(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000964
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】排出制御式ストーマ装具および成形可能な粘着ウェーハ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20160923BHJP
【FI】
A61F5/445
【請求項の数】29
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-537782(P2013-537782)
(86)(22)【出願日】2011年11月2日
(65)【公表番号】特表2013-541402(P2013-541402A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】US2011058934
(87)【国際公開番号】WO2012061485
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月29日
(31)【優先権主張番号】13/286,774
(32)【優先日】2011年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/409,358
(32)【優先日】2010年11月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509146126
【氏名又は名称】コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(72)【発明者】
【氏名】ミンリャン・ローレンス・ツァイ
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−229369(JP,A)
【文献】
特開2007−152099(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0123832(US,A1)
【文献】
特表2010−537734(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/029610(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出制御式ストーマ装具であって、
ハウジングと、
第1のシール壁と第2のシール壁とを備えるストーマシールであって、前記第2のシール壁は、内部にシール接触開口を有し、かつ前記第1のシール壁は、使用に際して、前記第2のシール壁の前記シール接触開口を介してストーマを包含するためのストーマ接触面を有するストーマシールと、
前記ストーマシールをストーマへ向かって推進するためのシールサポート
とを備える排出制御式ストーマ装具。
【請求項2】
前記第2のシール壁は、前記第1の壁の前記ストーマ接触面の周縁領域に重なり合う、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項3】
前記第2のシール壁の開口は、前記第1のシール壁の前記ストーマ接触面のサイズより小さい、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項4】
前記第1のシール壁と前記第2のシール壁との間の界面に、腸内ガスの通り抜けを可能にする腸内ガスベント通路をさらに備える、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項5】
前記シール接触開口において前記腸内ガスベント通路へ入る腸内ガスを出口を介して逃げさせるための、前記シール接触開口から間隔をおいた少なくとも1つの出口をさらに備える、請求項4に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの出口は、前記両シール壁間の隙間、前記第2のシール壁内の開口、前記両シール壁間のジョイント内の裂け目、前記第2のシール壁内のスリット、から選択される、請求項5に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項7】
前記第1のシール壁の前記接触面は、前記第2のシール壁の前記開口に対して変位可能である、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項8】
前記第1のシール壁は、前記第2のシール壁に対して、前記開口から間隔をおいた1つまたは複数の領域においてのみ取り付けられる、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項9】
前記間隔は、前記開口の前記周縁から少なくとも5mmである、請求項5に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項10】
前記第1および第2のシール壁は、同じ全体構造を有する、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項11】
前記構造は、フランジ付きのシルクハット形、フランジなしのシルクハット形、から選択される、請求項10に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項12】
前記第1および第2のシール壁は、一方が他方に入れ子にされる、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項13】
前記第1および第2のシール壁は、略異なる形状を有する、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項14】
前記第2のシール壁は、ワッシャ形状を有する、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項15】
前記シールサポートは、前記ストーマシールを前記ストーマへ向けて推進するための弾性部材を備える、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項16】
前記シールサポートは、前記シールサポートの流体制動特性を規定するために、流体を包含するチャンバと、前記チャンバに対する流体の流れを制御するための少なくとも1つの流体移送ポートとをさらに備える、請求項15に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項17】
前記第1のシール壁は、前記流体を包含するチャンバの壁の少なくとも一部を画定する、請求項16に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項18】
排泄物収集器をさらに備え、前記排泄物収集器は膨張性であって前記装具の内部空間に境界をつけ、前記第1および第2のシール壁は、前記排泄物収集器によって境界をつけられる前記内部空間内に受容される、請求項1に記載の排出制御式ストーマ装具。
【請求項19】
排出制御式ストーマ装具と、
前記排出制御式ストーマ装具をストーマに装着するための粘着性の身体フィットメントとのコンビネーションにおいて、
前記粘着性の身体フィットメントは、前記ストーマ開口の周りで前記粘着材のリム部分を折り返す、または巻き返すことによって手で成形可能なストーマ開口を有する粘着ウェーハを備え、少なくとも成形後、前記粘着材は、前記排出制御式ストーマ装具に面する露出された粘着面部分を呈し、かつ、
前記排出制御式ストーマ装具は、使用に際してストーマを密封するために前記ウェーハの前記ストーマ開口へ向かって推進されるストーマシールを備え、前記ストーマシールは、第1のシール壁と第2のシール壁とを備え、前記第2のシール壁は、内部にシール接触開口を有し、かつ前記第1のシール壁は、使用に際して、前記第2のシール壁の前記シール接触開口を介してストーマに接触するためのストーマ接触面を有し、前記第2のシール壁は、前記第1のシール壁が前記ウェーハの前記排出制御式ストーマ装具に面する前記露出された粘着面部分へ粘着することを妨害するために、前記第1のシール壁を遮蔽するように構成されるコンビネーション。
【請求項20】
前記粘着ウェーハは、皮膚に面する粘着面と、皮膚に面しない粘着面部分とを有する、請求項19に記載のコンビネーション。
【請求項21】
前記排出制御式ストーマ装具は排泄物収集器を備え、前記排泄物収集器は膨張性であって前記装具の内部空間に境界をつけ、前記第1および第2のシール壁は、前記排泄物収集器によって境界をつけられる前記内部空間内に受容される、請求項19に記載のコンビネーション。
【請求項22】
前記排出制御式ストーマ装具、および前記排出制御式ストーマ装具をストーマに装着するための粘着性の身体フィットメントは、2つの別個の装具である、請求項19に記載のコンビネーション。
【請求項23】
前記排出制御式ストーマ装具、および前記排出制御式ストーマ装具をストーマに装着するための粘着性の身体フィットメントは、単体である、請求項19に記載のコンビネーション。
【請求項24】
排出制御式ストーマ装具において用いるためのシールユニットであって、
柔軟な第1のシール壁によって少なくとも部分的に画定される流体を包含するチャンバであって、前記第1のシール壁は、使用に際してストーマに接触するためのシール面を有する流体を包含するチャンバと、
前記流体を包含するチャンバ内に受容される弾性部材と、
前記第1のシール壁を遮蔽するために前記第1のシール壁の一部分を覆う柔軟な第2のシール壁であって、前記第2のシール壁は、内部に、前記第1のシール壁の前記シール面の少なくとも一部を露出するシール接触開口を有し、よって使用に際して前記第1のシール壁の前記シール面は、前記第2のシール壁の前記シール接触開口を介してストーマに接触する柔軟な第2のシール壁と、を備えるシールユニット。
【請求項25】
前記第1および第2のシール壁間に少なくとも1つの腸内ガスベント通路をさらに備える、請求項24に記載のシールユニット。
【請求項26】
前記第1および第2のシール壁は、前記シール接触開口から間隔をおいた位置で互いに付着される、請求項24に記載のシールユニット。
【請求項27】
排出制御式ストーマ装具と、
ストーマにおいて粘着アクセサリと前記排出制御式ストーマ装具との直接的接触を可能にする、ストーマの周りのストーマ周囲皮膚に装着されるべき粘着アクセサリとのコンビネーションにおいて、
前記排出制御式ストーマ装具は、使用に際してストーマを密封するために前記粘着アクセサリの前記ストーマ開口へ向かって推進されるストーマシールを備え、前記ストーマシールは、第1のシール壁と第2のシール壁とを備え、前記第2のシール壁は、内部にシール接触開口を有し、かつ前記第1のシール壁は、使用に際して、前記第2のシール壁の前記シール接触開口を介してストーマに接触するためのストーマ接触面を有し、前記第2のシール壁は、前記第1のシール壁が前記粘着アクセサリの前記露出された粘着面部分へ粘着することを妨害するために、前記第1のシール壁を遮蔽するように構成されるコンビネーション。
【請求項28】
前記粘着アクセサリは、ストーマへの近接接触を生成しかつストーマ周囲皮膚を保護するように成形されかつ形作られることが可能な親水コロイド凝集シールである、請求項27に記載のコンビネーション。
【請求項29】
前記粘着アクセサリは粘着パウダーである、請求項27に記載のコンビネーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具体的にはストーマ閉鎖シールを備える、排出制御式ストーマ装具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ストーマの外面に当たるように推進されるシールを含む排出制御式ストーマ装具の例について記述している。このストーマシールは、ストーマ組織と共働して閉鎖性の非侵入シールを形成するように慎重に設計され、かつ支持される。シールは、液体および/または固体の身体排泄物の排出を遮断する一方で、腸内ガスがシールとストーマとの間の界面に沿って逃げ、かつシール周縁を回って装具の専用腸内ガスベントへ抜けることを可能にする。この装具は、身体側の装着用ウェーハへ取外しできるように取り付けられる。身体側の装着用ウェーハから(シール付きの)装具を取り外す際には、自然に排出され得る身体排泄物用の閉鎖収集空間を提供するために、膨張性の排泄物収集器が配備される。粘着材は固定サイズのストーマ開口を有し、粘着材とストーマとの間には口部を回ってエラストマシールが延び、かつストーマシールもまたこのエラストマシールにもたれることがある。
【0003】
特許文献2は、通常はストーマ袋のための、かつ手で成形可能なストーマ開口を含む、異なるタイプの身体装着用ウェーハについて記述している。このような装着用ウェーハは、とりわけ、使用の容易さ、および各オストメイト固有のストーマのサイズおよび形状に対するカスタム適応、といった多くの優位点を提供する。粘着ウェーハは軟質であり、かつその皮膚に面する表面および反対側の皮膚に面しない表面の双方に露出された粘着材を含む。ストーマ開口は、ストーマ開口の周りの粘着ウェーハのリムを巻いて、または折り返してその皮膚に面しない表面と粘着接触させることにより、手で成形可能である。粘着接触は、粘着ウェーハをその新しい形状でストーマ開口の周りへ固定する。こうした潜在的な優位点にも関わらず、このタイプの成形可能な装着用ウェーハは、概して、上述の排出制御式デバイスに適合しない。巻き返された粘着リムの存在は、露出された粘着面がシールに面していて、慎重に設計されたシール動作を妨害する。具体的には、シールは、接触すると即時、または装具の装着に伴って経時的に、ウェーハの露出された粘着面へ粘着しやすい。この粘着の危険性は、ストーマシールにおける湿った環境が徐々に粘着材を軟化させてねばつかせることに起因して、経時的に増大する可能性がある。ウェーハ内の巻き返された粘着リムへのシールの粘着は閉システムをもたらすが、これは、腸内ガスを、意図された通りにシール周縁を回って逃がす代わりに、ストーマシールにおいて捉える。捉えられた腸内ガスの圧力は、(i)シールを弱めて流出液を粘着材まで漏れさせる、(ii)ウェーハと皮膚との粘着を弱める、(iii)装具が偶発的に分離するという危険にさらすことがある。
【0004】
特許文献3は、弾性発泡体を用いる排出制御式デバイスのための改良されたシールサポート、および装具が装着される間のストーマの動的変化に伴ってシールの力および位置を制御するための流体ダンパチャンバについて記述している。シールは、シール周縁を回る腸内ガスのベントと、ストーマへの過剰圧力の印加を長引かせないように、シールを適応的に前進後退させる能力とを結合する。しかしながら、慎重に設計されているこのシール動作も、先の特許文献2に記述されているタイプの成形可能な粘着ウェーハと共に使用されれば危うくされることになる。先の説明と同様の腸内ガスの捕捉に加えて、露出された粘着材へのストーマシールの粘着は、シールを、適応的に前進後退できるのではなく、粘着ウェーハへ捕らわれたままにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/193122号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/006320号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/029610号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点のうちの少なくとも幾つかに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
おおまかに言えば、本発明の一態様は、身体装着用デバイスへ着脱可能式に取り付けることができる排出制御式ストーマ装具を提供することである。本装具は、使用に際してストーマに面するストーマシールを備える。ストーマシールは、第1の(内側の)シール壁と、第2の(外側の)シール壁とを備える。第1のシール壁は、第2のシール壁内の開口(シール接触開口)を介してストーマに接触するためのシール面を有する。第2のシール壁は、第1のシール壁のシール面の一部分(例えば、周縁部分)と重なり合う。
【0008】
(少なくとも使用時には)ストーマシールに面する露出された粘着面領域を有する身体装着用デバイスと共に使用されると、第2のシール壁は、第1のシール壁と露出された粘着材との間の略粘着係合を防止する遮蔽または分離層として作用する。第2のシール壁がウェーハの露出された粘着材によって粘着係合され、かつこの粘着係合によって捕捉状態にされるとしても、これが実質的に、ストーマに対する第1のシール壁のシール面のシールに影響することはない。
【0009】
ある形態においては、第1および第2の壁間の界面によってガスベント通路が提供され、シール面および/またはシール接触開口における腸内ガスは、このベント通路を介してシールから抜け出ることができる。シール接触開口の領域においてシール面でストーマから逃げる腸内ガスは、第1および第2の壁間の界面によって画定されるベント通路を介して周辺に抜けてもよい。ベント通路は、両壁間の隙間によって画定されてもよい。好ましくは、ベント通路は、第1および第2のシール壁間へ進入した腸内ガスをシール接触開口から間隔をおいた位置で逃がすための1つまたは複数の出口を備える。例えば、少なくとも一方のシール壁は、シール接触開口から離れて配置される少なくとも1つの腸内ガスベント開口を含んでもよい。あるいは、装着用ジョイント(例えば、第1および第2のシール壁間のジョイント)内に、1つまたは複数の空間または裂け目が設けられてもよい。
【0010】
あるいは、または追加的に、第2のシール壁が重なった第1のシール壁のシール面の少なくとも一部は、第2のシール壁に対して変位することができる。第1のシール壁は、身体装着用ウェーハへの第2のシール壁の粘着とは独立して、ストーマに対する望ましいシール圧力を保持するために位置を変えることができる。ストーマの突出の度合いまたは程度が増大すれば、身体装着用ウェーハに対する第2のシール壁の粘着がどのようなものであれ、第1のシール壁は、増大した突出を収容するために(適切な力の特性によって)装具内へと僅かに引っ込むことができる。
【0011】
第1および第2のシール壁は、(場合により、互いに付着される)異なる材料片から形成されてもよく、または、第1および第2のシール壁は、(例えば、所望される形状を画定するために折り畳まれる)同じ材料片の一部であってもよい。
【0012】
場合により、この同じ装具は、ストーマシールに面する非粘着面(例えば、非成形可能粘着タイプ)のみを有する身体フィットメントと共に使用可能であるように構成されてもよい。このストーマシールもまた、等しく良好に機能することができる。このオプションにより、何れのタイプの身体フィットメントとも共に使用される本装具の能力は、オストメイト(個々のオストメイトがその好みに従って、またはオストメイトが現在どのタイプの身体フィットメントを入手可能かに従って、どちらか、または双方のタイプの身体フィットメントを使用できる)および製造業者/供給業者(異なるモデルおよび在庫品の数を減らすことができる)の双方にとって効果的である。
【0013】
さらに、この同じ装具は、身体フィットメントと共に使用可能であるように、かつ粘着パウダー、粘着ペーストまたはストーマ周囲シール(即ち、英国のTG Eakin社から販売されているEakin(登録商標)Cohesive Seal)等のストーマアクセサリの利用と共に使用可能であるように構成されてもよい。これらの粘着アクセサリの目的は、ストーマ周囲の皮膚を保護することにある。しかしながら、身体フィットメントシステムと共に、または身体フィットメントシステムなしで使用する場合のこれらの粘着アクセサリの粘着特性は、遮蔽としての第2のシール壁が存在しないストーマシールにとっての難題となる。本発明で記述している第2のシール壁を使用する場合も、ストーマシールは等しく良好に機能することができる。このオプションにより、何れのタイプの身体フィットメントとも共に使用される粘着アクセサリの能力は、オストメイト(個々のオストメイトがその好みに従って、またはオストメイトが現在どのタイプの身体フィットメントを入手可能かに従って、どちらか、または双方のタイプの身体フィットメントを使用できる)および製造業者/供給業者(異なるモデルおよび在庫品の数を減らすことができる)の双方にとって効果的である。
【0014】
ある形態において、第1および第2のシール壁は対応した形状を有し、一方が他方に入れ子にされている。単なる例示として、第1および第2のシール壁は、概してU字形を有してもよく、またはフランジの付いた、またはフランジのないシルクハット形を有してもよい。別の形態では、第1および第2のシール壁は異なる形状を有する。例えば、第1のシール壁はU字形を有してもよく、またはフランジの付いた、またはフランジのないシルクハット形を有してもよい。第2のシール壁は、例えばワッシャまたは環状の円板形である、概して平坦な形状を有してもよい。
【0015】
ある関連の態様において、本発明は、粘着性の身体フィットメントと共に用いるための排出制御式ストーマ装具を備える。この身体フィットメントは、ストーマ開口の周りで粘着材のリム部分を折り返す、または巻き返すことによって手で成形可能であるストーマ開口を有する粘着ウェーハを備える。少なくとも成形後、粘着材は、排出制御式ストーマ装具に面する露出された粘着面部分を呈する。本装具は、使用に際してストーマを塞ぐために、ウェーハのストーマ開口へ向かって推進されるストーマシールを備える。ストーマシールは、第1のシール壁と、第2のシール壁とを備える。第2のシール壁は内部にシール接触開口を有し、かつ第1のシール壁は、使用に際して第2のシール壁のシール接触開口を介してストーマを包含するためのストーマ接触面を有する。第2のシール壁は、第1のシール壁が排出制御式ストーマ装具に面するウェーハの露出された粘着面部分へ粘着しないように、第1のシール壁を遮蔽する。
【0016】
本発明の追加の目的、特徴および優位点は、好適な実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろう。請求する保護の対象は、強調されているか否かに関わらず、本明細書に開示されている、かつ/または図面に示されている任意の新規特徴または考案である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、ストーマの場所へ粘着された成形可能な身体フィットメント、および身体フィットメントへ装着する前の排出制御式装具を示す略断面図である。
【
図2】
図2は、成形可能な身体フィットメントの第2の例を示す略断面図である。
【
図3】
図3は、様々な例におけるストーマシールを示す下側からの略斜視図である。
【
図4】
図4は、ストーマシールモジュールを分離して示す略断面図である。
【
図5】
図5は、制御式ストーマデバイスが身体フィットメントへ取り付けられた状態を示す、
図1に類似する部分的な略拡大断面図である。本図では、識別を容易にするために所定の表面が分離されて示されているが、使用に際してこれらの表面が互いに圧着されることは理解されるであろう。
【
図6】
図6は、排泄物収集器の拡延を含む、使用後に装具を取り除く第1の段階を示す略断面図である。
【
図7】
図7は、ストーマシールのさらなる例を示す略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照すると、身体フィットメント14を用いて身体のストーマ12へ取り付けるための排出制御式ストーマ装具10が示されている。図示されている装具10の実施形態は、成形可能なタイプの身体フィットメント14(
図1および
図2)、または非成形可能タイプの身体フィットメント(不図示)の何れとも適切に広く使用可能である。
【0019】
図1および
図2を参照すると、成形可能な身体フィットメント14は、オストメイトのストーマ周囲皮膚18へ粘着するための皮膚に優しい医療グレード粘着材のウェーハ(またはパッド)16を備える。ウェーハは、皮膚に面する(または、皮膚に接触する)粘着面16aと、皮膚に面しない反対側の(または、皮膚に接触しない)表面16bとを含む。皮膚に面しない表面16bは、その少なくとも一部が粘着性であっても(
図1)、全体が非粘着性であってもよい(
図2)。ウェーハ16のストーマ開口20は、個々のストーマ12に合うように開口20の望ましいサイズおよび形状を画定すべく開口20の周りの粘着材のリム部分22を折り返す、または巻き返すことによって、手で成形可能であり、または形作ることができる。
図1の例では、リム部分22が折り返されて、皮膚に面しない表面16bの露出された粘着材と直に接触している。この粘着材の皮膚に面しない表面16bとの接触は、粘着材をその新しい形状で固定する。このような処理は、先に言及した特許文献2に記述されているものに類似する。
図2の例では、リム部分22が少なくとも360度巻き返され、よって、皮膚に面する表面16aの一部はこれにより皮膚に接触しない表面16bに面して粘着材の固定を可能にする。何れの場合も、ウェーハ16は、当初から、かつ/または成形の結果として、ストーマ開口20の周囲に露出された粘着面を含む。図示されている具体的な形態では、手による成形により、リム部分22が折り返された露出粘着材の比較的盛り上がった領域が作られている。
【0020】
図示されていないが、ウェーハ16の皮膚に面する表面16a(
図1および
図2)は、当初、例えばシリコーンを含む、またはシリコーンが塗られた取外し可能な剥離シートで覆われてもよい。剥離シートは、皮膚に面する表面16aを使用前に保護し、かつ偶発的な粘着を防止する働きをする。あるいは、または追加的に、
図1に示されている形態では、皮膚に面しない表面16bの露出された粘着部分も、使用前に、このような取外し可能な剥離シートで覆われてもよい。
【0021】
身体フィットメント14は、さらに、装具10を身体フィットメント14へ結合すべく装具10の装具側結合エレメント26へ結合するための身体側結合エレメント24を備える。本実施形態において、結合エレメント24および26は、機械的締り嵌め(例えば、インターロック)を形成するように構成される。例えば、一方の結合エレメント24は環状リブを備え、かつもう一方の結合エレメント26は、リブを受け入れてこれと係合するための環状の溝を備える。代替実施形態では、所望に応じて異なる機械的または非機械的(例えば、粘着性の)カップリングが使用されてもよい。
【0022】
装具10は、使用に際して固体および/または液体の身体排泄物の排出を妨害するためにストーマ12に当てるためのシール(ストーマシール)32を含むハウジング30を備える。ストーマシール32は、腸内ガスの逃げを可能にするように構成され、腸内ガスは、ガス流路沿いに脱臭フィルタ34を介して大気ベント36へ逃がされる。装具10は、使用に際してストーマシール32をストーマ12へ向かって推進するためのシールサポート38を備える。サポート38の形状は、様々であることが可能である。例えば、サポート38は、可膨張性または加圧可能である(例えば、永久的または一時的に圧力を受ける)可能性もあり、かつ/または、弾性部材を備える可能性もある。この好適な形態では、サポートは、流体を包含するチャンバ40と弾性部材42(場合により、チャンバ40内へ位置合わせされる)との組み合わせを備える。弾性部材42はストーマシール32を推進し、かつ流体を包含するチャンバ40は、ストーマシール32の少なくとも所定の変位に抵抗する、または遅速させる(例えば、加圧可能な)流体ダンパとして作用する。1つまたは複数の流体移送ポート44は、流体制動効果を画定するために、チャンバ40に対する流体(例えば、空気)の出入りを制御する。サポート38の機能は、ストーマシール32がストーマ12に接触する適切な位置合わせを選ぶことができるようにしながら、ストーマシール32のストーマ12に対する望ましいシール圧力を保持することにある。ストーマシール32の位置合わせは、使用中に、例えばストーマ12の突出の増加および/または低減、オストメイトが採用する身体動作および異なる位置合わせ、腸内ガスの通過、ストーマ背後における糞便の堆積に適応して変わってもよい。流体制動効果は、シール位置を過剰な圧力が長期間にわたって加わらないように経時的に適応させる一方で、ストーマ12からの外側へ加わる圧力に応答して、シール圧力を一時的に高めさせる場合がある。弾性部材42は、弾性的に圧縮可能な発泡体製であってもよい。ストーマシール32のストーマ12に面する部分に最も近い弾性部材42の表面は、ストーマシール32の周縁への腸内ガスの逃げを促進するために、1つまたは複数のひだ、波形、突出部、溝または他の非平坦な表面特徴を含んでもよい。
【0023】
ストーマシール32は、第1の(内側の)シール壁50と、第2の(外側の)シール壁52とを備える。「内側」および「外側」という言い回しは、シールサポート38との近接性を指してもよい。第1のシール壁50は、使用に際し第2のシール壁52のストーマ接触開口56を介してストーマ12に接触するように構成されるストーマ接触用シール面54を含む。第2のシール壁52は、シール面54の周縁部分を覆う。第1のシール壁50は、場合により、チャンバ40を画定する壁の一部を形成する。
【0024】
ガスベント通路58は第1および第2のシール壁50および52間の界面によって提供され、シール面54および/またはシール接触開口56における腸内ガスは、シールからベント通路58を介して
図4における出口60へ抜けることができる。
図6を参照すると、第2の(外側の)シール壁52がリム部分22によって粘着係合されて、リム部分22に捕捉された状態となる場合でも、これにより腸内ガスが逃げる能力は妨害されない。先に説明したように、第2のシール壁52は、露出された粘着面へ即時、または経時的に徐々に付着された状態となる場合がある。この粘着の危険性は、ストーマシールにおける湿った環境が徐々にウェーハの粘着材を軟化させてねばつかせることに起因して、経時的に増大する可能性がある。本実施形態の場合、シール接触開口56の領域内のシール面54でストーマ12から逃げる腸内ガスは、ベント通路58を介して周辺に抜けてもよい。ベント通路58は、壁50および52間の隙間によって画定されてもよい。好ましくは、ベント通路は、第1および第2のシール壁間へ進入した腸内ガスをシール接触開口から間隔をおいた位置で逃がすための1つまたは複数の出口60を備える。例えば、少なくとも一方のシール壁は、シール接触開口から離れて配置される少なくとも1つの腸内ガスベント開口60を含んでもよい。例えば、
図3において、開口60aは、第2のシール壁52の周縁のフランジ部分に設けられてもよく、かつ/または開口60bは、第2のシール壁52の側壁部分に設けられてもよい。あるいは、または追加的に、例えば後述する
図3および
図7における、第1および第2のシール壁間のジョイント61である装着用ジョイントには、1つまたは複数の空間または裂け目60cが設けられてもよい。ジョイント61は、間隔をおいた一連のスポット溶接部によって画定されてもよい。さらに、第1のシール壁50と第2のシール壁52との間のシール部位には、開口60dが生成されることが可能である。このような処理は、シールのフランジ部位において開口がさらに移動されることから、開口のより容易な生成を可能にする。
【0025】
第1および第2のシール壁50および52は、軟質材料で、好ましくはプラスチック、より好ましくはプラスチックフィルムで製造される。少なくとも第1のシール壁50(および、好ましくは第2のシール壁52も)は、腸内ガス、液体および固体糞便に対して略不浸透性である材料で製造される。材料の例には、ポリエチレン(単独重合体または共重合体)、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、合成ゴム、ナイロン、ポリエステル、他が含まれる。ポリ(塩化ビニリデン)およびエチレン酢酸ビニルの多層構造を基礎とする従来のストーマ袋フィルムも、材料候補の一つである。第1および第2のシール壁50および52は、同じ材料で製造されても、異なる材料で製造されてもよい。第1および第2のシール壁は、柔軟な三次元形状を有するように熱成形されてもよい。第1および第2のシール壁50および52の厚さは、同じであっても、異なってもよい。第2のシール壁の主たる機能は、遮蔽として作用することにある。第2のシールは、それが十分な強度を有する限り、薄くて軟らかいことが好ましい。開口に近い薄くて軟らかい縁は、ストーマと第2のシールの縁とが近接する場合に安全かつストーマに優しいものとなる。さらに、開口56に近い第2のシール52の縁は、斜角を付けられてもよい。このような柔らかい縁の機構は、第2のシールが第1のシール54上へ結合されるようにU字形に製造される同じ熱成形ステップにおいて製造される可能性もある。
【0026】
第2のシール壁52を設けることは、装具の複雑さをさほど増すものではなく、また第2のシール壁52の追加も、単一の(内側の)シール壁50に比べてかなりの空間を占めるものではない。エレメントが比較的限られた空間に収容されるコンパクトな構造を保持して、皮膚表面よりも低く望ましい輪郭高度を達成することが所望される、図示されている実施形態では、これは特に重要である。
【0027】
図1〜
図5を参照すると、第1および第2のシール壁50および52は、本実施形態において、シール接触開口56の周縁から(横方向および/または軸方向へ)少なくとも5mmの距離を隔てた1つまたは複数の位置でしか互いに接合されない。このような間隔は、第1のシール壁50が第2のシール壁52とは独立した動作または変位を限定的にしか行えないようにする。さらに、第1のシール壁50および第2のシール壁52は、
図3に示されているフランジのベースにおいて互いに接合されることが可能である。よって、この処理により、開口56の近くでは、第1のシール壁50と第2のシール壁52との間の完全な開放が可能となる。第1のシール壁50は、ストーマの突出の変化に依存して、ストーマ12に接触し、かつハウジング30へと引っ込む、または皮膚18へと前進するための適切な位置合わせを選ぶことができる。例えば、ストーマシール32に加わる力が増大されてストーマ12が外側へ押されれば、シールサポート38は、流体制動により画定される適切な遅延によって徐々に弛緩し、ストーマシール32が装具内へ引っ込めるようにして、ストーマ12へ余分な力が長期間にわたって加わることを防止する。シール接触開口56を介してストーマ12に接触する第1のシール壁50は、第2のシール壁52が粘着ウェーハ16によって捕捉係合されて引っ込めなくされるにも関わらず、引っ込むことができる。
【0028】
ストーマシール32(壁50および壁52で作られる)およびサポート38(流体を包含するチャンバ40、弾性部材42およびポート44を含む)は、合わせて、
図4に単独で示されているシールユニットまたはモジュール62の一部を形成してもよい。シールモジュール62は、概して一体式の構造ユニットであり、装具10を容易に組み立てることができる2つ以上のモジュールのうちの1つである。第1および第2のシール壁50および52は、例えばベースフランジを含むシルクハット形である概して同じ構造を有する。この三次元形状は、例えば、軟質のプラスチックフィルムを熱成形することによって与えられてもよい。壁50および壁52は、一方が他方に入れ子にされる。壁50および壁52のフランジは、場合により共通の継ぎ目で、または個々の隣接する、または間隔をおいた継ぎ目でキャリアフィルム64へ、例えば溶接により密封される。キャリアフィルムは、略硬質でありかつ/または壁50および壁52より硬質である支持壁66へ、例えば溶接または接着によって密封される。この構造は、流体を包含するチャンバ40を画定し、かつ弾性部材42は、製造中にチャンバ40内へ配置される。弾性部材42の一例は、弾性発泡体である。支持壁66は、チャンバ40と連通する1つまたは複数の流体移送ポート44を搭載する。支持壁66は、場合により、シールモジュール62を装具10の別の部分へ取り付けるための1つまたは複数のクリップまたは固定具68を搭載し、または備える。
【0029】
図示されている例では、装具10は、さらに、排泄物収集器70を備える。排泄物収集器70は、概して管状または袋形であってもよく、反対の両端部分に開口を有する。排泄物収集器70の一方の端は、装具側の結合エレメント26へ結合され、かつもう一方の端は、ハウジング30へ結合される。装具側の結合エレメント26は、さらに、ハウジング30へも直に結合可能である。結合された状態は、排泄物収集器70がコンパクトな環形に折り畳まれてハウジング内にしまい込まれる、装具10の第1の動作状態を規定する。これは、装具10が初めに提供されかつ使用される形式である。
【0030】
シールモジュール62は、好ましくは、排泄物収集器70により画定される空間内に受け入れ可能である。シールモジュール62は、ハウジングの排泄物収集器70によって包囲される部分へ、固定具68によって取り付けられてもよい。ハウジング30の内面と支持壁66の外面との間には、脱臭フィルタ34を受け入れるための空間が確保されてもよい。したがって、開口60を介してストーマシール32から出る腸内ガスは、折り畳まれた収集器70により画定される空間へ入り、ここから支持壁38の背後へ廻り脱臭フィルタを介して大気ベントへ抜けることができる。開口60は比較的大きくてもよく、例えば、各々直径が少なくとも4mmであってもよい。開口60は、集合的に少なくとも10mm
2であるオープン部位を画定してもよく、かつ100mm
2を超えてもよい。比較的大きい開口サイズおよび/または面積の使用は、装具10の限定された空間内に折り畳まれる排泄物収集器70の材料による閉塞の危険性を減じることができる。また、開口60は、両シール壁間のジョイントにおけるスリットまたは裂け目の形式をとる可能性もある。
【0031】
図6を参照すると、装具10を取り外したい場合、ハウジング30は、(この段階では)装具側の結合エレメント26を身体側の結合エレメント24から分離することなく、ハウジング30を装具側の結合エレメント26から取り外すように操作される。ハウジング30を引き離すと、排泄物収集器70は膨張する。シールモジュール62はハウジング30に付着されていて、よってハウジングを引き離すと、同様にストーマシール32がストーマから引き離される。第2の(外側の)シール壁52が、ウェーハ16のリム部分22の露出された粘着面によって粘着係合されていれば、ストーマシール32の引き離しは、第2のシール壁52を粘着係合から自動的に引き離し、または剥がす。ストーマシール32がストーマ12から離れると、ストーマ12に堆積されている身体排泄物は何れも、閉塞なしに排泄物収集器70へと排出可能である。したがって、第2のシール壁52を、ストーマを部分的に覆うガスケットとして留まるよりもハウジング30と共に除去されるストーマシール32の一部として設けることは、ストーマから排出される身体排泄物のあらゆる閉塞または分流の危険性を回避する。
【0032】
堆積された身体排泄物の排泄物収集器70への排出に続いて、装具側の結合エレメント26は身体側の結合エレメント24から分離されてもよく、装具およびその収集された流出液の完全な取外しおよび廃棄が可能にされる。
【0033】
図7は、第1および第2の壁50および52’を備えるストーマシールの代替例を示す。第1のシール壁50は先に述べたものに類似していて、シルクハット形を有する。第2のシール壁52’は、第1のシール壁50とは異なる形状および/または構造を有する。第2のシール壁52’は、場合により、概して平坦であり、例えば、ワッシャまたは環状の円板の形式である。第2のシール壁52’は、先に述べたものに類似する方法でシール接触開口56を画定する。ベント通路58は、第1および第2のシール壁50および52’間に画定される。腸内ガスは、第1および第2のシール壁50および52’間の溶接ジョイント61における出口隙間または裂け目60cを介して周辺に逃げることができる。溶接ジョイント61は、間隔をおいたスポット溶接部または間隔をおいた粘着領域の形式をとってもよい。
【0034】
図7の実施形態は、第2のシール壁52’が身体ウェーハ16によって粘着係合されるとしても、第1の実施形態と同じ腸内ガスベントを提供する。
【0035】
この好適な実施形態に示されているような第2の(外側の)シール壁を設けることは、非侵入閉鎖シールを、シールの動作を妨害することなく、ストーマシールに面する露出された粘着材を有するあるタイプの(例えば、成形可能な)身体フィットメントと共に使用できるようにする、という重大な優位点を提供し得ることは認識されるであろう。内側および外側の壁50および壁52を用いるストーマシール32の設計は、場合により、ストーマ開口20の周りにストーマシール32に面する露出された粘着材を持たない装着用デバイスのために使用可能であってもよい。例えば、粘着ウェーハ16の皮膚に面しない表面16bは、非粘着性である(例えば、これは、場合によりプラスチックフィルムであってもよい非粘着性の裏当て材で覆われる)。第1および第2のシール壁50および52は、合わせて、ストーマ12の突出の度合い、およびシールサポート38により加えられる/支持される力に従って動的に再配置されることが可能な単一の組み合わされたシール壁として機能してもよい。腸内ガスは、ストーマシール32とストーマ12とが接触する周縁で逃げてもよく、かつ/または腸内ガスは、内側および外側のシール壁50および52間の界面58に沿って、先に述べた方法と同様にして逃げてもよい。
【0036】
成形可能な身体フィットメント14は、排出制御式ストーマ装具10から分離された装具であることが可能であり、これは、一般にツーピースストーマデバイスと呼ばれる。さらに、成形可能な身体フィットメント14および排出制御式ストーマ装具10は一体型であることも可能であり、これらは、機械的締り嵌め(例えば、インターロック)を生成するための硬質の結合エレメント24および26を用いて、または用いることなく軟質フラップにより互いに接合されることが可能である。これは、成形可能な粘着材を有する一体型のストーマ装具となる。粘着性の結合機構は、硬質の結合エレメント24および26を変位させるために使用されることが可能である。これは、成形可能な粘着材を有する一体型のストーマ装具となる。
【0037】
また、これまでの説明は、本発明の好適な一実施形態に関するものであることも認識されるであろう。多くの修正、改良および等価物が、許容される任意の請求の範囲に含まれる場合がある。