(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信回路、プロセッサおよびタイマの満了通知に応答して起動され、前記プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末であって、
複数のタイマ時刻が登録されるテーブル、
前記テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、前記他のタイマ時刻に基づいて、前記テーブルにタイマ時刻を登録する第1登録部、
前記テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、
前記通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および
前記実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、前記通信回路を起動する起動部を備え、
前記通信回路が起動している間に、前記少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信端末。
通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、前記プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末の前記プロセッサを、
前記テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、前記他のタイマ時刻に基づいて、前記テーブルにタイマ時刻を登録する第1登録部、
前記テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、
前記通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および
前記実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、前記通信回路を起動する起動部として機能させ、
前記通信回路が起動している間に、前記少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信制御プログラム。
通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、前記プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末の通信制御方法であって、
前記テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、前記他のタイマ時刻に基づいて、前記テーブルにタイマ時刻を登録し、
前記テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知し、
満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行し、
アプリケーションプログラムが実行されると、前記通信回路を起動し、そして
前記通信回路が起動している間に、前記少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の通信端末装置では、送受信するデータのデータ量が小さい場合、データ量の合計が閾値をなかなか越えず、データの送受信がほとんど行われないという問題が発生する。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、通信端末、通信制御プログラムおよび通信制御方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、データ通信による消費電力を抑えることが出来る、通信端末、通信制御プログラムおよび通信制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、通信回路、プロセッサおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末であって、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル、
テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、他のタイマ時刻に基づいて、テーブルにタイマ時刻を登録する第1登録部、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部を備え、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信端末である。
【0008】
第1の発明では、通信端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、無線通信を行う通信回路(32)、通信端末の全体を制御するためのプロセッサ(30)およびRAMなどの記憶部(46)を有し、記憶部にはタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムが記憶される。テーブル(340)は、たとえば記憶部に記憶されており、複数のタイマ時刻が登録される。
ただし、タイマ時刻を新たに登録する場合、既に他のタイマ時刻が登録されていることがある。このような場合、第1登録部(30,S13)は、新たなタイマ時刻を、他のタイマ時刻と同時刻となるように登録する。通知部(30,S41)は、登録されている1つのタイマ時刻に達すると、満了通知を通知する。実行部(30,S63)は、満了通知に応じて、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムをそれぞれ起動して、実行する。起動部(30,S83)は、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する。そして、通信回路が起動している間に、実行された少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる。
【0009】
第1の発明によれば、データ通信のために通信回路を起動する回数が減るため、消費電力が抑えられる。
さらに、既に登録されているタイマ時刻を利用することで、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを略同時に実行することが出来る。
【0013】
第
2の発明は、第
1の発明に従属し、テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻に達するまでの時間を算出する算出部、および算出部によって算出された時間および新たに登録されるタイマ時刻に基づいて、許容時間を設定する設定部をさらに備える。
【0014】
第
2の発明では、算出部(30,S7)は、新たにタイマ時刻が登録されるときに、そのタイマ時刻が満了するまでの時間(たとえば、2時間)を算出する。設定部(30,S9)は、満了するまでの時間から所定割合の時間(たとえば、6分間)を求め、新たなタイマ時刻(14時25分)を基準とした許容時間(14時19分から14時31分までの12分間)を設定する。
【0015】
第
2の発明によれば、複数のタイマ時刻が複数のグループに分けて登録されることになる。そのため、データ通信がグループ毎に行われるため、データ通信のために通信回路を起動する回数を減らしつつ、データ通信のデータ量(通信量)を抑えることが出来る。
【0016】
第
3の発明は、
通信回路、プロセッサおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末であって、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル、テーブルに登録されている複数のタイマ時刻のうち最も遅いタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する
通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部を備え、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信端末である。
【0017】
第
3の発明では、
通信端末(10)は、無線通信を行う通信回路(32)、通信端末の全体を制御するためのプロセッサ(30)およびRAMなどの記憶部(46)を有し、記憶部にはタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムが記憶される。テーブル(340)は、たとえば記憶部に記憶されており、複数のタイマ時刻が登録される。通知部(30,S41)は、タイマテーブルに登録されているタイマ時刻の内、最も遅いタイマ時刻に達したときに、少なくとも2つ以上のアプリケーションに満了通知を通知する。
実行部(30,S63)は、満了通知に応じて、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムをそれぞれ起動して、実行する。起動部(30,S83)は、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する。そして、通信回路が起動している間に、実行された少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる。
【0018】
第
3の発明によれば、
データ通信のために通信回路を起動する回数が減るため、消費電力が抑えられる。さらに、登録されているタイマ時刻を変化させることなく、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを略同時に実行することが出来る。
【0019】
第
4の発明は、第
3の発明に従属し、テーブルに1つ目のタイマ時刻が登録されると動作するタイマをさらに備え、通知部は、タイマが動作してから第1所定時間が経過したときに、複数のタイマ時刻のうち、タイマ時刻に達しているものがあれば、満了通知を通知する。
【0020】
第
4の発明では、タイマ(第2タイマ)は、テーブルに1つ目のタイマ時刻が登録されると動作する。通知部は、タイマが動作してから第1所定時間が経過したときに、複数のタイマ時刻のうち、タイマ時刻に達しているものがあれば、満了通知を通知する。これにより、満了通知に対応するアプリケーションプログラムが実行される。
【0021】
第
5の発明は、第
3の発明に従属し、テーブルに1つ目のタイマ時刻が登録されると動作するタイマをさらに備え、通知部は、タイマが動作してから第2所定時間が経過したとき、満了通知を通知する。
【0022】
第
5の発明では、第5の発明と同様、タイマをさらに備える。通知部は、タイマが動作してから第2所定時間が経過すると、満了通知を通知する。これにより、登録されているタイマ時刻に対応するアプリケーションプログラムによって、略同時にデータ通信が行われる。
【0023】
第
4の発明および第
5の発明によれば、タイマ時刻が登録され続けることによって、満了通知が通知されなくなることを、防ぐことが出来る。
【0024】
第
6の発明は、
通信回路、プロセッサおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末であって、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部を備え、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われ、記憶部は、
基準となる設定時間をさらに記憶し、タイマ時刻が登録されるとき、設定時間
を基準として、テーブルにタイマ時刻を登録する第2登録部をさらに備え
る、通信端末である。
【0025】
第
6の発明では、
通信端末(10)は、無線通信を行う通信回路(32)、通信端末の全体を制御するためのプロセッサ(30)およびRAMなどの記憶部(46)を有し、記憶部にはタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムが記憶される。テーブル(340)は、たとえば記憶部に記憶されており、複数のタイマ時刻が登録される。通知部(30,S41)は、登録されている1つのタイマ時刻に達すると、満了通知を通知する。実行部(30,S63)は、満了通知に応じて、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムをそれぞれ起動して、実行する。起動部(30,S83)は、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する。そして、通信回路が起動している間に、実行された少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる。記憶部は、基準となるタイマ時刻を登録するための設定時間をさらに記憶する。第2登録部(30,S165,S167)は、設定時間に基づいて
、たとえば設定時間にタイマ設定のタイマ時刻を加えて、タイマ時刻を登録する。
【0026】
第
6の発明によれば、タイマ時刻を登録した全てのアプリケーションプログラムを、略同時に実行することが出来る。
【0027】
第
7の発明は、
通信回路、プロセッサおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末であって、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部を備え、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われ、通知部は、操作に応じて通信回路が起動したとき、満了通知を通知す
る、通信端末である。
【0028】
第
7の発明では、
通信端末(10)は、無線通信を行う通信回路(32)、通信端末の全体を制御するためのプロセッサ(30)およびRAMなどの記憶部(46)を有し、記憶部にはタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムが記憶される。テーブル(340)は、たとえば記憶部に記憶されており、複数のタイマ時刻が登録される。通知部(30,S41)は、登録されている1つのタイマ時刻に達すると、満了通知を通知する。実行部(30,S63)は、満了通知に応じて、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムをそれぞれ起動して、実行する。起動部(30,S83)は、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する。そして、通信回路が起動している間に、実行された少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる。通知部は、ユーザ操作に応じて通信回路が起動されると、満了通知を通知する。
【0029】
第
7の発明によれば、ユーザがデータ通信を行うタイミングに合わせて、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを略同時に実行することが出来る。
【0030】
第
8の発明は、
通信回路、プロセッサおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末であって、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部を備え、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われ、消費電力を抑える省電力モードが設定されている状態で、複数のタイマ時刻のうち、少なくとも1つ以上のタイマ時刻に達したとき、満了通知が保留され
る、通信端末である。
【0031】
第
8の発明では、
通信端末(10)は、無線通信を行う通信回路(32)、通信端末の全体を制御するためのプロセッサ(30)およびRAMなどの記憶部(46)を有し、記憶部にはタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムが記憶される。テーブル(340)は、たとえば記憶部に記憶されており、複数のタイマ時刻が登録される。通知部(30,S41)は、登録されている1つのタイマ時刻に達すると、満了通知を通知する。実行部(30,S63)は、満了通知に応じて、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムをそれぞれ起動して、実行する。起動部(30,S83)は、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する。そして、通信回路が起動している間に、実行された少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる。省電力モードが設定されている場合、複数のタイマ時刻のうち、少なくとも1つ以上のタイマ時刻に達したとき、満了通知が保留される。
【0032】
第
8の発明によれば、通知によって消費される電力を抑えることが出来る。
【0033】
第
9の発明は、第
8の発明に従属し、保留にされた満了通知の情報を記録する記録部をさらに備え、通知部は、省電力モードが解除されたとき、記録部によって満了通知の情報が記録されていれば、その満了通知の情報に基づいて通知する。
【0034】
第
9の発明では、記録部(30,S39)は、保留にされた満了通知の情報を記録する。省電力モードが解除されると、通知部は、保留にされた満了通知を通知する。
【0035】
第
9の発明によれば、ユーザが通信端末を利用するタイミングに合わせて、アプリケーションプログラムを実行することが出来る。
【0036】
第
10の発明は、通信回路(32)、プロセッサ(30)、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル(340)およびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部(46)を有する、通信端末(10)のプロセッサ(30)を、
テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、他のタイマ時刻に基づいて、テーブルにタイマ時刻を登録する第1登録部、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部(S41)、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部(S63)、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部(S83)として機能させ、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信制御プログラムである。
【0037】
第
10の発明でも、第1の発明と同様
の効果が期待できる。
第11の発明は、通信回路(32)、プロセッサ(30)、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル(340)およびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部(46)を有する、通信端末(10)のプロセッサ(30)を、テーブルに登録されている複数のタイマ時刻のうち最も遅いタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部(S41)、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部(S63)、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部(S83)として機能させ、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信制御プログラムである。
第11の発明でも、第3の発明と同様の効果が期待できる。
【0038】
第12の発明は、通信回路(32)、プロセッサ(30)、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル(340)およびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部(46)を有する、通信端末(10)の通信制御方法であって、
テーブルにタイマ時刻が登録されるとき、そのタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、他のタイマ時刻に基づいて、テーブルにタイマ時刻を登録し(S13)、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知し(S41)、満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行し(S63)、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動し(S83)、そして通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信制御方法である。
【0039】
第12の発明でも、第
1の発明と同様
の効果が期待できる。
第13の発明は、通信回路(32)、プロセッサ(30)、複数のタイマ時刻が登録されるテーブル(340)およびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部(46)を有する、通信端末(10)の通信制御方法であって、テーブルに登録されている複数のタイマ時刻のうち最も遅いタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知し(S41)、満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行し(S63)、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動し(S83)、そして通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われる、通信制御方法である。
第13の発明でも、第3の発明と同様の効果が期待できる。
第14の発明は、通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有し、記憶部は、基準となる設定時間をさらに記憶する、通信端末のプロセッサを、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部として機能させ、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われ、さらにタイマ時刻が登録されるとき、設定時間を基準として、テーブルにタイマ時刻を登録する第2登録部として機能させる、通信制御プログラムである。
第14の発明によれば、第6の発明と同様の効果が期待できる。
第15の発明は、通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末のプロセッサを、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部として機能させ、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われ、通知部は、操作に応じて通信回路が起動したとき、満了通知を通知する、通信制御プログラムである。
第15の発明によれば、第7の発明と同様の効果が期待できる。
第16の発明は、通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末のプロセッサを、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知する通知部、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行部、および実行部によってアプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動する起動部として機能させ、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信が行われ、消費電力を抑える省電力モードが設定されている状態で、複数のタイマ時刻のうち、少なくとも1つ以上のタイマ時刻に達したとき、満了通知が保留される、通信制御プログラムである。
第16の発明によれば、第8の発明と同様の効果が期待できる。
第17の発明は、通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有し、記憶部は、基準となる設定時間をさらに記憶する、通信端末の通信制御方法であって、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知し、満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行する実行し、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動し、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信を行い、タイマ時刻を登録するとき、設定時間を基準として、テーブルにタイマ時刻を登録する、通信制御方法である。
第17の発明によれば、第6の発明と同様の効果が期待できる。
第18の発明は、通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末の通信制御方法であって、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知し、満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動し、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信を行ない、さらに操作に応じて通信回路が起動したとき、満了通知を通知する、通信制御方法である。
第18の発明によれば、第7の発明と同様の効果が期待できる。
第19の発明は、通信回路、プロセッサ、複数のタイマ時刻が登録されるテーブルおよびタイマの満了通知に応答して起動され、プロセッサによって実行される複数のアプリケーションプログラムを記憶する記憶部を有する、通信端末の通信制御方法であって、テーブルに登録されている1つのタイマ時刻に達したとき、満了通知を通知し、通知部によって満了通知が通知されたとき、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションプログラムが実行されると、通信回路を起動し、通信回路が起動している間に、少なくとも2つ以上のアプリケーションプログラムによって通信を行ない、消費電力を抑える省電力モードが設定されている状態で、複数のタイマ時刻のうち、少なくとも1つ以上のタイマ時刻に達したとき、満了通知が保留する、通信制御方法である。
第19の発明によれば、第8の発明と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0040】
この発明によれば、データ通信による消費電力が抑えられる。
【0041】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0043】
<第1実施例>
図1を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォンであり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タブレット端末およびPDAなど任意の通信端末に適用可能であることを予め指摘しておく。
【0044】
ハウジング12の主面(表面)には、表示部として機能し、たとえば液晶や有機ELなどのディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられる。したがって、この実施例の携帯電話機10では、後述のハードキーの操作によるものを除く大部分の入力操作は、このタッチパネル16を介して行われる。
【0045】
ハウジング12の縦方向一端の表面側にスピーカ18が内蔵され、縦方向他端の表面側にマイク20が内蔵される。タッチパネル16と共に、入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー22a、終話キー22bおよびメニューキー22cが設けられる。
【0046】
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルキー(図示せず)に対して、タッチパネル16によってタッチ操作を行うことで電話番号を入力でき、通話キー22aを操作して音声通話を開始することが出来る。終話キー22bを操作すれば、音声通話を終了することが出来る。なお、ユーザは、この終話キー22bを長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることが出来る。
【0047】
また、メニューキー22cを操作すれば、ディスプレイ14にメニュー画面が表示され、その状態でディスプレイ14に表示されているソフトキーやメニューアイコン(ともに図示せず)などに対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによってメニューを選択し、その選択を確定させることが出来る。
【0048】
図2を参照して、
図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ30を含む。プロセッサ30には、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46およびタッチパネル制御回路48などが接続される。
【0049】
また、無線通信回路32はアンテナ34を介して、ネットワーク(通信網、電話網)100と無線接続される。ネットワーク100には、有線または無線で、サーバ102と接続される。
【0050】
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。また、プロセッサ30は、日時情報を出力するRTC30aを含む。記憶部として機能するRAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。なお、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。
【0051】
たとえば、プロセッサ30によって複数のアプリケーションプログラムが起動および実行されると、携帯電話機10で、複数のアプリケーションを利用することができる。これらのアプリケーションのいくつかは、実行されるとデータ通信を行う。以下、プロセッサ30によってアプリケーションプログラムが起動および実行されることを、単に「アプリケーションが実行される」と言う。
【0052】
入力装置40は、
図1に示すタッチパネル16、ハードキー22a−22cを含むものであり、操作部または入力部を構成する。ユーザが操作したハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
【0053】
無線通信回路32は、アンテナ34を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、ユーザがハードキー22を操作して電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ34を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。
【0054】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ34によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路32によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器38によって音声信号に変換された後、スピーカ18から出力される。一方、マイク20を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器36によって音声データに変換された後、プロセッサ30に与えられる。音声データには、プロセッサ30の指示の下、無線通信回路32によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ34を介して出力される。したがって、変調音声信号は、相手の電話機に送信される。
【0055】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ34によって受信されると、無線通信回路32は、電話着信(着呼)をプロセッサ30に通知する。これに応じて、プロセッサ30は、表示ドライバ42を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ14に表示する。また、上記処理に伴い、プロセッサ30は、スピーカ18から着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0056】
そして、ユーザが入力装置40に含まれる通話キー22aを用いて応答操作を行うと、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は上述した通話処理を実行する。
【0057】
また、通話可能状態に移行した後に入力装置40に含まれる終話キー22b(
図1)によって通話終了操作が行われると、プロセッサ30は、無線通信回路32を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ30は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。
【0058】
A/D変換器36には
図1に示すマイク20が接続され、上述のようにマイク20からの音声信号はこのA/D変換器36でデジタルの音声データに接続され、プロセッサ30に入力される。一方、D/A変換器38にはスピーカ18が接続される。D/A変換器38は、デジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ18に与える。したがって、音声データの音声がスピーカ18から出力される。
【0059】
なお、プロセッサ30は、たとえばユーザによるボリュームの操作に応答して、D/A変換器38に接続されるアンプの増幅率を制御することによって、スピーカ18から出力される音声の音量を調整することが出来る。
【0060】
表示ドライバ42はディスプレイ14およびプロセッサ30と接続され、プロセッサ30から出力される画像データは、表示ドライバ42のVRAMに記憶される。そして、表示ドライバ42は、VRAMのデータに対応する画像を、ディスプレイ14に表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。また、ディスプレイ14には、たとえばLEDなどを光源とするバックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
【0061】
タッチパネル制御回路48には、
図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル16に対するユーザによるタッチの開始を示す開始信号、ユーザによるタッチの終了を示す終了信号、およびユーザがタッチしたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データに基づいて、そのときユーザが操作したアイコンやキーを判断することが出来る。
【0062】
実施例では、タッチパネル16は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。また、タッチパネル16は、ディスプレイ14の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル制御回路48はタッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面をタッチ、リリース、スライドおよびそれらの組み合わせた操作で、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
【0063】
なお、タッチパネル16の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などが採用されてもよい。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
【0064】
図3はソフトウェアの構成の一例を示す図解図である。携帯電話機10のソフトウェア構成には、タイマなどの基本的な機能を含むシステム層およびアプリケーションがシステム層の機能を利用するためのライブラリを含むソフトウェアAPI層が含まれる。そして、システム層の上にソフトウェアAPI層が存在しており、ソフトウェアAPI層の上で複数のアプリリケーション1,2,3…N(Nは自然数)が実行される。
【0065】
これらのアプリケーションは、第1タイマまたは第2タイマを利用することが出来る。たとえば、アプリケーションは、ソフトウェアAPI層の第1タイマAPIまたは第2タイマAPIを利用して、第1タイマ制御部または第2タイマ制御部にタイマ設定を行う。タイマ設定が行われると、設定を行うアプリケーションを識別するためのアプリケーション情報(ID、名称など)および満了通知を受ける時刻(タイマ時刻)が、タイマ制御部に与えられる。タイマ制御部は、アプリケーション情報とタイマ時刻とをタイマテーブルに登録する。
【0066】
第1タイマは、タイマが満了する時間(時刻)の正確さが求められる、アラームアプリケーション(アプリケーションN)などによって利用される。一方、第2タイマは、バックグラウンドで定期的にサーバ102と通信を行うメールアプリケーション、SNSアプリケーション、天気予報などの情報を提供する情報提供アプリケーション(アプリケーション1−3)などによって利用される。そのため、第2タイマは、通信タイマまたは同期タイマと呼ばれることもある。
【0067】
第1タイマまたは第2タイマが、タイマ時刻に達すると、満了通知が通知される。満了通知が通知されると、プロセッサ30は、その満了通知に対応するアプリケーションを起動し実行する。
【0068】
なお、第1タイマAPIまたは第2タイマAPIを区別する必要が無い場合、「タイマAPI」と呼ぶ。また、第1タイマ制御部または第2タイマ制御部を区別する必要が無い場合は、「タイマ制御部」と呼ぶ。
【0069】
また、第2タイマAPIに含まれる通知制御部については、後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0070】
図4はタイマテーブルの構成の一例を示す図解図である。なお、第1タイマテーブルの構成と第2タイマテーブルの構成とは、略同じであるため、第1タイマテーブルの構成については詳細な説明を省略する。
【0071】
図4を参照して、第2タイマテーブルには、「番号」、「タイマ時刻」および「アプリケーション情報」の列が含まれる。「番号」の列には、タイマ設定が行われた順番を示す番号が記録される。「タイマ時刻」の列には、タイマ時刻が記録される。「アプリケーション情報」の列には、タイマ設定を行ったアプリケーションのアプリケーション情報が記録される。そして、タイマ設定が行われると、新しい行が追加され、その行に番号、タイマ時刻およびアプリケーション情報が記録される。
【0072】
たとえば、第2タイマテーブルに何も記録されていない状態で、アプリケーション1が「2012/4/12/14:30:00」に満了通知がされるようにタイマ設定を行うと、「0001」の番号、「2012/4/12/14:30:00」のタイマ時刻および「アプリケーション1」のアプリケーション情報を含む行が第2タイマテーブルに追加される。そして、第2アプリケーション、第3アプリケーションおよび第4アプリケーションのタイマ時刻が続けて登録されると、「0002」、「2012/4/12/14:25:00」および「アプリケーション2」を含む行、「0003」、「2012/4/12/14:35:00」および「アプリケーション3」を含む行、「0004」、「2012/4/12/16:45:00」および「アプリケーション4」を含む行が追加される。
【0073】
このようにして複数のタイマ時刻が登録されると、各アプリケーションは、それぞれ個別にデータ通信を行う。
【0074】
たとえば、
図5を参照して、アプリケーション2のタイマ時刻に達すると、タイマが満了したことが通知される。タイマの満了が通知されると、プロセッサ30はアプリケーション2を実行する。また、アプリケーション2が実行されると、そのアプリケーション2の通信要求に応じて無線通信回路32が起動し、データ通信が行われる。そして、アプリケーション2によるデータ通信が終了すると、ドーマント状態に移行した後、無線通信回路32が停止する。
【0075】
その後、アプリケーション1のタイマ時刻に達すると、タイマの満了が通知され、アプリケーション1が実行される。このとき、無線通信回路32は再び起動し、データ通信が行われる。そして、アプリケーション1によるデータ通信が終了すると、ドーマント状態に移行した後に、無線通信回路32が再び停止する。
【0076】
このように、従来であれば、第2テーブルに登録されているタイマ時刻に達する度に、無線通信回路32が起動する。特に、一定時間毎にデータ通信を行う複数のアプリケーションが、第2タイマテーブルにタイマ時刻を登録した場合、無線通信回路32は頻繁に起動することになるため、携帯電話機10の消費電力は増加する。
【0077】
そこで、本実施例では、複数のアプリケーションがデータ通信を行うタイミングを、強制的に一致させて、略同時にデータ通信を行わせる。これにより、無線通信回路32が起動する回数を減らし、消費電力を抑える。
【0078】
第1実施例では、既に登録されているタイマ時刻に合わせて、新たなタイマ時刻が登録される。具体的には、新たに登録されるタイマ時刻を基準とする許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていれば、その他のタイマ時刻に合わせて新たなタイマ時刻が登録される。また、許容時間は、以下の手順で設定される。まず、新たなタイマ時刻が満了するまでの時間を算出し、算出した時間から所定割合(たとえば5%)の時間が求められる。そして、新たなタイマ時刻を基準とし、所定割合の時間を利用して、許容時間が設定される。
【0079】
たとえば、アプリケーション2によって新たに登録されるタイマ時刻が「14時25分」であり、タイマ時刻に達するまでの時間が「2時間」であれば、所定割合の時間は「6分間」となる。そして、「14時25分」を基準とした前後の6分間、つまり「14時19分」から「14時31分」までの「12分間」が、許容時間となる。このようにして設定された「12分間」に、他のアプリケーションのタイマ時刻が含まれていれば、アプリケーション2のタイマ時刻は、他のアプリケーションのタイマ時刻と同時刻とされる。
【0080】
上述したアプリケーション1−4のタイマ時刻が、これらの処理に基づいて登録された場合、第2タイマテーブル内容は
図4の状態から
図6の状態に変化する。
【0081】
図6を参照して、まず、アプリケーション1のタイマ時刻(「14時30分」)が登録される場合は、1つ目のタイマ時刻であるため、そのまま登録される。次に、アプリケーション2のタイマ時刻(「14時25分」)が登録される場合は、上述した通り、許容時間内にアプリケーション1のタイマ時刻が含まれるため、アプリケーション2のタイマ時刻はアプリケーション1と同じタイマ時刻(「14時30分」)とされる。また、アプリケーション3のタイマ時刻も、アプリケーション2と同様、許容時間にアプリケーション1のタイマ時刻が含まれるため、アプリケーション1と同じタイマ時刻となるように登録される。ただし、アプリケーション4のタイマ時刻(「16時45分」)は、許容時間に他のアプリケーションのタイマ時刻が含まれないため、そのまま登録される。
【0082】
図7を参照して、タイマ時刻が登録され、現在時刻が「14時30分」に達すると、アプリケーション1−3が略同時に実行され、無線通信回路32が起動される。そして、無線通信回路32が起動している間に、アプリケーション1−3それぞれがデータ通信を行う。また、アプリケーション1−3によるデータ通信が終了すると、ドーマント状態に移行した後、無線通信回路32が停止する。
【0083】
このように、第1実施例では、既に登録されているタイマ時刻を利用することで、少なくとも2つ以上のアプリケーションを実行することが出来る。特に、第1実施例では、複数のタイマ時刻がグループに分けて登録されることになる。そのため、データ通信がグループ毎に行われるため、データ通信のために無線通信回路32を起動する回数を減らしつつ、データ通信の通信量(データ量)を抑えることが出来る。
【0084】
そして、このような処理が行われた結果、データ通信のために無線通信回路32を起動する回数が減るため、消費電力が抑えられる。
【0085】
なお、他の実施例の許容時間は、予め設定してあってもよい。また、許容時間内に複数のタイマ時刻が含まれる場合は、最も早いタイマ時刻に合わせてタイマ時刻が登録される。ただし、他の実施例では、最も近いタイマ時刻(最も時間差が小さいタイマ時刻)に合わせてタイマ時刻が登録されてもよい。
【0086】
以上で実施例の特徴を概説したが、以下には、
図8に示す携帯電話機10のRAM46のメモリマップ、
図9−12に示す携帯電話機10のプロセッサ30によるフロー図を用いて詳細に説明する。
【0087】
図8を参照して、
図2に示すRAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(
図2)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
【0088】
プログラム記憶領域302には、タイマ時刻登録プログラム310、満了通知プログラム312、実行制御プログラム314および通信制御プログラム316などが記憶されている。タイマ時刻登録プログラム310は、タイマテーブルにタイマ時刻を登録するためのプログラムである。満了通知プログラム312は、タイマ時刻に達したときに満了を通知するためのプログラムである。実行制御プログラム314は、満了通知に応じてアプリケーションを実行するためのプログラムである。通信制御プログラム316は、アプリケーションの要求に応じて無線通信回路32を起動させたり、データ通信の状態に応じて無線通信回路32を停止させたりするためのプログラムである。
【0089】
また、タイマ時刻登録プログラム310および満了通知プログラム312を実行するプロセッサ30は、
図3に示す通知制御部として機能する。
【0090】
なお、プログラム記憶領域302には、電話機能などを実行するためのプログラムも含まれる。
【0091】
RAM46のデータ記憶領域304には、通信バッファ330、時刻バッファ332、タイマ時刻バッファ334および通知バッファ336などが設けられると共に、第1タイマテーブルデータ338および第2タイマテーブルデータ340などが記憶される。また、データ記憶領域304には、第1カウンタ342および第2カウンタ344なども設けられる。
【0092】
通信バッファ330には、データ通信によって得られたデータが一時的に記憶される。時刻バッファ332には、RTC30aが出力する日時情報が一時的に記憶される。タイマ時刻バッファ334には、タイマ設定が行われたときに、登録される前のタイマ時刻が一時的に記憶される。
【0093】
第1タイマテーブルデータ338および第2タイマテーブルデータ340は、
図4(
図6)に示すような構成のデータであり、それぞれ対応するタイマのタイマ時刻を含む。
【0094】
第1カウンタ342および第2カウンタ344は、初期化されるとカウントを開始するため、第1タイマおよび第2タイマと呼ばれることもある。また、第1カウンタ342または第2カウンタ344は、第1タイマテーブルデータ338または第2タイマテーブルデータ340に、1つ目のタイマ時刻が登録されると初期化される。つまり、第1タイマまたは第2タイマは、対応するタイマテーブルに1つ目のタイマ時刻が登録されると、動作する。そして、タイマテーブルに登録されている全てのタイマ時刻に達した場合、第1タイマまたは第2タイマは満了する。
【0095】
なお、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0096】
プロセッサ30は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、
図9に示すタイマ時刻登録処理、
図10に示す満了通知処理、
図11に示す実行制御処理および
図12に示す通信制御処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0097】
タイマ時刻登録処理は、たとえば携帯電話機10の電源がオンにされると開始される。ステップS1でプロセッサ30は、タイマ設定が行われたか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、任意のアプリケーションからタイマ時刻の登録が要求されたかを判断する。また、タイマ設定が行われると、タイマ時刻バッファ334には、新たに登録されるタイマ時刻が一時的に記憶される。ステップS1で“NO”であれば、つまりアプリケーションがタイマ設定を行わなければ、プロセッサ30はステップS1の処理を繰り返す。
【0098】
ステップS1で“YES”であれば、たとえばアプリケーション1がタイマ設定を行うと、ステップS3でプロセッサ30は、第2タイマが動作中か否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、第2タイマテーブル340にタイマ時刻が登録されているかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまり第2タイマテーブル340にタイマ時刻が登録されておらず、第2タイマが動作していなければ、ステップS5でプロセッサ30は、タイマ設定に基づいて新たなタイマ時刻を登録する。たとえば、タイマ時刻バッファ334に記憶されているタイマ時刻が第2タイマテーブルデータ340に登録される。そして、ステップS5の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS1に戻る。また、ステップS1に戻ったときに、アプリケーション2によってタイマ設定が行われていれば、プロセッサ30は再びステップS3に進む。
【0099】
ステップS3で“YES”であれば、たとえばアプリケーション1によって第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されていれば、ステップS7でプロセッサ30は、新たなタイマ時刻に達するまでの時間を算出する。たとえば、アプリケーション2のタイマ設定における、新たなタイマ時刻が「14時25分」であり、現在時刻が「12時25分」であれば、ステップS7では「2時間」が算出される。なお、ステップS7の処理を実行するプロセッサ30は算出部として機能する。
【0100】
続いて、ステップS9でプロセッサ30は、算出された時間および新たなタイマ時刻に基づいて、許容時間を設定する。たとえば、タイマ時刻に達するまでの所定割合の時間は「6分間」であり、基準となるタイマ時刻が「14時25分」であるため、許容時間は「14時19分」から「14時31分」までの「12分間」と設定される。なお、ステップS9の処理を実行するプロセッサ30は設定部として機能する。
【0101】
続いて、ステップS11でプロセッサ30は、許容時間内に他のタイマ時刻が含まれるか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、第2タイマテーブルに登録されるタイマ時刻が、新たなタイマ時刻を基準として設定された許容時間内に含まれているかを判断する。ステップS11で“YES”であれば、たとえば、許容時間は「14時19分」から「14時31分」までの「12分間」に、アプリケーション1のタイマ時刻(「14時30分」)が含まれていれば、ステップS13でプロセッサ30は、許容時間内に含まれる他のタイマ時刻に基づいて新たなタイマ時刻を登録する。たとえば、既に登録されているアプリケーション1に対応するタイマ時刻と同時刻となるように、アプリケーション2に対応するタイマ時刻が登録される。なお、ステップS13の処理を実行するプロセッサ30は第1登録部として機能する。
【0102】
また、ステップS11で“NO”であれば、つまり許容時間内に他のタイマ時刻が含まれていなければ、プロセッサ30はステップS5に進む。つまり、タイマ時刻バッファ334に記憶されているタイマ時刻が、そのまま第2タイマテーブルデータ340に登録される。
【0103】
このように、「14時25分」のタイマ時刻を登録しようとしたアプリケーション2のタイマ時刻は、アプリケーション1のタイマ時刻(「14時30分」)と同じ時刻にされる。
【0104】
図10は満了通知処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS31でプロセッサ30は、タイマ時刻が登録されたか否かを判断する。つまり、第2タイマテーブル340に新たなタイマ時刻が登録されたかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されていなければ、プロセッサ30はステップS31の処理を繰り返す。
【0105】
続いて、ステップS33でプロセッサ30は、第2タイマが動作中か否かを判断する。つまり、第2タイマテーブル340にタイマ時刻が登録されているかが判断される。ステップS33で“YES”であれば、つまり第2タイマが動作していれば、プロセッサ30はステップS37に進む。また、ステップS33で“NO”であれば、つまり第2タイマが動作していなければ、ステップS35でプロセッサ30は、第2タイマを動作させる。つまり、プロセッサ30は、第2カウンタ344を初期化する。
【0106】
続いて、ステップS37でプロセッサ30は、タイマ時刻に達しか否かを判断する。つまり、時刻バッファ332から日時情報を読み出し、その日時情報と一致するタイマ時刻が第2タイマテーブルに記録されているかを判断する。ステップS37で“NO”であれば、つまりタイマ時刻に達していなければ、プロセッサ30はステップS37を繰り返す。
【0107】
ステップS37で“YES”であれば、たとえば現在時刻と、アプリケーション1に対応するタイマ時刻とが一致すれば、ステップS39でプロセッサ30は、通知情報を通知バッファに記録する。つまり、アプリケーション情報(ID)を含む通知情報が、通知バッファ336に記憶される。続いて、ステップS41でプロセッサ30は、通知バッファ336に基づいて満了を通知する。たとえば、アプリケーション1のタイマ時刻に達したことが通知される。
【0108】
なお、このように通知されると、後述する実行制御処理で、対応するアプリケーションが実行される。また、通知情報が記録されたタイマ時刻は、タイマテーブルから削除される。さらに、ステップS39の処理を実行するプロセッサ30は記録部として機能し、ステップS41の処理を実行するプロセッサ30は通知部として機能する。
【0109】
続いて、ステップS43でプロセッサ30は、全てのタイマ時刻に達したか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されているかを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されていれば、プロセッサ30はステップS37に戻る。一方、ステップS43で“YES”であれば、つまり第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されていなければ、プロセッサ30はステップS31に戻る。
【0110】
図11は実行制御部のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS61でプロセッサ30は、タイマの満了が通知されたか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、満了通知処理で満了通知が通知されたかを判断する。ステップS61で“NO”であれば、つまり満了が通知されていなければ、プロセッサ30はステップS61を繰り返す。一方、ステップS61で“YES”であれば、たとえばアプリケーション1に対応するタイマ時刻の満了が通知されると、ステップS63でプロセッサ30は、アプリケーションを実行する。たとえば、満了通知がアプリケーション1のアプリケーション情報を含んでいれば、ステップS63でプロセッサ30は、アプリケーション1を実行する。そして、ステップS63の処理が終了すると、プロセッサ30はステップS61に戻る。なお、ステップS63の処理を実行するプロセッサ30は実行部として機能する。
【0111】
図12は通信制御処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、ステップS81でプロセッサ30は、アプリケーションから通信要求が有るか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、ステップS63で実行されたアプリケーションがデータ通信の要求を出しているかを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまり通信要求が無ければ、プロセッサ30はステップS81の処理を繰り返す。一方、ステップS81で“YES”であれば、つまり通信要求があれば、ステップS83でプロセッサ30は、無線通信回路32を起動する。つまり、データ通信を行うために無線通信回路32が起動される。なお、ステップS83の処理を実行するプロセッサ30は起動部として機能する。
【0112】
続いて、ステップS85でプロセッサ30は、アプリケーションの要求に応じてデータ通信を開始する。たとえば、データ通信を開始することでアプリケーション1はメールなどを受信する。続いて、ステップS87でプロセッサ30は、データ通信が終了したか否かを判断する。ステップS87で“NO”であれば、つまりデータ通信が終了していなければ、ステップS89でプロセッサ30は、アプリケーションから通信要求が有るか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、他のアプリケーションが実行されデータ通信を要求しているかを判断する。なお、ステップS89では、実行中のアプリケーションが別のデータ通信を要求しているかも判断される。
【0113】
ステップS89で“NO”であれば、つまりアプリケーションから通信要求がなければ、プロセッサ30はステップS87に戻る。一方、ステップS89で“YES”であれば、つまり他のアプリケーションから通信要求があれば、プロセッサ30はステップS85に戻り、他のアプリケーションのデータ通信が開始される。
【0114】
また、ステップS87で“YES”であれば、たとえば複数のアプリケーションによる
各データ通信が終了すれば、プロセッサ30は、ステップS91でドーマント状態に移行し、ステップS93で無線通信回路32を停止する。そして、プロセッサ30はステップS81の処理に戻る。
【0115】
<第2実施例>
第2実施例では、複数のタイマ時刻が第2タイマテーブルデータ340に登録されている場合、最も遅いタイマ時刻に達した時に、複数のアプリケーションが略同時に通信を行うようにする。これにより、登録されているタイマ時刻を変化させることなく、少なくとも2つ以上のアプリケーションを略同時に実行することが出来る。
【0116】
ただし、第2タイマテーブルデータにタイマ時刻が登録され続けた場合、最も遅いタイマ時刻も遅くなり、タイマの満了が通知されないことが想定される。そのため、第2タイマが動作してから第1所定時間(たとえば、15分間)が経過すると、その時点でタイマ時刻に達しているものについては、タイマの満了が通知される。
【0117】
また、他の実施例では、第2タイマが動作してから、第2所定時間(たとえば、30分)が経過すれば、第2タイマを強制満了させて、第2タイマテーブルにタイマ時刻を登録した全てのアプリケーションに対してタイマの満了を通知してもよい。
【0118】
このように、第2実施例では、タイマ時刻が登録され続けることによって、第2タイマの満了通知が通知されなくなることを、防ぐことが出来る。
【0119】
また、第2実施例の携帯電話機10には、消費電力を抑える省電力モードが設定される。この省電力モードが設定されると、ディスプレイ14の電源がオフにされる。省電力モードは、ユーザ操作が行われるか、着呼があるか、データ通信が行われると、解除される。そして、省電力モードが設定されている状態では、タイマの満了通知は保留にし、データ通信が行われないようにする。これにより、通知によって消費される電力を抑えることが出来る。また、ユーザ操作があれば省電力モードが解除され、保留にされていた満了通知がそれぞれ通知される。つまり、ユーザが携帯電話機10を利用するタイミングに合わせて、アプリケーションを実行することが出来る。
【0120】
以上で第2実施例の特徴を概説したが、以下には、
図13に示す第2実施例のメモリマップおよび
図14−
図17に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
【0121】
図13を参照して、第2実施例のデータ記憶領域304には、省電力フラグ346、最大遅延カウンタ348および一括カウンタ350などがさらに設けられる。
【0122】
省電力フラグ346は、省電力モードが設定されているかを判断するためのフラグである。たとえば、省電力フラグ346は、1ビットのレジスタで構成される。省電力フラグ346がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、省電力フラグ346がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
【0123】
最大遅延カウンタ348は、第1所定時間を計測するためのカウンタである。最大遅延カウンタ348は、最大遅延タイマとも呼ばれ、初期化されると計測を開始する。また、一括カウンタ350は、第2所定時間を計測するためのカウンタである。一括カウンタ350は、一括タイマとも呼ばれ、初期化されると計測を開始する。
【0124】
図14は第2実施例の満了通知処理の一部のフロー図である。なお、第1実施例の満了通知処理と同じ処理については、同じステップ番号を付してある。
【0125】
第2実施例の満了通知処理が実行されると、ステップS31でタイマ時刻が登録されたか否かが判断される。ステップS31で“NO”であれば、つまりタイマ時刻が登録されていなければ、ステップS111でプロセッサ30は、省電力モードが解除されているか否かを判断する。つまり、省電力フラグ346がオフであるかが判断される。ステップS111で“NO”であれば、つまり省電力モードが設定されていれば、プロセッサ30はステップS31に戻る。一方、ステップS111で“YES”であれば、つまり省電力モードが解除されると、ステップS113でプロセッサ30は、通知情報が通知バッファ336に記録されているか否かを判断する。つまり、保留にされている満了通知が通知バッファ336に記録されているかが判断される。ステップS113で“NO”であれば、つまり保留にされている満了通知が無ければ、プロセッサ30はステップS31に戻る。一方、ステップS113で“YES”であれば、つまり省電力モードが解除された時点で、保留にされている満了通知があれば、ステップS41でプロセッサ30は、通知バッファ336に基づいて満了を通知する。たとえば、第2タイマテーブルに記録されている全てのタイマ時刻に達しても、省電力モードによって通知が保留にされている可能性がある。そのため、ステップS111,S113の処理を実行することで、省電力モードが解除されれば満了通知が通知されるようにしている。
【0126】
一方、ステップS31で“YES”であれば、つまりタイマ時刻が登録されると、ステップS33で第2タイマが動作中か否かが判断される。ステップS33で“NO”であれば、つまり第2タイマが動作していなければ、ステップS35でプロセッサ30は第2タイマを動作させる。
【0127】
続いて、ステップS115でプロセッサ30は、最大遅延タイマが動作中か否かを判断する。ステップS115で“NO”であれば、たとえば最大遅延タイマが動作していなければ、ステップS117でプロセッサ30は、最大遅延タイマを動作させて、ステップS119に進む。このように、満了通知処理が開始されると、第2タイマが動作した後に、最大遅延タイマが動作する。また、最大遅延タイマが満了し、最大遅延タイマが停止した状態でステップS115が再び実行されると、ステップS117で最大遅延タイマが再び動作する。
【0128】
続いて、ステップS119でプロセッサ30は、全てのタイマ時刻に達したか否かを判断する。つまり、第2タイマテーブルデータ340に登録されている最も遅いタイマ時刻に達したかが判断される。ステップS119で“YES”であれば、つまり全てのタイマ時刻に達していれば、プロセッサ30は、ステップS39で通知情報を通知バッファ336に記録し、ステップS121で省電力モードが解除されているか否かを判断する。
【0129】
ステップS121で“YES”であれば、つまり省電力モードが解除されていれば、ステップS41でプロセッサ30は、通知バッファ336に基づいて満了を通知する。たとえば、アプリケーション1−3のタイマ時刻が第2タイマテーブルに登録されていた場合、ステップS41が実行されると、アプリケーション1−3が実行される。一方、ステップS121で“NO”であれば、つまり省電力モードが設定されていれば、満了通知が通知されずに、プロセッサ30はステップS43に進む。
【0130】
ステップS43でプロセッサ30は、全てのタイマ時刻に達したか否かを判断する。ステップS43で“YES”であれば、つまり全てのタイマ時刻に達していれば、プロセッサ30はステップS31に戻る。一方、ステップS43で“NO”であれば、たとえば、後述する最大遅延タイマが満了した場合、第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されている状態であるため、プロセッサ30はステップS115に戻る。
【0131】
また、ステップS119で“NO”であれば、つまり第2タイマテーブルデータ340に登録されている、最も遅いタイマ時刻に達していなければ、ステップS123でプロセッサ30は、最大遅延タイマが満了したか否かを判断する。たとえば、第2タイマが動作してから第1所定時間が経過したかが判断される。ステップS123で“YES”であれば、つまり最大遅延タイマが満了していれば、プロセッサ30はステップS121に進む。たとえば、省電力モードが解除されていれば、その時点で保留にされている満了通知が通知される。
【0132】
一方、ステップS123で“NO”であれば、つまり最大遅延タイマが満了していなければ、ステップS125で省電力モードが解除されたか否かを判断する。ステップS125で“NO”であれば、つまり省電力モードが解除されていなければ、ステップS119に戻る。一方、ステップS125で“YES”であれば、つまり省電力モードが解除されると、ステップS127でプロセッサ30は、通知情報が通知バッファ336に記録されているか否かを判断する。ステップS127で“NO”であれば、つまり保留にされた満了通知が無ければ、プロセッサ30はステップS119に戻る。一方、ステップS127で“YES”でれば、たとえば全てのタイマ時刻が満了する前か、最大遅延タイマが満了する前に、省電力モードが解除され、保留にされた満了通知があれば、プロセッサ30はステップS41で通知バッファ336に基づいて通知を満了する。
【0133】
図16は、最大遅延タイマに代えて一括タイマが動作する第2実施例の満了通知処理のフロー図である。なお、既に説明した処理については説明を省略する。
【0134】
ステップS31が実行され“NO”であれば、ステップS111,S113が実行される。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまりタイマ時刻が登録されると、ステップS33で第2タイマが動作中か否かが判断される。ステップS33で“YES”であれば、つまり第2タイマが動作中であれば、プロセッサ30はステップS119に進む。一方、ステップS33で“NO”であれば、つまり第2タイマが動作していなければ、プロセッサ30は、ステップS35で第2タイマを動作させる。
【0135】
続いて、ステップS141でプロセッサ30は、一括タイマを動作させる。つまり、第2タイマが動作してから第2所定時間が経過したかを判断するために、一括タイマが動作する。
【0136】
また、次のステップS119で“NO”であれば、つまり第2タイマテーブルデータ340に登録されている、最も遅いタイマ時刻に達していなければ、ステップS143でプロセッサ30は、一括タイマが満了したか否かを判断する。つまり、第2タイマが動作してから第2所定時間が経過したかが判断される。ステップS143で“NO”であれば、つまり一括タイマが満了していなければ、ステップS125,S127の処理が実行される。
【0137】
一方、ステップS143で“YES”であれば、つまり一括タイマが満了すれば、ステップS145で第2タイマを強制満了させる。つまり、第2タイマテーブルデータ340に登録されているタイマ時刻に関係なく、第2タイマを強制的に満了させる。続いて、ステップS39では、第2タイマテーブルデータ340に登録されている全てのタイマ時刻に基づいて通知情報を作成し、通知バッファ336に記録する。たとえば、第2タイマテーブルデータ340に、アプリケーション1−4のタイマ時刻が登録されている場合、アプリケーション1−4に対する通知情報が作成され、通知バッファ336に記録される。その後、省電力モードが解除されていれば、各満了通知に応じてアプリケーション1−4が実行される。
【0138】
<第3実施例>
第3実施例では、定期的にデータ通信を行う複数のアプリケーションを、一斉にデータ通信を行わせる、一斉通信モードを設定することが出来る。具体的には、各アプリケーションによってタイマ設定が行われる際に、同じ時刻にタイマの満了が通知されるように、タイマ時刻が登録される。つまり、或る時刻に第2タイマが満了するよう、タイマ時刻がそれぞれ登録される。
【0139】
図18を参照して、たとえば、アプリケーション1−3は、タイマ設定を行う時刻がそれぞれ異なっていたとしても、或る時刻(たとえば、14時30分)に満了が通知されるようにタイマ時刻が登録される。そのため、或る時刻で第2タイマが満了すれば、アプリケーション1−3がそれぞれ実行され、データ通信を行う。つまり、タイマ時刻を登録した全てのアプリケーションを、略同時に実行することが出来る。
【0140】
また、
図19を参照して、第3実施例では、ユーザ操作に応じてデータ通信を行った場合、そのデータ通信を検知して第2タイマが強制的に満了される。よって、第2タイマテーブルにタイマ時刻を登録しているアプリケーションがそれぞれ実行され、データ通信を行う。このように、ユーザがデータ通信を行うタイミングに合わせて、少なくとも2つ以上のアプリケーションを略同時に実行することが出来る。
【0141】
なお、ユーザは、一斉通信モードの設定を任意に変更することが出来る。また、設定時間は、ユーザによって任意に設定されてもよい。
【0142】
以上で第3実施例の特徴を概説したが、以下には、
図20に示す第3実施例のメモリマップおよび
図21、
図22に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
【0143】
図20を参照して、第3実施例のデータ記憶領域304には、同じタイマ時刻を設定するための設定時間データ352などがさらに記憶されると共に、一斉通信モードが設定されているかを判断するための通信制御フラグ354などがさらに設けられる。
【0144】
図21は第3実施例のタイマ登録処理のフロー図である。なお、第1実施例のタイマ登録処理と同じ処理については、同じステップ番号を付してある。
【0145】
第3実施例のタイマ登録処理が実行されると、ステップS1でプロセッサ30は、タイマ設定されたか否かを判断する。ステップS1で“YES”であれば、たとえばタイマ設定が行われると、ステップS161でプロセッサ30は、通信制御フラグ161がオンであるか否かを判断する。つまり、一斉通信モードが設定されているかが判断される。ステップS161で“NO”であれば、つまり一斉通信モードが設定されていなければ、ステップS5でプロセッサ30は、タイマ設定に基づいて新たなタイマ時刻を登録する。そして、プロセッサ30はステップS1に戻る。
【0146】
一方、ステップS161で“YES”であれば、つまり一斉通信モードが設定されていれば、ステップS163でプロセッサ30は、タイマ時刻が登録されているか否かを判断する。つまり、第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻が登録されているかが判断される。
【0147】
ステップS163で“NO”であれば、つまり第2タイマテーブルにタイマ時刻が登録されていなければ、ステップS165でプロセッサ30は、設定時間データ352に基づいて新たなタイマ時刻を登録する。たとえば、設定時間データ354は「1時間」を示し、タイマ設定によるタイマ時刻が「13時30分」であれば、設定時間データ354が示す1時間後の「14時30分」が新たなタイマ時刻として登録される。また、ステップS165の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS1に戻る。
【0148】
ステップS1に戻った後、別のタイマ設定が行われると、ステップS1で“YES”と判断され、通信制御フラグがオンであれば、ステップS161でも“YES”と判断される。ここでは、第2タイマテーブルデータ340にタイマ時刻(「14時30分」)が登録されているため、ステップS163で“YES”と判断され、プロセッサ30はステップS167に進む。ステップS167でプロセッサ30は、登録されているタイマ時刻にあわせて新たなタイマ時刻を登録する。ここでは、第2タイマテーブルデータ340に「14時30分」のタイマ時刻が登録されているため、新たなタイマ時刻も「14時30分」として登録される。また、ステップS167の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS1に戻る。
【0149】
なお、ステップS165およびステップS167の処理を実行するプロセッサ30は、第2登録部として機能する。
【0150】
図22は第3実施例の満了通知処理のフロー図である。なお、第1実施例の満了通知処理と同じ処理については、同じステップ番号を付してある。
【0151】
第3実施例の満了通知処理が開始されると、プロセッサ30は、ステップS31からステップS35までの処理を実行する。
【0152】
ステップS35で第2タイマが動作されると、ステップS181でプロセッサ30は、第2タイマが満了したか否かを判断する。つまり、第2タイマテーブルデータ340に登録されているタイマ時刻に達したかが判断される。ステップS181で“YES”であれば、つまり第2タイマが満了すると、プロセッサ30は、ステップS39で通知情報を通知バッファ336に記録し、ステップS41で通知バッファに基づいて満了を通知する。そして、ステップS41の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS31に戻る。
【0153】
これにより、タイマ時刻を登録しているアプリケーションは、略同時にデータ通信を行うことになる。
【0154】
一方、ステップS181で“NO”であれば、つまり第2タイマが満了していなければ、ステップS183でプロセッサ30は、手動で通信が開始されたか否かを判断する。たとえば、ユーザが任意のアプリケーションを実行し、通信を行う操作を行ったが判断される。ステップS183で“NO”であれば、つまりユーザ操作に応じて通信が行われていなければ、プロセッサ30はステップS181に戻る。
【0155】
一方、ステップS183で“YES”であれば、つまりユーザ操作に応じて通信が行われると、ステップS185でプロセッサ30は、第2タイマを強制満了させる。つまり、第2タイマテーブルデータ340に登録されているタイマ時刻に関わらず、第2タイマを強制的に満了させる。その後、プロセッサ30はステップS39,S41の処理を実行して、第2タイマの満了を通知する。
【0156】
なお、第1実施例および第3実施例でも、省電力モードが設定され、通知が保留にされてもよい。また、第1実施例および第2実施例でも、ユーザ操作に応じて、第2タイマが強制満了されてもよい。
【0157】
また、本実施例では、タイマ時刻に達したときにアプリケーションが実行されていたが、タイマ設定がされたからタイマ時間が経過したときにアプリケーションが実行されてもよい。この場合、タイマテーブルには、タイマ時刻に代えてタイマ時間が登録される。
【0158】
また、データ通信を行うアプリケーションには、ニュースを定期的に取得するアプリケーション、定期的にフラッシュメモリ44のバックアップを行うアプリケーションなども含まれる。
【0159】
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の通信端末にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0160】
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。