(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体部に対して前記回転部が前記第一移動部により前記第一の方向に移動自在に支持され、前記回転部に対して前記工具ホルダが前記第二移動部により前記第二の方向に移動自在に支持され、前記工具ホルダに支持された前記工具により前記取付面の内周側を切削可能であることを特徴とする請求項1に記載のシール面加工機。
前記本体部に対して前記回転部が回転自在に支持され、前記回転部に対して前記工具ホルダが前記第一移動部により前記第一の方向に移動自在に支持されると共に、前記第二移動部により前記第二の方向に移動自在に支持され、前記工具ホルダに支持された前記工具により前記取付面の外周側を切削可能であることを特徴とする請求項1に記載のシール面加工機。
前記回転部の外周部に前記工具ホルダが装着されると共に、前記回転部の外周部における前記工具ホルダと周方向に180度対向する位置にカウンタウエイトが装着されることを特徴とする請求項3に記載のシール面加工機。
前記弁本体部における弁座に接触して前記回転部の中心位置を規定する芯出治具が前記回転部に着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシール面加工機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した弁装置にて、パッキンシートの取付面の浸食が発生すると、蒸気タービンへ流入する蒸気の流れが乱れるおそれがあることから、このパッキンシートの取付面を補修加工する必要がある。この補修加工は、パッキンシートの取付面を切削して浸食部分を除去するものである。そして、この補修加工は、弁装置を発電設備から取り外して別の工場へ搬送し、ここで所定の加工装置により行われる。そのため、弁装置の補修作業が長時間にわたって実施されることとなり、作業が困難なものとなるばかりか、長期間にわたって発電設備を停止しなければならない。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するものであり、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の作業性の向上を図るシール面加工機及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するための本発明のシール面加工機は、流体の流路が設けられる弁本体部と、前記弁本体部の開口部から前記流路に挿入される弁体により前記流路を開閉する弁駆動部と、前記弁本体部にシール部材を介して固定されることで前記開口部を閉止する取付板と、を備える弁装置において、前記弁本体部における前記シール部材の取付面を切削加工するシール面加工機であって、前記弁本体部に取付けられる台座部と、前記台座部に対して移動自在に支持される本体部と、前記取付面を加工する工具を保持する工具ホルダと、前記本体部に対して前記工具ホルダを前記弁体の移動方向に平行な軸回りに回転する回転部と、前記本体部に対して前記工具ホルダを前記弁体が移動する第一の方向に沿って移動可能な第一移動部と、前記本体部に対して前記工具ホルダを前記弁体の移動方向に交差する第二の方向に沿って移動可能な第二移動部と、前記台座部に対して前記本体部を前記第一の方向に位置調整する第一調整装置と、前記台座部に対して前記本体部を前記第二の方向に位置調整する第二調整装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
従って、弁装置におけるシール部材の取付面がエロージョンによって浸食したとき、シール面加工機を弁駆動部に代えて弁装置の弁本体部に組み付ける。そして、弁装置がタービンなどに装着されたままの状態で、取付面の補修加工を行うことができる。そのため、弁装置をタービンなどから取り外したり、補修工場へ搬送したり、再びタービンなどへ組み付けたりする作業が不要となり、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の作業性を向上することができる。また、シール面加工機による取付面の補修加工時、第一調整装置により第一の方向に沿って位置調整すると共に、第二調整装置により第二の方向に位置調整することができ、取付面に合わせてシール面加工機の位置や傾きを調整することができ、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の加工精度を向上することができる。
【0009】
本発明のシール面加工機では、前記本体部に対して前記回転部が前記第一移動部により前記第一の方向に移動自在に支持され、前記回転部に対して前記工具ホルダが前記第二移動部により前記第二の方向に移動自在に支持され、前記工具ホルダに支持された前記工具により前記取付面の内周側を切削可能であることを特徴としている。
【0010】
従って、弁本体部におけるシール部材の取付面の内周側における補修作業の作業性を向上することができると共に、補修作業の加工精度を向上することができる。
【0011】
本発明のシール面加工機では、前記本体部に対して前記回転部が回転自在に支持され、前記回転部に対して前記工具ホルダが前記第一移動部により前記第一の方向に移動自在に支持されると共に、前記第二移動部により前記第二の方向に移動自在に支持され、前記工具ホルダに支持された前記工具により前記取付面の外周側を切削可能であることを特徴としている。
【0012】
従って、弁本体部におけるシール部材の取付面の外周側における補修作業の作業性を向上することができると共に、補修作業の加工精度を向上することができる。
【0013】
本発明のシール面加工機では、前記回転部の外周部に前記工具ホルダが装着されると共に、前記回転部の外周部における前記工具ホルダと周方向に180度対向する位置にカウンタウエイトが装着されることを特徴としている。
【0014】
従って、回転部の外周部の一方に工具ホルダを装着し、他方側にカウンタウエイトを装着することで、回転部の重心位置のずれを修正し、回転部に作用するアンバランスを防止して工具ホルダの偏心回転を抑制することができる。
【0015】
本発明のシール面加工機では、前記弁本体部における弁座に接触して前記回転部の中心位置を規定する芯出治具が前記回転部に着脱自在に設けられることを特徴としている。
【0016】
従って、芯出治具によりシール面加工機における回転部の中心位置を規定し、弁本体部の中心と工具ホルダの中心を一致させることができ、取付面の加工精度を向上することができる。
【0017】
本発明のシール面加工機では、前記台座部は、前記弁本体部における前記取付面から所定隙間を空けて配置されることを特徴としている。
【0018】
従って、台座部が弁本体部の取付面から所定隙間を空けて配置されることで、取付面が外部に露出することとなり、切削工具により容易に取付面を切削加工することができる。
【0019】
また、本発明のシール面加工方法は、流体の流路が設けられる弁本体部と、前記弁本体部の開口部から前記流路に挿入される弁体により前記流路を開閉する弁駆動部と、前記弁本体部にシール部材を介して固定されることで前記開口部を閉止する取付板と、を備える弁装置において、前記弁本体部における前記シール部材の取付面を切削加工するシール面加工方法であって、前記弁本体部から前記弁駆動部を取り外す工程と、前記弁本体部に前記シール面加工機を取り付ける工程と、前記第一調整装置及び前記第二調整装置により前記本体部の位置調整を行う工程と、前記工具ホルダを前記弁体の移動方向に平行な軸回りに回転する工程と、前記工具ホルダを前記第二の方向に沿って移動する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0020】
従って、弁装置がタービンなどに装着されたままの状態で、取付面の補修加工を行うことができる。そのため、弁装置をタービンなどから取り外したり、補修工場へ搬送したり、再びタービンなどへ組み付けたりする作業が不要となり、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の作業性を向上することができる。また、シール面加工機による取付面の補修加工時、第一調整装置により第二の方向に沿って位置調整すると共に、第二調整装置により第二の方向に位置調整することができ、取付面に合わせてシール面加工機の位置や傾きを調整することができ、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の加工精度を向上することができる。
【0021】
本発明のシール面加工方法では、前記工具ホルダに支持された切削工具により前記取付面の内周側を切削する工程と、前記工具ホルダに支持された前記切削工具により前記取付面の外周側を切削する工程と、を有することを特徴としている。
【0022】
従って、取付面の内周側を切削する処理と、取付面の外周側を切削する処理とを別工程により実施することで、取付面の全面を適切に切削加工することができ、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の加工精度を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のシール面加工機及び方法によれば、弁装置におけるシール部材の取付面がエロージョンによって浸食したとき、シール面加工機を弁駆動部に代えて弁装置の弁本体部に組み付けることで、弁装置がタービンなどに装着されたままの状態で、取付面の補修加工を行うことができる。そのため、弁本体部におけるシール部材の取付面の補修作業の作業性を向上することができると共に、補修作業の加工精度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るシール面加工機及び方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0026】
[弁装置]
シール面加工機により補修加工を行う弁装置について説明する。
図7は、弁装置を表す断面図である。
【0027】
図7に示すように、弁装置101は、蒸気の流路110aを形成する弁本体部110と、この弁本体部110に着脱可能に設けられて弁本体部110における流路110aを開閉するように弁体124を動作する弁駆動部120とを備えている。弁装置101は、図示しないが、発電設備におけるボイラと蒸気タービンとの間に設けられるものであり、弁本体部110によってボイラから蒸気タービンへ供給される蒸気が流通する流路110aを形成すると共に、弁駆動部120によってこの流路110aにおける蒸気の流通の停止や流路110aを流通する蒸気の流量の調整を行うものである。
【0028】
弁本体部110は、水平方向における一方側(
図7における右方側)に開口する第一開口部111と、鉛直方向における一方側(
図7における下方側)に開口する第二開口部112と、鉛直方向における他方側(
図7における上方側)に開口する第三開口部113とが設けられている。弁本体部110は、第一開口部111がボイラに接続され、第二開口部112が蒸気タービンに接続されており、ボイラで発生された蒸気は、第一開口部111を介して弁装置101(弁本体部110)内に流入され、その後、第二開口部112を介して蒸気タービンへ流出されるようになっている。つまり、弁本体部110は、第一開口部111と第二開口部112とを連通する流路110aが形成されている。
【0029】
第三開口部113は、流路110aと連通して第二開口部112と対向するように形成されている。また、第三開口部113は、弁本体部110における上面114に臨んで形成されており、この第三開口部113が臨む上面114は、平らに加工された加工面である。弁本体部110は、上面114に弁装置101における弁駆動部120が取付けられるようになっている。
【0030】
弁駆動部120は、弁本体部110(上面114)に固定される取付板121と、取付板121に設けられて駆動源(図示略)を有する駆動部本体122と、駆動部本体122によって一方向(鉛直方向であって、
図7における上下方向)に動作される弁棒123および弁体124とを備えている。
【0031】
弁本体部110は、上面114に第三開口部113の近傍に複数のボルト穴115が形成されており、このボルト穴115は、それぞれスタッドボルト116がねじ込まれている。一方、弁駆動部120は、取付板121に弁本体部110の第三開口部113に対応した位置に弁棒123を挿通可能な弁棒挿通穴125が形成されると共に、弁本体部110のボルト穴115およびスタッドボルト116に対応した位置にスタッドボルト116を挿通可能なボルト挿通穴126が形成されている。
【0032】
取付板121(弁駆動部120)は、ボルト挿通穴126に対して上面114(弁本体部110)からスタッドボルト116が挿通され、スタッドボルト116の先端からナット117がねじ込まれることにより、取付板121(弁駆動部120)が上面114(弁本体部110)に固定される。なお、弁本体部110におけるボルト穴115およびスタッドボルト116は、第三開口部113を囲んで周方向に所定距離離間して複数設けられており、弁駆動部120におけるボルト挿通穴126は、ボルト穴115およびスタッドボルト116に対応するように、すなわち、弁棒挿通穴125を囲んで周方向に所定距離離間して複数(ボルト穴115およびスタッドボルト116と同ピッチおよび同数)設けられている。
【0033】
弁本体部110と取付板121との間にシール部材としてのパッキンシート130が設けられている。弁本体部110は、上面114がこのパッキンシート130の取付面であって、上面114にパッキンシート130が載置され、パッキンシート130の上面に取付板121が載置されている。パッキンシート130は、弁本体部110の上面114と取付板121の下面との間に挟持され、スタッドボルト116及びナット117により脱落不能に取付けられている。
【0034】
駆動部本体122は、固定装置(図示略)によって取付板121に固定され、弁棒123は、駆動部本体122から取付板121の弁棒挿通穴125を挿通して下方に突出して設けられ、弁体124は、弁棒123の先端側(
図7における下端側)に取付けられている。
【0035】
弁棒123および弁体124は、駆動部本体122の駆動源によって、弁棒123の軸方向(
図7における上下方向)に動作するようになっている。弁本体部110は、第二開口部112に弁体124に対応した形状の弁座118が設けられており、弁駆動部120の動作によって弁体124は弁座118に密着係合するようになっている。弁体124が弁座118に密着係合することにより、弁本体部110における流路110aが閉じられ、ボイラから図示しない蒸気タービンへの蒸気の流通が停止される。
【0036】
[第1実施形態]
第1実施形態のシール面加工機は、弁装置101にて、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面(上面)114を切削加工するものである。そして、このシール面加工機は、弁本体部110の取付面(上面)114における内周側を切削加工する内周側用シール面加工機と外周側を切削加工する外周側用シール面加工機とから構成されている。
【0037】
まず、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の内周側を切削加工する内周側用シール面加工機について説明する。
【0038】
図1は、第1実施形態の内周側用シール面加工機を表す平面図、
図2は、内周側用シール面加工機を表す
図1のII−II断面図、
図3は、内周側用シール面加工機における台座部と本体部との固定方法を表す
図1のIII−III断面図、
図4は、内周側用シール面加工機における押圧装置を表す
図1のIV−IV断面図、
図5は、内周側用シール面加工機における芯出作業を表す概略図である。
【0039】
図1及び
図2に示すように、シール面加工機1を構成する内周側用シール面加工機1Aは、台座部10と、本体部20と、第一支持部(第一移動部)30と、主軸(回転部)40と、第二支持部(第二移動部)50と、工具ホルダ60とを備えている。
【0040】
台座部10は、弁装置101の弁本体部110に固定される。この台座部10は、弁本体部110の取付面114の内周部側が露出するように、この弁本体部110の取付面114上に取付部10aを介して載置されている。本体部20は、台座部10上に設けられ、この台座部10に対して水平なX軸方向(
図1における上下方向)およびY軸方向(
図1における左右方向)に移動可能である。第一支持部30は、本体部20から水平な一方側(
図1および
図2における左方側)に延設され、ボールねじ装置31によりこの本体部20に対して鉛直なZ軸方向(
図2における上下方向)に移動可能となっている。主軸40は、第一支持部30の先端側(
図2における左端側)に設けられ、この第一支持部30に対して鉛直なW軸方向(
図2における上下方向)に移動可能に支持されている。そして、主軸40は、駆動モータ41により鉛直なC軸回りに駆動回動可能となっている。
【0041】
第二支持部50は、主軸40の先端部(
図2における下端部)に設けられ、取付台51をこの主軸40に対して水平なX軸方向(
図1における上下方向)およびY軸方向(
図1における左右方向)に移動可能となっている。工具ホルダ60は、この取付台51の下端部に設けられ、切削工具Tを保持すると共にこの第二支持部50により鉛直方向と交差するXt軸方向(
図2においては、左右方向)に移動可能である。
【0042】
なお、内周側用シール面加工機1Aは、図示しないNC装置により、第一支持部30、主軸40、第二支持部50、工具ホルダ60の移動がそれぞれ制御される。
【0043】
この内周側用シール面加工機1Aは、弁装置101にて、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114がエロージョンによって浸食したとき、この取付面114を補修加工するためのものであり、弁駆動部120(
図7参照)に代えて弁装置101の弁本体部110に組み付けられるものである。つまり、内周側用シール面加工機1Aは、移動可能なものであり、弁装置101(弁本体部110)がボイラおよび蒸気タービンに組み付けられた状態で、弁座118の補修加工を行うことができるものである。
【0044】
内周側用シール面加工機1Aにおいて、台座部10は、円形部11と方形部12とを合わせた平板形状からなり、円形部11において台座部10が弁装置101の弁本体部110に固定され、方形部12において内周側用シール面加工機1Aの本体部20が台座部10に固定される。
【0045】
台座部10は、円形部11に主軸40を挿通可能な(第三開口部113と略同径であり、
図1および
図2においては、第三開口部113よりも大きい径を有する)主軸通し穴13と、スタッドボルト116を挿通可能な複数(
図1においては十二個)のボルト通し穴14とが設けられている。主軸通し穴13は、第三開口部113に対応した位置に形成され、複数のボルト通し穴14は、弁装置101のボルト穴115およびスタッドボルト116に対応した位置、すなわち、主軸通し穴13を囲んで周方向に所定距離離間して複数(ボルト穴115およびスタッドボルト116と同ピッチ且つ同数)設けられている。
【0046】
内周側用シール面加工機1Aにおける台座部10のボルト通し穴14に、弁装置101における弁本体部110のスタッドボルト116を挿通し、このスタッドボルト116の先端からナット15をねじ込むことにより、台座部10(内周側用シール面加工機1A)を弁本体部110(弁装置101)に固定することができる。
【0047】
ここで、弁装置101における複数のスタッドボルト116と内周側用シール面加工機1A(台座部10)における複数のボルト通し穴14とが、互いに同ピッチで、且つ、同数設けられているため、弁装置101に対して内周側用シール面加工機1Aを1ピッチ(または複数ピッチ)分だけ回転させても、台座部10のボルト通し穴14に弁装置101のスタッドボルト116を挿通させることができる。よって、台座部10(内周側用シール面加工機1A)を弁本体部110(弁装置101)に対して1ピッチ毎に位相をずらして組み付けることができる。このように弁装置101に対する内周側用シール面加工機1Aの取付け向きを可変としたことにより、弁装置101の近くに図示しない他の機器(周辺構造物)がある場合には、この他の機器との干渉を回避しつつ、内周側用シール面加工機1Aの弁装置101(弁本体部110)への組み付けが可能となる。
【0048】
図1および
図3に示すように、内周側用シール面加工機1Aは、本体部20にフランジ21が対称の位置(
図1における上方側および下方側)に設けられている。このフランジ21が、このフランジ21と略同じ高さ(
図3における上下方向長さ)に形成されたライナ22と共に、押し付け金具23およびボルト24によって押え付けられることにより、本体部20は台座部10に固定されている。
【0049】
また、内周側用シール面加工機1Aは、台座部10に対して本体部20を第一の方向となるZ軸方向に位置調整する第一調整装置70と、台座部10に対して本体部20を第二の方向となる水平なX軸方向およびY軸方向に位置調整する第二調整装置80とを備えている。
【0050】
第二調整装置80において、台座部10は、本体部20の周囲(
図1においては四方)に位置する突出部16,17が設けられている。水平なX軸方向における本体部20の両側(
図1における上方側および下方側)に位置する突出部16は、X軸方向位置調整ボルト18がねじ込まれており、このX軸方向位置調整ボルト18をねじ回すことによって、台座部10上において本体部20をX軸方向に移動することができる。水平なY軸方向における本体部20の両側(
図1における左方側および右方側)に位置する突出部17は、Y軸方向位置調整ボルト19がねじ込まれており、このY軸方向位置調整ボルト19をねじ回すことによって、台座部10上において本体部20をY軸方向に移動することができる。つまり、X軸方向位置調整ボルト18およびY軸方向位置調整ボルト19によって、水平面(X−Y平面)内における台座部10に対する本体部20の位置を調整することができるようになっている。
【0051】
第一調整装置70において、
図1および
図4に示すように、本体部20は、フランジ21を鉛直方向(
図4においては、上下方向)に貫通する複数(
図1においては、四つ)のねじ穴25が形成されており、このねじ穴25は、それぞれ押し上げボルト26がねじ込まれている。この押し上げボルト26をフランジ21にねじ込むことによって、台座部10に対して本体部20を持ち上げる、すなわち、台座部10と本体部20との間に隙間を形成することができる。このように本体部20を持ち上げて台座部10と本体部20との間に隙間を形成することにより、この隙間(台座部10と本体部20との間)に図示しない高さ調整ライナを挿入することができる。つまり、本体部20の一端側に図示しない高さ調整ライナを挟み込み、本体部20の一端側のみを高くすることにより、台座部10に対する本体部20の傾き(主軸40の鉛直方向に対する傾き)を調整することができるようになっている。
【0052】
上述したように、弁装置101に固定された台座部10に対して、本体部20のX軸方向位置、Y軸方向位置および傾きを調整可能としたことにより、主軸40を弁座118の中心と一致させた正確な加工を行うことができる。なお、台座部10に対する本体部20の固定にライナ22と押し付け金具23とボルト24とを用いることにより、X軸方向位置、Y軸方向位置および傾きを調整した状態で本体部20を台座部10に固定することができる。
【0053】
更に、内周側用シール面加工機1Aは、
図5に示すように、弁装置101にて、弁本体部110における弁座118に接触して主軸40の中心位置を規定する芯出治具90をこの主軸40に着脱自在に設けられている。芯出治具90は、第二支持部50の取付台51に対して着脱自在であり、複数の位置に接触子91,92,93を装着可能となっている。そのため、接触子91,92,93を弁座118や第三開口部113に接触した状態で、主軸40を回転することで、その接触状態に応じて弁本体部110の中心位置に対する主軸40の中心位置のずれを検出することができる。
【0054】
次に、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の外周側を切削加工する内周側用シール面加工機について説明する。
図6は、第1実施形態の外周側用シール面加工機を表す縦断面図である。なお、外周側用シール面加工機は、上述した内周側用シール面加工機と基本的にはほぼ同様の構成であり、同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
図6に示すように、シール面加工機1を構成する外周側用シール面加工機1Bは、台座部10と、本体部20と、第一支持部(第一移動部)30と、主軸(回転部)40と、第二支持部(第二移動部)50と、工具ホルダ60とを備えている。
【0056】
台座部10は、弁装置101の弁本体部110に固定される。台座部10は、無孔の円板形状をなし、弁本体部110の取付面114の外周部側が露出するように、この弁本体部110の取付面114上に取付部10aを介して載置されている。本体部20は、台座部10上の中心部に設けられ、この台座部10に対して水平なX軸方向およびY軸方向に移動可能である。主軸40は、本体部20の外周部に回転自在に支持されたリングギアであって、本体部20に設けられた駆動モータ41により鉛直なC軸回りに駆動回動可能となっている。第一支持部30は、主軸40の外周部に設けられ、例えば、ボールねじ装置やシリンダ装置などにより主軸40に対して鉛直なZ軸方向に移動可能となっている。
【0057】
第二支持部50は、第一支持部30の下端部に設けられ、第一支持部30に対して水平なX軸方向およびY軸方向に移動可能となっている。工具ホルダ60は、この第二支持部50に設けられ、切削工具Tを保持すると共にこの第二支持部50により鉛直方向と交差する方向に移動可能である。
【0058】
なお、図示しないが、外周側用シール面加工機1Bも、台座部10に対して本体部20を第一の方向となる水平なX軸方向およびY軸方向に位置調整する第一調整装置と、台座部10に対して本体部20を第二の方向となる水平なZ軸方向に位置調整する第二調整装置と、弁本体部110における弁座118に接触して主軸40の中心位置を規定する芯出治具を備えている。
【0059】
外周側用シール面加工機1Bは、主軸40の外周部に第一支持部30及び第二支持部50を介して工具ホルダ60が装着されている。また、外周側用シール面加工機1Bは、主軸40の外周部にカウンタウエイトGが装着されている。工具ホルダ60とカウンタウエイトGは、主軸40の周方向における180度対向する位置に配置されており、同じ質量バランスとなるようにそれぞれの重量と装着位置が設定されている。
【0060】
ここで、第1実施形態のシール面加工機1としての内周側用シール面加工機1Aと外周側用シール面加工機1Bとを用いた弁装置101におけるシール面加工方法について説明する。
【0061】
ボイラおよび蒸気タービンの駆動によって弁装置101におけるパッキンシート130の取付面114にエロージョンによる浸食が生じた場合、定期検査時などにボイラおよび蒸気タービンの駆動を停止し、シール面加工機1を用いて取付面114の補修加工を実施する。
【0062】
まず、内周側用シール面加工機1Aにより弁装置101における取付面114の内周側の補修加工を実施する。
図7に示すように、弁装置101において、弁本体部110に組み付けられている弁駆動部120を取り外し、
図2に示すように、弁駆動部120に代えて内周側用シール面加工機1Aを弁本体部110に組み付ける。即ち、弁本体部110に設置されたスタッドボルト116を台座部10のボルト通し穴14に挿通すると共に、このスタッドボルト116にナット15をねじ込むことにより、内周側用シール面加工機1Aにおける台座部10が弁装置101における弁本体部110に固定される。
【0063】
このとき、弁装置101の周囲に図示しない他の機器(周辺構造物等)がある場合には、この他の機器との干渉および作業性を考慮して内周側用シール面加工機1Aを設置する。台座部10に設けられた複数のボルト通し穴14がスタッドボルト116と同ピッチで、且つ、同数で設けられていることにより、弁装置101に対する内周側用シール面加工機1A(台座部10)の取付け向き(方形部12が位置する方向)を種々の方向にすることができ、他の機器との干渉および作業性を考慮して内周側用シール面加工機1Aを設置することができる。
【0064】
ここで、台座部10に対する本体部20の水平面内における位置(X軸方向位置およびY軸方向位置)と傾きとを調整する。即ち、
図1から
図4に示すように、第二調整装置80において、X軸方向位置調整ボルト18およびY軸方向位置調整ボルト19により、台座部10に対する本体部20のX軸方向位置およびY軸方向位置を調整する。また、第一調整装置70において、押し上げボルト26によって本体部20を持ち上げて高さ調整ライナ(図示略)を挿入することにより、台座部10に対する本体部20の傾き(主軸40の鉛直方向に対する傾き)を調整する。
【0065】
このとき、
図5に示すように、芯出治具90を用いて弁装置101に対する内周側用シール面加工機1Aの取付位置を確認する。即ち、第二支持部50の取付台51に芯出治具90を装着し、主軸40を回転することで、各接触子91,92,93により弁本体部110に対する本体部20の取付位置のずれを検出する。そして、この位置ずれがなくなるように、つまり、弁本体部110の中心位置と主軸40の中心位置が一致するように、本体部20のX軸方向位置、Y軸方向位置、傾きの調整量を調整する。
【0066】
そして、本体部20を台座部10に固定する。
図3に示すように、本体部20におけるフランジ21の近傍にライナ22を設置し、フランジ21およびライナ22を押し付け金具23およびボルト24によって押え付けられることによって、本体部20を台座部10に固定する。
【0067】
以上の作業で、内周側用シール面加工機1Aによる取付面114の内周部の補修加工の準備が完了する。そして、内周側用シール面加工機1Aによる弁装置101における取付面114の補修加工を行う。
【0068】
図2に示すように、切削工具Tを工具ホルダ60によって保持した状態で主軸40を回転駆動し、第一支持部30をZ軸方向(または、主軸40をW軸方向)に移動させると共に、工具ホルダ60をXt軸方向に移動させることにより、取付面114における内周側の範囲114aを切削加工する。このとき、取付面114(114a)の浸食部分を除去することができる程度に第一支持部30(または、主軸40)および工具ホルダ60を移動する。このようにして内周側用シール面加工機1Aにより取付面114の内周側の範囲114aの補修加工が完了する。
【0069】
次に、弁装置101から内周側用シール面加工機1Aを取り外し、外周側用シール面加工機1Bを取付けて弁装置101における取付面114の外周側の補修加工を実施する。即ち、
図6に示すように、前述と同様に、弁本体部110に設置されたスタッドボルト116を台座部10のボルト通し穴14に挿通すると共に、このスタッドボルト116にナット15をねじ込むことにより、内周側用シール面加工機1Aにおける台座部10が弁装置101における弁本体部110に固定される。
【0070】
ここで、台座部10に対する本体部20の水平面内における位置(X軸方向位置およびY軸方向位置)と傾きとを第一調整装置70と第二調整装置80により調整する。このとき、芯出治具90を用いてもよい。そして、本体部20を台座部10に固定する。
【0071】
以上の作業で、外周側用シール面加工機1Bによる取付面114の外周部の補修加工の準備が完了する。そして、外周側用シール面加工機1Bによる弁装置101における取付面114の補修加工を行う。
【0072】
切削工具Tを工具ホルダ60によって保持した状態で主軸40を回転駆動し、第一支持部30をZ軸方向(または、主軸40をW軸方向)に移動させると共に、工具ホルダ60をXt軸方向に移動させることにより、取付面114における外周側の範囲114bを切削加工する。このとき、取付面114(114b)の浸食部分を除去することができる程度に第一支持部30(または、主軸40)および工具ホルダ60を移動する。このようにして外周側用シール面加工機1Bにより取付面114の外周側の範囲114bの補修加工が完了する。
【0073】
このように第1実施形態のシール面加工機にあっては、弁本体部110に取付けられる台座部10と、台座部10に対して移動自在に支持される本体部20と、取付面114を加工する切削工具Tを保持する工具ホルダ60と、本体部20に対して工具ホルダ60を弁体124の移動方向に平行な軸回りに回転する主軸40と、本体部20に対して工具ホルダ60を弁体124が移動するZ軸方向に沿って移動可能な第一移動部30と、本体部20に対して工具ホルダ60を弁体124の移動方向に交差するX軸方向及びY軸方向に沿って移動可能な第二移動部50と、台座部10に対して本体部20をZ軸方向に位置調整する第一調整装置70と、台座部10に対して本体部20をX軸方向及びY軸方向に位置調整する第二調整装置80とを設けている。
【0074】
従って、弁装置101におけるパッキンシート130の取付面114がエロージョンによって浸食したとき、シール面加工機1を弁駆動部120に代えて弁装置101の弁本体部110に組み付ける。そして、弁装置101がタービンなどに装着されたままの状態で、取付面114の補修加工を行うことができる。そのため、弁装置101をタービンなどから取り外したり、補修工場へ搬送したり、再びタービンなどへ組み付けたりする作業が不要となり、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の作業性を向上することができる。また、シール面加工機1による取付面114の補修加工時、第一調整装置70によりZ軸方向に沿って位置調整すると共に、第二調整装置80によりX軸方向及びY軸方向に位置調整することができ、取付面114に合わせてシール面加工機1の位置や傾きを調整することができ、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の加工精度を向上することができる。
【0075】
第1実施形態のシール面加工機では、シール面加工機1として、弁本体部110の取付面114における内周側の範囲114aを切削加工する内周側用シール面加工機1Aと、弁本体部110の取付面114における外周側の範囲114bを切削加工する外周側用シール面加工機1Bとを設けている。従って、内周側用シール面加工機1Aと外周側用シール面加工機1Bによりパッキンシート130の取付面114の全面を補修することができる。
【0076】
第1実施形態のシール面加工機では、本体部20に対して主軸40が第一移動部30によりZ軸方向に移動自在に支持され、主軸40に対して工具ホルダ60が第二移動部50によりX軸方向及びY軸方向に移動自在に支持され、工具ホルダ60に支持された切削工具Tにより取付面114の内周側を切削可能である。従って、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の内周側における補修作業の作業性を向上することができると共に、補修作業の加工精度を向上することができる。
【0077】
第1実施形態のシール面加工機では、本体部20に対して主軸40が回転自在に支持され、主軸40に対して工具ホルダ60が第一移動部30によりZ軸方向に移動自在に支持されると共に、第二移動部50によりX軸方向及びY軸方向に移動自在に支持され、工具ホルダ60に支持された切削工具Tにより取付面11の外周側を切削可能である。従って、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の外周側における補修作業の作業性を向上することができると共に、補修作業の加工精度を向上することができる。
【0078】
第1実施形態のシール面加工機では、主軸40の外周部に工具ホルダ60が装着されると共に、主軸40の外周部における工具ホルダ60と周方向に180度対向する位置にカウンタウエイトGが装着されている。従って、主軸40の外周部の一方側に工具ホルダ60を装着し、他方側にカウンタウエイトGを装着することで、主軸40の重心位置のずれを修正し、主軸40に作用するアンバランスを防止して工具ホルダ60の偏心回転を抑制することができる。
【0079】
第1実施形態のシール面加工機では、弁本体部110における弁座118に接触して主軸40の中心位置を規定する芯出治具90を主軸40に着脱自在に設けている。従って、芯出治具90によりシール面加工機1における主軸40の中心位置を規定し、弁本体部110の中心と工具ホルダ60の中心を一致させることができ、取付面114の加工精度を向上することができる。
【0080】
第1実施形態のシール面加工機では、台座部10は、弁本体部110における取付面114から所定隙間を空けて配置されている。従って、取付面114が外部に露出することとなり、切削工具Tにより容易に取付面114を切削加工することができる。
【0081】
また、第1実施形態のシール面加工方法にあっては、弁本体部110から弁駆動部120を取り外す工程と、弁本体部110にシール面加工機1(1A,1B)を取り付ける工程と、第一調整装置70及び第二調整装置80により本体部20の位置調整を行う工程と、工具ホルダ60を回転する工程と、工具ホルダ60を弁体124の径方向に沿って移動する工程とを有する。
【0082】
従って、弁装置101がタービンなどに装着されたままの状態で、取付面114の補修加工を行うことができる。そのため、弁装置101をタービンなどから取り外したり、補修工場へ搬送したり、再びタービンなどへ組み付けたりする作業が不要となり、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の作業性を向上することができる。また、シール面加工機1による取付面114の補修加工時、第一調整装置70によりZ軸方向に沿って位置調整すると共に、第二調整装置80によりX軸方向及びY軸方向に位置調整することができ、取付面114に合わせてシール面加工機1の位置や傾きを調整することができ、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の加工精度を向上することができる。
【0083】
第1実施形態のシール面加工方法では、工具ホルダ60に支持された切削工具Tにより取付面114の内周側を切削する工程と、工具ホルダ60に支持された切削工具Tにより取付面114の外周側を切削する工程とを有する。従って、取付面114の全面を適切に切削加工することができ、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の加工精度を向上することができる。
【0084】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態のシール面加工機を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0085】
第2実施形態において、
図8に示すように、シール面加工機1を構成する内周側用シール面加工機1Cは、台座部10と、本体部20と、第一支持部(第一移動部)30と、主軸(回転部)40と、第二支持部(第二移動部)50と、工具ホルダ60とを備えている。
【0086】
台座部10は、弁装置101の弁本体部110に固定される。この台座部10は、弁本体部110の取付面114の内周部側が露出するように、この弁本体部110の取付面114から所定隙間を空けて配置されている。即ち、台座部10は、対向する二辺側に下面から垂下する支持片211が固定されている。この各支持片211は、台座部10の下面に溶接またはボルト締結などにより固定されているが、一体に形成してもよい。複数の固定ボルト212は、台座部10の外側から各支持片211に螺合し、先端が弁本体部110の鉛直方向に沿う外面に当接している。そのため、台座部10は、複数の固定ボルト212により弁本体部110に位置決め固定されることで、取付面114から上方に所定隙間を空けて配置される。
【0087】
本体部20は、台座部10上に設けられ、この台座部10に対して水平なX軸方向およびY軸方向に移動可能である。第一支持部30は、本体部20から水平な一方側に延設され、ボールねじ装置31によりこの本体部20に対して鉛直なZ軸方向に移動可能となっている。主軸40は、第一支持部30の先端側に設けられ、この第一支持部30に対して鉛直なW軸方向に移動可能に支持されている。そして、主軸40は、駆動モータ41により鉛直なC軸回りに駆動回動可能となっている。
【0088】
第二支持部50は、主軸40の先端部に設けられ、取付台51をこの主軸40に対して水平なX軸方向およびY軸方向に移動可能となっている。工具ホルダ60は、この取付台51の下端部に設けられ、切削工具Tを保持すると共にこの第二支持部50により鉛直方向と交差するXt軸方向に移動可能である。
【0089】
また、内周側用シール面加工機1Cは、台座部10に対して本体部20を第一の方向となる水平なX軸方向およびY軸方向に位置調整する第一調整装置70と、台座部10に対して本体部20を第二の方向となる水平なZ軸方向に位置調整する第二調整装置80とを備えている。
【0090】
このように第2実施形態のシール面加工機にあっては、台座部10と、本体部20と、工具ホルダ60と、主軸40と、第一移動部30と、第二移動部50と、第一調整装置70と、第二調整装置80とを設けている。
【0091】
従って、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の作業性を向上することができると共に、弁本体部110におけるパッキンシート130の取付面114の補修作業の加工精度を向上することができる。
【0092】
第2実施形態のシール面加工機では、台座部10は、弁本体部110における取付面114から所定隙間を空けて配置されている。従って、取付面114に台座部10が接触せずに、この取付面114が外部に露出することとなり、1台のシール面加工機1により取付面114の内周側と外周側を切削加工することができ、切削工具Tにより短時間で容易に取付面114を切削加工することができる。
【解決手段】弁本体部110に取付けられる台座部10と、台座部10に対して移動自在に支持される本体部20と、取付面114を加工する切削工具Tを保持する工具ホルダ60と、本体部20に対して工具ホルダ60を弁体124の移動方向に平行な軸回りに回転する主軸40と、本体部20に対して工具ホルダ60を弁体124が移動するZ軸方向に沿って移動可能な第一移動部30と、本体部20に対して工具ホルダ60を弁体124の移動方向に交差するX軸方向及びY軸方向に沿って移動可能な第二移動部50と、台座部10に対して本体部20をZ軸方向に位置調整する第一調整装置70と、台座部10に対して本体部20をX軸方向及びY軸方向に位置調整する第二調整装置80とを設ける。