(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水面で浮遊可能な本体部を有する人工地盤と、前記本体部の側面に当接する状態で設けられた浮上ガイド用支柱と前記浮上ガイド用支柱の下端部に取り付けられたダンパーとを有する浮上ガイド部材とを備える人工地盤浮上構造について、水流方向に応じて前記ダンパーを介して前記浮上ガイド用支柱を傾かせ、
前記浮上ガイド用支柱に前記本体部を摺動させながら、水面の高さに応じて前記人工地盤を浮上させること
を特徴とする人工地盤浮上方法。
【背景技術】
【0002】
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震によるビルや家屋の倒壊もあったが、その地震に加えてその地震に起因する津波によりとりわけ沿岸部に多大な被害をもたらした。特に東日本大震災の津波の高さは、場所によっては、30〜40m超に達するものもあったとの記録もあり、観測史上まれに見る高津波であった。
【0003】
このように、地震がたびたび発生する日本においては、地震による建物の倒壊対策だけでなく、水害時の避難対策も急務となる。水害時の避難対策としては、テレビやラジオ等での洪水や津波等の警報による注意喚起により、人々を安全な高所に避難させるという対策が重要である。しかしながら、必ずしも近隣に一定の高さを有する建物や丘等の高所がある場合だけではないため、例えば、一定の高さを有する避難タワー等を近隣に構築することも提案されている。
【0004】
ところが、想定外の高さの津波が襲来した場合には、避難タワーに人が避難しても波にさらわれるおそれもある。さらに、東日本大震災でも見られたように、津波の破壊力により建物自体が倒壊して内陸部に数km押し流されるような状況下では、建物が流された結果、建物自体が水に沈むおそれもある。
【0005】
このことからも、地震時の構造物の倒壊対策、水害時に一定の高さを有する場所への避難対策、さらに水害時に想定外の高さの津波や洪水等が襲来した場合における避難対策という各状況に応じた災害対策が必要となる。
【0006】
かかる災害対策として、従来において鋭意検討された結果、例えば、特許文献1及び特許文献2の開示技術が提案されている。特許文献1及び特許文献2の開示技術では、上面が開口し側面及び底面を備えた容器構造プール型基礎を備え、プール型基礎内に台船型浮体を収容するとともにその浮体の上に建家を建造し、台船型浮体と一体で台船型浮体より鉛直下方に伸長するアンカーポールを備えている。特許文献1の開示技術では、基礎と台船型浮体の間に地震の揺動を緩衝伝達する免震機構があり、特許文献2の開示技術では、台船型浮体と建家の間に地震の揺動を緩衝伝達する免震機構があるという違いがある。何れの場合も、地震時には構造物の免震機構により損壊転倒を防止し、さらに高潮水害時には、プール型基礎の上の台船型浮体と建家がアンカーポールを介して一体的に浮上するという水害対応免震建築物が提案されている。特に台船型浮体が浮上し、アンカーポールから外れるとアンカー作用が失われ、台船型浮体と建物は流水のままに流されることもできるという特徴がある。
【0007】
しかしながら、建築物と台船型浮体の浮上を誘導するアンカーポールの倒壊対策がなく、地震や津波の破壊力により、アンカーポールそのものが急激な水平方向の力等で破壊されれば、台船型浮体と建物を浮上させることができない。
【0008】
また、特許文献2における段落[0010]の記載に「浮体が構築物等に衝突して破損や浸水しない限り転覆沈没することはなく浮体上の人身人命は救われる可能性が高い」とある。しかし、東日本大震災にも見られたとおり、この浮体や建築物に同様に津波に押し流された他の漂流物が衝突した場合には、建築物そのものが破壊されて転覆沈没するおそれもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、地震時には、免震機構で構造物の倒壊を防止し、水害時には、構造物を水面に浮上させて浸水を回避し、さらに洪水や津波等に流され、他の漂流物に衝突しても転覆沈没させないという各状況に応じた避難用の人工地盤浮上構造及び人工地盤浮上方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明に係る人工地盤浮上構造及びその人工地盤の浮上方法は、次のように構成する。
【0012】
前記請求項1記載の発明は、水面で浮遊可能な本体部と前記本体部に少なくとも1つ以上設けられた
下方に拡径される貫通孔とを有する人工地盤と、前記貫通孔に貫通する浮上ガイド用支柱と前記浮上ガイド用支柱の下端部に取り付けられたダンパーとを有する浮上ガイド部材とを備え、前記人工地盤は、前記浮上ガイド部材に前記貫通孔を介して誘導されながら水面の高さに応じて浮上可能とされていることを特徴とする人工地盤浮上構造が提供される。
【0015】
前記請求項
2記載の発明は、水面で浮遊可能な本体部を有する人工地盤と前記本体部の下面に少なくとも1つ以上取り付けられた免震装置と、前記免震装置の下端部に設けられるとともに地面に固定された柱と、前記本体部の側面に当接する状態で設けられた浮上ガイド用支柱と前記浮上ガイド用支柱の下端部に取り付けられたダンパーとを有する浮上ガイド部材とを備え、前記人工地盤は、前記浮上ガイド部材に誘導されながら水面の高さに応じて浮上することを特徴とする人工地盤浮上構造が提供される。
【0016】
前記請求項
3記載の発明は、水面で浮遊可能な本体部と前記本体部の下面に少なくとも1つ以上設けられた柱を有する人工地盤と、前記柱の下端部に取り付けられた免震装置と、前記本体部の側面に当接する状態で設けられた浮上ガイド用支柱と前記浮上ガイド用支柱の下端部に取り付けられたダンパーとを有する浮上ガイド部材とを備え、前記人工地盤は、前記浮上ガイド部材に誘導されながら水面の高さに応じて浮上することを特徴とする人工地盤浮上構造が提供される。
【0017】
前記請求項
4記載の発明は、前記人工地盤は、前記本体部の周囲の側面に前記本体部の上方に進むに従い拡径となる状態で斜めに設けられた側方補助プレートと、前記本体部と前記側方補助プレートとを支えるプレート支持材とを有することを特徴とする請求項1〜
3のうち何れか1項に記載の人工地盤浮上構造が提供される。
【0018】
前記請求項
5記載の発明は、水面で浮遊可能な本体部と前記本体部に少なくとも1つ以上設けられた
下方に拡径される貫通孔とを有する人工地盤と、前記貫通孔に貫通する浮上ガイド用支柱と前記浮上ガイド用支柱の下端部に取り付けられたダンパーとを有する浮上ガイド部材とを備える人工地盤浮上構造について、水流方向に応じて前記ダンパーを介して前記浮上ガイド用支柱を傾かせ、前記浮上ガイド用支柱に誘導させながら水面の高さに応じて前記人工地盤を浮上させることを特徴とする人工地盤浮上方法が提供される。
【0019】
前記請求項
6記載の発明は、水面で浮遊可能な本体部を有する人工地盤と、前記本体部の側面に当接する状態で設けられた浮上ガイド用支柱と前記浮上ガイド用支柱の下端部に取り付けられたダンパーとを有する浮上ガイド部材とを備える人工地盤浮上構造について、水流方向に応じて前記ダンパーを介して前記浮上ガイド用支柱を傾かせ、前記浮上ガイド用支柱に前記本体部を摺動させながら、水面の高さに応じて前記人工地盤を浮上させることを特徴とする人工地盤浮上方法が提供される。
【0020】
前記請求項
7記載の発明は、前記水面の高さがさらに上昇することで、前記浮上ガイド用支柱が前記貫通孔から外れた後、水面に前記人工地盤を浮遊させることを特徴とする請求項
5に記載の人工地盤浮上方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
前記請求項1記載の発明によると、津波や洪水等の水害時に水面の高さが徐々に高くなると、やがて前記人工地盤の前記本体部に水面が到達する。前記本体部は、水面で浮遊可能な構造となっているため、前記本体部に水面が達すると、前記本体部はその水面より浮力を受けることになる。そして、前記貫通孔に前記浮上ガイド用支柱が貫通していることにより、水面の高さが高くなるにつれて、前記浮上ガイド用支柱を通じて誘導されながら前記人工地盤を浮上させることができる。また、同様に津波や洪水等の水が引いていくと、水面の高さが徐々に低くなり、それとともに、前記浮上ガイド用支柱を通じて誘導されながら前記人工地盤を下降させることができる。このように水害時に前記人工地盤の浸水を防ぐことができる。
【0022】
前記請求項2記載の発明によると、前記本体部の下面にある前記免震装置が取り付けられていることにより、地震時に前記本体部の倒壊を防ぐことができる。また、前記請求項1と同様に水害時には前記人工地盤を浮上させることができる等、水害時に前記人工地盤の浸水を防ぐこともできる。
【0023】
前記請求項3記載の発明によると、前記本体部の下面に設けられた前記柱の下端部に前記免震装置が取り付けられていることにより、地震時に前記人工地盤の倒壊を防ぐことができる。また、前記請求項1と同様に水害時には前記人工地盤を浮上させることができる等、水害時への前記人工地盤の浸水を防ぐこともできる。さらに、仮に前記人工地盤が、前記浮上ガイド用支柱から外れて、前記人工地盤が波や洪水等に流されて何れかの場所に着地させても、前記柱があることにより、直接的に前記本体部への瓦礫の衝突を回避でき、前記人工地盤は、転倒を防ぐことができる。
【0024】
前記請求項4記載の発明によると、前記請求項2記載の発明と同様に前記本体部の下面にある前記免震装置が取り付けられていることにより、地震時に前記本体部の倒壊を防ぐことができる。また、津波や洪水等の水害時に水面の高さが徐々に高くなってくると、それに合わせて前記人工地盤は、前記浮上ガイド用支柱に当接する状態で設けられているため、前記浮上ガイド用支柱上を摺動しながら、浮上させることができる。また、津波や洪水等の水が引いていくと、水面の高さが徐々に低くなり、それとともに前記人工地盤は、前記浮上ガイド用支柱上を摺動しながら下降させることができる。
【0025】
前記請求項5記載の発明によると、前記請求項3記載の発明と同様に、前記本体部の下面に設けられた前記柱の下端部に前記免震装置が取り付けられていることにより、地震時に前記人工地盤の倒壊を防ぐことができる。また、請求項4記載の発明と同様に
水害時には、前記人工地盤は、前記浮上ガイド用支柱に当接する状態で設けられているため、前記浮上ガイド用支柱上を摺動しながら浮上させることができる等、水害時への前記人工地盤の浸水を防ぐこともできる。さらに、請求項3記載の発明と同様に、仮に前記人工地盤が、前記浮上ガイド用支柱から外れて、前記人工地盤が波や洪水等に流されて何れかの場所に着地させても、前記柱があることにより、直接的に前記本体部への瓦礫の衝突を回避でき、前記人工地盤は、転倒を防ぐことができる。
【0026】
前記請求項6記載の発明によると、前記側方補助プレートがあることにより、当該プレートが上方に進むに従い拡径となる状態で斜めに設けられているため、前記人工地盤が浮上する際の上方への力を補助するという浮力補助としての機能が発揮される。また、前記側方補助プレートに加えて、それを支える前記プレート支持部材があることにより、本体部の側面まで距離があるため、津波等が襲来した時に波がいきなり本体部の上面に到達せずに、本体部の上面に避難した人々を波がさらってしまうことを防ぐという波返しとしての波力抑制の機能が発揮される。さらに、仮に人工地盤が浮遊して流された時には、瓦礫等の流されている他の漂流物が衝突したとしても人工地盤そのものの損傷を軽減させ、人工地盤の沈没を回避させる損傷抑制の機能が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態の人工地盤浮上構造の斜視図である。
【
図2】第1実施形態の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図3】第1実施形態の人工地盤浮上構造の平面図である。
【
図4】(a)は、浮上ガイド用支柱と貫通孔の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図5】(a)は、浮上ガイド用支柱と低降伏点ダンパーと浮上ガイド用台座の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図6】(a)は、高減衰粘性機構の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図7】(a)は、柱と積層ゴムを有する免震装置の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図8】(a)は、柱とすべり支承を有する免震装置の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図9】(a)は、柱とすべり支承と高減衰粘性体を有する免震装置の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図10】(a)は、地震動が小さい場合の人工地盤浮上構造の正面図、(b)は、地震動が大きい場合の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図11】(a)は、平常時の積層ゴムの正面図、 (b)は、揺れが小さい場合の積層ゴムの正面図、(c)は、揺れが大きい場合の積層ゴムの正面図である。
【
図12】(a)は、水位が低い時の人工地盤浮上構造の正面図、 (b)は、水面に浮上した時の人工地盤浮上構造の正面図、(c)は、水面に浮遊した時の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図13】(a)は、平常時の積層ゴムを有する免震装置の正面図、(b)は、積層ゴムが積層ゴム下方プレートから浮上した時の免震装置の正面図である。
【
図14】(a)は、人工地盤が下降している時の人工地盤浮上構造の正面図、(b)は、人工地盤が定位置からずれた場所へ着地した時の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図15】(a)は、水面に浮遊した時の人工地盤の正面図、(b)は、瓦礫のある場所に着地させた時の人工地盤の正面図である。
【
図16】本体部の側面に側方補助プレート及びプレート支持部材を取り付けた場合における第1実施形態の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図17】本体部の上面を高架道路として使用した場合における第1実施形態の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図18】柱の上端部に積層ゴムを有する免震装置を設置した場合の第2実施形態の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図19】(a)は、柱の上端部に積層ゴムを有する免震装置を設置した場合の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図20】(a)は、柱の上端部にすべり支承を有する免震装置を設置した場合の断面図、(b)は、その斜視図である。
【
図21】柱をなくし浮上ガイド部材だけで本体部を立脚させた場合における第3実施形態の人工地盤浮上構造の斜視図である。
【
図22】柱をなくし浮上ガイド部材だけで本体部を立脚させた場合における第3実施形態の人工地盤浮上構造の正面図である。
【
図23】柱をなくし浮上ガイド部材だけで本体部を立脚させた場合における第3実施形態の人工地盤浮上構造の平面図である。
【
図24】本体部の側面に浮上ガイド用支柱を当接した場合における第4実施形態の人工地盤浮上構造の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態として、人工地盤浮上構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
先ず、本発明を適用した第1実施形態について、
図1〜
図16を参照して説明する。
図1、
図2、
図3に示されるように、本発明に係る人工地盤浮上構造10は、人工地盤20と人工地盤20の周囲に設けられるとともに人工地盤20の浮上を誘導する浮上ガイド部材25と人工地盤20の下端部に取り付けられた免震装置35から構成される。
【0030】
人工地盤20は、本体部11と、本体部11に複数設けられた貫通孔14と、本体部11の下面に複数設けられた柱17と、本体部11の側面に取り付けられた非常階段13と、本体部11の上面の周囲及び非常階段13の上面の両側端部に設けられた防護柵12と、本体部11の内部に設けられた内部倉庫18と、本体部11の上面略中央付近に内部倉庫18に通じるハッチ15とを有する。
【0031】
本体部11は、
図3に示されるとおり、平面視で略正方形である。側面視では、
図2に示されるとおり、横長の略長方形の下辺に接するとともに当該下辺よりも短い上底を有する略逆台形が当該下辺の略中央に設けられた形状をしている。本体部11の材料は、コンクリート製、鋼製又はその複合材料の何れでもよい。
【0032】
本体部11の大きさは、高さ3mで、略正方形の一辺が約30mであり、面積にして約900m
2ある。従って、人が1m
2に1人載ると仮定すると、900人が本体部11の上面に載ることができる。
【0033】
貫通孔14は、
図1〜
図3に示され、その部分の断面図と斜視図は、
図4に示されている。
図4(a)は、その断面図、
図4(b)は、その斜視図を示している。貫通孔14は、平面視で略円形状であるが、これは円形に限らず矩形であってもよい。また、貫通孔14は、下方に進むに従い拡径され、その内側面62は、曲率を帯びている。従って、貫通孔上端部61の直径よりも貫通孔下端部63の直径が大きくなっている。
【0034】
柱17は、
図2及び
図3に示されている場合は、略円柱形状であるが、略円柱形状に限らず略四角柱であってもよく、本体部11を支えることができればいかなる形状であってもよい。柱17の材料は、コンクリート製、鋼製又はその複合材料の何れでもよい。また、柱17は、
図3に示されている場合は、6本であるが、本体部11を立脚可能とすることができれば、6本に限定されることなく、1本であっても、又はそれ以上あってもよい。なお、柱の高さは、2〜3mを想定している。
【0035】
非常階段13は、
図1、
図3に示されるとおり、浮上ガイド部材25を有しない二つの側面にそれぞれ一つずつ設けられている。これは、一般道から人工地盤20の本体部11上に避難するための非常用の階段である。非常階段13の材料は、鋼製を想定しているが本体部11に人々が迅速に避難する際に壊れない素材であればいかなる材料でもよい。
【0036】
防護柵12は、本体部11の上面に人が避難した時に人が落ちないようにするためや非常階段13を人が駆け上がる際の手すりにもするための1m程度の高さの安全防護柵である。防護柵12の材料は、鋼製を想定しているが本体部11の人々が本体部11より落下防止できればいかなる材料でもよい。
【0037】
内部倉庫18は、
図2にも示されるように本体部11の内部に複数の空間を有している。この空間に空気があることにより、本体部11が水面に着水しても、浮力を発生させ、本体部11を浮遊可能とさせることができる。また、内部倉庫18は、地震や水害等の災害時には、人々が非難するためのシェルターとして機能する。この内部倉庫18は、災害時用の水・食料・毛布・ライフジャケット・簡易トイレ・発電機等の備蓄庫としても使用できる。その他、官公庁等の公的機関のデータバックアップや貴重資料の各種保管庫等としても使用できる。
【0038】
ハッチ15は、例えば略円形状であり、人や物資が一定程度通過できる大きさがあればいかなる形状であってもよい。人が避難したり、物資を搬入出させる等以外は、ハッチ15は、開閉式の蓋によって閉じられている。ハッチ15の材料は、鋼製を想定しているが、蓋を閉じた時に密閉可能であり、水面に着水しても内部倉庫18に水を浸水させなければいかなる材料でもよい。
【0039】
浮上ガイド部材25は、貫通孔14に貫通する浮上ガイド用支柱21と浮上ガイド用支柱21の下端部に取り付けられた低降伏点ダンパー22と低降伏点ダンパー22の下端部に設けられるとともに地面に固定された浮上ガイド用台座23とを有する。
【0040】
浮上ガイド用支柱21は、
図4に示されるとおり略円柱状であるが、略四角柱であってもよく、浮上ガイド用支柱21が貫通している貫通孔14の形状に合わせた形状となる棒体である。浮上ガイド用支柱21の円形断面の直径は、貫通孔14の貫通孔上端部61の直径よりも小さく、貫通孔14を貫通できればいかなる形状であってもよい。浮上ガイド用支柱21は、一般には、高さが15m程度で地上から高さは18m程度を想定しているが、東日本大震災時の津波の高さのようにそれ以上の高さの場合もあるので、この人工地盤浮上構造物を構築する海抜やその地域特性に合わせてそれ以上の高さにしてもよい。
【0041】
低降伏点ダンパー22は、
図1及び
図2にも示されているが、その断面図と斜視図は、
図5に示されている。
図5(a)は、その断面図、
図5(b)は、その斜視図を示している。低降伏点ダンパー22は、上板71と上板71と直交する3枚の中板72と中板と直交する下板73から構成される。上板71と中板72と下板73は、全て矩形の鋼板である。上板71と中板72、中板72と下板73は溶接により固定されている。また、上板71と浮上ガイド用支柱21が、下板73と浮上ガイド用台座23が、ボルト75により固定されている。この場合は、
図5(a)における左右方向の力に対して、中板72が左右に斜めに傾くことにより、浮上ガイド用支柱21も左右に傾くことができる。この低降伏点ダンパー22は、力が作用する方向とその力の大きさだけ傾き、その力の作用がなくなると復元される性質を持つ。また、
図5に示される例は、
図5(a)の左右方向の力による浮上ガイド用支柱の左右方向の傾きだけとなるが、これは、津波や洪水が発生する方向は、海や河川のある方角からその土地ごとの地形において決めることができるため、その方向に向けて、低降伏点ダンパー22の中板の方向を設定すればよい。また、津波や洪水が発生する方向を設定しにくい地形の場合には、低降伏点ダンパー22は、
図5(a)の左右方向だけでなく紙面上垂直方向からの力に対しても対応する2方向対応とすることも設計によっては可能となる。
【0042】
浮上ガイド用台座23は、
図5(b)に示されるのは略円柱状であるが、略四角柱であってもよく、浮上ガイド用支柱21及び低降伏点ダンパー22を支えることができれば、いかなる形状であってもよい。また、浮上ガイド用台座23の高さは、柱17とほぼ同じ高さの2〜3mを想定している。
【0043】
浮上ガイド部材25の他の実施例としては、
図6に示される浮上ガイド用支柱21の下端部に取り付けた高減衰粘性機構24がある。
図6(a)は、その断面図、
図6(b)は、その斜視図である。
【0044】
高減衰粘性機構24は、浮上ガイド用支柱21の下端部にその上半分を差し込む状態で固定された接合キー82と接合キー82の下半分を差し込む状態で固定された高減衰粘性体用台座84と浮上ガイド用支柱21の下方及び高減衰粘性体用台座84を覆う状態で高減衰粘性体用台座84の側面に当接させた高減衰粘性体用保護部材83と浮上ガイド用支柱21と高減衰粘性体用保護部材83の隙間86に充填された高減衰粘性体81から構成される。接合キー82は、略円柱形状であり、コンクリート内部充填鋼管又は内部中実の鋼材である。
【0045】
高減衰粘性体用台座84は、略円柱形状であり、コンクリート内部充填鋼管又は内部中実の鋼材である。
【0046】
高減衰粘性体用保護部材83は、略円柱形状で内部は空間になっており、その断面直径は、浮上ガイド用支柱21の断面直径よりも大きくなっている。このため、高減衰粘性体用保護部材83の内部に浮上ガイド用支柱21の下方を差し込んだ時に隙間86ができる。
【0047】
高減衰粘性体81は、シリコン系の粘性体を想定しているが、震動を吸収し減衰できる粘性体であればいかなる素材であってもよい。
【0048】
免震装置35は、柱17の下端部に取り付けられるとともに地面に固定されている。 免震装置35は、
図7に示されている場合は、積層ゴムを使用した例である。
図7(a)は、その断面図であり、
図7(b)は、その斜視図である。免震装置35は、積層ゴム31と積層ゴム31の上端部に取り付けられた積層ゴム上方プレート33と積層ゴム31の下端部に取り付けられた積層ゴム下方プレート32と積層ゴム下方プレート32の下端部に設けられた積層ゴム用台座34から構成されている。
【0049】
積層ゴム31は、略円柱形状であるが、略円柱形状に限らず略四角柱であってもよく、柱17を支えることができればいかなる形状であってもよい。一般的な積層ゴムの素材は、天然ゴム板と鋼板を数十枚重ね合わせて製作されているが、ゴムの質を硬くして、ダンパー性能を持たせた「高減衰積層ゴム」であってもよく、いかなる素材であってもよい。
【0050】
積層ゴム上方プレート33は、鋼製の略円柱形状を想定しているが、略円柱形状に限らず略四角柱であってもよく、柱17と積層ゴム31を固定させることができれば、形状や素材はいかなるものであってもよい
【0051】
同様に積層ゴム下方プレート32も、鋼製の略円柱形状を想定しているが、積層ゴム31と積層ゴム用台座34を固定させることができれば、形状や素材はいかなるものであってもよい。
【0052】
同様に積層ゴム用台座34は、鋼製の略円柱形状を想定しているが、積層ゴム31を支えることができれば、形状や素材はいかなるものであってもよい。
【0053】
この免震装置35は、後述するとおり、人工地盤20を上方へ浮上させるために、本実施形態の場合は、本体部11と柱17が固定されていることより、柱17と免震装置35の全部又は一部が分離可能となる必要がある。
図7に示される場合は、柱17と積層ゴム上方プレート33が固定され、積層ゴム上方プレートと積層ゴム31が固定され、積層ゴム31と積層ゴム下方プレート32が分離されている。しかし、これに限定されることなく、人工地盤20を浮上させることができれば、積層ゴム上方プレート33と積層ゴム31が分離され、積層ゴム31と積層ゴム下方プレート32が固定されていてもよい。
【0054】
また、免震装置35は、
図7の積層ゴムの場合に限定されるものではない。
図8に示される免震装置35の例では、すべり支承となっている。
図8(a)は、その断面図であり、
図8(b)は、その斜視図である。この免震装置35は、すべり支承41とすべり支承41に取り付けられたすべり支承下方プレート42とすべり支承下方プレート42に取り付けられたすべり支承用台座43から構成される。すべり支承41は、略半球状であり、それに対応する形で、柱17の柱下端部46は、凹曲面となっている。この柱下端部46の凹曲面とすべり支承41の略半球面は、分離されかつ当接しているため、地震動に対して自在な方向の揺れに対応できる。従って、人工地盤20が上方へ浮上する場合は、柱下端部46とすべり支承41は、分離される。すべり支承下方プレート42及びすべり支承用台座43は、鋼製の略円柱形状を想定しているが、すべり支承41を支えることができるものであれば、いかなる形状、いかなる素材であってもよい。
【0055】
図9に示される免震装置35の例では、すべり支承と高減衰粘性体の組み合わせた機構となっている。
図9(a)は、その断面図であり、
図9(b)は、その斜視図である。この免震装置35は、すべり支承51とすべり支承51の下端部に取り付けられたすべり支承下方プレート52とすべり支承下方プレート52の下端部がその内部の底面に取り付けられた柱保護部材55と柱保護部材55の上面を開放した状態で柱保護部材55の内部に空間を有する柱保護内部空間54と柱17の柱下端部56を柱保護内部空間54の内部に差し込む状態で柱17の下方及びすべり支承51を覆うように柱保護内部空間54の下方に充填させた高減衰粘性体53から構成される。
【0056】
すべり支承51は、
図5と同様に、略半球状であり、それに対応する形で、柱17の柱下端部56は、凹曲面となっている。この柱下端部56の凹曲面とすべり支承51の略半球面は、分離されかつ当接しているため、地震動の自在な方向の揺れに対応できる。従って、人工地盤20が上方へ浮上する場合は、柱下端部56とすべり支承51は分離される。すべり支承51は、鋼製を想定しているが、柱下端部56とすべり支承51のすべりが可能であれば、いかなる素材であってもよい。
【0057】
すべり支承下方プレート52は、鋼製の略円柱形状を想定しているが、すべり支承51と柱保護部材55を固定させることができれば、形状や素材はいかなるものであってもよい。
【0058】
また、このとき、柱17は、平面視で略円形断面でかつ下方にいくに従い縮径された形状となっている。それに合わせる形で、柱保護部材55は、外観は略円柱形状であるが、その内側の柱保護内部空間54は、柱17を覆うために、平面視で略円形断面でかつ下方にいくに従い縮径された形状の空間を有している。柱保護部材55の材料は、コンクリート製、鋼製又はその複合材料の何れでもよい。
【0059】
高減衰粘性体53は、柱17の下端部とすべり支承51と覆うように構成されている。この高減衰粘性体53があることで、地震動がより激しい動きであったとしても、その震動をより抑えることができる。この高減衰粘性体53は、シリコン系の粘性体を想定しているが、震動を吸収し減衰できる粘性体であればいかなる素材であってもよい。
【0060】
次に、本発明を適用した人工地盤浮上構造における、人工地盤浮上構造10の地震時の挙動について
図10及び
図11を参照しながら詳細に説明する。
【0061】
地震時の揺れが比較的小さい場合には、
図10(a)に示されるように、人工地盤浮上構造10の挙動は、大きく変化することなく元の静止状態に戻る。しかし、地震時の揺れが比較的大きい場合には、
図10(b)に示されるように、人工地盤浮上構造10の挙動は、大きくなり、積層ゴム31は、正面視で略平行四辺形状に変形し、低降伏点ダンパー22が斜めに傾くことにより浮上ガイド用支柱21も斜めに傾くこととなる。しかし、こうした揺れであっても、一定程度の大きさであれば、積層ゴム31の復元力及び低降伏点ダンパー22の復元力により元の
図10(a)の状態に戻る。ここで、積層ゴム31の挙動をさらに具体的に
図11を参照しながら詳細に説明する。静止時の元の積層ゴム31の位置は、
図11(a)に示されている。右方向への揺れが比較的小さい場合には、積層ゴム31は、
図11(b)に示されるように正面視で略平行四辺形状に変形して傾いている。さらに右方向への揺れが比較的大きな場合には、積層ゴム31は、
図11(c)に示されるように正面視で略平行四辺形状に変形するとともに積層ゴム用台座34の上を左方向に滑ることとなる。これは、積層ゴム31と積層ゴム下方プレート32が分離されていることにより可能となる。
【0062】
次に、本発明を適用した人工地盤浮上構造における、人工地盤浮上構造10の水害時の挙動について
図12〜
図15を参照しながら詳細に説明する。
【0063】
水害時の水位が本体部11に到達していない場合には、
図12(a)に示されるように、挙動はなく平常時大きな変わりはない。また、この場合は、人々は、本体部11の上面に避難すれば特に問題はない。
【0064】
水害時の水位が本体部11に到達した場合は、
図12(b)及び
図13の積層ゴムの正面図に示されるように、積層ゴム31が積層ゴム下方プレート32から分離される。ここで、
図4に示されるとおり、貫通孔14が下方に拡径されていることにより、本体部11が上方に浮上する過程で、浮上ガイド用支柱21が傾いたとしても、本体部11の浮上を阻害することなく、内側面62をガイド面としながら、本体部11を上方に誘導しやすくなる。そして、水流方向に応じて低降伏点ダンパー22を介して浮上ガイド用支柱21が傾きながら、本体部11には水による浮力が発生し、浮上ガイド用支柱21に誘導されて徐々に上方に浮上していく。この場合は、人々は、ハッチ15から内部倉庫18に避難することもできる。なお、本体部11が上方へ浮上する際には、非常階段13は、浮上時に本体部11と分離させてもよく、また本体部11と一緒に浮上させてもよい。ここでの
図12以降の説明では、非常階段13は一部図からは省略している。
【0065】
また、仮に水害時の水位が本体部11に到達しても、水害時の水位が地上から浮上ガイド用支柱21の上端部までの高さを超えない場合は、
図14(a)に示されるように、積層ゴム31が積層ゴム用台座34から分離され人工地盤20が浮上しても、水位が下がれば、人工地盤20は、浮上ガイド用支柱21に誘導されながら下降できる。そして、
図14(b)に示されるように、積層ゴム31が積層ゴム下方プレート32の元の位置からはずれるものの、積層ゴム用台座34に着地することで元に戻る。
【0066】
水害時の水位が地上から浮上ガイド用支柱21の上端部までの高さを超える場合は、
図12(c)に示されるように、貫通孔14から浮上ガイド用支柱21がはずれて、人工地盤20は、水面上を浮遊していく。この場合は、人々は、内部倉庫18に全員避難して、人工地盤20は、水面に浮遊するシェルターとして機能する。そして、人工地盤20は、
図15(a)に示されるように浮遊して流されたとしても、
図15(b)に示されるように、柱17の高さがあることにより倒れた車等の瓦礫や障害物に衝突して転倒することなく、いかなる場所へでも着地させることができる、これにより、内部倉庫18に避難している人々を守ることができる。
【0067】
また、第1実施形態に関連した他の実施形態としては、
図16に示されるように側方補助プレート91を人工地盤20の側面に取り付けることも考えられる。側方補助プレート91は、矩形の鋼板であり、プレート支持材92とも併せて複数枚組み合わせてトラス構造などに組み上げることにより本体部11の側面を保護している。この側方補助プレート91の役割は、主に三つある。一つは、このプレートが上方に進むに従い拡径となる状態で斜めに設けられていることにより、浮上する際の上方への力を補助する浮力補助としての機能である。二つ目は、津波等が襲来した時に波がいきなり本体部11の上面に到達したならば、その波の高さと勢いによっては、防護柵12があったとしても上面に避難していた人々をさらってしまうおそれがある。そのため、波の勢いを抑える波返しとして波力抑制の機能である。三つ目は、人工地盤20が浮遊して流される時には、瓦礫等の流されている他の漂流物が衝突したとしても人工地盤20そのものの損傷を軽減させ、人工地盤20の沈没を回避させる損傷抑制の機能である。
【0068】
さらに、第1実施形態を応用した実施例としては、
図17に示されるように人工地盤20を高架橋道路としての利用した場合がある。
【0069】
これまでの説明では、人工地盤20は、地震時及び水害時の人々の安全を確保する避難シェルターとしての機能としての実施例であった。しかし、平常時の人工地盤20は、公園、高架橋、高架橋脇の非常駐車帯やパーキングエリア、商業施設の駐車場、ドクターヘリ用のヘリポート等として使用させることもできる。その中でも
図17は、平常時に高架橋道路として利用された場合の正面図を示している。
【0070】
本発明を適用したリング間継手構造の第2実施形態について、
図18〜20を参照しながら詳細に説明する。
【0071】
図18に示されるように、本実施形態における第1実施形態との違いは、免震装置35が柱17の下端部に設置されている形態ではなく、柱17の上端部に設置されている形態となっていることである。この場合の積層ゴム31を使用した実施例は、
図19に示される。
図19(a)は、その断面図、
図19(b)は、その斜視図を示している。このとき、本体部11と積層ゴム上方プレート33が固定され、積層ゴム上方プレート33と積層ゴム31が固定され、積層ゴム31と積層ゴム下方プレート32が分離され、積層ゴム下方プレート32と柱17が固定されている。この積層ゴム31と積層ゴム下方プレート32が分離されていることにより、
図18に示される人工地盤20は、浮上することができる。しかし、これに限定されることなく、人工地盤20を浮上させることができれば、本体部11と積層ゴム上方プレート33が固定され、積層ゴム上方プレート33と積層ゴム31が分離され、積層ゴム31と積層ゴム下方プレート32が固定され、積層ゴム下方プレート32と柱17が固定されていてもよい。
【0072】
同様に、すべり支承を使用した実施例は、
図20に示される。
図20(a)は、その断面図、
図20(b)は、その斜視図を示している。このとき、すべり支承41とすべり支承上方プレート44は当接しているものの分離されており、すべり支承上方プレート44と本体部11は固定されている。また、すべり支承41とすべり支承下方プレート42は固定され、すべり支承下方プレート42と柱17は固定されている。このすべり支承41とすべり支承上方プレート44が分離されていることにより、
図18に示される人工地盤20は、浮上することができる。
【0073】
本発明を適用したリング間継手構造の第3実施形態について、
図21〜
図23を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
本実施形態における第1実施形態との違いは、柱17が一切なく、浮上ガイド部材25が本体部11を立脚可能とする柱の役割も果たしていることである。
図21は、その斜視図、
図22は、その正面図、
図23は、その平面図である。本実施形態における本体部11の免震機能は、低降伏点ダンパー22が果たすことになる。柱17は一切ないものの、浮上ガイド部材25があることにより、人工地盤20は、浮上することができる。
【0075】
本発明を適用したリング間継手構造の第4実施形態について、
図24を参照しながら詳細に説明する。
【0076】
本実施形態における第1実施形態との違いは、本体部11に貫通孔14がなく、本体部11の側面に浮上ガイド用支柱21が当接されていることである。この本体部11の側面に浮上ガイド用支柱21が当接されていること及び第1実施形態と同じく積層ゴムを使用した免震装置35が分離可能となっていることにより、人工地盤20は、浮上することができる。この場合、浮上ガイド用支柱21の下端部にある低降伏点ダンパー22は、力が作用した方向とその力の大きさだけ傾き静止する。つまり、人工地盤20が浮上とともに移動する方向に傾いていく。
図23では、その正面図をしているが、この場合には、本体部11の全側面に、本体部11を支えることが可能となるだけの浮上ガイド用支柱21を含む浮上ガイド部材25を複数本設置することが必要となる。
【0077】
なお、
図6に示される第1実施形態で浮上ガイド部材25として使用された高減衰粘性機構24は、第2〜第4の実施形態に利用することもできる。
図16に示される第1実施形態で使用された側方補助プレート91及びプレート支持材92は、第2〜第4の実施形態に利用することもできる。
図17に示される第1実施形態で平常時に高架橋道路等として利用された人工地盤20は、第2〜第4の実施形態に応用することもできる。
図19に示される第2実施形態で柱17の上端部に設置されている積層ゴムに関する免震装置35は、第4実施形態に利用することもできる。
図20に示される第2実施形態で柱17の上端部に設置されているすべり支承に関する免震装置35は、第4実施形態に利用することもできる。