(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
脂肪性物質が、流動ワセリン、ポリデセン、脂肪酸および/もしくは脂肪アルコールの液体エステル、液体脂肪アルコール、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による組成物は、標準的な漂白組成物と比較した場合に、著しく低濃度の過酸化塩および/もしくは過酸化水素、ならびに/またはより穏やかなpH条件、ならびに/またはより短い放置時間で、同等またはさらにはより高い明色化レベルを達成することを可能にする。本発明による組成物は、次いで、皮膚快適性および繊維保護の観点において利点を得ることを可能にする。
【0010】
同等の適用条件下で、本発明による組成物は、標準的漂白組成物と比較した場合に、特に明色化力および明色化効果の観点において漂白性能を大幅に改善することを可能にする。
【0011】
本発明は、上述した組成物を使用して、ケラチン繊維を明色化するための方法にも関する。
【0012】
本発明の対象はさらに、ヒトケラチン繊維への適用直前に、一緒に混合されて本発明による組成物を与えることが意図されている組成物を、区画のそれぞれに含有する多区画デバイスである。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、本明細書およびそれに続く実施例を読むことで、より明らかになる。
【0014】
以下の記述において、別段の指定しない限り、値の範囲の境界は、その範囲に含まれる。
【0015】
本発明の1つの特定の実施形態によると、本発明による組成物は、ヒトケラチン繊維を染色するために通常使用されるいかなる直接染料もしくはいかなる酸化染料前駆体(塩基およびカプラー)をも含まないか、あるいは、それらが存在する場合には、それらの総含有量は組成物の総重量に対して0.005重量%を超えない。具体的には、こうした含有量では該組成物だけが染色され、染色効果はケラチン繊維上では観察されない。
【0016】
本発明による組成物の化粧品として許容できる媒体は、水および/または1種もしくは複数の有機溶媒を含む媒体である。
【0017】
挙げることができる有機溶媒の例には、単独または混合物として、エタノール、イソプロパノール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、ネオペンチルグリコールおよび3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールならびにプロピレングリコールなど、2から10個の炭素原子を含む直鎖または分岐および好ましくは飽和のモノアルコールまたはジオール;ベンジルアルコールまたはフェニルエチルアルコールなどの芳香族アルコール;グリセロールなど、2個より多いヒドロキシル官能基を含有するポリオール;ポリオールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールまたはそれらのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル;ならびにジエチレングリコールアルキルエーテル、特にC
1〜C
4アルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルが含まれる。
【0018】
有機溶媒は、それらが存在する場合、一般に、染料組成物の総重量に対して1重量%から40重量%の間、好ましくは該染料組成物の総重量に対して5重量%から30重量%の間に相当する。
【0019】
水の濃度は、組成物の総重量の10%から70%、さらに良好には20%から55%の範囲であり得る。
【0020】
本発明による組成物は、液体、クリームもしくはゲルの形態、またはケラチン繊維および特にヒト毛髪を明色化するのに適当である任意の他の形態など、様々な形態であってよい。
【0021】
有利には、本発明による組成物は、ゲルまたはクリームの形態である。
【0022】
前述した通り、本発明による明色化組成物は、カルボン酸基を含まない1種または複数の脂肪性物質を少なくとも30重量%含む。
【0023】
本発明の目的のため、「脂肪性物質」という用語は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で水に不溶性である有機化合物を意味し、即ちそれは、5重量%、好ましくは1重量%、さらに優先的には0.1重量%未満の水溶性を有する。これらは、それらの構造中に、少なくとも6個の炭素原子または連続した少なくとも2個のシロキサン基を含む少なくとも1つの炭化水素系鎖を有する。さらに、この脂肪性物質は、同じ温度および圧力の条件下で、有機溶媒、例えばクロロホルム、エタノールまたはベンゼンに可溶性である。
【0024】
本発明の脂肪性物質はオキシアルキレン化されていない。
【0025】
好ましくは、本発明の脂肪性物質は、炭化水素、脂肪アルコール、脂肪エステル、シリコーンおよび脂肪エーテル、またはそれらの混合物から選択される。
【0026】
本発明の脂肪性物質は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体であっても非液体であってもよい。
【0027】
本発明の液体脂肪性物質は、好ましくは、25℃の温度および1s
-1のせん断速度で、2Pa.s以下、さらに良好には1Pa.s以下、さらに良好には0.1Pa.s以下の粘度を有する。
【0028】
「液体炭化水素」という用語は、炭素原子および水素原子だけで構成される炭化水素を意味し、これは、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体である。
【0029】
さらに特に、この液体炭化水素は以下から選択される。
- 直鎖または分岐の、任意選択により環式であってよいC
6〜C
16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカンおよびイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカンおよびイソデカンが含まれる。
- 揮発性または非揮発性の流動パラフィンおよびそれらの誘導体、ワセリン、流動ワセリン、ポリデセン、Parleam(登録商標)などの水素化ポリイソブテン、ならびにスクアランなどの、16個より多い炭素原子を含有する、無機、動物または合成由来の直鎖または分岐の炭化水素。
【0030】
1つの好ましい変形において、液体炭化水素は、揮発性または非揮発性の流動パラフィンおよびそれらの誘導体、ならびに流動ワセリンから選択される。
【0031】
「液体脂肪アルコール」という用語は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体である、非グリセロール化および非オキシアルキレン化脂肪アルコールを意味する。
【0032】
好ましくは、本発明の液体脂肪アルコールは、8個から30個の炭素原子を含む。
【0033】
本発明の液体脂肪アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。
【0034】
この飽和液体脂肪アルコールは、好ましくは分枝である。これらは任意選択により、それらの構造中に、少なくとも1つの芳香環または非芳香環を含むことができる。それらは好ましくは非環式である。
【0035】
さらに特に、本発明の液体飽和脂肪アルコールは、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールおよび2-ヘキシルデカノールから選択される。
【0036】
オクチルドデカノールが最も特に好ましい。
【0037】
これらの液体不飽和脂肪アルコールは、それらの構造中に少なくとも1個の二重結合または三重結合を有する。好ましくは、本発明の脂肪アルコールは、それらの構造中に1個または複数の二重結合を保有する。いくつかの二重結合が存在する場合、好ましくはそれらの2個または3個があり、それらは共役であっても非共役であってもよい。
【0038】
これらの不飽和脂肪アルコールは、直鎖であっても分岐であってもよい。
【0039】
それらは任意選択により、それらの構造中に少なくとも1個の芳香環または非芳香環を含むことができる。それらは好ましくは非環式である。
【0040】
さらに特に、本発明の液体不飽和脂肪アルコールは、オレイルアルコール、リノレニルアルコール、リノレニルアルコールおよびウンデシレニルアルコールから選択される。
【0041】
オレイルアルコールが最も特に好ましい。
【0042】
「液体脂肪エステル」という用語は、脂肪酸および/または脂肪アルコールから誘導されるエステルを意味し、それは、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体である。
【0043】
このエステルは、好ましくは、飽和または不飽和の直鎖または分岐のC
1〜C
26脂肪族モノ酸またはポリ酸の液体エステル、および飽和または不飽和の直鎖または分岐のC
1〜C
26脂肪族モノアルコールまたはポリアルコールの液体エステルであり、このエステルの合計炭素数は10以上である。
【0044】
好ましくは、モノアルコールのエステルに関して、本発明のエステルが誘導されるアルコールおよび酸の中で少なくとも1つは分枝である。
【0045】
モノ酸およびモノアルコールのモノエステルの中で、挙げることができるのは、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸エチルなどのミリスチン酸アルキル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソデシルおよびネオペンタン酸イソステアリルである。
【0046】
C
4〜C
22のジカルボン酸とトリカルボン酸およびC
1〜C
22アルコールとのエステル、ならびにモノ、ジまたはトリカルボン酸と非糖C
4〜C
26ジ、トリ、テトラまたはペンタヒドロキシアルコールとのエステルも使用することができる。
【0047】
特に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
【0048】
本組成物は、液体脂肪エステルとして、C
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸の糖エステルおよびジエステルも含むことができる。「糖」という用語は、アルデヒド官能基またはケトン官能基の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能基を含有する酸素保有炭化水素系化合物を意味し、これは少なくとも4個の炭素原子を含むことが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖または多糖であってよい。
【0049】
挙げることができる適当な糖の例には、スクロース(またはショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、ならびにそれらの誘導体、特にメチル誘導体などのアルキル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
【0050】
脂肪酸の糖エステルは、前述した糖類と、直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和のC
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸とのエステルまたはエステル混合物を含む群から特に選択することができる。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1個から3個の共役または非共役の炭素-炭素二重結合を有することができる。
【0051】
この変形態様のエステルは、モノ、ジ、トリ、テトラエステルおよびポリエステル、ならびにそれらの混合物から選択することもできる。
【0052】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレート、リノレネート、カプレートおよびアラキドネート、または、特にオレオパルミテート、オレオステアレートおよびパルミトステアレート混合エステルなどのそれらの混合物から選択することができる。
【0053】
モノエステルおよびジエステル、とりわけスクロース、グルコースまたはメチルグルコースのモノまたはジオレエート、ステアレート、ベヘネート、オレオパルミテート、リノレート、リノレネートおよびオレオステアレートを使用することがさらに特に好ましい。
【0054】
挙げることができる一例は、名称Glucate(登録商標)DOでAmerchol社によって販売されている製品であり、これはジオレイン酸メチルグルコースである。
【0055】
最後に、グリセロールと、モノ酸、ジ酸またはトリ酸との天然または合成のエステルも使用することができる。
【0056】
これらの中で、挙げることができるのは植物油である。
【0057】
本発明の組成物中に液体脂肪エステルとして使用することができる植物由来または合成のトリグリセリドの油として、挙げることができる例には以下が含まれる。
- 6個から30個の炭素原子を含む液体脂肪酸トリグリセリドなどの、植物または合成由来のトリグリセリド油、例えばヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリド、あるいは、例えばひまわり油、コーン油、大豆油、ペポカボチャ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカダミア油、アララ油、ひまわり油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社によって販売されているもの、または名称Miglyol(登録商標)810、812および818でDynamit Nobel社によって販売されているもの、ホホバ油ならびにシアバター油。
【0058】
モノアルコールから誘導される液体脂肪エステルが、本発明によるエステルとして好ましくは使用される。
【0059】
ミリスチン酸イソプロピルおよびパルミチン酸イソプロピルが特に好ましい。
【0060】
「液体シリコーン」という用語は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体であるオルガノポリシロキサンを意味する。
【0061】
好ましくは、このシリコーンは、液体ポリジアルキルシロキサン、特に液体ポリジメチルシロキサン(PDMS)、および、少なくとも1つのアリール基を含む液体ポリオルガノシロキサンから選択される。
【0062】
これらのシリコーンはオルガノ変性することもできる。本発明に従って使用することができるオルガノ変性は、上述により定義した通りのシリコーンであり、それらの構造中に、炭素水素系基を介して結合されている1個または複数のオルガノ官能基を含むシリコーンである。
【0063】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)Academic Pressにおいてより詳細に定義されている。それらは揮発性であっても非揮発性であってもよい。
【0064】
このシリコーンが揮発性である場合、このシリコーンは、さらに特に60℃から260℃の間の沸点を有するもの、さらに特に以下から選択される。
(i)3個から7個、好ましくは4個から5個のシリコン原子を含む環式ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特に名称Volatile Silicone(登録商標)7207でUnion Carbide によって、またはSilbione(登録商標)70045 V2でRhodiaによって販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、名称Silicone Volatile(登録商標)7158でUnion Carbideによって、Silbione(登録商標)70045 V5でRhodiaによって販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、および名称Silsoft 1217でMomentive Performance Materialsによって販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物である。
【0065】
さらに挙げることができるのは、Union Carbide社によって販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ3109などの、以下の式のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマーである。
【0067】
さらに挙げることができるのは、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびテトラトリメチルシリルペンタエリトリトール(50/50)の混合物、ならびにオクタメチルシクロテトラシロキサンおよびオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンの混合物など、環式ポリジアルキルシロキサンとオルガノシリコン化合物との混合物であり、
(ii)2個から9個のケイ素原子を含有し、25℃で5×10
-6m
2/s以下の粘度を有する、直鎖の揮発性ポリジアルキルシロキサンである。
一例は、特に名称SH200で東レシリコーン社によって販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この分類に属するシリコーン類は、Cosmetics and Toiletries、91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」において公表されている論文にも記載されている。このシリコーンの粘度は、25℃でASTM 基準 445 Appendix Cに従って測定される。
【0068】
非揮発性ポリジアルキルシロキサンも使用することができる。
【0069】
これらのシリコーンは、さらに特にポリジアルキルシロキサンから選択され、この中で挙げることができるのは、主に、トリメチルシリル末端基を含有するポリジメチルシロキサンである。
【0070】
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、非限定的な方法において挙げることができるのは、以下の市販製品である。
- 47および70 047シリーズのSilbione(登録商標)油、またはRhodiaによって販売されているMirasil(登録商標)油、例えば70 047 V 500 000油、
- Rhodia社によって販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- 60 000 mm
2/sの粘度を有するDC200などの、Dow Corning社の200シリーズの油、
- General ElectricからのViscasil(登録商標)油、およびGeneral ElectricからのSFシリーズ(SF 96、SF 18)の特定の油。
【0071】
さらに挙げることができるのは、Rhodia社の48シリーズの油などの、名称Dimethiconol (CTFA)で知られている、ジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサンである。
【0072】
アリール基を含有するシリコーンのうちで、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサンおよびポリアルキルアリールシロキサンがある。挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる。
Rhodiaからの70 641シリーズのSilbione(登録商標)油、
RhodiaからのRhodorsil(登録商標)70 633および763シリーズの油、
Dow CorningからのDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid油、
PK20製品などの、BayerからのPKシリーズのシリコーン、
SF 1023、SF 1154、SF 1250およびSF 1265などの、General ElectricからのSFシリーズの特定の油。
【0073】
オルガノ変性液体シリコーンは、特に、ポリエチレンオキシ基および/またはポリプロピレンオキシ基を含有することができる。挙げることができるのは、したがって、信越によって提案されているシリコーンKF-6017、ならびにUnion Carbide社のSilwet(登録商標)L722およびL77油である。
【0074】
液体脂肪酸は、好ましくは、不飽和および/または分枝の脂肪酸である。挙げることができるのは、特にオレイン酸である。
【0075】
液体脂肪エステルは、ジカプリリルエーテルなどの液体ジアルキルエーテルから選択される。
【0076】
脂肪性物質は、室温および大気圧で非液体であってよい。
【0077】
「非液体」という用語は、好ましくは、25℃の温度および1s
-1のせん断速度で2Pa.sより大きい粘度を有する固体化合物または化合物を意味する。
【0078】
さらに特に、非液体脂肪性物質は、脂肪アルコール、脂肪酸および/または脂肪アルコールのエステル、非シリコーンワックス、シリコーンならびに脂肪エーテルから選択され、これらは非液体であり、好ましくは固体である。
【0079】
本発明における使用に適当である非液体脂肪アルコールは、さらに特に、8個から30個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分岐のアルコールから選択される。挙げることができるのは、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)である。
【0080】
脂肪酸および/または脂肪アルコールの非液体エステルに関して、挙げることができるのは、特に、C
9〜C
26脂肪酸およびC
9〜C
26脂肪アルコールから誘導される固体エステルである。
【0081】
これらのエステルの中で、挙げることができるのは、ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;オクタン酸ステアリル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;ステアリン酸ミリスチル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;ミリスチン酸セチル、ミリスチルまたはステアリルなどのミリスチン酸アルキル;ステアリン酸ヘキシルである。
【0082】
この変形態様において、C
4〜C
22のジカルボン酸またはトリカルボン酸およびC
1〜C
22アルコールのエステル、ならびにモノ、ジまたはトリカルボン酸およびC
2〜C
26のジ、トリ、テトラまたはペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用することができる。
【0083】
挙げることができるのは、特に、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、マレイン酸ジオクチルである。
【0084】
上に挙げた全ての追加のエステルの中で、パルミチン酸ミリスチル、セチルまたはステアリル、ミリスチン酸セチルなどのミリスチン酸アルキル、およびミリスチン酸ステアリルまたはミリスチルを使用することが好ましい。
【0085】
(非シリコーン)ワックスは、カルナバワックス、キャンデリラワックス、エスパルトグラスワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、植物ワックス、例えばオリーブワックス、イネワックス、水素化ホホバワックス、またはBertin社(France)によって販売されているクロフサスグリのエッセンシャルワックス(essential wax)などの花の純粋ワックス(absolute waxes)、動物ワックス、例えば蜜蝋、または変性蜜蝋(セラベリナ(cerabellina))から特に選択され、本発明に従って使用してよい他のワックスまたは蝋質の出発原料は、特に、Sophim社によって参照名M82で販売されている製品などの海洋性ワックス、および、一般的なポリエチレンまたはポリオレフィンのワックスである。
【0086】
本発明に従って使用してよい非液体シリコーンは、ワックス、樹脂またはガムの形態であってよい。
【0087】
好ましくは、非液体シリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、ならびに、ポリ(オキシアルキレン)基、アミノ基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1個の官能基を含むオルガノ修飾ポリシロキサンから選択される。
【0088】
本発明に従って使用することができるシリコーンガムは、特に、200000から1000000の間の高い数平均分子量を有するポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンであり、単独で使用されるか、または溶媒中の混合物として使用される。この溶媒は、揮発性のシリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)油、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカンおよびトリデカン、またはそれらの混合物から選択することができる。
【0089】
本発明に従ってさらに特に使用することができる製品は、以下などの混合物である。
- 鎖末端がヒドロキシル化されているポリジメチルシロキサン、またはジメチコノール(CTFA)から形成される混合物、およびDow Corning社によって販売されている製品Q2 1401などの、シクロメチコン(CTFA)としても知られている環式ポリジメチルシロキサンから形成される混合物。
- General Electric社の製品SF 1214 Silicone Fluidなどの、環式シリコーンを有するポリジメチルシロキサンガムから形成される混合物。この製品は、ジメチコンに対応し、500000の数平均分子量を有し、デカメチルシクロペンタシロキサンに対応する油SF 1202 Silicone Fluid中に溶解されているSF 30ガムである。
- General Electric社の製品SF 1236などの、異なる粘度を有する2種のPDMSの混合物、さらに特にPDMSガムおよびPDMS油の混合物。製品SF 1236は、上記で定義した20m
2/sの粘度を有するガムSE 30と、5×10
-6m
2/sの粘度を有する油SF 96との混合物である。この製品は、好ましくは、ガムSE 30を15%および油SF 96を85%含む。
【0090】
本発明に従って使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂は、以下の単位:
R2SiO2/2、R3SiO1/2、RSiO3/2およびSiO4/2
を含有する架橋シロキサン系であり、ここで、Rは、1個から16個の炭素原子を含有するアルキルを表す。これらの生成物の中で、特に好ましいものは、RがC
1〜C
4低級アルキル基、さらに特にメチルを示すものである。
【0091】
これらの樹脂の中で、挙げることができるのは、名称Dow Corning 593で販売されている製品、または名称Silicone Fluid SS 4230およびSS 4267でGeneral Electric社によって販売されている製品であり、これらは、ジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンである。
【0092】
さらに挙げることができるのは、特に名称X22-4914、X21-5034およびX21-5037で信越社によって販売されているトリメチルシロキシシリケート型樹脂である。
【0093】
追加のオルガノ変性シリコーンの中で、挙げることができるのは、以下を含むポリオルガノシロキサンである。
- 置換または非置換のアミノ基を含むもの、例えば名称Q2 8220およびDow Corning 929または939でDow Corning社によって販売されている製品。置換アミン基は、特に、C
1〜C
4アミノアルキル基である。
- アルコキシ化基を含むもの、例えば名称Abil Wax(登録商標)2428、2434および2440でGoldschmidt社によって販売されている製品。
【0094】
非液体脂肪エステルは、単独または混合物として、ジアルキルエーテル、および特にジセチルエーテルおよびジステアリルエーテルから選択される。
【0095】
好ましくは、本発明の組成物は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体である1種または複数の脂肪性物質を、任意選択により同条件下で非液体である1種または複数の脂肪性物質と組み合わせて含有する。
【0096】
好ましくは、脂肪性物質は、流動ワセリン、ポリデセン、ならびに脂肪酸および/もしくは脂肪アルコールの液体エステル、またはそれらの混合物から選択される。
【0097】
本発明による組成物は、脂肪性物質を少なくとも30重量%含む。
【0098】
本発明の1つの特定の実施形態によると、本組成物は、脂肪性物質を少なくとも35重量%含む。本発明による組成物は、さらに特に、組成物の重量に対して30重量%から80重量%、さらに良好には30重量%から60重量%、さらに優先的には35重量%から60重量%の範囲である脂肪性物質含有量を有する。
【0099】
本発明による組成物は、1種または複数の過酸化塩も含む。
【0100】
本発明による組成物中に存在する過酸化塩は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩および過酸化物、ならびにそれらの混合物から選択することができる。過硫酸塩およびそれらの混合物が好ましくは使用され、より優先的にはナトリウム、カリウムおよびアンモニウムの過硫酸塩、ならびにそれらの混合物が使用される。
【0101】
本発明による組成物における過酸化塩の濃度は、組成物の総重量に対して一般に1重量%から35重量%の間、好ましくは3重量%から20重量%の間である。
【0102】
本発明による組成物は、1種または複数の塩基性化剤も含む。
【0103】
この薬剤は、無機もしくは有機もしくはハイブリッドの塩基性化剤、またはそれらの混合物から選択することができる。
【0104】
無機塩基性化剤は、好ましくは、アンモニア水、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または重炭酸塩、水酸化ナトリウムまたはカリウム、およびメタケイ酸ナトリウムまたはカリウム、ならびにそれらの混合物などの、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩から選択される。
【0105】
有機塩基性化剤は、好ましくは、25℃で12未満、好ましくは10未満、さらに有利には6未満のpKbを有する有機アミンから選択される。それは最も高い塩基性の機能に対応するpKbであることに留意すべきである。
【0106】
挙げることができるハイブリッド化合物には、炭酸または塩酸などの酸と前述のアミンとの塩が含まれる。
【0107】
25℃で12未満のpKbを有する上述の有機アミンは、例えば、アルカノールアミン、オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化エチレンジアミン、アミノ酸、ならびに下記式(I):
【0109】
の化合物から選択され、式中、Wは、ヒドロキシル基またはC
1〜C
6アルキル基で任意選択により置換されていてよいC
1〜C
6アルキレン残基であり、同一または異なっていてよいRx、Ry、RzおよびRtは、水素原子、またはC
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル基もしくはC
1〜C
6アミノアルキル基を表す。
【0110】
挙げることができるこうしたアミンの例には、1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、スペルミンおよびスペルミジンが含まれる。
【0111】
「アルカノールアミン」という用語は、第1級、第2級または第3級アミン官能基と、1個または複数のヒドロキシル基を保有する1個または複数の直鎖または分岐のC
1〜C
8アルキル基とを有する、有機アミンを意味する。
【0112】
1個から3個の同一または異なるC
1〜C
4ヒドロキシアルキル基を含むモノ、ジまたはトリアルカノールアミンなどのアルカノールアミンは、本発明の実施に特に適当である。
【0113】
この型の化合物の中で、挙げることができるのは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-ジメチルアミノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオールおよびトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンである。
【0114】
さらに特に、使用することができるアミノ酸は、L、Dまたはラセミ体における天然または合成由来のものであり、特にカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびリン酸官能基から選択される少なくとも1つの酸官能基を含む。このアミノ酸は、それらの中性またはイオンの形態であってよい。
【0115】
本発明において使用することができるアミノ酸として、挙げることができるのは、特に、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンである。
【0116】
有利には、アミノ酸は、任意選択により環またはウレイド官能基中に含まれる追加のアミン官能基を含む塩基性アミノ酸である。
【0117】
こうした塩基性アミノ酸は、好ましくは、下記式(II):
【0119】
に対応するものから選択され、式中、Rは、以下から選択される基を示す。
【0121】
式(II)に対応する化合物は、ヒスチジン、リシン、アルギニン、オルニチンおよびシトルリンである。
【0122】
有機アミンは、複素環式型の有機アミンから選択することもできる。アミノ酸においてすでに述べたヒスチジンの他に、挙げることができるのは、特に、ピリジン、ピペリジン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾールおよびベンズイミダゾールである。
【0123】
有機アミンは、アミノ酸ジペプチドから選択することもできる。本発明において使用することができるアミノ酸ジペプチドとして、挙げることができるのは、特に、カルノシン、アンセリンおよびバレインである。
【0124】
有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物から選択することもできる。本発明において使用することができるこの型のアミンとして、アミノ酸としてすでに述べたアルギニンの他に、挙げることができるのは、特に、クレアチン、クレアチニン、1,1-ジメチルグアニジン、1,1-ジエチルグアニジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、N-アミジノアラニン、3-グアニジノプロピオン酸、4-グアニジノ酪酸および2-([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン-1-スルホン酸である。
【0125】
挙げることができるのは、特に、ハイブリッド化合物として炭酸グアニジンまたはモノエタノールアミン塩酸塩の使用である。
【0126】
有機アミンは、好ましくは、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸から、より有利にはアルカノールアミンから選択される。
【0127】
またさらに優先的には、有機アミンはモノエタノールアミンである。
【0128】
本発明による組成物のpHは、有利には、7から12の間および好ましくは8から11の間である。
【0129】
それは、ケラチン繊維の明色化に通常使用される酸性化剤または塩基性化剤を使用して所望の値に調節することができる。
【0130】
塩基性化剤は、例えば、前述したものである。
【0131】
挙げることができる酸性化剤の例には、無機酸または有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、カルボン酸、例えば酒石酸、クエン酸もしくは乳酸、またはスルホン酸が含まれる。
【0132】
本発明による組成物は過酸化水素も含む。
【0133】
過酸化水素は、本発明による組成物中に、組成物の総重量に対して1重量%から12重量%の間の量で存在する。
【0134】
過酸化塩/過酸化水素の重量比は0.2以上である。前記比は、好ましくは0.2から10、さらに良好には0.5から5、さらに良好には1から3の範囲である。
【0135】
本発明による組成物は、1種または複数の界面活性剤も含むことができる。
【0136】
好ましくは、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤から選択される。
【0137】
「アニオン性界面活性剤」という用語は、イオン性基またはイオン化性基として、アニオン性基だけを含む界面活性剤を意味する。これらのアニオン性基は、好ましくは、以下の基:CO
2H、CO
2-、SO
3H、SO
3-、OSO
3H、OSO
3-、H
2PO
3,HPO
3-、PO
32-、H
2PO
2、HPO
2、HPO
2-、PO
2-、POH、PO
-から選択される。
【0138】
本発明による組成物において使用することができるアニオン性界面活性剤の例として、挙げることができるのは、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、アルキルスルホアセテート、アシルサルコシネート、アシルグルタミネート、アルキルスルホスクシナメート、アシルイセチオネートおよびN-アシルタウレート、ポリグリコシド-ポリカルボン酸のアルキルモノエステルの塩、アシルラクチレート、D-ガラクトシド-ウロン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルアリールエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ならびに全てのこれらの化合物の対応する非塩化形態であり、全てのこれらの化合物のアルキル基およびアシル基は6個から24個の炭素原子を含み、アリール基はフェニル基を示す。
【0139】
これらの化合物はオキシエチレン化することができ、次いで好ましくは1個から50個のエチレンオキシド単位を含む。
【0140】
ポリグリコシド-ポリカルボン酸のC
6〜C
24アルキルモノエステルの塩は、C
6〜C
24アルキルポリグリコシド-クエン酸塩、C
6〜C
24アルキルポリグリコシド-酒石酸塩およびC
6〜C
24アルキルポリグリコシド-スルホコハク酸塩から選択することができる。
【0141】
アニオン性界面活性剤が塩形態である場合、それらは、ナトリウム塩またはカリウム塩、好ましくはナトリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、特にアミノアルコール塩、またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩から選択することができる。
【0142】
特に挙げることができるアミノアルコール塩の例には、モノ、ジおよびトリエタノールアミン塩、モノ、ジまたはトリイソプロパノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩ならびにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩が含まれる。
【0143】
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩またはマグネシウム塩が好ましくは使用される。
【0144】
非イオン性界面活性剤は、さらに特に、モノオキシアルキレン化またはポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化またはポリグリセロール化されている非イオン性界面活性剤から選択される。オキシアルキレン単位は、さらに特に、オキシエチレン単位もしくはオキシプロピレン単位、またはそれらの組合せ、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0145】
挙げることができるオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例には、以下が含まれる。
- オキシアルキレン化(C
8〜C
24)アルキルフェノール、
- 飽和または不飽和の直鎖または分岐のオキシアルキレン化C
8〜C
30アルコール、
- 飽和または不飽和の直鎖または分岐のオキシアルキレン化C
8〜C
30アミド、
- 飽和または不飽和の直鎖または分岐のC
8〜C
30酸およびポリエチレングリコールのエステル、
- 飽和または不飽和の直鎖または分岐のC
8〜C
30酸およびソルビトールのポリオキシエチレン化エステル、
- 飽和または不飽和のオキシエチレン化植物油、
- オキシアルキレン化シリコーン、
- とりわけ単独または混合物としての、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの縮合物。
【0146】
界面活性剤は、1から100の間、好ましくは2から50の間、好ましくは2から30の間のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのモル数を含有する。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を含まない。
【0147】
本発明の1つの好ましい実施形態によると、オキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、1molから100molのエチレンオキシドを含むオキシエチレン化C
8〜C
30アルコール、1molから100molのエチレンオキシドを含む直鎖または分岐の飽和または不飽和のC
8〜C
30酸とソルビトールとのポリオキシエチレン化エステルから選択される。
【0148】
モノグリセロール化またはポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化またはポリグリセロール化C
8〜C
40アルコールが好ましくは使用される。
【0149】
特に、モノグリセロール化またはポリグリセロール化C
8〜C
40アルコールは、以下の式:
RO-[CH
2-CH(CH
2OH)-O]
m-H
に対応し、式中、Rは、直鎖または分岐のC
8〜C
40、好ましくはC
8〜C
30のアルキル基またはアルケニル基を表し、mは、1から30、好ましくは1から10の範囲である数を表す。
【0150】
本発明において適当である化合物の例として挙げることができるのは、4molのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名称:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名称:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名称:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するオレオセチル(oleocetyl)アルコール、および6molのグリセロールを含有するオクタデカノールである。
【0151】
アルコールは、アルコールの混合物を表すことができ、同様に、mの値は統計的な値を表し、これは、市販の製品において、いくつかの種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存している場合があることを意味する。
【0152】
モノグリセロール化またはポリグリセロール化アルコールの中で、1molのグリセロールを含有するC
8/C
10アルコール、1molのグリセロールを含有するC
10/C
12アルコール、および1.5molのグリセロールを含有するC
12アルコールを使用することがさらに特に好ましい。
【0153】
好ましくは、本組成物中に任意選択により存在する界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。
【0154】
本組成物中の界面活性剤含有量は、さらに特に、組成物の重量に対して0.1重量%から50重量%、好ましくは0.5重量%から30重量%に相当する。
【0155】
本発明による組成物は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性もしくは両イオン性のポリマーまたはそれらの混合物;抗酸化剤;浸透剤;捕捉剤;香料;分散剤;膜形成剤;セラミド;保存剤;乳白剤などの、毛髪明色化組成物中に従来使用されている様々なアジュバントを含有することもできる。
【0156】
上記アジュバントは、一般に、それらのそれぞれが本組成物の重量に対して0.01重量%から20重量%の間の量で存在する。
【0157】
本組成物は、1種または複数の煙霧シリカを含むことができる。
【0158】
煙霧シリカは、微粉シリカを生成する酸素水素炎中における揮発性シリコン化合物の高温加水分解によって得ることができる。この方法は、それらの表面に多数のシラノール基を有する親水性のシリカを得ることを特に可能にする。こうした親水性のシリカは、例えば、名称Aerosil 130(登録商標)、Aerosil 200(登録商標)、Aerosil 255(登録商標)、Aerosil 300(登録商標)およびAerosil 380(登録商標)でDegussa社によって、およびCab-O-SilHS-5(登録商標)、Cab-O-SilEH-5(登録商標)、Cab-O-SilLM-130(登録商標)、Cab-O-SilMS-55(登録商標)およびCab-O-SilM-5(登録商標)でCabot社によって販売されている。
【0159】
シラノール基の数を低減するために、化学反応を介してシリカの表面を化学的に修飾することが可能である。シラノール基を疎水性基で置換することが特に可能であり、これによって疎水性シリカが得られる。
【0160】
この疎水性基は以下であってよい。
- 特にヘキサメチルジシラザンの存在下で煙霧シリカを処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。こうして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)に従って「シリル化シリカ」として知られている。それらは、例えば、参照名Aerosil R812(登録商標)でDegussa社によって、およびCab-O-SilTS-530(登録商標)でCabot社によって販売されている。
- 特にポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下で煙霧シリカを処理することによって得られるジメチルシリルオキシル基またはポリジメチルシロキサン基。こうして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)に従って「シリカジメチルシリレート」として知られている。それらは、例えば、参照名Aerosil R972(登録商標)およびAerosil R974(登録商標)でDegussa社によって、ならびにCab-O-SilTS-610(登録商標)およびCab-O-SilTS-720(登録商標)でCabot社によって販売されている。
【0161】
煙霧シリカは、好ましくは、例えば約5nmから200nmの範囲の、ナノメートルからマイクロメートルであってよい粒径を有する。
【0162】
煙霧シリカは、それが存在する場合、本組成物の重量に対して1重量%から30重量%に相当する。
【0163】
本組成物は、1種または複数の有機増粘剤も含むことができる。
【0164】
これらの増粘剤は、脂肪酸アミド(ココナツのモノエタノールアミドまたはジエタノールアミド、オキシエチレン化カルボン酸モノエタノールアミドアルキルエーテル)、セルロース系増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース)などのポリマー性増粘剤、グアーガムおよびその誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、微生物由来のガム(キサンタンガム、スクレログルカンガム)、アクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマーおよび会合性ポリマー(水性媒体中で、互いにまたは他の分子と可逆的に結合することができる、親水性領域および脂肪鎖疎水性領域(少なくとも10個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル)を含むポリマー)から選択することができる。
【0165】
1つの特定の実施形態によると、有機増粘剤は、セルロース系増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース)、グアーガムおよびその誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、微生物由来のガム(キサンタンガム、スクレログルカンガム)ならびにアクリル酸またはアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマーから、好ましくは、特にヒドロキシエチルセルロースを有するセルロース系増粘剤から選択される。
【0166】
存在する場合、有機増粘剤の含有量は、本組成物の重量に対して通常0.01重量%から20重量%、好ましくは0.1重量%から5重量%の範囲である。
【0167】
本発明の組成物は、少なくとも2種もしくはさらには3種の異なる組成物、または任意選択により3種より多い異なる組成物を混合することによって得ることができる。混合することによって本発明の組成物をもたらす組成物の1種または複数は無水であってよい。本発明による組成物は、ヒトケラチン繊維に適用される直前に調製されることに留意するべきであり、それゆえそれは「使用準備済(ready-to-use)組成物」と称される。
【0168】
第1の変形によると、本発明による組成物は、1種または複数の過酸化塩および1種または複数の塩基性化剤を含む第1組成物ならびにヒドロペルオキシドを含む第2組成物の少なくとも2種の組成物を混合することによって得られ、脂肪性物質は、第1組成物および/または第2組成物および/または第3組成物中に存在する。
【0169】
第2の変形によると、本発明による組成物は、1種または複数の過酸化塩を含む第1組成物、1種または複数の塩基性化剤を含む第2組成物、およびヒドロペルオキシドを含む第3組成物の少なくとも3種の組成物を混合することによって得られ、脂肪性物質は、第1組成物および/または第2組成物および/または第3組成物および/または第4組成物中に存在する。
【0170】
上述の組成物の成分およびその含有量は、本発明による最終組成物に関して上に詳述した特徴に応じて決定される。
【0171】
上述の変形のそれぞれにおいて、過酸化塩を含む該組成物は無水であり、粉末またはペーストの形態であってよい。
【0172】
本発明の目的のため、「無水組成物」という用語は、前記組成物の重量に対して5重量%未満、好ましくは2重量%未満、いっそう好ましくは1重量%未満の水含有量を有する組成物を意味する。組成物中に存在する水は、さらに特に、塩における結晶化の水などの「結合水」、または本発明による組成物の調製に使用された出発原料によって吸収された微量の水であることに留意するべきである。
【0173】
上述の変形のそれぞれにおいて、過酸化水素を含む組成物は無水であってよい。それは好ましくは水性組成物である。それゆえそれは、水溶液の形態、またはそれが1種または複数の脂肪性物質を含む場合、直接もしくは逆エマルジョンの形態であってよい。
【0174】
本発明の目的のため、水性組成物は、5重量%を超える水、好ましくは10重量%を超える水、およびまたさらに有利には20重量%を超える水を含む。
【0175】
それは、前に列挙されているものから選択される1種または複数の有機溶媒も含むことができ、これらの溶媒は、さらに特に、それらが存在する場合には、酸化性組成物の重量に対して1重量%から40重量%、および好ましくは5重量%から30重量%に相当する。
【0176】
過酸化水素を含む組成物も、好ましくは、1種または複数の酸性化剤を含む。酸性化剤は、例えば、前に記載されているものである。
【0177】
通常、過酸化水素を含む組成物のpHは7未満である。
【0178】
過酸化水素濃度は、一般に、それを含む組成物の重量に対して0.1%から50%の間、さらに特に0.5%から20%の間、さらに優先的には1重量%から15重量%の間の範囲である。
【0179】
本発明による明色化方法は、本発明による組成物を湿潤または乾燥ヒトケラチン繊維に適用することを含む。
【0180】
この組成物は、次いで、通常1分から1時間、および好ましくは5分から30分の範囲の時間の間適所に放置される。
【0181】
この方法における温度は、通常、好ましくは室温(15℃から25℃の間)から80℃の間、および好ましくは室温から60℃の間である。
【0182】
この処理の後、ヒトケラチン繊維は、任意選択により水で濯ぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄し、次いで水で濯いだ後、乾燥するかまたは放置することによって乾燥させる。
【0183】
本発明の対象は、同様に、第1区画中に、1種または複数の過酸化塩および1種または複数の塩基性化剤を含む第1組成物を含み、第2区画中に、過酸化水素を含む第2組成物を含み、脂肪性物質が、第1組成物中に、および/または第2組成物中に、および/または第3区画に収容されている第3組成物中に存在し、これらの様々な区画の組成物が、ヒトケラチン繊維への適用直前に、一緒に混合されて本発明による組成物を与えることが意図されている、多区画デバイスである。
【0184】
最後に、本発明の対象は、第1区画中に、1種または複数の過酸化塩を含む第1組成物を含み、第2区画中に、1種または複数の塩基性化剤を含む第2組成物を含み、第3区画中に、過酸化水素を含む第3組成物を含み、脂肪性物質が、第1組成物中に、および/または第2組成物中に、および/または、第3組成物中に、および/または第4区画に収容されている第4組成物中に存在し、これらの様々な区画の組成物が、ヒトケラチン繊維への適用直前に、一緒に混合されて本発明による組成物を与えることが意図されている、多区画デバイスである。
【0185】
以下の実施例は本発明を例示するために役立つが、本来限定するものではない。
【実施例】
【0186】
以下の組成物を調製する(量は、供給された製品のg%で表示する)。
【0187】
組成物1(漂白組成物)
この組成物は、純粋な過硫酸アンモニウムから形成される。
【0188】
組成物2(漂白組成物)
【0189】
【表1】
【0190】
組成物3(アルカリ性組成物)
【0191】
【表2】
【0192】
組成物4(アルカリ性組成物)
【0193】
【表3】
【0194】
組成物5(アルカリ性組成物)
【0195】
【表4】
【0196】
組成物6(無水ゲル)
【0197】
【表5】
【0198】
組成物7(酸化性組成物)
【0199】
【表6】
【0200】
組成物8(酸化性組成物)
【0201】
【表7】
【0202】
I/本発明による漂白系と標準的な漂白系との間の比較
適用方式
上述した組成物1、2、3、4、6、7および8を、使用時に、以下の割合(グラム)で混合する。
【0203】
【表8】
【0204】
混合物2は市販の製品に対応する。
【0205】
各混合物の過硫酸塩および脂肪性物質の量を、下記の表に表示する。
【0206】
【表9】
【0207】
こうして得られた2種の混合物を、次いで、4のトーン深度を有する天然の栗-茶色の毛髪の束に、毛髪1g当たり混合物10gの割合で適用する。
【0208】
この適用を20℃の制御温度で30分または50分の間行う。
【0209】
次いで、毛髪を濯ぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、乾燥させる。
【0210】
色の決定
測色測定をL*a*b*系におけるKonica-Minolta CM-2600d分光比色計を使用して行う。
【0211】
この系によると、L*は輝度を表す。色座標はパラメータa*およびb*によって表され、a*は赤色/緑色の色軸に、b*は黄色/青色の色軸に対応する。
【0212】
4と同等のトーン深度を有する天然の黒色の毛髪の束と、漂白した毛髪の束との間の色の変化に対応するΔEを、以下の式から得る。
【0213】
【数1】
【0214】
ここで、L*は輝度を、a*およびb*は漂白した毛髪の束の色座標を表し、一方L
0*は輝度を、a
0*およびb
0*は4と同等のトーン深度を有する天然の黒色の毛髪の束の色座標を表す。
【0215】
【表10】
【0216】
混合物2における過硫酸塩濃度が、混合物1および2における過硫酸塩濃度よりはるかに高く、その上混合物1のpHは混合物2のpHより低い(9.45対10.05)にもかかわらず、混合物1は、混合物2より良好な明色化を得ることを可能にする。
【0217】
本発明による混合物が、従来技術による混合物のpH値より低いpH値を有するという事実により、皮膚快適性および繊維保護の観点における利点ももたらされる。
【0218】
II/脂肪性物質の濃度の効果
上述した組成物1、2、4、6、7および8ならびに水を、使用時に以下の割合(グラム)で混合する。
【0219】
【表11】
【0220】
各混合物の脂肪性物質の量を下記の表に表示する。
【0221】
【表12】
【0222】
こうして得られた2種の混合物を、次いで、4のトーン深度を有する天然の栗-茶色の毛髪の束に、毛髪1g当たり混合物10gの割合で適用する。
【0223】
この適用を室温で(20℃)50分の間行う。
【0224】
次いで、毛髪を濯ぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、乾燥させる。
【0225】
明色化の観点において得られた結果を下記の表に示す。
【0226】
【表13】
【0227】
これらの結果は、本発明による混合物に含有されている脂肪性物質の量が多いほど明色化力が良好であることを示している。
【0228】
全ての場合において、より良好な明色化力は本発明による混合物で得られる。
【0229】
III/アルカリ性薬剤の性質の効果
上述した組成物1から8を、使用時に以下の割合(グラム)で混合する。
【0230】
【表14】
【0231】
各混合物中に存在するアルカリ性薬剤の性質および量(g%)を、下記の表に表示する。
【0232】
【表15】
【0233】
こうして得られた3種の混合物を、次いで、4のトーン深度を有する天然の栗-茶色の毛髪の束に、毛髪1g当たり混合物10gの割合で適用する。
【0234】
この適用を室温で(20℃)50分の間行う。
【0235】
次いで、毛髪を濯ぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、乾燥させる。
【0236】
明色化の観点において得られた結果を下記の表に示す。
【0237】
【表16】
【0238】
これらの結果は、本発明による混合物が、使用されるアルカリ性薬剤にかかわりなく、非常に良好な明色化力を得ることを可能にすることを示している。
【0239】
本発明による混合物が、従来技術による混合物のpH値より低いpH値を有するという事実により、皮膚快適性および繊維保護の観点における利点がもたらされる。