(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテンツを配信するサーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置と接続され、前記サーバ装置から配信されたコンテンツを表示する表示装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置と接続される携帯情報端末とを含むデジタルサイネージシステムであって、
前記表示装置は、
コンテンツ及び/又は当該コンテンツに関連する関連コンテンツを表示するためのコンテンツ表示手段と、
前記サーバ装置のアドレス及び自機の識別情報を含む識別コードを表示するための識別コード表示手段とを含み、
前記携帯情報端末は、
前記識別コード表示手段によって前記表示装置に表示された識別コードを読取り、前記サーバ装置のアドレス及び前記識別情報を取得するための識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が取得したアドレスを用いて前記サーバ装置との通信を成立させるための通信手段と、
前記識別情報取得手段が取得した識別情報に基づいて、前記サーバ装置から、当該識別情報に対応する前記表示装置で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを取得するためのリスト取得手段と、
前記リスト取得手段が取得した番組リストを表示するとともに、表示された番組リストに対するタッチ操作を受付けるための表示操作手段と、
前記表示操作手段が受付けたタッチ操作に応じて、取得した番組リストに基づいて、前記サーバ装置に所望の関連コンテンツの表示を要求するための表示要求手段とを含み、
前記サーバ装置は、
コンテンツ及び/又は前記表示要求手段が要求した関連コンテンツを前記表示装置に配信するためのコンテンツ配信手段を含み、
前記コンテンツ表示手段は、前記コンテンツ配信手段によって配信された関連コンテンツを受信したことに応答して、受信した関連コンテンツを表示するように表示を切替えるための手段を含む、デジタルサイネージシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のディスプレイ連動システムは、ユーザが携帯端末を操作することなく、ディスプレイ近傍にいるユーザ向けの情報をディスプレイに表示できる。しかし、ユーザの意思を反映してインタラクティブにコンテンツを表示することができない。そのため、ディスプレイに表示されるコンテンツに興味のあるユーザに対して必要な関連情報を提供することが困難である。
【0006】
手の届く場所に設置され、タッチパネル機能を備えたサイネージディスプレイであれば、インタラクティブに操作することが可能である。しかし、全てのサイネージディスプレイがタッチパネル機能を備えているわけではない。サイネージ(看板)の視聴者が、表示されるコンテンツに興味を持ち、より詳しい内容を知りたいと思ってもサイネージディスプレイからはそれ以上の情報を取得することが困難であり一方通行となる。さらに、タッチパネル機能を備えたサイネージディスプレイによるインタラクティブ操作を行なう場合でも、同一ユーザを識別できないため、表示されたコンテンツの有効性等を分析するための効果的な情報をあまり得られない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、タッチパネル機能を有していない表示装置に対しても視聴者の意思を反映してインタラクティブにコンテンツを表示できるデジタルサイネージシステム及びそのデジタルサイネージシステムに用いるサーバ装置を提供することである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、表示するコンテンツの有効性を分析できるデジタルサイネージシステム及びそのデジタルサイネージシステムに用いるサーバ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面に係るデジタルサイネージシステムは、コンテンツを配信するサーバ装置と、ネットワークを介してサーバ装置と接続され、サーバ装置から配信されたコンテンツを表示する表示装置と、ネットワークを介してサーバ装置と接続される携帯情報端末とを含むデジタルサイネージシステムである。このデジタルサイネージシステムにおいて、表示装置は、コンテンツ及び当該コンテンツに関連する関連コンテンツを表示するためのコンテンツ表示手段と、自機の識別情報を表示するための識別情報表示手段とを含む。携帯情報端末は、表示装置に表示される識別情報を取得するための識別情報取得手段と、取得した識別情報に基づいて、サーバ装置から、当該識別情報に対応する表示装置で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを取得するためのリスト取得手段と、取得した番組リストに基づいて、サーバ装置に所望の関連コンテンツの表示を要求するための表示要求手段とを含む。サーバ装置は、コンテンツ及び表示要求手段が要求した関連コンテンツを表示装置に配信するためのコンテンツ配信手段を含む。コンテンツ表示手段は、コンテンツ配信手段によって配信された関連コンテンツを受信したことに応答して、受信した関連コンテンツを表示するように表示を切替えるための手段を含む。
【0010】
表示装置はサーバ装置から配信されたコンテンツを表示する。表示装置はまた、自機を識別するための識別情報を表示する。携帯情報端末を操作する視聴者は、表示装置に表示されるコンテンツに興味を持ち、より詳しい内容を知りたい場合、表示装置に表示される識別情報を携帯情報端末が取得し、取得した識別情報に基づいて、サーバ装置から、当該識別情報に対応する表示装置で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを取得する。サーバ装置は、表示装置に対してコンテンツを配信するため、上記識別情報によって表示装置を特定できれば、その表示装置で表示されているコンテンツを特定できる。したがって、そのコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを携帯情報端末に提供できる。表示装置の視聴者は、当該携帯情報端末を操作することによって、番組リストに基づいて、所望の関連コンテンツの表示をサーバ装置に対して要求する。サーバ装置は、携帯情報端末から要求された関連コンテンツを当該表示装置に配信する。表示装置は、サーバ装置から配信された関連コンテンツを受信すると、コンテンツに代えて、当該関連コンテンツを表示する。すなわち、表示装置は、コンテンツが表示されている場合に、当該コンテンツに関連する関連コンテンツを受信すると、受信した関連コンテンツを表示するようにその表示を切替える。これにより、表示装置がタッチパネル機能を有していない場合でも、表示装置に視聴者の意思を反映してインタラクティブにコンテンツを表示できる。したがって、表示装置に表示されるコンテンツに興味のある視聴者(ユーザ)に対して必要な情報を提供できる。
【0011】
サーバ装置と携帯情報端末とはネットワークを介して接続されるため、サーバ装置は同一ユーザを識別できる。サーバ装置はまた、携帯情報端末からの要求によって、携帯情報端末のユーザ(視聴者でもある)がどのようなコンテンツに興味があるかを分析するための情報を得ることができる。そのため、コンテンツの有効性等を分析するためのフィードバック情報を十分に得ることができるので、情報提供者は、ユーザの利用傾向に応じたコンテンツの改良等を効果的に行なえる。
【0012】
好ましくは、識別情報表示手段は、サーバ装置のアドレス及び識別情報を含む識別コードを表示するための識別コード表示手段を含み、携帯情報端末は、識別コード表示手段によって表示される識別コードを読取り、サーバ装置のアドレス及び識別情報を取得するための手段と、取得したアドレスを用いてサーバ装置と通信するための通信手段と、取得した識別情報をサーバ装置に送信するための識別情報送信手段とをさらに含み、サーバ装置は、コンテンツ及び当該コンテンツに関連する番組リストを記憶するための記憶手段と、携帯情報端末から送信される要求を受付けて管理するための要求管理手段と、携帯情報端末から送信された識別情報を受信し、当該識別情報に対応する表示装置で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを当該携帯情報端末に送信するためのリスト送信手段とをさらに含む。
【0013】
携帯情報端末は、識別コードを読取ることによって、サーバ装置のアドレス及び識別情報を取得する。携帯情報端末は、取得したアドレスを用いてサーバ装置と通信し、識別情報をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、携帯情報端末から送信された識別情報を受信し、当該識別情報に対応する表示装置で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを当該携帯情報端末に送信する。これにより、携帯情報端末は、容易に、表示装置で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを取得できる。
【0014】
より好ましくは、表示装置は、サーバ装置に対して携帯情報端末からの要求を照会するための要求照会手段をさらに含み、要求管理手段は、要求照会手段による要求の照会に応答して、受付けた要求の中から1つの要求を選択し、選択した要求に対応する関連コンテンツを次に配信するコンテンツとして決定するためのコンテンツ決定手段を含む。
【0015】
サーバ装置は、携帯情報端末からの要求を受付ける。サーバ装置は、表示装置からの要求の照会に応答して、受付けた要求の中から1つの要求を選択し、選択した要求に対応する関連コンテンツを次に配信するコンテンツとして決定する。そして、決定されたコンテンツが表示装置に配信される。これにより、容易に、表示装置に表示されるコンテンツに興味のある視聴者(ユーザ)に対して必要な関連情報を提供できるので、視聴者の意思を反映したインタラクティブなコンテンツの表示を容易に実現できる。
【0016】
さらに好ましくは、コンテンツ配信手段は、識別コードを含むコンテンツを配信するための手段を含む。これにより、サーバ装置によって識別コードの内容を容易に変更できる。
【0017】
さらに好ましくは、携帯情報端末は、自機の現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報をサーバ装置に送信するための位置情報送信手段をさらに含み、サーバ装置は、携帯情報端末から送信された現在位置情報を受信するための位置情報受信手段と、受信した識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する表示装置の設置位置に関する情報を取得するための手段とをさらに含み、要求管理手段は、携帯情報端末からの要求を受信したことに応答して、携帯情報端末の現在位置情報と表示装置の設置位置に関する情報とを比較し、携帯情報端末が、当該表示装置から所定の距離の範囲内に位置するという条件が充足されたことに応答して、携帯情報端末から送信される要求を受付けるための手段を含む。
【0018】
サーバ装置は、携帯情報端末からの要求を受信すると、携帯情報端末の現在位置情報と表示装置の設置位置に関する情報とを比較し、携帯情報端末が、当該表示装置から所定の距離の範囲内に位置するという条件を充足すると、当該携帯情報端末から送信される要求を受付ける。携帯情報端末のユーザが、例えば、表示装置から遠く離れた場所に居る場合、そのユーザが表示装置に表示されるコンテンツを視聴することが困難となる。上記構成によって、視聴することが可能なユーザからの要求のみを受付けることができるので、視聴することが困難なユーザからの要求を受付けることに起因する無駄なコンテンツの表示を回避できる。したがって、表示装置に表示されるコンテンツに興味のある視聴者(ユーザ)に対して必要な情報を効率よく提供できる。
【0019】
さらに好ましくは、携帯情報端末は、自機の現在位置情報を取得し、取得した現在位置情報をサーバ装置に送信するための位置情報送信手段をさらに含み、サーバ装置は、携帯情報端末から送信された現在位置情報を受信するための位置情報受信手段と、受信した識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する表示装置の設置位置に関する情報を取得するための手段と、携帯情報端末の現在位置情報と表示装置の設置位置に関する情報とを比較し、携帯情報端末が、当該表示装置から所定の距離より離れているという条件が充足されたことに応答して、携帯情報端末から受付けた要求を削除するための手段とをさらに含む。
【0020】
サーバ装置は、携帯情報端末から送信される現在位置情報を受信する。サーバ装置は、携帯情報端末の現在位置情報と表示装置の設置位置に関する情報とを比較し、携帯情報端末が、当該表示装置から所定の距離より離れているという条件が充足されたことに応答して、携帯情報端末から受付けた要求を削除する。この動作により、当該携帯情報端末のユーザが要求した関連コンテンツの表示を終了して、表示装置の表示を、例えばコンテンツを表示する元の状態に戻すことができる。
【0021】
上記所定の距離は、携帯情報端末が、表示装置に表示される識別情報を取得可能な距離とすることができる。すなわち、上記所定の距離は、視聴者が、表示装置に表示されるコンテンツを視聴可能な距離とすることができる。
【0022】
本発明の第2の局面に係るサーバ装置は、ネットワークを介して、表示装置及び携帯情報端末と接続されるサーバ装置である。このサーバ装置は、コンテンツ及び当該コンテンツに関連する番組リストを記憶するための記憶手段と、表示装置に対してコンテンツを配信するためのコンテンツ配信手段と、携帯情報端末から送信される、表示装置の識別情報を受信し、受信した識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する表示装置に表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツの番組リストを当該携帯情報端末に送信するためのリスト送信手段と、番組リストに基づく、携帯情報端末からの関連コンテンツの表示の要求を受付け、要求された関連コンテンツを表示装置に配信するための関連コンテンツ配信手段とを含む。コンテンツ配信手段は、表示装置に対して、携帯情報端末によって取得可能な態様で、当該表示装置の識別情報が表示されるコンテンツを配信するための手段を含む。
【0023】
サーバ装置は、表示装置に対してコンテンツを配信する。携帯情報端末は、コンテンツに表示される識別情報を取得し、サーバ装置に対して送信する。サーバ装置はさらに、携帯情報端末から送信される、表示装置の識別情報を受信し、受信した識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する表示装置に表示されているコンテンツに関連する番組リストを当該携帯情報端末に送信する。携帯情報端末は、受信した番組リストに基づいて、関連コンテンツの表示の要求をサーバ装置に対して行なう。サーバ装置は、携帯情報端末から関連コンテンツの表示の要求を受付け、要求された関連コンテンツを表示装置に配信する。これにより、視聴者の要求する関連コンテンツを表示装置に表示できる。したがって、表示装置がタッチパネル機能を有していない場合でも、表示装置に視聴者の意思を反映してインタラクティブにコンテンツを表示できる。その結果、表示装置に表示されるコンテンツに興味のある視聴者に対して必要な関連情報を提供できる。
【0024】
サーバ装置と携帯情報端末とはネットワークを介して接続されるため、サーバ装置は同一ユーザを識別できる。サーバ装置はまた、携帯情報端末からの要求によって、携帯情報端末のユーザ(視聴者でもある)がどのようなコンテンツに興味があるかを分析するためのフィードバック情報を得ることができる。この情報によって、情報提供者は、効果的なコンテンツ改良等を行なうことができる。
【発明の効果】
【0025】
以上より、本発明によれば、タッチパネル機能を有していない表示装置に対しても視聴者の意思を反映してインタラクティブにコンテンツを表示できるデジタルサイネージシステム及びそのデジタルサイネージシステムに用いるサーバ装置を容易に得ることができる。
【0026】
また、本発明によれば、表示するコンテンツの有効性を分析できるデジタルサイネージシステム及びそのデジタルサイネージシステムに用いるサーバ装置を容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0029】
(第1の実施の形態)
[全体システム構成]
図1〜
図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るデジタルサイネージシステムの全体構成について説明する。
図1を参照して、このデジタルサイネージシステムは、コンテンツの配信を行なうコンテンツサーバ100と、配信されたコンテンツを表示するサイネージディスプレイ200と、ユーザ(視聴者)により操作可能な携帯情報端末300とを含む。ここでは、説明の便宜上、携帯情報端末300のユーザを例えばユーザA(視聴者A)とする。
図1中の矢印はデータの流れを示す。
【0030】
コンテンツサーバ100とサイネージディスプレイ200とはネットワーク400を介して接続されている。携帯情報端末300はネットワーク400を介してコンテンツサーバ100と接続される。この携帯情報端末300は無線によりネットワーク400に接続される。ネットワーク400は、例えば4G無線ネットワーク、ATM(Automatic teller machine)専用線ネットワーク、IP(Internet Protocol)ネットワーク(インターネット)等からなる。
【0031】
サイネージディスプレイ200は、例えば、大画面の液晶ディスプレイからなる。本実施の形態では、サイネージディスプレイ200はタッチパネル機能を有さない構成とされ、視聴者の手の届かない場所に設置されているものとする。
【0032】
図2を参照して、サイネージディスプレイ200には、例えば、広告(1)〜広告(3)のコンテンツが順次時系列で切替わりながら表示される。広告(1)〜広告(3)の各コンテンツは、一定時間おきに順に遷移表示され、広告(3)のコンテンツの表示が終了すると、再び広告(1)のコンテンツが表示される。
【0033】
サイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツは、二次元コード50を含む。すなわち、コンテンツには当該コンテンツの一部に二次元コード50が表示される。二次元コード50は、この二次元コード50を表示するサイネージディスプレイ200を識別するための識別情報であるディスプレイID、及び、サイネージディスプレイ200にコンテンツを配信するコンテンツサーバ100のインターネット上のアドレス(例えばURL:Uniform Resource Locator)を含む。
【0034】
再び
図1を参照して、携帯情報端末300はカメラ機能及びコード検出機能を有している。カメラ機能は、サイネージディスプレイ200に表示される二次元コード50を撮影して、当該二次元コード50を取込む機能として用いることができる。コード検出機能は、取込んだ二次元コード50を解析して、二次元コード50に含まれるディスプレイID及びコンテンツサーバ100のアドレスを取得する。当該コードの全情報をコンテンツサーバ100のWWWサービスに対するURLとしてエンコードすると、携帯情報端末300はWWWブラウザを介して容易にサーバ100と通信することができる。
【0035】
携帯情報端末300はさらに、取得したアドレスを用いてコンテンツサーバ100と通信し、取得したディスプレイIDをコンテンツサーバ100に送信する機能を有する。携帯情報端末300から送信されるディスプレイIDを受信したコンテンツサーバ100は、当該ディスプレイIDに対応するサイネージディスプレイ200を識別し、サイネージディスプレイ200に配信したコンテンツに関連する関連コンテンツの番組メニュー(番組リスト)を当該携帯情報端末300に送信する。携帯情報端末300は、番組メニューを受信すると、受信した番組メニューを後述する表示部340(
図6参照)に表示する。この番組メニューは、タッチパネル機能を有するサイネージディスプレイ向けコンテンツにおいて、関連情報のメニューとして表示される情報に相当する。
【0036】
図3を参照して、携帯情報端末300の表示部340の画面にはメニュー画面342が表示される。メニュー画面342は、サイネージディスプレイ200で表示されているコンテンツに関連する関連コンテンツのメニューである。このメニュー画面342は、広告(1)に関連する詳細情報(関連情報)を選択するための広告(1)ボタン342a、広告(2)に関連する詳細情報(関連情報)を選択するための広告(2)ボタン342b、及び、広告(3)に関連する詳細情報(関連情報)を選択するための広告(3)ボタン342cを含む。携帯情報端末300は、広告(1)ボタン342a、広告(2)ボタン342b及び広告(3)ボタン342cのいずれかに対する選択操作を受付けると、操作を受付けたボタンに対応する情報(関連コンテンツ)の表示を要求する指示(リクエスト)をコンテンツサーバ100に送信する。
【0037】
携帯情報端末300からのリクエストを受付けたコンテンツサーバ100は、サイネージディスプレイ200からの問合せに応じて、要求された関連コンテンツをサイネージディスプレイ200に配信する。サイネージディスプレイ200は、コンテンツサーバ100から配信された関連コンテンツを受信すると、標準の広告コンテンツ番組に代えて、受信した関連コンテンツを表示する。ここで、標準のコンテンツ番組のデータはサイネージディスプレイ200側に保持され、サイネージディスプレイ200は携帯情報端末300からの要求がない場合に当該データを再利用する。
【0038】
[システムコンポーネント構成]
《コンテンツサーバ100》
図4を参照して、本デジタルサイネージシステムを構成するコンテンツサーバ100は、CPU(Central Processing Unit)110、通信部120及びストレージ部130を含む。CPU110には、通信部120及びストレージ部130が電気的に接続される。
【0039】
CPU110は、いずれも図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)とともに制御部を構成する。CPU110は、携帯情報端末300及びサイネージディスプレイ200からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することにより、コンテンツサーバ100の各部の動作、並びに、携帯情報端末300及びサイネージディスプレイ200との通信等の所望の処理を実行する。
【0040】
通信部120は、有線及び無線(本実施の形態では有線)によりネットワーク400への接続を提供する。コンテンツサーバ100は、この通信部120を介して、ネットワーク400上のサイネージディスプレイ200等と所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なうことができる。
【0041】
ストレージ部130は、大容量の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)を含む。ストレージ部130は、基本ソフトウェア及び当該基本ソフトウェアが提供する機能を利用して動作する種々のアプリケーションソフトを記憶する。ストレージ部130はさらに、コンテンツを記憶するコンテンツリポジトリ(repository)132、コンテンツリポジトリ132に記憶されたコンテンツに関連する関連コンテンツの番組メニューを記憶する番組メニューリポジトリ134、携帯情報端末300から受付けたリクエストを一時保存するリクエスト記憶部(以下「リクエストリスト」と呼ぶ。)136及び受付けたリクエストを履歴として記憶するログ記憶部(以下、単に「ログ」と呼ぶ。)138を含む。コンテンツリポジトリ132はさらに、コンテンツとともに、コンテンツに関連する関連コンテンツを記憶する。
【0042】
なお、ストレージ部130には、コンテンツを配信するサイネージディスプレイ200の設置位置に関する情報(位置情報)が予め記憶されている。
【0043】
ストレージ部130、通信部120、ROM及びRAMは、いずれもCPU110の制御のもとに協調して動作し、本実施の形態に係るコンテンツサーバとしてコンテンツサーバ100は種々のアプリケーションによる処理を実現する。例えば、コンテンツサーバ100は、コンテンツリポジトリ132と番組メニューリポジトリ134を保持するコンテンツ配信サービス、及び、携帯情報端末300から送信される視聴者からのリクエストを受付けて管理するリクエスト管理サービス等の機能を搭載する。これらサービスは、基本ソフトウェアが提供する機能を利用して動作するアプリケーションソフトが実行されることによってその機能が実現される。
【0044】
コンテンツサーバ100はさらに、コンテンツ配信サービスにより、サイネージディスプレイ200からの問合せに応じて、予め二次元コード50をストリームに組込んだコンテンツ(例えば、広告番組)、又は当該コンテンツに関連する関連コンテンツを配信する。
【0045】
《サイネージディスプレイ200》
図5を参照して、サイネージディスプレイ200は、CPU210、通信部220、表示部230、ストレージ部240及びコンテンツキャッシュ250を含む。CPU210には、通信部220、表示部230、ストレージ部240及びコンテンツキャッシュ250が電気的に接続される。
【0046】
CPU210は、ストレージ部240に記憶されるコンピュータプログラムを実行することにより、サイネージディスプレイ200の全体の制御を司る。通信部220は、有線又は無線(本実施の形態では有線)によりネットワーク400への接続を提供する。サイネージディスプレイ200は、この通信部220を介して、ネットワーク400上のコンテンツサーバ100と所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なうことができる。
【0047】
表示部230は、上記のように、大画面の液晶ディスプレイからなる。ストレージ部240は、基本ソフトウェア及び当該基本ソフトウェアが提供する機能を利用して動作するアプリケーションソフトを記憶する。コンテンツキャッシュ250は、表示部230で表示するコンテンツを一時的に記憶する。
【0048】
サイネージディスプレイ200はさらに、リクエスト照会機能を持つコンテンツプレーヤを搭載する。コンテンツプレーヤは、基本ソフトウェアが提供する機能を利用して動作するアプリケーションソフトの1つであり、当該アプリケーションソフトが実行されることによってその機能が実現される。
【0049】
《携帯情報端末300》
図6を参照して、携帯情報端末300は、CPU310、カメラ部320、通信部330、表示部340及び位置検出部350を含む。CPU310には、カメラ部320、通信部330、表示部340及び位置検出部350が電気的に接続される。
【0050】
携帯情報端末300は、基本ソフトウェア及び当該基本ソフトウェアが提供する機能を利用して動作するアプリケーションソフトを記憶する記憶装置(図示せず。)を含む。CPU310は、ユーザによる指示等に応じて各種コンピュータプログラムを実行することにより、携帯情報端末300の各部の動作及びコンテンツサーバ100との通信等の所望の処理を実行する。
【0051】
カメラ部320は図示しない撮像素子を含む。カメラ部320によって撮影された画像は、デジタルデータとして記憶装置に記憶される。通信部330は、無線によるネットワーク400への接続を提供する。携帯情報端末300は、この通信部330を介して、ネットワーク400上のコンテンツサーバ100と所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なうことができる。
【0052】
表示部340は、タッチパネル機能を有するタッチパネルディスプレイからなる。位置検出部350は、GPS(Global Positioning System)を利用して、自機の現在位置情報を取得する。
【0053】
携帯情報端末300には、基本ソフトウェアが提供する機能を利用して動作するアプリケーションソフトとして、メニューブラウザソフト及びコード検出ソフトがインストールされている。メニューブラウザは、コンテンツサーバ100から取得した関連コンテンツのメニューを表示部340に表示する機能を有する。メニューブラウザに代えて、一般的なWebブラウザを使用してもよい。コード検出ソフトは、例えば、カメラ部320で撮影したコンテンツを解析して、二次元コード50を検出し、そのコードに含まれるディスプレイID及びコンテンツサーバ100のアドレスを取得する機能を有する。コンテンツの動画を常時入力し、二次元コード検出時に自動的にメニューブラウザを立ち上げると便利である。
【0054】
[ソフトウェア制御構造]
図7〜
図10を参照して、本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムにおいて、コンテンツサーバ100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。コンテンツサーバ100では、複数の携帯情報端末からのリクエストを受付けるために、携帯情報端末300から送信されるディスプレイIDを受信して番組メニューを送信する処理を実行するプログラム、携帯情報端末300からのリクエストを受信してリクエストリストに追加する処理を実行するプログラム、並びに、サイネージディスプレイ200にコンテンツ及び関連コンテンツを配信するプログラムが並行して動作する。これらのプログラムは、サーバを稼働することによって起動される。
【0055】
図7を参照して、携帯情報端末300から送信されるディスプレイIDを受信して番組メニューを送信する処理を実行するために、コンテンツサーバ100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、携帯情報端末300からアクセスが有るか否かを判定し、携帯情報端末300からアクセスが有るまで待機するステップS1000と、携帯情報端末300からアクセスが有ると判定された場合に実行され、携帯情報端末300から送信されたディスプレイIDを受信するステップS1010と、ステップS1010の後に実行され、受信したディスプレイIDに基づいてサイネージディスプレイ200を特定し、サイネージディスプレイ200に配信したコンテンツと関連する関連コンテンツの番組メニューを当該携帯情報端末300に送信し、制御をステップS1000に戻すステップS1020とを含む。
【0056】
図8を参照して、携帯情報端末300からのリクエストを受信してリクエストリストに追加する処理を実行するために、コンテンツサーバ100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、携帯情報端末300からリクエストを受信したか否かを判定し、リクエストを受信するまで待機するステップS1100と、ステップS1100において、携帯情報端末300からリクエストを受信したと判定された場合に実行され、受信したリクエストが妥当であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1110と、ステップS1110において、受信したリクエストが妥当であると判定された場合に実行され、当該リクエストを受付けて、そのリクエストをリクエストリスト136及びログ138に追加し、制御をステップS1100に戻すステップS1120とを含む。ステップS1110において、受信したリクエストが妥当でないと判定された場合は、制御はステップS1100に戻る。
【0057】
ステップS1110では、携帯情報端末300からリクエストとともに送信された携帯情報端末300の現在位置情報を受信し、携帯情報端末300の位置情報と、予め記憶している、サイネージディスプレイ200の設置位置に関する情報(位置情報)とを比較する。そして、携帯情報端末300の現在位置が、サイネージディスプレイ200の近傍である場合は、リクエストは妥当であると判定し、サイネージディスプレイ200の近傍でない場合は、リクエストは妥当でないと判定する。サイネージディスプレイ200の近傍とは、携帯情報端末300のユーザAがサイネージディスプレイ200に表示される二次元コード50を撮影することが可能な位置である。このような位置は、携帯情報端末300を所持するユーザAがサイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツを視聴可能な距離の範囲内に居る位置であるとも言える。
【0058】
図9を参照して、サイネージディスプレイ200にコンテンツ及び関連コンテンツを配信する処理を実行するために、コンテンツサーバ100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、サイネージディスプレイ200にコンテンツを配信するステップS1200と、ステップS1200の後に実行され、サイネージディスプレイ200からリクエスト照会がされたか否かを判定し、リクエスト照会がされるまで待機するステップS1210と、ステップS1210において、サイネージディスプレイ200からリクエスト照会がされたと判定された場合に実行され、リクエストリスト136にリクエストが有るか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1220とを含む。ステップS1220において、リクエストリスト136にリクエストが無いと判定された場合は、制御はステップS1200に戻る。
【0059】
このプログラムはさらに、ステップS1220において、リクエストリスト136にリクエストが有ると判定された場合に実行され、リクエストリスト136を参照して最適なコンテンツを選択するステップS1230と、ステップS1230の後に実行され、同じ端末から選択された同じコンテンツへのリクエストをリクエストリスト136から削除するステップS1240と、ステップS1240の後に実行され、リクエスト元の携帯情報端末300から送信される位置情報を受信するステップS1250と、ステップS1250の後に実行され、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1260とを含む。
【0060】
ステップS1230では、リクエスト管理サービスがリクエストリスト136にあるリクエストの内容を加味して次の再生コンテンツを決定する。ステップS1230の選択アルゴリズムは例えば先着順である。ステップS1240では、同一のリクエストがリクエストリスト136に重複しないように、リクエスト管理サービスが、同じコンテンツへのリクエストをリクエストリスト136から削除する。
【0061】
本実施の形態では、コンテンツサーバ100に対して、複数の携帯情報端末からリクエストが送信されてくることを想定している。例えば、リクエストリスト136が、
(a)端末XからコンテンツAをリクエスト
(b)端末XからコンテンツBをリクエスト
(c)端末XからコンテンツCをリクエスト
(d)端末YからコンテンツAをリクエスト
(e)端末XからコンテンツAをリクエスト
となっていた場合、(a)及び(e)のリクエストは同じ端末Xから同じコンテンツAへのリクエストである。このような場合、ステップS1240では、リクエスト(a)又はリクエスト(e)をリクエストリスト136から削除する。
【0062】
なお、ステップS1240では、選択して送信済みのリクエストも削除される。ステップS1250では、コンテンツサーバ100は、過去の一定時間内にリクエスト発行元の携帯情報端末300から位置情報を受信しているか否かを確認する。
【0063】
ステップS1260では、ステップS1110と同様、携帯情報端末300の位置情報と、予め記憶している、サイネージディスプレイ200の設置位置に関する情報(位置情報)とを比較し、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍か否かを判定する。サイネージディスプレイ200の近傍とは、ステップS1110と同様、携帯情報端末300を所持するユーザAがサイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツを視聴可能な距離の範囲内に居る位置とされる。
【0064】
このプログラムはさらに、ステップS1260において、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍であると判定された場合に実行され、前回受付けたリクエストをリクエストリスト136及びログ138に追加し、制御をステップS1210に戻すステップS1270と、ステップS1260において、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍ではないと判定された場合に実行され、携帯情報端末300から受付けたリクエストをリクエストリスト136から削除し、制御をステップS1210に戻すステップS1280とを含む。
【0065】
ステップS1270では、コンテンツ配信サービスが、ステップS1230においてリクエスト管理サービスが決定した次の再生コンテンツをサイネージディスプレイ200に配信する。ステップS1270において、コンテンツサーバ100がユーザのリクエストを保持すると、要求のセッションが開示されたものとする。
【0066】
図10を参照して、本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムにおいて、サイネージディスプレイ200で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは電源を投入すると起動される。
【0067】
このプログラムは、サイネージディスプレイ200からのコンテンツ配信要求によってコンテンツサーバ100から配信されるコンテンツを取得するステップS2000と、ステップS2000の後に実行され、取得したコンテンツを放映するステップS2010と、ステップS2010の後に実行され、コンテンツの放映が終了したか否かを判定し、コンテンツの放映が終了するまで待機するステップS2020とを含む。ステップS2020では、例えば
図2に示す広告(1)のコンテンツが放映されている場合、広告(1)のコンテンツの放映が終了するまで待機する。
【0068】
このプログラムはさらに、ステップS2020において、コンテンツの放映が終了したと判定された場合に実行され、コンテンツサーバ100に対して、携帯情報端末300からのリクエストが有るか否かを確認するために、リクエストリスト136にリクエスト照会するステップS2030と、ステップS2030の後に実行され、リクエストリスト136にリクエストが有るか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2040と、ステップS2040において、リクエストが有ると判定された場合に実行され、コンテンツサーバ100から送信される関連コンテンツを受信するステップS2050と、ステップS2050の後に実行され、受信した関連コンテンツを放映するステップS2060と、ステップS2060の後に実行され、関連コンテンツの放映が終了したか否かを判定し、関連コンテンツの放映が終了するまで待機するステップS2070と、ステップS2040において、リクエストリスト136にリクエストがないと判定された場合に実行され、取得したコンテンツの次のコンテンツ(次の広告)を選択し、制御をステップS2010に戻すステップS2080とを含む。
【0069】
ステップS2070において、関連コンテンツの放映が終了したと判定された場合は、制御はステップS2030に戻る。標準のコンテンツを提示するために一度ステップS2010に戻してもよい。ステップS2080では、ステップS2020において例えば広告(1)の放映が終了すると、広告(1)の次のコンテンツである広告(2)が選択される。
【0070】
図11を参照して、本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムにおいて、携帯情報端末300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、コード検出ソフトを使用するための操作を受付けると起動される、一種のアプリケーションである。図示しないが、任意の時点で本アプリケーションを再起動又は終了させることができるものとする。
【0071】
このプログラムは、撮影指示がされたか否かを判定し、撮影指示があるまで待機するステップS3000と、ステップS3000において、撮影指示がされたと判定された場合に実行され、サイネージディスプレイ200に表示される二次元コード50を数秒間連続的に撮影するステップS3010と、ステップS3010の後に実行され、撮影した動画から二次元コード50を抽出・解析して二次元コード50に含まれるディスプレイID及びコンテンツサーバ100のアドレスを取得するステップS3020と、ステップS3020の後に実行され、取得したディスプレイID及びアドレスを表示部340に表示するステップS3030と、ステップS3030の後に実行され、コンテンツサーバ100へのアクセスの指示がされたか否かを判定し、アクセスの指示があるまで待機するステップS3040とを含む。
【0072】
このプログラムはさらに、ステップS3040において、アクセスの指示がされたと判定された場合に実行され、取得したアドレスを用いてコンテンツサーバ100にアクセスするステップS3050と、ステップS3050の後に実行され、コンテンツサーバ100に対して取得したディスプレイIDを送信するステップS3060と、ステップS3060の後に実行され、ディスプレイIDを受信したことに応答してコンテンツサーバ100から送信される番組メニューを受信するステップS3070と、ステップS3070の後に実行され、受信した番組メニューをメニューブラウザで表示するステップS3080と、ステップS3080の後に実行され、リクエストの発行指示がされたか否かを判定し、リクエストの発行指示がされるまで待機するステップS3090と、ステップS3090において、リクエストの発行指示がされたと判定された場合に実行され、指示されたリクエストをコンテンツサーバ100に対して発行するステップS3100とを含む。ステップS3100では、位置検出部350によって現在位置情報を取得し、リクエストとともに取得した位置情報をコンテンツサーバ100に送信する。
【0073】
このプログラムはさらに、ステップS3100の後に実行され、所定時間の経過後に現在位置情報を取得し、取得した位置情報をコンテンツサーバ100に送信するステップS3110と、ステップS3110の後に実行され、コンテンツサーバ100とのコネクションが切断されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS3120とを含む。
【0074】
ステップS3120において、コネクションが切断されていないと判定された場合は、制御はステップS3110に戻る。ステップS3120において、コネクションが切断されたと判定された場合は、このプログラムは終了する。
【0075】
[動作]
図2、
図3及び
図7〜
図12を参照して、以上のような構造及びフローチャートに基づく、本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムの動作について説明する。
【0076】
図12を参照して、サイネージディスプレイ200は、起動直後にコンテンツサーバ100に対して、コンテンツの配信要求を発行する。コンテンツサーバ100は、配信要求を受取ると、発行したサイネージディスプレイ200に対してコンテンツを配信する(
図9に示すステップS1200)。サイネージディスプレイ200はコンテンツサーバ100から配信されるコンテンツを取得する(
図10に示すステップS2000)。サイネージディスプレイ200は視聴者に対して興味を持たせる当該取得したコンテンツ(広告コンテンツ)を放映する(
図10に示すステップS2010)。
【0077】
携帯情報端末300のユーザA(視聴者)が、サイネージディスプレイ200で放映されているコンテンツを視聴して、放映されているコンテンツに興味を持ち、より詳しい内容を知りたいと思ったとする。サイネージディスプレイ200で放映されているコンテンツの一部に二次元コード50(
図2参照)が表示されている。ユーザAは、携帯情報端末300を操作して、サイネージディスプレイ200に表示される二次元コード50を撮影する(
図11に示すステップS3010)。携帯情報端末300は、撮影画像から二次元コード50を検出・解析して、二次元コード50に含まれるディスプレイID及びアドレスを取得する(ステップS3020)。ディスプレイIDは、ユーザAが興味を持ったコンテンツを放映しているサイネージディスプレイ200を識別するための識別情報であり、アドレスは、サイネージディスプレイ200にコンテンツを配信したコンテンツサーバ100のネットワーク上のアドレスである。
【0078】
携帯情報端末300は、サーバにアクセスする旨のメッセージを画面に表示する(ステップS3030)。携帯情報端末300は、ユーザAの操作によって、コンテンツサーバ100へのアクセス指示を受付ける(ステップS3040)。携帯情報端末300は、表示されているアドレスのコンテンツサーバ100にアクセスし(ステップS3050)、ディスプレイIDをコンテンツサーバ100に送信する(ステップS3060)。コンテンツサーバ100は、携帯情報端末300から送信されたディスプレイIDを受信すると(
図7に示すステップS1010)、ディスプレイIDに基づいて、そのディスプレイIDのサイネージディスプレイ200を特定する。コンテンツサーバ100はさらに、特定したサイネージディスプレイ200に配信したコンテンツに関連する関連コンテンツの番組メニューを番組メニューリポジトリ134から抽出し、その番組メニューを携帯情報端末300に送信する(ステップS1020)。
【0079】
携帯情報端末300は、コンテンツサーバ100から送信された番組メニューを取得し(
図11に示すステップS3070)、取得した番組メニューをメニューブラウザで表示部340に表示する(ステップS3080)。
【0080】
図3を参照して、携帯情報端末300では、メニューブラウザによりメニュー画面342が表示される。携帯情報端末300は、メニュー画面342を表示して、ユーザAに、標準広告コンテンツに関連する詳細情報として、広告(1)ボタン342a、広告(2)ボタン342b及び広告(3)ボタン342cのいずれかの操作を選択させる。ユーザAが、興味を持った関連コンテンツのボタンを操作すると(
図11に示すステップS3090においてYES)、携帯情報端末300はその操作を受付けて、コンテンツサーバ100にリクエストを発行する(ステップS3100)。携帯情報端末300は、ユーザAの上記操作に応答して、位置検出部350により自機の現在位置情報を取得し、リクエストとともに、取得した位置情報をコンテンツサーバ100に送信する。
【0081】
再び
図12を参照して、コンテンツサーバ100は、携帯情報端末300からのリクエストを受信すると(
図8に示すステップS1100においてYES)、そのリクエストが妥当か否かを判定する(ステップS1110)。具体的には、コンテンツサーバ100は、予め記憶されたサイネージディスプレイ200の位置情報と携帯情報端末300の位置情報とを比較し、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍か否かを判定する。携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍である場合、受信したリクエストは妥当と判定し、そのリクエストをリクエストリスト136及びログ138に追加する(ステップS1120)。一方、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍ではない場合、受信したリクエストは妥当ではない判定し、そのリクエストはリクエストリスト136及びログ138には追加せずに廃棄する。
【0082】
サイネージディスプレイ200では、
図2に示すように、広告(1)〜広告(3)のコンテンツが順次時系列で切替わりながら放映される。例えば、広告(1)のコンテンツが放映されている場合、そのコンテンツの放映が終了すると(
図10に示すステップS2020においてYES)、サイネージディスプレイ200は、コンテンツサーバ100にリクエストがきていないか確認するために、リクエスト管理サービスにリクエスト照会を行なう(ステップS2030)。リクエストリスト136にリクエストがある場合(それぞれステップS1220及びステップS2040においてYES)、コンテンツサーバ100は、リクエストリスト136のなかのリクエストに基づいて関連コンテンツを選択し、選択した関連コンテンツをサイネージディスプレイ200に送信する(
図9に示すステップS1230)。これにより、ユーザAが要求した関連コンテンツがサイネージディスプレイ200に配信される。その後、コンテンツサーバ100は、同じコンテンツへのリクエストをリクエストリスト136から削除する(ステップS1240)。
【0083】
サイネージディスプレイ200は、コンテンツサーバ100からリクエストに対応する関連コンテンツを受信し(
図10に示すステップS2050)、受信した関連コンテンツを放映する(ステップS2060)。
【0084】
一方、リクエストリスト136にリクエストがない場合(ステップS2040においてNO)、サイネージディスプレイ200は、取得したコンテンツの次のコンテンツ(次の広告)を選択し、選択したコンテンツを放映する。例えば、広告(1)のコンテンツの放映が終了した後に、リクエスト照会を行なったところ、リクエストリスト136にリクエストがない場合、サイネージディスプレイ200は、広告(2)のコンテンツを放映する。
【0085】
ここで、携帯情報端末300のユーザAが、例えば何らかの用事を思い出し、サイネージディスプレイ200の近くから立ち去っていたとする。携帯情報端末300は、所定の間隔で位置情報を取得して、取得した位置情報をコンテンツサーバ100に送信し続けている(
図11に示すステップS3110及びステップS3120)。コンテンツサーバ100は、携帯情報端末300から送信される位置情報を受信し、携帯情報端末300の位置がサイネージディスプレイ200の近傍ではないと判定するか、携帯情報端末300から一定時間位置情報の送信が行なわれていないと判定すると、携帯情報端末300が発行したリクエストを廃棄して配信しないようにする(
図9に示すステップS1280)。
【0086】
リクエストが廃棄されると、当該リクエストは完了したものとされ、次のリクエストがある場合(
図10に示すステップS2040においてYES)、そのリクエストに従う。
【0087】
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムを利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
【0088】
携帯情報端末300を所持するユーザAは、サイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツに興味を持ち、より詳しい内容を知りたいと思った場合、携帯情報端末300を操作することによって、興味を持ったコンテンツに関する関連コンテンツの番組メニューをコンテンツサーバ100から取得して携帯情報端末300に表示できる。この番組メニューは、タッチパネル型ディスプレイではメニューとして表示される情報に相当する。取得した番組メニューに基づいて、所望のコンテンツの表示をリクエストすることにより、リクエストしたコンテンツをサイネージディスプレイ200に放映できる。このように、ユーザ(視聴者)が番組メニュー中の項目を選択してリクエスト管理サービスにリクエストを発行することで、ユーザ(視聴者)の希望するコンテンツがコンテンツサーバ100からサイネージディスプレイ200に送信されて表示される。これにより、タッチパネル機能を有していないサイネージディスプレイ200であっても、サイネージディスプレイ200に視聴者の意思を反映してインタラクティブにコンテンツを表示できる。したがって、サイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツに興味のある視聴者(ユーザ)に対して必要な関連情報を提供できる。
【0089】
コンテンツサーバ100と携帯情報端末300とはネットワーク400を介して接続されるため、コンテンツサーバ100は同一ユーザを識別できる。コンテンツサーバ100はまた、携帯情報端末300からのリクエストによって、携帯情報端末300のユーザAがどのようなコンテンツに興味があるかを分析するための情報をログ138に蓄積できる。ユーザ毎のログを分析することにより、コンテンツの有効性及び利用傾向をフィードバックして確認できるようになり、情報提供者は効果的なコンテンツ改良を行なうことができる。
【0090】
コンテンツサーバ100は、予め二次元コードをストリームに組込んだコンテンツ(番組)を配信する。これにより、コンテンツサーバ100によって、二次元コードのコード情報を容易に変更できる。時間に応じてコードを毎回変更する等の工夫を行なえばセキュリティを向上できる。
【0091】
コンテンツサーバ100は、携帯情報端末300からの要求を受信すると、携帯情報端末300の現在位置情報とサイネージディスプレイ200の設置位置に関する情報とを比較し、携帯情報端末300の位置が、サイネージディスプレイ200の近傍であるか否かを判定する。携帯情報端末300の位置が、サイネージディスプレイ200の近傍である場合、コンテンツサーバ100は、携帯情報端末300から送信されるリクエストを受付けて、リクエストリスト136に追加する。携帯情報端末300のユーザAが、例えば、サイネージディスプレイ200から遠く離れた場所に居る場合、そのユーザAがサイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツを視聴することが困難となる。本実施の形態では、視聴することが可能なユーザからのリクエストのみを受付けることができるので、サイネージディスプレイを識別するコード情報を保持していながら、視聴することが困難なユーザからのリクエストを受付けることに起因する無駄なコンテンツの表示を回避できる。したがって、サイネージディスプレイ200に表示されるコンテンツに興味のある視聴者(ユーザ)に対して必要な情報を効率よく提供できる。
【0092】
コンテンツサーバ100はまた、携帯情報端末300の位置が、サイネージディスプレイ200の近傍から離れた場合、携帯情報端末300から受付けたリクエストをリクエストリスト136から削除する。これにより、携帯情報端末300のユーザAがリクエストした関連コンテンツの表示を終了して、サイネージディスプレイ200の表示を、例えばコンテンツを表示する元の状態に戻すことができる。
【0093】
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムは、上記第1の実施の形態に係るデジタルサイネージシステムと同様の構成を有している。ただし、本実施の形態では、ユーザが希望した関連コンテンツをコンテンツサーバに登録することが可能に構成されており、携帯情報端末からのリクエストにより、コンテンツサーバに登録した関連コンテンツを携帯情報端末の表示部に表示する点において、上記第1の実施の形態とは異なる。
【0094】
本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムは、第1の実施の形態に係るデジタルサイネージシステムとハードウェア構成は同じである。ただし、コンテンツサーバ及び携帯情報端末に記憶されているプログラム等が第1の実施の形態とは異なる。
【0095】
本実施の形態では、コンテンツサーバは、携帯情報端末からリクエストを受信した後、
図8に示すステップS1110のタイミングで、リクエストに対応する関連コンテンツの一時保存エリアを呼出すことが可能なURL(Uniform Resource Locator)を仮決めする。コンテンツサーバは、仮決めしたURLを、携帯情報端末宛に当該携帯情報端末からのリクエストに対するレスポンスとして返信する。
【0096】
コンテンツサーバは、
図9に示すステップS1230において関連コンテンツを選択し、仮決めしたURLで呼出し可能な記憶エリア(一時保存エリア)に選択した関連コンテンツを保存する。コンテンツサーバが携帯情報端末から当該URLへのリクエストを受取ると、コンテンツサーバは、一時保存エリアに保存した関連コンテンツを当該携帯情報端末に送信する。一時保存エリアに保存された関連コンテンツは、例えば1週間後等の適当なタイミングで削除される。
【0097】
上記構成を有する本実施の形態では、ユーザがサイネージディスプレイを離れた後であっても、当該ユーザは携帯情報端末により好きなタイミングで関連コンテンツの内容を再確認できる。
【0098】
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムは、上記第2の実施の形態において、携帯情報端末の操作により、コンテンツサーバに登録した関連コンテンツの内容を印刷することが可能に構成されている。
【0099】
本実施の形態に係るデジタルサイネージシステムは、第2の実施の形態に係るデジタルサイネージシステムとハードウェア構成は同じである。ただし、コンテンツサーバ及び携帯情報端末に記憶されているプログラム等が第2の実施の形態とは異なる。
【0100】
関連コンテンツの内容の印刷は、ネットワークを介してコンテンツサーバに接続されたプリンタ及び複合機等の画像形成装置により実行される。本実施の形態では、画像形成装置はサイネージディスプレイの近傍の店舗(例えばコンビニエンスストア)に設置されているものとする。携帯情報端末には、
図3に示すメニュー画面と同様のメニュー画面が表示され、そのメニュー画面には印刷ボタン(図示せず。)が表示されている。リクエストを送信するタイミングでユーザが印刷ボタンを操作することにより、携帯情報端末は、リクエストとともに印刷要求を送信する。コンテンツサーバは、携帯情報端末からのリクエストに付随して、
図8に示すステップS1100のタイミングで印刷要求を受付ける。
【0101】
コンテンツサーバは、
図9に示すステップS1270のタイミングでリクエストされたコンテンツをサイネージディスプレイに送信する。それと同時に、コンテンツサーバは、リクエストされたコンテンツを印刷データに変換してサイネージディスプレイの近傍に設置された画像形成装置に送信する。コンテンツサーバは、サイネージディスプレイと画像形成装置とを対応付けたテーブルを予め記憶している。このテーブルには、画像形成装置の宛先(例えばIPアドレス及びURL等)も記憶されている。コンテンツサーバは、関連コンテンツをサイネージディスプレイに配信する前に当該テーブルを参照して、関連コンテンツを送信するサイネージディスプレイに対応する画像形成装置が存在するか否かを判定する。対応する画像形成装置があると判定された場合は、当該画像形成装置の宛先をテーブルから読出して、その宛先の画像形成装置に印刷データを送信する。画像形成装置は、コンテンツサーバから印刷データを受信すると、受信した印刷データを用いて印刷処理を実行する。
【0102】
上記構成を有する本実施の形態では、ユーザが必要に応じて、サイネージディスプレイに表示された情報(内容)を所定の画像形成装置で印刷できる。
【0103】
[変形例]
上記実施の形態では、コンテンツサーバ、サイネージディスプレイ及び携帯情報端末をそれぞれ1台ずつ含むデジタルサイネージシステムの構成を示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。コンテンツサーバ、サイネージディスプレイ及び携帯情報端末の台数は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0104】
上記実施の形態では、サイネージディスプレイとして液晶ディスプレイを用いた例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。サイネージディスプレイは液晶ディスプレイ以外の表示装置であってもよい。例えば、サイネージディスプレイとして、LED(Light Emitting Diode)を表示素子に使用した大型映像装置(LEDディスプレイ)を用いてもよい。
【0105】
上記実施の形態では、予め二次元コードをストリームに組込んだコンテンツを配信する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。携帯情報端末に対して、ディスプレイID及びサーバアドレスを示すことができれば、上記構成以外の構成であってもよい。例えば、二次元コードをサイネージディスプレイの枠等にシールとして貼付ける構成等であってもよい。
【0106】
上記実施の形態では、ディスプレイIDを含む識別コードとして二次元コードをサイネージディスプレイに表示する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。ディスプレイID及びサーバアドレスを示すことができる識別コードであれば、二次元コード以外の識別コードを用いてもよい。
【0107】
上記実施の形態では、携帯情報端末の位置情報をコンテンツサーバに送信し、位置情報に応じて、リクエストを受付けるか否か、及び、受付けたリクエストを削除するか否かを決定する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、携帯情報端末からコンテンツサーバに位置情報を送信しない構成であってもよい。
【0108】
上記実施の形態では、コンテンツサーバからサイネージディスプレイに対して複数の広告を含むコンテンツを配信し、携帯情報端末に表示される番組メニューで広告の1つを選択する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、サイネージディスプレイに配信するコンテンツは1つの広告を含むものであってもよい。さらに、1つの広告(コンテンツ)に対して関連する情報を複数準備しておき、ユーザ(視聴者)が興味をもった広告に対して複数の番組(情報)の中から所望の番組を選択できるように構成してもよい。
【0109】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。