(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、図を参照して画像形成装置と携帯端末の認証処理について3つの実施形態を例に説明する。以下の実施形態における画像形成システムは、操作指示を送信する携帯端末と、携帯端末から送信される操作指示に従って動作制御される画像形成装置とを備えている。携帯端末は、予め画像形成装置の操作用アプリケーションプログラムである操作用APPがインストールされており、操作用APPを起動したときに、操作用APPが起動したことを示す起動通知を画像形成装置に送信する。画像形成装置は、携帯端末を載せる操作台(保持部の一例)を有しており、携帯端末から起動通知を受信すると、その携帯端末が操作台に載せられた携帯端末であるか認証を行い、認証された携帯端末からの操作指示を受け付ける。
【0013】
なお、以下の実施形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付してある。なお、以下では、「認証」とは、画像形成装置が、自装置に設けられた操作台の状態に基づいて携帯端末と操作台との関係性を確認して、画像形成装置を操作する携帯端末が自装置の操作台に載せられた携帯端末であることを証明することをいう。
【0014】
<実施形態1>
実施形態1の画像形成システムの携帯端末は、画像形成装置の操作台に置かれた状態で、ユーザーの操作に応じて予めインストールされた操作用APPを起動すると、操作用APPの起動情報を示す起動通知を画像形成装置に送信する。画像形成装置は、操作台の振動を検出する振動検出部を備えており、起動通知を受信したタイミングと、操作台の振動を検出したタイミングとが一致すると、起動通知を送信した携帯端末が操作台に載せられた携帯端末であることを認証し、認証した携帯端末からの操作を受け付ける。
【0015】
画像形成システム1000は、
図1に示すように、画像形成装置1とPC(Personal Computer)3とAP(Access Point)4と携帯端末5とを備えている。画像形成装置1とPC3とAP4とはLAN(Local Area Network)ケーブル等の有線ネットワーク2で接続され、AP4と携帯端末5とがWi−Fi(登録商標)等の無線ネットワーク9で接続されている。ここでは、画像形成装置1と携帯端末5とが1つずつ図示された例を示しているが、画像形成装置1と携帯端末5とはそれぞれ複数設けられていてもよい。
【0016】
画像形成装置1は、MFPであり、
図2、
図3に示すように、原稿読取部101と記憶部102と画像処理部103と印刷部104と通信部105と操作部106と操作台107と振動検出部108と認証処理部109とファクシミリ送受信部110と制御部111とを備えている。
【0017】
原稿読取部101は、図示しない原稿給紙装置により給紙されてきた原稿や、ユーザーによってプラテンガラスに載置された原稿に対して光を照射し、その反射光等を受光して原稿画像を読み取るスキャナーである。
【0018】
記憶部102は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部101によって読み取られた画像データや、通信部105によって受信されたPC3からの画像データが蓄積される記憶手段である。
【0019】
画像処理部103は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段である。画像処理部103では、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0020】
印刷部104は、記憶部102に記憶された画像データを印刷する印刷手段である。印刷部104は、例えば、記憶部102から読み出した画像データに基づき感光体ドラムの表面に潜像を形成し、トナーによってその潜像をトナー像とする画像形成を行い、その感光体ドラムから記録紙にトナー像を転写させ、そのトナー像を記録紙に定着させて排紙する。
【0021】
通信部105は、有線ネットワーク2や無線ネットワーク9を介して、PC3や携帯端末5との間で各種データを送受信する機能を有する。
【0022】
ファクシミリ送受信部110は、モデムを有し、原稿読取部101によって読み取られた画像データや、記憶部102に記憶されている画像データからファクシミリ信号を生成し、生成したファクシミリ信号を公衆回線網6経由で送信するファクシミリ送信機能と、公衆回線網6経由でファクシミリ信号を受信するファクシミリ受信機能とを備えている。
【0023】
操作部106は、液晶表示パネルの表面に透明の感圧センサーが設けられた表示手段及び入力手段として機能するタッチパネル、印刷枚数等の数値を入力するためのテンキー、設定情報を初期化させる指示を入力するためのリセットキー、複写動作を停止させたり、入力された数値を消去させたりするためのストップキー、割り込みコピーを指示する割り込みキー、印刷動作を開始させる出力指示を入力するためのスタートキー等の各種操作キーを備えたユーザーインターフェースである。
【0024】
操作台107は、携帯端末5を載せるために設けられた台であり、
図3に示すように、操作部106の隣に配置され、画像形成装置1の前側に突出した構造を有している。ユーザーは、操作台107に携帯端末5を載せた状態で携帯端末5を操作して、画像形成装置1を操作するためのアプリケーションプログラムを起動させることになる。
【0025】
ところで、画像形成装置1が携帯端末5を介して離れた場所から遠隔操作されていると、遠目からだと画像形成装置1が使用されていることが分からない。しかし、このように、操作台107上で携帯端末5の操作を行わせるようにすれば、画像形成装置1を使用しようとするユーザーが、別のユーザーにより既に画像形成装置1が遠隔操作されて使用されていることに気付かないで、コピー機能やスキャナー機能、ファクシミリ機能等を使用するために画像形成装置1に原稿をセットしに画像形成装置1の前まで行くことを防止することができる。つまり、携帯端末5を操作台107上に置いた状態で、携帯端末5を介して画像形成装置1を操作させることにより、画像形成装置1が使用されている状況が遠目からでも明確になる。
【0026】
また、操作台107には、操作台107の振動を検出して出力する振動検出部108が設けられている。振動検出部108は、加速度センサー等で構成される。操作台107上に置かれた携帯端末5に対してユーザーがボタンをタッチする等の操作を行った場合、その操作に伴う振動(衝撃)が、携帯端末5を介して操作台107に伝達し、振動検出部108によって検出される。
【0027】
認証処理部109は、画像形成装置1を操作するためのアプリケーションプログラムが起動した旨を示す起動通知を携帯端末5から受信すると、起動通知を送信した携帯端末5が操作台107に載せられた携帯端末5であるか認証を行う。認証処理部109の認証に成功すると、制御部111が、認証された携帯端末5からの操作指示に基づいて画像形成装置1全体を制御する。言い換えれば、制御部111は、認証処理部109によって認証されていない携帯端末5からの操作指示は受け付けない。認証された携帯端末5かどうかの判別は、例えば認証された携帯端末5の識別情報を記憶し、操作指示を受信したときの、受信データに含まれる識別情報から判別すればよい。
【0028】
制御部111は、原稿読取部101、記憶部102、画像処理部103、印刷部104、通信部105、操作部106、振動検出部108、認証処理部109及びファクシミリ送受信部110にそれぞれ接続され、操作部106から入力された所定の指示情報に応じて画像形成装置1全体の動作制御を実行する。制御部111は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部111は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部106から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。また、制御部111は、認証処理部109によって認証された携帯端末5から送信される操作指示に基づいて画像形成装置1の動作制御を行う。
【0029】
携帯端末5は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートPC又はPDA(Personal Digital Assistant)等であり、
図4に示すように、操作部51と記憶部52と通信部53と制御部54とを備えている。
【0030】
操作部51は、液晶表示パネルの表面に透明の感圧センサーが設けられた表示手段及び入力手段として機能するタッチパネルや、各種操作キーを備えたユーザーインターフェースである。
【0031】
記憶部52は、半導体メモリやHDD等の記憶手段であり、操作用APP521を記憶している。操作用APP521は、携帯端末5により画像形成装置1を操作可能にするためのアプリケーションプログラムであり、携帯端末5にインストールされた状態となっている。
【0032】
通信部53は、無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2を介して画像形成装置1との間で各種データを送受信する機能を有する。
【0033】
制御部54は、操作部51、通信部53及び記憶部52にそれぞれ接続され、操作部51から入力された所定の指示情報に応じて携帯端末5全体の動作制御を実行する。制御部54は、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには携帯端末5の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部54は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部51から入力された所定の指示情報に応じて端末全体の制御を行う。
【0034】
また、制御部54は、操作部51を介して操作用APP521を起動させる操作が行われたことを検出すると、記憶部52に記憶された操作用APP521を読み出して、RAMに展開させて、操作用APP521を起動させる。これにより、制御部54は、操作用APP521の機能を実現する認証要求部541と画像形成装置操作処理部542として機能する。画像形成装置操作処理部542は、画像形成装置1における、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能及びスキャナー機能等の操作が可能である。ただし、コピー機能、ファクシミリ機能及びスキャナー機能については、操作台107を介して携帯端末5が認証要求部541を介して画像形成装置1に認証されなければ使用できないように設定されている。
【0035】
以上の構成の画像形成システム1000における画像形成装置1と携帯端末5の認証制御について
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
携帯端末5の制御部54は、まず、操作部51を介して操作用APP521の起動操作が行われたか判定する(ステップS101)。操作用APP521の起動操作が行われると(ステップS101でYes)、制御部54は操作用APP521を起動する(ステップS102)。これにより、制御部54により操作用APP521が記憶部52から読み出されてRAMに展開され、制御部54が認証要求部541として機能する。認証要求部541は、通信部53を介して画像形成装置1に操作用APP521が起動したことを示す起動通知を携帯端末5の識別情報を含み送信する(ステップS103)。起動通知は、無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2を介して画像形成装置1に送信される。
【0037】
一方、画像形成装置1の認証処理部109は、振動検出部108を介して操作台107の振動を検出したか判定する(ステップS104)。操作台107の振動が検出されると(ステップS104でYes)、認証処理部109は、振動検出の前後における所定時間a内(例えば3秒等)に起動通知の割り込み信号が有ったか判定する(ステップS105)。認証処理部109は、所定時間aを経過しても起動通知の割り込み信号がない場合(ステップS105でNo)、操作台の振動を検出する処理に戻る(ステップS104)。
【0038】
一方、所定時間a内に起動通知の割り込み信号が有ると(ステップS105でYes)、認証処理部109は、起動通知受信タイミングと振動検出タイミングとが一致したと判定して、通信部105を介して有線ネットワーク2、AP4及び無線ネットワーク9経由で携帯端末5に認証成功通知を送信する(ステップS106)。なお、起動通知受信タイミングと振動検出タイミングとの差は、互いが前後逆の場合も含んで所定時間a以内であれば、それは許容誤差範囲として起動通知受信タイミングと振動検出タイミングとは一致したものとして判定される。
【0039】
携帯端末5は、認証成功通知を受信すると、画像形成装置操作処理部524がユーザーの画像形成装置1に対する操作指示を受け付け(ステップS107)、通信部53を介して無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2経由で、画像形成装置1に操作指示を携帯端末5の識別情報を含み送信する(ステップS108)。
【0040】
画像形成装置1の認証処理部109は、予め設定された認証有効時間内(例えば3分等)に識別情報に基づき携帯端末5からの操作指示を受信したか判定する(ステップS109)。認証有効時間内に操作指示が受信されない場合(ステップS109でNo)、本処理が終了する。一方、認証有効時間内に操作指示を受信すると(ステップS109でYes)、認証処理部109は、振動検出部108を介して操作指示の受信前後における所定時間a内に振動を検出したか判定する(ステップS110)。所定時間a内に振動が検出されない場合、(ステップS110でNo)、本処理が終了する。一方、所定時間a内に振動が検出されると、認証処理部109は、操作指示受信タイミングと振動検出タイミングとが一致したと判定して、操作指示を送信した携帯端末5が操作台107に載せられた携帯端末であると認証し、認証有効時間を延長する(ステップS111)。つづいて認証処理部109は、携帯端末5からの操作指示に基づく動作制御を行い(ステップS112)、認証有効時間内に操作指示を受信したか判定する処理に戻る(ステップS109)。そして、携帯端末5によりユーザーの操作指示が受け付けられ(ステップS113)、操作指示が送信される(S114)毎に上記のステップS109からステップS112の処理が繰り返される。
【0041】
このように、上記処理では、携帯端末5を操作台107に載せて操作用APP521を起動させる操作を行うことにより、操作用APP521が起動して、携帯端末5から起動通知が画像形成装置1に送信される。画像形成装置1は、振動検出部108を介して操作用APP521の起動操作に伴う操作台107の振動を検出する。この操作台107の振動を検出したタイミングと、携帯端末5から送信された起動通知の受信タイミングとが一致すれば、画像形成装置1は起動通知を送信した携帯端末5が操作台107に載せられた携帯端末5であると認証し、認証した携帯端末5からの操作指示を受け付ける。これによれば、携帯端末5を操作台107に載せて操作用APP521を起動させる操作が認証操作となるため、ユーザーは簡単な操作で携帯端末5を画像形成装置1に認証させることができる。また、画像形成装置1は、操作台107の振動検出タイミングと携帯端末5から送信される起動通知受信タイミングとを用いて認証を行うので、簡単かつ確実に携帯端末5の認証処理を行うことができる。
【0042】
なお、上記処理において、画像形成装置1が振動を検出するタイミングと起動通知を受信するタイミングとは、ほぼ同じである。そのため、画像形成装置1が起動通知を受信してから所定時間a内に振動を検出したか判定するようにしてもよい。
図6を参照して具体的に説明する。
【0043】
携帯端末5の制御部54は、まず、操作部51を介して操作用APP521の起動操作が行われたか判定する(ステップS201)。操作用APP521の起動操作が行われると(ステップS201でYes)、制御部54は操作用APP521を起動する(ステップS202)。これにより、制御部54により操作用APP521が記憶部52から読み出されてRAMに展開され、制御部54が認証要求部541として機能する。認証要求部541は、通信部53を介して画像形成装置1に操作用APP521が起動したことを示す起動通知を携帯端末5の識別情報を含み送信する(ステップS203)。起動通知は、無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2を介して画像形成装置1に送信される。
【0044】
起動通知を受信すると、画像形成装置1の認証処理部109は、振動検出部108を介して起動通知の前後における所定時間a内に操作台107の振動を検出したか判定する(ステップS204)。所定時間a内に操作台107の振動を検出しなかった場合、認証処理部109は、通信部105を介して有線ネットワーク2、AP4及び無線ネットワーク9を経由で携帯端末5に認証失敗通知を送信する(ステップS205)。これを受けて、携帯端末5は、認証に失敗した旨のメッセージを表示する(ステップS206)。この場合、ユーザーは、携帯端末5を介して画像形成装置1の操作を行うことはできない。ユーザーは、再び操作用APP521の起動操作を行って(ステップS201)、再認証させることになる。
【0045】
一方、所定時間a内に操作台の振動を検出すると(ステップS204でYes)、認証処理部109は、起動通知受信タイミングと振動検出タイミングとが一致したと判定して、通信部105を介して有線ネットワーク2、AP4及び無線ネットワーク9を経由で携帯端末5に認証成功通知を送信する(ステップS207)。
【0046】
携帯端末5は、認証成功通知を受信すると、画像形成装置操作処理部524がユーザーの画像形成装置1に対する操作指示を受け付け(ステップS208)、通信部53を介して無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2経由で、画像形成装置1に操作指示を携帯端末5の識別情報を含み送信する(ステップS209)。
【0047】
画像形成装置1の認証処理部109は、認証有効時間内に識別情報に基づき携帯端末5からの操作指示を受信したか判定する(ステップS210)。認証有効時間内に操作指示が受信されない場合(ステップS210でNo)、本処理が終了する。一方、認証有効時間内に操作指示を受信すると(ステップS210でYes)、認証処理部109は、振動検出部108を介して操作指示の受信前後における所定時間a内に振動を検出したか判定する(ステップS211)。所定時間a内に振動が検出されない場合、(ステップS211でNo)、本処理が終了する。一方、所定時間a内に振動が検出されると、認証処理部109は、操作指示受信タイミングと振動検出タイミングとが一致したと判定して、操作指示を送信した携帯端末5が操作台107に載せられた携帯端末であると認証し、認証有効時間を延長する(ステップS212)。つづいて認証処理部109は、携帯端末5からの操作指示に基づく動作制御を行い(ステップS213)、認証有効時間内に操作指示を受信したか判定する処理に戻る(ステップS210)。そして、携帯端末5によりユーザーの操作指示が受け付けられ(ステップS214)、操作指示が送信される(S215)毎に上記のステップS210からステップS213の処理が繰り返される。
【0048】
<実施形態2>
図7〜9を参照して実施形態2の画像形成システム7000における画像形成装置71と携帯端末72について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。画像形成装置71は、操作台107に代えて操作台707(保持部の一例)が、振動検出部108に代えて傾き検出部708が、認証処理部109に代えて認証処理部709が設けられている点で実施形態1の画像形成装置1と異なる。また、携帯端末72は、認証要求部521に代えて認証要求部723が設けられている点と、新たに傾き検出部721が設けられている点が、実施形態1の携帯端末5と異なる。
【0049】
実施形態2の画像形成システム7000の携帯端末72は、予めインストールされた操作用APP521を起動すると、認証要求部723が自端末の傾斜角を検出して、携帯端末72の識別情報とともに起動通知に含めて画像形成装置71に送信する。画像形成装置71の認証処理部709は、携帯端末72から起動通知を受信すると、傾斜角検出部708を介して操作台707の傾斜角を検出し、操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とを用いて認証を行う。
【0050】
画像形成装置71は、
図7に示すように、可動可能に構成された操作台707の傾斜角を検出する傾き検出部721が設けられている。傾き検出部721は、加速度センサーやジャイロセンサー、アクチュエーター等で構成される。また、携帯端末72には、自端末の傾斜角を検出する傾き検出部721が設けられている。傾き検出部721は、加速度センサーやジャイロセンサー等で構成される。
【0051】
操作台707は、
図8に示すように、可動軸771を有しており、画像形成装置71の上下方向に可動可能に構成されるとともに任意の可動位置で固定可能に構成されている。また、操作台707には、操作台707上に置かれた携帯端末72が落ちないように支える支持部772が設けられている。
【0052】
以上の構成の画像形成システム7000における画像形成装置71と携帯端末72の認証制御について
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
携帯端末72の制御部54は、まず、操作部51を介して操作用APP521の起動操作が行われたか判定する(ステップS701)。操作用APP521の起動操作が行われると(ステップS701でYes)、制御部54は操作用APP521を起動する(ステップS702)。これにより、制御部54により操作用APP521が記憶部52から読み出されてRAMに展開され、制御部54が認証要求部723と画像形成装置操作処理部524して機能する。認証要求部723は、傾き検出部721を介して自端末の傾斜角を検出して取得し(ステップS703)、通信部53を介して画像形成装置71に操作用APP521が起動したことを示す起動通知に傾斜角情報と携帯端末72の識別情報を含めて送信する(ステップS704)。起動通知は、無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2を介して画像形成装置71に送信される。
【0054】
画像形成装置71の認証処理部709は、起動通知を受信すると、傾き検出部708を介して操作台707の傾斜角を検出する(ステップS705)。
【0055】
つづいて、認証処理部709は、操作台707の傾斜角と携帯端末72から受信した携帯端末72の傾斜角とが一致するか判定する(ステップS706)。操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とが一致しない場合(ステップS706でNo)、認証処理部709は、無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2を介して携帯端末72に認証失敗通知を送信する(ステップS707)。これを受けて、携帯端末72は、認証に失敗した旨のメッセージを表示する(ステップS708)。この場合、ユーザーは、携帯端末72を介して画像形成装置71の操作を行うことはできない。ユーザーは、再び操作用APP521の起動操作を行って(ステップS701)、再認証させることになる。
【0056】
一方、操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とが一致すると(ステップS706でYes)、認証処理部709は、通信部105を介して有線ネットワーク2、AP4及び無線ネットワーク9を介して携帯端末72に認証成功通知を送信する(ステップS709)。携帯端末72は、認証成功通知を受信すると、画像形成装置操作処理部524がユーザーの画像形成装置71に対する操作指示を受け付け(ステップS710)、傾き検出部721を介して自端末の傾斜角を検出し(ステップS711)、通信部53を介して無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2経由で、操作指示に自端末の傾斜角と識別情報を含めて送信する(ステップS712)。
【0057】
画像形成装置71の認証処理部709は、識別情報に基づき認証有効時間内に携帯端末72からの操作指示を受信したか判定する(ステップS713)。認証有効時間内に操作指示が受信されない場合(ステップS713でNo)、本処理が終了する。一方、認証有効時間内に操作指示を受信すると(ステップS713でYes)、認証処理部709は、傾き検出部708を介して操作台707の傾きを検出する(ステップS714)。つづいて、認証処理部109は、操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とが一致するか判定し(ステップS715)、一致しない場合(ステップS715でNo)、本処理を終了する。操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とが一致すると(ステップS715でYes)、認証処理部709は、操作指示を送信した携帯端末72が操作台707に載せられた携帯端末であると認証し、認証有効時間を延長する(ステップS716)。つづいて、認証処理部709は、携帯端末72からの操作指示に基づく動作制御を行い(ステップS717)、認証有効時間内に操作指示を受信したか判定する処理に戻る(ステップS713)。その後、携帯端末72によりユーザーの操作指示が受け付けられ(ステップS718)、携帯端末72の傾斜角が検出され(ステップS719)、操作指示が送信される(S720)毎に上記のステップS713からステップS717の処理が繰り返される。
【0058】
このように、上記処理では、携帯端末72を操作台707に載せて操作用APP521を起動させる操作を行うことにより、操作用APP521が起動して、携帯端末72の傾斜角が検出され、起動通知に傾斜角情報が含まれて画像形成装置71に送信される。画像形成装置71は、起動通知を受信すると操作台707の傾斜角を検出する。この操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とが一致すると、画像形成装置71は起動通知を送信した携帯端末72が操作台707に載せられた携帯端末72であると認証し、認証した携帯端末72からの操作指示を受け付ける。これによれば、携帯端末72を操作台707に載せて操作用APP521を起動させる操作が認証操作となるため、ユーザーは簡単な操作で携帯端末72を画像形成装置71に認証させることができる。また、画像形成装置71は、操作台707の傾斜角と携帯端末72の傾斜角とを用いて認証を行うので、簡単かつ確実に認証処理を行うことができる。
【0059】
<実施形態3>
図10〜12を参照して実施形態3の画像形成システム8000における画像形成装置81と携帯端末82について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。画像形成装置81は、振動検出部108に代えて磁場発生器808が、認証処理部109に代えて認証処理部809が設けられている点で実施形態1の画像形成装置1と異なる。また、携帯端末82は、認証要求部521に代えて認証要求部823が設けられている点と、新たに磁気検出部821が設けられている点が、実施形態1の携帯端末5と異なる。
【0060】
画像形成システム8000は、携帯端末82が、予めインストールされた操作用APP521を起動させると、認証要求部823が起動通知を携帯端末82の識別情報を含み画像形成装置81に送信する。画像形成装置81の認証処理部809は、携帯端末82から起動通知を受信すると、磁場発生器809を介して操作台107に磁場を発生させる。認証要求部823は、磁気検出部821により磁気の変化を検出すると、その旨を画像形成装置81に携帯端末82の識別情報を含み送信する。認証処理部809は、操作台107に磁場を発生させてから所定時間b内に携帯端末82から磁気の変化を検出した旨の通知を受信すると、起動通知を送信した携帯端末82が操作台107に載せられた携帯端末82であると認証し、認証した携帯端末82からの操作指示を受け付ける。
【0061】
画像形成装置81は、
図10、
図11に示すように、操作台107の周囲に磁場を発生させる磁場発生器808を有している。磁場発生器808は、例えば、コイルを有し、コイルに電流を流すことで操作台107の周囲に磁場を発生させる。また、携帯端末82の磁気検出部821は、地磁気センサー等で構成され、携帯端末82の周囲の磁気を検出する。
【0062】
以上の構成の画像形成システム8000における画像形成装置81と携帯端末82の認証制御について
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
携帯端末82の制御部54は、まず、操作部51を介して操作用APP521の起動操作が行われたか判定する(ステップS801)。操作用APP521の起動操作が行われると(ステップS801でYes)、制御部54は操作用APP521を起動する(ステップS802)。これにより、制御部54により操作用APP521が記憶部52から読み出されてRAMに展開され、制御部54が認証要求部823、画像形成装置操作処理部524として機能する。つづいて、認証要求部823は、通信部53を介して画像形成装置81に操作用APP521が起動したことを示す起動通知を携帯端末82の識別情報を含み送信する(ステップS803)。起動通知は、無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2を介して画像形成装置81に送信される。
【0064】
画像形成装置81の認証処理部809は、起動通知を受信すると、磁場発生器808を介して操作台107に磁場を発生させる(ステップS804)
【0065】
操作台107に磁場が発生すると、携帯端末82の認証要求部823は、磁気検出部821を介して磁気の変化を検出する(ステップS805)。つづいて、認証要求部823は、通信部53を介して無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2経由で、磁気の変化を検出した旨を示す磁気変化検出通知を携帯端末82の識別情報を含み画像形成装置81に送信する(ステップS806)。
【0066】
一方、画像形成装置81の認証処理部809は、操作台107に磁場を発生させてから所定時間b内(例えば5秒等)に磁気変化検出通知の割り込み信号が有ったか判定する(ステップS807)。
【0067】
磁気変化検出通知を受信しないまま所定時間bが経過すると(ステップS807でNo)、認証処理部809は、通信部105を介して有線ネットワーク2、AP5及び無線ネットワーク9経由で携帯端末82に認証失敗通知を送信する(ステップS808)。これを受けて、携帯端末82は、認証に失敗した旨のメッセージを表示する(ステップS809)。この場合、ユーザーは、携帯端末82を介して画像形成装置81の操作を行うことはできない。ユーザーは、再び操作用APP521の起動操作を行って(ステップS801)、再認証させることになる。
【0068】
一方、識別情報に基づき携帯端末82から磁気変化検出通知を受信すると(ステップS807でYes)、認証処理部809は、通信部105を介して有線ネットワーク2、AP5及び無線ネットワーク9経由で携帯端末82に認証成功通知を送信する(ステップS810)。携帯端末82は、認証成功通知を受信すると、画像形成装置操作処理部524がユーザーの画像形成装置81に対する操作指示を受け付け(ステップS811)、通信部53を介して無線ネットワーク9、AP4及び有線ネットワーク2経由で、操作指示を携帯端末82の識別情報を含み送信する(ステップS812)。
【0069】
画像形成装置81の認証処理部809は、識別情報に基づき認証有効時間内に携帯端末82からの操作指示を受信したか判定する(ステップS813)。認証有効時間内に操作指示が受信されない場合(ステップS813でNo)、本処理が終了する。
【0070】
一方、認証有効時間内に操作指示を受信すると(ステップS813でYes)、認証処理部809は、磁場発生器808を介して操作台107に磁場を発生させる(ステップS814)。携帯端末82の認証要求部823は、磁気検出部821を介して磁気の変化を検出すると(ステップS815)、磁気変化検出通知を携帯端末82の識別情報を含み送信する(ステップS816)。
【0071】
画像形成装置81の認証処理部809は、識別情報に基づき所定時間b内に磁気変化検出通知を受信できなかった場合、(ステップS817でNo)、本処理が終了する。一方、認証処理部809は、識別情報に基づき所定時間b内に磁気変化検出通知を受信すると、操作指示を送信した携帯端末82が操作台107に載せられた携帯端末であると認証し、認証有効時間を延長する(ステップS818)。つづいて、認証処理部809は、携帯端末82からの操作指示に基づく動作制御を行い(ステップS819)、認証有効時間内に操作指示を受信したか判定する処理に戻る(ステップS813)。その後、携帯端末82によりユーザーの操作指示が受け付けられ(ステップS820)、操作指示が送信される(S821)毎に上記のステップS813からステップS819の処理が繰り返される。携帯端末82も、磁気の変化を検出する毎に(ステップS822)、磁気変化検出通知を携帯端末82の識別情報を含み送信する(ステップS823)。
【0072】
このように、上記処理では、携帯端末82を操作台107に載せて操作用APP521を起動させる操作を行うことにより、操作用APP521が起動して、起動通知が画像形成装置81に送信される。画像形成装置81は、起動通知を受信すると磁場発生器808を介して操作台107に磁場を発生させる。携帯端末82は、磁気検出部821を介して磁場の変化を検出すると、磁気変化検出通知を画像形成装置81に送信する。画像形成装置81は、操作台107に磁場を発生させてから所定時間b内に磁気変化検出通知を受信すると、起動通知を送信した携帯端末82が操作台107に載せられた携帯端末82であると認証し、認証した携帯端末82からの操作指示を受け付ける。これによれば、携帯端末82を操作台107に載せて操作用APP521を起動させる操作が認証操作となるため、ユーザーは簡単な操作で携帯端末82を画像形成装置81に認証させることができる。また、画像形成装置81は、操作台107に発生させた磁場を携帯端末82が検出したかにより認証を行うので、簡単かつ確実に携帯端末82を特定して認証処理を行うことができる。
【0073】
以上、実施形態1〜3では、携帯端末5、72、82から送信される起動通知や操作指示は、画像形成装置1、71、81に対する認証要求として機能しているが、これに限らず、認証要求部541、723、823は、操作部51を介して携帯端末5、72、82に対するユーザーの何らかの操作(例えば認証ボタンが押される等)を検出したときに、認証要求を画像形成装置1、71、81に送信して、認証要求を送信した携帯端末5、72、82が操作台107、707に載せられた携帯端末5、72、82であることを認証させてもよい。
【0074】
なお、実施形態1〜3において、認証処理部109、709、809が、携帯端末5、71、81に認証成功通知を送信すると、画像形成装置1、71、81は、認証した携帯端末5、72、82によって認証有効時間占有された状態となり、認証有効時間携帯端末5、72、82から送信される操作指示に基づいて動作制御され、他の携帯端末や操作部106からの操作を受け付けない状態となる。そして、認証有効時間が経過すると、画像形成装置1、71、81は、携帯端末5、72、82による占有状態を解除する。また、認証有効時間内であっても、操作指示を送信した携帯端末5、72、82が認証に失敗すると、携帯端末5、72、82による画像形成装置1、72、82の占有状態が解除される。
【0075】
また、前記のように操作指示ごとに認証を行わずに、最初の認証に成功した後は、その後の認証を行わずに、携帯端末の識別情報が一致すれば操作指示を受け付けるようにしても良い。こうすれば、最初に保持部に保持して携帯端末を認証させたあとは、ユーザが携帯端末を手に持って操作できるようになる。
【0076】
また、操作台は、携帯端末を載せない時は邪魔にならないように収納可能なように構成しても良い。
【0077】
また、本実施例においては携帯端末を保持する構成として操作台を例に挙げて説明を行ったが、携帯端末を操作する上で保持できればどのような構成でも良く、例えばクリップの様に挟みこんで保持する構成(保持部の他の一例)であっても構わない。
【0078】
なお、画像形成システム1000、7000、8000は、実施形態1〜3の1つ以上が組み合わされて構成されてもよい。
【0079】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々様々に変更が可能であることは言うまでもない。