特許第6000955号(P6000955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロンザ リミテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000955
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】ハロゲン化ジエチルトルエンジアミン
(51)【国際特許分類】
   C07C 211/52 20060101AFI20160923BHJP
   C07C 209/74 20060101ALI20160923BHJP
   C07C 209/62 20060101ALI20160923BHJP
   C07C 233/43 20060101ALI20160923BHJP
   C07C 231/02 20060101ALN20160923BHJP
   C07C 231/12 20060101ALN20160923BHJP
【FI】
   C07C211/52CSP
   C07C209/74
   C07C209/62
   C07C233/43
   !C07C231/02
   !C07C231/12
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-533123(P2013-533123)
(86)(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公表番号】特表2013-543507(P2013-543507A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】EP2011005067
(87)【国際公開番号】WO2012048845
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年10月14日
(31)【優先権主張番号】10013629.0
(32)【優先日】2010年10月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391003864
【氏名又は名称】ロンザ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LONZA LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】エリンガー、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ラデルファ、ゲータノ
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー、コンスタンツェ
【審査官】 小川 由美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−538201(JP,A)
【文献】 特開昭64−065113(JP,A)
【文献】 特開昭60−181117(JP,A)
【文献】 特開昭60−210621(JP,A)
【文献】 特開昭58−164614(JP,A)
【文献】 特開平07−216055(JP,A)
【文献】 特表平07−504458(JP,A)
【文献】 特開昭62−099351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C08G
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式で表されるハロゲン化ジエチルトルエンジアミンまたはその混合物
【化1】
式中、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素である。
【請求項2】
はアミノ基であり、且つ、Rは塩素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素である、請求項1に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンまたはその混合物
【請求項3】
はアミノ基であり、且つ、Rは臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは臭素である、請求項1に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンまたはその混合物
【請求項4】
ポリウレタン生成における鎖延長剤又はキュアリング剤としての請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用。
【請求項5】
エポキシ樹脂の硬化剤としての請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用。
【請求項6】
請求項2に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの製造方法であって、下式で表されるジエチルトルエンジアミンまたはその混合物を硫酸中で塩素と反応させることを含む方法:
【化2】
式中、R1’はアミノ基であり、且つ、R2’は水素であり、もしくは、R2’はアミノ基であり、且つ、R1’は水素である。
【請求項7】
硫酸が、ジエチルトルエンジアミン(II)の量を基準として5〜50モル当量である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
塩素が、ジエチルトルエンジアミン(II)の量を基準として2〜10モル当量の量において添加される請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
反応温度が15℃〜80℃である請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項3に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの製造方法であって、下記工程:
(i)下式:
【化3】
(式中、R1’はアミノ基であり、且つ、R2’は水素であり、もしくは、R2’はアミノ基であり、且つ、R1’は水素である。)
で表されるジエチルトルエンジアミンまたはその混合物をアセチル化剤と反応させ、下式:
【化4】
(式中、R1”はアセチルアミノ基であり、且つ、R2”は水素であり、もしくは、R2”はアセチルアミノ基であり、且つ、R1”は水素である。)
で表されるジアセチル化合物またはその混合物を得ること、
(ii)前記ジアセチル化合物(III)を臭化水素酸及び過酸化水素で臭素化して下式:
【化5】
(式中、R1’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R2’’’は臭素であり、もしくは、R2’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R1’’’は臭素である。)で表される対応する臭素化ジアセチル化合物またはその混合物を得ること、及び(iii)前記臭素化ジアセチル化合物(IV)を加水分解して対応する臭素化ジエチルトルエンジアミン(I)を得ること、
を含む方法。
【請求項11】
工程(i)におけるアセチル化剤がトリエチルアミンの存在下における塩化アセチルである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
臭素化工程(ii)が−10〜20℃の温度で行われる請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
加水分解工程(iii)がメタノール中で塩酸を用いて行われる請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
下式で表される臭素化ジアセチル化合物またはその混合物
【化6】
式中、R1’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R2’’’は臭素であり、もしくは、R2’はアセチルアミノ基であり、且つ、R1’は臭素である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンの鎖延長剤又はキュアリング剤として、また、エポキシ樹脂の硬化剤として好適である新規な塩素化及び臭素化ジエチルトルエンジアミンに関する。更に、本発明は、ポリウレタンの鎖延長剤及びキュアリング剤としての、また、エポキシ樹脂の硬化剤としてのこれら新規化合物の使用に関し、また、上記ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの製造方法及び該方法における新規中間体
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンの生成における鎖延長剤及びキュアリング剤、並びに、エポキシ樹脂における硬化剤の使用は、当該分野において周知である。例えば、ポリウレタンは、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールなどのH−反応基を有する化合物を、ジイソシアネートと反応させてプレポリマーを形成し、次いで第二工程において、これをキュアリング剤と反応させてポリウレタンを形成することにより得ることができる。一方、エポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンをアルコール又はフェノールと反応させてグリシジル誘導体を得、次いでこれを硬化剤と反応させて硬化エポキシ樹脂を得ることにより得られる。
【0003】
キュアリング剤の構造及びその官能基の反応性は、最終産物の性能を修正するために、あるいは、ポリマー形成の反応率及びポリマーのプロセス可能性を調整するためによく使用される。
【0004】
ポリウレタン(PU)及びエポキシ樹脂の調製のために通常使用される鎖延長剤及びキュアリング剤は、アルキル置換及び/又は塩素化フェニレンジアミン又は4,4’−メチレン−ビスアニリンなどの芳香族ジアミンである。ポリウレタンの調製において、これらジアミンのアミノ基はイソシアナート基と反応し尿素部位を形成する。ポリマー系の特性におけるこのような化合物の影響は、芳香環上のアルキル置換基の性質及び位置、及び/又は、塩素原子の数及び/又は位置に実質的に依存する。4,4’−メチレンビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(M−CDEA)及び4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(M−DEA)などの立体障害のジアミンは、キュアリング剤としてよく使用される。しかしながら、これらの化合物は、その融点が比較的高いため、容易に処理することができない。他の周知の化合物である4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MOCA)又は3,5−ビス(メチルチオ)トルエンジアミン(E−300)などは毒性及び/又は悪臭がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、低毒性で悪臭がなく、ウレタンプレポリマー又はエポキシ樹脂と混合されたときに好適なゲル化時間(またはポットライフ)をもたらす適切な反応性を合わせ持つ新規な芳香族ジアミンを提供することである。ジアミンは、室温で液体又は半液状であるか、少なくとも、硬化エポキシ樹脂及びポリウレタンの製造において出発物質として使用される(未硬化)エポキシ樹脂、イソシアナート及びジオールに容易に溶解すべきである。
【0006】
発明の概要
下式で表されるハロゲン化ジエチルトルエンジアミン及びその異性体混合物は、室温で液体又は半液体であり、ポリウレタン及びエポキシ樹脂の製造において典型的に使用される出発物質及びプレポリマーと容易に混合し、あるいは溶解することが見い出された。
【化1】
【0007】
式中、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素である。
【0008】
これらは、更に、好適なゲル時間を示し、悪臭がなく、例えばMOCAに比べ毒性が低い。これらは商業的に入手可能なジエチルトルエンアミンから、硫酸中で直接的に塩素化し、あるいは対応するジアセチル誘導体を臭素化し、次いでアセチル基を加水分解することにより、高収率で容易に合成することができる。臭素化ジアセチル化合物は新規であり、本発明の目的でもある。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明により、下式で表されるハロゲン化ジエチルトルエンジアミン並びにその異性体混合物が提供される。
【化2】
【0010】
式中、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素である。
【0011】
異性体混合物は、好ましくは、商業的に入手可能なジエチルトルエンジアミン混合物から得ることが可能な化合物であり、例えば、約80%の3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと約20%の3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンからなる。
【0012】
好ましい一態様において、式(I)で表されるハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、塩素化されており、すなわち、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素であることを意味する。
【0013】
好ましい他の態様において、式(I)で表されるハロゲン化ジエチルトルエンジアミンは、臭素化されており、すなわち、Rはアミノ基であり、且つ、Rは臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは臭素であることを意味する。
【0014】
本発明の他の目的は、ポリウレタンの製造における、鎖延長剤又はキュアリング剤としてのハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用である。上記使用は、少なくとも1つのニ官能性又は多官能性イソシアナートを少なくとも1つのジオール又はポリオールと、本発明に係るハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの少なくとも1つの存在下、もしくは続く添加により、反応させることによるポリウレタンの製造方法と同等である。
【0015】
また、本発明の他の目的は、エポキシ樹脂の硬化剤(キュアリング剤)としての本発明に係るハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用である。上記使用は、少なくとも1つのニ官能性又は多官能性エポキシドを本発明に係るハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの少なくとも1つと反応させることによる硬化エポキシ樹脂の製造方法と同等である。
【0016】
双方の適用のために、本発明のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの純粋異性体又は異性体混合物は、単独で、あるいは、他のアミンもしくは他のアミンの混合物との組み合わせにおいて使用され得る。
【0017】
本発明の多の目的は、式(I)で表される塩素化ジエチルトルエンジアミン(式中、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素である。)またはその異性体混合物の製造方法であって、下式:
【化3】
【0018】
(式中、R1’はアミノ基であり、且つ、R2’は水素であり、もしくは、R2’はアミノ基であり、且つ、R1’は水素である。)で表されるジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物を硫酸中で元素状塩素と反応させることを含む。式(II)で表されるジエチルトルエンジアミン出発材料は、純粋異性体として(その製造はUS3275690に開示されている。)、もしくは異性体混合物として使用され得る。異性体混合物は、例えば、Lonza Ltd.(スイス)からLonzacure(登録商標)DETDA80(約80%の2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンと約20%の2,6−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンの異性体混合物)の称号において商業的に入手可能である。
【0019】
塩素化は、典型的には、硫酸以外の触媒を添加することなく行われる。
【0020】
式Iで表される塩素化ジエチルトルエンジアミンの製造方法の好ましい態様において、硫酸は、ジエチルトルエンジアミン(II)の量を基準として5〜50モル当量である。
【0021】
式Iで表される塩素化ジエチルトルエンジアミンの製造方法の好ましい他の態様において、塩素は、ジエチルトルエンジアミン(II)の量を基準として2〜10モル当量の量において添加される。
【0022】
また、式Iで表される塩素化ジエチルトルエンジアミンの製造方法の好ましい他の態様において、反応温度は15℃〜80℃である。より好ましくは、反応温度は20℃〜60℃であり、例えば約40℃である。
【0023】
塩素化は、反応温度においてガス状である元素状塩素を用いて実施されるため、この反応は、有利には塩素耐性材料からなるオートクレーブなどの密閉容器中で実施される。
【0024】
硫酸中で、式IIで表されるジエチルトルエンジアミン出発材料並びに式Iの塩素化産物は、硫酸水素塩及び/又はサルフェイトのようにプロトン化形態において存在する。検査の間、反応混合物は、例えば、水酸化ナトリウムなどの強塩基の添加により中和され、式Iにより表される遊離塩素化ジアミンを得る。
【0025】
本発明の更なる目的は、式Iで表される臭素化ジエチルトルエンジアミン(式中、Rはアミノ基であり、且つ、Rは臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは臭素である)またはその異性体混合物の製造方法であって、下記工程:
(i)下式:
【化4】
【0026】
(式中、R1’はアミノ基であり、且つ、R2’は水素であり、もしくは、R2’はアミノ基であり、且つ、R1’は水素である。)
で表されるジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物をアセチル化剤と反応させ、下式:
【化5】
【0027】
(式中、R1”はアセチルアミノ基であり、且つ、R2”は水素であり、もしくは、R2”はアセチルアミノ基であり、且つ、R1”は水素である。)
で表されるジアセチル化合物またはその異性体混合物を得ること、
(ii)上記ジアセチル化合物(III)を臭化水素酸及び過酸化水素で臭素化して下式:
【化6】
【0028】
(式中、R1’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R2’’’は臭素であり、もしくは、R2’はアセチルアミノ基であり、且つ、R1’は臭素である。)
で表される対応する臭素化ジアセチル化合物またはその異性体混合物を得ること、及び
(iii)上記臭素化ジアセチル化合物(IV)を加水分解して対応する臭素化ジエチルトルエンジアミン(I)を得ること、
を含む方法である。
【0029】
工程(i)におけるアセチル化剤は、当該分野において公知のアセチル化剤であってよく、例えば、無水酢酸又はハロゲン化アセチルである。式Iで表される臭素化ジエチルトルエンジアミンの製造方法の好ましい態様において、工程(i)におけるアセチル化剤は、トリエチルアミンの存在下における塩化アセチルである。
【0030】
工程(ii)における臭素化は、比較的穏やかな条件下において行われ得る。式Iで表される臭素化ジエチルトルエンジアミンの製造方法の好ましい態様において、工程(ii)の臭素化は、−10〜20℃の温度において行われる。
【0031】
加水分解工程(iii)は、強酸又は強塩基の一方を添加することにより、酸性又は塩基性条件において実施され得る。式Iで表される臭素化ジエチルトルエンジアミンの製造方法の好ましい態様において、加水分解工程(iii)はメタノール中で塩酸を使用して行われ、これにより対応する塩酸塩を産出し、次いで塩基を添加することにより中和され、遊離ジアミンを産出する。
【0032】
下式で表される臭素化ジアセチル化合物またはその異性体混合物は、新規であり、同様に本発明の目的である。
【化7】
【0033】
式中、R1’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R2’’’は臭素であり、もしくは、R2’はアセチルアミノ基であり、且つ、R1’は臭素である。
【0034】
以下の例により、本発明を実施するための選択された態様及び好ましいモードをより詳細に説明する。但し、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0035】
変換速度及び産物純度は、以下の条件下においてガスクロマトグラフィー(GC)により決定された。
【0036】
ジメチルポリシロキサン(0.35μm)カラム、30m×0.32mm
温度プログラム:出発温度130℃、145℃まで加熱速度1K/分、次いで、190℃まで15K/分、最後に250℃まで30K/分
サンプル調製:トルエン1mL中に0.2gのサンプルを溶解した。
【0037】
例1
6−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及び4−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
Lonzacure(登録商標)DETDA80(80%の3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンと20%の3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンの異性体混合物)(3.4g、18.6mmol)と96重量%の硫酸(28.5g、279mmol)を、Hastelloy(c)HC22製オートクレーブに導入した。オートクレーブを40℃に加熱し、窒素を流した。窒素を放出した後、塩素ガス(5.3g、74.4mmol)を混合物に導入した。反応物を40℃で18時間(反応時間)攪拌し、次いで氷(50g)上に注いだ。懸濁液を10%水酸化ナトリウム水溶液(230g)で中和し、相分離後、水相をジクロロメタン(50mL)で抽出した。混合有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下においてエバポレートし、4.5gの異性体混合物I(R=Cl、R=NH、及び、R=NH、R=Cl)を得た。GC分析により、96%面積について、6−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及び4−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミンの4:1の比率からなる異性体混合物が測定された。
収量:3.7g(93%)。
【0038】
GC保持時間データ:
=12.0分(3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン)、13.3分(3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン)、18.3分(6−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン)、18.4分(4−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン)。
【0039】
例2
6−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン
例1に対し、Lonzacure(登録商標)DETDA80に替えて純粋な3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン(米国3275690に従い調製)を使用して例1を繰り返した。
【0040】
収量:3.5g(88%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C): δ4.48 (br. s, 4H), 2.57 (q, J=7.4Hz, 2H), 2.42 (q, J=7.4Hz, 2H), 2.06 (s, 3H), 0.99 (t, J=7.4Hz, 3H), 0.98 (t, J=7.4Hz, 3H).
13C NMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ142.38, 141.63, 131.20, 113.92, 110.46, 107.77, 21.42, 17.96, 14.43, 12.98, 11.90.
例3
4−クロロ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
例1に対し、Lonzacure(登録商標)DETDA80に替えて純粋な3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン(米国3275690に従い調製)を使用して例1を繰り返した。
【0041】
収量:3.6g(90%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C):δ4.48 (br. s, 4H), 2.56 (q, J=7.4Hz, 4H), 1.87 (s, 3H), 0.99 (t, J=7.4Hz, 6H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ142.25, 130.80, 113.88, 104.50, 21.33, 12.98, 11.33.
例4
N,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びN,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
2Lの三つ首丸底フラスコに、Lonzacure(登録商標)DETDA80(120g、0.67モル)、トリエチルアミン(179g、1.77モル)及びジクロロメタン(550mL)を入れた。混合物を0℃に冷却し、次いで塩化アセチル(127g、1.62モル)を滴下した。混合物を室温で3.5時間攪拌し、次いで濾過し、固形物を水で洗浄した(3×100mL)。固形物を真空下で乾燥した後、107g(61%)の異性体混合物III(R1’=アセチルアミノ、R2’=H、及び、R1’=H、R2’=アセチルアミノ)を得た。
【0042】
例5
N,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
例4に対し、Lonzacure(登録商標)DETDA80に替えて純粋な3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン(米国3275690に従い調製)を使用して例4を繰り返した。
【0043】
収量:105g(60%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C): δ9.17 (br. s, 2H), 6.92 (s, 1H), 2.46 (q, J=7.4Hz, 4H), 2.01 (s, 6H), 1.95 (s, 3H), 1.08 (t, J=7.4Hz, 6H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ168.21, 139.40, 133.65, 132.73, 125.12, 24.38, 22.40, 14.48, 13.49.
例6
N,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン
N,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
例4に対し、Lonzacure(登録商標)DETDA80に替えて純粋な3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン(米国3275690に従い調製)を使用して例4を繰り返した。
【0044】
収量:111g(62%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C): δ9.17 (br. s, 2H), 6.93 (s, 1H), 2.42 (m, 4H), 2.07 (s, 3H), 2.01 (s, 6H), 1.09 (t, J=7.4Hz, 3H), 0.93 (t, J=7.4Hz, 3H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ168.67, 168.31, 139.93, 139.27, 134.52, 132.96, 132.29, 126.98, 24.18, 22.40, 20.84, 17.91, 14.40, 13.87.
例7
N,N’−ジアセチル−6−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びN,N’−ジアセチル−4−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
臭化水素酸水溶液(40重量%HBr、493g、2.44モル)を、0℃でメタノール650mL)中の異性体混合物III溶液(例4に従い調製)(40g、0.15モル)に滴下した。次いで、過酸化水素水溶液(30重量%H、259g、2.29モル)を0℃で添加し、反応混合物を一晩室温に温めた。黄色反応混合物を飽和NaHSO水溶液でクエンチし、ろ過し、水で洗浄した。固形物を真空下で乾燥し、41g(79%)の異性体混合物IV(R’’’=アセチルアミノ、R’’’=Br、及び、R’’’= Br、R’’’= アセチルアミノ)を得た。
【0045】
例8
N,N’−ジアセチル−6−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン
例7に対し、異性体混合物IIIに替えてN,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン(例6に従い調製)を使用して例7を繰り返した。
【0046】
収量:46g(62%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 80°C): δ9.17 (br. s, 2H), 2.70 (br. m, 2H), 2.42 (br. m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.03 (s, 6H), 1.07 (t, J=7.5Hz, 3H), 0.95 (t, J=7.5Hz, 3H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ169.03, 140.30, 139.68, 135.37, 134.02, 133.39, 123.88, 26.20, 22.36, 21.18, 19.55, 13.52, 13.02.
例9
N,N’−ジアセチル−4−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
例7に対し、異性体混合物IIIに替えてN,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン(例5に従い調製)を使用して例7を繰り返した。
【0047】
収量:43g(60%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 80°C): δ9.17 (br. s, 2H), 2.70 (br. m, 4H), 2.01 (s, 6H), 1.91 (s, 3H), 1.06 (t, J=7.4Hz, 3H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ168.55, 139.98, 134.71, 134.02, 122.72, 26.15, 22.32, 13.65, 13.09.
例10
6−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及び4−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
異性体混合物IV(例7に従い調製)(30g、0.09モル)、メタノール(250mL)及び濃塩酸(360mL)をフラスコに入れ、混合物を120時間加熱還流した。室温まで冷却した後、混合物を真空下において濃縮した。水を加えて固形物を溶解し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを〜9に調整し、産物をジクロロメタンで抽出した。有機相を濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、15g(65%)の異性体混合物I(R=NH、R=Br、及び、R= Br、R=NH)を得た。
【0048】
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C): δ4.39 (br. s, 4H), 2.67-2.62 (m, ~2.4H), 2.44-2.40 (m, ~1.6H), 2.13 (s, ~2.4H), 1.85 (s, ~0.6H), 1.00-0.97 (m, 6H).
例11
6−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン
例10に対し、異性体混合物IVに替えてN,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン(例8に従い調製)を使用して例10を繰り返した。
【0049】
収量:14g(61%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C): δ4.38 (br. s, 4H), 2.65 (q, J=7.4Hz, 2H), 2.44 (q, J=7.4Hz, 2H), 2.13 (s, 3H), 0.99 (t, J=7.4Hz, 3H), 0.98 (t, J=7.4Hz, 3H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ142.60, 141.84, 125.38, 115.38, 110.94, 109.42, 24.60, 18.03, 17.92, 12.88, 11.77.
例12
4−ブロモ−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン
例10に対し、異性体混合物IVに替えてN,N’−ジアセチル−3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン(例9に従い調製)を使用して例10を繰り返した。
【0050】
収量:12.5g(54%)
1HNMR (DMSO-d6, 500MHz, 30°C): δ4.48 (br. s, 4H), 2.64 (q, J=7.4Hz, 4H), 1.86 (s, 3H), 0.99 (t, J=7.4Hz, 6H).
13CNMR (DMSO-d6, 125MHz, 30°C): δ142.50, 124.82, 115.28, 104.96, 24.50, 12.88, 11.36.
ポリウレタン用鎖延長剤及びキュアリング剤としてのハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用、及び、エポキシ樹脂用硬化剤としてのハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用
略称:
DETDA=3,5−ジエチルトルエンジアミン(80%の2,4−と20%のジアミンの混合物)
DETDA−Cl=クロロ−3,5−ジエチルトルエンジアミン(例1に従い調製)
DETDA−Br=ブロモ−3,5−ジエチルトルエンジアミン(例10に従い調製)
M−DEA=4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)
M−CDEA=4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)
MOCA=4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)
E−300=3,5−ビス(メチルチオ)トルエンジアミン(2,4−と2,6−ジアミンの異性体混合物)。
【0051】
ポリウレタンの新しい鎖延長剤及びキュアリング剤I並びにエポキシは、DETDAと比べてゲル化時間を増大させる。これらアミンは室温において液体/半結晶であるため、他の芳香族アミン(M−DEA、M−CDEA、MOCA)と比べてかなり低い温度で処理することができる。
【0052】
Iが、ジオールVoranol(登録商標)EP1900(OH数:26−29、Mw:3800g/モルのポリプロピレングリコール系ポリエーテルジオール;DOW)と25%〜75%の割合で混合され、イソシアナートSuprasec(登録商標)2008(イソシアナート値:10.2%、平均官能基:2.0、粘度(25℃):1800mPaのプレポリマー化ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI);Huntsman Polyurethanesから入手可能)と反応した場合、DETDAと比較してゲル化時間の増加が検出される。アミン市場において、E−300、MOCA及びM−CDEAはゲル化時間が長いアミンであり、このためこれらの結果は、本発明のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの結果と比較された。
【0053】
例13
ポリウレタンのゲル化時間測定
本発明に係るハロゲン化ジエチルトルエンジアミンが、ポリウレタン調製物の鎖延長剤及びキュアリング剤として使用された。
【0054】
これらはVoranol(登録商標)EP1900中に、20℃から50℃までの温度において溶解され、予混合され、次いで高速で混合された。次いで、溶液を室温まで冷却した。その後、イソシアナートSuprasec(登録商標)2008が添加された。アミノ及びヒドロキシ基の合計に対するイソシアナート基のモル比は、すべての試験において95:100であった。DIN16945に従い、ゲル化時間が、Gelnorm(登録商標)ゲルタイマー(Gel Instrumente AG、タルウィル、スイス)を用いて25℃において測定された。比較目的で、公知のキュアリング剤であるDETDA、E−300、M−CDEA及びMOCAを用いた同様の調製物のゲル化時間もまた決定された。結果は下記表1に従う。(試験番号C1−C13が比較試験である。)
結果から、非ハロゲン化DETDAと比較してゲル化時間が大幅に増大していることがわかる。得ることが可能なゲル化時間の範囲は、M−CDEAを用いた場合より有意に幅広くなっており、これによりポリウレタン調製物の製造における使用に柔軟性が付与される。
【表1】
【0055】
例14
エポキシ樹脂のゲル化時間測定
エポキシにおけるゲル化時間が以下のように測定された。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ビスフェノールAとエピクロロヒドリン(Hexion Specialty Chemicals(Columbus OH、USA)からEpikote(登録商標)828ELとして商業的に入手可能)から調製)を、式I(DETDA−Br及びDETDA−Cl)の粘性ハロゲン化ジエチルトルエンジアミンと40℃で混合した。エポキシ樹脂とキュアリング剤の量はエポキシ基とアミノ基のモル比が1:1となるよう選択された。混合物を混合し、均一な粘性溶液を得、次いで25℃に冷却した。DIN16945に従い、粘性調製物のゲル化時間が、Gelnorm(登録商標)ゲルタイマー(Gel Instrumente AG、タルウィル、スイス)を使用して、130℃、150℃及び180℃において決定された。比較目的のため、E−300、M−CDEA、MOCA及びDETDAを使用して試験が繰り返された(試験番号C−14〜C−17)。結果は下記表2に従う。
【表2】
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
下式で表されるハロゲン化ジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物:
【化8】
式中、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素又は臭素である。
[2]
はアミノ基であり、且つ、Rは塩素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは塩素である、[1]に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物。
[3]
はアミノ基であり、且つ、Rは臭素であり、もしくは、Rはアミノ基であり、且つ、Rは臭素である、[1]に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物。
[4]
ポリウレタン生成における鎖延長剤又はキュアリング剤としての[1]〜[3]のいずれか1に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用。
[5]
エポキシ樹脂の硬化剤としての[1]〜[3]のいずれか1に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの使用。
[6]
[2]に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの製造方法であって、下式で表されるジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物を硫酸中で塩素と反応させることを含む方法:
【化9】
式中、R1’はアミノ基であり、且つ、R2’は水素であり、もしくは、R2’はアミノ基であり、且つ、R1’は水素である。
[7]
硫酸が、ジエチルトルエンジアミン(II)の量を基準として5〜50モル当量である[6]に記載の方法。
[8]
塩素が、ジエチルトルエンジアミン(II)の量を基準として2〜10モル当量の量において添加される[6]又は[7]に記載の方法。
[9]
反応温度が15℃〜80℃である[6]〜[8]のいずれか1に記載の方法。
[10]
[3]に記載のハロゲン化ジエチルトルエンジアミンの製造方法であって、下記工程:
(i)下式:
【化10】
(式中、R1’はアミノ基であり、且つ、R2’は水素であり、もしくは、R2’はアミノ基であり、且つ、R1’は水素である。)
で表されるジエチルトルエンジアミンまたはその異性体混合物をアセチル化剤と反応させ、下式:
【化11】
(式中、R1”はアセチルアミノ基であり、且つ、R2”は水素であり、もしくは、R2”はアセチルアミノ基であり、且つ、R1”は水素である。)
で表されるジアセチル化合物またはその異性体混合物を得ること、
(ii)前記ジアセチル化合物(III)を臭化水素酸及び過酸化水素で臭素化して下式:
【化12】
(式中、R1’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R2’’’は臭素であり、もしくは、R2’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R1’’’は臭素である。)で表される対応する臭素化ジアセチル化合物またはその異性体混合物を得ること、及び(iii)前記臭素化ジアセチル化合物(IV)を加水分解して対応する臭素化ジエチルトルエンジアミン(I)を得ること、
を含む方法。
[11]
工程(i)におけるアセチル化剤がトリエチルアミンの存在下における塩化アセチルである[10]に記載の方法。
[12]
臭素化工程(ii)が−10〜20℃の温度で行われる[10]又は[11]に記載の方法。
[13]
加水分解工程(iii)がメタノール中で塩酸を用いて行われる[10]〜[12]のいずれか1に記載の方法。
[14]
下式で表される臭素化ジアセチル化合物またはその異性体混合物:
【化13】
式中、R1’’’はアセチルアミノ基であり、且つ、R2’’’は臭素であり、もしくは、R2’はアセチルアミノ基であり、且つ、R1’は臭素である。