゼロではない角度で延在し、すなわち、これらの面は平行ではない。これは、第1の発光導光体により高い設計自由度を与え、例えば、第1の光入力面は第1の光出口面よりも広い面積を有し得る。一例では、第1の光出口面は、第1の光入力面に対して垂直である。
【0012】
第1の透明ヒートシンク要素を、光源と第1の発光導光体との間の光路内に配置することにより、光源によって発せられた熱が、少なくとも熱の大部分が導光体に入らないよう導光体から離れる方向に誘導され、これは、導光体が光源によって発せられた熱から特に良好に保護された発光素子を提供する。
【0013】
屈折及び回折の何れか一方によって光を方向転換させるよう第1の透明ヒートシンク要素を構成することにより、第1の透明ヒートシンク要素が、光源によって発せられた光を少しの損失で又は損失を伴わずに、特に効率的且つ効果的な方法で導光体に集め及び誘導する結合素子として機能するよう構成された発光素子が提供される。また、第1の発光導光体内に導入される光の量は、かかる第1の透明ヒートシンク要素の形状を変更することによって調整され得る。
【0014】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素は、1W/(K・m)より高い、10W/(K・m)より高い、又は20W/(K・m)より高い熱伝導率を有する材料から構成される。
【0015】
これにより、導光体から離れる方向の特に良好な熱放散が得られる。一般的に、熱伝導率が高いほど熱放散が良いことに留意されたい。
【0016】
一実施形態によれば、第1の光入力面及び第1の光出口面以外の第1の発光導光体の1つ以上の面は、反射層を有する。これは、第1の光出口面以外の1つ以上の面から脱出し得る光を減らし、発光素子の効率性及び光出力を向上させる。
【0017】
一実施形態によれば、第1の発光導光体は、発光ガーネット、発光ドープガーネット、透明発光材料、発光集光材料、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される発光材料から構成される。これにより、特に良好な波長変換特性を有する導光体を含む発光素子が提供される。
【0018】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素と第1の発光導光体との間にギャップが設けられる。このようなギャップは、更なる熱がギャップを介して放散されるため、導光体に入る熱を一層少なくし、これは、導光体が光源によって発せられた熱から一層保護された発光素子を提供する。
【0019】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素と第1の発光導光体との間のギャップは、空気及び/又は光学接着剤を含む。ギャップ内にこのような物質を供給することにより、導光体内に導入されるべき光がギャップを通過する際、非常に少ない損失が生じ又は場合によっては損失が全く生じないことが保証される。更に、特にギャップが光学接着剤を含む場合、著しくロバストな発光素子が得られる。
【0020】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素は、第1の光出口面と平行な反対側の面の上に若しくは当該面において配置された結合構造、及び/又は、散乱材料を含む。散乱材料を提供することにより、第1の透明ヒートシンク要素内で光が散乱され、散乱光が導光体内に導入される発光素子が提供される。結果として、導光体から非常に効率的に光が取り出され、観察者によって一様であると知覚される光分布が得られ得る。結合構造を提供することにより、光源によって発せられた光が、特に少ない結合損失で又は場合によっては結合損失を伴わずに非常に効率的に第1の発光導光体内に導入され得る発光素子が提供される。
【0021】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素は、テーパ状の2つの側面を有する台形の断面形状を有する。このようにすることで、第1の透明ヒートシンク要素は、屈折によって光を方向転換させる光学素子として機能する。これにより、第1の透明ヒートシンク要素の通過中に失われる光の量が低減される。
【0022】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素は、第1の発光導光体の少なくとも2つの面に隣接して延在する。これにより、熱放散のために使用可能な面積及び/又は体積が増加するため、更に改良された熱放散特性を有する発光素子が提供される。他の実施形態では、第1の透明ヒートシンク要素は、第1の発光導光体の4つの面に隣接して延在し、また、三角形の断面形状を有し、第1の透明ヒートシンク要素の3つの側面の全ての上に光源が配置される。したがって、第1の透明ヒートシンク要素は3つの角度から照射される。これにより、より多くの光が第1の発光導光体内に導入され、一層大きな強度上昇をもたらす。
【0023】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素の透明材料は、サファイアと、YAG、LuAG等のアンドープ透明ガーネットと、ガラスと、石英と、多結晶アルミナ等のセラミック材料と、発光材料と、蛍光体と、これらの組み合わせとを含む群から選択される。これにより、高い熱伝導率を有する透明度が高い材料から構成され、よって、優れた熱放散を確保するとともに非常に小さい損失で又は場合によっては損失を伴わずに光源からの光が通過することを可能にする第1の透明ヒートシンク要素を有する発光素子が提供される。透明ヒートシンクの位置に応じて、透明材料は好ましくは高い透明度を有し、言い換えれば、光を散乱すべきでない。発光導光体が透明ヒートシンクと光接触する場合、透明ヒートシンクは好ましくは高い透明度を有し、最小の散乱を起こし又は散乱を起こさない。透明ヒートシンクと発光導光体との光接触が部分的な構成又は光接触が存在しない構成では、透明度はより低くともよい。
【0024】
このコンテキストにおいて、透明度が高い材料とは、励起及び発光スペクトル範囲においてほとんど吸光せず、更に、85%より高い、90%より高い、95%より高い、又は場合によっては98%より高い直接ビーム透明度を有する(すなわち、2°より大きい角度に散乱される平行ビームの割合が15%未満、10%未満、5%未満、又は場合によっては2%未満である)材料を指す。
【0025】
一実施形態によれば、発光素子は、第1の透明ヒートシンク要素の反対側を向く第1の発光導光体の面に隣接して配置された第2の透明ヒートシンク要素を更に含む。
【0026】
一実施形態によれば、光源はベースの上に配置され、ベースは不透明ヒートシンクである。
【0027】
一実施形態によれば、第1の透明ヒートシンク要素及び/又は第1の発光導光体と物理的に及び/又は熱的に接触するよう配置された不透明ヒートシンクが設けられる。
【0028】
一実施形態によれば、不透明ヒートシンクは、発光素子を少なくとも部分的に包囲するよう配置される。不透明ヒートシンクは反射性であり又は反射コーティングを有し得る。
【0029】
上記4つの実施形態のうちの任意の1つ又は複数によって、更なる熱放散手段が提供され、熱放散のために使用可能な面積及び/又は体積が著しく増加するため、更に改良された熱放散特性を有する発光素子が提供される。
【0030】
本発明は、更に、本発明に係る発光素子を含むプロジェクター、ランプ、又は照明器具に関する。
【0031】
本発明は、特許請求の範囲に記載される特徴のあらゆる可能な組み合わせに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、出口蛍光体を有する発光素子の立体斜視図を示す。
図2図2は、蛍光体ホイールを有する発光素子の断面図を示す。
図3図3は、出口面に光学素子を有する導光体の側面図を示す。
図4図4は、成形された光出口面を提供するようその長さ全体に渡って成形された導光体の斜視図を示す。
図5図5は、成形された光出口面を提供するようその長さの一部に渡って成形された導光体の側面図を示す。
図6図6は、導光体及び追加の光源を有し、フィルタ及びダイクロイック光学素子が設けられた照明システムの側面図を示す。
図7図7は、第1の光入力面とは異なる導光体の面に配置された第2の光源を有する導光体を示す。
図8A-8B】図8A及び図8Bは、導光体の面に隣接して配置されたヒートシンク要素を有する導光体を示す。
図9A-9D】図9A図9Dは、導光体の光出口面に隣接して配置された偏光子を有する導光体を示す。
図10図10は、テーパ状の出口面を有する発光素子の斜視図を示す。
図11図11は、本発明の一般的な第1の実施形態に係る発光素子の斜視図を示す。
図12図12は、本発明の第2の実施形態に係る発光素子の側面方向の断面図を示す。
図13図13は、本発明の第3の実施形態に係る発光素子の側面方向の断面図を示す。
図14図14は、本発明の第4の実施形態に係る発光素子の側面方向の断面図を示す。
図15図15は、本発明の第5の実施形態に係る発光素子の側面方向の断面図を示す。
図16図16は、本発明の第6の実施形態に係る発光素子の側面方向の断面図を示す。
図17図17は、本発明の第7の実施形態に係る発光素子の側面方向の断面図を示す。
図18図18は、本発明の第8の実施形態に係る発光素子の端面方向の断面図を示す。
図19図19は、本発明の第9の実施形態に係る発光素子の端面方向の断面図を示す。
【0033】
図中、層、要素、及び領域のサイズは説明の目的上強調されており、本発明の実施形態の一般的な構造を説明するために提供されている。同様な参照番号は一貫して同様な要素を指し、例えば、本発明に係る発光素子は一般的に1によって表される一方、その具体的な異なる実施形態は、一般的な参照番号に01、02、03...を加えて表される。以下に記載される本発明に係る発光素子の実施形態のいずれかに付与され得る様々な特徴及び要素を示す図1図10では、通常、これらの図に特有の要素を除く全ての要素に「00」が加えられている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図中、層、要素、及び領域のサイズは説明の目的上強調されており、本発明の実施形態の一般的な構造を説明するために提供されている。同様な参照番号は一貫して同様な要素を指し、例えば、本発明に係る発光素子は一般的に1によって表される一方、その具体的な異なる実施形態は、一般的な参照番号に01、02、03...を加えて表される。以下に記載される本発明に係る発光素子の実施形態のいずれかに付与され得る様々な特徴及び要素を示す図1図10では、通常、これらの図に特有の要素を除く全ての要素に「00」が加えられている。
【0035】
以下、本発明の現在好適な実施形態を示す添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は多様な形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると解されるべきではない。これらの実施形態は徹底さ及び完全さのために提供され、本発明の範囲を十分に当業者に伝える。
【0036】
まず、本発明に係る発光素子の様々な要素及び特徴の用途、適切な光源及び適切な材料についての一般論を記す。このために、以下に詳述される本発明に係る発光素子の実施形態のいずれかに付与され得る様々な特徴及び要素が、図1図10を参照しながら説明される。本発明に係る発光素子の具体的な実施形態は、図11図19を参照しながら詳細に説明される。
【0037】
本発明に係る発光素子は、限定はされないが、ランプ、照明モジュール、照明器具、スポットライト、フラッシュライト、プロジェクター、デジタル投影機、自動車のヘッドライト又はテールランプ等の自動車照明、アリーナ照明、劇場照明、及び建築照明を含む用途に使用することができる。
【0038】
後述される本発明に係る実施形態を構成する光源は、動作中、第1のスペクトル分布の光を発するよう構成される。この光はその後、導光体又は導波路内に導入される。導光体又は導波路は第1のスペクトル分布の光を別のスペクトル分布に変換し、光を出口面に誘導し得る。原則的に、光源は任意の種類の点光源であり得るが、一実施形態では、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード、若しくは有機発光ダイオード(OLED)、複数のLED、レーザーダイオード、若しくはOLED、又はLED、レーザーダイオード、若しくはOLEDのアレイ等の固体光源である。原則的に、LEDは任意の色のLEDであり得るが、一実施形態では、380nm〜495nmの波長範囲と規定される青色域の光源光を生成する青色光源である。他の実施形態では、光源はUV又は紫色光源、すなわち、420nm未満の波長範囲の光を発する光源である。LED、レーザーダイオード、又はOLEDが複数又はアレイの場合、原則的に、LED、レーザーダイオード、又はOLEDは、限定はされないが、UV、青色、緑色、黄色、又は赤色等、2つ以上の異なる色のLED、レーザーダイオード、又はOLEDであり得る。
【0039】
光源は赤色光源、すなわち、例えば600nm〜800nmの波長範囲の光を発する光源であり得る。このような赤色光源は、例えば、直接赤色光を発し又は光源光を赤色光に変換するのに適した蛍光体を有する上記のいずれかのタイプの光源であり得る。この実施形態は、光源光を赤外(IR)光、すなわち、約800nmより高い波長を有する光であって、適切な実施形態では810〜850nmの範囲内のピーク強度を有する光に変換するよう構成された導光体と組み合わせられると、好適である。一実施形態では、かかる導光体はIR発光蛍光体を含む。これらの特性を備える発光素子は、暗視システムでの使用に特に有利であるが、任意の上記用途に使用され得る。
【0040】
後述される本発明に係る実施形態の導光体は、一般的に、互いに直交する方向に延びる高さH、幅W、及び長さLを有する棒状又はバー状の導光体であり、一部の実施形態では、透明、又は透明且つ発光性である。一般的に、光は、長さL方向に誘導される。高さHは、好ましくは10<mm、より好ましくは<5mm、最も好ましくは<2mmである。幅Wは、好ましくは<10mm、より好ましくは<5mm、最も好ましくは<2mmである。長さLは、好ましくは幅W及び高さHより大きく、より好ましくは少なくとも幅Wの2倍又は高さHの2倍であり、最も好ましくは少なくとも幅Wの3倍又は高さHの3倍である。高さH:幅Wの縦横比は、典型的には1:1(例えば、一般的な光源用途の場合)、又は1:2、1:3、若しくは1:4(例えば、ヘッドライト等の特殊な光源用途の場合)、又は4:3、16:10、16:9、若しくは256:135(例えば、ディスプレイ用途の場合)である。一般的に、導光体は、平行な面内に配置されない光入力面及び光出口面を有し、一部の実施形態では、光入力面は光出口面に対して垂直である。集約された高輝度の光出力を達成するために、光出口面の面積は、光入力面の面積より小さくてもよい。光出口面は任意の形状を有し得るが、一実施形態では、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、五角形、又は六角形である。
【0041】
一般的に棒状又はバー状の導光体は、任意の断面形状を有し得るが、一部の実施形態では、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、五角形、又は六角形の断面を有する。導光体は一般的に直方体であるが、光入力面がいくらか台形の形状を有する、直方体以外の形状を有してもよい。このようにすることで、光束を更に大きくすることができ、これは、用途によっては有益であり得る。
【0042】
また、導光体は、円柱状のロッドであってもよい。一部の実施形態では、光源が発した光を効率的に導光体に内部導入するために、円柱状のロッドは、光源が配置され得る1つの平面をロッドの長さ方向沿いに有する。また、平面は、ヒートシンクを配置するために使用されてもよい。更に、円柱状の導光体は、例えば互いに反対側に又は垂直に配置された、2つの平面を有してもよい。一部の実施形態では、平面は、円柱状のロッドの長さ方向の一部にわたって延在する。
【0043】
また、後述される本発明に係る実施形態の導光体は、導光体が真っ直ぐな線形のバー又はロッドではなく、例えば、90°若しくは180°屈曲による丸みのある角部、U字形、円形若しくは楕円形、環若しくは複数の環を有する立体的ならせん形状を有し得るよう、長さ方向において折られ、曲げられ、且つ/又は成形されてもよい。これは、概して光が誘導される全長が比較的長く、比較的高いルーメン出力を与えるとともに、比較的小さいスペースに配置可能なコンパクトな導光体を提供する。例えば、導光体の長さ方向沿いの成形を提供するために、導光体の発光部分は剛性である一方、導光体の透明部分は可撓性であってもよい。光源は、折られ、曲げられ、且つ/又は成形された導光体の長さ沿いの任意の位置に配置され得る。
【0044】
本発明の実施形態に係る後述される導光体に適した材料は、n=1.7の屈折率を有するサファイア、多結晶アルミナ、及び/又はYAG、LuAG等のアンドープ透明ガーネットである。この材料の(例えば、ガラスに対する)追加の利点は、良好な熱伝導性を有し、局所的な加熱を低減することである。他の適切な材料は、限定はされないが、ガラス、石英、及び透明なポリマーを含む。他の実施形態では、導光体材料は鉛ガラスである。鉛ガラスは、通常のカリガラスのカルシウム分を鉛が置換するガラスの一種であり、これにより、屈折率を高くすることができる。通常のガラスの屈折率はn=1.5であるが、鉛を添加することで、1.7までの屈折率が得られる。
【0045】
本発明の実施形態に係る後述される導光体は、光を別のスペクトル分布に変換するための適切な発光材料を含み得る。適切な発光材料は、ドープYAG、LuAG等の無機蛍光体、有機蛍光体、有機蛍光色素、及び、後述される本発明の実施形態の目的に非常に適した量子ドットを含む。
【0046】
量子ドットは、一般的にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さな結晶である。入射光によって励起されると、量子ドットは結晶のサイズ及び材料によって決定される色の光を発する。したがって、ドットのサイズを調整することにより、特定の色を作り出すことができる。可視域で発光する既知の量子ドットのほとんどは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)等のシェルを有するセレン化カドミウム(CdSe)をベースとする。リン化インジウム(InP)、硫化銅インジウム(CuInS)、及び/又は硫化銀インジウム(AgInS)等、カドミウムを含まない量子ドットを使用することも可能である。量子ドットは非常に狭い発光帯を呈し、よって飽和色を呈する。更に、量子ドットのサイズを調整することによって、発光色を容易に調節することができる。当該分野で知られる任意の種類の量子ドットが、後述される本発明の実施形態において使用され得る。しかし、環境に関する安全及び懸念の理由から、カドミウムを含まない量子ドット、又は、少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい可能性がある。
【0047】
有機蛍光色素を使用することもできる。スペクトルピーク位置が適合し得るよう、分子構造が設計することができる。適切な有機蛍光色素材料の例は、ペリレン誘導体をベースとする有機発光材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という品名で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、限定はされないが、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含む。
【0048】
発光材料は無機蛍光体であってもよい。無機蛍光物質の例は、限定はされないが、セリウム(Ce)ドープYAG(YAl12)又はLuAG(LuAl12)を含む。CeドープYAGは黄色がかった光を発し、一方、CeドープLuAGは黄緑色がかった光を発する。赤色光を発する他の無機蛍光物質の例は、限定はされないが、ECAS及びBSSNを含み、ここで、ECASはCa1−xAlSiN:Euであり(0<x≦1、好ましくは0<x≦0.2)、BSSNはBa2−x−zSi5−yAl8−y:Euである(M=Sr又はCa、0≦x≦1、0<y≦4、且つ0.0005≦z≦0.05、好ましくは0≦x≦0.2)。
【0049】
後述される本発明の一部の実施形態では、発光材料は、(M<I>(1−x−y)M<II>M<III>(M<IV>(1−z)M<V>12(M<I>はY、Lu、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<II>はGd、La、Yb、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<III>はTb、Pr、Ce、Er、Nd、Eu、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<IV>はAlであり、M<V>はGa、Sc、又はこれらの混合を含むグループから選択され、0<x≦1、0<y≦0.1、0<z<1)、(M<I>(1−x−y)M<II>M<III>(M<I>はY、Lu、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<II>はGd、La、Yb、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<III>はTb、Pr、Ce、Er、Nd、Eu、Bi、Sb、又はこれらの混合を含むグループから選択され、0<x≦1、0<y≦0.1)、(M<I>(1−x−y)M<II>M<III>)S(1−z)Se(M<I>はCa、Sr、Mg、Ba、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<II>はCe、Eu、Mn、Tb、Sm、Pr、Sb、Sn、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<III>はK、Na、Li、Rb、Zn、又はこれらの混合を含むグループから選択され、0<x≦0.01、0<y≦0.05、0≦z<1)、(M<I>(1−x−y)M<II>M<III>)O(M<I>はCa、Sr、Mg、Ba、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<II>はCe、Eu、Mn、Tb、Sm、Pr、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<III>はK、Na、Li、Rb、Zn、又はこれらの混合を含むグループから選択され、0<x≦0.1、0<y≦0.1)、(M<I>(2−x)M<II>M<III>)O(M<I>はLa、Y、Gd、Lu、Ba、Sr、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<II>はEu、Tb、Pr、Ce、Nd、Sm、Tm、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<III>はHf、Zr、Ti、Ta、Nb、又はこれらの混合を含むグループから選択され、0<x≦1)、(M<I>(1−x)M<II>M<III>(1−y)M<IV>)O(M<I>はBa、Sr、Ca、La、Y、Gd、Lu、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<II>はEu、Tb、Pr、Ce、Nd、Sm、Tm、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<III>はHf;Zr、Ti、Ta、Nb、又はこれらの混合を含むグループから選択され、M<IV>はAl、Ga、Sc、Si、又はこれらの混合を含むグループから選択され、0<x≦0.1、0<y≦0.1)、又はこれらの混合を含むグループから選択される材料からなる。
【0050】
他の適切な発光材料は、Ceドープイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG、YAl12)、及びルテニウム・アルミニウム・ガーネット(LuAG)である。発光導光体は、青色域、緑色域、又は赤色域内の中心発光波長を有し得る。青色域は380〜495nmと定められ、緑色域は495〜590nmと定められ、赤色域は590〜800nmと定められる。
【0051】
実施形態において使用され得る蛍光体の選択肢を、最大発光波長と共に下の表1に示す。
【表1】
【0052】
本発明の実施形態に係る、後述される導光体は、光を別のスペクトル分布に変換するための適切な発光材料の濃度が異なる領域を含み得る。一実施形態では、透明な導光体は、一方だけが発光材料を有し、他方は透明であり又は発光材料の濃度が比較的低い、互いに隣接する2つの部分を含む。他の実施形態では、導光体は、第2の部分に隣接し、異なる発光材料又は異なる濃度の同じ発光材料を有する、更に別の第3の部分を含む。異なる部分は、一体的に形成され、一片の又は1つの導光体を形成してもよい。一実施形態では、導光体の異なる部分の間、例えば第1の部分と第2の部分との間に、部分的に反射性の要素が配置されてもよい。部分的に反射性の要素は、1つの特定の波長又はスペクトル分布の光を通過させ、異なる別の特定の波長又はスペクトル分布の光を反射するよう構成される。したがって、部分的に反射性の要素は、ダイクロイックミラー等のダイクロイック要素であってもよい。
【0053】
他の実施形態(図示無し)では、透明な導光体の光入力面において、LED等の複数の光源の上方又は真上に、発光材料を含む複数の波長変換領域が配置される。したがって、光源からの光が発光材料の領域を介して透明な導光体内に導入されるよう、複数の波長変換領域のそれぞれの表面積は、複数の光源のそれぞれの表面積に対応する。変換された光は、その後、導光体の透明部分内に導入され、導光体の光出口面に誘導される。波長変換領域は、光入力面上に配置されてもよく、又は導光体内に形成されてもよい。波長変換領域は、導光体の光入力面の上に又は中に配置された均質層の一部を形成し得る。2つの隣り合う波長変換領域間に延在する均質層の部分は透明であってもよく、また、追加で又は代替的に、波長変換領域と同じ屈折率を有してもよい。異なる波長変換領域は、互いに異なる発光材料を含み得る。光源と発光領域との間の距離は、2mm未満、1mm未満、又は0.5mm未満であり得る。
【0054】
後述される本発明に係る発光素子の実施形態において、光源が発した光を導光体内に効率的に導入するために、結合構造又は結合媒体が提供されてもよい。結合構造は、例えば、波状の構造を形成する凹凸等の特徴を有する屈折構造であり得る。結合構造の特徴の典型的なサイズは、5μm〜500μmである。特徴の形状は、例えば、半球状(レンズ)、角柱状、正弦波状、又はランダム(例えば、サンドブラスト)であり得る。適切な形状を選択することによって、導光体内に導入される光の量を調整することができる。屈折構造は、チゼル加工(chiseling)、サンドブラスト等の機械的手段によって作成され得る。あるいは、屈折構造は、例えばポリマー又はゾル−ゲル材料等の適切な材料を用いた複製によって作成され得る。代わりに、結合構造は回折構造であってもよく、回折結合構造の特徴の典型的なサイズは、0.2μm〜2μmである。導光体の内側の回折角θinは、回折格子の式λ/Λ=nin・sinθin−nout・sinθoutによって与えられ、ここで、λはLED光の波長であり、Λは格子周期であり、nin及びnoutは導光体の内外の屈折率であり、θin及びθoutは導光体の内側の回折角及び外側の入射角である。低い屈折率の層及び結合媒体について、同じ屈折率nout=1を仮定すると、全内部反射の条件ninsinθin=noutにより、λ/Λ=1−sinθoutという条件が求められ、すなわち、垂直入射θout=0の場合はΛ=λである。一般的に、全ての他の角度θoutが導光体内に回折されるわけではない。これは、屈折率ninが十分に高い場合にのみ起こる。回折格子の式から、条件nin≧2に対して、Λ=λの場合、全ての角度が回折される。導光体内に屈折される光をより少なくする、他の周期及び屈折率も使用可能である。更に、一般的に、多くの光が透過される(0次)。回折される光の量は、格子構造の形状及び高さに依存する。適切なパラメータを選択することにより、導光体内に導入される光の量を調整することができる。このような回折構造は、例えば、電子ビームリソグラフィ又はホログラフィによって作成された構造を複製することによって最も容易に作成される。複製は、ソフト・ナノ・インプリント・リソグラフィ等の方法によって行うことができる。結合媒体は、例えば、空気又は任意の他の適切な材料であり得る。
【0055】
次に、図1を参照して、第1のスペクトル分布の入射光を第2の異なるスペクトル分布の光に変換するよう構成された導光体4000を含む発光素子1000の立体斜視図が示されている。図1に示される導光体4000は、UVから青色波長変換素子の形態の第1の変換部6110、及び、第1の変換部6110からの青色光入力に基づき白色光1400を発するよう構成された蛍光体の形態の第2の変換部6120を有する波長変換素子構造6000を含む又はとして構成される。したがって、図1に示される発光素子1000は、UVから青色波長域の光を発する複数のLED2100、2200、2300の形態の光源を含む。LED2100、2200、2300は、ベース又は基板1500上に配置される。具体的には、第1の変換部6110は、一実施形態ではユウロピウム及び/又はテルビウムである希土類イオンによってドーピングされた多結晶立方晶イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を含み、第2の変換部6120は黄色蛍光体を含む。本実施形態は、光出口面の表面積が、直接発光LEDからなる光源を構築するのに必要な表面積よりも小さいという利点を有する。これにより、エタンデュにおいて利益を得ることができる。
【0056】
青色又はUV光源を用いて白色光を生成する方法の代替案は、限定はされないが、以下を含む:LEDが青色光を発し、第1の変換部6110内で緑色/青色光に変換され、その後、赤色蛍光体として設けられた第2の変換部によって白色光に変換される、及びLEDが青色光を発し、第1の変換部6110内で緑色光に変換され、その後、赤色及び青色光と混合されて白色LED光源を作り出し、ここで、混合は、前方に拡散体が配置された赤色蛍光体の形態の第2の変換部によって達成される。
【0057】
図2は、導光体4015を含み、第1のスペクトル分布を有する入射光を、第1のスペクトル分布とは異なる第2のスペクトル分布を有する光に変換するよう構成された発光素子1001を示す。図2に示される導光体4015は、回転可能な蛍光体ホイール1600の形態で提供された第2の変換部6120を有する波長変換構造を含み又はとして構成され、また、第1の変換部6110と第2の変換部6120又は蛍光体ホイール1600との間に配置された結合素子7700を更に含む。
【0058】
発光素子1001は、更に、ベース又は基板1500上に配置された複数のLED2100、2200、2300の形態の光源を含む。複数のLED2100、2200、2300は、図示の実施形態では透明材料からなる第1の変換部6110をポンピングして、緑色又は青色光等の第3のスペクトル分布を有する光1700を生成するために使用される。回転軸1620まわりに回転方向1610に回転している蛍光体ホイール1600は、第3のスペクトル分布を有する光1700を赤色及び/又は緑色光等の第2のスペクトル分布を有する光1400に変換するために使用される。原則的に、光1700及び光1400の任意の色の組み合わせが実施可能であることに留意されたい。
【0059】
蛍光体ホイール1600の側面方向の断面図を示す図2に示されるように、蛍光体ホイール1600は透明モードで使用され、すなわち、片側において入射光1700が蛍光体ホイール1600に入射し、蛍光体ホイール1600を通過して、光出口面4200を形成する反対側から出射される。代わりに、光が蛍光体ホイール1600に入射する面と同じ面から光が出射されるよう、蛍光体ホイール1600が反射モード(図示無し)で使用されてもよい。
【0060】
蛍光体ホイール1600は、全体に渡り単一の蛍光体を含んでもよい。あるいは、蛍光体ホイール1600は、光1700の一部が変換されることなく通過し得るよう、蛍光体を一切含まないセグメントを含んでもよい。このようにすることで、順次他の色を生成することができる。他の変形例では、蛍光体ホイール1600は、多色光出力を作成するために、例えば黄色、緑色、及び赤色光を発する蛍光体のセグメント等、複数の蛍光体セグメントを含んでもよい。他の変形例では、発光素子1001は、蛍光体ホイール1600上にピクセル化された蛍光体−反射体パターンを用いることによって白色光を生成するよう構成されてもよい。
【0061】
一実施形態では、結合素子7700は、蛍光体ホイール1600に入射する光1700をコリメートするのに適した光学素子であるが、例えば上記の結合媒体又は結合構造7700等の結合媒体又は結合構造であってもよい。発光素子1001は、更に、追加のレンズ及び/又はコリメータを含み得る。例えば、光源2100、2200、2300によって発せられた光、及び/又は、発光素子1001によって発せられた光1400をコリメートするよう、追加の光学素子が配置されてもよい。
【0062】
図3は、導光体4020の光出口面4200と光接続する光入力ファセット8060を備えた光学素子8010を含む導光体4020を示す。光学素子8010は、高い屈折率、一実施形態では導光体4020の屈折率以上の屈折率を有する材料からなり、四角形の断面並びに2つのテーパ状の側面8030及び8040を有する。テーパ状の側面8030及び8040は、導光体4020の光出口面4200から外側に傾き、光学素子8010の光出口ファセット8050は、光入力ファセット8060及び導光体4020の光出口面4200のどちらよりも大きな表面積を有する。あるいは、光学素子8010は3つ以上の、特に4つのテーパ状の側面を有してもよい。変形例では、光学素子8010は、円形の断面及び1つの円周状のテーパ状の側面を有する。このような構成によれば、光は傾斜面8030及び8040において反射され、光出口ファセット8050は光入力ファセット8060よりも大きいため、光が光出口ファセット8050に衝突した場合、脱出する可能性が高い。側面8030及び8040の形状は曲面でもよく、全ての光が光出口ファセット8050から出るよう選択され得る。
【0063】
また、光学素子は、例えば、導光体の一部を、所定の光学素子が導光体の端部のうちの1つに形成されるよう成形することにより、導光体4020から一体的に形成され得る。光学素子は、例えばコリメータの形状、又は台形の断面形状を有し、一実施形態では、台形の外面に反射層が設けられる。これにより、より大きなスポットサイズを有するよう受け取られた光を成形すると共に、光出口面以外の面を介する光の損失を最小化することにより、出射光の強度も高めることができる。他の実施形態では、光学素子はレンズアレイ、例えば凸レンズ、凹レンズ、又はこれらの組み合わせの形状を有する。これにより、焦点を合わせられた光、デフォーカスされた光、又はこれらの組み合わせを形成するよう、受け取られた光を成形することができる。レンズアレイの場合、更に、出射光は、アレイの1つ以上のレンズによってそれぞれ形成された2つ以上の別個のビームを有し得る。したがって、より一般的には、導光体は異なるサイズ及び異なる形状を有する部分を含み得る。これにより、極めて単純な方法で、例えば光出口面のサイズ及び/又は形状を変更することによって、光出口面から任意の1つ以上の発光方向に光が成形され、光出口面から出射される光のビームサイズ及びビーム形状を調整可能な導光体が提供される。したがって、導光体の一部は光学素子として機能する。
【0064】
また、光学素子は、導光体の光出口面に配置された集光素子(図示無し)であってもよい。集光素子は四角形の断面、及び、集光素子の光出口面が導光体の光出口面よりも大きい表面積を有するよう外側に曲がった2つの面を有する。あるいは、集光素子は、3つ以上の、具体的には4つのテーパ状の側面を有してもよい。集光素子は、放物線状の曲面を有する複合パラボラ集光素子(CPC)であってもよい。変形例では、集光素子は円形の断面及び1つの円周状のテーパ状の側面を有する。変形例において、集光素子の屈折率が導光体の屈折率よりも低く(しかし、空気の屈折率よりは高く)選択された場合、依然として相当な量の光を取り出すことができる。これは、高い屈折率を有する材料からなるものと比較して、製造が容易且つ安価な集光素子を可能にする。例えば、導光体がn=1.8の屈折率を有し、集光素子がn=1.5(ガラス)の屈折率を有する場合、係数2の光出力のゲインが達成され得る。n=1.8の屈折率の集光素子の場合、ゲインは更に約10%高くなる。実際には、光学素子又は集光素子と、一般的には空気である外部媒体との間の界面においてフレネル反射が存在するため、全ての光は取り出されない。これらのフレネル反射は、適切な反射防止コーティング、すなわち1/4λ誘電体多層膜又はモスアイ構造を使用することによって低減され得る。光出口ファセット上の位置に応じた光出力が不均一な場合、例えばコーティングの厚さを変えることによって、反射防止コーティングのカバレッジが変更され得る。
【0065】
CPCの興味深い特徴の1つは、光のエタンデュ(=n×面積×立体角(nは屈折率))が保存されることである。CPCの光入力ファセットの形状及びサイズは、導光体の光出口面の形状及びサイズに適合させることができ、この逆も成り立つ。CPCの大きな利点は、入射光の分布が、所与のアプリケーションの許容可能なエタンデュに最適に適合する光分布に変更されることである。CPCの光出口ファセットの形状は、適宜、例えば長方形又は円形等であり得る。例えば、デジタルプロジェクターの場合、ビームのサイズ(高さ及び幅)及び発散に対して要件が課される。対応するエタンデュがCPCにおいて保存される。この場合、使用されるディスプレイパネルの所望の高さ/幅の比を有する長方形の光入力及び出口ファセットを有するCPCを使用することは有益であろう。スポットライト用途の場合、要件はより緩和される。CPCの光出口ファセットは円形であってもよいが、特定の形状の領域を照らすために他の形状(例えば長方形)を有してもよく、又はスクリーン、壁、建物、インフラ等に所望のパターンを投射するためにかかるパターンを有してもよい。CPCは設計に大きな柔軟性を提供するが、その長さは比較的大きい可能性がある。一般的に、同じ性能を有するより短い光学素子を設計することが可能である。このために、表面形状及び/又は出口面は、例えば、光を集約するためにより湾曲した出口面を有するよう適合させられてもよい。1つの追加の利点は、CPCは、導光体のサイズがLEDの寸法によって制約され、光出口ファセットのサイズが後続の光学部品によって決定される場合に生じ得る縦横比のミスマッチを克服するために使用できることである。更に、例えば中心付近に又は中心に「穴」を有するミラーを使用して、CPCの光出口ファセットを部分的に覆うミラー(図示無し)を配置することができる。このようにすることで、CPCの出口面が狭められ、光の一部がCPC及び導光体内に反射し返され、光の出射エタンデュが低減される。当然ながら、これはCPC及び導光体から取り出される光の量を減らす。しかし、例えばAlanod 4200AGのように、このミラーが高い反射率を有する場合、光は実質的にCPC及び導光体に再投入され、TIRによって再循環され得る。これは光の角度分布を変えないが、再循環後、光がCPC出口面に衝突する位置を変え、よって、光束を増加させる。このようにすることで、通常はシステムのエタンデュを下げるために犠牲にされる光の部分を再取得し、例えば均一性を高めるために使用することができる。システムがデジタル投影アプリケーションに使用される場合、これは特に重要である。異なる態様でミラーを選択することにより、大量の光を犠牲にすることなく、異なるパネルサイズ及び縦横比を使用するシステムに対して同じCPC及び導光体のセットを使用することができる。このようにすることで、単一のシステムを様々なデジタル投影アプリケーションに使用することができる。
【0066】
図3を参照して説明された上記構造のうちのいずれかを使用することにより、屈折率が高い導光体材料から空気のような屈折率が低い物質に光を取り出すことに関する問題、特に取り出し効率に関する問題が解決される。
【0067】
図4及び図5を参照して、特定の形状を有する光分布を提供するための異なる可能性について述べる。図4は、成形された光出口面4200を提供するために長さ全体に渡り成形された導光体4040の斜視図を示す。導光体4040は透明な導光体、又は第1のスペクトル分布の光を第2のスペクトル分布の光に変換するよう構成された導光体であり得る。導光体4040の長さ全体に渡って延びる導光体4040の部分4501、具体的には、表面4500に隣接し、光入力面4100の反対側の部分4501が、光出口面4200における光分布の所望の形状に対応する形状を導光体4040に与えるために取り除かれている。当該形状は、光出口面4200から反対側の面4600まで、導光体4040の長さ全体に渡って延在する。
【0068】
図5は、成形された光出口面4200を提供するために導光体4050の長さの一部が成形された導光体4050の側面図を示す。導光体4050は透明な導光体、又は第1のスペクトル分布の光を第2のスペクトル分布の光に変換するよう構成された導光体であり得る。導光体4050の長さの一部に渡って延在する導光体4050の部分4501、具体的には、表面4500に隣接し、光入力面4100の反対側の部分4501が、光出口面4200における光分布の所望の形状に対応する形状を導光体4050に与えるために取り除かれている。当該形状は、光出口面4200と隣接する導光体4050の長さの一部に渡って延在する。
【0069】
光出口面の他の形状を提供するために、導光体の他の部分又は2つ以上の部分が取り除かれてもよい。このようにすることで、光出口面の任意の実施可能な形状を得ることができる。また、導光体を部分的に又は全体として異なる形状を有する複数の部分に分割し、より複雑な形状を得ることもできる。導光体から取り除かれる1つ又は複数の部分は、例えば鋸切断又は切削等によって取り除かれた後、1つ又は複数の部分の除去後に露出した面を研磨されてもよい。他の変形例では、光出口面に穴を設けるために、例えばドリル加工によって導光体の中央部が取り除かれてもよい。
【0070】
他の実施形態では、導光体の光出口面の部分に表面処理、例えば粗面化を施し、一方、光出口面の残りの部分を滑らかなままにすることによって、特定の形状を有する光分布を得ることができる。この実施形態では、導光体の部分を除去する必要はない。同様に、特定の形状を有する光分布を得るために、上記可能性の任意の組み合わせが実施可能である。
【0071】
図6は、導光体4070を有する照明システム、例えばデジタルプロジェクターの側面図を示す。導光体4070は、出射光1700が黄色及び/又は橙色の波長範囲内、すなわち、約560nm〜600nmの波長範囲内になるよう入射光1300を変換するよう構成される。導光体4070は、例えば、Ceドープ(Lu,Gd)Al12、(Y,Gd)Al12、又は(Y,Tb)Al12等のセラミック材料からなる透明なガーネットとして提供され得る。Ce含有量が多い場合、並びに/又は、例えばCeによるGd及び/若しくはTbの置換度が高い場合、導光体の発光のスペクトル分布はより高い波長にシフトし得る。一実施形態では、導光体4070は完全に透明である。
【0072】
光出口面4200には光学素子9090が設けられる。光学素子9090は、導光体4070から出射された光1700をフィルタリングしてフィルタリングされた光1701を提供するためのフィルタ9091、少なくとも1つの更なる光源9093、9094、及びフィルタリングされた光1701と少なくとも1つの更なる光源9093、9094からの光とを結合して共通の光出力1400を供給するよう構成された光学部品9092を含む。フィルタ9091は吸光フィルタ又は反射フィルタであり、固定又は切り替え可能であり得る。切り替え可能フィルタは、例えば、所望の光出力に応じてローパス、バンドパス、又はハイパスであり得る反射ダイクロイックミラー及び切り替え可能ミラーを設け、切り替え可能ミラーを光の進行方向で見てダイクロイックミラーの上流に配置することによって得ることができる。更に、2つ以上のフィルタ及び/又はミラーを組み合わせて、所望の光出力を選択することも可能である。図6に示されるフィルタ9091は、フィルタ9091の切り替え状態に応じて、フィルタリングされていない黄色及び/若しくは橙色光、又はフィルタリングされた光、具体的には、図示の実施形態ではフィルタリングされた赤色光を通過させることができる切り替え可能フィルタである。フィルタリングされた光のスペクトル分布は、採用されるフィルタ9091の特性に依存する。図示の光学部品9092は、Xキューブとも知られるクロスダイクロイックプリズムであってもよく、あるいは、個別のダイクロイックフィルタの適切なセットであってもよい。
【0073】
図示の実施形態では、2つの更なる光源9093及び9094が設けられ、更なる光源9093は青色光源であり、更なる光源9094は緑色光源である。他の色の及び/又はより多くの更なる光源も実施可能である。更なる光源のうちの1つ以上は、後述される本発明の実施形態に係る導光体であってもよい。他のオプションは、フィルタ9091によって除去された光を更なる光源として使用することである。したがって、共通の光出力1400は、導光体4070によって出射され、フィルタ9091によってフィルタリングされた光1701と、2つの更なる光源9093及び9094によってそれぞれ出射された光との組み合わせである。共通の光出力1400は、好適には白色光であり得る。
【0074】
図6に示されるソリューションは、スケーラブルであり、費用対効果が高く、本発明の実施形態に係る発光素子の所与のアプリケーションの要件に応じて容易に適合可能であるという点で有利である。
【0075】
図7は、導光体4080の光入力面4100に隣接して配置された、第1のスペクトル分布の光を発する第1の光源2100、2200、2300を含む導光体4080の側面図を示す。導光体4080は、更に、光入力面4100と平行な導光体4080の反対側の面4500に隣接して配置された、第1のスペクトル分布とは異なる第2のスペクトル分布の光を発する少なくとも1つの第2の光源2400を更に含む。導光体4080は、第1のスペクトル分布の光の少なくとも一部を、第1のスペクトル分布とは異なる第3のスペクトル分布の光に変換し、第2のスペクトル分布の光を変換することなく誘導するよう構成される。このようにすることで、導光体4080によって光出口面4200から出射された光1700は、少なくとも第2のスペクトル分布の光及び第3のスペクトル分布の光、また、一部は変換されずに残り得るため、場合によっては並びに第1のスペクトル分布の光の組み合わせを含む。非限定的な例として、第1のスペクトル分布は400nm未満の波長範囲内であり、第2のスペクトル分布は赤色波長範囲、すなわち500〜800nm内であり、第3のスペクトル分布は400〜500nmの波長範囲内であり得る。他の非限定的な例として、第1のスペクトル分布は緑色波長範囲、すなわち400〜500nm内であり、第2のスペクトル分布は赤色波長範囲、すなわち500〜800nm内であり、第3のスペクトル分布は440〜600nmの波長範囲内であり得る。他の非限定的な例として、第1の光源2100、2200、2300は440〜480nmの波長範囲内の光を発し、導光体4080は第1の光源によって発せられた光を480〜600nmの範囲内の波長の光に変換し、第2の光源2400は600〜800nmの波長範囲内の光を発し得る。原則的に、第1、第2、及び第3のスペクトル分布のあらゆる実施可能な組み合わせが使用可能であることに留意されたい。これにより、白色光を生成する単純且つ効率的な方法が得られる。
【0076】
図7に示されるように、導光体4080は、第2の光源2400からの光を導光体4080内に導入するよう構成された結合素子7710を更に含む。結合素子7710は、上記したような結合構造又は結合媒体であり得る。結合素子はオプションの要素であり、よって省かれてもよく、その場合、第2の光源は導光体と直接光接触するよう配置され得る。
【0077】
2つ以上の第2の光源が設けられてもよい。これらの実施形態では、更に、異なるスペクトル分布の光を発する第2の光源を設け、異なる面に配置された第2の光源が異なるスペクトル分布の光を発することも可能である。更に、第2の光源は、代替的に又は追加で、光入力面4100とは異なる導光体4080の2つ以上の面、例えば2つの異なる面に配置され得る。例えば、少なくとも1つの第2の光源2400は、導光体4080の光出口面4200の反対側の面に配置され得る。
【0078】
図8A及び図8Bは、導光体4090A、4090Bの光入力面とは異なる1つの表面上に、対応する面から好ましくは約30μm以内の距離に設けられたヒートシンク要素7000A及び7000Bをそれぞれ有する導光体4090A及び導光体4090Bの側面図をそれぞれ示す。実施形態によらず、各ヒートシンク要素7000A、7000Bは、向上された熱放散のためにフィン7100、7200、7300を有するが、フィンはオプションの要素である。実施形態によらず、各ヒートシンク要素7000A、7000Bは、導光体の表面形状に適合するよう構成され、よって、導光体との接触領域全体に渡って合致する熱接触を提供するよう構成される。これにより、拡大された熱接触面積、よって導光体の向上された冷却が得られ、ヒートシンク要素の配置に関する既存の許容限界はより致命的でなくなる。
【0079】
図8Aは、ヒートシンク要素7000Aが複数のヒートシンク部分、ここでは3つのヒートシンク部分7001、7002、7003、及び7004を含み、そのうちの1つ以上、ここでは4つ全てが、フィンを備え得ることを示す。当然ながら、ヒートシンク要素7000Aが有するヒートシンク部分の数が多い程、ヒートシンク要素7000は正確に導光体の表面と合致することができる。各ヒートシンク部分7001、7002、7003、7004は、導光体との接触領域全体に渡って合致する熱接触を提供するよう構成される。ヒートシンク部分は、導光体の表面から互いに異なる距離に配置されてもよい。更に、ヒートシンク要素7000Aは、ヒートシンク部分7001、7002、7003、及び7004がそれぞれ取り付け要素7010、7020、7030、及び7040によって個別に取り付けられる共通のキャリア7050を含む。あるいは、各ヒートシンク部分に各自のキャリアが割り当てられてもよい。これらの要素はオプションであることに留意されたい。
【0080】
図8Bは、ヒートシンク要素7000Bが配置される導光体4090Bの表面形状に合致するよう構成された底部7060をヒートシンク要素7000Bが有することを示す。底部7060は柔軟であり、例えば、銅層等の熱伝導性の金属層であり得る。ヒートシンク要素7000Bは、更に、ヒートシンク要素7000Bの向上された柔軟性及び適合性のために、ヒートシンク要素7000Bの底部要素7060と残りの部分との間に配置された熱伝導層7070を含む。熱伝導層7070は、例えば、熱伝導性の流体又はペーストであってもよい。一実施形態では、熱伝導層7070は高い反射率を有し及び/又は高い反射率のコーティングを有する。ヒートシンク要素7000Bは、更に、向上された熱放散のために流体フローを生成するために、ヒートシンク要素7000B内に配置された流体リザーバ7080を含む。変形例では、流体リザーバ7080は、ヒートシンク要素7000Bの外部に配置されてもよく、例えば、ヒートシンク要素7000Bの外周の一部又は全体に沿って延在してもよい。流体フローは、ポンプによって強められてもよい。伝導層7070及び流体リザーバ7080はオプションの要素であることに留意されたい。
【0081】
実施形態によらず、ヒートシンク要素7000A、7000Bは、銅、アルミニウム、銀、金、シリコンカーバイド、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、AlSiC、酸化ベリリウム、シリコン−シリコンカーバイド、AlSiC、銅タングステン合金、銅モリブデンカーバイド、カーボン、ダイヤモンド、グラファイト、及びこれらの2つ以上の組み合わせから選択される材料から形成され得る。更に、上記実施形態の特徴を兼ね備えたヒートシンク要素も実施可能である。また、上記実施形態のいずれかに係るヒートシンク要素を導光体4090A又は4090Bの2つ以上の表面に配置することも可能である。
【0082】
最後に、上記ヒートシンク要素の設置は、赤色波長範囲内の光を発し、且つ/又は、例えばIR発光蛍光体を備えることによって赤外線波長範囲内の光を発するよう構成された光源を採用する発光素子に特に適することに留意されたい。
【0083】
図9A図9Dは、各導光体4010A、4010B、4010C、4010Dの光出口面4200に隣接して配置された偏光子9001と、光出口面4200の反対側に延在する導光体4010A、4010B、4010C、4010Dの表面4600に配置された反射要素7400とを含む、導光体4010A、4010B、4010C、及び4010Dの側面図をそれぞれ示す。これにより、高い輝度及び高い効率性を有する偏光光源を得ることができる。実施形態によらず、偏光子9001は、反射直線偏光子及び反射円偏光子のいずれであってもよい。反射直線偏光子の例は、ワイヤーグリッド偏光子、複屈折層を含むポリマー層のスタックに基づく反射偏光子である。円偏光子は、いわゆるコレステリック液晶相のポリマーを使用して、1つの偏光及び特定のスペクトル分布の光しか通過させない、いわゆるコレステリック偏光子を作成することによって得ることができる。反射偏光子に代えて又は追加で、偏光ビームスプリッターを使用してもよい。更に、散乱偏光子を使用してもよい。他の実施形態では、例えば、ブルースター角に近い角度で光が入射するガラス等の材料からなるくさび形の偏光子を使用して、反射による偏光が用いられ得る。他の実施形態では、偏光子9001は、例えばWO2007/036877A2に開示されるような、いわゆる偏光バックライトであってもよい。他の実施形態では、偏光子9001は偏光構造であってもよい。
【0084】
図9Aは、偏光子9001が導光体4010Aの光出口面4200上に配置された一実施形態を示す。光源2100、2200、2300は、第1のスペクトル分布を有する第1の光1300を発し、これは、導光体4010A内で第2のスペクトル分布を有する第2の光1400に変換される。偏光子9001のため、第1の偏光、この場合はp偏光1400PAのみが光出口面4200を通過して出射され、第2の偏光、この場合はs偏光1400Sは反射されて導光体4010A内に戻る。反射されたs偏光1400Sは、反射要素7400によって反射される。反射されると、反射されたs偏光1400Sの少なくとも一部が、偏光子9001を通過するp偏光1400PBに変更される。したがって、第1の偏光、この場合はp偏光1400PA、1400PBのみを含む光出力が得られる。
【0085】
更に、この例では、導光体4010Aは、光出口面4200と反対側の面4600との間に伸びる表面のいずれかに配置された、図示の実施形態では表面4500を部分的に覆う1/4λ板9002を含む。あるいは、1/4λ板は表面4500を完全に覆ってもよく、又は2つ以上の分離したセグメントを含んでもよい。代替的に又は追加で、1/4λ板は、光出口面4200と面4600との間に延びる1つ以上の他の表面に配置されてもよい。他の実施形態では、1/4λ板9002は、1/4λ板と導光体との間にギャップが生じるよう、導光体と反射要素7400との間に配置されてもよい。1/4λ板9002は、第1の偏光を第2の偏光に変換するために、具体的には、円偏光を直線偏光に変換するために使用され得る。しかし、実施形態によらず、1/4λ板9002はオプションの要素であり、よって、省かれ得ることに留意されたい。
【0086】
図9Bは、偏光子9001が光出口面4200に対して角度を付けられて、原則的には任意の角度でよいが、図示されるように光出口面4200に対して45°の角度を付けられて配置された一実施形態を示す。更に、重ねられた1/4λ板9002及び反射要素9003が光線経路内の偏光子9001の下流に、偏光子9001に対して実質的に平行に延在するよう配置されている。これにより、反射された第1の偏光は導光体4010Bの外部に導出され、偏光子9001によって第2の偏光に変更される。その後、第2の偏光は反射要素9003によって方向転換され、1/4λ板9002によって更に偏光される。
【0087】
図9Cは、図9Aに示されるものと非常に良く似ているが、代替的な導光体4010Cが、光出口面4200の反対側にテーパ状の表面4600を有する一実施形態を示す。テーパ状の表面4600は、1/2λ板9004の形態のインサートによって隔てられた反射要素4701、4702を有する。
【0088】
図9Dは、2つの導光体4010D及び5010が、導光体4010Dの表面4500及び導光体5010の光入力面5100が互いに面し、且つ、それらが、導光体4010Dと5010との間に配置され、両者と光接触する更なる偏光子9005に面するよう重ねられた一実施形態を示す。偏光子9001は、導光体4010D及び5010の光出口面4200及び5200上に配置され、反射要素7400は、光出口面4200、5200の反対側の導光体4010D及び5010の表面4600及び5600上に配置される。更なる偏光子9005は、偏光子9001を通過した偏光と直交する偏光を通過させる。1/4λ板9002は、導光体5010の表面5500の少なくとも一部に設けられ得る。
【0089】
他の実施形態では、偏光子9001は、導光体の光出口面4200に配置された光学素子の一部として提供され得る。ある具体的な実施形態では、その場合、偏光子9001は、光学素子が取り付けられた状態において光出口面4200の反対側に位置するよう配置される。一例として、かかる光学素子は、例えば、上記の光学素子、複合パラボラ集光素子(CPC)、又は光学素子であってもよい。あるいは、かかる光学素子は、混合室であってもよい。特に、CPCの場合、1/4λ板は、CPCの偏光素子9001の反対側に配置され得る。
【0090】
図10は、複数のLEDを含む光源2100と、導光体4095とを含む発光素子1020を示す。この例では、光源2100は、好ましくは銅、鉄、又はアルミニウム等の金属からなるヒートシンク7000の形態のベース又は基板上に配置される。他の実施形態では、ベース又は基板はヒートシンクでなくともよいことに留意されたい。導光体4095は、互いに対してゼロではない角度で、この具体例では垂直に延びる光入力面4100及び光出口面4200を有するバー又はロッドとして概して成形されるよう図示されており、光出口面4200は、導光体4095の端面である。光入力面4100及び光出口面4200は異なるサイズを有し、好ましくは、光入力面4100が光出口面4200より大きい。導光体4095は、更なる面4600を更に有し、更なる面4600は、光出口面4200の反対側に平行に延在し、よって同様に導光体4095の端面である。導光体4095は、更に、側面4300、4400、4500を有する。導光体4095は、板状の形状を有してもよく、例えば正方形又は長方形の板であってもよい。
【0091】
発光素子1020は、更に、導光体4095の更なる面4600に配置された第1のミラー要素7600、及び導光体4095の光出口面4200に配置された第2のミラー要素7400を有する。図示されるように、第1のミラー要素7600は、光出口面4200と光接触するよう配置され、第2のミラー要素7600は、更なる表面4600と光接触するよう配置される。代わりに、第1及び第2のミラー要素7600及び7400と更なる面4600及び光出口面4200との間の一方又は両方の間に、ギャップが設けられてもよい。かかるギャップは、例えば空気又は光学接着剤によって充填され得る。
【0092】
導光体4095の光出口面4200は、更に、4つの内向きテーパ壁、及び更なる面4600に対して平行に延在する中央平坦部を有する。本明細書で使用される「テーパ壁」とは、光出口面の残りの部分、及び光出口面に隣接して延びる導光体の表面の両方に対してゼロではない角度で配置された光出口面4200の壁の部分を指す。当該壁は内向きにテーパ状であり、すなわち、導光体の断面は、出口面に近づくにつれ徐々に小さくなる。本実施形態では、第2のミラー要素7400は、光出口面4200のテーパ壁に配置され、光出口面4200のテーパ壁と光接触する。よって、第2のミラー要素は、光出口面4200の各テーパ壁に対応し、それらを覆う4つの部分7410、7420、7430、及び7410を有する。光出口面4200の中央平坦部に対応する開口部7520は、光が通り抜けて発光素子1020から外に出射され得る光出口面4200の透明部分を画定する。
【0093】
このようにすることで、より多くの光線が光出口面4200に向けられるよう、第2のミラー要素に衝突した光線が角度方向を変え、また、角度方向の変化により、以前はTIRによって導光体4095内に留まっていたであろう光線が、臨界反射角より小さい角度で光出口面4200に衝突するようになり、よって光出口面4200の開口部7520を介して導光体から出ることができる発光素子が提供される。これにより、発光素子が導光体4095の光出口面4200から出射する光の強度は、更に上昇される。具体的には、導光体が矩形のバーの場合、出口面の第2のミラー要素に垂直に衝突し、2つのミラー要素間で跳ね返り続けるため、バーから出ることができない光線が存在する。1つのミラー要素が内側に傾けられた場合、光線はそのミラー要素において反射された後方向を変え、第2のミラー要素の透明部分を通って導光体から出ることができる。したがって、この構成は、テーパ壁の反射により、光出口面4200の中央平坦部、よって第2のミラー要素7400内のスルーホール7520への改良された導光を提供する。
【0094】
他の実施形態では、異なる数のテーパ壁、例えば1つ、2つ、3つ、5つ、又は6つのテーパ壁等、4つより少ない又は多くのテーパ壁が設けられてもよく、また、テーパ壁の全てに第2のミラー要素又は第2のミラー要素の部分が設けられなくてもよい。他の変形例では、テーパ壁のうちの1つ以上は、第2のミラー要素7400によって覆われなくてもよく、且つ/又は、中央平坦部は、第2のミラー要素7400によって部分的に若しくは完全に覆われてもよい。
【0095】
図11は、本発明の一般的な第1の実施形態に係る発光素子1の斜視図を示す。発光素子1は、概して、複数のLED21、22、23を含む光源2、透明ヒートシンク要素3、及び第1の発光導光体4を含む。
【0096】
透明ヒートシンク要素3は、概して、互いに反対側に配置された第1の光入力面31及び第1の光出口面32、並びに、第1の光入力面31と第1の光出口面32との間に延在し、組ごとに互いに反対側に配置された更なる側面33、34、35、36を有するバー又はロッドとして成形されるよう図示されている。透明ヒートシンク要素3は、例えば、正方形又は長方形の板として、板状の形状を有してもよく、又は原則的には任意の他の適切な形状を有し得る。
【0097】
透明ヒートシンク要素3は、概して、非常に少ない損失で又は損失を伴わずに光を通過させる一方、第1の発光導光体4から離れる方向に熱が拡散及び移動される。すなわち、図示の実施形態では、更なる側面33、34、35、36のうちの1つ以上を介して熱が放出される。
【0098】
このような透明ヒートシンク要素3に適した材料は、透明度が高い材料、すなわち、入射光の全て又は実質的に全てを通過させる材料、例えば90%より高い透明度を有する材料であって、高い熱伝導率、すなわち、例えば1W(m・K)より高い、好ましくは10W(m・K)より高い熱伝導率を有する材料である。
【0099】
適切な材料は、限定はされないが、サファイア、YAG、LuAG等のアンドープ透明ガーネット、ガラス、石英、及びアルミナ酸化物等の他のセラミック材料を含む。
【0100】
第1の発光導光体4は、第1の光入力面41、第1の発光導光体4の端面である第1の光出口面42、及び更なる側面43、44、45、46を有するバー又はロッドとして概して成形されるよう図示されている。第1の発光導光体4も、板状の形状を有してもよく、例えば正方形又は長方形の板であってもよい。
【0101】
第1の光入力面41及び第1の光出口面42は、概して、互いに対してゼロではない角度で延び、すなわち、両者は平行な面内に延在しない。本明細書で示される実施形態では、第1の光入力面41及び第1の光出口面42は、互いに対して垂直に延びる。また、第1の光入力面41及び第1の光出口面42は異なるサイズを有し、好ましくは、第1の光入力面41が第1の光出口面42より大きい。
【0102】
第1の発光導光体4は、発光ガーネット等の発光材料からなり、適切なガーネットは上記の通りである。更に、第1の発光導光体4の発光材料は、好ましくは透明、集光性、又はこれらの組み合わせであり、適切な材料は上記の通りである。
【0103】
透明ヒートシンク要素3及び導光体4は、互いに物理的に、熱的に、及び光学的に接触するよう配置され得る。
【0104】
発光素子1は、概して以下のように作用する。第1のスペクトル分布を有する光13が光源2によって発せられ、光入力面31から入り、光出口面32から出て、透明ヒートシンク要素3を通過する。したがって、図示されるように、透明ヒートシンク要素3は、光源2と第1の発光導光体4との間の光路内に配置される。しかし、原則的に、光の一部は例えば面35を通過し得るため、全ての光が光出口面32を通過する必要はない。
【0105】
第1のスペクトル分布を有する光13は、その後、第1の光入力面42において第1の発光導光体4に入る。第1の発光導光体4により、第1のスペクトル分布を有する光13の少なくとも一部が、第2のスペクトル分布を有する光14に変換される。最後に、第2のスペクトル分布を有する光14の部分が、第1の光出口面42において第1の発光導光体4の外に誘導及び導出され、よって発光素子1によって出射される。第2のスペクトル分布を有する光14を第1の発光導光体4の1つの面42のみを介して第1の発光導光体4から取り出すことにより、光を集約し、強度を高めることができる。
【0106】
あるいは、図示されていないが、第1の光入力面41及び第1の光出口面42以外の第1の発光導光体4の面、すなわち、更なる面43、44、45、46のうちの1つ以上に反射層が設けられてもよい。
【0107】
上記実施形態では、光源2及び発光導光体は、透明ヒートシンク要素3と光接触しない。
【0108】
他の例では、第1の導光体4と透明ヒートシンク3との間に光接触が存在し、第2のスペクトル分布を有する光14も、透明ヒートシンク3内に少なくとも部分的に入り誘導され、面36及び46に反射層が設けられている場合、面35及び42から出射する。
【0109】
以下、本発明に係る発光素子1の異なる具体的な実施形態を、図12図19を参照しながら説明する。図11に関連して上記した一般的な実施形態と異なる特徴だけを説明する。
【0110】
図12は、本発明に係る発光素子101の第2の実施形態の構成の側面方向の断面図を示す。本実施形態では、第1の発光導光体4から離れる方向の追加の伝熱を提供するために、光源2は、不透明ヒートシンク70の形態のベース上に配置される。不透明ヒートシンク70は、改良された伝熱のために1つ以上のフィン71、72、73を含む。不透明ヒートシンク70は、好ましくは銅、鉄、又はアルミニウム等、高い熱伝導率を有する金属から構成される。また、不透明ヒートシンク70は、アルミナ又は窒化ホウ素等の反射セラミックから構成されてもよい。
【0111】
更に、透明ヒートシンク要素3と第1の発光導光体4との間にギャップ6が設けられる。ギャップ6は、例えば200μm未満、100μm未満、又は50μm未満のサイズを有する。ギャップ6は、スペーサー要素(図示無し)によって維持される空隙であってもよい。また、ギャップ6は、透光性且つ断熱性の物質、例えば比較的低い熱伝導率を有する透光性の接着剤等によって部分的に又は完全に充填されてもよい。
【0112】
また、光源2は、透明ヒートシンク要素3と物理的に接触するよう配置されてもよく、この場合、比較的薄い透明ヒートシンク要素3であっても、改良された伝熱が得られ得る。したがって、このようにすることで材料の節約ができ、また、よりコンパクトな発光素子1を提供することができる。
【0113】
図13は、本発明に係る発光素子102の第3の実施形態の側面方向の断面図を示す。本実施形態では、透明ヒートシンク要素301は、2つの補足セクション310及び312を有する。2つの補足セクション310及び312は、それぞれ、第1の発光導光体4の反対方向に延びるフィン311及び313を有し、第1の発光導光体4から離れる方向の追加の伝熱を提供する。補足セクション310及び311は透明なセクションとして図示されているが、変形例では不透明なセクションであってもよい。補足セクション310及び311が不透明な場合、1つ以上のフィンが設けられ、好ましくは、銅、鉄、若しくはアルミニウム等の比較的高い熱伝導率を有する金属、又はアルミナ若しくは窒化ホウ素等の反射セラミックから構成される。
【0114】
図14は、本発明に係る発光素子103の第4の実施形態の側面方向の断面図を示す。本実施形態では、透明ヒートシンク要素302からの改良された光外部導出のために、透明ヒートシンク要素302は、散乱粒子の形態の散乱材料10を透明ヒートシンク要素内に又は光入力面に有する。更に、ヒートシンク要素302は、意図された光外部導出面を介して透明ヒートシンク要素302から光を外部導出するために、適切な材料の層として図示されている結合構造7を有し得る。
【0115】
また、変形例では、透明ヒートシンクは、反射率が高い層を介して不透明ヒートシンクと接触し得る。不透明ヒートシンクは、1つ以上のフィンを有し得る。
【0116】
このようにすることで、2つの追加の結果が得られる。散乱材料10は、第1のスペクトル分布を有する光13の少なくとも一部が散乱光131になり、第1の発光導光体4に向けて外部導出されることをもたらす。散乱材料に代えて又は加えて、光を外部導出するための結合構造7が使用され得る。上記と同様に、これは、透明ヒートシンク要素3を導光体として使用することを可能にし、よって、図14に示されるように、透明ヒートシンク要素3の側面を光入力面31として使用し、結合構造7によって透明ヒートシンク要素3から光を外部導出し、光を光出口面32に送ることを可能にする。したがって、図14に示される発光素子103は、いわゆるエッジライト発光素子である。
【0117】
結合構造7は、必ずしも図14に示されるような層である必要はなく、適切な形状又は構造、例えば、透明ヒートシンク要素302の表面上に設けられた回折又は屈折構造であってもよい。また、透明ヒートシンク要素302からの光の外部導出を改良するために、結合構造が使用され得る。
【0118】
代わりに又は加えて、特に図17に関連して後述される第2の透明ヒートシンク要素を有する実施形態において、導光体4も、散乱材料及び/又は結合構造を有し得る。
【0119】
図15は、本発明に係る発光素子104の第5の実施形態の側面方向の断面図を示す。本実施形態では、透明ヒートシンク要素303は、テーパ状の2つの側面35及び36を有する略台形の断面形状を有する。このようにすることで、透明ヒートシンク要素303は、屈折によって光13を方向転換させる光学要素として機能し、このようにして、屈折された光132は第1の発光導光体4に送られる。これにより、透明ヒートシンク要素の通過中に失われる光の量が減る。透明ヒートシンク要素の他の断面形状、例えば放物線状の側面を有する断面形状等も実施可能であることに留意されたい。
【0120】
図16は、本発明に係る発光素子105の第6の実施形態の側面方向の断面図を示す。本実施形態では、透明ヒートシンク要素304は、光入力面31上に配置された屈折及び/又は回折構造74を有する。あるいは、屈折及び/又は回折構造74は、光入力面31内に埋め込まれてもよい。このようにすることで、透明ヒートシンク要素303は、回折によって光13を方向転換させる光学要素として機能し、回折光133は第1の発光導光体4に送られる。したがって、屈折及び/又は回折要素74は、光の内部導入を改良し、透明ヒートシンク要素の通過中の光損失の量を減らす。
【0121】
図示されていない他の実施形態では、屈折及び/又は回折構造は、追加で又は代わりに、透明ヒートシンク要素3の任意の他の面、又は第1の発光導光体4の面の上に配置され得る。
【0122】
図17は、本発明に係る発光素子106の第7の実施形態の側面方向の断面図を示す。本実施形態では、光入力面41の反対側の第1の発光導光体4の面45に隣接して、第2の透明ヒートシンク要素20が設けられる。より一般的に言えば、第2の透明ヒートシンク要素20は、透明ヒートシンク要素3の反対側の第1の発光導光体4の面に隣接して又は当該面の上に配置される。これにより、第1の発光導光体4は、2つの透明ヒートシンク要素3及び20の間に配置される。これは、更に改良された第1の発光導光体4から離れる方向の伝熱を提供する。
【0123】
第2の透明ヒートシンク要素20は、例えば長方形若しくは正方形の断面を有するロッド、バー、若しくは板状の形状を有してもよく、又は原則的に任意の他の適切な形状を有してもよい。
【0124】
この例では、透明ヒートシンク要素3と第1の発光導光体4との間にギャップ6が設けられる。ギャップ6は、例えば200μm未満、100μm未満、又は50μm未満のサイズを有する。ギャップ6は、スペーサー要素(図示無し)によって維持される空隙であってもよい。また、ギャップ6は、透光性且つ断熱性の材料、例えば透光性且つ断熱性の接着剤等によって部分的に又は完全に充填されてもよい。
【0125】
好ましくは、第2の透明ヒートシンク要素20と第1の発光導光体4との間に同様なギャップ75が設けられる。ギャップ75は、例えば200μm未満、100μm未満、又は50μm未満のサイズを有する。ギャップ75は、スペーサー要素(図示無し)によって維持される空隙であってもよい。また、ギャップ75は、透光性且つ断熱性の材料、例えば透光性且つ断熱性の接着剤等によって部分的に又は完全に充填されてもよい。
【0126】
本実施形態では、更に、第1の透明ヒートシンク要素3並びに/又はギャップ6及び75の一方若しくは両方を省くことが可能であり得る。
【0127】
図18は、本発明に係る発光素子107の第8の実施形態の端面方向の断面図を示す。本実施形態では、第1の発光導光体4は、透明ヒートシンク要素305によって包囲され、すなわち、透明ヒートシンク要素305は、第1の発光導光体4の4つの面に隣接して延在する。
【0128】
更に、透明ヒートシンク要素305は、三角形の断面形状を有する。原則的に、透明ヒートシンク要素は、実施形態によらず、任意の断面形状及び/又は表面形状を有し得ることに留意されたい。
【0129】
更に、透明ヒートシンク要素3の3つの側面の全てに光源21、22、23が設けられ、よって、透明ヒートシンク要素3は3つの異なる角度から照射される。原則的に、要求される光出力が達成される限り、任意の所望の数の異なる角度から透明ヒートシンク要素を照射するために、任意の所望の数の光源が配置され得る。これにより、より多くの光が第1の発光導光体4内に導入され、一層大きな強度上昇が達成される。透明ヒートシンク要素は、より高い熱伝導率を有する不透明ヒートシンクに取り付けられ得る。
【0130】
図19は、本発明に係る発光素子108の第9の実施形態の端面方向の断面図を示す。本実施形態では、第1の発光導光体4は、透明ヒートシンク要素306内に設けられた凹部3061内に配置される。言い換えれば、透明ヒートシンク要素306は、導光体を3つの面で包囲するよう成形され、すなわち、透明ヒートシンク要素306は、第1の発光導光体4の光入力面41並びに側面43及び44に隣接して延在する。
【0131】
更に、発光素子108は、第1の発光導光体4及び透明ヒートシンク要素306を包囲するよう配置された不透明ヒートシンク76を有し、すなわち、不透明ヒートシンク76は、改良された伝熱のために3つの面に隣接して延在する。図示されるように、光源2が配置される面は、不透明ヒートシンク76に隣接して延在する。
【0132】
変形例では、不透明ヒートシンク76は、第1の発光導光体4及び透明ヒートシンク要素3の1つ、2つ、3つの側面と、又は4つの側面とさえ隣接して延在し得る。原則的には、光源2が配置される面も、不透明ヒートシンク76と隣接し、この場合、光源2は、透明ヒートシンク要素3の光入力面に面する不透明ヒートシンクの表面上に配置される。
【0133】
透明ヒートシンク要素は、第1の光出口面を含まない4つの面において第1の発光導光体を包囲するよう提供され得る。
【0134】
一部の実施形態では、発光素子は、更に、図2に関連して上記したような蛍光体ホイールを含む。
【0135】
他の実施形態では、発光素子は、図3に関連して上記したように、第1の光出口面に光学素子を有する。代わりに又は追加で、導光体の第1の光出口面は、図10に関連して上記したようなテーパ壁を有し得る。
【0136】
一部の実施形態では、第1の導光体は、図4及び図5に関連して上記したように成形され得る。
【0137】
一部の実施形態では、例えば図7に関連して上記したように、第1の光源とは異なるスペクトル分布を有する光を発する光源が、本発明に係る発光素子に加えられてもよい。
【0138】
一部の実施形態では、熱除去を更に改良するために、図8A及び図8Bに関連して上記したようなヒートシンク要素が、第1の導光体上に配置されてもよい。
【0139】
一部の実施形態では、例えば図9A図9Dに関連して上記したように、第1の導光体は、偏光を供給するよう構成され得る。
【0140】
例えば図6に関連して上記したように、本発明の実施形態に係る発光素子は、デジタルプロジェクト内に配置され得る。
【0141】
当業者は、本発明が如何ようにも上記好適な実施形態に限定されないことを認識する。反対に、添付の特許請求の範囲の範囲内で、多くの改変形態及び変形形態が実現可能である。
【0142】
特に、本明細書に記載される様々な実施形態の様々な要素及び特徴は、自由に組み合わせられ得る。
【0143】
更に、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲を分析することにより、当業者は、開示の実施形態の変形形態を理解及び実施することができる。請求項中、「含む」等の用語は他の要素を除外せず、要素は複数を除外しない。単にいくつかの手段が互いに異なる従属請求項に記載されているからといって、これらの手段の組み合わせを好適に使用することができないとは限らない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19