特許第6001372号(P6001372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6001372
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】電子部品実装装置及びフィーダ
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20160923BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-171518(P2012-171518)
(22)【出願日】2012年8月1日
(65)【公開番号】特開2014-33028(P2014-33028A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博
(72)【発明者】
【氏名】蒔田 喜之
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−147330(JP,A)
【文献】 特開2012−043899(JP,A)
【文献】 特開平11−312894(JP,A)
【文献】 特開2001−185896(JP,A)
【文献】 特開2011−205021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30;13/00−13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダベースと、前記フィーダベースに着脱自在に設置されるフィーダと、前記フィーダを前記フィーダベースに固定するためのロック機構と、を備え、前記フィーダベースのベース側ストッパ部に前記フィーダのフィーダ側ストッパ部が突き当てられることにより前記フィーダが前記フィーダベースにおける所定の設置位置に位置決めされ、且つ、前記フィーダが前記設置位置に設置されることにより前記フィーダベースのベース側コネクタと前記フィーダのフィーダ側コネクタとが通電可能に結合されるように構成された部品供給部を有してなる電子部品実装装置であって、
前記部品供給部は、前記フィーダ側ストッパ部が前記ベース側ストッパ部に突き当てられる方向と反対の方向に前記フィーダを押し戻すための、前記ベース側コネクタ及び前記フィーダ側コネクタを結合した状態から引き離すために必要な力よりも大きい力で付勢可能な押し戻し機構を更に備え、前記ロック機構のロックが解除された状態では前記フィーダが前記押し戻し機構の付勢力によって前記設置位置から離されて前記ベース側コネクタと前記フィーダ側コネクタとが通電不能な非結合状態に保持され、前記ロック機構によって前記フィーダが前記押し戻し機構の付勢力に抗して前記設置位置に固定されることにより前記ベース側コネクタと前記フィーダ側コネクタとが通電可能に結合されるように構成されたことを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ベース側コネクタと前記フィーダ側コネクタとが通電可能に結合されたことを検知することにより前記フィーダが前記設置位置に設置されていると認識するように構成されたことを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の押し戻し機構が備えられたことを特徴とするフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置及びこれに設置されて用いられるフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を基板上に実装するためにチップマウンタと称される電子部品実装装置が広く利用されている。電子部品実装装置は、フィーダベースと、フィーダベースに着脱自在に設置されるフィーダと、を備えた部品供給部を有しており、フィーダにおける所定のピックアップ位置に順次供給される電子部品を電子部品吸着ノズルが真空吸着によりピックアップして基板上に実装するようになっている。尚、フィーダにはテープフィーダ、バルクフィーダ、スティックフィーダ等の種類が存在し、このようなフィーダは一般的に前後方向に長く左右方向に薄い板状の外観形状を有している。フィーダベースには複数のフィーダが左右方向に近接して並んで装着されるようになっており、これにより様々な種類の電子部品が電子部品実装装置に供給されるようになっている。より詳細には部品供給部は、フィーダベースのベース側ストッパ部にフィーダのフィーダ側ストッパ部が突き当てられることによりフィーダがフィーダベースにおける所定の設置位置に位置決めされるようになっている。又、フィーダが設置位置に設置されることによりフィーダのフィーダ側コネクタとフィーダベースのベース側コネクタとが通電可能に結合されるようになっている。尚、部品供給部には、フィーダが前後方向(基板を搬送するための搬送路に接近したり搬送路から離れる方向)に移動することによりフィーダベースに着脱されるタイプと、フィーダが上下方向に移動することによりフィーダベースに着脱されるタイプがある。又、フィーダ及びフィーダベースの一方又は両方にはフィーダをフィーダベースに固定するためのロック機構が備えられている。電子部品吸着ノズルがピックアップ位置において電子部品をフィーダから正確にピックアップするためにはフィーダがフィーダベースにおける本来の設置位置に正確に設置されている必要がある。
【0003】
これに対し、部品送りレバーの揺動に連動して電子部品を送り出すタイプのフィーダにおいて部品送りレバーの揺動位置をセンサで検出し、部品送りレバーの揺動位置が正規の位置であるか否かを判別することによりフィーダが本来の設置位置に設置されているか否かを判別するようにした電子部品実装装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。又、フィーダ側コネクタとベース側コネクタとが予定された態様で通電しているか否かを判別することによりフィーダが本来の設置位置に設置されているか否かを判別するようにした電子部品実装装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。又、ロック機構の構成部材の作動位置をセンサで検出し、フィーダがロック機構によってフィーダベースに固定されているか否かを判別することによりフィーダがフィーダベースにおける本来の設置位置に設置されているか否かを判別するようにした電子部品実装装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−21791号公報
【特許文献2】特開平9−55599号公報
【特許文献3】特開2000−114776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フィーダの部品送りレバーの揺動位置やフィーダ側コネクタとベース側コネクタとの通電の態様はフィーダがロック機構によってフィーダベースに固定されていなくても、フィーダがフィーダベースにおける所定の設置位置に載置されていれば正常と判別されてしまうため信頼性という点で問題がある。又、フィーダ側コネクタとベース側コネクタとの通電の態様は、フィーダが本来の設置位置から若干ずれて設置されフィーダ側コネクタとベース側コネクタとが本来の状態で結合されていなくてもこれらの一方の側のオスのピンと他方の側のメスのピンとの接触が維持される程度の位置ずれであれば電気的に正常と判別されてしまうという問題もある。一方、ロック機構の構成部材の作動位置をセンサで検出する手法によればフィーダがロック機構によってフィーダベースにおける本来の設置位置に設置され、且つ、固定されているか否かを確実に判別することは可能であるが、このようなセンサの設置はコストアップの要因になるという問題がある。又、機械系の構成や電気系の制御が複雑になるという問題もある。尚、特許文献1のフィーダの部品送りレバーの揺動位置を検出するためのセンサを設置する場合にも同様の問題がある。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構成でありながらフィーダがフィーダベースにおける本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければ電子部品の実装が行われない信頼性が高い電子部品実装装置及びこれに設置されて用いられるフィーダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フィーダベースと、フィーダベースに着脱自在に設置されるフィーダと、フィーダをフィーダベースに固定するためのロック機構と、を備え、フィーダベースのベース側ストッパ部にフィーダのフィーダ側ストッパ部が突き当てられることによりフィーダがフィーダベースにおける所定の設置位置に位置決めされ、且つ、フィーダが設置位置に設置されることによりフィーダベースのベース側コネクタとフィーダのフィーダ側コネクタとが通電可能に結合されるように構成された部品供給部を有してなる電子部品実装装置であって、部品供給部は、フィーダ側ストッパ部がベース側ストッパ部に突き当てられる方向と反対の方向にフィーダを押し戻すための、ベース側コネクタ及びフィーダ側コネクタを結合した状態から引き離すために必要な力よりも大きい力で付勢可能な押し戻し機構を更に備え、ロック機構のロックが解除された状態ではフィーダが押し戻し機構の付勢力によって設置位置から離されてベース側コネクタとフィーダ側コネクタとが通電不能な非結合状態に保持され、ロック機構によってフィーダが押し戻し機構の付勢力に抗して設置位置に固定されることによりベース側コネクタとフィーダ側コネクタとが通電可能に結合されるように構成された電子部品実装装置により上記課題を解決したものである。
【0008】
この電子部品実装装置の部品供給部は、ロック機構によってフィーダが押し戻し機構の付勢力に抗して設置位置に固定された状態ではベース側コネクタとフィーダ側コネクタとが通電可能に結合されるのでフィーダによる電子部品の供給が可能であり、電子部品の実装も可能である。一方、ロック機構のロックが解除された状態ではフィーダが押し戻し機構の付勢力によって本来の設置位置から離されてベース側コネクタとフィーダ側コネクタとが通電不能な非結合状態に保持されるので、フィーダによる電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。即ち、フィーダが本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければフィーダによる電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。又、この電子部品実装装置はロック機構の構成部材の作動位置を検出するためのセンサ等を設置する必要がないのでコスト低減に寄与する。
【0009】
又、本発明は上記に記載の押し戻し機構が備えられたフィーダによって上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構成でありながらフィーダがフィーダベースにおける本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければ電子部品の実装が行われない信頼性が高い電子部品実装装置及びこれに設置されて用いられるフィーダを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る電子部品実装装置の概略構成を模式的に示す平面図
図2】同電子部品実装装置の部品供給部の概略構成を模式的に示す側面図
図3図2におけるベース側ストッパ部及びフィーダ側ストッパ部の部分を拡大して模式的に示す側面図
図4図2におけるベース側コネクタ及びフィーダ側コネクタの部分を拡大して模式的に示す側面図
図5】前記フィーダ側ストッパ部が前記ベース側ストッパ部に突き当てられた状態を模式的に示す図3に対応する側面図
図6】前記ベース側コネクタと前記フィーダ側コネクタとが通電可能に結合された状態を模式的に示す側面図
図7図2における押し戻し機構の部分を拡大して模式的に示す側面図
図8】前記部品供給部のフィーダベースとフィーダとの係合構造を拡大して模式的に示す後面図
図9】本発明の第2実施形態に係る部品供給部の押し戻し機構の部分を拡大して模式的に示す側面図
図10】本発明の第3実施形態に係る部品供給部の概略構成を模式的に示す側面図
図11】同部品供給部の押し戻し機構の部分を拡大して模式的に示す側面図
図12】本発明の第4実施形態に係る部品供給部の押し戻し機構の部分を拡大して模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1に示されるように本発明の第1実施形態に係る電子部品実装装置10は、基台1と、基台1の上に配置され基板3をX方向(図1における左右方向)に搬送する搬送路2と、搬送路2上に設定された所定の実装位置に基板3を位置決めするための基板位置決め部(図示省略)と、搬送路2のY方向(図1における上下方向)の両側に配置された部品供給部4と、部品供給部4から電子部品を取り出して基板3に搭載を行なうための搭載機構6と、を有している。
【0014】
図2〜4に示されるように、部品供給部4は、フィーダベース12と、フィーダベース12に着脱自在に設置されるフィーダ14と、フィーダ14をフィーダベース12に固定するためのロック機構16と、を備え、図5に示されるようにフィーダベース12のベース側ストッパ部18にフィーダ14のフィーダ側ストッパ部20が突き当てられることによりフィーダ14がフィーダベース12における所定の設置位置に位置決めされ、且つ、フィーダ14が設置位置に設置されることにより図6に示されるようにフィーダベース12のベース側コネクタ22とフィーダ14のフィーダ側コネクタ24とが通電可能に結合されるように構成されている。
【0015】
部品供給部4は、フィーダ側ストッパ部20がベース側ストッパ部18に突き当てられる方向と反対の方向にフィーダ14を押し戻すための図7に示されるような押し戻し機構26を更に備え、ロック機構16のロックが解除された状態では図2及び4に示されるようにフィーダ14が押し戻し機構26の付勢力によって設置位置から離されてベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電不能な非結合状態に保持される一方、図6に示されるようにロック機構16によってフィーダ14が押し戻し機構26の付勢力に抗して設置位置に固定されることによりベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電可能に結合されるように構成されている。
【0016】
更に電子部品実装装置10は、ベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電可能に結合されたことを検知することによりフィーダ14がフィーダベース12における本来の設置位置に設置されていると制御装置(図示省略)が認識するように構成されている。他の構成要素については本第1実施形態の理解のために重要とは思われないため説明を適宜省略する。
【0017】
フィーダベース12は、図8に示されるように複数の上面部材28と複数の支持部材30を有して構成されている。上面部材28は前後方向(図1の上下方向、図2〜7の左右方向)に長く上下方向に薄い板状体で左右方向に所定の隙間を有して並んで配置されている。支持部材30は左右方向に薄い板状体で左右方向の厚さは上面部材28の左右方向の幅よりも薄い。これら上面部材28及び支持部材30は前後方向から見てT字をなすように組み合わされており、各上面部材28及び支持部材30とこれに隣り合う他の上面部材28及び支持部材30との間には前後方向から見て逆T字をなす隙間が形成されている。これらの隙間は装着スロットを構成しており、フィーダ14は前方(搬送路2に近づく方向)に移動しながらこの装着スロットに挿入されてフィーダベース12に設置されるようになっている。ベース側ストッパ部18は、上面部材28の前端よりも前側、且つ、上面部材28よりも上側であって各装着スロットに対応する左右方向の位置に設置されている。又、ベース側コネクタ22は、上面部材28の後端よりも後側、且つ、上面部材28よりも下側であって各装着スロットに対応する左右方向の位置に設置されている。
【0018】
フィーダ14はテープフィーダであり、前後方向に長く左右方向に薄い板状の外観形状を有している。図8に示されるようにフィーダ14の下部には前後方向から見て逆T字をなし前後方向に長いスライドレール32が備えられており、スライドレール32がフィーダベース12の装着スロットに挿入されることによりフィーダベース12に対するフィーダ14の左右方向及び上下方向の位置が決められるようになっている。フィーダ側ストッパ部20は、スライドレール32の前端よりも前側、且つ、スライドレール32よりも上側に設置されている。フィーダ側ストッパ部20の前端面がベース側ストッパ部18の後端面に突き当たることによりフィーダベース12に対するフィーダ14の前後方向の位置も決められ、これによりフィーダ14はフィーダベース12における所定の設置位置に位置決めされるようになっている。フィーダ側コネクタ24は、スライドレール32の後端よりも後側、且つ、スライドレール32よりも下側に設置されている。スライドレール32がフィーダベース12の装着スロットに挿入され、フィーダ側コネクタ24がベース側コネクタ22に対向した状態でフィーダ側ストッパ部20がベース側ストッパ部18に突き当たるまでフィーダ14が前進することによりベース側コネクタ22にフィーダ側コネクタ24が結合されるようになっている。ベース側コネクタ22及びフィーダ側コネクタ24の一方には複数のオスのピンが配設され他方には対応する複数のメスのピンが配設されている(図示省略)。これらオスのピンとメスのピンとが嵌合することによりベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電可能となる。尚、図6はオスのピンとメスのピンとが嵌合して通電可能である結合状態のベース側コネクタ22及びフィーダ側コネクタ24の外観を示しており、図2、4はオスのピンとメスのピンとが離れて通電不能である非結合状態のベース側コネクタ22及びフィーダ側コネクタ24の外観を示している。又、図4では、ベース側コネクタ22及びフィーダ側コネクタ24の結合状態、非結合状態の理解のため他の要素を大幅に省略して描いている。
【0019】
ロック機構16は、フィーダベース12側に設置されたロックシャフト34と、フィーダ14側に設置された係止レバー部38と、を有して構成されている。ロックシャフト34は、左右方向に長い棒状の部材でフィーダベース12の支持部材30の後端部の下側に取り付けられている。ロックシャフト34は左右方向から見て円の上部及び下部が水平に切除されたような断面形状を有しており、前面及び後面は(左右方向から見た形状が)円弧の曲面となっている。係止レバー部38は左右方向に平行なピン回りに回転可能である基部38Aと、基部38Aの上部の前端近傍から上方に突出する係止爪38Bと、を有して構成されている。係止爪38Bは弾性材料で形成されており前後方向に撓むことができるようになっている。係止レバー部38が上側に回転することにより係止爪38Bがロックシャフト34の前面に押し付けられるように係止され、この反力によってフィーダ14が前方に付勢されてフィーダ側ストッパ部20の前端面がベース側ストッパ部18の後端面に加圧された状態で突き当たり、このフィーダベース12における設置位置にフィーダ14が固定されるようになっている。又、係止レバー部38は図示しないリンク機構によって操作レバー40と連結されている。操作レバー40はフィーダ14の後端から後方に突出しており、作業者が操作レバー40を上側に揺動させることにより係止レバー部38が上側に回転してフィーダ14がフィーダベース12に固定され、又、操作レバー40を下側に揺動させることにより係止レバー部38が下側に回転してロックが解除されるようになっている。
【0020】
押し戻し機構26は、基部26Aと、前後方向に長い棒状の部材で基部26Aの前端から前方に突出し基部26Aに前後方向に摺動自在に案内されたスライド部材26Bと、スライド部材26Bを前側に付勢するばね部材(図示省略)と、を有してなるプランジャのような構造でありフィーダ14の側に備えられている。ばね部材はベース側コネクタ22及びフィーダ側コネクタ24を結合した状態から引き離すために必要な力よりも大きい力でスライド部材26Bを付勢可能であるようにばね定数や設置形態等が設計されている。押し戻し機構26は、スライド部材26Bの前端がフィーダベース12の支持部材30の後端面に対向するようにフィーダ14におけるスライドレール32の後端よりもやや後ろ側に設置されている。スライド部材26Bがばね部材に付勢されてフィーダベース12の支持部材30の後端面に当接すると、この反力によってフィーダ14が後方に付勢されてフィーダ側ストッパ部20がベース側ストッパ部18に突き当たる設置位置からフィーダ14が離され、ベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電不能な図4に示されるような非結合状態に保持されるようになっている。尚、この状態でロック機構16の係止レバー部38の係止爪38Bの先端近傍の部分は図7に示されるようにロックシャフト34の前面の一部に掛かるように係止爪38Bの長さ、設置位置、設置方向等が設計されている。作業者が操作レバー40を上側に揺動させるとロック機構16の係止レバー部38が上側に回転し、係止爪38Bが撓みつつロックシャフト34の前面に押し付けられるように係止され、この反力によってフィーダ14が前方に付勢され、押し戻し機構26の付勢力に抗してフィーダ14がフィーダベース12における上記設置位置に固定されるようになっている。
【0021】
次に、部品供給部4の作用について説明する。部品供給部4は、ロック機構16によってフィーダ14が押し戻し機構26の付勢力に抗して設置位置に固定された状態ではベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電可能に結合されるのでフィーダ14による電子部品の供給が可能であり、電子部品の実装も可能である。一方、ロック機構16のロックが解除された状態ではフィーダ14が押し戻し機構26の付勢力によって本来の設置位置から離されてベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電不能な非結合状態に保持されるので、フィーダ14による電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。即ち、フィーダ14が本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければフィーダ14による電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。又、部品供給部4ではベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電可能に結合されていればフィーダ14は確実に本来の設置位置に設置されていることになる。従って、電子部品実装装置10の制御装置はベース側コネクタ22とフィーダ側コネクタ24とが通電可能に結合されているか否かを検知することによりフィーダ14がフィーダベース12における本来の設置位置に設置されていると認識でき、これに基づいてフィーダ14による電子部品の供給や、電子部品の実装を開始させることができる。又、電子部品実装装置10は、ロック機構16の構成部材の作動位置を検出するためのセンサ等を設置する必要がないのでコスト低減に寄与する。
【0022】
次に本発明の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では押し戻し機構26がフィーダ14の側に備えられていたのに対し、図9に示されるように本第2実施形態では押し戻し機構26はフィーダベース12の側に備えられている。他の構成については前記第1実施形態と同様であるので同様の構成については図1〜8と同一符号を付することとして説明を省略する。本第2実施形態でも前記第1実施形態と同様に、フィーダ14が本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければフィーダ14による電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。
【0023】
次に本発明の第3実施形態について説明する。前記第1及び第2実施形態に係る部品供給部4はフィーダ14が前後方向に移動することによりフィーダベース12に着脱される構成であるのに対し、図10及び11に示されるように本第3実施形態に係る部品供給部50は、フィーダ54が上下方向に移動することによりフィーダベース52に着脱される構成である。より詳細には、フィーダベース52のベース側ストッパ部56の上面にフィーダ54のフィーダ側ストッパ部58の下面が突き当てられることによりフィーダ54の上下方向の位置が決められるようになっている。ベース側ストッパ部56はフィーダベース52の上面部の各フィーダ54が設置される部位毎に前後方向に離れて2つずつ設置されている(複数の対のベース側ストッパ部56が複数のフィーダ54を設置するための複数の部位に対応して左右方向に並んで設置されている)。これに対応してフィーダ側ストッパ部58も各フィーダ54の下部における前後方向に離れた位置に2つずつ設置されている。又、フィーダ54には各フィーダ側ストッパ部58から下方に突出する位置決めピン60が設置されており、これらの位置決めピン60がベース側ストッパ部56に形成された穴に嵌合することによりフィーダ54の前後方向及び左右方向の位置が決められるようになっている。又、フィーダベース52のベース側コネクタ62はフィーダベース52の上面部に設置されており、フィーダ54のフィーダ側コネクタ64はフィーダ54の下部に設置されている。ベース側ストッパ部56に形成された穴にフィーダ54の位置決めピン60が嵌合しつつベース側ストッパ部56の上面にフィーダ側ストッパ部58の下面が突き当てられる位置までフィーダ54が下降することによりベース側コネクタ62にフィーダ側コネクタ64が結合されるように構成されている。又、本第3実施形態のロック機構16は前記第1実施形態と同様の構成であるが、前記第1実施形態に対して(左右方向から見て)90度回転させたような配置となっており、ロック機構16はフィーダ54を下方に付勢しつつフィーダ54をフィーダベース52に固定するように構成されている。又、押し戻し機構26も前記第1実施形態と同様の構成であるが、前記第1実施形態に対して(左右方向から見て)90度回転させたような配置となっており、スライド部材26Bがばね部材に付勢されてフィーダベース52の上面に当接することによりフィーダ54が上方に付勢されてフィーダ側ストッパ部58がベース側ストッパ部56に突き当たる本来の設置位置からフィーダ14が上方に離されてベース側コネクタ62とフィーダ側コネクタ64とが通電不能な非結合状態に保持されるようになっている。又、ロック機構16の係止レバー部38が前側に回転することにより係止爪38Bが撓みつつロックシャフト34の下面に押し付けられるように係止され、この反力によってフィーダ54が下方に付勢され、スライド部材26Bの付勢力に抗してフィーダ54がフィーダベース52における本来の設置位置に固定されるようになっている。他の構成については前記第1及び第2実施形態と同様であるので同様の構成については図1〜9と同一符号を付することとして説明を省略する。本第3実施形態でも前記第1及び第2実施形態と同様に、フィーダ54が本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければフィーダ54による電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。
【0024】
次に本発明の第4実施形態について説明する。前記第3実施形態では押し戻し機構26がフィーダ54の側に備えられていたのに対し、図12に示されるように、本第4実施形態では押し戻し機構26はフィーダベース52の側に備えられている。他の構成については前記第3実施形態と同様であるので同様の構成については図1〜11と同一符号を付することとして説明を省略する。
【0025】
本第4実施形態でも前記第3実施形態と同様に、フィーダ54が本来の設置位置に設置され、且つ、固定されていなければフィーダ54による電子部品の供給が行われることはなく、電子部品の実装が行われることもない。
【0026】
尚、前記第1〜第4実施形態では、押し戻し機構はプランジャのような構造であるが、ロック機構のロックが解除された状態においてフィーダを付勢してフィーダを本来の設置位置から離し、ベース側コネクタとフィーダ側コネクタとを通電不能な非結合状態に保持できれば押し戻し機構は他の構成であってもよい。例えばフィーダ及びフィーダベースの一方に設置された板ばねが他方に当接することによりフィーダを付勢してフィーダを本来の設置位置から離し、ベース側コネクタとフィーダ側コネクタとを通電不能な非結合状態に保持する構成でもよい。
【0027】
又、前記第1〜第4実施形態では、フィーダ14、54はテープフィーダであるが、バルクフィーダ、スティックフィーダ等の他の種類のフィーダにも本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、例えばテープフィーダのようなフィーダを備える電子部品実装装置に利用できる。
【符号の説明】
【0029】
1…基台
2…搬送路
3…基板
4、50…部品供給部
6…搭載機構
10…電子部品実装装置
12、52…フィーダベース
14、54…フィーダ
16…ロック機構
18、56…ベース側ストッパ部
20、58…フィーダ側ストッパ部
22、62…ベース側コネクタ
24、64…フィーダ側コネクタ
26…押し戻し機構
図1
図2
図3
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図5
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図12