(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示されている。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0014】
<コンテンツ配信システムの構成>
以下、本発明の一形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
本発明のコンテンツ配信システム100は、コンテンツ配信サーバ110と、ユーザ側の入出力端末120とから構成されている。コンテンツ配信サーバ110と入出力端末120は、ネットワーク130を介して通信を行う。
【0015】
コンテンツ配信サーバ110は、例えばコンピュータなどの情報処理装置により構成されており、CPU(図示せず:プロセッサ又は演算部ともいう)と、メモリやHDDやROMなどの記憶装置(図示せず)とを有している。
また、入出力端末120も、上述と同様のコンピュータなどの情報処理装置で構成される。なお、入出力端末120は、例えば、PDA、PHS、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などの可搬型端末にしてもよい。
【0016】
ネットワーク130は、有線通信、又は無線LANによる無線通信を利用したネットワークである。また、ネットワーク130としては、インターネット、VPN、携帯電話通信網、PHS通信網などの広域ネットワークを利用できる。以下に、コンテンツ配信サーバ110と入出力端末120のそれぞれの構成を説明する。
【0017】
<コンテンツ配信サーバの構成>
コンテンツ配信サーバ110は、課金情報保存部111と、コンテンツ配信部112と、制限情報保持部113と、推奨部分作成ユーザ情報保持部114と、通信制御部(図示せず)とを備える。
【0018】
課金情報保存部111は、ユーザ認証情報及びコンテンツ決済情報を保持するものである。課金情報保存部111は、入出力端末120からユーザ及びコンテンツの購入を受け取り、入出力端末120のユーザ認証処理及びコンテンツの決済処理を実行する。課金情報保存部111は、ユーザ認証処理及びコンテンツの決済処理を実行した後に、コンテンツ配信部112にコンテンツの配信指示を送信する。
【0019】
コンテンツ配信部112は、コンテンツ保存部115を備える。コンテンツ保存部115は、コンテンツの正規版と、入出力端末120のユーザが設定したコンテンツの推奨部分の情報とを保持する。これらの情報は、別々に保持されていてもよいし、後述するフォーマット800(
図8参照)のように1つにまとめられて保持されてもよい。
【0020】
また、コンテンツ配信部112は、コンテンツ保存部115からコンテンツの正規版を購入ユーザの入出力端末120に配信する。また、コンテンツ配信部112は、入出力端末120からコンテンツの推奨部分についての情報が送信された場合、コンテンツの推奨部分の情報をコンテンツ保存部115に格納する。さらに、コンテンツ配信部112は、コンテンツ保存部115からコンテンツの推奨部分の情報を取得して、コンテンツの推奨部分の情報を購入前の他のユーザに配信する。
【0021】
制限情報保持部113は、コンテンツの推奨部分の設定を制限する制限情報を保持するものである。制限情報保持部113は、入出力端末120においてコンテンツの推奨部分が設定される際に、制限情報を入出力端末120に送信する。
【0022】
図示しない通信制御部は、ネットワーク(例えば、WEBなど)130に接続するためのインタフェースであり、送信部と受信部とを備える。通信制御部は、PPPoE、LAN、WiFiなどを用いてネットワークに接続する。コンテンツ配信サーバ110は、この通信制御部を介して、入出力端末120からの情報を受信し、入出力端末120へ情報を送信する。
【0023】
推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、コンテンツの推奨部分を設定したユーザの情報を保持するものである。推奨部分作成ユーザ情報保持部114が保持する情報の詳細については後述する。推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、入出力端末120から、コンテンツの推奨部分を設定したユーザの情報を受信する。そして、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、コンテンツの推奨部分を設定したユーザの情報を格納する。
【0024】
また、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、コンテンツの推奨部分が配信された入出力端末がコンテンツを購入した場合、そのコンテンツの推奨部分を設定したユーザの情報を入出力端末から受信する。そして、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、対応するユーザの情報を更新する。例えば、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、コンテンツの総売り上げ数が所定の数値を超えた場合、制限情報のランクを1つ上のランクに更新する。
【0025】
<入出力端末の構成>
入出力端末120は、コンテンツ表示部121と、コンテンツ推奨部分設定部122とを備える。コンテンツ表示部121は、コンテンツ配信サーバ110のコンテンツ配信部112から配信されたコンテンツを表示可能なデータにデコードして、入出力端末120上に表示するものである。また、コンテンツ推奨部分設定部122は、コンテンツの推奨部分を設定するためのものである。入出力端末120の詳細な説明は
図2を用いて以下に説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る入出力端末120の構成を示すブロック図である。
入出力端末120は、CPU(図示せず:プロセッサ又は演算部ともいう)と、入力部123と、出力部124と、記憶部125と、通信制御部126と、データ制御部127と、コンテンツ管理部128と、コンテンツ表示部121と、コンテンツ推奨部分設定部122とを備える。
【0027】
入力部123は、キーボードやマウスなどの入力装置である。出力部124は、LCDなどのモニタである。なお、入力部123及び出力部124は、タッチパネルなどのように両方の機能を1つにまとめたものでもよい。ユーザは、出力部124の表示を見ながら入力部123を操作し、コンテンツを見たり、コンテンツの推奨部分の設定を行ったりする。
【0028】
記憶部125は、メモリ、HDD、SD、SSDやROMなど、データの記録及び読み出しが可能な記録媒体である。
【0029】
通信制御部126は、ネットワーク(例えば、WEBなど)130に接続するためのインタフェースであり、送信部と受信部とを備える。通信制御部は、PPPoE、LAN、WiFiなどを用いてネットワークに接続する。入出力端末120は、通信制御部126を介して、コンテンツ配信サーバ110からの情報を受信し、コンテンツ配信サーバ110へ情報を送信する。
【0030】
データ制御部127は、通信制御部126とデータの送受信を行い、入出力端末120内の各構成要素にデータを転送するものである。例えば、データ制御部127は、通信制御部126を介して取得したデータを記憶部125に格納する。また、データ制御部127は、通信制御部126を介して取得したデータをコンテンツ管理部128に転送する。
【0031】
コンテンツ管理部128は、データ制御部127を介して取得したコンテンツのデータを解析し、コンテンツのDRMや購入状態を管理する。コンテンツ管理部128は、ユーザがコンテンツを購入する際に、コンテンツ配信サーバ110の課金情報保存部111と通信して決済処理を実行する。また、コンテンツ管理部128は、購入したコンテンツを解析した後、そのコンテンツをコンテンツ表示部121へ転送する。
【0032】
また、コンテンツ管理部128は、ユーザがコンテンツの推奨部分を設定する際にコンテンツのデータを管理する。例えば、コンテンツ管理部128は、コンテンツ配信サーバ110の制限情報保持部113から受信した制限情報をコンテンツ推奨部分設定部122に転送する。さらに、コンテンツ管理部128は、コンテンツ推奨部分設定部122によって設定された推奨部分の情報を取得する。その後、コンテンツ管理部128は、その推奨部分の情報と、ユーザの情報(推奨部分を設定したユーザの情報)とをコンテンツ配信サーバ110に送信する。
【0033】
また、コンテンツ管理部128は、コンテンツを購入する前のコンテンツの管理も行う。コンテンツ管理部128は、コンテンツの推奨部分の情報を取得し、コンテンツの正規版から体験版のコンテンツを作成する。そして、コンテンツ管理部128は、その作成したコンテンツをコンテンツ表示部121に転送する。この際、コンテンツ管理部128は、そのコンテンツの推奨部分を設定したユーザの情報をコンテンツ配信サーバ110に送信する。例えば、コンテンツ配信サーバ110の推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、このユーザの情報に基づいて、推奨部分作成ユーザ情報保持部114内の総ダウンロード数の情報を更新する(
図7参照)。
【0034】
また、コンテンツ管理部128は、体験版のコンテンツを見たユーザがそのコンテンツの正規版を購入した場合、決済処理とともにそのコンテンツの推奨部分を設定したユーザの情報をコンテンツ配信サーバ110に送信する。コンテンツ配信サーバ110の推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、このユーザの情報に基づいて、推奨部分作成ユーザ情報保持部114内の総売り上げ数の情報を更新する(
図7参照)。
【0035】
コンテンツ表示部121は、コンテンツ管理部128を介して取得したコンテンツのデータを解析し、出力部124で表示可能なデータにデコードする。
【0036】
コンテンツ推奨部分設定部122は、ユーザの入力部123による操作に基づいて、コンテンツの推奨部分を設定する。例えば、テキストのコンテンツの場合、コンテンツ推奨部分設定部122によって、推奨部分の開始位置と終了位置とが設定される。なお、コンテンツ推奨部分設定部122は、コンテンツ内の複数の箇所を推奨部分として設定してもよい。
【0037】
推奨部分を設定するコンテンツとしては、テキスト以外にも様々なコンテンツを対象としている。例えば、音楽コンテンツの場合、コンテンツ推奨部分設定部122は、コンテンツの開始時間と終了時間を1つ以上設定することによって推奨部分を設定する。また、動画コンテンツの場合、コンテンツ推奨部分設定部122は、コンテンツの開始時間と終了時間を1つ以上設定することによって推奨部分を設定する。また、画像コンテンツの場合、コンテンツ推奨部分設定部122は、1つ以上の領域(例えば、左上と右下の座標値など)を設定することによって推奨部分を設定する。
【0038】
次に、コンテンツ配信サーバ110及び入出力端末120の動作について説明する。
【0039】
<コンテンツ購入時の処理>
図3は、ユーザがコンテンツを購入する場合の各構成の動作を示すブロック図である。
図3では、コンテンツ配信サーバ110や入出力端末120のいくつかの構成要素が省略されている。
【0040】
課金情報保存部111は、入出力端末120と通信を行い、入出力端末120のユーザ認証処理及びコンテンツの決済処理を実行する。課金情報保存部111は、入出力端末120のユーザ認証処理及びコンテンツの決済処理が完了した後に、コンテンツ配信部112にコンテンツの配信指示を送信する。
【0041】
次に、コンテンツ配信部112は、課金情報保存部111の指示に応じて、コンテンツ保存部115からコンテンツの正規版を取得する。そして、コンテンツ配信部112は、コンテンツを購入したユーザの入出力端末120にコンテンツの正規版を配信する。
【0042】
入出力端末120は、コンテンツの正規版を受信すると、コンテンツ表示部121によってコンテンツを表示可能なデータにデコードする。そして、入出力端末120は、デコードされたデータを出力部124によって表示する。
【0043】
<推奨部分設定時の処理>
図4は、コンテンツを購入したユーザがコンテンツの推奨部分を設定する場合の各構成の動作を示すブロック図である。また、
図5は、コンテンツの推奨部分を設定する際の入出力端末120の出力部124が表示する画面例を示している。なお、
図4及び5では、コンテンツ配信サーバ110や入出力端末120のいくつかの構成要素が省略されている。
【0044】
ユーザがコンテンツの推奨部分を設定する際、まず、コンテンツ推奨部分設定部122は、制限情報保持部113から制限情報を取得する。制限情報の詳細は後述する。
【0045】
図5に示すように、入出力端末120の出力部124には、購入したコンテンツの内容が表示されており、ユーザは、入力部123を用いてコンテンツの一部(又は複数個所)を選択し、推奨部分生成ボタン124aをクリックする。
【0046】
図5では、出力部124が、ユーザが選択したコンテンツの総文字数及び総ページ数を表示している。コンテンツ推奨部分設定部122は、推奨部分生成ボタン124aがクリックされると、ユーザが選択した総文字数や総ページ数を制限情報と比較する。コンテンツ推奨部分設定部122は、総文字数や総ページ数が制限を超えていた場合、選択可能な範囲を超えていることを出力部124に出力する。
【0047】
コンテンツ推奨部分設定部122は、ユーザが選択した総文字数や総ページ数が制限内に収まっている場合、コンテンツの推奨部分の情報をコンテンツ管理部128に転送する。その後、入出力端末120は、コンテンツの推奨部分の情報と推奨部分を設定したユーザの情報をネットワーク130を介してコンテンツ配信サーバ110に送信する。
【0048】
コンテンツ配信部112は、コンテンツの推奨部分の情報をコンテンツ保存部115に格納する。また、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、推奨部分を設定したユーザの情報を格納する。推奨部分作成ユーザ情報保持部114に保持される情報の詳細は後述する。
【0049】
次に、コンテンツ配信サーバ110内に格納されているデータの内容を説明する。なお、以下の説明では「テーブル」形式によってコンテンツ配信サーバ110内に格納されているデータを説明するが、これら情報は必ずしもテーブルによるデータ構造で表現されていなくても良く、リストや配列など他のデータ構造で表現されていてもよい。
【0050】
<制限情報の内容>
図6は、制限情報保持部113が保持する制限情報の例を示している。制限情報保持部113内の制限情報は、コンテンツのID毎に管理されている。また、制限情報保持部113は、1つのコンテンツに対して複数の制限情報を保持しており、制限情報は、ランク(rank)毎に設定されている。本実施例では、ランクが高いほど、推奨部分として設定できる範囲が広くなる。例えば、ランクは、ユーザが設定した推奨部分によってどれだけコンテンツが売れたかに対応させることができる。したがって、コンテンツの推奨部分を設定して、コンテンツの販売に寄与したユーザが、より高いランクに設定されるようにしてもよい。
【0051】
制限情報は、テキストのコンテンツの場合、推奨部分として設定できる許可総ページ数と、許可総文字数と、禁止ページとを含む。なお、動画コンテンツの場合には、制限情報は、許可チャプタ数、許可総時間、禁止時間などとなる。また、音楽コンテンツの場合は、許可総時間、禁止時間などとなる。画像コンテンツの場合は、禁止領域を定義する座標などの情報となる。
【0052】
<ユーザ情報の内容>
図7は、推奨部分作成ユーザ情報保持部114が保持するユーザ情報の例を示している。推奨部分作成ユーザ情報保持部114内のユーザ情報は、ユーザのID毎に管理されている。ユーザ情報は、コンテンツIDと、総ダウンロード数と、総売り上げ数と、ランク情報とを含む。例えば、「ユーザID:00001」の例では、コンテンツIDが0023456のコンテンツは、推奨部分が382回ダウンロードされ、結果的に18個の売上げがあったことを示している。
【0053】
また、「ユーザID:00001」の例では、コンテンツIDが0023456のコンテンツに関しては、制限情報のランクが2に設定されている。この場合、制限情報保持部113は、制限情報を入出力端末120に送信する際、推奨部分作成ユーザ情報保持部114からランク「2」の情報を取得する。そして、制限情報保持部113は、コンテンツIDが0023456のコンテンツに関して、複数の制限情報の中からランク「2」の制限情報を入出力端末120に送信する。
【0054】
また、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、コンテンツを購入する前のユーザの入出力端末120から、推奨部分を設定したユーザの情報を受け取り、推奨部分作成ユーザ情報保持部114内の総ダウンロード数を更新する。
また、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、実際にコンテンツを購入された場合、そのユーザの入出力端末120から、推奨部分を設定したユーザの情報を受け取り、推奨部分作成ユーザ情報保持部114内の総売り上げ数を更新する。
さらに、推奨部分作成ユーザ情報保持部114は、総売り上げ数が所定の数値を超えた場合、制限情報のランクを1つ上のランクに更新する。
【0055】
<コンテンツのフォーマット>
図8は、テキストコンテンツの場合のコンテンツのフォーマットの一例800を示している。テキストコンテンツの場合、フォーマット800は、正規版コンテンツの情報領域801と、推奨部分の情報領域802とを備える。正規版コンテンツの情報領域801には、コンテンツの正規版の情報が格納され、推奨部分の情報領域802には、ユーザが設定した推奨部分の情報が格納されている。
【0056】
本実施例では、コンテンツ配信サーバ110と入出力端末120との間でフォーマット800を用いる。したがって、入出力端末120が購入後のコンテンツを表示する場合は、入出力端末120は、正規版コンテンツの情報領域801からコンテンツの情報を取得して表示する。また、入出力端末120においてコンテンツの推奨部分の設定を行った場合、コンテンツの推奨部分の情報は、コンテンツ配信サーバ110に送信され、コンテンツ保存部115に格納されているフォーマット800の推奨部分の情報領域802に挿入される。
【0057】
本実施例において、推奨部分の情報領域802には、推奨部分の開始文字位置と終了文字位置とが格納されている。さらに、推奨部分を設定したユーザの情報も格納されている。さらに、コンテンツの購入情報として、正規版を購入しているかの購入フラグと、正規版を購入する際の購入先URLとが格納されている。なお、本実施例では、推奨部分の開始文字位置及び終了文字位置のポインタのみが格納されているが、ポインタの情報以外の情報でもよい。例えば、推奨部分のポインタの情報から実データをつなぎ合わせて、再生可能なコンテンツの推奨部分を推奨部分の情報領域802に格納していてもよい。
【0058】
推奨部分の情報領域802には、複数の推奨部分の設定が格納されていてもよい。例えば、異なるユーザが設定した推奨部分が設定されていてもよいし、同一のユーザが設定した複数の推奨部分が設定されていてもよい。この場合、入出力端末120は、ユーザからの入力を受け付けて、複数の推奨部分から1つの推奨部分を選択してもよい。入出力端末120のコンテンツ管理部128は、ユーザの選択した推奨部分に関して、体験版のコンテンツを作成し、その作成したコンテンツをコンテンツ表示部121に転送する。また、別の例として、入出力端末120は、複数の推奨部分の全てを再生するように実行してもよい。
【0059】
また、推奨部分の情報領域802には、購入先のURLを情報として格納しているが、別の情報を格納して別の決済処理を行うようにしてもよい。例えば、携帯電話会社が仕組みを持つキャリア決済による課金処理や、NFCなどによる電子マネー決済処理を行ってもよい。また、このような決済処理を行う場合、購入情報として、課金情報とコンテンツを一意に特定できる情報を設定しておけばよい。また、購入フラグは、上述のように推奨部分の情報領域に含めてもよいし、コンテンツのフォーマット800を取得した際にコンテンツ配信サーバ110の課金情報保存部111から取得してもよい。
【0060】
図9は、
図8のフォーマット800を用いてコンテンツの推奨部分を入出力端末120の出力部124に表示した例を示している。
入出力端末120のコンテンツ管理部128は、フォーマット800の形式でコンテンツを取得する。コンテンツ管理部128は、フォーマット800の推奨部分の情報領域802から推奨部分の開始文字位置と終了文字位置とを取得する。そして、入出力端末120のコンテンツ管理部128は、正規版コンテンツの情報領域801のデータをつなぎ合わせて、体験版のコンテンツを作成し、そのコンテンツをコンテンツ表示部121に転送する。そして、出力部124が、
図9のような画面を表示する。
【0061】
本実施例では、推奨部分以外に「略」という文字を挿入して表示している。しかしながら、このような表示形式に限定されず、省略されていることが分かる他の表示を挿入してもよい。例えば、「...」などのテキストを入れたり、省略されている部分の背景色を通常の背景色と異なるものに設定して表示するようにしたりしてもよい。
また、音楽コンテンツの場合、音量を徐々に小さくしながら次の推奨部分に変化させたり(次の推奨部分の開始時に音量を以前の状態に戻しても良いし、音量が小さい状態で次の推奨部分を再生開始して、徐々に音量を大きくして以前の音量に戻しても良い)、「その部分に省略されている部分がある」ということがわかるような音声アナウンスを挿入したりしてもよい。また、動画コンテンツの場合には、出力部124に表示される輝度を徐々に暗くしながら次の推奨部分に変化させたり(次の推奨部分の開始時に輝度を以前の状態に戻しても良いし、輝度が暗い状態で次の推奨部分を再生開始してから徐々に輝度を明るくして通常に戻しても良い)、「その部分に省略されている部分がある」ということがわかるような画像を一定期間表示されるようにしたりしてもよい。
【0062】
また、コンテンツ管理部128が、体験版のコンテンツを作成する際に自動的に「略」などの表示を挿入してもよいし、推奨部分を設定したユーザが、推奨部分を設定する際に、省略している部分にどのような表示を挿入するかを設定するようにしてもよい。
【0063】
また、
図9の例では、正規版を購入するためのボタンが表示されているが、
図8の推奨部分の情報領域802の情報を用いて購入するためのURLを表示するようにしてもよい。
【0064】
<コンテンツ配信サーバ及び入出力端末における処理>
次に、コンテンツ配信サーバ110及び入出力端末120における処理の流れについて説明する。
【0065】
図10は、ユーザがコンテンツを購入する際のコンテンツ配信サーバ110及び入出力端末120における処理を示すフローチャートである。
ステップ1001において、ユーザが入力部123を操作しながら出力部124上に表示されたコンテンツの購入を決定する。次に、ステップ1002において、コンテンツ管理部128が、コンテンツの決済処理を決定し、ユーザ情報やコンテンツの情報をコンテンツ配信サーバ110に送信する。
【0066】
次に、ステップ1003において、課金情報保存部111は、ユーザ情報やコンテンツの情報を取得し、ユーザ認証処理及び決済処理を実行する。その後、課金情報保存部111は、コンテンツ配信部112に配信の指示を送信する。
【0067】
次に、ステップ1004において、コンテンツ配信部112は、コンテンツ保存部115から対象のコンテンツを取得する。そして、ステップ1005において、コンテンツ配信部112は、対象のコンテンツを入出力端末120に配信する。
最後に、ステップ1006において、入出力端末120で、対象のコンテンツを受信する。
【0068】
図11は、コンテンツの推奨部分を受信した場合のフローチャートである。
ステップ1101において、ユーザが入力部123を操作しながら、出力部124上に表示されたコンテンツを選択する。
ステップ1102において、コンテンツ配信部112は、コンテンツ保存部115から対象のコンテンツを取得する。そして、ステップ1103において、コンテンツ配信部112は、対象のコンテンツを入出力端末120に配信する。
ステップ1104において、入出力端末120が、対象のコンテンツを受信する。その後、入出力端末120のコンテンツ管理部128が、コンテンツフォーマット800からコンテンツの推奨部分の情報を取得し、体験版のコンテンツを生成し、コンテンツ表示部121に転送する。
【0069】
図12は、コンテンツの推奨部分を設定する場合のフローチャートである。
ステップ1201において、ユーザが入力部123を操作しながら、出力部124上において購入したコンテンツを選択する。
ステップ1202において、コンテンツ管理部128は、制限情報保持部113からの制限情報を取得する。ここで、コンテンツ管理部128は、コンテンツ推奨部分設定部122に制限情報を転送する。
【0070】
ステップ1203において、ユーザが入力部123を操作しながらコンテンツの推奨部分を選択する。なお、
図12に示すように、コンテンツの推奨部分は、複数個所設定することも可能である。ステップ1204において、コンテンツ推奨部分設定部122が、推奨部分の設定処理を実行する。
そして、ステップ1205において、コンテンツ推奨部分設定部122が、選択された推奨部分が制限情報内に収まっているかを判定する。選択された推奨部分が制限情報内に収まっている場合、ステップ1206に進む。また、選択された推奨部分が制限情報内に収まっていない場合、ステップ1208に進む。
【0071】
ステップ1208の場合では、例えば、コンテンツ推奨部分設定部122は、出力部124上に推奨部分が設定できない旨を表示する。その後、推奨部分を選択するステップ1203に戻る。
一方、ステップ1206の場合、コンテンツ推奨部分設定部122が、推奨部分の情報をコンテンツ管理部128に転送する。そして、コンテンツ管理部128が、推奨部分を設定したユーザの情報をコンテンツ配信サーバ110に送信する。
【0072】
その後、ステップ1207において、コンテンツ管理部128が、コンテンツの推奨部分の情報もコンテンツ配信サーバ110に送信する。
【0073】
図13は、コンテンツの推奨部分を表示する場合のフローチャートである。
ステップ1301において、コンテンツ管理部128は、コンテンツフォーマット800を取得する。次に、ステップ1302において、コンテンツ管理部128は、コンテンツフォーマット800の推奨部分の情報領域802から推奨部分の情報を取得する。
【0074】
次に、ステップ1303において、コンテンツ管理部128は、推奨部分の情報に基づいて体験版のコンテンツを構成する。ここでの処理の詳細は後述する。
次に、ステップ1304において、コンテンツ管理部128が、体験版のコンテンツをコンテンツ表示部121に転送する。そして、最終的に、出力部124が、体験版のコンテンツを表示する。
【0075】
図14は、
図13のステップ1303の処理内容を更に詳細に示すフローチャートである。ここでは、テキストコンテンツの場合について説明する。
ステップ1401において、コンテンツ管理部128は、コンテンツフォーマット800の推奨部分の情報領域802から開始位置と終了位置の情報を取得する。
次に、ステップ1402において、コンテンツ管理部128は、正規版コンテンツの情報領域801から取得した開始位置と終了位置に対応する領域を取得する。
【0076】
ステップ1403において、コンテンツ管理部128は、取得すべき推奨部分があるかを判定する。推奨部分が複数設定されており、取得すべき推奨部分がまだある場合は、ステップ1405に進む。一方、取得すべき推奨部分がない場合、ステップ1404に進む。
【0077】
ステップ1405の場合、コンテンツ管理部128は、正規版コンテンツから取得した領域を一時保存して、ステップ1402に戻る。一方、ステップ1404の場合、コンテンツ管理部128は、正規版コンテンツから取得した全ての領域をつなぎ合わせて、体験版のコンテンツを構成する。
【0078】
図15は、他のユーザが推奨コンテンツを見て、そのコンテンツの正規版を購入する際の処理内容を示すフローチャートである。
ステップ1501において、ユーザが出力部124上で正規版コンテンツの購入を決定した場合(例えば、画面上で購入ボタンをクリックした場合)、コンテンツ管理部128は、コンテンツフォーマット800の推奨部分の情報領域802から購入情報を取得する。
次に、ステップ1502において、コンテンツ管理部128は、取得した購入情報に基づいて決済処理を実行する。この際、入出力端末120は、コンテンツ配信サーバ110の課金情報保存部111と通信してユーザ認証処理及び決済処理を行う。
【0079】
次に、ステップ1503において、コンテンツ管理部128は、コンテンツフォーマット800の推奨部分の情報領域802から、推奨部分を設定したユーザの情報を取得する。そして、コンテンツ管理部128は、コンテンツの情報(例えば、コンテンツID)と、推奨部分を設定したユーザの情報をコンテンツ配信サーバ110に送信する。コンテンツ配信サーバ110では、推奨部分作成ユーザ情報保持部114が、取得した情報に基づいて、コンテンツIDに対応する総売り上げ数の値をカウントアップする。
【0080】
次に、ステップ1504において、コンテンツ管理部128は、コンテンツフォーマット800の推奨部分の情報領域802の購入フラグを「購入済み」に設定する。
【0081】
<まとめ>
本実施形態によれば、入出力端末120が、コンテンツを購入したユーザにコンテンツの内容を表示するためのコンテンツ表示部121及び出力部124と、コンテンツの中の少なくとも一部を推奨部分として設定するためのコンテンツ推奨部分設定部122とを備え、コンテンツ配信サーバ110が、コンテンツの推奨部分を配信するコンテンツ配信部112を備える。
この構成によれば、コンテンツ推奨部分設定部122によって設定されたコンテンツの推奨部分をコンテンツ配信部112から他のユーザに配信することができる。すなわち、コンテンツを購入したユーザ自身がコンテンツの一部を推奨部分として他のユーザに配信することができる。しかも、ユーザ自身が真に気に入った部分が推奨部分として配信されるので、コンテンツ提供者のお仕着せの広告に比べて、コンテンツの広告効果を高めることができる。さらに、ユーザ自身により推奨部分を配信する構成なので、コンテンツ提供者が自身で広告を行う必要がなく、広告にかけるコストを低減できる。
また、この構成によれば、コンテンツの一部を推奨部分として設定するので、推奨部分を正規版と同品質で配信することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、コンテンツの推奨部分の設定を制限する制限情報を保持する制限情報保持部113を更に備え、制限情報保持部113が、入出力端末120のコンテンツ推奨部分設定部122に制限情報を送信する。コンテンツに対して無制限に推奨部分が設定されるとコンテンツ提供者の利益が損なわれる場合があるが、制限情報を用いることによってコンテンツ提供者が許可した部分のみを配信することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態によれば、制限情報保持部113は、1つのコンテンツに対して複数の制限情報を保持しており、制限情報保持部113は、コンテンツの購入状況に応じた制限情報を送信する。特に、本実施形態では、コンテンツの販売に寄与したユーザに対して、より高いランクの制限情報が送信されるようになっている。コンテンツの販売に寄与したユーザほど、コンテンツのより広い範囲を推奨部分として設定できるので、ユーザが推奨部分を設定するモチベーションを維持でき、結果として、コンテンツの広告効果を高めることができる。
【0084】
<変形例>
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0085】
例えば、本実施形態では、コンテンツの推奨部分の情報をコンテンツ配信サーバ110に保存しているが、この構成に限定されない。例えば、コンテンツ配信サーバ110は、通信制御部を介して受信したコンテンツの推奨部分を、そのままコンテンツ配信部112によって他のユーザに配信してもよい。
また、例えば、コンテンツの推奨部分の情報をユーザ個人が所有するサーバに保存してもよい。また、コンテンツ配信サーバ110を介さず、コンテンツの推奨部分の情報を持ち運び可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカードなど)に格納して、直接他のユーザに配布してもよい。また、コンテンツの推奨部分の情報を電子メールに添付して、直接他のユーザに送信するようにしてもよい。したがって、本発明によれば、入出力端末120が、少なくともコンテンツ推奨部分設定部122を備えていればよい。これにより、コンテンツを購入したユーザ自身がコンテンツの一部を推奨部分として他のユーザに配信することができる。
【0086】
また、コンテンツ配信サーバ110の構成要素(例えば、制限情報保持部113)は、入出力端末120にあってもよい。この場合、コンテンツ推奨部分設定部122は、入出力端末120内の制限情報保持部から制限情報を取得する。例えば、コンテンツのフォーマット800内に推奨部分の制限情報に関する領域を設けてもよい。入出力端末120内の制限情報保持部は、フォーマット800内の制限情報に関する領域から制限情報を取得して、その制限情報をコンテンツ推奨部分設定部122に送信する。これにより、コンテンツの推奨部分の設定を制限情報によって制限することが可能になる。また、この例では、制限情報保持部は、コンテンツの購入状況をコンテンツ配信サーバ110から受信して、コンテンツの購入状況に応じた制限情報をコンテンツ推奨部分設定部122に送信するようにしてもよい。
【0087】
また、入出力端末120の構成要素(例えば、コンテンツ表示部121、コンテンツ推奨部分設定部122、コンテンツ管理部128)は、入出力端末120以外の端末(ネットワーク上のサーバ)にあってもよい。
例として、コンテンツ配信サーバ110をASP(Application Service Provider)のサーバとして構成し、コンテンツ配信サーバ110に、入出力端末120の構成要素(例えば、コンテンツ表示部121、コンテンツ推奨部分設定部122、コンテンツ管理部128)の機能を組み込んでもよい。入出力端末120には、インターネットのブラウザソフトウェアがインストールされており、入出力端末120は、ブラウザソフトウェアを用いてコンテンツ配信サーバ110に接続して、コンテンツの推奨部分の設定を行うことができる。これにより、入出力端末120に、コンテンツの推奨部分を設定するための構成要素を組み込むことなく、コンテンツの推奨部分の設定及びコンテンツの配信を行うことができる。
【0088】
また、コンテンツのフォーマットは、上述したような例に限定されない。コンテンツ配信サーバ110のコンテンツ保存部115が、コンテンツの正規版とコンテンツの推奨部分とを別々に格納しておき、コンテンツ配信部112が、購入前のユーザの入出力端末にコンテンツの推奨部分のみを配信するようにしてもよい。
【0089】
また、ユーザがコンテンツの推奨部分を設定する際に、ユーザが出力部124上で配信先のユーザを設定するように構成してもよい。この場合、コンテンツ推奨部分設定部122が、コンテンツの推奨部分を配信するユーザを設定させる設定部を更に備えてもよい。そして、入出力端末120は、配信先となるユーザの情報をコンテンツ配信サーバ110のコンテンツ配信部112に送信する。その後、コンテンツ配信部112が、設定されたユーザにコンテンツの推奨部分を配信する。
【0090】
また、上述した実施形態の構成は、それらの一部や全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現することができる。また、本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードで実現してもよい。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンテンツ配信サーバ110及び入出力端末120等の情報処理装置に提供し、その情報処理装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、本実施形態に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0091】
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのプロセッサなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
【0092】
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それを情報処理装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にその装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0093】
また、上述の実施形態において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。