(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記房室伝導時間の値が所定の下限値以下であるときに、前記信号発生パラメータのうち、最大電圧値を増加させることを特徴とする請求項2に記載の刺激制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、神経刺激信号のパラメータとしては、一般に、電圧(あるいは電流)、パルス幅、周波数、持続時間、信号波形の選択等が知られており、このいずれを増加させても刺激エネルギーを増加することができる。
しかしながら、特許文献1には、具体的にパラメータをどう調節するのかは記載されていない。
【0006】
また、詳細は後述するが、本発明の発明者は、心臓に印加される刺激エネルギーの量が同一であっても、上述の各パラメータの値が異なると、生体の反応が必ずしも同一でないことを見出した。これはすなわち、同一エネルギー量であっても、より生体にとって好適なパラメータの神経刺激信号が存在しうることを示しており、このような観点から神経刺激信号のパラメータを好適化することができる刺激発生装置が望まれる。
【0007】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、発生する神経刺激信号のパラメータをより生体にとって好適に調節することができる刺激制御装置、および刺激発生装
置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、パラメータがより生体にとって好適に調節された神経刺激信号を用いて治療を行うことができる神経刺激システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、信号発生パラメータに基づいて神経刺激信号を発生する刺激発生装置を制御する刺激制御装置であって、前記信号発生パラメータを調節する制御部を備え、前記制御部は、前記神経刺激信号を患者に印加した後の前記患者の房室伝導時間を基準房室伝導時間と比較し、前記房室伝導時間が前記基準房室伝導時間に対して増加していないときに、前記信号発生パラメータのうち、パルス幅を増加させることを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、前記神経刺激信号を患者に印加した後の前記患者のR−R間隔を基準R−R間隔と比較し、前記R−R間隔が前記基準R−R間隔に対して増加しているときに、前記信号発生パラメータのうち、最大電圧値を減少させてもよい。
また、前記制御部は、前記房室伝導時間の値が所定の下限値以下であるときに、前記信号発生パラメータのうち、最大電圧値を増加させてもよい。
さらに、前記制御部は、前記房室伝導時間の値が所定の上限値以上であるときに、前記パルス幅を減少させてもよい。
【0010】
本発明の第二の態様は、本発明の刺激制御装置と、前記神経刺激信号を発生させる刺激生成部とを備えることを特徴とする刺激発生装置である。
【0011】
本発明の第三の態様は、本発明の刺激発生装置と、前記刺激発生装置に接続されて前記患者に取り付けられ、前記患者の生体情報を取得する生体情報検出部と、前記刺激発生装置に接続されて前記患者に取り付けられ、前記患者に前記神経刺激信号を印加する神経刺激部とを備えることを特徴とする神経刺激システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の刺激制御装置
および刺激発生装
置によれば、発生する神経刺激信号のパラメータをより生体にとって好適に調節することができる。
また、本発明の神経刺激システムによれば、パラメータがより生体にとって好適に調節された神経刺激信号を用いて治療を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第一実施形態について、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の神経刺激システム1を示す模式図である。神経刺激システム1は、迷走神経を刺激して頻脈や慢性心不全等の治療を行うものであり、所定のパラメータに基づいて神経刺激信号を発生する刺激発生装置10と、刺激発生装置10に接続されて生体に取り付けられる生体情報検出部20および神経刺激部30とを備えている。
【0016】
刺激発生装置10は、本発明の刺激発生装置であり、発生する神経刺激信号を所定の方法で調節する制御部11と、刺激信号を発生させる刺激生成部14とを備える。制御部11は、タイマー12とメモリ13とを有しており、生体情報検出部20から得た生体情報に基づいて神経刺激の効果を推測し、神経刺激信号のパラメータを調節することにより刺激生成部14における信号発生を制御する。刺激生成部14は、制御部11により調整された神経刺激信号のパラメータに従い、刺激信号を神経刺激部30に送る。なお、制御部11による神経刺激信号の調節方法の詳細については後述する。
【0017】
生体情報検出部20は、患者等の生体に取り付けられて、心電波形等の生体情報を取得する。生体情報検出部の具体的構成は、取得する生体情報に合わせて公知の構成から適宜選択して採用することができる。具体的には、ICDや心電図モニタ等を生体情報検出部として用いることができる。また、取り付け部位も体表面であってもよいし、心臓内等の生体内でもよく、生体情報の種類や要求精度等を考慮して適宜設定されてよい。本実施形態の生体情報検出部20は、後述するように、心電波形におけるR−R間隔と房室伝導時間(以下、「PQ時間」と称することがある。)を制御部11で用いるため、心電波形を取得できるものであれば、その具体的構成および取り付け位置に特に制限はない。また、R−R間隔及び房室伝導時間は取得された心電波形より、制御部が計算を行い、数値を算出している。
【0018】
神経刺激部30は、患者等の生体に取り付けられて、刺激生成部14で発生された神経刺激信号を生体に印加する。生体情報検出部同様、神経刺激部の具体的構成も、電極を有するような公知の構成から適宜選択して採用することができる。取り付け部位についても、例えば本実施形態のように迷走神経を刺激する場合、頚動脈付近の体表面、迷走神経と並走する上大静脈内等、対象組織や印加するエネルギー量等を考慮して適宜選択されてよい。
【0019】
上記のように構成された神経刺激システム1は、生体情報検出部20および神経刺激部30を患者の所定の箇所に取り付け、刺激発生装置10を作動させて使用する。
図2は、神経刺激システムの基本動作を示すフローチャートである。ステップS10において、制御部11は、神経刺激を行うための実行フラグが1となっているか否かを判定する。実行フラグは、生体情報検出部20の検出した心拍数やR−R間隔が所定範囲の値となり、頻脈が発生していると検知された場合や、自覚症状等に基づいて患者や医師等が神経刺激を行うよう刺激発生装置10に所定の操作を行った場合等に1となるように設定されている。ステップS10における判定がYESの場合、処理はステップS20に進む。当該判定がNOの場合、処理は最初に戻り、所定間隔でステップS10が繰り返される。
なお、実行フラグが1になる条件には、一般的な頻脈の診断基準等を含む公知の各種判定方法を一種類あるいは複数種類組み合わせて利用してよい。
【0020】
ステップS20では、刺激生成部14が所定のパラメータに基づいて神経刺激信号を発生する。発生された神経刺激信号は、神経刺激部30から対象部位である迷走神経に印加され、迷走神経の刺激が実行される。このときのパラメータは、動作後初めての神経刺激であれば、刺激生成部14に設定されたデフォルトのパラメータであり、2回目以降の神経刺激の場合は、前回の神経刺激実行時のパラメータである場合もある。
なお、このデフォルトのパラメータは、医師等が患者に応じて設定する数値であったり、印加されるエネルギー値目安を指示すると、それぞれの値の中央値付近の値を設定するなどの、調整前の値として考えられる値におけるある設定された値を選択された機械設定にあわせて選んだり、調整前の値として考えられる値における最低値とするなどして決められる。
なお、ステップS20の実行直前のR−R間隔およびPQ時間は、後述する参照用生体情報としてステップS30で用いるため、メモリ13に保存される。
【0021】
ステップS30では、ステップS20で行われた神経刺激後の生体情報検出部20からの情報に基づいて、神経刺激信号発生のためのパラメータ(以下、「信号発生パラメータ」と称する。)の調節が行われる(パラメータ調節工程)。パラメータ調節工程の詳細な流れについては後述する。
【0022】
続くステップS40では、実行フラグが0(ゼロ)であるか否かが制御部11によって判定される。実行フラグは、生体情報検出部20の検出した心拍数やR−R間隔が所定範囲の値となり、心拍が正常化したと検知された場合や、患者や医師等が神経刺激を中止するよう刺激発生装置10に所定の操作を行った場合等に0となるように設定されている。この設定には、ステップS10同様、公知の各種判定方法を一種類あるいは複数種類組み合わせて利用してよい。
ステップS40における判定がYESの場合、一連の処理が終了し、所定時間経過後、再びステップS10の判定が行われる。当該判定がNOの場合、処理はステップS20に戻り、再び神経刺激が実行される。この神経刺激は、ステップS30において更新されたパラメータに基づいて実行される。
【0023】
図3は、パラメータ調節工程S30の詳細な流れを示すフローチャートである。
ステップS31において、制御部11は、生体情報検出部20で取得された神経刺激実行後の生体情報およびタイマー12のカウント値にもとづき、R−R間隔およびPQ時間を算出する。R−R間隔およびPQ時間は、神経刺激実行後所定のタイミングで取得した一拍について算出し、その値を採用してもよいし、数拍の値の平均値を用いてもよい。算出したR−R間隔およびPQ時間は、メモリ13に保存される。
【0024】
ステップS32において、制御部11は、算出されたR−R間隔と、参照用生体情報から導かれた基準R−R間隔とを比較し、神経刺激実行後にR−R間隔が増加したか否かを判定する。当該判定がYESの場合、制御部11は、神経刺激信号による神経の刺激が強すぎると判定し、処理はステップS34に進む。ステップS34において、制御部11は、現在の信号発生パラメータのうち、最大電圧値を所定の値、例えば500ミリボルト(mV)減少させるように更新する。ここで、基準R−R間隔とは制御部11内部に設定された値であり、予め使用者の最適な数値を診断等により決定した数値を求めた上で制御部内に記憶させておく値である。
R−R間隔が増加したか否かの判定は、単純な比較によって行ってもよいし、例えば15ミリ秒(msec)あるいは基準R−R間隔の5%等の閾値を設定し、閾値以上の増加あるいは増加率をもってR−R間隔が延長されたと定義してもよい。本実施形態では、R−R間隔が基準R−R間隔に対して5%以上増加したときに「増加した」と判定される。これは、神経刺激効果を測定する際に、一般に心拍数が10%以上低下したときに効果ありとされることが多いものの、R−R間隔が10%以上延長すると、実際には副作用の発生が多いと言われていることを考慮したものである。
上記判定がNOの場合、処理はステップS33に進む。
【0025】
ステップS33において、制御部11は、算出されたPQ時間と参照用生体情報から導かれた基準房室伝導時間(基準PQ時間)とを比較し、神経刺激実行後にPQ時間が増加したか否かを判定する。PQ時間が増加したか否かの判定は、R−R間隔同様、単純な比較によって行ってもよいし、閾値を設定し、閾値以上の増加あるいは増加率をもって延長されたと定義してもよい。本実施形態では、PQ時間の値がR−R間隔の値と比較して小さいことを考慮し、PQ時間が基準PQ時間に対して10%以上増加したときに「増加した」と判定される。
上記判定がYESの場合、制御部11は、信号発生パラメータの調節は不要と判定し、一連の処理を終了する。当該判定がNOの場合、制御部11は、神経刺激信号による神経の刺激が不十分であると判定し、処理はステップS35に進む。ステップS35において、制御部11は、現在の信号発生パラメータのうち、パルス幅の値を所定の値、例えば100msec増加させるように更新する。
【0026】
以上が本実施形態におけるパラメータ調節工程S30の内容であるが、この制御態様は、発明者が動物実験等により見出した以下の知見に基づいている。
神経刺激信号は、所定の最大電圧値および持続時間(パルス幅)を有する複数の単位パルスで構成されている。神経刺激信号の電気エネルギー量を増加させるには、神経刺激信号の最大電圧を増加させてもよいし、単位パルスの持続時間であるパルス幅を増加させてもよいが、同一のエネルギー量であっても、最大電圧値を増加させた場合とパルス幅を増加させた場合とでは、前者の方がより強い生体の反応を惹起することが示された。すなわち、神経刺激信号において、最大電圧値の上昇は生体に対して強く作用し、パルス幅の増加は穏やかに作用する。
また、迷走神経刺激の目的は、頻脈の正常化であり、これにはR−R間隔の増加を伴うが、直接R−R間隔の増加を引き起こすほどの神経刺激は生体にとって強すぎ、神経刺激による咳や痙攣等の副作用を起こす可能性があることが示された。このような副作用は、別の機序により心拍数を上昇させてしまう恐れがあり、治療に関して本末転倒となる可能性があるため好ましくない。一方、房室伝導時間が増加しても、上記のような副作用は起こりにくく、若干のタイムラグがあるものの、房室伝導時間の増加後、徐々にR−R間隔は増加して頻脈は沈静化する。
したがって、本実施形態の制御部11による刺激発生装置の制御方法は、神経刺激によりR−R間隔を直接増加させず、かつ房室伝導時間を増加させることを目標とし、神経刺激信号のエネルギー量を増加させるために、もっぱらパルス幅を増加させることを特徴としているのである。
【0027】
ステップS20およびS30は、通常一連の工程として、所定の単位時間(例えば1分)内に行われる。そのうち、ステップS20の神経刺激は、単位時間の一部(例えば10秒)を用いて行われるため、パラメータ調節工程S30は、単位時間の残りの部分を用いて行われる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の刺激発生装置10を備えた神経刺激システム1によれば、パラメータ調節工程S30において、制御部11が、神経刺激後のPQ時間と基準PQ時間とを比較し、PQ時間が増加していないと判定したときに、信号発生パラメータのうちパルス幅を増加させるよう調節する。したがって、生体の過度な反応を抑えながら神経刺激信号のエネルギー量を増加させることができる。その結果、咳や痙攣等の副作用の発生を抑えつつ、神経刺激信号のエネルギー量を適切に調節して治療を行うことができる。
【0029】
また、制御部11が神経刺激後のR−R間隔を基準R−R間隔と比較し、増加しているときは信号発生パラメータのうち、最大電圧値を減少させるよう調節するため、生体の反応を迅速に和らげ、副作用の発生を抑制したり、発生した副作用を速やかに消失させたりすることができる。
【0030】
さらに、制御部11が神経刺激前後の房室伝導時間を比較し、増加していないときは信号発生パラメータのうち、パルス幅を増加させるよう調節するため、神経刺激の前後でR−R間隔に変化が見られない状態であっても、神経刺激信号に対する心臓の反応を的確に把握して信号発生パラメータの調節を好適に行うことができる。
【0031】
本発明において、基準R−R間隔や基準PQ時間は、神経刺激後のR−R間隔やPQ時間と同様の方法で取得することが可能である。すなわち、所定のタイミングで取得された1拍の値を採用してもよいし、数拍の平均値を用いてもよい。
また、本実施形態においては、最大電圧値が減少される際に、制御部に予め設定された所定値だけ減少されてもよい。この所定値は、例えば0.1Vから0.5Vの範囲内で設定されるのが好ましい。
【0032】
次に、本発明の第二実施形態について、
図4を参照して説明する。本実施形態と第一実施形態との異なるところは、パラメータ調節工程の詳細である。なお、以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成等については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0033】
本実施形態の神経刺激システムは、基本構成は第一実施形態の神経刺激システム1と同一であり、制御部11が実行するパラメータ調節工程の内容のみが異なっている。すなわち、制御部11は、パラメータ調節工程S30に代えてパラメータ調節工程S60を行うため、以下、パラメータ調節工程S60の詳細について説明する。
【0034】
図4は、パラメータ調節工程S60の詳細な流れを示すフローチャートである。ステップS31、S32、およびS34の内容は第一実施形態と同様である。ステップS32における判定がNOの場合、処理はステップS61に進む。
【0035】
ステップS61において、制御部11は、算出されたPQ時間が所定の下限値以下であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、制御部11は、現在の信号発生パラメータでは、神経刺激を継続しても治療効果がほとんど見込めないと推測する。その後、処理はステップS63に進み、制御部11は信号発生パラメータのうち、最大電圧値を所定値だけ増加させる。判定がNOの場合、処理はステップS33に進む。
【0036】
ステップS33およびS35の内容は第一実施形態と同一である。このステップにおける判定がYESの場合、処理はステップS62に進む。
ステップS62において、制御部11は、算出されたPQ時間が所定の上限値以上であるか否かを判定する。この判定がYESの場合、制御部11は、現在の信号発生パラメータでは、神経刺激の効果が若干強いと推測する。その後、処理はステップS64に進み、制御部11は信号発生パラメータのうち、パルス幅を所定値だけ減少させる。
【0037】
ステップS61の下限値およびステップS62の上限値は、患者の状態や特性を考慮して適宜設定されてよい。本実施形態では、PQ時間の一般的な正常範囲を考慮して、下限値を120msec、上限値を220msecにそれぞれ設定している。
【0038】
本実施形態の神経刺激システムおよび刺激発生装置においても、第一実施形態同様、咳や痙攣等の副作用の発生を抑えつつ、神経刺激信号のエネルギー量を適切に調節して治療を行うことができる。
また、本実施形態においては、制御部11が行うパラメータ調節工程S60において、最大電圧値の増減やパルス幅の増減を行うか否かの判断が、算出された神経刺激後のPQ時間と上限値および下限値との比較に基づいて行われるため、よりきめ細かいパラメータ調節を行い、より生体にとって好適な神経刺激信号を発生させて治療を行うことができる。
【0039】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
【0040】
例えば、上述の各実施形態では、神経刺激後にR−R間隔が増加した場合に最大電圧値を減少させる例を説明したが、これは本発明に必須ではない。例えば、
図5に示す変形例のように、ステップS32における判定がYESの場合に、ステップS34で最大電圧値を減少させるのに代えて、ステップS36でパルス幅を減少させることにより神経刺激信号のエネルギー量を減少させてもよい。
【0041】
また、上述の各実施形態では、パラメータ調節工程における基準R−R間隔および基準PQ時間を参照用生体情報に基づいて取得する例を示したが、これに代えて、たとえば医師が患者ごとに基準R−R間隔や基準PQ時間を設定してメモリにあらかじめ記憶させておき、制御部がこれらと神経刺激後の値とを比較して判定を行ってもよい。
あるいは、同一の単位時間内における神経刺激後の2点のR−R間隔およびPQ時間を抽出し、時系列的に早い方の値を基準R−R間隔および基準PQ時間として比較・判定を行ってもよい。
【0042】
さらに、神経刺激後のR−R間隔およびPQ時間を算出する際に、神経刺激信号印加中の値をサンプリングしてもよい。これにより、一定時間行われる神経刺激の初期における生体の反応を考慮しつつ判定を行うことも可能である。
【0043】
また、本発明の刺激発生装置は、生体情報検出部および神経刺激部を備えた神経刺激システムとして流通される必要は必ずしもない。すなわち、刺激発生装置単体に、従来の心電波形取得可能なリードおよび神経刺激電極等を別途入手して接続し、これらを生体情報検出部および神経刺激部として用いることも可能である。
【0044】
さらに、本発明の制御方法をプログラム化した記憶媒体等を用い、最大電圧値およびパルス幅を変更可能な刺激発生装置の制御部に組み込むことによっても、本発明のメリットを享受することが可能である。
また、上述した制御部の機能のみを発揮するマイクロコンピュータ等を備えたユニットを、本発明の刺激制御装置として一般的な刺激発生装置に取り付けることによっても、本発明のメリットを享受することが可能である。