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特許6001570降圧コンバータにおけるPWM動作とPFM動作のスイッチング制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6001570
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】降圧コンバータにおけるPWM動作とPFM動作のスイッチング制御
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20160923BHJP
【FI】
   H02M3/155 H
【請求項の数】21
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-556790(P2013-556790)
(86)(22)【出願日】2012年2月28日
(65)【公表番号】特表2014-507114(P2014-507114A)
(43)【公表日】2014年3月20日
(86)【国際出願番号】US2012026862
(87)【国際公開番号】WO2012161837
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】13/037,014
(32)【優先日】2011年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】シューイン ジュー
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−071950(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0246460(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源からの入力電圧VINをレギュレート出力電圧VOUTに変換するように動作可能であり、パルス幅変調(PWM)モードパルス周波数変調(PFM)モードで動作可能であり、スイッチノード端と出力ノード端とを有するインダクタと共に動作可能である、降圧スイッチング電圧コンバータであって、
前記インダクタの前記スイッチノードに結合されるように構成されるスイッチノードSWに結合されるハイサイド及びローサイドスイッチングトランジスタであって、前記ハイサイドスイッチングトランジスタが、前記入力電源に結合され、そして前記SWに結合されるように構成され、前記ローサイドスイッチングトランジスタが前記SWと回路コモン(common)の間に結合され、前記ハイサイド及びローサイドスイッチングトランジスタがPWM及びPFMモードの間に、前記インダクタがピーク電流まで増加するインダクタ充電電流を受け取るように構成する、前記ハイサイドスイッチングトランジスタがオンで前記ローサイドスイッチングトランジスタがオフの間のオン時間と、前記インダクタがオフ時間の終わりまで減少するインダクタ放電電流を供するように構成する、前記ハイサイドスイッチングトランジスタがオフで前記ローサイドスイッチングトランジスタがオンの間の前記オフ時間とを備えるスイッチングサイクルに基づいてスイッチングコントローラにより切り替え可能な、前記ハイサイド及びローサイドスイッチングトンラジスタと
PWM及びPFMモードの間の遷移を制御するモード制御回路要素
を含み、
前記モード制御回路要素が、
連続するスイッチングサイクルの前記オフ時間の間に前記ローサイドスイッチングトランジスタを通るインダクタ電流を感知、電流感知信号を生成するように構成される電流感知回路要素
各オフ時間の間に前記電流感知信号を積分インダクタ電流に対応する積分された感知信号を生成するように構成される感知積分器
各オフ時間の間に基準電流を積分し、積分された基準電流を生成するように構成される基準電流積分器であって、前記基準電流が予め定義された平均インダクタ電流IAVEに対応する、前記基準電流積分器と、
VALLEY=2IAVE−IPEAKに対応する予め定められたモードスイッチング状態に従って、前記積分された感知信号と前記積分された基準信号とに応答して前記PWMモードとPFMモードの間で切替えるように構成されるモードスイッチング回路要素であって、IPEAKが前記オフ時間の開始時に検出されたピークインダクタ電流であり、IVALLEYがIAVEとIPEAKとにより決定されるインダクタ電流値である、前記モードスイッチング回路要素と
を含む、コンバータ
【請求項2】
請求項1に記載のコンバータであって、
前記モードスイッチング状態が、
前記PWMモードの間に、前記インダクタ電流がIVALLEYより低く減少するときにPWM検出をシグナリングし、PWMモードからPFMモードへの切り替えが、連続するPWMスイッチングサイクルの対応する数からの連続するPWM検知信号の所定の数に少なくとも部分的に基づき、
前記PFMモードの間に、前記インダクタ電流がIVALLEYまで減少することに応答して前記オフ時間が終了され、PFMモードからPWMモードへの切り替えが、如何なるPFMスイッチングサイクルをスキップすることなしにオフ時間の後に直ちにオン時間が開始される連続するPFMスイッチングサイクルの所定の数を検出することに少なくとも部分的に基づくコンバータ
【請求項3】
請求項に記載のコンバータであって、
前記モードスイッチング状態が、
所定の最大出力電圧よりも大きいVOUTを検出することと、
その出力電圧が所定の電圧差よりも大きいレギュレート出力電圧VOUTと異なることを検出することと、
の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいてPFMからPFMに切り換えることを含むコンバータ
【請求項4】
請求項に記載のコンバータであって、
前記トランジスタがオンに切り替えられるとき前記第2のスイッチングトランジスタの両端に感知電圧が形成され、
前記電流感知回路要素が、オフセット感知電圧を生成するために前記感知電圧に付加されるオフセット電圧を提供するオフセット回路要素を含み、前記オフセット感知電圧が前記電流感知信号を生成するために用いられる、コンバータ
【請求項5】
請求項4に記載のコンバータであって、
前記オフセット回路要素が、前記ローサイドスイッチングトランジスタに直列に接続されるオフセットトランジスタを含み、前記ローサイドスイッチングトランジスタがオンに切り替えられるとき前記オフセットトランジスタがオンに切り替えられる、コンバータ
【請求項6】
請求項5に記載のコンバータであって、
前記ローサイドスイッチングトランジスタがRdsonのオン抵抗を有し、前記オフセットトランジスタがK*Rdsonのオン抵抗を有し、Kが少なくとも5の値を有する定数である、コンバータ
【請求項7】
請求項6に記載のコンバータであって、
前記オフセット回路要素が、前記オフセットトランジスタに直列に接続されるオフセット抵抗器を含み、前記オフセット感知電圧が前記オフセット抵抗器の端子で生成される、コンバータ
【請求項8】
請求項7に記載のコンバータであって、
前記オフセット回路要素が、前記オフセット抵抗器前記オフセットトランジスタを介して電流を導通させるように接続される第1の電流源を含み、前記オフセット抵抗器を介する前記電流が抵抗器オフセット電圧を生成する、コンバータ
【請求項9】
請求項8に記載のコンバータであって、
前記基準積分器が、前記抵抗器オフセット電圧に関連する基準電圧を生成し、前記基準電圧が前記基準信号に対応する基準電流を生成するために用いられる、コンバータ
【請求項10】
請求項9に記載のコンバータであって、
前記電流感知信号が電流であり、
前記電流感知回路要素が、前記オフセット感知電圧を前記電流感知信号に変換する第1の電圧−電流コンバータを含み、
前記基準回路要素が、前記基準電圧を前記基準電流に変換する第2の電圧−電流コンバータを含む、コンバータ
【請求項11】
請求項10に記載のコンバータであって、
前記基準電流積分器が、前記オフセット抵抗器の抵抗と一致する抵抗を有する基準抵抗器、前記第1の電流源と一致する第2の電流源を含む、コンバータ
【請求項12】
請求項11に記載のコンバータであって、
前記第1及び第2の電流源がそれぞれ、前記PWMモードとPFMモードの間で切替えるための目標インダクタ電流レベルに関連する電流出力を有する、コンバータ
【請求項13】
入力電源からの入力電圧VINをレギュレート出力電圧VOUTに変換するためにパルス幅変調(PWM)モードパルス周波数変調(PFM)モードで動作可能な降圧スイッチング電圧レギュレータのPWM及びPFMスイッチングを制御する方法であって、前記レギュレータが、スイッチノードと出力ノード端とを有するインダクタと、スイッチノードSWで前記インダクタの前記スイッチノードに結合されるハイサイド及びローサイドトランジスタスイッチとを含み、前記ハイサイドトランジスタスイッチが前記入力電源と前記SWとの間に結合され、前記ローサイドトランジスタスイッチが前記SWと回路コモンの間に結合され、
前記方法が、
前記PWM及びPFMモードの間に、前記インダクタがピーク電流まで増加するインダクタ充電電流を受け取るように構成する、前記ハイサイドトランジスタスイッチがオンで前記ローサイドトランジスタスイッチがオフである間のオン時間と、前記インダクタがオフ時間の終わりまで減少するインダクタ放電電流を供給するように構成する、前記ハイサイドトランジスタスイッチがオフで前記ローサイドトランジスタスイッチがオフである間の前記オフ時間とを備えるスイッチングサイクルに基づいて、前記ハイサイド及びローサイドトランジスタスイッチを切り替えるように制御することと、
電流感知電圧を生成するため連続するスイッチングサイクルのオフ時間の間に前記ローサイドトランジスタスイッチを介するインダクタ電流を感知すること
前記インダクタ電流に対応する積分された感知信号を生成するため、前記各オフ時間の間に前記電流感知信号を積分すること
積分された基準信号を生成するために、各オフ時間の間に基準電流を積分することであって、前記基準電流が予め定義された平均インダクタ電流IAVEに対応する、前記基準電流を積分することと、
VALLEY=2IAVE−IPEAKに対応する予め定められたモードスイッチング状態に従って、前記積分された感知信号と前記積分された基準信号とに応答して前記PWM動作モードとPFM動作モードの間で切り替えることであって、IPEAKが前記オフ時間の開始時に検出されたピークインダクタ電流であり、IVALLEYがIAVEとIPEAKとにより決定されるインダクタ電流値である、前記切り替えることと
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記電流感知信号が感知電圧であり、
前記方法が、オフセット感知電圧を生成するため前記感知電圧をオフセット電圧と混合するステップをに含み、
前記感知電圧が前記オフセット感知電圧に関連する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記オフセット電圧が、前記ローサイドスイッチングトランジスタのオン抵抗に関連するオン抵抗を有するレベルシフトトランジスタスイッチに第1の電流を通すことによって生成される第1の電圧成分を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記オフセット電圧が、第1の抵抗に前記第1の電流を通すことによって生成される第2の電圧成分を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記モードスイッチング状態が、
前記PWMモードの間に、前記インダクタ電流がIVALLEYより低く減少するときにPWM検出をシグナリングすることであって、前記PWMモードから前記PFMモードへの切り替えが、連続するPWMスイッチングサイクルの対応する数からの連続するPWM検出信号の所定の数に少なくとも部分的に基づく、前記シグナリングすることと、
前記PFMモードの間に、前記インダクタ電流がIVALLEYまで減少することに応答して前記オフ時間を終了されることであって、前記PFMモードから前記PWMモードへの切り替えが、如何なるPFMスイッチングサイクルのスキップなしのオフ時間の後に直ちにオン時間が開始される連続するPFMスイッチングサイクルの所定の数を検出することに少なくとも部分的に基づく、前記終了されることと、
含む、方法。
【請求項18】
入力電源からの入力電圧VINをレギュレート出力電圧VOUTに変換するように動作可能であり、パルス幅変調(PWM)モードとパルス周波数変調(PFM)モードにおいて動作することが可能な降圧スイッチング電圧レギュレータであって、
前記レギュレータが、
スイッチノード端と出力ノード端とを有するインダクタと、
前記インダクタの前記スイッチノード端に結合されるように構成されるスイッチノードSWに結合されるハイサイド及びローサイドスイッチングトランジスタであって、前記ハイサイドスイッチングトランジスタが前記入力電源と前記SWとの間に結合され、前記ローサイドスイッチングトランジスタが前記SWと回路コモン(common)との間に結合され、前記ハイサイド及びローサイドスイッチングトランジスタがPWM及びPFMモードの間に、前記インダクタがピーク電流まで増加するインダクタ充電電流を受け取るように構成する、前記ハイサイドスイッチングトランジスタがオンで前記ローサイドスイッチングトランジスタがオフの間のオン時間と、前記インダクタが前記オフ時間の終わりまで減少するインダクタ放電電流を提供するように構成する、前記ハイサイドスイッチングトランジスタがオフで前記ローサイドスイッチングトランジスタがオンの間のオフ時間とを備えるスイッチングサイクルに基づいてスイッチングコントローラにより切り替え可能な、前記ハイサイド及びローサイドスイッチングトンラジスタと、
前記PWMとPFMスイッチングモードとの間の遷移を制御するためのモード制御回路要素と、
を含み、
前記モード制御回路要素が、
電流感知信号を生成するために、連続するスイッチングサイクルの前記オフ時間の間に前記ローサイドスイッチングトランジスタを介するインダクタ電流を感知するように構成される電流感知回路要素と、
前記ローサイドスイッチングトランジスタがオンに切り替えられるときに始まる時間にわたり前記電流感知信号を積分し、積分された感知信号を生成するように構成される第1の感知積分器と、
各オフ時間の間に前記電流感知信号を積分し、前記インダクタ電流に対応する積分された感知信号を生成するように構成される第2の感知積分器と、
各オフ時間の間に基準電流を積分し、積分された基準信号を生成するように構成される基準電流積分器であって、前記基準電流が予め定義された平均インダクタ電流IAVEに対応する、前記基準電流積分器と、
VALLEY=2IAVE−IPEAKに対応する予め定められたモードスイッチング状態に従って、前記積分された感知信号と前記積分された基準信号とに応答して前記PWMとPFMモードとの間で切り換えるように構成されるモードスイッチング回路要素であって、IPEAKが前記オフ時間の開始時に検出されたピークインダクタ電流であり、IVALLEYがIAVEとIPEAKとにより決定されるインダクタ電流値である、前記モードスイッチング回路要素と、
を含み、
前記モードスイッチング状態が、
前記PWMモードの間に、前記インダクタ電流がIVALLEYより低く減少するときにPWM検出をシグナリングすることであって、前記PWMモードからPFMモードへの切り替えが、連続するPWMスイッチングサイクルの対応する数からの連続するPWM検出信号の所定の数に少なくとも部分的に基づく、前記シグナリングすることと、
前記PFMモードの間に、前記インダクタ電流がIVALLEYまで減少することに応答して前記オフ時間が終了させることであって、前記PFMモードからPWMモードへの切り替えが、如何なるPFMスイッチングサイクルのスキップなしのオフ時間の後の直後に開始されるオン時間における連続するPFMスイッチングサイクルの所定の数の前記検出に少なくとも部分的に基づく、前記終了させることと、
を含む、レギュレータ。
【請求項19】
請求項18に記載のレギュレータであって、
前記電流感知回路要素が、前記電流感知信号を生成するために他の電圧と組み合わされる第1のオフセット電圧を提供するためのオフセット電圧回路要素を含み、固定された基準信号が前記第1のオフセット電圧に関連する基準電圧を用いて生成される、レギュレータ。
【請求項20】
請求項19に記載のレギュレータであって、
前記第1のオフセット電圧と前記基準電圧とが特定のインダクタ電流に関連する電流を用いて生成され、前記特定のインダクタ電流が前記動作モードの間を切り替えるための前記インダクタ電流のレベルを示す、レギュレータ。
【請求項21】
請求項20に記載のレギュレータであって、
前記オフセット電圧回路要素が、前記電流感知信号を生成するために、前記第1のオフセット電圧と組み合わされる第2のオフセット電圧を更に提供し、前記第2のオフセット電圧が前記ローサイドスイッチングトランジスタのオン抵抗に関連するオン抵抗を有するオフセットスイッチングトランジスタの両端に生成される、レギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概ね、スイッチング電圧レギュレータに関し、詳細には、降圧DC−DCコンバータにおける動作のPWMモードとPFMモードの間のスイッチングを制御するための制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電圧レギュレータは、電池などの電力源から得られるレギュレート電圧源を提供するために一般に用いられる。1つの一般的な種類のスイッチングレギュレータは、パルス幅変調(PWM)を利用して入力電圧よりも小さな電圧出力を提供するステップダウンレギュレータ(降圧コンバータ)として動作する。図1は、従来の降圧コンバータの、制御回路要素が示されていない簡略化された図である。インダクタLが設けられ、その一方の端子が、レギュレート出力電圧VOUTノードに接続される。インダクタの他方の端子が、ハイサイドトランジスタとも称することがあるP型トランジスタスイッチ22を介して入力電圧ノードVINに接続される。この同じインダクタ端子は、ローサイドトランジスタとも称することがあるN型トランジスタスイッチ24を介して接地される。スイッチ22と24は逆相で駆動され、短いオーバーラップOFF期間があるので、これら2つのスイッチを介してVINが接地に直接接続されることはない。このPWMは固定周波数で動作する。
【0003】
制御回路要素は、レギュレート出力電圧VOUTを提供するようにP型トランジスタスイッチ22及びN型トランジスタスイッチ24の状態を制御する。インダクタL電流が図2のタイミング図に示されている。平均インダクタ電流は負荷電流と同じである。図でわかるように、負荷電流は、直流電流がインダクタL内を流れて負荷に流れるようになっている。最初のスイッチング期間T0〜T1の間、P型トランジスタ22はオンにされ、N型トランジスタ24はオフに保たれる。この期間中、インダクタLの両端の電圧は、比較的一定であり、VIN−VOUTである。これにより、インダクタ電流が増加し、この増加する電流の傾きは(VIN−VOUT)/Lに等しい。この充電電流は、フィルタコンデンサC及びRで表される負荷に供給される。電圧モード構成が用いられていると仮定して、インダクタ電流は時間Tでピーク最大値IPEAKに達するまで増加する。
【0004】
このピーク電流点において、制御回路要素内のコンパレータが作動して、P型トランジスタをオフにし、短いオーバーラップ期間後にN型トランジスタ24をオンにする。この時点でインダクタLの両端の電圧はほぼVOUTであり、その極性はインダクタL電流が減少し続けるようになっており、コンデンサCは放電電流を提供する。T1〜T2の放電電流の傾きは−VOUT/Lである。1つのスイッチングサイクルの終わりである時間T2で、トランジスタ24はオフにされる。所与のスイッチング期間にわたって負荷電流が比較的一定のままであると仮定すると、スイッチングサイクルの終わりT2でのインダクタ電流がサイクル開始時T0でのインダクタ電流と同じになる。このスイッチングは、連続する各スイッチングサイクルに対し繰り返される。
【0005】
出力電圧VOUTは、各固定継続時間のスイッチングサイクルの間、トランジスタ22のオン時間(T0〜T2、T2〜T4など)を変調することによってレギュレートされる。そのため、出力電圧VOUTが負荷電流の増加により降下する場合、トランジスタ22のオン時間の継続時間が長くなる。同様に、VOUTが負荷電流の降下により増加する場合、トランジスタ22のデューティサイクルが短くなる。
【0006】
平均負荷電流は平均インダクタL電流IAVEに等しい。平均インダクタL電流IAVEは、図2を観察することにより下記のように表現され得る。
AVE=IDC+(IPEAK−IDC)/2 (1)
【0007】
DC負荷電流IDCがゼロに近づくと、数式(1)は下記のように簡単になる。
AVE=IPEAK/2 (2)
【0008】
N型トランジスタ24は単純なダイオードに置き換えられ得ることに留意されたい。この場合、ダイオードはインダクタの放電の間、順方向にバイアスされる。ただし、トランジスタのオン抵抗が、順方向にバイアスされたダイオードのオン抵抗よりも小さくなるように、トランジスタ24は比較的大きなデバイスを用いて実装される。そのため、ほとんどの動作条件下で、電力消費が低減される。
【0009】
負荷電流が数式(2)で表される値からさらに減少すると、インダクタLは一時的に電流を導通させなくなることに留意されたい。この場合、動作が、いわゆる連続モード動作から不連続モード動作に切り替わる。負荷電流がさらに一層小さくなると、インダクタ電流が実際に反転する可能性があり、電流がフィルタコンデンサ/負荷から引き出される。或る種の状況では不連続モード動作及び逆インダクタ電流は望ましくないことがあり、インダクタLのサイズを適切に選択し、最小負荷電流を特定することによって、この反転導通を回避することが可能である。逆インダクタ電流を回避するために、インダクタ内の電流が反転し始める直前にトランジスタ24をオフにするゼロインダクタ電流検出器を用い得る。スイッチングサイクルの残りの間、トランジスタはオフのままであり、この時点でトランジスタ22は再びオンにされる。
【0010】
上述のPWMは比較的効率がよく、特に高中域負荷電流レベルでそうである。典型的な降圧同期コンバータでは、効率を悪くし得る電力損失が交流損失及び直流損失として分類され得る。直流損失は、主に、スイッチングトランジスタ22及び24のオン抵抗によって、およびインダクタLの直列抵抗によって決まる。交流損失は、レギュレータのスイッチング周波数に比例し、主にスイッチング損失並びにトランジスタ22及び24のゲート駆動損失によるものである。
【0011】
負荷が大きい場合、直流損失が支配的であり、そのため、トランジスタオン抵抗及びインダクタ抵抗を小さくすることが効率を上げるのに有効である。一方、負荷が小さい場合は交流損失が支配的であり、そのため、スイッチング周波数を低くすることにより効率が改善される。先に述べたように、負荷電流が小さいと、インダクタ電流が反転する傾向があり、これにより効率が下がるため、負荷電流が大きい場合はゼロインダクタ電流検出器がより有用になり得る。
【0012】
上述から、中高負荷電流に対して最適化されたPWMコンバータがより小さな負荷電流では効率があまりよくない場合があることがわかる。そのため、低負荷電流を含む比較的広い範囲の負荷電流にわたってコンバータが効率よく動作する場合、或る種のPWMコンバータはパルス周波数変調(PFM)を含む複数の動作モードを用いる。下記で説明するように、PFMは本質的に低負荷電流で効率がより高く、そのため、負荷電流に応じてPWMとPFMの間で切り替えることによって効率が高くなり得る。
【0013】
図1のレギュレータを再度参照すると、トランジスタ22を用いてフィルタコンデンサC及び負荷Rに印加する一連のインダクタ電流パルスを生成し得るという意味ではPFMはPWMと類似している。しかし、これらのパルスの周波数は固定されておらず、上側レギュレート出力電圧レベル40Aと下側レギュレート出力電圧40Bの間でレギュレート出力電圧を維持するために変化する。これら2つのレギュレート電圧の差は、必要とされる精度によって決まるが、典型的にはVOUTの1%未満である。図3A図3B及び図4は、いわゆるヒステリシスPFMの動作を示すタイミング図である。図3Bに示すように、制御回路(図示せず)は最大ピークインダクタ電流レベル26及び最小(ゼロ)インダクタ電流レベル27に基づいて動作する。PFMコントローラは、最初、P型トランジスタ22をオンにし、トランジスタ24はこの場合もオフに保たれる。これにより、数字27で全体的に示すインダクタ電流が電流ゼロから増加し、その傾きは27Aにおいてこの場合も約(VOUT−VIN)/Lで固定される。この時点で、レギュレート出力電圧VOUTは、上側閾値レギュレート電圧40A(図3A)と下側閾値レギュレート電圧40Bの中間、この場合は下側閾値近傍、に位置する。この電流パルスにより、フィルタコンデンサCを含めて様々な要因によるいくらかの遅延の後、出力電圧VOUTが増加し始める。この電圧増加の大きさは負荷電流に関連している。この電圧増加は図3Aの線30A及び図4の線30Aで表される。この時点で、出力電圧はレギュレート上限40Aに達していない。
【0014】
インダクタ電流は、時間dt1にわたって、図3Bの線26で示す或る所定の電流上限まで増加する。この電流限界に達した後、トランジスタ22がオフにされ、続いてトランジスタ24がオンにされる。図3Bに示すように、これにより、インダクタ電流が降下し、その傾きはこの場合も約−VOUT/Lである。その結果、図3Aに示すように、レギュレート出力電圧31Aがやや降下する。この降下の大きさは、やはり負荷電流の大きさによって決まる。ゼロインダクタ電流検出器が、インダクタ電流がdt2の終わりで線28で示すゼロに達するときトリガし、これにより、トランジスタ24がオフになり、続いてトランジスタ22がオンになる。
【0015】
次いで、図3Bの27Cによって示されるように、インダクタ電流は再び増加して最大値26に達する。図3Aの例では、この付加的な電流パルスにより、出力電圧が出力電圧VOUTの上側閾値電圧40Aまで増加する。図4の例では、この付加的な電流パルスは、出力電圧VOUTを上側閾値40Aまで増加させるには不十分であり、そのため、付加的な電圧増加30C及び30Dをもたらす付加的な電流パルスが必要とされる。この時点で、インダクタLによって供給される電流パルスが、VOUTを出力電圧VOUTの上側閾値まで増加させるように働く。図3Bに示すように、さらなる電流パルスは印加されない。というのは、そうすると、VOUTが大きくなり過ぎるからである。この時点で、駆動トランジスタ22及び24はともにオフに保たれ、そのため、フィルタコンデンサCだけによって負荷電流が提供される。
【0016】
図3Aの波形の領域42で示すように、負荷によってコンデンサCが放電されると、出力電圧VOUTが降下し始める。出力電圧VOUTは最終的に下側閾値電圧40Bまで降下し、この時点で、図3Bで示すように付加的な電流パルスが提供され、それによって、VOUTが上側閾値電圧40Aまで増加する。低負荷電流での通常のPFM動作では、インダクタ電流パルスが通常はスキップされることに留意されたい。PFM動作においてインダクタ電流パルスが連続して生成されることは、コンバータがこのモードで最大出力電流を提供していることを示す。
【0017】
低負荷電流では、同じ電流出力についてPWMと比較すると、PFMは実質的に高い効率を提供し得る。これは、中高負荷電流動作が効率よくなるように最適化されたPWM動作で特にそうである。例として、PFM動作の場合、先に述べたデッドタイム42の間スイッチング損失が存在しない。さらなる例として、ゼロインダクタ電流検出のために、インダクタ電流が存在しなくてもトランジスタ22がオンにされ得、それによりターンオン損失がなくなる。さらに、PWMではrmsリップル電流の大きさが大きく変化し得る。というのは、この電流の大きさがVINとVOUTの差に関連しているからであり、PFM動作ではrmsインダクタ電流が小さくなり、そのため、交流インダクタ損失が小さくなる。
【0018】
上記に鑑みて、中高負荷電流ではPWMモードで、低負荷電流ではPFMで動作し得る降圧コンバータが製作されている。これらのコンバータは、負荷電流のレベルに基づくモード間スイッチングのための手段を含む。場合によっては、入力電圧VINがさらに考慮される。というのは、入力電圧が小さくなるとPWMの効率が概して下がるからである。そのため、効率を最大にするために、入力電圧が小さい場合、小さな負荷電流では、通常、PWMからPFMに切り替えることが望ましい。いくつかのアプリケーションでは、出力電圧VOUTの大きさを考慮に入れるが、低出力電圧動作ではPFMが概して好ましい。
【0019】
PWMとPFMの間で切替えるための1つの従来の手法は、P型スイッチングトランジスタ22を介して流れるインダクタL電流をモニタリングすることに加えて、入力電圧VINの大きさをモニタリングすることである。インダクタ電流により負荷電流の何らかの指標が得られるので、モードスイッチング回路要素は、低負荷電流でPFM動作に、中高負荷電流でPWM動作に切り替えるように動作する。典型的には、PFM動作での最大動作負荷電流は、図3Bの線26で示す最大インダクタ電流IPEAKを設定することによって特定される。平均負荷電流は平均インダクタ電流に等しいので、PFM動作での最大負荷電流は、電流パルスがスキップされていないと仮定すると、IPEAK/2である。PFM制御回路により、典型的には32個である、N個の連続電流パルスが生成される場合、コンバータはPFM動作では特定された最大出力電流で動作していると考えられる。そのため、モード制御回路要素がコンバータをPWMに切り替える。同様に、中高電流のPWMモードで負荷電流がIPEAK/2に等しい値未満に降下する場合、モード制御回路要素はPFMに切り替える。そのため、広範囲の負荷電流にわたって高効率が達成される。
【0020】
上述の手法では、動作モード間で不適切なスイッチングが行われることがあることがわかっている。例として、モード制御回路要素は、低負荷電流状態とみなされる状態を検出し得、PWMモードからPFMモードに切り替える。一方、PFMモードでは、この同じ低負荷電流状態とみなされた負荷電流は、再びPWMに直ちに切り替え得るのに十分に電流が大きいことを示すことになる。或る種の動作条件下での動作モード間のこの不適切な移行は明らかに望ましくない。動作モード間のこの不適切な移行をなくすか又は実質的に低減させるようにPWM動作及びPFM動作の両方で十分な精度で負荷電流を測定することができるモード制御回路要素が求められている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】降圧スイッチングレギュレータに用いられる従来技術のインダクタ及び関連する駆動トランジスタの概略図である。
【0022】
図2】パルス幅変調(PWM)を用いる従来技術のスイッチングレギュレータのインダクタ電流のタイミング図である。
【0023】
図3A】パルス周波数変調(PFM)を用いる従来技術のスイッチングレギュレータの出力電圧のタイミング図である。
図3B】パルス周波数変調(PFM)を用いる従来技術のスイッチングレギュレータのインダクタ電流のタイミング図である。
【0024】
図4】PFMからPWMに切り替える従来技術のスイッチングレギュレータの出力電圧を示すタイミング図である。
【0025】
図5A】PWM動作モードにおける従来技術のスイッチングレギュレータのタイミング図であり、従来の平均電流測定の誤差源を示す。
図5B】PFM動作モードにおける従来技術のスイッチングレギュレータのタイミング図であり、従来の平均電流測定の誤差源を示す。
【0026】
図6】インダクタ電流感知回路要素を含む当該モード制御回路の一実施形態の概略図である。
【0027】
図7図6のモード制御回路要素の動作を示すタイミング図である。
【0028】
図8】PWMモードにおけるモード制御回路要素の動作を示すタイミング図である。
【0029】
図9】PFMモードにおけるモード制御回路要素の動作を示すタイミング図である。
【0030】
図10A】PWMモードとPFMモードの間のスイッチングの例示シーケンスを示すフローチャートである。
図10B】PWMモードとPFMモードの間のスイッチングの例示シーケンスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
再度図面を参照すると、図5A及び図5Bはさらに、平均負荷電流のみなし測定値に基づく従来技術のモード制御回路要素の動作を示す。先に述べたように、PFM動作からPWM動作に切り替えるための特定負荷電流レベルは、図3Bに示すピークインダクタ電流26の選択によって決まる。しかし、いずれのモードでも、ピーク電流検出器の電流測定値IPEAK/2は、実際の平均負荷電流を反映しない。
【0032】
図5Aは、PWM動作中の例示のインダクタ電流波形46を示す。電流レベルIPEAKは、先に述べたように、PFM動作に関連して特定され、モード制御回路要素によって2つの動作モード間スイッチングのために用いられる。理想的には、PFMモードでの平均インダクタ電流がIPEAK/2まで増加したとき、モードはPWMに変わり、逆に、PWMにおいて平均インダクタ電流がIPEAK/2まで降下したとき、モードはPFMに変わる。波形46をみると、実際の平均インダクタ電流がIAVE1であり、この値が、リップル電流のピークとピークの中間に位置しており、任意の直流成分を含むことが示されている。
【0033】
通常のPWM動作では、IAVE1はIPEAK/2よりも大きく、PWMからPFMへのスイッチングは、IAVE1の値がIPEAK/2まで降下したとき生じる。理想的には、PWMモードでのIms1と称するモードスイッチング点はIPEAK/2に等しい。しかし、モード制御回路要素のピーク電流センサは、インダクタ電流のピーク電流46Aを検出し得るに過ぎず、この値は実際の平均電流IAVE1と実質的に異なる。ピーク検出に頼る場合、2つの主要な誤差源がある。第1に、ピーク検出はピークツウピークリップル電流IRIPPLEを考慮に入れない。第2に、ピーク検出回路は入力オフセット及び有限の応答時間を有する。そのため、入力オフセット電圧の極性が最悪の場合を仮定すると、コンパレータは、電流が例えばピーク46Aで表されるピーク電流点を超えた後或る時間経過するまで作動しない可能性がある。この誤差をIOFFSET1で表す。これら2つの誤差を考慮に入れると、図5Aに示す電流波形は、モードスイッチング点Ims1がIPEAK/2ではなく下記であることを示す。
Ims1(PWM=>PFM)=IPEAK/2−IOFFSET1−IRIPPLE/2 (3)
このように、スイッチング点は理想的な点IPEAK/2をかなり下回り、そのため、コンバータは電流レベルが小さすぎてもPWMで動作したままになる。PWM回路要素はこのように小さな電流での動作に対して最適化されていないので、効率が悪くなる。
【0034】
図5Bは、PFMモードで動作しているときの電流波形を示す。実際のインダクタ電流波形48は、平均電流がIAVE2であり、この値が電流ピーク48Aと48Bの中間に位置していることを示している。先に述べたように、PFMモードでは、負荷電流がPWMへの移行点をかなり下回るとき、インダクタ電流パルスが通常はスキップされる。しかし、ゼロインダクタ電流検出回路要素を含むPFM制御回路要素は、N型トランジスタ24を早すぎる時点でオフにし得るか、P型トランジスタ22を早すぎる時点でオンにし得る。この場合、ピーク48Aなどの負の電流ピークは、実際には電流ゼロに達せず、ゼロを上回ったままである。この誤差をIZCと表す。同様に、ピーク電流検出器は、P型トランジスタ22を早すぎる時点でオフにし得るか、N型トランジスタ24を早すぎる時点でオンにし得、そのため、ピーク48Bなどのインダクタ電流の正のピークが、特定されたIPEAK値に達しなくなる。この誤差を値IOFFSET2で表す。ここで示すIZC及びIOFFSET2の極性は、最悪の場合の方向を向いていると仮定している。いずれにしても、これらの誤差は、PFMモードにおける電流負荷能力を、IPEAK/2であるべきIAVE2から、よりも小さな値又は大きな値に減少又は増加させるように働く。その結果、PFMからPWMへの平均電流モードスイッチング点は、理想値IPEAK/2よりも小さくなるか、又は大きくなる。代わりに、スイッチング点の値Isme2は下記のようになる。
Ism2(PFM=>PWM)=IPEAK/2−IOFFSET2+IZC (4)
【0035】
理想的には、Ism1とIsm2の間に一定の制御可能な差があり、それによって、PFMモードとPWMモードの間のスイッチングに何らかのヒステリシスが提供されるべきである。例として、Ism1の値が90mAであり、Ism2の値が100mAである場合、コンバータは、90mAでPFMに切り替え、電流が100mAに向かってわずかに増加しない限りPWMに戻さない。しかし、数式(3)及び(4)に基づいて、これら2つのスイッチング点の実際の差は下記のようになる。
Ism2−Ism1=−IOFFSET2+IOFFSET1+IZC+IRIPPLE/2 (5)
【0036】
数式(5)のいずれの成分も明確でなく十分に制御可能ではない。IOFFSET1はIOFFSET2に追従しない。これは、PWMスイッチング周波数及びデューティサイクルに応じて広く変化し得るIRIPPLE/2の項で特にそうである。また、IZCの変動は大きいことがある。このように、一定且つ十分に制御されるヒステリシス値がなく、そのため、モード間の不適切な循環が生じる可能性が極めて高い。
【0037】
モードスイッチングの目的で平均インダクタ電流のより信頼できる指標を提供するために、本発明の一態様では、インダクタの充電電流ではなく放電電流をモニタリングする。これは、ハイサイドトランジスタ22ではなくローサイドトランジスタ24(図1)を通るインダクタ電流を感知することによって実現される。まず、PWMモードでの動作を説明する。
【0038】
図6を参照すると、本発明の一実施形態の簡略化された概略回路図が示されている。この回路の実装に関する多くの細部は、当業者には周知であり、本発明の本実施形態の性質を不明瞭にしないために、不要に詳細には説明しない。図に示すローサイドスイッチングトランジスタ24は、ノードSW(図1参照)と回路コモン(common)の間に接続される。図6の回路は、ローサイドトランジスタ24が導通しており、したがってハイサイドトランジスタがオフであるスイッチングサイクルの期間中のみ動作可能であり、そのためハイサイドトランジスタは示されていない。先に述べたように、ハイサイドトランジスタがオフにされると、インダクタL電流は、図2に示すように時間T1でピーク値に達する。ハイサイドトランジスタがオフに切り替えられてからすぐに、ローサイドトランジスタ24がオンにされる。インダクタLはこのピーク電流を継続して導通させる傾向があるので、ノードSWに接続されるインダクタ端子における電圧は負になり、この負電圧の大きさは、ピークインダクタ電流とRdsonと称するトランジスタ24のオン抵抗との積に等しい。
【0039】
トランジスタ24のRdsonの両端の電圧は、トランジスタ24が導通している期間中のインダクタL電流を示す。ノードSWにおける電圧が負であることについては、正の供給電圧だけを用いる回路要素を用いてインダクタ電流が測定されるようにノードSWにオフセット電圧を付加する電圧オフセット回路要素が提供される。この回路要素は、トランジスタ24Aと、抵抗器52によってもたらされる固定抵抗Rlsと、固定電流源IREFを提供する関連電流源50とを含む。トランジスタ24Aは、ローサイドトランジスタ24を駆動するのと同じ信号によって駆動され、トランジスタ24のオン抵抗よりも固定倍率K=IAVE/IREFだけ大きなオン抵抗を有するP型デバイスである。定数Kの典型的な値は少なくとも1000であり、そのためIREFはIAVEよりもかなり小さい。このオン抵抗比をもたらすための1つの手法は、いくつかの互いに関連するN型デバイスを同時に作製し、これらのデバイスのいくつかのみを用いてトランジスタ24Aを形成し、残りのデバイスのいくつかを並列に接続してトランジスタ24を形成することである。ここで、並列デバイスの数はKの値に関連している。固定電流IREFの値は、コンバータがPWM動作モードとPFM動作モードの間の切替えを行う目標電流レベルに基づく特定電流値IAVEによって決まる(後で説明する一定のヒステリシス小電流は無視する)。そのため、PWMモードにおいてインダクタ電流の測定値がIAVE未満に降下すると、モードはPFMモードに切り替わる。逆に、PFMモードでの電流が所与の期間の間IAVEより大きくなると、モードはPWMに切り替わる。
【0040】
REFの実際の値は、先に述べたようにIAVE/Kに設定される。ここで、Kは、先に述べたローサイドトランジスタ24のオン抵抗に対するトランジスタ24Aのオン抵抗の比である。トランジスタ24Aを通るIREF電流が、Rdson×IAVEに等しいオフセット電圧を生成し、この値はRdsonの所与の値に対して不変である。この電圧により、ノードSW上の負電圧がトランジスタ24Aのドレイン上の正電圧に変換される。この変換電圧の大きさは、ノードSW上の負電圧を正電圧に変換するのに十分であるが、大きすぎることはない(大きすぎると無駄な電圧余裕になる)。というのは、この変換電圧は、トランジスタ24のオン抵抗及びトランジスタ24を通る平均インダクタ電流によって決まるからである。
【0041】
トランジスタ24Aのドレインにおける電圧をさらに変換して付加的な電圧余裕を一定して増加させるために、抵抗器Rlsがトランジスタ24Aに直列に接続されて、変換された一定の電圧がノード51に提供され、トランジスタ24Aのドレイン電圧に付加される。ノード51における電圧は、ノードSWにおける電圧に関連しており、抵抗器52とトランジスタ24Aを介した一定電圧降下だけ異なる。ノード51における電圧は、V/Rコンバータ54を用いて電流値ISENSEに変換される。V/R54は、抵抗性負荷を有するユニティゲインアンプを用いて実装される電圧−電流コンバータとし得る。後で説明するように、電流ISENSEは、ローサイドトランジスタ24が最初にオンにされる時点から始まる時間期間にわたって積分されて平均インダクタ電流値を提供する。この平均インダクタ電流値が、或る回数のスイッチングサイクルよりも多く、特定されたモードスイッチング値IAVEまで降下する場合、コンバータはPFMモードに切り替わる。
【0042】
図7は、ローサイドトランジスタ24がt=0秒で最初にオンにされるときのインダクタ電流を表現したタイミング図を示す。実際のインダクタ電流は、点62Aにおけるt=0秒でのピーク値で始まり、インダクタが放電するにつれ、波形部62Bで示す時間にわたって線形に降下する。ノード51(図6)における電圧に基づくインダクタ電流の測定値は、抵抗器52及びトランジスタ24Aによってもたらされるオフセット電圧により、実際の電流からずれて負のインダクタ電流になる。この電流測定値は、図7の波形64で表され、点64Aにおける時間t=0でのピーク値IPEAKを含み、波形部64Bで示す時間にわたって線形に降下する。そのため、実際のインダクタ電流を得るには、これら2つの変換電圧降下に関連する電流値を減算することが必要であり、この機能はV/Rコンバータ54によって実行される。トランジスタ24Aの両端の電圧は特定平均電流IAVEと抵抗Rdsonの積であるため、この電圧に関連する電流値はIAVEである。抵抗器52の両端の一定電圧降下に関連する電流値を本明細書ではIlsと称し、これは電流レベルのずれを表す。
【0043】
定義により、例えば時間T1(図2)からT2までのインダクタ放電期間中の平均インダクタ電流は、T1でのピーク値とT2での最小値の差を2で割ったものに等しい。この最小値について解くと、図7を参照してこれは下記のように表現され得る。
VALLEY(t)=2IAVE−IPEAK (6)
ここで、IVALLEYは時間tにおける電流値であり、IAVEはモードスイッチングを行うための特定平均電流値であり、IPEAKはt=0におけるピーク電流値である。
【0044】
インダクタ電流が、何らかの所定数の連続スイッチングサイクルの各々において、ローサイドトランジスタ24のオン期間中に、数式(6)による2IAVE−IPEAKの値に達し、次いで、2IAVE−IPEAKの値未満に降下する場合、この電流は特定値IAVE未満に降下する。この場合、動作モードはPFMに切り替えられるべきである。インダクタ電流がこの値に達しない場合、コンバータはPWMモードのままとすべきである。
【0045】
電圧−電流コンバータ(V/R)54は、下記のように、図6のノード51における電圧V51(t)を等価な電流Is(t)に変換するように動作する。
Is(t)=V51(t)/R (7)
ここで、Rは変換係数である。
【0046】
図6を見ると、電圧V51(t)は下記のようになる。
V51(t)=−V24(t)+V24A(t)+V52(t) (8)
ここで、V24(t)=Iinductor(t)*Rdson(インダクタ電流Iinductorによって生成されるトランジスタ24の両端の電圧、電流IREFによる比較的小さな電圧降下は無視)であり、V24A(t)=(IAVE/K)(K*Rdson)(トランジスタ24Aの電圧降下)であり、V52(t)=(IAVE/K)Rは抵抗器52の両端の電圧である。
【0047】
V24(t)、V24A(t)、及びV52(t)についての上記値を数式(8)に代入すると、数式(7)のIs(t)の値は下記のようになる。
Is(t)=[I(0)+I(t)]/2 (9)
ここで、I(0)は図7の点62Aで示す放電期間開始時のピークインダクタ電流であり、I(t)はインダクタが放電するときの時間経過によるインダクタ電流の降下である。
【0048】
電圧−電流コンバータ54に関連して用いられるRの値はRdson/mに設定される。ここでmは、Rdson/R=mとなる定数である。そのため、図7のタイミング図を参照すると、放電期間の開始時における数式(9)のピークインダクタ電流I(0)は下記のようになる。
I(0)=−mIinductor(0)+Ils+mIAVE、又は
I(0)=−(mIPEAK−Ils−mIAVE) (10)
ここで、IPEAKはt=0(図7の点64A)におけるピークインダクタ電流であり、IAVEはモードスイッチングのための特定平均電流(図7の64A〜65)であり、Ilsは固定オフセット電流(図7の65〜62A)である。
【0049】
数式(9)の電流I(t)は、図7のタイミング図を再び参照して下記のように表現され得る。
I(t)=−(mIvalley(t)−mIAVE−Ils) (11)
ここで、Ivalley(t)はインダクタ放電電流(図7の64B)であり、IAVE及びIlsは数式(10)に関連してすでに定義されている。
【0050】
数式(9)の電流Is(t)は、コンデンサCを経時的に充電するために用いられて、積分された感知電圧VSENSEが生成される。電圧Vseneは下記のように表現され得る。
SENSE=(1/C)(t)[I(0)+I(t)]/2 (12)
【0051】
数式(8)及び(9)を数式(12)に代入すると、下記の結果が得られる。
SENSE=(1/C)(t)(−mIPEAK+mIAVE+Ils−mIvalley(t)+mIAVE+Ils)/2 (13)
【0052】
Ivalley(t)を数式(6)による2IAVE−IPEAKで置き換えると、数式(13)のVseneが下記のように簡単になる。
SENSE=(1/C)(t)(Ils) (14)
そのため、ローサイドトランジスタ24の導通期間中の任意の時点でVSENSEが数式(14)に示す値まで降下する場合、平均インダクタ電流は特定されたIAVE値まで降下し、これが多数の連続したスイッチングサイクルで生じる場合はPFMに切り替えることが適切である。
【0053】
数式(14)の状態が存在するかどうかを判定するために回路要素が提供される。インダクタ感知回路で用いたものと同じ基準電流値IREF50が基準回路でも用いられ、この電流は電流源56によって提供される。この電流は、感知回路要素の抵抗器52と大きさが等しい抵抗58を通過する。電圧−電流コンバータ60が、ノード61における電圧V61に関連する電流Irを生成する。電流IrはIlsに等しく、Ilsは数式(14)に関連して説明したような感知回路要素に関連して生成されるものと同じである。電流Irは下記のように表現され得る。
Ir=V61/R
V61を(IAVE/K)Rlsで置き換えると、下記のようになる。
Ir=(IAVE/K)(Rls)/R (15)
【0054】
電流Irは、コンデンサCに等しい容量を有するコンデンサCを充電するように接続される。そのため、数式(15)の電流Irは時間にわたって積分されて電圧VREFが下記のように生成される。
REF=(1/C)(t)(Ils) (16)
【0055】
コンパレータ63が、数式(16)の電圧VREFと数式(14)の電圧VSENSEを比較し、この比較に基づいて、潜在的なモード変化を示す信号Vdetを生成し得る。コンパレータ63は、差動増幅器として実装され得、それに続いて高利得増幅段が設けられる。コンパレータ63の出力はスイッチモード回路66に接続される。スイッチモード回路66は、Vdetを含む様々な因子に応じて、PWMからPFMへのスイッチングが適切であるか、又はPFMからPWMへのスイッチングが適切であることを通知する。t=0秒におけるローサイドトランジスタ24(図6参照)のオン期間の開始時の間、電圧VREFはVSENSEよりも大きく、これは平均インダクタ電流が、特定されたスイッチング点IAVEより大きいことを示している。時間が経過して時間t=t1になると、VSENSEはその大きさがVREFまで降下し、そのため、コンパレータ出力Vdetは、平均インダクタ電流がIAVE以下であり、そのためモード変化が適切であり得ることを示すハイステートに変化する。トランジスタ24のオン期間中に電圧VSENSEがVREFに到達しない場合、出力Vdetは生成されず、これは、インダクタ電流が十分に高く、そのためモード変化しないことが適切であることを示している。
【0056】
PWMモードでの動作が図5A及び図8のタイミング図によってさらに示されている。Ivalleyが上記数式(6)による(2IAVE−IPEAK)に等しくなるたびに、信号Vdetが生成される。
【0057】
コンバータがPFMモードで動作していると仮定すると、図6の回路の動作は実質的に同じである。電流パルスがスキップされない場合、コンバータは最大出力電流を提供しており、この状態は、PWM動作に切り替えることが適切であることを示している。コンバータは、PFMモードでは、図3Bに示すように、電流パルスが生成されるとき特定平均電流IAVEに等しい平均インダクタ電流を提供するように実装される。そのため、各電流パルスの終わりで、感知電圧VSENSEの値はVREFをわずかに超え、それによって出力Vdetが生成される。そのため、図6の電流感知回路が多数の連続したVdetパルスを生成する場合には、PWMモードに切り替えることが適切である。
【0058】
先に述べたように、PWMからPFMに切り替えるための平均感知電流レベルは、PFMからPWMに再び切り替えるための電流レベルよりもわずかに低くなるべきである。当該インダクタ感知回路要素が平均インダクタ電流の比較的正確な測定を提供することにおいて、このヒステリシス電流も動作モード間の不適切なスイッチングが避けられるように良好に制御され得る。このヒステリシスをもたらす好ましい手法は、PWMではPFMの場合よりもわずかに小さなKの値を利用することである。これは、トランジスタ24Aのオン抵抗(K*Rdson)が減少するようにトランジスタ24Aの構造をPWM動作用に改変することを必要とする。トランジスタ24Aは、1つ又は複数の小さな並列トランジスタ構造を主要な構造に電気的に切り替えることによってPWM動作用に改変され得、PFM動作では、これらの構造を切り替えて元に戻す。
【0059】
PFMモードでの動作がさらに図9のタイミング図に示されている。インダクタ放電期間の開始時からインダクタ電流が平均(積分)され、この平均値がIAVEと一致するまで続く。この時点で、Vdet出力が生成される。この平均測定値は、コンパレータが誘起するオフセットにより変動し得るIPEAKの絶対値に比較的無関係である。この場合も、スイッチモード回路要素66によって決まる所定数のVdet出力の後、コンバータはPWM動作に移行する。
【0060】
図10A及び図10Bは、PWM動作モードとPFM動作モードの間のモード移行に関するさらなる詳細を示すフローチャートである。起動時にはコンバータはPWMモードである(ブロック70)。コンバータがおそらくはPFMモードに切り替わるべきであることの1つの指標は、実際の出力電圧VOUTが出力電圧目標値Vtよりいくらか小さいことである。出力電圧目標値は下記のようになる。
Vt=Vcon(G) (17)
ここで、Vconはコンバータ内部の電圧基準の値であり、Gは抵抗性分圧器によって通常は設定されるコンバータの利得である。
【0061】
出力電圧VOUTが目標出力電圧Vt未満であると、これはこの場合は負荷電流が小さすぎることの指標である。フローチャートの要素72で示すように、この低電圧状態が存在する場合、PWMよりもPFMが好ましい。電圧が低いと仮定して、インダクタ電流感知回路要素がオンにされる。平均電流が小さすぎると、Vdetパルスが生成される。所定数の連続パルスが生成される場合、コンバータは、ハイサイドP型トランジスタ22の立ち上がりでPFMへのスイッチングを開始すべきである(要素74)。スイッチモード回路要素66(図6)は、必要数のVdetパルスを受け取ると、スイッチングモード信号PWM/PFMを提供するように動作する。
【0062】
ブロック78で示すように、図10Bの図にPFMモードに入ることが示されている。PFMに入ると、最初に少なくとも1つの電流パルスが生成されてPFM動作を促す。ブロック80で示すように、ローサイドN型トランジスタ24の立ち上がりで、ピーク電流限界をIPEAKに設定することによって電流センサがPFMに対して初期化される。ハイサイドP型トランジスタ22の立ち上がりがオンにされた後、インダクタ電流はIPEAKに達するまで増加する(要素82)。ここで、コンパレータのオフセット及び有限応答時間は無視している。PFMモードでの平均電流が測定され、測定値がIAVEとヒステリシス電流(使用するKが大きな値のため)を加算したものよりも大きい場合、出力電圧VOUTがVmax(図4の上限40A参照)を超えるか否かの判断がなされる(要素88)。
【0063】
Vmaxに達していない場合、ブロック92で示すように、ハイサイドスイッチ22をオンに切り替え、ローサイドスイッチ24をオフに切り替えることによって付加的な電流パルスがインダクタに印加される。このスイッチングは、出力電圧VOUTがVmaxに達したと判定される(要素88)まで継続する。ブロック90で示す時点で、ハイサイドP型トランジスタ22及びローサイドトランジスタ24はともにオフにされて、フィルタコンデンサClによって負荷電流が一時的に提供される。この期間を図3A及び図4では数字42で示す。最終的に、VOUTは下側閾値電圧40B(図3A)まで降下する。この時点で、VOUTは、ブロック92で示す付加的な電流パルスの印加によってVmaxまで戻される(要素88)。
【0064】
図10Aに戻り、PFMモードの間、PFMモードが依然として適切であるかを判定するために或る種の状態がモニタリングされる。要素76で示すように、3つの状態がモニタリングされ、いずれか1つでも満足されない場合、PWMへのスイッチングが実行されるべきである。第1に、出力電圧が大きすぎる場合、PWMへのスイッチングが適切である。第2に、いくつかの連続したVdetパルスが生成される場合、負荷電流が大きすぎ、そのため、コンバータはPWMに切り替わる必要がある。最後に、出力電圧VOUTが目標電圧Vt(上述の数式(14)参照)と±25mV(又は、何らかの他の比較的小さな値)異なる場合、PFMモードにおける電流駆動能力は、PWMと比較して、出力電圧を範囲内に戻すために概して適していない。PFMモードにおいてこれらの状態の1つ又は複数が存在する場合、コンバータは、ブロック77で示すように、適切な時点でPWMに切り替わる。
【0065】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示実施形態に改変をなし得ること、及び多くの他の実施形態が可能であることが当業者には理解されよう。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B