特許第6000900号(P6000900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000900
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/44 20060101AFI20160923BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20160923BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160923BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20160923BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20160923BHJP
   G06F 17/21 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
   B41J5/44
   B41J5/30 Z
   B41J29/38 Z
   H04N1/387
   G06F3/12 312
   G06F3/12 344
   G06F17/21 640
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-115096(P2013-115096)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233861(P2014-233861A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】金沢 景善
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−166974(JP,A)
【文献】 特開2000−272179(JP,A)
【文献】 特開平11−259477(JP,A)
【文献】 特開2005−196397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/44 − 5/51
B41J 5/30
B41J 29/38
B41J 29/00
G03G 21/00
H04N 1/387
G06F 3/12
G06F 17/21 − 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された画像形成装置と操作端末を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
ユーザーが行う操作に対する操作データを入力する処理を行う操作パネル処理部と、
前記操作端末から送信されたプリンタブルデータの、Unicodeとしての文字コードを蓄積する文字コードデータ蓄積手段と、
文字画像を格納するフォントキャッシュ格納手段と、
言語圏情報を登録する言語圏情報登録手段と、
前記フォントキャッシュ格納手段に前記文字画像を格納するか否かを言語圏毎に設定される使用頻度の高い文字コードに前記文字画像の前記文字コードが存在するか否かにもとづいて、前記言語圏情報登録手段により登録された前記言語圏情報の前記言語圏毎に判定するフォントキャッシュ格納可否判定手段と
を備え
前記言語圏情報登録手段は、
1)前記文字コードデータ蓄積手段により蓄積された前記文字コードを文字コード毎にカウントし、印字データまたは画像データの処理が行われていないバックグランドで行われるデータマイニングにより決定された前記言語圏を前記言語圏情報に登録する第1設定と、
2)前記操作パネル処理部から入力された前記言語圏情報を登録する第2設定と、
3)前記操作端末から送信されたプリンタブルデータに設定されたオペレーティングシステム(OS)の仕向地から前記言語圏情報を登録する第3設定と、を備え、
前記第1設定、前記第2設定、及び前記第3設定により、重複して前記言語圏情報の登録が行われる場合には、どの設定を優先とするかを決める優先順位が前記言語圏登録手段に設けられていることを特徴とする画像形成システム
【請求項2】
前記文字コードデータ蓄積手段は、前記画像形成装置に電源が投入されている時間帯であって予め決められた時間帯に、前記文字コードを蓄積することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字フォントのビットマップグラフィクスが格納されるキャッシュメモリー領域(以下、「フォントキャッシュ」という)を備える画像形成装置を有する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、多機能プリンター、多機能周辺装置、又は複合機などのMFP(Multifunction Peripheral)である画像形成装置は、PC(パソコン)から受信した印刷データ、または読み取り機から読み取った原稿の原稿データから生成した印刷データを印刷出力している。画像形成装置は、印刷データの文字フォントをビットマップグラフィクス(ラスター形式のデータ)に変換して画像化(以下、「ラスタライズ」という)を行っている。しかし、文字フォントをビットマップグラフィクスに変換する度にラスタライズを行っていると処理に時間が掛かるため、文字フォントのビットマップグラフィクス(以下、「文字画像」という)をフォントキャッシュに格納している。つまり、印刷データの文字フォントに対応する文字画像がフォントキャッシュに格納されていればフォントキャッシュから文字画像を取り出し、フォントキャッシュに格納されていなときだけ文字フォントのラスタライズを行っている。このようにフォントキャッシュを備える画像形成装置では、フォントキャッシュに使用頻度の高い文字画像を格納することで、文字フォントのラスタライズにおける時間を削減し、高速に印刷出力を行うようにしている。
【0003】
画像形成装置において、フォントキャッシュが普及したことで、高速な印刷が可能となった。例えば、特許文献1では、外部情報処理装置から印刷データを入力すると、印刷データが文字パターン形成範囲内であるかを判断し、文字パターン形成範囲内でありかつ印刷データの文字パターンが形成されていないときに文字パターンを形成して記憶しておき、再度同じ文字パターンを形成しないようにすることで印字速度を向上させる印刷装置の技術が開示されている。特許文献2では、ある単位(例えば、1ページ)のデータを受信してから、フォントデータ毎にページ中で何回使用されるかを調べ、この使用頻度によりキャッシュ・フォントを作成するか否かを判断することによって、キャッシュ・フォントを効果的に作成できる印刷装置の技術が開示されている。また、特許文献3では、LRU(Least Recently Used)遅延処理用のバッファを設けることで、フォントキャッシュの更新を遅延させ、近い将来において再使用される可能性のある文字パターンの消去を防止して印字性能を向上させるフォントキャッシュ制御装置およびその適用方法の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−47078号公報
【特許文献2】特開平2−202463号公報
【特許文献3】特開平6−289838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、印刷データに対応した文字パターンをフォントキャッシュに格納するためには、文字パターン形成範囲を適宜再設定しなければならないので、フォントキャッシュにおける文字パターンの使用効率を容易に上げることができない。特許文献2では、フォントデータ毎のある単位(例えば、1ページ)における使用頻度によりキャッシュ・フォントを作成するか否かを判断するため、フォントデータ毎の使用頻度を毎回算出しなければならないので、文字数が増加すると使用頻度を算出する処理の負荷が高くなり印刷出力に時間がかかる。また、特許文献3では、近い将来に再使用される可能性のある文字パターンの消去を防止することができるが、LRU遅延処理用のバッファを設け、フォントキャッシュの更新を遅延させる処理が必要となるので印刷出力に時間がかかる。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成システムは、ネットワークに接続された画像形成装置と操作端末を有する画像形成システムであって、前記画像形成装置は、ユーザーが行う操作に対する操作データを入力する処理を行う操作パネル処理部と、前記操作端末から送信されたプリンタブルデータの、Unicodeとしての文字コードを蓄積する文字コードデータ蓄積手段と、文字画像を格納するフォントキャッシュ格納手段と、言語圏情報を登録する言語圏情報登録手段と、前記フォントキャッシュ格納手段に前記文字画像を格納するか否かを言語圏毎に設定される使用頻度の高い文字コードに前記文字画像の前記文字コードが存在するか否かにもとづいて、前記言語圏情報登録手段により登録された前記言語圏情報の前記言語圏毎に判定するフォントキャッシュ格納可否判定手段とを備え、前記言語圏情報登録手段は、1)前記文字コードデータ蓄積手段により蓄積された前記文字コードを文字コード毎にカウントし、印字データまたは画像データの処理が行われていないバックグランドで行われるデータマイニングにより決定された前記言語圏を前記言語圏情報に登録する第1設定と、2)前記操作パネル処理部から入力された前記言語圏情報を登録する第2設定と、3)前記操作端末から送信されたプリンタブルデータに設定されたオペレーティングシステム(OS)の仕向地から前記言語圏情報を登録する第3設定と、を備え、前記第1設定、前記第2設定、及び前記第3設定により、重複して前記言語圏情報の登録が行われる場合には、どの設定を優先とするかを決める優先順位が前記言語圏登録手段に設けられている。
また、本発明の画像形成システムは、前記文字コードデータ蓄積手段は、前記画像形成装置に電源が投入されている時間帯であって予め決められた時間帯に、前記文字コードを蓄積する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成システムは、フォントキャッシュにおける文字画像の使用効率を向上させることで印刷出力を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの機能構成を示す図である。
図2図1に示すフォントキャッシュ格納可否判定テーブルの構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る文字画像出力処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。実施形態の画像形成装置は、言語圏における使用頻度の高い文字コードの文字画像のみをフォントキャッシュに格納するものであり、これによりフォントキャッシュにおける文字画像の使用効率を向上させることができる。なお、文字コードは、世界共通の文字集合であるUnicodeである。
【0011】
実施形態における画像形成システム10の機能構成について、図1を用いて説明する。図1に示す画像形成システム10は、PC100と画像形成装置200で構成され、PC100と画像形成装置200は、ネットワーク300で接続されている。PC100は、画像形成装置200に対して印刷データ(以下、「プリンタブルデータ」という)の印刷要求を行うことができる操作端末である。画像形成装置200は、プリンター、MFP、複合機等であり、フォントキャッシュを備えている。
【0012】
まず、PC100の機能構成について図1を用いて説明する。図1に示すようにPC100は、制御部101、補助記憶部102、及びネットワーク通信部103を備え、これら各部はバスなどにより接続される構成となっている。
【0013】
制御部101は、RAMやROM等の主記憶手段、及びCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部101は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェース、バスコントローラー等を含む総合的なPC100のコントロールを行う。制御部101には、画像形成装置200に対してプリンタブルデータの印刷要求を行うプリンタードライバー処理部101aが設けられている。
【0014】
補助記憶部102は、フラッシュメモリー等からなる補助記憶装置で、制御部101が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。補助記憶部102には、PC100から画像形成装置200に送信するプリンタブルデータを一時的に保存するプリンタブルデータ保存エリア102aが設けられている。
【0015】
ネットワーク通信部103は、ネットワーク300に接続するための着脱可能なLANインターフェースを備えている。LANインターフェースには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0016】
次に、画像形成装置200の機能構成について説明する。図1に示すように画像形成装置200は、制御部201、キャッシュメモリー部202、補助記憶部203、データ保存部204、ネットワーク通信部205、操作パネル206、操作パネル処理部207、原稿読取部208、画像形成部209、及び印刷部210を備えている。制御部201、キャッシュメモリー部202、補助記憶部203、データ保存部204、ネットワーク通信部205、操作パネル処理部207、画像形成部209、及び印刷部210は、これら各部を接続するバスなどにより接続される構成となっている。
【0017】
制御部201は、MPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等による制御手段を備え、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェース、バスコントローラー等を含む総合的な画像形成装置200のコントロールを行う。制御部201には、フォント制御部201a、フォントキャッシュ制御部201b、フォントラスタライザ部201c、及び描画部201dの機能が設けられている。これらの機能による文字画像出力の詳細な手順については、後述する。
【0018】
キャッシュメモリー部202は、RAM等の高速な主記憶装置で、高速処理が要求されるデータが記憶される。キャッシュメモリー部202には、フォントキャッシュ格納エリア202aが設けられている。フォントキャッシュ格納エリア202aには、使用頻度の高い文字画像が保存されている。
【0019】
補助記憶部203は、フラッシュメモリー等からなる補助記憶装置で、制御部201が実行する処理のプログラムやデータが記憶される。補助記憶部203には、画像形成装置200に設定される言語圏情報を登録する言語圏情報登録テーブル203aが設けられている。言語圏情報登録テーブル203aには、「英語圏」、「中国語圏」、「日本語圏」、「フランス語圏」、「ドイツ語圏」などのいずれかの言語圏情報がフォントキャッシュ制御部201bにより設定される。この言語圏情報は、文字コードデータ蓄積エリア204aに保存された文字コードを文字コード毎にカウントした結果によって、またはデータマイニングなどのデータ解析技法を用いることによって決定される。データマイニングなどのデータ解析技法を実行するときには、印字データや画像データの処理が行われていないバックグランドで行う。また、補助記憶部203には、文字画像をフォントキャッシュ格納エリア202aに格納するか否かを判定するためのフォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bが設けられている。フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bの詳細については、後述する。
【0020】
データ保存部204は、データやプログラムを保存するハードディスクドライブである。データ保存部204には、印刷要求されたプリンタブルデータの文字コードをフォントキャッシュ制御部201bが蓄積して保存する文字コードデータ蓄積エリア204aが設けられている。文字コードデータ蓄積エリア204aに蓄積された文字コードデータに基づいて言語圏情報登録テーブル203aに言語圏情報が設定される。また、文字コードデータ蓄積エリア204aに蓄積された文字コードデータに基づいて、フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bに文字画像に変換して格納すべき使用頻度の高い文字フォントの文字コードが設定される。
【0021】
ネットワーク通信部205は、ネットワーク300に接続するための着脱可能なLANインターフェースを備えている。LANインターフェースには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0022】
操作パネル206は、操作メニューの表示、ユーザーの指による操作を受け付ける。また、ユーザーは操作パネル206から画像形成装置200に設定する各種情報を入力することができる。
【0023】
操作パネル処理部207は、画像形成装置200が備えている機能の操作項目を操作パネル206に表示する処理、及び操作パネル206からユーザーが行う操作に対する操作データを入力する処理を行う。また、操作パネル処理部207は、操作パネル206から入力される画像形成装置200に設定する各種情報の処理を行う。
【0024】
原稿読取部208は、画像形成装置200の原稿台にセットされた原稿の読み取りを行うもので、ユーザーが操作パネル206から読み取り要求を行うことにより、原稿台にセットされた原稿の読み取りを行うことができる。
【0025】
画像形成部209は、ユーザーからの読み取り要求により原稿読取部208で読み取った原稿を、プリンタブルデータやFAXやメールで送信可能なイメージの画像データに変換する。
【0026】
印刷部210は、ユーザーから印刷要求のあったプリンタブルデータをコピー用紙などに印刷する。
【0027】
次に、フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bの構成について、図2を用いて説明する。フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bは、フォントキャッシュ格納エリア202aに格納される文字画像が言語圏毎に設定されているテーブルである。フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bは、図2に示すように複数の言語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−tから構成されている。また、各々の言語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−tには、各言語圏において使用頻度の高い文字コード、つまり各言語圏においてフォントキャッシュ格納エリア202aに登録する文字画像の文字コードが設定されている。例えば、英語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−teには、「英語圏」における使用頻度の高い文字コード、つまり「英語圏」においてフォントキャッシュ格納エリア202aに登録する文字画像の文字コードが設定されている。同様に、ドイツ語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−tgには、「ドイツ語圏」における使用頻度の高い文字コード、つまり「ドイツ圏」においてフォントキャッシュ格納エリア202aに登録する文字画像の文字コードが設定されている。フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bの言語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−tには、文字コードデータ蓄積エリア204aに保存された文字コードから使用頻度の高い順に予め決められた数の文字コードが取り出され設定される。図2に示すように、文字コード「0x00C4」は「ドイツ語圏」においては使用頻度の高い文字コードであるが「英語圏」においては使用頻度が低い文字コードである。従って、ドイツ語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−tgには、文字コード「0x00C4」が設定されるが、英語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−teには文字コード「0x00C4」は設定されない。
【0028】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置200の制御部201に設けられているフォント制御部201a、フォントキャッシュ制御部201b、フォントラスタライザ部201c、及び描画部201dの機能により実行される文字画像出力処理について、図3を用いて説明する。
【0029】
PC100がネットワーク通信部103により、ネットワーク300を経由して画像形成装置200にプリンタブルデータを送信すると、画像形成装置200のネットワーク通信部205がプリンタブルデータを受信する。ネットワーク通信部205が受信したプリンタブルデータを制御部201に出力すると、制御部201がプリンタブルデータを入力し、フォント制御部201aを起動することで、文字画像出力処理が開始される。
【0030】
(ステップS101)
まず、フォント制御部201aは、プリンタブルデータを入力する。
【0031】
(ステップS102)
次いで、フォント制御部201aは、プリンタブルデータにおける文字コードの文字フォントを描画するための情報(以下、「文字フォント描画データ」という)が存在するかを判定する。文字フォント描画データが存在するとき(ステップS102のYes)は、ステップS103に進む。文字フォント描画データが存在しないとき(ステップS102のNo)は、文字画像出力処理を終了する。
【0032】
(ステップS103)
ステップS102のYesにおいて、フォント制御部201aは、言語圏情報登録テーブル203aから言語圏情報を取り出す。
【0033】
(ステップS104)
次いで、フォント制御部201aは、フォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bからステップS103で取り出した言語圏情報に対応する言語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−tの文字コードデータを取り出す。例えば、言語圏情報が「英語圏」であれば、英語圏フォントキャッシュ格納可否文字コードエリア203b−teの文字コードデータが取り出される。
【0034】
(ステップS105)
次いで、フォント制御部201aは、文字フォント描画データから文字コードを取り出し、フォントキャッシュ制御部201bに出力する。
【0035】
(ステップS106)
次いで、フォントキャッシュ制御部201bは、フォント制御部201aから文字コードを入力すると、文字コードがフォントキャッシュ格納エリア202aに格納されているかを判定する。文字コードがフォントキャッシュ格納エリア202aに格納されているとき(ステップS106のYes)は、ステップS107に進む。文字コードがフォントキャッシュ格納エリア202aに格納されていないとき(ステップS106のNo)は、ステップS108に進む。
【0036】
(ステップS107)
ステップS106のYesにおいて、フォントキャッシュ制御部201bは、フォントキャッシュ格納エリア202aから文字コードに対応した文字画像を取り出し、ステップS111に進む。
【0037】
(ステップS108)
ステップS106のNoにおいて、フォントキャッシュ制御部201bは、フォントラスタライザ部201cにより文字コードを文字画像に変換する。
【0038】
(ステップS109)
次いで、フォントキャッシュ制御部201bは、ステップS104で取り出した文字コードデータにステップS108で変換した文字画像の文字コードが存在するかを判定する。文字コードデータに文字画像の文字コードが存在するとき(ステップS109のYes)は、ステップS110に進む。文字コードデータに文字画像の文字コードが存在しないとき(ステップS109のNo)は、ステップS111に進む。
【0039】
(ステップS110)
ステップS109のYesにおいて、フォントキャッシュ制御部201bは、フォントキャッシュ格納エリア202aにステップS108で変換した文字画像を格納する。
【0040】
(ステップS111)
次いで、フォントキャッシュ制御部201bは、ステップS107にてフォントキャッシュ格納エリア202aから取り出した文字画像、またはステップS108にて変換された文字画像を入力すると、描画部201dに出力し、ステップS112に進む。
【0041】
(ステップS112)
次いで、フォントキャッシュ制御部201bは、プリンタブルデータの文字フォント描画データの文字コードを全て取り出したかを判定する。文字フォント描画データの文字コードを全て取り出したとき(ステップS112のYes)は、文字画像出力処理を終了する。文字フォント描画データの文字コードを全て取り出していないとき(ステップS112のNo)は、ステップS105に戻る。
【0042】
以上のように、画像形成装置200は、文字コードデータ蓄積エリア204aに蓄積された文字コードデータに基づいて、言語圏情報登録テーブル203aに言語圏情報が設定され、またフォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bに使用頻度の高い文字フォントの文字コードデータを設定することができる。この言語圏情報に基づいてフォントキャッシュ格納可否判定テーブル203bから言語圏フォント格納可否文字コードエリア203b-tの文字コードデータを取り出し、文字コードデータに文字画像に変換した文字コードが存在するときに、変換した文字画像をフォントキャッシュ格納エリア202aに格納するので、フォントキャッシュ格納エリア202aにおける文字画像の使用効率が向上し、またメモリーの使用効率も向上する。
【0043】
なお、実施形態においては、文字コードデータ蓄積エリア204aに保存された文字コードを文字コード毎にカウントした結果、または文字コードデータ蓄積エリア204aに蓄積された文字コードデータを解析することで、言語圏情報登録テーブル203aに言語圏情報を設定するようにしたが、ユーザーが操作パネル206から言語圏情報を直接入力することも可能である。また、PC100が画像形成装置200にプリンタブルデータを送信するときに、プリンタブルデータにOS(オペレーティングシステム)の仕向地を設定し、画像形成装置200がプリンタブルデータに設定された仕向地により、言語圏情報を設定することも可能である。また、文字コードデータ蓄積エリア204aに保存された文字コードによる言語圏情報の設定、ユーザーによる直接入力による言語圏情報の設定、及びプリンタブルデータに設定された仕向地による言語圏情報の設定が重複して行われる場合には、どの設定を優先とするかを決める優先順位を設けておくことも可能である。
また、印刷要求されたプリンタブルデータの文字コードを蓄積して保存する文字コードデータ蓄積エリア204aについては、画像形成装置200に電源が投入されている時間帯に文字コードが蓄積される、または予め決められた時間帯のみ文字コードが蓄積されるなどの設定が可能である。
【0044】
このような本発明の画像形成装置は、フォントキャッシュにおける文字画像の使用効率を向上させることで印刷出力を高速に行うことができる。
【0045】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、画像形成装置に好適であるが、画像形成装置に限られるものではなく、フォントキャッシュを有する装置一般に適用できる。
【符号の説明】
【0047】
10・・・・・画像形成システム
100・・・・・PC
101・・・・・制御部
101a・・・・プリンタードライバー処理部
102・・・・・補助記憶部
102a・・・・プリンタブルデータ保存エリア
103・・・・・ネットワーク通信部
200・・・・・画像形成装置
201・・・・・制御部
201a・・・・フォント制御部
201b・・・・フォントキャッシュ制御部
201c・・・・フォントラスタライザ部
201d・・・・描画部
202・・・・・キャッシュメモリー部
202a・・・・フォントキャッシュ格納エリア
203・・・・・補助記憶部
203a・・・・言語圏情報登録テーブル
203b・・・・フォントキャッシュ格納可否判定テーブル
204・・・・・データ保存部
204a・・・・文字コードデータ蓄積エリア
205・・・・・ネットワーク通信部
206・・・・・操作パネル
207・・・・・操作パネル処理部
208・・・・・原稿読取部
209・・・・・画像形成部
210・・・・・印刷部
300・・・・・ネットワーク
図1
図2
図3