特許第6000908号(P6000908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6000908スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)のソースローディング効果の低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000908
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)のソースローディング効果の低減
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8246 20060101AFI20160923BHJP
   H01L 27/105 20060101ALI20160923BHJP
   H01L 29/82 20060101ALI20160923BHJP
   H01L 43/08 20060101ALI20160923BHJP
   G11C 11/15 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
   H01L27/10 447
   H01L29/82 Z
   H01L43/08 Z
   G11C11/15 110
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-140491(P2013-140491)
(22)【出願日】2013年7月4日
(62)【分割の表示】特願2011-553016(P2011-553016)の分割
【原出願日】2010年3月2日
(65)【公開番号】特開2013-214767(P2013-214767A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2013年7月8日
(31)【優先権主張番号】12/396,295
(32)【優先日】2009年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】カンホ・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン・エイチ・カン
(72)【発明者】
【氏名】シャオチュン・ジュウ
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−212661(JP,A)
【文献】 特開2009−081315(JP,A)
【文献】 特開2008−243992(JP,A)
【文献】 特開2007−294010(JP,A)
【文献】 特開2006−190838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8246
G11C 11/15
H01L 27/105
H01L 29/82
H01L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルを備えたメモリデバイスを備えた装置を製造する方法であって、
前記複数のメモリセルのうち少なくとも一つのメモリセルが、磁気トンネル接合(MTJ)構造、及び前記MTJ構造に結合されたアクセストランジスタを備え、
前記MTJ構造の自由層の磁気モーメントが、第一の状態では前記MTJ構造のピンド層の磁気モーメントに対して実質的に平行であり、第二の状態では前記ピンド層の磁気モーメントに対して実質的に反平行であり、
1.1 < |JC(P→AP)|/JC(AP→P) < 2.0
との関係を満たし、
C(P→AP)が、前記MTJ構造を前記第一の状態から前記第二の状態にスイッチさせる第一のスイッチング電流の大きさであり、
C(AP→P)が、前記MTJ構造を前記第二の状態から前記第一の状態にスイッチさせる第二のスイッチング電流の大きさである、装置を、
前記ピンド層から前記自由層へ入射するオフセット磁場を変更することで、|JC(P→AP)|/JC(AP→P)を減少又は増大させることによって製造する方法
【請求項2】
前記装置が少なくとも一つの半導体ダイに集積される、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記装置が、前記メモリデバイスが集積されるセットトップボックス、ミュージックプレイヤ、ビデオプレイヤ、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、PDA、固定データユニット、及びコンピュータから成る群から選択されたデバイスを更に備える、請求項1に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM,spin torque transfer magnetoresistive random access memory)に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ技術の進展として、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)等の抵抗ベースメモリ技術が挙げられる。MRAM技術は、基本的なメモリ素子として強磁性ベース磁気トンネル接合(MTJ,magnetic tunnel junction)を採用した新たな不揮発性メモリ技術である。MRAM用に通常用いられるアレイのアーキテクチャは、1トランジスタ1MTJ(1T1MTJ)アーキテクチャである。その名の通り、このアーキテクチャの各ビットセルは、nチャネル金属酸化物半導体(NMOS,n−channel metal−oxide−semiconductor)に直列に接続されたMTJで構成される。NMOS技術をスケールダウンさせることに伴う密度の増大及び面積の減少を活かすために、MRAMビットセル用により小さなトランジスタ及びより低い動作電圧を用いることが望まれる。しかしながら、NMOS技術をディープサブミクロン方式にスケールダウンさせることは、面積及び密度の利点をもたらすが、特にソースローディング効果に対して安定動作を有するように1T1MTJアーキテクチャを設計することは困難になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/273375号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/145943号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/152179号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1359590号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/247222号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/067116号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/163072号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/053396号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定の実施形態では、メモリセルの安定動作を可能にする磁気トンネル接合(MTJ)構造のスイッチング電流比を決定することを含む方法が開示される。メモリセルは、アクセストランジスタに結合されたMTJ構造を含む。また、本方法は、MTJ構造の自由層に入射するオフセット磁場を変更することも含む。変更されたオフセット磁場によって、MTJ構造がそのスイッチング電流比を示すようにする。オフセット磁場は、自由層とMTJ構造の隣接する層との間の静磁気結合に起因するものであり得る。
【0005】
オフセット磁場の極性は、接続タイプに依存し得る。特定の実施形態では、メモリセルにおけるソースローディング効果を低減するために、メモリセルは、MTJ構造のピンド層に電気的に結合されたアクセストランジスタを有する第一の構成から、MTJ構造の自由層に電気的に結合されたアクセストランジスタを有する第二の構成へと調節され得る。一実施形態では、MTJ構造のピンド層の調節された厚さを有するメモリセルが開示される。他の実施形態では、本開示の方法に従って設計されたメモリセルを含むスピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)を含む装置が開示される。
【0006】
他の実施形態では、磁気トンネル接合(MTJ)構造を含むメモリセルを含む装置が開示される。MTJ構造は、ビットラインに結合された自由層と、ピンド層とを含む。自由層の磁気モーメントは、第一の状態ではピンド層の磁気モーメントに対して実質的に平行であり、第二の状態ではピンド層の磁気モーメントに対して実質的に反平行である。ピンド層は、第一の電圧がビットラインからアクセストランジスタに結合されたソースラインに印加された際に第一の状態と第二の状態との間のスイッチングを可能にするMTJ構造の第一のスイッチング電流、及び第一の電圧がソースラインからビットラインに印加された際に第二の状態と第一の状態の間のスイッチングを可能にする第二のスイッチング電流に対応するオフセット磁場を生成する物理的寸法を有する。
【0007】
他の実施形態では、磁気トンネル接合(MTJ)構造を含むメモリセルが開示される。MTJ構造は、自由層と、ビットラインに結合されたピンド層とを含む。自由層の磁気モーメントは、第一の状態ではピンド層の磁気モーメントに対して実質的に平行であり、第二の状態ではピンド層の磁気モーメントに対して実質的に反平行である。また、メモリセルは、ソースラインに結合されたソース端子と、導電経路を介してMTJ構造の自由層に結合されたドレイン端子とを有するアクセストランジスタも含む。自由層とアクセストランジスタのドレイン端子との間の第一の距離は、ピンド層とドレイン端子との間の第二の距離よりも大きい。
【0008】
他の実施形態では、複数のメモリセルを含むメモリデバイスを含む装置が開示される。その複数のメモリセルのうち少なくとも一つのメモリセルは、磁気トンネル接合(MTJ)構造を含む。MTJ構造の自由層の磁気モーメントは、第一の状態ではMTJ構造のピンド層の磁気モーメントに対して実質的に平行であり、第二の状態ではピンド層の磁気モーメントに対して実質的に反平行である。また、メモリセルは、MTJ構造に結合されたアクセストランジスタも含む。MTJ構造を第一の状態から第二の状態にスイッチさせる第一のスイッチング電流の大きさの比は、MTJ構造を第二の状態から第一の状態にスイッチさせる第二のスイッチング電流の半分未満である。
【0009】
開示される実施形態によって提供される特定の利点の一つは、特定のトランジスタの電流‐電圧特性内で動作するようにデバイスパラメータを調節することによってSTT‐MRAMスイッチングを達成する異なるビットセルタイプに対する設計方法論である。
【0010】
本開示の他の側面、利点及び特徴は、以下の図面の簡単な説明、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲を含む本願全体を参照することによって明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセルを含むメモリデバイスの特定の例示的な実施形態のブロック図である。
図2】プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセルの特定の例示的な実施形態の図である。
図3】プログラムされたオフセット磁場を有する磁気トンネル接合(MTJ)構造の第一の例示的な実施形態の図である。
図4】プログラムされたオフセット磁場を有する磁気トンネル接合(MTJ)構造の第二の例示的な実施形態の図である。
図5】メモリセルの動作特性の第一の実施形態の図である。
図6】メモリセルの動作特性の第二の実施形態の図である。
図7】プログラムされたオフセット磁場を決定するのに用いることができるスイッチング電流比と磁場比との間の関係のモデルを示す図である。
図8】スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)のソースローディング効果を低減させる方法のフロー図である。
図9】プログラムされたオフセット磁場を備えたメモリセルを有する抵抗ベースのメモリを含むワイヤレス通信デバイスの特定の例示的な実施形態のブロック図である。
図10】プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセルを含む電子デバイスを製造するための製造プロセスの特定の例示的な実施形態のデータフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセルを含むメモリデバイスの特定の例示的な実施形態の図が示されていて、概して参照符号100が付されている。メモリデバイス100は、メモリアレイ102(スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)メモリアレイ等)を含み得る。メモリアレイ102は、プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセル116を含む。メモリアレイ102は、ビットライン104によってビットライン論理回路106に結合され得る。メモリアレイ102は、ワードライン108によってワードライン論理回路110に結合され得る。メモリアレイ102はアンプ112にも結合され得る。
【0013】
特定の実施形態では、プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセル116は、1T1MTJ構成でアクセストランジスタに結合された磁気トンネル接合(MTJ)構造を含む。図2図8を参照して説明されるように、メモリセル116は、MTJ構造のオフセット磁場をプログラムするように選択された一以上の物理的寸法を有し得る。オフセット磁場は、MTJの臨界的なスイッチング点をシフトさせて、アクセストランジスタがソースローディング動作状態にある際にメモリセル116にデータ値を書き込むことができるようにプログラムされる。
【0014】
図2は、プログラムされたオフセット磁場を有するメモリセルの特定の例示的な実施形態の図である。メモリセル200は、導電経路208(一つ以上の金属又はポリシリコンワイヤ、コンタクト、ビア等)を介してMTJ構造206に結合されたアクセストランジスタ204を有する基板202を含む。特定の実施形態では、メモリセル200は図1のメモリセル116である。
【0015】
アクセストランジスタ204は、ソースラインに結合されているソースコンタクト212に結合されたソース210と、導電経路208を介してMTJ構造206に結合されたドレイン216とを有する。ワードライン214に印加される電圧は、ソース210とドレイン216との間のチャネルを変調する。
【0016】
MTJ構造206は、導電経路208に接続されたアクセストランジスタ電極218を含む。MTJ構造206は、アクセストランジスタ電極218上の反強磁性(AF,antiferromagnetic)層220と、ピンド(pinned)層222と、トンネル障壁224と、自由層226とを含む。ビットラインアクセス電極228は、ビットライン(BL)230に結合される。自由層226は、ドレイン216から第一の距離292にあり、ピンド層222は、ドレイン216から第二の距離294にある。第二の距離294は第一の距離292未満である。
【0017】
ピンド層222は、AF層220によって固定された方向を有するピンド磁気モーメント(234)を含む。自由層226は、ピンド磁気モーメント234に対して平行又は反平行となることができる磁気モーメント236を含む。第一の状態では、自由層226の磁気モーメント236は、ピンド層222のピンド磁気モーメント234に対して実質的に平行である(“P”状態)。第二の状態では、自由層226の磁気モーメント236は、ピンド層222のピンド磁気モーメント234に対して実質的に反平行である(“AP”状態)。第一の電流密度(“臨界”電流密度JC(P→AP)と指称される)は、MTJ構造206を第一の状態から第二の状態へとスイッチさせる最低の電流密度を表す(“P→AP”)。第二の“臨界”電流密度JC(AP→P)は、MTJ構造206を第二の状態から第一の状態へとスイッチさせる最低の電流密度を表す(“AP→P”)。一般的に、P→APのスイッチングは、AP→Pのスイッチングよりも大きな電流を必要とし、つまり、JC(AP→P)<JC(P→AP)である。更に、トンネリング磁気抵抗(TMR,tunneling magnetoresistance)が増大すると、臨界電流密度の非対称性が増大する傾向にある。
【0018】
特定の実施形態では、図3図8に関して説明されるように、ピンド層222は、自由層226のオフセット磁場をプログラムするように選択された厚さ等の物理的寸法232を有する。オフセット磁場は、二つの状態の間のスイッチング電流がメモリセル200の安定動作を保証するために設定可能となるように、第一及び第二の臨界電流密度に影響を与える。
【0019】
ピンド層222は単一層として図示されているが、ピンド層222は、複数の層を有する合成層を含み得る。また、他の実施形態では、MTJ構造206は、図2に示されていない追加の層を含む。
【0020】
図3は、プログラムされたオフセット磁場を有する磁気トンネル接合(MTJ)構造の第一の例示的な実施形態の図である。MTJ構造300は、障壁層306を介してピンド層304に結合された自由層302を含む。特定の実施形態では、自由層302、障壁層306、ピンド層304は、それぞれ図2の自由層226、トンネル障壁層224、ピンド層222である。
【0021】
自由層302は、ネール結合成分H308及び静磁気成分H310を含むオフセット磁場を介して、ピンド層304に磁気的に結合される。ネール結合成分Hは、界面の粗さに起因するものであり、力線314で示されている。静磁気成分H310は、構造の縁の付近の相殺されていない極性に起因するものであり、力線312で示されている。結果としてのオフセット磁場HOFFは以下のように近似可能である:
【0022】
OFF=H+H
【0023】
=B/L
【0024】
【数1】
【0025】
ここで、Bは、ピンド層304の厚さt322に比例する磁束であり、Lは、磁場方向におけるピンド層304の長さである。
【0026】
ネール結合場は、無視できて、トンネリング絶縁体堆積プロセスの質によって予め決められ得る。従って、この特定の構造では、オフセット場は、ピンド層304の厚さt322を調節することによって、制御され得る。
【0027】
図4は、プログラムされたオフセット磁場を有する磁気トンネル接合(MTJ)構造の第二の例示的な実施形態400の図である。MTJ構造402は、底部電極420上に、頂部電極404と、自由層406と、障壁層408と、ピンド層410と、反強磁性層418とを含む。ピンド層410は、自由層406に近接する第一の磁性層412と、非磁性層414と、第二の磁性層416とを含む合成層である。第一の磁性層412は、第一の磁気モーメントを有し、第二の磁性層416は、第一の磁性層412の第一の磁気モーメントに対して反平行な第二の磁気モーメントを有する。
【0028】
自由層406のオフセット場HOFFのモデル422は、第二の磁性層416の厚さの関数として示されている。モデル422は、略線形なものとして示されていて、実験的に生成されたもの、理論的に生成されたもの、又はこれらの組み合わせであり得る。図示されるように、第二の磁性層416の厚さを減少させることは、オフセット磁場に負のシフトを与える一方で、第二の磁性層416の厚さを増大させることは、オフセット磁場に正のシフトを与える。更に、オフセット磁場は、第二の磁性層416の厚さの増大と共に、負のオフセット磁場の値から正のオフセット磁場の値への転移として示されるように、方向を変化させ得る。
【0029】
例えば、第二の磁性層416が十分に薄い場合、第一の磁性層412は、自由層406に対してオフセット磁場のより大きな成分を生じさせ得る。第二の磁性層416の厚さが、第一の磁性層に対して大きくなると、第二の磁性層416は、第一の磁性層412のものとは逆方向のオフセット場の増大部分に寄与し、結果としてオフセット場のより大きな成分に寄与して、オフセット磁場の方向を変化させる。このような振る舞いは、厚さの増大と共に、ゼロに向けて大きさが減少していき、その後符号を変えてその大きさが増大していくオフセット磁場として示されている。
【0030】
MTJ構造402及び対応するモデル422は、二つの磁性層412及び416を有する単一のピンド層410に基づいたものであるが、他の実施形態では、MTJ構造402は、任意の数の層を有し得て、その厚さは、オフセット磁場を設定するように調節可能である。オフセット磁場の大きさ及び方向を具体的に選択又はシフトさせるための多様な厚さに対するこのような調節を可能にするモデルは、理論的に、実験的に、又はこれらの組み合わせで生成可能である。
【0031】
図5は、メモリセル502の動作特性500の第一の実施形態の図である。メモリセル502は、MTJデバイス504がピンド層の上に堆積させた自由層を有する構成を有し、そのピンド層は、トランジスタ506のドレイン端子に電気的に結合される(“通常”の接続)。特定の実施形態では、メモリセル502は、図1のメモリセル116、又は図2のメモリセル200であり、図3のMTJ構造300、図4のMTJ構造400又はこれらの組み合わせを含む。
【0032】
MTJデバイス504は、磁場(H)の関数としてヒステリシスを示す抵抗(R)を有し、“バランスのとれた”、つまりゼロに中心のある抵抗‐磁場のループ(R‐Hループ)514として示されている。第一の方向にMTJを流れる大きな電流によって発生するような大きな負の値のHで始まると、抵抗は低い値を有する。Hがゼロを横切っても(つまり方向を変えても)、抵抗は低いままである。PからAPへのスイッチングの熱障壁に対応する特定の磁場強度において、抵抗は、高い値へと増大し、自由層の磁気モーメントの変化、及びメモリセル502に対するデータビットの書き込みを表す。磁場が減少して、ゼロを過ぎても、自由層の磁気モーメントがその元々の向きの戻る際に(つまり、反対の値のデータビットがメモリセル502に書き込まれる際に)抵抗が低い値に戻るまでは、抵抗は高いままである。
【0033】
隣接する複数の層の物理的寸法(ピンド層、又は隣接する複数の層内の一つ以上の層の厚さ等)を調節することによりオフセット磁場を変更することによって、負のシフト516が、バランスのとれたR‐Hループ514に与えられる。結果としてのバランスのとれていないR‐Hループ512は、低抵抗状態から高抵抗状態への転移がHC+で生じ、高抵抗状態から低抵抗状態への転移がHC−で生じる様子を示す。負のシフト516は、HC−の大きさがHC+の大きさよりも大きくなるように、負の方向にHC−及びHC+の両方をシフトさせる。
【0034】
バランスのとれていないR‐Hループ512を有するように構成されたメモリセル502の動作に対応するロードライン特性が、第一のバイアス条件530及び第二のバイアス条件550において示されている。第一のバイアス条件530では、接地されたソースライン(SL)及び正の電圧(VBL)にバイアスされたビットライン(BL)でのMTJデバイス504にわたる電圧の関数としてのMTJデバイス504の特性が、MTJの電流‐電圧(I‐V)曲線534によって示されている。正のゲート電圧Vを有するトランジスタ506の特性は、MTJデバイス504にわたる電圧の関数として、トランジスタのI‐V曲線532によって示されている。MTJのI‐V曲線534とトランジスタのI‐V曲線532との交点は、メモリセルの動作点を示し、動作点における電圧値は、安定な書き込み動作のためにスイッチング電圧よりも大きくなければならない。
【0035】
MTJのI‐V曲線534は、MTJデバイス504にわたる電圧がゼロから大きくなると、MTJデバイス504を介する電流が増大する様子を示す。MTJデバイス504の高い方の抵抗状態(つまりAP状態)を表す下方の線に従って、転移536が低い方の抵抗状態(つまりP状態)へのスイッチを示すまで、電流は電圧と共に増大する。転移536は、MTJデバイス504を介する電流密度が臨界電流密度JC(AP→P)に等しくなる臨界電流IC+538で生じる。MTJデバイス504を介する電流は、低い方の抵抗状態に対応する比において電圧が増大するのと共に、増大し続ける。MTJデバイス504にわたる電圧が減少すると、MTJデバイス504を介する電流は、低い方の抵抗状態において実質的に線形に減少する。
【0036】
第二のバイアス条件550では、VBLにバイアスされたソースライン(SL)及び接地されたビットライン(BL)でのMTJデバイス504にわたる電圧の関数としてのMTJデバイス504の特性が、MTJの電流‐電圧(I‐V)曲線554によって示されている。負のゲート電圧−Vを有するトランジスタ506の特性は、MTJデバイス504にわたる電圧の関数としてトランジスタのI‐V曲線552によって示されている。MTJのI‐V曲線554とトランジスタのI‐V曲線552の交点は、メモリセル502の安定動作点を示す。
【0037】
トランジスタのI‐V曲線552は、ソースローディング効果の結果として、トランジスタのI‐V曲線532と比較して減少した電流を示す。特に、トランジスタ506が、nチャネル金属酸化物半導体(NMOS)型電界効果トランジスタの場合、第一のバイアス条件530において、ゲートとソースの電圧の差(VGS)は、定数Vである。対照的に、第二のバイアス条件550下では、ゲートとソースの電圧の差は、MTJデバイス504にわたる電圧(VMTJ)と共に変化する。
【0038】
MTJのI‐V曲線554は、MTJデバイス504にわたる電圧の大きさがゼロから増大すると(つまり更に負になると)、MTJデバイス504を介する電流の大きさが、動作状態530とは逆方向に増大する様子(つまり電流の増大)を示す。MTJデバイス504のP状態を表す下方の線に従って、転移556がAP状態へのスイッチを示すまで、MTJデバイス504を介する電流の大きさは電圧と共に増大する。転移556は、MTJデバイス504を介する電流密度が臨界電流密度JC(P→AP)に等しくなる際の臨界電流IC−558において生じる。減少した電流への転移の後は、MTJデバイス504を介する電流の大きさは、高い方の抵抗状態に対応する比で電圧と共に増大し続ける。MTJデバイス504にわたる電圧が負の値からゼロに向けて戻ると、MTJデバイス504を介する電流の大きさは、高い方の抵抗状態において実質的に線形に減少する。
【0039】
メモリセル502のロードライン解析によると、トランジスタ506は、MTJデバイスが、第一のバイアス条件530においてAP状態からP状態にスイッチし、第二のバイアス条件550においてP状態からAP状態にスイッチすることを可能にするのに十分な電流を提供することが示される。しかしながら、バランスのとれたR‐Hループ514に対応するMTJのI‐V曲線を表す破線で示されるように、バランスのとれたR‐Hループ514の負のシフト516を生じさせるオフセット磁場を発生させないと、P→APの転移562は、第二のバイアス条件550においてトランジスタデバイス506によって提供可能なものよりも大きな電流を必要とする。結果として、メモリセル502は、バランスのとれたR‐Hループ514では不安定であり、MTJのI‐V曲線にシフト560を発生させる負のシフト516を与えずには、データを、メモリセル502に対して信頼できるように書き込むことはできない。
【0040】
シフト560は、P→APの転移562を、より小さな強度の電流密度JC(P→AP)で生じる転移566にシフトして、また、AP→Pの転移540を、より大きな強度の電流密度JC(AP→P)で生じる転移536にシフトする。従って、MTJデバイス504のピンド層の厚さを調節すること等による、負のシフト516を生じさせるオフセット磁場の発生は、MTJのI‐V応答におけるシフト560を生じさせて、|JC(P→AP)|/JC(AP→P)の比の減少をもたらして、メモリセル502の安定動作及び正確なスイッチングを可能にする。
【0041】
図6は、メモリセル602の動作特性の第二の実施形態の図である。メモリセル602は、MTJデバイスがピンド層の上に堆積された自由層を有する第一の構成604を有し得て、その自由層が導電経路を介してトランジスタのドレイン端子に電気的に結合されるように“逆接続”される。例えば、導電経路は、MTJデバイスの頂部電極にドレイン端子を電気的に接続するワイヤ、ビア、コンタクトを含み得る。代わりに、メモリセル602は、MTJデバイスが、ピンド層が自由層の上方に堆積された“逆層”構造を有する第二の構成606を有し得て、その自由層がトランジスタのドレイン端子に電気的に結合される。特定の実施形態では、メモリセル602は、図1のメモリセル116である。
【0042】
いずれかの構成604又は606のメモリセル602のMTJデバイスは、“バランスのとれた”、つまりゼロに中心のある抵抗‐磁場ループ(R‐Hループ)614を有し得る。正のシフト616は、隣接する複数の層の物理的寸法(ピンド層の厚さ、又はピンド層内の一つ以上の層の厚さ等)を調節することによりオフセット磁場を変更することによって、バランスのとれたR‐Hループ614に与えられる。結果としてのバランスのとれていないR‐Hループ612は、低抵抗状態から高抵抗状態への転移がHC+で生じ、また、高抵抗状態から低抵抗状態への転移がHC−で生じる様子を示す。正のシフト616は、HC+の大きさがHC−の大きさよりも大きくなるように正の方向にHC−及びHC+の両方をシフトする。
【0043】
バランスのとれていないR‐Hループ612を有するように構成されたメモリセル602の動作に対応するロードライン特性が、第一のバイアス条件630及び第二のバイアス条件650において示されている。第一のバイアス条件630では、接地されたソースライン(SL)及び正の電圧(VBL)にバイアスされたビットライン(BL)でのMTJデバイスにわたる電圧の関数としてのMTJデバイスの特性が、MTJの電流‐電圧(I‐V)曲線634によって示されている。正のゲート電圧Vを有するトランジスタの特性は、MTJデバイスにわたる電圧の関数として、トランジスタのI‐V曲線632によって示されている。MTJのI‐V曲線634とトランジスタのI‐V曲線632との交点は、メモリセルの安定動作点を示す。
【0044】
トランジスタのI‐V曲線632は、図5に示されるソースローディング効果と同様のソースローディング効果を示す(逆バイアス条件において)。前述のように、MTJのスイッチング非対称性は、AP→PのスイッチングよりもP→APのスイッチングに対してより大きな電流を必要とする傾向があり、つまり、JC(AP→P)<JC(P→AP)である。MTJデバイスの接続又は層堆積を逆にすることによって、第一のバイアス条件630において必要とされるスイッチング電流が小さくなるので、ソースローディング効果によるトランジスタの電流の減少が、あまり影響を有しなくなり得る。しかしながら、破線で示されるように、バランスのとれたR‐Hループ614条件下における動作は、ソースローディング効果によりトランジスタが提供できるよりもAP→Pの転移640においてより大きな電流を必要とする。
【0045】
第二のバイアス条件650下において、VBLにバイアスされたソースライン(SL)及び接地されたビットライン(BL)でのMTJデバイスにわたる電圧の関数としてのMTJデバイスの特性が、MTJの電流‐電圧(I‐V)曲線654によって示されている。負のゲート電圧−Vを有するトランジスタの特性は、MTJデバイスにわたる電圧の関数として、トランジスタのI‐V曲線652によって示されている。MTJのI‐V曲線654とトランジスタのI‐V曲線652との交点は、メモリセル602の安定動作点を示す。
【0046】
メモリセル602のロードライン解析によると、バランスのとれていないR‐H曲線612を発生させるために正のシフト616が与えられて、MTJの転移640、622それぞれの転移636、656へのシフト660がもたらされる際に、MTJデバイスが第一のバイアス条件630においてAP状態からP状態へスイッチし、また、第二の領域においてP状態からAP状態へスイッチすることを可能にするのに十分な電流をトランジスタが提供することが示されている。シフト660は、第一のバイアス条件630における臨界電流の大きさを減少させて、第二のバイアス条件650における臨界電流の大きさを増大させる負のシフトであり、メモリセル602のトランジスタが、MTJデバイスの安定動作及び適切なスイッチングを可能にするのに十分な電流を提供することができるようにする。
【0047】
シフト660は、P→APの転移662を、より大きな強度の電流密度JC(P→AP)において生じる転移566にシフトさせて、AP→Pの転移640を、より小さな強度の電流密度JC(AP→P)において生じる転移636にシフトさせる。従って、MTJデバイスのピンド層の厚さを調節すること等により正のシフト616を生じさせるオフセット磁場を発生させることは、MTJのI‐V応答におけるシフト660を生じさせて、|JC(P→AP)|/JC(AP→P)の比の増大をもたらして、メモリセル602の安定動作及び正確なスイッチングを可能にする。
【0048】
図5及び図6は、十分なオフセット磁場を印加することによるバランスのとれたR‐Hループ条件からのシフトが、メモリセルが安定になることをもたらす実施形態を示すものであるが、バランスのとれたR‐Hループでの不安定な振る舞い、及びバランスのとれていないR‐Hループでの安定な振る舞いを示すこれらの実施形態は、説明を簡単にするために用いられたものであって、限定的なものではない。一般的に、メモリセルの適切な動作は、R‐Hループのバランスがとれているかどうかとは独立したものであり得る。そうではなくて、適切な動作を達成するためにメモリセルを調節することは、スイッチング電流レベルを、動作バイアス条件下におけるトランジスタによって達成可能なレベルに調節するためにR‐Hループをシフトさせる方向及び大きさを決定すること(つまり、図5図6に示されるロードラインのトランジスタのI‐V曲線内において生じるように転移点をシフトさせること)に基づくものであり得る。従って、安定動作をもたらすスイッチング電流レベルの調節は、R‐Hループをシフトさせる量を示し得て、これはR‐Hループのシフトに影響するオフセット磁場の調節を示し得て、これはオフセット磁場を調節するピンド層の一以上の物理的寸法(層の厚さ等)の変化を示し得る。
【0049】
図7は、スイッチング電流比と磁場比との間の関係のモデル700を示す図であり、プログラムされたオフセット磁場を決定するために使用可能である。モデル700は、スイッチング電流比|JC−|/JC+(例えば、図5図6に関して説明した|JC(P→AP)|/JC(AP→P))を、磁場比Hoff/H(βとする)の関数として、曲線702、704、706として示される三つの異なる値の熱安定性Eに対して示す。
【0050】
特定の実施形態では、モデル700は、以下の式に基づいた理論的なモデルである。
【0051】
【数2】
【0052】
ここで、Jc0±は臨界電流密度であり、kはボルツマン定数であり、Tは温度であり、τ/τは、書き込み電流持続期間対定数パラメータτの比を表す。EB±は以下のように与えられる熱安定性である。
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、Mは飽和磁化であり、VはMTJの体積であり、βはHoff/Hである。
【0055】
スイッチング電流比|JC−|/JC+は以下のように与えられる。
【0056】
【数4】
【0057】
モデル700は、基本的なSTTスイッチング理論に基づいたものであり得るが、他の実施形態では、モデル700は、追加的な物理シミュレーション、モデリング、実験的なモデル、又はこれらの組み合わせによって調節され得る。
【0058】
モデル700は、スイッチング電流比βと、オフセット磁場Hoffと、スイッチング場の強度Hとの間の関係を与える。例えば、メモリセルの安定動作を可能にするスイッチング電流比を決定することができて、また、モデル700にアクセスして、そのスイッチング電流比を有するようにメモリセルのMTJデバイスの動作を調節するためにオフセット磁場を変更する量を決定することができる。
【0059】
図8は、スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)のソースローディング効果を低減させる方法800の特定の実施形態のフロー図である。
【0060】
802において、RA、MR及びH用の初期ターゲットを、ターゲット応用の仕様に合致するように設定し得る。典型的には、読み取り回路がMR用の閾値を設定し、RAは、ターゲットMTJ構造のSTTスイッチング特性及びトンネリング絶縁体のブレークダウン特性を考慮して決定される。更に、ターゲットHの値は、必要とされる最小熱安定性(E)によって制限され得て、MTJのアスペクト比を調節することによって制御可能である。
【0061】
続いて804では、トランジスタ幅の異なる多様なビットセル(アクセストランジスタに直列に結合されたMTJ構造を含むメモリセル等)が製造され得る。例えば、メモリセルは、図1のメモリセル116、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、又は図6のメモリセル602であり得る。メモリセルは、図5のメモリセル502の構成等の第一の構成(“タイプI”)、図6のメモリセル602の構成604等の第二の構成(“タイプII”)、又は図6のメモリセル602の構成606等の第三の構成(“タイプIII”)を有し得る。
【0062】
806に進むと、メモリセルのスイッチング特性が決定され得る。例えば、メモリセルのスピントルク移動(STT)スイッチング特性が測定され得る。初期臨界電流密度Jの非対称性は既知であり得る。
【0063】
808に移ると、トランジスタロードライン解析が行われて、メモリセルの安定動作を可能にするスイッチング電流比が決定され得る。ロードラインは、トランジスタの幅及びワードラインの電圧を変化させることによって変更可能である点は留意されたい。トランジスタの幅と、ワードラインの電圧と、可能なオフセット磁場の値との最適な組み合わせを見積もることができる。メモリセルの安定動作を可能にする磁気トンネル接合(MTJ)構造のスイッチング電流比が決定される。スイッチング電流比は、第一の状態から第二の状態にスイッチする第一の臨界電流密度を、第二の状態から第一の状態にスイッチする第二の臨界電流密度で割ったものに基づいたものであり得て、図5図6に関して説明したような比|JC(P→AP)|/JC(AP→P)や、図7に関して説明したような|JC−|/JC+等であり得る。
【0064】
810に進むと、オフセット磁場(Hoff)を変更する量が、スイッチング電流比|JC−|/JC+の大きさに基づいて決定され得る。例えば、オフセット磁場Hoffを変更する量は、スイッチング電流比|JC−|/JC+と、オフセット磁場Hoffと、スイッチング場の強度(H)との間の関係の数学的モデルを用いて決定され得る。具体的には、Hoff/Hの値は、図7に関して説明したような|JC−|/JC+とHoff/Hとの間の関係から決定され得る。他の例として、オフセット磁場Hoffを変更する量は、スイッチング電流比|JC−|/JC+と、オフセット磁場Hoffと、スイッチング場の強度Hとの間の関係の経験的なモデルを用いて決定され得る。
【0065】
オフセット磁場Hoffは、図4に関して説明したように、ピンド層内の一つ以上の層の厚さを変更すること等によるMTJ構造の物理的寸法を変更することによって、達成可能である。しかしながら、このように変更されたメモリセルは、動作に十分な熱的安定性を有さないことがある。
【0066】
続いて812では、外部磁場(Hext)を印加して、ピンド層の調節された厚さでのMTJ構造の動作をシミュレーションする。外部磁場の存在下でのメモリセルの熱的安定性(E)がテストされて、オフセット磁場Hoffを達成するための調節後のメモリセルの熱的安定性を予測する。
【0067】
814の決定に進むと、メモリセルがターゲット熱的安定性に合致しているかどうかを決定する。ターゲット熱的安定性に合致していなければ、816において、MTJ積層体を再設計して、熱的安定性を増大させる。例えば、予測された熱的安定性が所定の閾値を満たさない場合に、MTJ構造が再設計され得る。MTJ構造の再設計の一例は、図6のメモリセル602の構成604又は606等のように、その設計を“逆”メモリセル構成に変更して、図5図6に関して説明したようにソースローディング効果をもたらすバイアス条件下でのスイッチング電流の要求を緩和することである。
【0068】
ターゲット熱的安定性に合致した場合、818において、外場が実質的にゼロであるかどうかを決定し得る。外場が実質的にゼロであると決定された場合、適切なスイッチング動作が熱的に安定な設計において達成されているので、822において本方法を終了し得る。
【0069】
そうではなくて、外場が実質的にゼロではないと決定された場合、820において、Hoffに対して、ピンド層の厚さが調節され得る。調節される厚さは、合成ピンド層の一つ以上の特定の層の厚さであり得て、図4のモデル422等のモデルを用いて決定され得る。MTJ構造のピンド層の厚さを調節して、MTJ構造の自由層に結合しているオフセット磁場Hoffを変更する。変更されたオフセット磁場によって、メモリセルの安定動作を可能にするように決定されたスイッチング電流比|JC−|/JC+をMTJ構造が示すようにする。例えば、オフセット磁場は、スイッチング電流比を減少させる正の磁場成分を加えることによって、変更可能である。特定の実施形態では、ピンド層の厚さがオフセット磁場を増大させるように調節される場合に、スイッチング電流比が減少する。
【0070】
820においてピンド層の厚さを調節した後に、又は816においてMTJ構造を再設計した後に、プロセスは804に戻り得て、調節又は再設計された性質を用いて、ビットセルが製造され得る。従って、方法800によって決められるようなMTJ構造のピンド層の調節された厚さを有して814及び818における決定を満たすメモリセルが、804において製造可能であり、メモリセルの設計が、設計ライブラリ又は他の電子設計ツールに記憶されて、他のデバイスのコンポーネントとして使用され得る。例えば、STT‐MRAMメモリを、方法800に従って設計することができる。方法800に従って、又は本願で説明される他の実施形態に従って設計されたメモリセルは、多様なデバイスに組み込むことができて、携帯電話、セットトップボックスデバイス、コンピュータ、PDA(personal digital assistant)、ミュージックプレイヤ、ビデオプレイヤ、データ又はコンピュータ命令を記憶又は回収する他のデバイス、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0071】
他の実施形態では、方法800は、ビットセルを製造するステップを含まないものであり得て、代わりに、自動設計プロセス又は設計ツールの一部として、物理システムシミュレーションを行って、ビットセル設計の振る舞いを予測し得る。例えば、特定の実施形態では、方法800の全て又は一部は、専用回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、コンピュータ可読媒体に有形に具体化されたコンピュータ可読命令を実行するプロセッサ(コンピュータメモリに記憶されたソフトウェアを実行するプロセッサ等)、方法800の全て又は一部を実施するように構成された他の有形の物理デバイス、又はこれらの組み合わせによって、実行可能であり、メモリセル設計を用いてメモリを製造するのに先立って、STT‐MRAMメモリセルの設計を反復的に改良する。
【0072】
図9を参照すると、プログラムされたオフセット磁場を備えたメモリセルを含む抵抗ベースメモリを含む携帯型電子デバイスの特定の例示的な実施形態のブロック図が示されていて、概して参照符号900が付されている。デバイス900は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ900を含み、そのプロセッサは、メモリ932に結合され、プログラムされたオフセット磁場を備えたメモリセルを含む抵抗ベースメモリ964にも結合される。例示的な例では、抵抗ベースメモリ964は、図1に示されるメモリデバイス100を含むか、図2、5、6にそれぞれ示されるメモリセル200、502、602(構成604又は606を有する)のうち一つ以上を含むか、図8の方法800に従って形成されるか、又はそれらの組み合わせのいずれかである。特定の実施形態では、抵抗ベースメモリ964は、スピントルク移動磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT‐MRAM)である。
【0073】
図9には、デジタルシグナルプロセッサ910及びディスプレイ928に結合されたディスプレイコントローラ926も示されている。コーダ/デコーダ(CODEC)934も、デジタルシグナルプロセッサ910に結合可能である。スピーカ936及びマイク938はCODEC934に結合可能である。図9には、デジタルシグナルプロセッサ910及びワイヤレスアンテナ942に結合可能なワイヤレストランシーバ940も示されている。
【0074】
プロセッサ910は、抵抗ベースメモリ964の個々のメモリセル又はメモリセルの組においてメモリ動作を行うように構成される。例えば、プロセッサ910は、アンテナ942及びワイヤレストランシーバ940を介して受信されるデータ(ワイヤレス通信ネットワークを介して受信されるオーディオデータやビデオデータ等)を抵抗ベースメモリ964に記憶するように構成され得る。プロセッサ910は、抵抗ベースメモリ964に記憶されたデータを回収して、データ表現(ディスプレイデバイス928の表示、スピーカ936の発音、これらの組み合わせ等)を開始するように構成され得る。
【0075】
特定の実施形態では、DSP910と、ディスプレイコントローラ926と、メモリ932と、CODEC934と、ワイヤレストランシーバ940と、抵抗ベースメモリ964が、システムインパッケージ又はシステムオンチップデバイス922に含まれる。特定の実施形態では、入力デバイス930及び電源944がシステムオンチップデバイス922に結合される。更に、特定の実施形態では、図9に示されるように、ディスプレイ928と、入力デバイス930と、スピーカ936と、マイク938と、ワイヤレスアンテナ942と、電源944が、システムオンチップデバイス922の外部にある。しかしながら、ディスプレイ928、入力デバイス930、スピーカ936、マイク938、ワイヤレスアンテナ942、電源944の各々は、システムオンチップデバイス922のコンポーネント(インターフェイスやコントローラ等)に結合可能である。
【0076】
上述のデバイス及び機能性は、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータファイル(例えば、RTI、GDSII、GERBER等)内に設計及び構成され得る。そのようなファイルの一部又は全ては、そうしたファイルに基づいてデバイスを製造する製造業者に提供され得る。結果物の製品は半導体ウェーハを含み、その半導体ウェーハは後で半導体ダイに切断されて半導体チップにパッケージングされる。そのチップは、上述のデバイスにおいて採用される。図10は、電子デバイス製造プロセス1000の特定の例示的な実施形態を示す。
【0077】
製造プロセス1000において、物理的デバイス情報1002を、リサーチコンピュータ1006等において受け取る。物理的デバイス情報1002は、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせ等の半導体デバイスの少なくとも一つの物理的性質を表す設計情報を含み得る。例えば、物理的デバイス情報1002は、リサーチコンピュータ1006に結合されたユーザインターフェイス1004を介して入力される物理的パラメータ、物質特性、構造情報を含み得る。リサーチコンピュータ1006は、メモリ1010等のコンピュータ可読媒体に結合されたプロセッサ1008(一つ以上のプロセスコア等)を含む。メモリ1010は、プロセッサ1008が物理的デバイス情報1002をファイルフォーマットに適合するように変換してライブラリファイル1012を生成するように実行可能なコンピュータ可読命令を記憶し得る。
【0078】
特定の実施形態では、ライブラリファイル1012は、変換された設計情報を含む少なくとも一つのデータファイルを含む。例えば、ライブラリファイル1012は、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせを含む半導体デバイスのライブラリを含み得て、そのライブラリは、電子設計自動化(EDA,electronic design automation)ツール1020と共に使用するために提供される。
【0079】
ライブラリファイル1012は、EDAツール1020と共に、メモリ1018に結合されたプロセッサ1016(一つ以上のプロセスコア等)を含む設計コンピュータ1014において使用され得る。EDAツール1020は、メモリ1018にプロセッサ実行可能命令として記憶され得て、設計コンピュータ1014の使用者が、ライブラリファイル1012の図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602を用いて回路を設計することを可能にする。例えば、設計コンピュータ1014の使用者は、設計コンピュータ1014に結合されたユーザインターフェイス1024を介して回路設計情報1022を入力し得る。回路設計情報1022は、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせ等の半導体デバイスの少なくとも一つの物理的性質を表す設計情報を含み得る。例えば、回路設計特性は、特定の回路の識別及び回路設計の他の要素との関係、配置情報、フィーチャサイズ情報、相互接続情報、又は半導体デバイスの物理的性質を表す他の情報を含み得る。
【0080】
設計コンピュータ1014は、回路設計情報1022を含む設計情報をファイルフォーマットに適合するように変換するように構成され得る。例えば、ファイルフォーマットは、平面的な幾何学的形状、テキストラベル、階層型フォーマット内の回路レイアウトについての他の情報を表すデータベースバイナリファイルフォーマット(グラフィックデータシステム(GDSII)ファイルフォーマット等)を含み得る。設計コンピュータ1014は、変換された設計情報を含むデータファイルを生成するように構成され得て、そのデータファイルとして、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせ、更に他の回路又は情報を記述する情報を含むGDSIIファイル1026等が挙げられる。例えば、データファイルは、図1のメモリデバイス100を含み、またシステムオンチップ(SOC)内の追加の電子回路及びコンポーネントも含むシステムオンチップ(SOC)に対応する情報を含み得る。
【0081】
GDSIIファイル1026は、製造プロセス1028において受け取られ得て、その製造プロセス1028では、GDSIIファイル1026の変換された情報に従って、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせを製造する。例えば、デバイス製造プロセスは、GDSIIファイル1026をマスク製造業者1030に提供して代表的なマスク1032が示されている一つ以上のマスク(フォトリソグラフィプロセスに使用されるマスク等)を製造することを含み得る。製造プロセス中に、マスク1032を用いて、一つ以上のウェーハ1034を生成して、そのウェーハ1034は、テストされて、また、代表的なダイ1036等のダイへと分離され得る。ダイ1036は、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせを含む回路を含む。
【0082】
ダイ1036は、パッケージングプロセス1038へと提供され得て、ダイ1036が、代表的なパッケージ1040内に組み込まれる。例えば、パッケージ1040は、単一のダイ1036又は複数のダイを含み得て、システムインパッケージ(SiP)配置等とされる。パッケージ1040は、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)の規格等の一つ以上の規格又は仕様に準拠するように構成され得る。
【0083】
パッケージ1040に関する情報は、コンピュータ1046に記憶されたコンポーネントライブラリ等を介して、多くの製品設計者に配布され得る。コンピュータ1046は、メモリ1050に結合されたプロセッサ1048(一つ以上のプロセスコア等)を含み得る。印刷回路基板(PCB,printed circuit board)ツールが、メモリ1050にプロセッサ実行可能命令として記憶され得て、コンピュータ1046の使用者からユーザインターフェイス1044を介して受け取ったPCB設計情報1042を処理する。PCB設計情報1042は、回路板上にパッケージングされた半導体デバイスの物理的配置情報を含みえて、そのパッケージングされた半導体デバイスは、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせを含むパッケージ1040に対応する。
【0084】
コンピュータ1046は、PCB設計情報1042を変換して、回路板上にパッケージングされた半導体デバイスの物理的配置情報並びにトレース及びビア等の電気接続のレイアウトを含むデータを備えたGERBERファイル1052等のデータファイルを発生させるように構成され得る。ここで、そのパッケージングされた半導体デバイスは、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせを含むパッケージ1040に対応する。他の実施形態では、変換されたPCB設計情報によって生成されるデータファイルは、GERBERフォーマット以外のフォーマットを有し得る。
【0085】
GERBERファイル1052は、基板アセンブリプロセス1054において受け取られて、そのGERBERファイル1052内に記憶された設計情報に従って製造されたPCB(代表的なPCB1056等)を形成するのに使用され得る。例えば、GERBERファイル1052は、PCB製造プロセスの多様なステップを実行するための一つ以上の機器にアップロードされ得る。PCB1056には、パッケージ1040を含む電子部品が投入され得て、代表的な印刷回路アセンブリ(PCA,printed circuit assembly)1058が形成される。
【0086】
PCA1058は、製品製造プロセス1060において受け取られて、第一の代表的な電子デバイス1062及び第二の代表的な電子デバイス1064等の一つ以上の電子デバイス内に集積され得る。非限定的な例示として、第一の代表的な電子デバイス1062、第二の代表的な電子デバイス1064、又はその両方は、セットトップボックス、ミュージックプレイヤ、ビデオプレイヤ、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、PDA、固定データユニット、及びコンピュータの群から選択され得る。他の非限定的な例示では、電子デバイス1062及び1064の一以上は、携帯電話等のリモートユニット、携帯型パーソナルコミュニケーションシステム(PCS)ユニット、PDA等の携帯型データユニット、GPS有効化デバイス、ナビゲーションデバイス、計測設備等の固定データユニット、データ又はコンピュータ命令を記憶又は回収する他のデバイス、又はこれらの組み合わせであり得る。図1図9の一以上において、本開示の教示によるリモートユニットが例示され得るが、本開示は、これらの図示された例示的なユニットに限定されるものではない。本開示の実施形態は、テスト及び特性評価用のメモリ及びオンチップ回路を含むアクティブ集積回路を含むあらゆるデバイスにおいて適切に採用可能である。
【0087】
従って、図1のメモリデバイス100、図2のメモリセル200、図5のメモリセル502、図6の構成604又は606を有するメモリセル602、又はこれらの組み合わせは、例示的なプロセス1000に示されるように、製造され、処理され、電子デバイス内に組み込まれ得る。図1図9に関して説明された実施形態の一以上の側面は、多様なプロセス段階において、ライブラリファイル1012、GDSIIファイル1026、及びGERBERファイル1052内に含まれ得て、また、リサーチコンピュータ1006のメモリ1010、設計コンピュータ1014のメモリ1018、コンピュータ1046のメモリ1050、基板アセンブリプロセス1054等の多様な段階において使用される一以上の他のコンピュータ又はプロセッサ(図示せず)のメモリに記憶され得て、マスク1032、ダイ1036、パッケージ1040、PCA1058、プロトタイプの回路又はデバイス(図示せず)等の他の製品等の一つ以上の他の物理的実施形態内に組み込まれ得て、又はこれらの組み合わせであり得る。物理的デバイス設計から最終製品までの多様な代表的な製造段階が図示されているが、他の実施形態では、より少ない段階が使用され得て、又は追加の段階が含まれ得る。同様に、プロセス1000は、そのプロセス1000の多様な段階を実施する単一のエンティティ、又は一以上のエンティティによって実行され得る。
【0088】
更に、当業者は、本願で開示される実施形態に関して説明される多様な例示的な論理ブロック、構成、モジュール、回路、アルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実施され得る点を理解されたい。当業者は、各特定の応用に対して異なった方法で説明された機能性を実施することができるものであるが、そのような実施の決定は、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【0089】
本願で開示される実施形態に関連して説明される方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせにおいて直接実現可能である。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、イレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、エレクトリカリーイレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD‐ROM)、又は他の形態の当該分野において知られているストレージ媒体によるものであり得る。例示的なストレージ媒体は、そのストレージ媒体に対してプロセッサが情報の読み書きができるようにプロセッサに接続される。代わりに、ストレージ媒体はプロセッサに集積され得る。プロセッサ及びストレージ媒体は特定用途集積回路(ASIC,application‐specific integrated circuit)によるものであり得る。ASICは、計算デバイス又はユーザ端末によるものであり得る。代わりに、プロセッサ及びストレージ媒体は、計算デバイス又はユーザ端末内の別個の構成要素であり得る。
【0090】
開示される実施形態のこれまでの説明は、当業者が開示される実施形態を実施することができるようにするために提供されるものである。これらの実施形態に対する多様な変更は当業者にとって自明であり、本願で定められる汎用的な原理は、本発明の範囲から逸脱せずに他の実施形態に適用可能である。従って、本発明は、本願で示される実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定められるような原理及び新規特徴に矛盾しない最大限の範囲によるものである。
【符号の説明】
【0091】
100 メモリデバイス
102 メモリアレイ
104 ビットライン
106 ビットライン論理回路
108 ワードライン
110 ワードライン論理回路
112 アンプ
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