特許第6000980号(P6000980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6000980超音速流れ用の翼およびプラットフォームアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000980
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】超音速流れ用の翼およびプラットフォームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/30 20060101AFI20160923BHJP
   F01D 5/30 20060101ALI20160923BHJP
   F04D 21/00 20060101ALI20160923BHJP
   F01D 5/14 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
   F04D29/30 D
   F04D29/30 F
   F01D5/30
   F04D21/00
   F01D5/14
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-553010(P2013-553010)
(86)(22)【出願日】2012年2月6日
(65)【公表番号】特表2014-505830(P2014-505830A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】FR2012050254
(87)【国際公開番号】WO2012107677
(87)【国際公開日】20120816
【審査請求日】2014年12月26日
(31)【優先権主張番号】1151070
(32)【優先日】2011年2月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505277691
【氏名又は名称】スネクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セリエ,ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ペロ,バンサン・ポール・ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】リオ,ジヤン−フランソワ
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−177736(JP,A)
【文献】 特表2011−513628(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0118362(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/30
F01D 5/14
F01D 5/30
F04D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンエンジンブレード付きホィール用の翼(20)と、翼が実装されるのに適したプラットフォーム(22)とを含むアセンブリ(1)であって、
複数の前記翼は、前記プラットフォームに、または、一体に組み立てられた複数の前記プラットフォームに、ブレード付きホィール(14)を形成するように締結されるのに適しておりブレード付きホィール(14)は、ホィール軸(A)を有し、この軸に沿って上流および下流方向を画定、翼はホィールの中で半径方向に配置されており、
前記ホィールにおいて、プラットフォーム(22)または一体組み立てプラットフォームは、プラットフォーム表面と称されて、翼の間に形成されたガス通路の内側を半径方向に画定する、翼の間の表面(30)を有し、
前記プラットフォーム表面は、実質的に翼の前縁と後縁との間で軸方向に延在する周囲陥凹(40)を有し、前記陥凹の最深断面(41)は軸方向で翼の上流半分に位置し、
前記アセンブリは、
「スケルトン曲線」(46、47)が、ホィールの軸に沿った位置に応じて、プラットフォーム表面と実質的に平行な断面における翼のスケルトン角度(α)のばらつきを表す曲線であり、
「線形化スケルトン曲線」(45)が、ホィールの軸に沿った位置に応じた角度のばらつきを表す曲線であって、この曲線は前縁から翼の軸方向範囲のそれぞれ10%および90%におけるスケルトン角度を表す点を結ぶ直線であり、
プラットフォームの近傍において、スケルトン曲線が、線形化スケルトン曲線(45)の上方に位置するせり上がり部分(44)を有することを特徴とする、アセンブリ。
【請求項2】
スケルトン曲線(46)と線形化スケルトン曲線(45)との間のずれ(d)が最大となる平面(P2)が、前記最深断面(41)の平面(P)と実質的に一致する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
スケルトン曲線(47)と線形化スケルトン曲線(45)との間のずれが最大となる平面(P2、P3)が、軸方向で前記最深断面(41)の0.5×N%および1.5×N%の位置の間に位置し、値Nはその前縁から翼の軸方向範囲に対して表されるパーセンテージに100を乗じて得られる数である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記最深断面(41)が、軸方向でその前縁から翼の軸方向範囲の15%から40%の範囲に位置する、請求項1から3のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項5】
スケルトン曲線が、線形化スケルトン曲線より下に位置して前記せり上がり部分(44)よりも軸方向下流に位置する低下部分(48)を有する、請求項1から4のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項6】
スケルトン曲線および線形化スケルトン曲線が、その前縁から翼の軸方向範囲の50%から75%の範囲に位置する点(M)において交差する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
タービンエンジン用の、請求項1から6のいずれか1つに記載のアセンブリを含むブレード(18)であって、少なくとも1つの翼と一体に形成されたプラットフォームを含む、ブレード。
【請求項8】
請求項7に記載のブレードを備えて形成された、タービンエンジンブレード付きホィール(14)。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1つに記載の少なくとも1つのアセンブリを備えて形成された、タービンエンジンブレード付きホィール(14)。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の少なくとも1つのブレード付きホィールを含む、タービンエンジン(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、翼が実装されるプラットフォームとともにタービンエンジンブレード付きホィール用の翼を含むアセンブリに関し、このように形成されたアセンブリは、1つのプラットフォームまたは複数の一体組み立てプラットフォームに締結された複数の翼がブレード付きホィールを形成できるように配置されている。「プラットフォーム」という用語は本明細書において、ブレード付きホィールの隣り合う2つの翼の間に形成されたブレード間通路の半径方向内側を画定する部分を指定するために使用される。「プラットフォーム表面」という用語は、ブレード間通路に面するプラットフォーム表面を指定するために使用される。プラットフォーム表面はまた、まとめて見なされるブレード付きホィールのプラットフォーム表面のアセンブリも指定してもよい。
【背景技術】
【0002】
周知の方法では、ブレード付きホィールの翼は、ブレード付きホィールを構成するために、ロータディスクと一体に作成されてもよい。翼およびそのプラットフォームの両方を組み合わせる方法で作成された部品は、一体型ブレード付きホィールと称される。別の実施形態において、翼はロータデディスクとは別に作成される(すなわち、これらは個別の部品を構成する)。このような状況下で、翼はそれぞれの根元を備えてロータディスクに締結され得るように形成され、これによりブレードを構成する。ロータディスク上にブレードを含むアセンブリは、こうしてブレード付きホィールを構成する。
【0003】
本発明は、プラットフォーム表面に対する翼の有利な配置を得ようとするものである。このような配置は、プラットフォームおよび翼が個別の部品を構成するか否かに関わらず、上述の様々な構造において提供されてもよい。
【0004】
本発明はより具体的には、(高圧または低圧)圧縮機の、具体的にはタービンエンジンまたはヘリコプタ用ターボシャフトエンジンに見られる多段圧縮機のブレード付きホィールを作成するために、上述のようなアセンブリを作成しようとするものである。本発明はまた、タービンエンジンのタービン用のブレードまたはブレード付きホィールを作成するために使用されてもよい(このタービンは高圧または低圧タービンのいずれでもよい)。
【0005】
タービンエンジンの圧縮機段の空気力学的効率(理想的な仕事(理想的な仕事は等エントロピー変化に結合された仕事)と、圧縮機段の上流および下流末端の間で所定の圧力上昇を得るために流体に通常供給される仕事との比率に等しい)は、翼の形状のみならず、プラットフォームの形状にも依存する。この効率を向上させるために、(1つまたは複数の)ブレード付きホィールを通る流体ストリームの流れ断面積を局所的に増加または減少させるように、1つ以上のブレード付きホィールのプラットフォーム表面を変更することが知られている。この目的のため、および周知の方法において、プラットフォームは、翼と同じレベルの表面に周囲陥凹および/または周囲隆起領域を配置することによって変更される。(「周囲」という用語は本明細書において、当然ながら翼の直接的な近傍を除いて、実質的に回転面である陥凹または隆起領域を指定するために、陥凹または隆起領域に対して使用される)。「輪郭付け」として知られるこのような変更は、ブレード付きホィールの、およびより一般的には圧縮機段の、空気力学的効率を改善するのに役立つ。「陥凹」および「隆起領域」という用語は、通路の内部を半径方向に画定し、ブレード付きホィールの上流から下流に向かって直線的に変化する、理論上の表面を基準として理解されるべきである。
【0006】
とは言うものの、ブレード付きホィールのためにこうして得られた効率の向上にもかかわらず、このような変更は一般的に、流体ストリームに対する特定の望ましくない効果もたらす。具体的には、
・これはブレード付きホィールからの出口における高い圧力勾配を生じる可能性がある。このような勾配は、ブレード付きホィールの動作に、具体的には特に多段圧縮機の、タービンエンジンの全体的な効率にとって、有害である。
【0007】
・これは特にその根元の近傍において、翼の周りの速度分布の不均一性を生じる可能性がある。
【0008】
・最後にこれは、ホィールの圧縮比の変更を招く可能性がある(ここで圧縮比とはブレード付きホィールの上流および下流の圧力の比率に等しい)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような望ましくない副作用が観察されると、これらは通常、対象とするブレード付きホィールより下流の流体通路に位置するブレード付きホィールの形状を変更することによって、是正される。とは言うものの、このような変更は、対象とするブレード付きホィールのプラットフォーム表面を変更することによって可能とされた効率の改善を保存することはできない。加えて、このような変更をなすことは、必ずしも可能であるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、タービンエンジンブレード付きホィール用の翼と、翼が実装されるのに適したプラットフォームとを含む、アセンブリを提案することによって、このような欠点を是正することであり、
・複数の前記翼は、前記プラットフォームに、または、一体に組み立てられた複数の前記プラットフォームに、ブレード付きホィールを形成するように締結されるのに適しており、およびブレード付きホィールは、ホィール軸を有し、この軸に沿って上流および下流方向を画定、翼はホィールの中で半径方向に配置されており、
・前記ホィールにおいて、プラットフォームまたは一体組み立てプラットフォームは、プラットフォーム表面と称されて、翼の間に形成されたガス通過路の内側を半径方向に画定する、翼の間の表面を有し、
・前記プラットフォーム表面は、実質的に翼の前縁と後縁との間で軸方向に延在する周囲陥凹を有し、前記陥凹の最深断面は、軸方向で翼の上流半分に位置しており、
このアセンブリは、良好な空気力学的効率を有するブレード付きホィールを提供し、プラットフォームの表面に周囲陥凹がない場合に観察されるであろうものと類似のブレード付きホィールより下流の圧力勾配を保証し、特にブレード根元の近傍において、比較的均一な流体の速度分布が得られるようにし、そして超音速の流れにおいて動作するブレードについてこれを可能にする。
【0011】
本発明によって提供される解決法を提示するために、以下の要素が定義される。
【0012】
プラットフォームの「近傍」とは、翼をプラットフォームに接続する隅肉の上方の短い距離(たとえば翼の高さの40%未満)に位置する翼の部分に関する。スケルトン角度は、翼の長手方向に対して直角な平面内のブレード付きホィールの軸に対して、翼の中立素分によって形成された角度であり、スケルトン角度の徴候は、上流スケルトン角度(翼の前縁におけるスケルトン角度)がプラスになるように選択される。
【0013】
スケルトン曲線は、ホィールの軸に沿った位置に応じて、プラットフォーム表面と平行な断面における翼のスケルトン角度のばらつきをプロットした曲線である。
【0014】
線形化スケルトン曲線は、ホィールの軸に沿った位置に応じた角度のばらつきを表す曲線であり、この角度は、その前縁から翼の軸方向範囲のそれぞれ10%および90%におけるスケルトン角度を表す点の間の直線接続をなす。線形化スケルトン曲線によって表される線形化スケルトン角度はこのため、前縁から翼の軸方向範囲の10%および90%におけるスケルトン角度に等しい(特定の配置に置かれてもよい翼の上流および下流末端は、考慮されない)。
【0015】
本発明は、上記で指定されたアセンブリにおいて、プラットフォームの近傍で、スケルトン曲線が、線形化スケルトン曲線より上に位置するせり上がり部分を有するということによって、上記で指定された目的を達成する。
【0016】
このため本発明は、プラットフォームに配置された周囲陥凹によって引き起こされるストリームの変更に翼を適応させるように、スケルトン曲線を(対象とする断面におけるスケルトン角度が線形化スケルトン曲線に対する絶対値において増加するという意味において、スケルトン角度を「閉じる」程度に)せり上げることができるように、翼の形状を局所的に変更することからなる。曲線の少なくとも1つの点が線形化スケルトン曲線よりも3°以上のところに位置するときにスケルトン曲線がこのようにせり上がるということは、考慮されてもよい。プラットフォームの近傍での翼の変更は、周囲陥凹によって構成されたプラットフォーム表面に対する変更を考慮に入れて、ブレード付きホィールの動作を最適化するのに役立つ。
【0017】
翼の軸方向範囲(以下でEと書かれている)は、翼根元から、翼の前縁と後縁との間のブレード付きホィールの軸に沿った距離を指定する。
【0018】
本発明のアセンブリにおいて、「スケルトン」曲線とも称される、翼の半径方向下部分にわたるスケルトン角度のばらつきをプロットした曲線によって示されるせり上がり部分のため、ガスまたは空気のストリームは以下のように偏向する。
【0019】
・周囲陥凹の近傍のブレードに対する座標系における「輪郭付け」の適用によって生じる加速を制限する。こうして流体ストリームの速度の増加を制限することで、衝撃波損失を低減できるようにする(具体的には翼の軸方向範囲の0°から40%の範囲で、スケルトン角度を閉じることによる)。
【0020】
・流量勾配を初期値に、すなわち周囲陥凹がない場合、またはより一般的には輪郭付けがない場合の値に戻すように、周囲陥凹によって生じるプラットフォームの近傍における流量の増加を制限する。
【0021】
さらに、超音速流において、本発明のアセンブリを組み込んだブレード付きホィールは、周囲陥凹がない場合に観察されるであろうものと類似のブレード付きホィールより下流の圧力勾配を有し、比較的均一なブレード根元の近傍における流体速度分布を有する、良好な空気力学的効率を有する。
【0022】
本発明のアセンブリは、以下の改良の主題となり得る。
【0023】
・スケルトン曲線と線形化スケルトン曲線との間のずれが最大となる平面は、前記最深断面の平面と実質的に一致してもよい。
【0024】
・スケルトン曲線と線形化スケルトン曲線との間のずれが最大となる平面は、軸方向で、最深断面の0.5×N%と1.5×N%との間の位置にあってもよく、値Nは、その前縁から翼の軸方向範囲に対して表されるパーセンテージに100を乗じて得られる数である。
【0025】
・最深断面は、軸方向で翼の前縁から翼の軸方向範囲の15%から40%の範囲に位置してもよい。
【0026】
スケルトン曲線および線形化スケルトン曲線は、翼の前縁から翼の軸方向範囲の50%から75%の範囲に位置する点で交差してもよい。
【0027】
・スケルトン曲線は、線形化スケルトン曲線の下に位置して前記せり上がり部分よりも軸方向下流に位置する、低下部分を有してもよい。翼の半径方向内側部分にわたる低下部分のため、流体に課せられる偏向は制限され、それにより、周囲陥凹を変更することによって生じる翼の後縁におけるストリームプロファイル間のずれの増加を相殺できるようにする(ストリームプロファイル間のずれは、後縁の近傍におけるストリームの方向と下流スケルトン角度との間のずれである)。周囲陥凹によって生じる流路の開放は、翼を刺激から解放し、こうしてこの変更を適用可能とする。ストリームプロファイル間のずれを元の値に戻すことによって、流体の流出角度を保存できるようにし、これにより、翼の空気力学的性能を改善しながら圧縮比勾配を保存できるようにする。
【0028】
本発明の第二の目的は、このようなブレードの助けを借りて構成されたブレード付きホィールに良好な空気力学的効率を付与し、プラットフォーム表面の周囲陥凹がない場合に観察されるであろうものと類似のブレード付きホィールより下流の圧力勾配を提供し、特にブレード根元の近傍において、比較的均一な流体の速度分布を得られるようにする、少なくとも1つの翼と一体に形成されたプラットフォームを含むタービンエンジンブレードを提供することである。
【0029】
この目的は、タービンエンジンブレードが、上記で定義されたようなアセンブリを備えるということによって、達成される。このようなブレードのプラットフォームは一般的に、翼の間に存在するガス流路の内側を半径方向に画定するブレード間表面全体を画定するような方法で、配置される。
【0030】
本発明の第三の目的は、良好な空気力学的効率、プラットフォーム表面の周囲陥凹がない場合に観察されるであろうものと類似のブレード付きホィールより下流の圧力勾配、および特にブレード根元の近傍において比較的均一な速度分布を有する、タービンエンジンブレード付きホィールを提供することである。
【0031】
この目的は、ブレード付きホィールが上記で定義されたようなブレードを備えて形成されているか、もしくは上記で定義されたような少なくとも1つのアセンブリを備えて形成されているということによって、達成される。一体型ブレード付きホィールは、このようなブレード付きホィールの一例を構成する。
【0032】
最後に本発明は、上記で定義されたような少なくとも1つのブレード付きホィールを含むタービンエンジンに、有利に組み込まれてもよい。
【0033】
非限定例として提供される実施形態の、以下の詳細な説明を読むことで、本発明はより良く理解され、その利点はより明らかとなる。説明では、以下の添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明のタービンエンジンの圧縮機段の模式的斜視図である。
図2図1に示されるホィールの部品を形成する、本発明の3つのアセンブリの模式的斜視図である。
図3A】先行技術の、翼に結合されたプラットフォームを含むアセンブリを示す図であって、a)周方向から見たアセンブリの模式図で、b)前記アセンブリの翼のスケルトン曲線を示すグラフである。
図3B】本発明の第一の実施形態を構成する、翼に結合されたプラットフォームを含むアセンブリを示す図であって、a)周方向から見たアセンブリの模式図で、b)前記アセンブリの翼のスケルトン曲線を示すグラフである。
図4】それぞれ第一の実施形態および第二の実施形態に対応する、本発明のアセンブリの翼のスケルトン曲線の2つの変形例を示すグラフである。
図5】本発明のアセンブリの翼の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
様々な図において、同一または類似の要素には、同じ参照符号が付される。
【0036】
図1は、タービンエンジン100内の軸流圧縮機10の部分を示す。圧縮機10は、内部にブレード付きホィール14が実装されたケーシング12を含む。ブレード付きホィール14自体は、軸対称構成で半径方向ブレード18が従来通りに実装された、ロータディスク16を含む。ブレード付きホィールは、ケーシング12の中で回転軸Aを中心に回転できるように、配置されている。
【0037】
ブレード付きホィール14上のブレード18の配置は、ホィール14の一部を示す、図2によってより詳細に示されている。
【0038】
ホィール14において、各ブレード18は、翼20、プラットフォーム22、およびブレード根元24に結合するアセンブリ1を形成する。ブレードプラットフォーム22は、こうして翼20と一体に作成される。当然ながら本発明は、翼および(1つまたは複数の)プラットフォームが個別の部品を構成する、別のタイプのブレード付きホィールにおいて実現されてもよい。
【0039】
根元24は、ブレード18をロータディスク16に締結するのに役立つ。
【0040】
ブレード付きホィール14内に結合されたプラットフォーム22は、ブレードの間にガスを通すブレード間通路の半径方向内側を画定するプラットフォーム表面30を作り上げる。このプラットフォーム表面は、ほぼ回転面である−またはこれは少なくとも回転面に近似していてもよい。
【0041】
ブレード18は、ホィール14を作り上げるように一体に組み立てられたときに、ブレードのプラットフォームは翼20の間に形成されたプラットフォーム表面30全体を画定するような方法で配置される。このため、プラットフォーム表面30の一部を形成したり、またはこれを成形したりする、付加的な部分はない。ブレード18が一体に組み立てられることを可能にするために、プラットフォームのブレード付きホィールの周方向の1辺の縁32は、周方向Cに対する対辺上に位置するプラットフォームの縁34と補完的な形状である。
【0042】
各翼20は前縁26および後縁28を有しており、各翼に特有の半径方向Bに、放射状に延在する。
【0043】
図2には、プラットフォーム表面30と実質的に平行な断面を構成する断面Vが見られ、これは翼20の根元の近傍に位置している。
【0044】
図5は、翼の長手軸に対して直角な平面内にある、タービンエンジンブレードの翼120の断面図である。
【0045】
この断面図は、問題の平面における、翼の中立素分122を示す。中立素分は、翼の2つの側面(圧力側および吸引側)から等距離にある、翼の1組の点である。たとえば、図示される点Mは、圧力側および吸引側から同じ距離dにある。点Mにおけるスケルトン角度αは、点Mにおける中立素分との接線124とホィールの軸Aとの間の角度である。スケルトン角度αすなわち上流スケルトン角度は、翼120の前側でのスケルトン角度である。
【0046】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ先行技術による実施形態および本発明の実施形態における(プラットフォーム22および翼20を組み合わせた)アセンブリ1を示す。
【0047】
図3A
a)に示されるプラットフォーム表面30は、翼20の軸に沿って(すなわち軸Aに沿って)いかなる特有の変化も受けていない。このためこのプラットフォーム表面30は、実質的に円錐形の基準プラットフォーム表面30refである。
【0048】
b)には、ホィール14の軸に沿った軸方向位置に応じて、平面A−A(a)において一点鎖線で記された平面)内のa)翼のスケルトン角度のばらつきを示す曲線がプロットされている。軸方向位置は、翼20の軸方向範囲Eに対する位置に応じて、パーセンテージで記される。軸方向範囲Eは、翼20の根元における前縁26と後縁28との間の軸Aに沿った距離である(a)参照)。図3Aに示されるアセンブリの翼20は、b)に示されるように、スケルトン曲線と線形化スケルトンが一致したタイプの翼である。
【0049】
図3B
図3Bは、本発明の実施形態を示す。この実施形態において、プラットフォーム表面30は翼20に沿って変化させられている。
【0050】
施された変化は、基準プラットフォーム表面30refに対して半径方向に相対的に画定されている。この表面30refは、プラットフォーム表面30と近似している実質的に円錐形の表面として画定されており、この基準面30refは、周囲陥凹、および翼20に沿った様々な軸方向箇所においてプラットフォーム表面から突起または窪む可能性のあるその他いずれの局所的変化も(周方向であってもなくても、もしあれば)無視しながら、決定される。
【0051】
プラットフォーム30および翼20の表面変化はまた、翼20の軸方向範囲Eに対して軸方向にも画定される。
【0052】
プラットフォーム表面30は、周囲陥凹40を有するように変化させられる(図3Bのa))。「陥凹」という用語は、基準プラットフォーム表面30refの半径方向内側に位置し、局所的に拡大された空気流路に対応する、プラットフォーム表面の部分を意味するために使用される。
【0053】
周囲陥凹40は、翼20の前縁26と後縁28との間で軸方向に延在する。この陥凹40の(ホィール14の軸Aに対して直角な平面P内にある)最深軸方向断面41は、軸方向で翼20の上流半分に位置している。上記の文中で、「最深」断面とは、基準プラットフォーム表面30refに対する距離dが最大となる陥凹40の断面を指定する(図3Bのa)参照)。図示される実施形態(図3Bのb))において、最深断面41は、軸方向でその前縁から翼の軸方向範囲Eの15%から40%の範囲、より正確にはこの範囲Eの約30%に、位置している。
【0054】
上述の周囲陥凹40は、ブレード付きホィール14の効率を向上させる。反対に、これは理論上のプラットフォーム表面30refによって可能とされる流れと比較して、プラットフォーム表面の近傍における流体の流れを撹乱する。
【0055】
本発明において、これらの撹乱を補償するために、翼20の形状は図3Bのb)および図4に示されるように変更される。この変更は、主にその半径方向内側末端における翼20の高さの40%に対して(一般的な形で)適用される。この変更は特に、プラットフォームの表面と実質的に平行であってプラットフォームの近傍に位置する、翼の断面(平面V、図2)に現れている。
【0056】
この変更は、以下のように図4に示さる。
【0057】
・太線で示される、本発明の第一の実施形態の翼20のスケルトン角度αのばらつきを表すスケルトン曲線46(図3B)。
【0058】
・破線で示される、本発明の第二の実施形態における翼のスケルトン角度αのばらつきを示すスケルトン曲線47。
【0059】
・細線で示される、両方の実施形態と同じ線形化スケルトン角度のばらつきを示す、翼20の線形化スケルトン曲線45。
【0060】
これらの様々な曲線において、スケルトン角度αのばらつきは翼の軸方向位置に応じてプロットされており、この軸方向位置は、翼20の軸方向範囲Eに対するパーセンテージとして与えられる。
【0061】
両方の実施形態において、プラットフォーム表面の形状は同じであり、図3Bに示される通りである。
【0062】
本発明において適用された翼20に対する変更は、スケルトン角度曲線が、線形化スケルトン曲線45の辺りに位置するせり上がり部分を有するということに存する。(「せり上がり」という用語は、曲線の部分が線形化スケルトン角度曲線の上に位置することを意味するために使用される。言い換えると、せり上がり部分において、スケルトン角度は線形化スケルトン角度よりも絶対値が大きく、より閉鎖している)。このせり上がり部分は、第一および第二の実施形態について、それぞれ44および144で示されている。
【0063】
せり上がり部分の顕著な特徴は、スケルトン曲線(46または47)と線形化スケルトン曲線45との間のずれが最大となる、断面dの位置、より具体的には周囲陥凹40の最深断面41に対するこの断面dの位置である。第一の実施形態(スケルトン曲線46)において、断面dの平面(ブレード付きホィールの軸に対して直角な平面)は、周囲陥凹の最深断面41の平面P(図3Bのb))と一致する。
【0064】
一般的に、dの平面は好ましくは、軸方向で最深断面41の片側、すなわち最深断面41の0.5×N%および1.5×N%の位置の間に位置し、ここで値Nは翼20の軸方向範囲Eに対して表されるパーセンテージに100を乗じて得られる数である。記載される実施形態において、そして上述のように、(周囲陥凹40の最深断面41の)平面Pは、Eの約30%の位置にある。上記の基準を適用すると、最深断面はEの0.5×30%から1.5%×30%の範囲、すなわち15%から45%の範囲内でなければならない。これは実際に、断面dは曲線46ではEの30%に位置するので第一の実施形態に該当し、曲線47の断面dはEの40%に位置するので第二の実施形態にも該当する。
【0065】
さらに、スケルトン曲線は場合により、せり上がり部分よりも下流に低下部分を有してもよい。第一の実施形態において、せり上がり部分44は、最大で軸方向範囲Eの約60%までの範囲にわたって延在する。せり上がり部分44の下流では、曲線46は低下部分48を有する。この部分は、軸方向範囲Eの約60%から約90%まで、軸方向に延在する。その結果、スケルトン曲線46および線形化スケルトン曲線45は、翼の軸方向範囲Eの50%から75%の範囲に位置する、Mで示される点で交差する。図4において、点MはEの60%に位置することがわかる。
【0066】
第二の実施形態において、および第一の実施形態とは対照的に、スケルトン曲線47はせり上がり部分よりも下流に低下部分を有していない。対照的に、スケルトン曲線47は、せり上がり部分144が翼の軸方向範囲のほぼすべて(10%から90%の範囲)にわたって延在している状態で、線形化スケルトン曲線45の上に残る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5