特許第6000736号(P6000736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000736
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】整髪用化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20160923BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61Q5/06
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-175284(P2012-175284)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-34528(P2014-34528A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108672
【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】久下 宗一
(72)【発明者】
【氏名】赤嶺 有為
(72)【発明者】
【氏名】原田 佳祐
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−213448(JP,A)
【文献】 特開2001−316435(JP,A)
【文献】 特開2011−026304(JP,A)
【文献】 特表2002−515862(JP,A)
【文献】 特開平07−149617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/81
A61Q 5/06
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアクリレート−34を含有することを特徴とする整髪用化粧料
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪力やまとまり感、再整髪力に優れ、毛髪に自然なつや、潤い、良好な指通り、柔らかさ、べたつきやごわつきのなさ、仕上がりの軽さを付与することができ、また、これら効果の持続性にも優れた整髪用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪用化粧料には様々な効果が期待されている。その中で特に高い整髪性と自然な仕上がり感との両立が強く求められている。
ここで、特許第4358028号公報(特許文献1)ではアクリル樹脂アルカノールアミンと、水素添加ロジンを含有する整髪料組成物が提案されている。また、特開2010−53083号公報(特許文献2)では皮膜形成ポリマー、高重合シリコーン、炭化水素油、及び、高級アルコールを含有してなるエアゾールスプレー型整髪剤用組成物が提案されている。
【0003】
しかしながら、これら従来技術に係る頭髪用化粧料では、高い整髪性と自然な仕上がり感との両立が不十分であった。
【0004】
すなわち、特許文献1に係る技術では、水素添加ロジンがアクリル樹脂アルカノールアミンの整髪性を損なうことはないものの、自然な仕上がり、特に頭髪の良好な指通り、べたつきやごわつきのなさが十分でないと云う欠点があった。
【0005】
他方、特許文献2で提案されている技術では、一定の整髪性と仕上がり感を有しながらも、皮膜形成ポリマーと、高重合シリコーン、炭化水素油、及び、高級アルコールが相互にこれらの長所を相殺し合ってしまい、結果として、整髪性及び自然な仕上がり感の両者がともに十分でないと云う欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4358028号公報
【特許文献2】特開2010−53083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、高い整髪性と自然な仕上がり感との両立をさせることができる整髪用化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の整髪用化粧料は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、ポリアクリレート−34を含有することを特徴とする整髪用化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の整髪用化粧料は、高い整髪性と自然な仕上がり感との両立をさせることができる、すなわち、整髪力やまとまり感、再整髪力に優れ、毛髪に自然なつや、潤い、良好な指通り、柔らかさ、べたつきやごわつきのなさ、仕上がりの軽さを付与することができ、また、これら効果の持続性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の頭髪用化粧料は、ポリアクリレート−34を含有する。
【0011】
本発明におけるポリアクリレート−34とは、INCI名「Polyacrylate−34」で示されるアクリル系樹脂であって、互応化学工業社製プラスサイズL−127Lとして入手可能であり、従来の頭髪用化粧料分野に、主として整髪性及び仕上がり感の調整成分として用いられてきたアクリル系樹脂に代替して用いることが可能であるばかりではなく、新規な頭髪用化粧料の開発に当たっても好適に用いることができる。
【0012】
配合量としては従来の頭髪用化粧料分野でのアクリル系樹脂と同等レベルでよく、具体的には頭髪用化粧料中に、固形分として、0.2重量%以上、20重量%以下となることを目安に配合することが好ましい。過少に配合したときには充分な整髪性が得られない場合があり、また、過剰に配合したときには粘着性が増加して整髪が困難になる場合があり、このために配合量は予め検討して決定することが好ましい。
【0013】
本発明の頭髪用化粧料は、エタノール、水、またはその混合物を分散媒として調製される。また、必要に応じて、イソプロパノール等の有機溶媒を人体に接触しても無害な濃度で含有していてもよい。また、本発明の頭髪用化粧料は必ずしも溶液でなくてもよく、必要に応じて添加する成分が懸濁ないし乳化されているものであってもよい。
【0014】
本発明の頭髪用化粧料は上記ポリアクリレート−34、及び上記分散媒を含むが、その他に、それぞれ安全であり、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で、油性成分(例えば、スフィンゴ脂質、セラミド類、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、リン脂質、ラノリン、ラノリン脂肪酸誘導体、パーフルオロポリエーテル等)、植物油(例えば、オリーブ油、シア脂、マカデミアナッツ油等)、ロウ類(例えば、ホホバ種子油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ等)、炭化水素(例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、ワセリン、イソドデカン、イソヘキサデカン等)、高級脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、分岐脂肪酸(C(炭素数)14−28)、ヒドロキシステアリン酸等)、アルコール類(例えば、セタノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、水添ナタネ油アルコール、コレステロール、シトステロール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,2−ヘキサンジオール等)、糖及びその誘導体類(例えば、ブドウ糖、ショ糖、D−ソルビトール、マルトース、トレハロース、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、グリセリルグルコシド等)、エステル類(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセリル、コハク酸ジエトキシエチル、乳酸セチル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル等)、シリコーン類(例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、環状ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチコノール、PCAジメチコン等)、アミノ酸及びその誘導体類(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、セリン、メチオニン、トリメチルグリシン、ポリアスパラギン酸ナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、N−ラウロイル−L−リジン等)、PPT及びタンパク類(例えば、加水分解シルク、加水分解コムギ、加水分解ダイズ、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、シリル化加水分解シルク、シリル化加水分解コムギ、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、ケラチン等)、天然高分子類(例えば、アルギン酸塩、マンナン、アラビアゴム、タマリンドガム、キトサン、カラギーナン、ムチン、セラック、ヒアルロン酸塩、カチオン化ヒアルロン酸、キサンタンガム、デキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース、グァーガム、カチオン化グァーガム、ハチミツ等)、合成高分子(例えば、アニオン性高分子、カチオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル等)、アニオン性界面活性剤(例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルグルタミン酸、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、リン酸ジセチル等)、カチオン性界面活性剤(例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩等)、両性界面活性剤(例えば、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグルコシド、新油型モノステアリン酸グリセリル等)、染料(例えば、タール色素、天然色素等)、植物エキス類(例えば、カミツレエキス、コンフリーエキス、セージエキス、ローズマリーエキス、カキタンニン、チャ乾留液、銅クロロフィリンナトリウム等)、ビタミン類(例えば、L−アスコルビン酸、DL−α−トコフェロール、D−パンテノール、天然ビタミンE等)、紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、フェルラ酸等)、防腐剤(例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラベン、フェノキシエタノール等)、酸化防止剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン等)、金属イオン封鎖剤(例えば、エデト酸塩、ポリリン酸ナトリウム、フィチン酸等)、pH調整成分(例えば、クエン酸、乳酸、リン酸、アルギニン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、その他無機化合物(例えば、酸化チタン、銀、白金、塩化鉄、酸化鉄等)、その他有機化合物(例えば、尿素、ヒドロキシエチル尿素、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グルコン酸銅等)、溶剤(例えば、ベンジルアルコール等)、噴射剤(例えば、LPG(液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)、窒素ガス、炭酸ガス等)、香料等の公知の化粧品各成分を配合することができる。
【0015】
また、本発明の頭髪用化粧料は、通常の方法に従って、液状、ミルク状、クリーム状、泡状(使用時形状)、霧状(使用時形状)等の剤形とすることができ、エアゾール形態とすることもできる。
【0016】
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の頭髪用化粧料は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0017】
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の頭髪用化粧料を適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明の頭髪用化粧料の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
【実施例】
【0018】
以下に本発明の頭髪用化粧料の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0019】
<頭髪用化粧料の調製>
実施例の頭髪用化粧料の形態としてスプレー状、ミスト状、ワックス状、クリーム状、及び、フォーム状のものを調製した。
配合成分とその略号を表1に、配合比(重量%)を表2〜3に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
表2及び表3の頭髪用化粧料のうち、スプレー状の化粧料は、成分A−1、A−2、A−3、C、D、E、H、M、及び、Nのいずれか1つ又は2つ以上を成分Oに常温で順次溶解してエアゾールスプレー用原液とし、その原液をエアゾールスプレー容器に封入後、成分Q、Rのいずれか1つ又は両方を充填して調製した。
【0024】
また、ミスト状の頭髪用化粧料は、成分A−1、A−2、C、及び、Hのいずれか1つ又は2つ以上を成分Oに常温で順次溶解して調製した。ワックス状及びクリーム状の頭髪用化粧料は、成分A−1、B、D、F、G、I、L、及び、Mの2つ以上を80℃〜85℃で分散溶解して油相部とし、成分Pを80℃〜85℃に加温したものに成分K、及び、Nのいずれか1つ又は2つ以上を溶解して水相部とし、これら油相部に水相部を加えて乳化させた後、攪拌しながら35℃となるまで冷却して調製した。さらに、フォーム状の頭髪用化粧料は、成分A−1、B、D、G、及び、Jを80℃〜85℃で溶解して油相部とし、成分Pを80℃〜85℃に加温したものに成分K、及び、Nを溶解して水相部とし、これら油相部に水相部を加えて乳化させた後、攪拌しながら35℃となるまで冷却してエアゾールフォーム用原液とし、その原液をエアゾールフォーム容器に封入後、成分Qを充填して調製した。
【0025】
<頭髪用化粧料の評価>
このようにして得られた上記の各形態の頭髪用化粧料について、次のように評価を行った。すなわち、10名の美容師免許を有する者(評価者)が、男性または女性テスターの頭に生えている毛髪に実際に上記頭髪用化粧料を使用するテストを行った。具体的には、整髪力、まとまり感、再整髪力、自然なつや、潤い、良好な指通り、柔らかさ、べたつきのなさ、ごわつきのなさ、仕上がりの軽さ、及び、上記効果の持続性、の計11項目について評価を行った。
いずれの評価項目に関しても、評価者において「非常に良い」との印象を得たときに「5」、「良い」との印象を得たときに「4」、従来の平均的な頭髪用化粧料と同等との印象を得たときに「普通」として「3」、「悪い」との印象を得たときに「2」、「非常に悪い」との印象を得たときに「1」として評価した。10名の評価者個々の各評価の平均値が4以上を「◎」(充分に良好な状態)、各評価の平均値が3以上4未満の場合を「○」(良好な状態)、各評価の平均値が2以上3未満の場合を「△」(充分でない状態)、さらに、各評価の平均値が2未満の場合を「×」(不充分かつ満足できない状態)とした。「△」及び「×」は不充分とする評価である。
【0026】
これら評価結果を表2及び表3に併せて示す。
これら表に示された結果より、本発明に係る頭髪用化粧料によれば、整髪力、まとまり感、再整髪力、自然なつや、潤い、良好な指通り、柔らかさ、べたつきのなさ、ごわつきのなさ、仕上がりの軽さ、及び、上記効果の持続性について、すべてを満たすことが理解される。