【文献】
FEI DENG,AN EFFECTIVE PREAMBLE-BASED CHANNEL ESTIMATION STRUCTURE FOR OFDM/OQAM SYSTEMS,2010 6TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON WIRELESS COMMUNICATIONS NETWORKING AND MOBILE COMPUTING (WICOM),米国,IEEE,2010年 9月23日,P1-4
【文献】
JAVAUDIN JEAN-PHILIPPE,PILOT-AIDED CHANNEL ESTIMATION FOR OFDM/OQAM,VTC 2003-SPRING. THE 57TH. IEEE SEMIANNUAL VEHICULAR TECHNOLOGY CONFERENCE. PROCEEDINGS,米国,IEEE,2003年 4月22日,V3,P1581-1585
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送信アンテナの個数が1つより多いときに、前記ステップBは、複数の前記送信アンテナに対応する複数の前記パイロット・プリアンブル・シンボルを1つまたは複数のフィルタ・バンク・マルチキャリア変調シンボルに組み合わせるステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記プリアンブル要素によって形成されるシーケンスは、第1のプリセット値によって重み付けされた擬似ランダム・シーケンスであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
前記パイロット・プリアンブル・シンボルの前記プリアンブル要素が、等間隔の副搬送波にまたは連続して副搬送波にマッピングされるときに、前記ステップIIは、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために前記チャネル周波数応答セットに対してフーリエ変換ベースのチャネル推定を実行するステップを含む、請求項6に記載の方法。
前記ステップIIは、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、前記チャネル周波数応答セットに対して線形最小平均二乗誤差ベースのチャネル推定を実行するステップを含む、請求項6に記載の方法。
送信アンテナの数が1つより多いときに、前記プリアンブル挿入ユニットは、複数の前記送信アンテナに対応する複数の前記パイロット・プリアンブル・シンボルを1つまたは複数のフィルタ・バンク・マルチキャリア変調シンボルに組み合わせるようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
前記受信するユニットは、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答からなるチャネル周波数応答セットを取得するように構成され、
前記チャネル推定ユニットは、それぞれの送信アンテナに対応する前記複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答の間の相関に基づいてチャネル推定を実行するように構成される
請求項13に記載の装置。
前記チャネル推定ユニットは、前記パイロット・プリアンブル・シンボルの前記プリアンブル要素が、等間隔の副搬送波にまたは連続して副搬送波にマッピングされるときに、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために前記チャネル周波数応答セットに対してフーリエ変換ベースのチャネル推定を実行するように構成される、請求項14に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、FBMCシステムでの信号送信用のパイロット・プリアンブル・シンボルを設計する新しい方法および対応するチャネル推定方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術の上記の問題を解決するために、本発明は、送信アンテナごとに1つのFBMC変調シンボルだけを占めるパイロット・プリアンブル・シンボルを設計することを提案する。複数の送信アンテナの場合には、複数のパイロット・プリアンブル・シンボルが、組み合わされ、1つまたは複数のFBMC変調シンボルに多重化される。受信側では、上記パイロット・プリアンブル・シンボルを含む信号が、受信され、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波のチャネル周波数応答セットが、マルチキャリア・システムの異なる副搬送波の間のチャネル周波数応答の相関を使用することによって全体処理され、これによって、対応するチャネル推定結果が得られる。
【0008】
具体的には、本発明の第1の態様によれば、フィルタ・バンド・マルチキャリア・システムの送信器内で信号を送信する方法であって、A.変調されたデータを取得するためにデータを変調するステップと、B.変調されたデータと共にパイロット・プリアンブル・シンボルをフレーミングすることによって送信すべき信号を取得するステップと、C.送信すべき信号を送信するステップとを含み、ステップBで、パイロット・プリアンブル・シンボルは、プリアンブル要素からなり、各送信アンテナに対応するパイロット・プリアンブル・シンボルは、1つのフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルを占める方法が提供される。
【0009】
好ましくは、送信アンテナの個数が1つより多いときに、ステップBは、複数の送信アンテナに対応する複数のパイロット・プリアンブル・シンボルを1つまたは複数のフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルに組み合わせるステップを含む。
【0010】
好ましくは、プリアンブル要素によって形成されるシーケンスは、第1のプリセット値によって重み付けされた擬似ランダム・シーケンスである。
【0011】
より好ましくは、第1のプリセット値は、1以上である。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、フィルタ・バンド・マルチキャリア・システムの受信器内でチャネル推定を実行する方法であって、I.信号を受信するステップであって、信号は、パイロット・プリアンブル・シンボルを含む、受信するステップと、II.パイロット・プリアンブル・シンボルに基づいてチャネル推定を実行するステップとを含み、パイロット・プリアンブル・シンボルは、プリアンブル要素からなり、各送信アンテナに対応するパイロット・プリアンブル・シンボルは、1つのフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルを占めることを特徴とする方法が提供される。
【0013】
好ましくは、ステップIは、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答からなるチャネル周波数応答セットを取得するステップを含み、ステップIIは、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答の間の相関に基づいてチャネル推定を実行するステップを含む。
【0014】
より好ましくは、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、等間隔の副搬送波にまたは連続して副搬送波にマッピングされるときに、ステップIIは、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するためにチャネル周波数応答セットに対してフーリエ変換ベースのチャネル推定を実行するステップを含む。
【0015】
より好ましくは、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、等間隔の副搬送波にまたは連続して副搬送波にマッピングされるときに、ステップIIは、チャネル周波数応答セットに対応するチャネル・インパルス応答セットを取得するためにチャネル周波数応答セットに対して逆高速フーリエ変換を実行するステップと、フィルタリングされたチャネル・インパルス応答セットを取得するために、フィルタ・バンド・マルチキャリア変調における虚部に対する固有干渉および雑音に関するフィルタリング処理を、チャネル・インパルス応答セットに対して実行するステップと、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、1より大きい等しいインターバルで副搬送波にマッピングされるかどうかを判定するステップと、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、1より大きい等しいインターバルで副搬送波にマッピングされる場合に、推定されたチャネル・インパルス応答セットを取得するために、フィルタリングされたチャネル・インパルス応答セットに対してインターバルに対応する0補間処理を実行するステップと、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、推定されたチャネル・インパルス応答セットに対して高速フーリエ変換を実行するステップと、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、連続して副搬送波にマッピングされる場合に、推定されたチャネル・インパルス応答セットとしてフィルタリングされたチャネル・インパルス応答セットをとるステップと、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、推定されたチャネル・インパルス応答セットに対して高速フーリエ変換を実行するステップとを含む。
【0016】
好ましくは、ステップIIは、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、下のフィルタリング行列を使用してチャネル周波数応答セットに対して線形最小平均二乗誤差ベースのチャネル推定を実行するステップを含み、
【0017】
【数1】
ここで、R
acは、パイロット副搬送波チャネル周波数応答の自己相関行列を表し、R
ccは、推定すべき副搬送波チャネル周波数応答とパイロット副搬送波チャネル周波数応答との相互相関行列を表し、γ
pは、パイロット電力の強化に関する係数を表し、I
|Sidx|は、|S
idx|のサイズを有する恒等行列を表し、|S
idx|は、パイロット副搬送波の個数を表す。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、フィルタ・バンド・マルチキャリア・システムの送信器内で信号を送信する装置であって、変調されたデータを取得するためにデータを変調するように構成された変調ユニットと、変調されたデータと共にパイロット・プリアンブル・シンボルをフレーミングすることによって送信すべき信号を取得するように構成されたプリアンブル挿入ユニットと、送信すべき信号を送信するように構成された送信ユニットとを含み、パイロット・プリアンブル・シンボルは、プリアンブル要素からなり、各送信アンテナに対応するパイロット・プリアンブル・シンボルは、1つのフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルを占めることを特徴とする装置が提供される。
【0019】
好ましくは、送信アンテナの個数が1つより多いときに、プリアンブル挿入ユニットは、複数の送信アンテナに対応する複数のパイロット・プリアンブル・シンボルを1つまたは複数のフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルに組み合わせるようにさらに構成される。
【0020】
好ましくは、プリアンブル挿入ユニットは、第1のプリセット値によって重み付けされた擬似ランダム2進シーケンスを生成するように構成されたシーケンス生成ユニットをさらに含む。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、フィルタ・バンド・マルチキャリア・システムの受信器内でチャネル推定を実行する装置であって、信号を受信するように構成された受信するユニットであって、信号は、パイロット・プリアンブル・シンボルを含む、受信するユニットと、パイロット・プリアンブル・シンボルに基づいてチャネル推定を実行するように構成されたチャネル推定ユニットとを含み、パイロット・プリアンブル・シンボルは、プリアンブル要素からなり、各送信アンテナに対応するパイロット・プリアンブル・シンボルは、1つのフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルを占めることを特徴とする装置が提供される。
【0022】
好ましくは、受信するユニットは、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答からなるチャネル周波数応答セットを取得するように構成され、チャネル推定ユニットは、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答の間の相関に基づいてチャネル推定を実行するように構成される。
【0023】
好ましくは、チャネル推定ユニットは、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、等間隔の副搬送波にまたは連続して副搬送波にマッピングされるときに、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するためにチャネル周波数応答セットに対してフーリエ変換ベースのチャネル推定を実行するように構成される。
【0024】
好ましくは、チャネル推定ユニットは、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、チャネル周波数応答セットに対して線形最小平均二乗誤差ベースのチャネル推定を実行するように構成される。
【0025】
本発明では、送信アンテナごとに1つのFBMC変調シンボルだけを占めるパイロット・プリアンブル・シンボルを使用することと、受信側で対応するチャネル推定方法を使用することとによって、パイロット・オーバーヘッドが効果的に減らされ、システムのスペクトル効率が改善されると同時に、コンピュータ・シミュレーションを介して、本発明が現存するIAM法よりよいチャネル推定性能を達成できることが示される。言い替えると、本発明は、オーバーヘッド削減の有益な効果と性能改善との両方を同時に達成する。
【0026】
本発明の他の特徴、目的、および利益は、添付図面に関連する非限定的な実施形態の次の詳細な説明を参照して、より明白になる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
同一のまたは類似する符号は、同一のまたは類慰するステップ特徴および/またはユニット/モジュールを表す。
【0029】
図2に示されているように、複数の送信アンテナのパイロット・プリアンブル・シンボルを、1つのFBMC変調シンボルに多重化することができる。たとえば、アンテナ1について、プリアンブル要素(P11、P12、P13、P14…)は、奇数副搬送波にマッピングされ、その後、アンテナ1から送信される。アンテナ2について、プリアンブル要素(P21、P22、P23、P24…)は、偶数副搬送波にマッピングされ、その後、アンテナ2から送信される。2つのアンテナのパイロット・プリアンブル・シンボルは、同時に送信されるが、周波数領域での直交性に起因して、それらの間のクロストークはない。受信側は、単一アンテナの場合と同様に、2つの送信アンテナのチャネルをそれぞれ推定することができる。
【0030】
図3に示されているように、複数の送信アンテナのパイロット・プリアンブル・シンボルを、複数のFBMC変調シンボルに多重化することができる。たとえば、8つの送信アンテナについて、最初の4つのプリアンブル要素(P1、P2、P3、P4)は、第1のFBMC変調シンボルに多重化され(4のパイロット・インターバルを有する)、他方の4つのプリアンブル要素(P5、P6、P7、P8)は、第2のFBMC変調シンボルに多重化される。この様式では、アンテナの2つのグループのプリアンブル要素が、時間領域で直交し、これによって、受信側は、単一のアンテナの場合と同様にすべてのアンテナのそれぞれのチャネル推定をそれぞれ実行することができる。
【0031】
特定の実施形態を、下で、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が等間隔の副搬送波および不等間隔の副搬送波にマッピングされる2つの状況について、それぞれ提供する。
【0032】
一般性を失わずに、次の実施形態で単一の送信アンテナの場合に従って議論を行うことができ、複数の送信アンテナについて、上で説明した単一アンテナの場合に簡単に帰着することができる。
【0033】
第1の実施形態
次の実施形態では、プリアンブル要素が等間隔の副搬送波にマッピングされることを議論する。
【0034】
パイロット・プリアンブル・シンボルの設計
図4を参照すると、一般性を失わずに、インターバルが1である状況が選択される、すなわち、プリアンブル要素は、連続して副搬送波にマッピングされ、プリアンブル要素のシーケンスは、1の重み付け係数によって重みを付けられた擬似ランダム・シーケンスになる。
【0035】
擬似ランダム・シーケンスを使用することの利点は、受信側で異なる副搬送波に対する固有干渉を相関除去する(de−correlate)ことが好都合であり、これが、固有干渉をフィルタリングする後続プロセスに有益であるからである。
【0036】
重み付けフィルタを、パイロット電力の強化に関する相対的に大きい係数になるように選択することもでき、これは、これによって、たとえば1より大きい値を使用して、チャネル推定の正確さを改善するために、パイロットに対して信号対干渉雑音比を改善するのを助ける。
【0037】
上記パイロット・プリアンブル・シンボル設計によれば、信号を送信する次の方法が、
図5に示されたFBMCシステムの送信器内で実施される。
S51. 変調されたデータを取得するためにデータを変調し、
S52. 変調されたデータと共に上で設計されたパイロット・プリアンブル・シンボルをフレーミングすることによって、送信すべき信号を取得し、
S53. 送信すべき信号を送信する。
【0038】
チャネル推定方法
まず、FBMCシステムの信号モデルを、次のように確立する
y
i=h
i(p
i+jw
i)+n
i、i∈S
idx
ここで、下付きのiは、副搬送波のインデックスを示し、y
iは、受信されたパイロット信号を示し、h
iは、理想的なチャネル応答を示し、p
iは、送信されたパイロット信号を示し、w
iは、虚部に対する固有干渉を示し、jは、虚数単位を示し、n
iは、加法性白色ガウス雑音を示す。S
idxは、2つの部分からなるすべてのパイロット副搬送波インデックスの集合すなわち
【0041】
【数4】
は、それぞれ、正のインデックスを有する副搬送波および負のインデックスを有する副搬送波を示す。式を単純にするために、直流副搬送波は
【0042】
【数5】
に属し、インデックスは、S
idx、
【0044】
【数7】
の集合内で昇順でランクされると仮定する。一般的に言って、
【0045】
【数8】
であり、ここで、|.|は、集合のサイズを表す。
【0046】
次の周波数応答式が、信号モードから導出される。
【0047】
【数9】
ここで、式(1)の右辺で、第1の項h
iは、理想的なチャネル応答を表し、第2の項は、虚部に対するいわゆる固有干渉に由来し、第3の項は、加法性白色ガウス雑音に由来する。第2および第3の項の組合せを、
【0049】
【数11】
は、チャネル推定性能を劣化させる要因を表す。
【0050】
2の整数のすべてのべきの中で、|S
idx|より大きい、N
FFTと表される最小の値のサイズを有するベクトルを、次のように作成する。
【0052】
上付きのTは、転置演算を表す。逆高速フーリエ変換をこのベクトルに対して実行して、
【0053】
【数13】
と表される遅延領域でのチャネル・インパルス応答セットを取得する。
【0055】
式(2)から、チャネル・インパルス応答が2つの部分すなわち、有用な信号
【0057】
【数16】
を含むことがわかり、後者は、さらに、虚部に対する固有干渉と加法性白色ガウス雑音との寄与を含む。
【0058】
複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答の間の相関を考慮すると、逆高速フーリエ変換演算の後に、上記の有用な信号は、遅延領域に集中し、その開始部分は、チャネルの最大の遅延広がりを超えず、一方、有用でない信号は、均等に遅延領域に拡散する。したがって、虚部に対する固有干渉および雑音のほとんどを、簡単にフィルタリングすることができ、遅延領域で信号をフィルタリングするのに窓関数を使用することによって、有用な信号を残すことができる。
【0059】
フィルタリングを実施するために、N
MaxDelayと表される最大チャネル遅延を、前もって推定する必要がある。しかし、最大チャネル遅延は、主として環境要因に依存し、したがって、チャネル統計測定または経験を介して簡単に取得することができる。フィルタリング演算を、次のように表すことができる。
【0060】
【数17】
ここで、G(n)、n=1,2,…,N
FFT−N
backoff−N
MaxDelayは、長方形の窓すなわちG(n)=1(これは、その持続時間内の信号が完全にフィルタリングによって除去されることを意味する)などの窓関数を表す。チャネル・インパルス応答における有用な信号
【0061】
【数18】
が、実際には正弦関数を用いて畳み込まれた真のチャネル・インパルス応答である(ある形のエネルギー拡散をもたらす、すなわち、遅延領域の終りに有用な信号の一部でもある)ことを考慮すると、したがって、パラメータN
backoffが、フィルタリング演算に導入される。一般に、このパラメータに、相対的に小さい値、たとえば10をセットすることができる。
【0062】
上記フィルタリング演算を用いて、フィルタリングされたチャネル・インパルス応答セットが取得される。プリアンブル要素が、連続して副搬送波にマッピングされるときに、フィルタリングされたチャネル・インパルス応答セットは、推定されたチャネル・インパルス応答セットとして働き、高速フーリエ変換をこれに対して実行して、後続のチャネル等化処理で使用される推定されたチャネル周波数応答セットを取得することができる。
【0063】
プリアンブル要素が、1より大きい等しいインターバルで副搬送波にマッピングされるときには、フィルタリングされたチャネル・インパルス応答セットについて補間処理が必要である、すなわち、0補間の前後のシーケンス長の比が、パイロット・インターバル値と等しくなるようにするために、パイロット・インターバルに対応する0が、セットに挿入される。補間の後のセットは、推定されたチャネル・インパルス応答セットとして働き、高速フーリエ変換をこれに対して実行して、推定されたチャネル周波数応答セットを取得することができる。
【0064】
上記チャネル推定方法に基づいて、チャネル推定の以下の方法が、
図6に示されているように、FBMCシステムの受信器内で実施される。
S61.上記のパイロット・プリアンブル・シンボルを含む信号を受信し、
S62.上記のチャネル推定方法を使用してチャネル推定を実行する。
【0065】
第2の実施形態
以下の実施形態では、プリアンブル要素が不等間隔の副搬送波にマッピングされることを議論する。
【0066】
パイロット・プリアンブル・シンボルの設計
図7を参照すると、プリアンブル要素は、不等間隔の副搬送波にマッピングされ、プリアンブル要素のシーケンスは、パイロット電力の強化に関する係数を表すγ
pの重み付け係数に負って重み付けされた擬似ランダム・シーケンスになる。
【0067】
上記パイロット・プリアンブル・シンボル設計に基づいて、信号を送信する次の方法が、
図5に示されているようにFBMCシステムの送信器内で実施される。
S51. 変調されたデータを取得するためにデータを変調し、
S52. 変調されたデータと共に上で設計されたパイロット・プリアンブル・シンボルをフレーミングすることによって、送信すべき信号を取得し、
S53. 送信すべき信号を送信する。
【0068】
チャネル推定方法
まず、FBMCシステムの信号モデルを、次のように確立する
y
i=h
i(p
i+jw
i)+n
i、i∈S
idx
ここで、下付きのiは、副搬送波のインデックスを示し、y
iは、受信されたパイロット信号を示し、h
iは、理想的なチャネル応答を示し、p
iは、送信されたパイロット信号を示し、w
iは、虚部に対する固有干渉を示し、n
iは、加法性白色ガウス雑音を示す。S
idxは、2つの部分からなるすべてのパイロット副搬送波の集合すなわち
【0069】
【数19】
を示し、ここで、部分集合
【0071】
【数21】
は、それぞれ、正のインデックスを有する副搬送波および負のインデックスを有する副搬送波を示す。式を単純にするために、直流副搬送波は
【0072】
【数22】
に属し、インデックスは、S
idx、
【0074】
【数24】
の集合内で昇順でランクされると仮定する。一般的に言って、
【0075】
【数25】
であり、ここで、|.|は、集合のサイズを表す。
【0076】
次の周波数応答式が、信号モードから導出される。
【0077】
【数26】
ここで、式(3)の右辺で、第1の項h
iは、理想的なチャネル応答を表し、第2の項は、虚部に対するいわゆる固有干渉に由来し、第3の項は、加法性白色ガウス雑音に由来する。第2および第3の項の組合せを、
【0079】
【数28】
は、チャネル推定性能を劣化させる要因を表す。
【0080】
|S
idx|のサイズを有するベクトルを、次のように作成する。
【0082】
上付きのTは、転置演算を表す。異なる副搬送波の間のチャネル周波数応答の相関を考慮すると、線形最小平均二乗誤差フィルタリング演算を、次のように導入することができる。
【0083】
【数30】
ここで、フィルタリング行列Wを、
【0084】
【数31】
と表すことができ、R
acは、パイロット副搬送波チャネル周波数応答の自己相関行列を表し、R
ccは、推定される副搬送波チャネル周波数応答とパイロット副搬送波チャネル周波数応答との相互相関行列を表し、γ
pは、パイロット電力の強化に関する係数すなわち前述の重み付け係数を表し、I
|Sidx|は、|S
idx|のサイズを有する恒等行列を表し、
【0085】
【数32】
は、雑音電力すなわち、式(3)の
【0087】
【数34】
に加算される単位電力は、虚部に対する固有干渉電力すなわち、式(3)の
【0088】
【数35】
の項を表す。ここで、一般性を失わずに、E{|h
i|
2}=1すなわち、チャネル周波数応答が正規化された平均単位電力を有すると仮定する。
【0089】
チャネルの最大遅延広がりN
MaxDelayを考慮すると、すべての副搬送波のチャネル相関行列を、次の方法によって生成することができる。
R=F
HDF
ここで、上付きのHは、共役転置を表し、Fは、正規化されたIFFT変換行列を表す。
【0091】
行列Dは、下記のようにN
FFT×N
FFTの対角行列を表す。
【0093】
Rを取得した後に、式(4)の自己相関行列R
acおよび相互相関行列R
ccを、パイロット副搬送波および推定すべき副搬送波の副搬送波インデックスに基づいて、Rの対応する行および列によって構成される部分行列をとる(負の副搬送波インデックスについて、N
FFTを加算する)ことによって取得することができる。具体的に言うと、R
acは、パイロット副搬送波インデックスに対応する行およびパイロット副搬送波インデックスに対応する列によって構成される部分行列をとることによって取得され、R
ccは、推定すべき副搬送波インデックスに対応する行およびパイロット副搬送波インデックスに対応する列によって構成される部分行列をとることによって取得される。
【0094】
さらに、式(4)の雑音電力部分を考慮すると、通常は、雑音電力をリアルタイムで推定することは困難である。しかし、一般に、虚部に対する固有干渉の電力は、雑音電力よりはるかに大きく、シミュレーションを介して、雑音電力がチャネル推定の性能に大きい影響を有しないことも示される。したがって、式(4)に示されたフィルタリング行列を、
【0095】
【数38】
として近似することができる。
【0096】
上記のフィルタリング演算によって、推定されたチャネル周波数応答セットが、後続のチャネル等化処理での使用のために取得される。
【0097】
逆行列の計算に関する大きい計算オーバーヘッドを考慮して、非リアルタイムの様式を使用することもできる、すなわち、チャネル推定での即座の使用のために、前もって、フィルタリング行列を計算し、メモリに保存することができる。
【0098】
上記チャネル推定方法に基づいて、チャネル推定の以下の方法が、
図6に示されているように、FBMCシステムの受信器内で実施される。
S61.上記のパイロット・プリアンブル・シンボルを含む信号を受信し、
S62.上記のチャネル推定方法を使用してチャネル推定を実行する。
【0099】
以下では、本発明によって提供される上記の方法に対応する装置を、ブロック図を参照することによって説明する。装置内のユニット/デバイス特徴が、上記の方法のステップ特徴との対応する関係を有するので、これは、単純化された図である。
【0100】
図8に、フィルタ・バンド・マルチキャリア・システムの送信器内で信号を送信する、送信する装置S10のブロック図を示し、送信する装置S10は、
変調されたデータを取得するためにデータを変調するように構成された変調ユニット1001と、
変調されたデータと共にパイロット・プリアンブル・シンボルをフレーミングすることによって、送信すべき信号を取得するように構成されたプリアンブル挿入ユニット1002と、
送信すべき信号を送信するように構成された送信するユニット1003と
を含む。
【0101】
装置S10は、パイロット・プリアンブル・シンボルがプリアンブル要素からなることを特徴とし、各送信アンテナに対応するパイロット・プリアンブル・シンボルは、1つのフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルを占める。
【0102】
好ましくは、送信アンテナの個数が1つより多数であるときに、プリアンブル挿入ユニット1002は、複数の送信アンテナに対応する複数のパイロット・プリアンブル・シンボルを1つまたは複数のフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルに組み合わせるようにさらに構成される。
【0103】
好ましくは、プリアンブル挿入ユニット1002は、第1のプリセット値によって重み付けされた擬似ランダム・シーケンスを生成するシーケンス生成ユニット1004をさらに含む。
【0104】
図9に、フィルタ・バンド・マルチキャリア・システムの受信器内でチャネル推定を実行するチャネル推定装置S20のブロック図を示し、チャネル推定装置S20は、
パイロット・プリアンブル・シンボルを含む信号を受信するように構成された受信するユニット2001と、
パイロット・プリアンブル・シンボルに基づいてチャネル推定を実行するように構成されたチャネル推定ユニット2002と
を含む。
【0105】
装置S20は、パイロット・プリアンブル・シンボルがプリアンブル要素からなることを特徴とし、各送信アンテナに対応するパイロット・プリアンブル・シンボルは、1つのフィルタ・バンド・マルチキャリア変調シンボルを占める。
【0106】
好ましくは、受信するユニット2001は、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答からなるチャネル周波数応答セットを取得するようにさらに構成され、チャネル推定ユニット2002は、それぞれの送信アンテナに対応する複数のパイロット副搬送波チャネル周波数応答の間の相関に基づいてチャネル推定を実行するようにさらに構成される。
【0107】
より好ましくは、チャネル推定ユニット2002は、パイロット・プリアンブル・シンボルのプリアンブル要素が、等間隔の副搬送波にまたは連続して副搬送波にマッピングされるときに、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、チャネル周波数応答セットに対してフーリエ変換ベースのチャネル推定を実行するように構成される。
【0108】
より好ましくは、チャネル推定ユニット2002は、推定されたチャネル周波数応答セットを取得するために、チャネル周波数応答セットに対して線形最小平均二乗誤差ベースのチャネル推定を実行するように構成される。
【0109】
本発明の有効性を証明するために、シミュレーション実験を行って、本発明を現存するIAM法と比較する。このシミュレーションでは、QPSK変調および1/2ターボ符号化を使用する。各フレームは、40個のFMBC変調シンボルを含むデータ部分と、本発明およびIAM法のそれぞれのパイロット・プリアンブル・シンボルとからなる。チャネル・モデルは、3GPPで定義された空間チャネル・モデルのurban microシナリオを使用する。サンプル・レートは、15.36MHzである。有用な副搬送波の個数は、600個である。シミュレーション・パラメータを、次の表1に要約する。
【0111】
シミュレーション結果を、
図10に示す。本発明の性能が、明らかに現存するIAM法を凌ぎ、理想的な状況との比較で約0.5dBの損失だけを有することがわかる。シミュレーション結果は、現存する方法と比較して、本発明のパイロット・プリアンブル・シンボル設計および対応するチャネル推定アルゴリズムが、パイロット・オーバーヘッドを減らすという目的を達成すると同時に、チャネル推定性能を維持しまたは改善すら行い、これが、実際に従来技術に存在する問題を解決することを証明することができる。
【0112】
本発明の実施形態を上で説明したが、本発明は、特定のシステム、デバイス、および特定のプロトコルに限定されず、当業者は、添付の特許請求の範囲内でさまざまな修正形態または変形形態を作ることができる。
【0113】
当業者は、図面および添付の特許請求の範囲と一緒にこの説明の開示を調査することによって、開示された実施形態に対する他の変更を理解し、実施することができる。特許請求の範囲では、用語「comprise(備える)」または「contain(含む)」が、他の要素およびステップを除外せず、用語「one」または「a」が、複数形を除外しない。本発明では、「第1の」または「第2の」は、名前を表すのみであって、順序関係を表さない。本発明の実用的な応用例では、1つの構成要素が、特許請求の範囲に列挙された複数の技術的特徴の機能を実行することができる。特許請求の範囲のすべての符号は、範囲に関する限定と解釈されてはならない。