(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000568
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】製袋器並びに製袋方法及びピロー包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/06 20120101AFI20160915BHJP
B65B 9/22 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
B65B9/06
B65B9/22
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-39428(P2012-39428)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-173554(P2013-173554A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】矢口 尚史
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特表平10−503996(JP,A)
【文献】
特開平06−293304(JP,A)
【文献】
特表平11−500694(JP,A)
【文献】
特開2000−318707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00− 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピロー包装機に用いられる製袋器であって、
帯状フィルムを筒状に製袋するための製袋器本体と、
その製袋器本体内に挿入する半折りガイド部材とを備え、
前記製袋器本体は、前記帯状フィルムの搬入側が製品の搬送方向の下流側に位置するように配置し、
前記半折りガイド部材は、前記製袋器本体に対して前記製品の搬送方向の上流側に突出するように配置され、
前記製袋器本体に供給された前記帯状フィルムは、前記製袋器本体と前記半折りガイド部材の間の空間内を前記上流側に向けて移動することで筒状に形成され、前記半折りガイド部材の上流側に突出する区間で前記帯状フィルムの重合端がセンターシールされた状態の中間筒状フィルムとなり、その中間筒状フィルムが前記半折りガイド部材の前記上流側に突出された部位の上流側端である後端縁側で折り返され、その半折りガイド部材の内部を前記下流側に移動するように構成したことを特徴とする製袋器。
【請求項2】
前記半折りガイド部材は、矩形の筒体であり、
前記半折りガイド部材の後端縁の隅には、切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の製袋器。
【請求項3】
前記半折りガイド部材は、内外に貫通する貫通孔が設けられており、
その貫通孔から内側に向けてエアを噴射するエア噴射機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の製袋器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の製袋器を用いたピロー包装機における製袋方法であって、
前記帯状フィルムを製品の搬送方向の下流側から前記製袋器本体に供給する際に、前記帯状フィルムのフィルム裏面が前記製袋器本体の内周面に対向するように供給し、
その供給した帯状フィルムを前記製袋器本体と前記半折りガイド部材の間の空間内を前記上流側に向けて移動することでその製袋器本体の内周面に沿うように筒状に製袋するとともに、前記帯状フィルムの重合端をセンターシールして裏返しの状態の中間筒状フィルムを形成し、
次いで、その中間筒状フィルムを前記半折りガイド部材の後端縁側で折り返し、その半折りガイド部材の内部を前記下流側に移動することでフィルム表面が外に向いた筒状フィルムを形成することを特徴とする製袋方法。
【請求項5】
前記センターシールは、前記帯状フィルムのフィルム表面同士を接触する合掌貼りとすることを特徴とする請求項4に記載の製袋方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の製袋器を備えたピロー包装機であり、
前記製袋器の上流側に配置される製品搬送供給装置は、製品を圧縮状態で搬送するとともに前記半折りガイド部材内に順次供給するものであり、
前記帯状フィルムの両側縁のフィルム重合部をシールするセンターシール装置は、前記半折りガイド部材の前記製袋器本体の上流側に突出した区間に配置されることを特徴とするピロー包装機。
【請求項7】
前記センターシール装置は、合掌貼りするものであることを特徴とする請求項6に記載のピロー包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を圧縮状態でピロー包装するのに適した製袋器並びに製袋方法及びピロー包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロー包装機は、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋される。そして、製袋器の下流側に配置されたセンターシール装置にて、製袋器を通して筒状に製袋されて重ね合わされたフィルム重合端をシールすることにより筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には製品搬送供給装置を配置し、その製品搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される製品が、製袋器内に供給される。これにより、製品が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その製品は筒状フィルムとともに搬送される。そして、ピロー包装機の搬出側に配置されたエンドシール装置にて、筒状フィルムを所定間隔毎に横方向に横断するようにシール・カットすることにより、製品を内包するピロー包装体が製造される。
【0003】
例えば製品がおむつ等の圧縮状態でパック詰めするような場合、例えば製袋器の上流側に配置される製品搬送供給装置は、おむつ等の製品を圧縮状態のまま搬送し、製袋器に対して順次供給する。すると、係る供給された製品は、製袋器に供給される帯状フィルム内に圧縮状態のまま収納され、以後は帯状フィルムの搬送に伴って移動する。
【0004】
圧縮状態の製品は、元の状態に戻ろうとし膨張する方向に力が発生する。一方、センターシール装置でフィルム重合端を加熱すると共に加圧して熱シールするが、このとき加熱後に冷却してシール処理を完了し、当該フィルム重合端がセンターシール部となる。冷却が不十分であると、製品の膨張力でセンターシール部の破壊が生じることがある。
【0005】
この問題を解決するため、特許文献1に開示された物品の形成・投入・封着機への供給装置がある。この特許文献1に開示された装置では、製品を圧縮した状態に保持するサイドベルトを備え、そのサイドベルトを製袋器の上流側の製品搬送供給装置から製袋器の内側を通過し、センターシール装置を超える位置に達する長さに設定する。これにより膨張力はサイドベルトが受けるため、センターシール装置を通過したフィルム重合端にかからず、センターシール部の破断を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3321177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された発明では、サイドベルトをセンターシール装置よりもさらに下流側といった奥深くまで挿入配置し、しかも、サイドベルトは製袋器の外の上流側で片持ち支持する必要があり、装置が大型化するといった課題がある。
【0008】
また、圧縮した製品と筒状フィルムとの間にサイドベルトが存在するため、サイドベルトから搬出された製品はサイドベルトの幅分膨張し筒状フィルムの内面に接することになる。サイドベルトによる圧縮が少ないと、筒状フィルムに対してパンパンに張った状態とならないおそれがある。
【0009】
さらに、片持ち支持で奥深くまで配置する特許文献1に示したサイドベルトでの挟み込みによる圧縮では、挟み込む力を余り大きくできず、圧縮率の大きい製品の供給には適さないという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の製袋器は、(1)ピロー包装機に用いられる製袋器であって、帯状フィルムを筒状に製袋するための製袋器本体と、その製袋器本体内に挿入する半折りガイド部材とを備え、前記製袋器本体は、
前記帯状フィルムの搬入側が製品の搬送方向の下流側に位置するように配置し、前記半折りガイド部材は、
前記製袋器本体に対して前記製品の搬送方向の上流側に突出するように配置され、前記製袋器本体に供給された前記帯状フィルムは前記製袋器本体と前記半折りガイド部材の間の空間内を前記上流側に向けて移動することで筒状に形成され、
前記半折りガイド部材の上流側に突出する区間で前筒状に形成された前記帯状フィルムの重合端がセンターシールされた状態に形成された中間筒状フィルムが、前記半折りガイド部材の
前記上流側に突出された部位の上流側端である後端縁側で折り返され、その半折りガイド部材の内部を前記下流側に移動するように構成した。
【0011】
例えば圧縮状態の製品を半折りガイド部材内に供給すると、その半折りガイド部材内を移動する筒状フィルムと共に移動する。製品が膨張しようとした場合、その膨張力は筒状フィルムを介して半折りガイド部材にて受けられる。従って、熱シールした部位が冷却して固化されるまで筒状フィルムに膨張力がかからずセンターシール部が破断することもない。半折りガイド部材は、例えば板部材などで実現できるため、比較的薄くでき、半折りガイド部材の内形寸法と、製袋器の内形寸法の差が小さくできる。よって、圧縮状態の製品を半折りガイド部材内に供給した場合、半折りガイド部材を通過した製品が大きく膨張することも無く適宜の圧縮状態のままパック詰めした包装体を製造できる。
【0012】
(2)前記半折りガイド部材は、矩形の筒体であり、前記
半折りガイド部材の後端縁の隅
には、切欠部が設
けられるとよい。このようにすると、後端縁で折り返されたフィルム部位が後端縁の角で傷が付くのを防止できる。
【0013】
(3)前記半折りガイド部材は、内外に貫通する貫通孔
が設けられており、その貫通孔から内側に向けてエアを噴射するエア噴射機構を備えるとよい。このようにすると、半折りガイド部材と筒状フィルムと間の接触抵抗が小さくなり、製品・筒状フィルムをスムーズに搬送できる。
【0014】
(4)本発明の製袋方法は、上記のいずれかの製袋器を用いたピロー包装機における製袋方法であって、
前記帯状フィルムを製品の搬送方向の下流側から前記製袋器本体に供給する際に、前記帯状フィル
ムのフィルム裏面が前記製袋器本体の内周面に対向するように供給し、 その供給した帯状フィルムを前記製袋器本体と前記半折りガイド部材の間の空間内を前記上流側に向けて移動することでその製袋器本体の内周面に沿うように筒状に製袋するとともに、
前記帯状フィルムの重合端をセンターシールして裏返しの状態の中間筒状フィルムを形成し、次いで、その中間筒状フィルムを前記半折りガイド部材の後端縁側で折り返し、その半折りガイド部材の内部を前記下流側に移動することでフィルム表面が外に向いた筒状フィルムを形成するようにした。
【0015】
(5)前記センターシールは、前記帯状フィルムのフィルム表面同士を接触する合掌貼りとするとよい。センターシール部を合掌貼りとすると、表裏の反転に伴いセンターシール部は筒状フィルムの内部に位置し、外表面はセンターシール部が突出しない綺麗な姿態となるのでよい。
【0016】
(6)本発明に係るピロー包装機は、上記のいずれかに記載の製袋器を備えたピロー包装機であり、前記製袋器の上流側に配置される製品搬送供給装置は、製品を圧縮状態で搬送するとともに前記半折りガイド部材内に順次供給するものであり、前記帯状フィルムの両側縁のフィルム重合部をシールするセンターシール装置は、前記半折りガイド部材の前記製袋器の上流側に突出した区間に配置されるようにした。
【0017】
(7)センターシール装置は、合掌貼りするものとするとよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製袋器本体を通常の配置と前後を逆向きに配置するとともに、製袋器本体内に半折りガイド部材を配置し、製袋器本体を通過させて一旦裏返しの中間筒状フィルムを形成し、その後、折り返しして通常の筒状フィルムにすると共に製品を供給することで、圧縮状態のまま製品を収納することができる。製品の膨張力は、当初は半折りガイド部材が受けるため、筒状フィルムのセンターシール部に過度な力がかかって破断することもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るピロー包装機の好適な一実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態のピロー包装機は、上流側から製品搬送供給装置11,包装機本体12,搬出コンベア装置13の順に配置され、さらにそれらの下方にフィルム供給装置14を備えて構成される。つまり、本実施形態では、フィルムを下側から供給する逆ピロータイプとしている。本実施形態の製品1は、複数枚のおむつ1aを積層した集積体であり、しかも、積層方向に圧縮した状態のものとしている。
【0021】
製品搬送供給装置11は、製品1を一定間隔毎に搬送するとともに、次段の包装機本体12に順次供給するプレートコンベア装置16と、そのプレートコンベア装置16の搬送面の上方に配置される左右一対のサイドベルトコンベア装置17を備えるプレートコンベア装置16は、プレートが水平面内を移動し、製品1の下面を支持した状態で搬送する。左右一対のサイドベルトコンベア装置17で製品1を挟み込むことで、圧縮状態のまま搬送する。サイドベルトコンベア装置17は、前後両端で支持することができるため、ベルト面から大きな反力を受けても支えることができ、左右のサイドベルトコンベア装置17で挟まれた製品1は、圧縮率を大きくすることができる。さらにプレートコンベア装置16の搬出側上方に上抑えベルト18を配置する。
【0022】
フィルム供給装置14は、製品を包み込む包装フィルムとなる帯状フィルム21を連続して包装機本体12に供給するためのものである。このフィルム供給装置14は、帯状フィルム21をロール状に巻き取った2本の原反ロール22を支持し、いずれか一方の原反ロール22から帯状フィルムを送り出すフィルムサプライ装置23を備える。フィルムサプライ装置23は、原反ロール22を支持する2本の回転支持軸24を備え、一方の回転支持軸24に装着された原反ロール22からの帯状フィルム21の供給が終了すると、他方の原反ロール22からの帯状フィルム21の供給に切り替え、帯状フィルム21を継続して供給するものである。また、本実施形態では、回転支持軸24に駆動モータを連携しており、その回転支持軸24を所定の回転速度で回転することで帯状フィルム21を一定速度で送り出す原反駆動としている。
【0023】
さらにフィルム供給装置14は、原反ロール22から連続して送り出した帯状フィルム21を所定の搬送経路で搬送し、包装機本体12の搬入部位に導くためのローラを備える。このローラは、帯状フィルム21に対してテンションを掛けるテンションローラ25aや、帯状フィルム21の搬送方向を90度折り返す半折りローラ25bや、搬送をガイドするフリーローラ25cなどがある。
【0024】
包装機本体12は、搬入側に製袋器本体31を備え、フィルム供給装置14から供給される帯状フィルム21を製袋器本体31に下側から供給しその製袋器本体31を通過させることにより、帯状フィルム21の中央からU字状に折り曲げる。そこで両側端同士が重ね合わされる。さらに本実施形態では、帯状フィルム21の両側端は、製袋器本体31の上面の片側サイドに寄せた位置で重合する。
【0025】
本実施形態では、製袋器本体31の帯状フィルム21の搬入口を下流側に配置する。すなわち、通常のピロー包装機に実装される製袋器は搬入口を上流側に配置し製品搬送供給装置11に対向させるが、本実施形態では前後を逆向きに配置する。なお、製袋器の形状自体は、従来のものと同様のものを用いると良い。
【0026】
よって、フィルム供給装置14から供給される帯状フィルム21は、製袋器本体31の搬入口であるピロー包装機全体の流れ方向(製品1の搬送方向)の下流側から供給し、製袋器本体31内を上流に向かって逆送することで筒状に製袋する。また、この製袋器本体31への供給に際し、帯状フィルム21は通常のものとフィルムの表裏を反対、すなわち、包装体の内側に来るフィルム裏面(通常、印刷が施されず、シーラント面)が製袋器本体31の内周面に対向するようにする。これにより、製袋器本体31を一旦通過して製袋器本体31の上流側から出て筒状に製袋されたフィルムは、包装体の外側に来るフィルム表面が内周に位置するいわゆる裏返しの状態の中間筒状フィルム35となる。
【0027】
製袋器本体31の内部に貫通するように、前後が開口された筒状の半折りガイド部材37が挿入配置される。この半折りガイド部材37は、製袋器本体31の形状に合わせて角筒とし、その外形寸法は製袋器本体31の内形寸法よりも一回り小さくしている。これにより、製袋器本体31に供給された帯状フィルム21は、製袋器本体31と半折りガイド部材37の間に形成される隙間を通過して逆送する。
【0028】
また、半折りガイド部材37の前後両端は、製袋器本体31の下流側・上流側のそれぞれから突出している。特に製袋器本体31の上流側へは比較的長めに突出している。半折りガイド部材37は、製袋器本体31の下流側に突出した部位にて片持ち支持状態で保持する。
【0029】
半折りガイド部材37の製袋器本体31の上流側に突出している上方所定位置には、フィルム送りローラ(ピンチローラ)38と、センターシール装置39を設けている。センターシール装置39にて、帯状フィルム21の両側端が重ね合わされたフィルム重合部21aが熱シールされてセンターシール部となる。本実施形態では、センターシール装置39の前後両側にフィルム送りローラ38を配置し、センターシール装置39の手前側でフィルム重合端21aをしっかりと把持した状態で搬送し、さらにセンターシール装置39でシールされたセンターシール部を把持した状態で搬送力を与える。また、本実施形態ではセンターシール部は、合掌貼りとし、フィルム表面同士を接触した状態でシールするようにしている。
【0030】
半折りガイド部材37の製袋器本体31の上流側に突出している下方所定位置には、駆動ローラ40が配置される。この駆動ローラ40は、中間筒状フィルム35の底面側に接触し、上流側に向けての搬送力を与え逆送を補助する。
【0031】
センターシール部が形成されて構成される中間筒状フィルム35は、半折りガイド部材37の上流側端に至るとその半折りガイド部材37の後端縁37aで折り返され半折りガイド部材37の内側空間内に導かれる。この折り返しによりフィルムの表裏が反転し、半折りガイド部材37の内側空間に至ったフィルムは、印刷等が施されたフィルム表面が外側、すなわち、半折りガイド部材37の内周面に対向する正常な状態の筒状フィルム41となる。また、本実施形態では、上述したようにセンターシール部を合掌貼りとしたため、この表裏の反転に伴いセンターシール部は筒状フィルム41の内部に位置し、外表面はセンターシール部が突出しない綺麗な姿態となる。
【0032】
半折りガイド部材37の後端縁37aの四隅は切欠部37bを形成している。中間筒状フィルム35を折り返す際に、四隅の角部に接触してフィルムに過度のストレスがかかり傷が付くのを抑制する。特に、この折り返し時に後端縁37aに接触するフィルム面は、印刷が施されたフィルム表面であるため、傷が付いて商品価値が低下、不良品になるのを未然に防止する。
【0033】
また、この半折りガイド部材37内には、製品搬送供給装置11から所定の間隔で搬送されてくる製品1が供給される。よってその供給された製品1は、折り返された筒状フィルム41内に圧縮状態のまま挿入配置される。以後、筒状フィルム41の搬送に追従していっしょに搬送される。筒状フィルム41内に供給された製品1は、サイドベルトコンベア装置17による圧縮保持が解除されるため、膨張力が働き筒状フィルム41を外に膨らます方向に付勢する。本実施形態では、筒状フィルム41の外側には半折りガイド部材37が存在しているため、係る膨張力はその半折りガイド部材37で受け、製品1は圧縮状態のまま搬送され、筒状フィルム41も膨らむことが無い。よって、完全に冷却していないセンターシール部にも過度な力がかからず、半折りガイド部材37を通過するまでの間に冷却されるため、センターシール部が破断することもない。
【0034】
また、センターシール装置39は半折りガイド部材37の外側に設置されているため、そのセンターシール装置39がフィルム重合部21aを挟み込んで熱シール処理する際には、製品1の膨張力が係るフィルム重合部21aにかからないため当該フィルム重合部21aが離れる方向に引っ張られることもなく、確実に所望の位置を熱シールできる。
【0035】
製品1は、半折りガイド部材37内を筒状フィルム41と共に移動し、製袋器本体31内を通過し半折りガイド部材37の前端より搬出される。この搬出されると、膨張力が筒状フィルム41にかかるが、センターシール部はしっかりとシール・固化されているためセンターシール部が破断することも無く筒状フィルム41はパンと張った状態を保持する。
【0036】
さらに包装機本体12は、製袋器本体31・半折りガイド部材37の下流側には、上下に配置された搬送ベルトコンベア装置43、ボックスモーション型のエンドシール装置44、ボックスモーション型のカット装置45が配置される。エンドシール装置44は、筒状フィルム41の所定位置(製品の存在しない部分)を横方向にシールする。カット装置45は、エンドシール装置44にてシールされた部位を横方向に横断するようにカットするとともに、係るシールされた部位の中央を略C型にカットする。これにより、筒状フィルム41の先端部分(先頭の製品1を内包する部分)は、分離され、略C型にカットされた取っ手部46aを備えた包装体46が製造される。
【0037】
そして、この包装体46が搬出コンベア装置13上を搬送される。図示省略する良否検査装置にて包装体46が検査される。良品の包装体は搬出コンベア装置13上をそのまま搬送し、不良品の包装体46は排出プッシャー装置47にて横に押し出され排出路48に排出される。
【0038】
[変形例1]
上述した実施形態では、半折りガイド部材37は製袋器本体31に合わせて角筒としたが、少なくとも膨張方向の力を受けられれば良いので、必ずしも筒体にする必要は無い。例えば、断面C型としてもよいし、搬送方向に伸びるように配置した複数の帯板から構成しても良い。また、帯板の設置箇所も必ずしも上下・左右の4面に設ける必要は無く、例えば膨張方向が主に左右方向に働くとすると、係る膨張を抑える機能を実現する構成としては左右に帯板を配置する構成をとっても良い。その場合、半折りガイド部材の外側と内側で中間筒状フィルムと折り返された筒状フィルムが逆方向に移動するため、両フィルムが接触して干渉することがないようにするための構成をとる(膨張を抑制するほどの剛性は不要とすると、より薄い板部材や棒状体等を配置する)必要がある。
【0039】
[変形例2]
半折りガイド部材37の後端縁37aは、例えばR加工を施したり、接触抵抗の少ない部材を装着したり、ローラなどを設けるなど、折り返しを補助する補助部を設けると良い。
【0040】
[変形例3]
本実施形態の製品1は、主に左右方向に膨張力が働くため、筒状フィルム41のフィルム面が半折りガイド部材37の左右の側面に向けて付勢され、接触抵抗が大きくなる。そこで、半折りガイド部材37の側面に多数の貫通孔を設けるとともに、半折りガイド部材37の側面外側にエア供給のための通路を設け、その通路に外部からエアを送り込む。これにより、貫通孔から半折りガイド部材37の内部に向けてエアが噴射されるため、筒状フィルム41と半折りガイド部材37の左右の側面との接触抵抗が小さくなりスムーズな搬送ができるので好ましい。
【0041】
[変形例4]
本実施形態の製袋器31において製袋器本体12の筒状部分を無くす構成を採用することもできる。つまり、製袋器本体12の傘状に広がった部分と半折りガイド部材とで構成し、製袋器本体の傘状部分を通過した帯状フィルムが半折りガイドの外周面に沿って筒状に製袋されるようにすることもできる。
【0042】
[変形例5]
本実施形態では、センターシールを合掌貼りとしたが、本発明はこれに限ることは無く、フィルム表面とフィルム裏面を接触した状態でシールする封筒貼りとしてもよい。このようにすると、シール剥がれに対して強くなるとともに、フィルムの重なり枚数が2枚とすくないためフィルムを折り返しやすいという効果を奏する。
【符号の説明】
【0043】
1 製品
11 製品搬送供給装置
12 包装機本体
13 搬出コンベア装置
14 フィルム供給装置
31 製袋器
35 中間筒状フィルム
37 半折りガイド部材
37a 後端縁
37b 切欠部