特許第6001567号(P6001567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6001567測定データ及び/又は測定パラメータデータを処理するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6001567
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】測定データ及び/又は測定パラメータデータを処理するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/06 20060101AFI20160923BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20160923BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
   G08C15/06 J
   B25B23/14 620C
   G08C17/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-555852(P2013-555852)
(86)(22)【出願日】2012年2月28日
(65)【公表番号】特表2014-513333(P2014-513333A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2012053382
(87)【国際公開番号】WO2012116998
(87)【国際公開日】20120907
【審査請求日】2015年1月7日
(31)【優先権主張番号】102011001074.2
(32)【優先日】2011年3月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593087949
【氏名又は名称】エドゥアルト ヴィレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Eduard Wille GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】クラウス パプ
(72)【発明者】
【氏名】デビッド ヴァインド
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト ブタノヴィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル バックハウス
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−146224(JP,A)
【文献】 特開2009−210578(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0222222(US,A1)
【文献】 特開平08−118251(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/117032(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00−25/04
B25B 23/14
G01L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正可能なツールから読み出される測定データを処理するためのシステム(100)であって、
一方が前記ツール(10)から前記測定データを読み出すために前記ツール(10)に接続され、他方が同じインターフェースを介して又はさらなるインターフェースを介してデータ処理ユニット(12)に接続される、プロトコル変換装置として構成されるデータ変換装置(11)を備え、
前記データ変換装置(11)は、異なる前記ツール(10b、10c、10d)からの前記測定データが異なるインターフェース及びプロトコルを用いて前記データ変換装置(11)により読み出されるために、プロトコル変換及び測定値の検査を実行し、
前記測定データは、ねじ接合部のトルクを含み、
前記ツールの使用が監視され、
誰が前記ツールを使用したかがチェックされることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記データ処理ユニット(12)は、データベース(13)及び/又はさらなるデータ処理ユニットに、双方向で接続されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ変換装置(11)に読み込まれる前記ツール(10)の前記測定データは、ハブによって又は無線通信を介して読み出されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記測定データは、前記データ処理ユニット(12)で検査されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記データ処理ユニットは、装置状態を報告することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
較正データの比較は、前記データ処理ユニット(12)で実行されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記データ変換装置(11)は設定及び/又は設定値を記録し、
前記設定及び/又は設定値は、前記データ処理ユニット(12)により検査されることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
設定の正しさを検査するための前記ツール(10)又は前記ツール(10)の設定値の検査は、試験機器により実行され、
前記検査は、フィードバックメッセージを伴って前記データ処理ユニット(12)により実行されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記データ変換装置(11)は、設定値、測定値、タイムスタンプ、識別データ、及び/又は評価を、生成し及び/又は記録することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ツール(10)は、前記ねじ接合部を製造し且つ前記測定データを生成するためのものである請求項1〜の何れか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ツール(10)は、トルクレンチである請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のシステムを用いて前記ツールの使用を監視する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のシステムに関するものである。異なるツールからデータを読み出す際に異なるインターフェースが必要であるという問題がある。システムは互いに互換性がないため、データ接続を確立するときに、異なるプロトコルが問題を引き起こすことがある。
【背景技術】
【0002】
独国特許発明第198 54 062号明細書には、ねじ接合部のプリテンション力を確認するための方法及び装置が開示されている。これは、原子力発電所のような安全関連設備で利用されており、正確にプリテンション力を維持し、締め操作を記録することが望まれている。これは静電容量センサを用いて為され、そのセンサと測定電子機器との電気的接続はプラグを介して実現される。マイクロプロセッサシステムは、PCまたはラップトップに測定データを転送するための標準的なPCインターフェースを備えている。
【0003】
独国特許出願公開199 61 374号明細書には、ねじ接合部の製造装置が記載されている。これは、そのねじ接合部のパラメータを指定するための装置と、パラメータを記録し維持するための計測装置を備えている。さらに、外部データ処理及びデータ格納ユニットと、装置とそのデータ処理及びデータ格納ユニットとの間の転送ストレッチは、ねじ接合部のためのパラメータが転送ストレッチを介してそのデータ処理及びデータ格納ユニットに伝達されるために存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許発明第198 54 062号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開199 61 374号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、異なるプロトコルを持つツールの使用を可能とするシステムを作成するという要求に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この要求は、前文の特徴と組み合わせて請求項1の特徴を有するシステムによって満たされる。
【0007】
本発明に係るシステムは、異なるインターフェース及びプロトコルを用いて異なるツールからデータを収集し、処理し、及び/又は転送するための方法、いわば「ツールの使用方法」の実行が可能となる。そのデータは、双方向転送で転送され得る。そのツールは、測定値を作成し、及び/又は、ツール自身でその同じ値を記憶する。また、ツールは、較正間隔の影響を受け得る。データの収集、処理、及び/又は転送(双方向)は、データ処理ユニットによって実行される。
【0008】
本発明はまた、ユニバーサルハブ、アクセスポイント、又はプロトコル変換器として指定することができる。実際に使用されるものは、装置、プロトコル変換用の付属ユニット、又は検査装置である。
【0009】
ユーザ又は転送による本発明の設定エラーが原因で、検査装置を使用した検査により、エラーを検出することができる。
【0010】
さらに、測定値及び他のデータを自動的に文書化し、さらに評価することができる。本発明又は本発明に係る電子製品による自動化により、効率は改善される。
【0011】
本発明のさらなる利点は、較正データ及び直接確認された検査結果の使用により、その場で、測定誤差、正確さを測定する評価、及び不確実性を測定する影響が削減されることにある。その場で適用の前後で検査が実行され評価された場合、保護のさらなる増加が可能となる。
【0012】
本発明は、ねじ接合部のプリテンション力を確認するための装置で使用することができる。特に、安全関連設備、特に原子力発電所又は航空宇宙産業で装置を使用することは、非常に有利である。ここで、プリテンション力の密着性と締め操作の記録が要求される。PC又はラップトップに測定データを転送するために、標準的なPCインターフェースを備えたマイクロプロセッサシステムを使用することは可能である。
【0013】
パラメータを測定し記録するための測定ユニットは、本発明に係るシステムに用いることができる。本システムは、外部データ処理及びデータ記録ユニットと、装置とデータ処理及びデータ記録ユニットとの間の転送ストレッチと、を備えることができる。本発明に係る装置は、その使用前に、さらに、処理規則に従って検査装置を用いて検査することができる。以前の伝達設定及び/又は設定値は、予め記録され、検査され、データ処理ユニットを介して戻って報告される。ユーザが正確にツールを調節したか、値が正確に電子的に採用されたかどうかに関して検査することが可能である。
【0014】
データは、変換され、データ処理ユニットに転送されることができる。ユニットは、このデータを記録し評価し、現在データに基づいてさらなる測定やプロセス・ステップについての決定をする。データ処理ユニットは、関連するユーザにメッセージを送信する。本発明に係る装置は、較正調整に従うことができる。
【0015】
本発明のさらなる有利な設計は、従属請求項で特徴付けられる。本発明に係るシステムのさらなる有利な発展形態では、データベース及び/又はさらなる(別の)データ処理ユニットと接続されるデータ処理ユニットが設けられている。このように、アクセス可能な中央データベースは、例えばインターネットを介して、中央モニタリングが可能となるように構築されている。
【0016】
簡単で便利な方法でデータを読み取ることを保証するために、本発明の1つの好ましい実施形態において、USBハブのようなハブによって読み取られる、データ変換装置に供給されるツール測定データが設けられている。あるいは、この転送は、無線通信、例えばブルートゥース(登録商標)又はW−LANで行うことができる。これは、使用期間中又は使用期間後に、連続的に及び不連続的に、装置のデータをケーブル及び/又は無線通信を介してハブに転送することができることを意味する。さらに複数の装置は、例えば複数のユーザによって、同時にデータを提供することができる。
【0017】
ツールの使用からのデータは、ハブ内に存在する。
【0018】
転送エラーを避ける又はあらわにするために、測定データがデータ処理ユニットで検査されることは、とても有効である。この方法では、例えば、トルク不足で信頼性の低い機能を持つねじ接合部を避けることができる。このために、データは例えばハブで読まれて、データ処理ユニットで検査される。有利な実施形態によると、データ処理ユニットは、装置の状態をユーザに報告することができる。装置の状態は、準備、ロック、及び/もしくは、OK又はnot OKのような状態であり得る。例えば「OK」の状態が報告されたときにユーザが設備を解放できるために、装置の状態はユーザに報告される。検査がユーザ又は熟練者へのフィードバックとともにデータ処理ユニット(EDV)により行われるところ、ツール又はその設定値の検査が設定の正しさに対する試験機器で行われることは、重要である。
【0019】
本発明に係るシステムの有利なさらなる発展形態では、設定及び/又は設定値を記録するためのデータ変換装置が設けられ、その設定及び/又は設定値は、データ処理ユニットで検査される。この追加の検査により、転送エラーは検出される。
【0020】
較正データのデータ比較は、都合よく、データ処理ユニットで行われる。データ処理ユニットは、検査のデータと最後の較正データを比べて、それらの使用を決定し、報告することができる。このように、広範な品質検査が可能である。
【0021】
データ変換装置が、設定値、測定値、タイムスタンプ、識別データ、及び/又は評価を生成し及び/又は記録する場合、特に有効である。このデータの記録は、安全関連領域の面で重要である。
【0022】
本発明のさらに有利な実施形態では、測定データは、ねじ接合部のトルクを含んでいる。ねじ状態パラメータのように使用されるデータは、本発明に係る装置に直接的に伝達されるか、又はユーザに対してディスプレイに表示されることができる(本発明の実施形態の装置に依存する)。
【0023】
本発明の特に好ましい発展形態は、測定データ、特にトルクレンチを生成する、ねじ接合部を製造するためのツールが存在することを特徴とする。本発明を使用することで、間違ったねじパラメータを回避することができる。
【0024】
本発明に係るシステムは、特に、ツールの使用を監視するために用いられる。この方法により、誰が使用しているか、及びツールが較正されているか否かをチェックすることができる。また、ツールが正しい較正状態であるか否か、及びツールの扱いが例えば締め作業中に正しく実行されたか否かを確証させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係るシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
一実施形態は、本発明とその利点のさらに有利なさらなる発展形態が記述されて、図面を参照して詳細に説明される。
【0027】
図1は、本発明に係るシステムを示す。これは、較正可能なツール10から読み出された測定データ及び/又は測定パラメータデータを処理するために使用される。ツール10は、ねじ結合部を製造するためのツールであり、ツールがトルク測定データを生成する。特に、ツール10は、トルクレンチである。測定データは、例えばねじ接合部のトルクである。
【0028】
システム100は、データ変換装置11又はプロトコル変換装置を含む。一方、データ変換装置は、インターフェースを介してツール10とデータ接続される。このように、測定データは、ツール10から読み出すことができる。さらにインターフェースを介し、データ変換装置11は、データ処理ユニット12とデータ接続される
【0029】
データ変換装置11は、測定値、例えば異なるインターフェース及び/又はプロトコルを用いて異なるツール10b、10c、10dにより生成される、データ変換装置11で読み取られる効果的な測定データの検査、及び/又は、プロトコル変換を実行することができる。
【0030】
データ処理ユニット12は、図に示すように、データベース13及び/又はさらなるデータ処理ユニットに、特に双方向接続で、接続される。
【0031】
データ変換装置11内のツール10又は10b〜10dの測定データは、ハブ、例えばUSEハブによって、又は無線通信を介して読み出すことができる。測定データは、データ処理ユニット12で検査され、それからデータ処理ユニットがOK又はnot OKのような装置状態を報告する。さらに、データ変換装置11は、設定及び/又は設定値を記録する。それから設定及び/又は設定値は、データ処理ユニット12で検査される。さらに、較正データの比較は、データ処理ユニット12により実行される。データ変換装置11は、設定値、測定値、タイムスタンプ、識別データ、及び/又は評価を生成及び/又は記録することができる。
【0032】
本発明は、トルクレンチに限定されない。他のツールをデータ変換装置11に接続することができる。
【0033】
原則として、ツールは、試験片又は較正ユニットのための基準として、特にトルクレンチ、トルクドライバ(手動又は機械式)、並びにトルクセンサを含めて較正を必要とする任意のツールであっても良い。
【0034】
本発明は、他のプロセス、例えば超音波処理又は他の非破壊検査作業にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
100 システム
10 ツール
11 データ変換装置
12 データ処理ユニット
13 データベース
図1