【実施例1】
【0013】
実施例に係る搬送装置につき、
図1から
図6を参照して説明する。先ず
図1の符号1は、本発明の適用された搬送装置である。この実施例の搬送装置1は、例えば塗装ラインに被搬送物2,2’を連続的に搬送するもので、工場の天井等に架設されたガイドレール3と、このガイドレール3に案内されて矢印方向に一定速度で移動する吊り下げ装置4とを備えている。
【0014】
吊り下げ装置4におけるガイドレール3と平行をなす吊支杆5の下端には、上下方向に比較的長い平板状の被搬送物2若しくは比較的短い被搬送物2’の上端部を掛止して支持するする複数の吊支フック6が、搬送方向に沿って一定間隔おきに取り付けられている。複数の被搬送物2,2’は、各吊支フック6により、上端同士を互いに整合させて一定間隔おきに吊り下げられ、この状態でガイドレール3の下方の搬送経路を一定速度で搬送されるようになっている。なお、本実施例の搬送装置1で搬送される被搬送物の種類は、1種類のみでもよいし若しくは複数種類であってもよいが、被搬送物は各種類ごとに予め寸法形状が定められており、被搬送物の各種類の寸法データは、後述する標準寸法記憶手段である標準寸法メモリ15に予め記憶されている。
【0015】
搬送経路の下流側には、複数の被搬送物2の通過を順次検出する複数個の通過検出センサ7と、被搬送物2の長さを検出する上下複数(本実施例では5個)の長さ検出センサ、すなわち上方から順に、第1長さ検出センサ8a、第2長さ検出センサ8b、第3長さ検出センサ8c、第4長さ検出センサ8d、第5長さ検出センサ8e及び第6長さ検出センサ8とが設けられ、各センサ7、8a〜8fは、制御装置9に電気的に接続されている。これらの各センサ7、8a〜8fと制御装置9とにより、被搬送物監視装置10が構成されている。
【0016】
通過検出センサ7は、被搬送物2の通過を確実に検出するために、被搬送物2の上下方向の中央部が通過する付近に配置されている。また、第1長さ検出センサ8a〜第5長さ検出センサ8eは、上下方向に一定間隔おきに配置されている。さらに、第6長さ検出センサ8fのみは、前記一定間隔よりも短い間隔で第5長さ検出センサ8eの若干下方に配置されており、この第6長さ検出センサ8fは、後述するように標準寸法外の被搬送物2aを検出するセンサとして設けられている。
【0017】
通過検出センサ7及び第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fは、本実施例では、発光ダイオード等よりなる投光部Aと、フォトトランジスタ等よりなる受光部Bとを対とする光電センサが使用されている。投光部Aは、例えば1秒おき等の所定の短時間ごとに、若しくは時間的に連続して受光部Bに向けて投光するようになっており、この受光部Bが受光するか否かで、被搬送物が存在するか否かを判断できる。さらに、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fのうち、上下に隣接する長さ検出センサが被搬送物を検出することで、当該被搬送物は、上下に隣接する長さ検出センサの長さ方向にかけて連続した長さ寸法を有すると判断できる。また、長さ検出センサ8a〜8fが、所定時間にわたり連続して被搬送物を検出することで、当該被搬送物の左右方向の幅寸法を算出でき、搬送装置1の一定速の搬送速度に基づき、当該被搬送物の面積を演算することができる。
【0018】
図2に示すように、第1長さ検出センサ8a〜第5長さ検出センサ8eが全て作動し、第6長さ検出センサ8fが作動しなかったときは、正規の比較的長い被搬送物、すなわち基準寸法の被搬送物2が搬送されてきたことが検出されるようになっている。また、第4長さ検出センサ8d〜第6長さ検出センサ8fが作動せず、それより上位の第1長さ検出センサ8a〜第3長さ検出センサ8cが作動したときは、正規の比較的短い被搬送物、すなわち基準寸法の被搬送物2’が搬送されてきたことが検出される。つまり、第1長さ検出センサ8a〜第5長さ検出センサ8eのいずれが作動するかに基づき、被搬送物2,2’の実搬送効率が算出できるようになっている。さらに、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fの全てが作動したときは、正規の長さよりも長い被搬送物2aが搬送されてきたことが検出される。
【0019】
図3に示すように、通過検出センサ7は、複数の被搬送物2が通過する毎にオンとなり、予め定めた一定時間オンすることにより、正規の幅寸法の被搬送物2が通過したことが検出される。また同時に、先行する被搬送物2が通過してから、後続の被搬送物2が検出されるまでの時間を検出することにより、後続の被搬送物2が一定間隔おきに吊支されて搬送されてきたか否を知ることができる。
【0020】
図4は、前述した被搬送物監視装置10のブロック図を示すもので、制御装置9は、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fに接続された増幅器21と、複数の被搬送物2,2’の標準的な搬送効率である標準搬送効率が予め記憶された、標準効率記憶手段としての標準効率メモリ22と、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fに基づく実搬送効率の検出信号と、標準効率メモリ22に記憶された標準搬送効率とを比較演算する第1比較器23と、この第1比較器23に接続され、第1比較器23による判断結果を出力する出力部(回路)17を備えている。なお、前記した搬送効率とは、必ずしも被搬送物2,2’の個数に限られず、一定速で搬送される被搬送物2,2’の搬送方向の面積の効率を意味する。
【0021】
また制御装置9は、通過検出センサ7に接続された増幅器11と、被搬送物2が通過するまでの標準時間と先行する被搬送物2が通過した後、後続の被搬送物2が検出されるまでの標準時間とが予め記憶された、標準時間記憶手段としての標準時間メモリ12と、通過検出センサ7により検出された通過信号と標準時間メモリ12に記憶された標準時間とを比較演算する第2比較器13と、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fに接続された増幅器14と、被搬送物2の長さの標準寸法が予め記憶された、標準寸法記憶手段としての標準寸法メモリ15と、第1長さ検出センサ8a〜第5長さ検出センサ8eによる長さの検出信号と、標準寸法メモリ15に記憶された標準寸法とを比較演算する第3比較器16とを備えている。この第3比較器16と前記第2比較器13とに接続される出力部(回路)17は、第2、第3比較器13、16による判断結果を出力する。なお、制御装置9は、図示しないマイクロコンピュータ等の中央処理装置(CPU)に収められている。
【0022】
次に、被搬送物監視装置10による被搬送物2,2’の搬送効率の要注意状態を検出する手順について、
図5のフローチャートを参照して説明する。まず、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fにより、被搬送物2,2’の長さを検出する(S1)。
【0023】
次いで、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fにより検出された長さ信号に基づき、被搬送物2,2’の実際の搬送効率である実搬送効率を算出する。この実搬送効率と、標準効率メモリ22に記憶された標準搬送効率とを、第1比較器23により比較演算し、被搬送物2,2’が予め定めた標準搬送効率以上で通過したか否かを確かめる(S2)。
【0024】
ステップ(S2)により、被搬送物2,2’の実搬送効率が予め定めた標準搬送効率未満と判断されたとき、出力部17に搬送効率注意信号を出力し、要注意搬送と判定する(S3)。搬送効率注意信号が出力された際は、被搬送物2,2’が標準搬送効率に満たずに搬送されてきたと判断することができる。従って、要注意搬送と判定されたとき、例えば2点鎖線で示すように、警報ランプや警報ブザー等の警報装置18を作動させれば、塗装作業者に実搬送効率が低いことを報知でき、歩留まりが改善できるばかりか、被搬送物2,2’に噴射する塗料の無駄を省くことができる。要注意搬送と判断された場合の措置としては、例えば、一定速度で搬送される吊支フック6の全てに被搬送物2,2’を吊支するようにし、あるいは、比較的上下寸法の短い被搬送物2’は、同じ吊支フック6に上下に複数並べて吊支する等、吊支態様を工夫するとよい。なお、被搬送物2,2’が標準搬送効率を満たして通過したときは、正常搬送と判定され(S4)、被搬送物2,2’の搬送が続行される。
【0025】
なお、被搬送物2,2’の実搬送効率が標準搬送効率を満たすか否かを判定する場合は、例えば、被搬送物2,2’が実際に搬送される所定時間あるいは所定搬送数量分の実搬送効率を、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fにより連続して検出し、このように検出した実搬送効率と、当該所定時間あるいは所定搬送数量に応じた標準搬送効率とを比較演算してもよく、このようにすることで、一定程度に長期の搬送態様を平均化して正常搬送か要注意搬送かを判定でき、判定精度を高めることができる。
【0026】
次に、被搬送物監視装置10による被搬送物2,2’の要注意状態を検出する手順について、
図6のフローチャートを参照して説明する。なお、当該被搬送物2,2’の要注意状態を検出する手順は、前述した被搬送物2,2’の搬送効率の要注意状態を検出する手順と同期する場合があるが、便宜上、前述の手順と分けて説明する。まず、通過検出センサ7により、被搬送物2,2’の通過時間を検出(S11)すると同時に、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fにより、被搬送物2,2’の長さを検出する(S12)。
【0027】
次いで、通過検出センサ7により検出された通過信号と、標準時間メモリ12に記憶された標準時間とを、第2比較器13により比較演算し、被搬送物2が予め定めた標準時間内で通過したか否かを確かめる(S13)。またこれと同時に、第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fにより検出された長さ信号と、標準寸法メモリ15に記憶された標準寸法とを、第3比較器16により比較演算し、被搬送物2の長さが標準寸法か否かを確かめる(S14)。
【0028】
ステップ(S13)、(S14)により、被搬送物2,2’の通過時間が予め定めた標準時間外と判断されたとき、及び/または被搬送物2aの長さが標準寸法外と判断されたとき、出力部17に被搬送物注意信号を出力し、要注意搬送と判定する(S15)。被搬送物注意信号が出力された際は、被搬送物2,2’の幅寸法と上下寸法、すなわち被搬送物2,2’の大きさ(面積)が正規の被搬送物以外のものが搬送されてきたと判断することができる。従って、要注意搬送と判定されたとき、例えば2点鎖線で示すように、警報ランプや警報ブザー等の警報装置18を作動させて、直ちに搬送装置1を停止させれば、塗装工程に正規の被搬送物以外の被搬送物2,2’が搬送される恐れがなくなり、塗装むら等が発生するのを未然に防止することができる。
【0029】
上記ステップ(S13)とステップ(S14)において、被搬送物2,2’が標準時間内で通過し、かつ被搬送物2,2’の長さが標準寸法と判断されたときは、通過検出センサ7より継続して検出される通過信号と、標準時間メモリ12に記憶された標準時間とを、引き続き第2比較器13により比較演算し、先行する被搬送物が通過した後、後続の被搬送物2が標準時間内で通過したか否かを確かめる(S16)。
【0030】
ステップ(S16)において、後続の被搬送物2,2’が検出されるまでの時間が標準時間外と判断されたときは、
図3に示すように、後続の被搬送物2が不検出となるため、出力部17に搬送効率注意信号を出力し、要注意搬送と判定する(S15)。これにより、
図1に示すように、後続の被搬送物2,2’のいずれかが、吊り下げ装置4の吊支フック6に一定間隔おきに吊支されていないと判断することができる。従って、要注意搬送と判定されたとき、前述と同様に、警報装置18を作動させて搬送装置1を停止させ、空いている吊支フック6に被搬送物2,2’を吊り下げて再度搬送装置1を作動させれば、被搬送物2,2’の搬送効率を高めて、塗装効率を向上させることができる。なお、後続の被搬送物2,2’が標準時間内で通過したときは、正常搬送と判定され(S17)、被搬送物2,2’の搬送が続行される。
【0031】
以上説明したように、前記実施例の搬送装置1においては、被搬送物監視装置10を設けて、被搬送物2,2’搬送中の要注意搬送を監視するようにしている。被搬送物監視装置10の第1比較器23により、複数の長さ検出センサ8a〜8fで検出した被搬送物2,2’の実際の搬送効率が、予め標準効率記憶手段である標準効率メモリ22に記憶された標準搬送効率に満たないと判断されたとき、搬送効率注意信号を出力するので、実搬送効率が低いと判断することができる。従って、搬送効率注意信号が出力されたとき、被搬送物2,2’の搬送量、詳しくは搬送面積を増加させることで、搬送効率を高めて、次工程での作業効率を向上させることができる。
【0032】
また、被搬送物監視装置の第2比較器13により、後続の被搬送物2,2’が検出されるまでの時間が予め定めた標準時間より長いと判断されたとき、搬送効率注意信号を出力するので、後続の被搬送物のいずれかが、一定間隔おきに支持されて搬送されていないと判断することができる。従って、搬送効率注意信号が出力されたとき、空いている支持箇所に被搬送物を支持して再度搬送装置1を作動させれば、被搬送物2,2’の搬送効率を高めることができる。
【0033】
また、通過検出センサ7が、
図1の2点鎖線で示すように、被搬送物2,2’の吊支間隔と同じ間隔で、被搬送物2と同じ数だけ設けていることで、後続の被搬送物2,2’が、吊り下げ装置4の吊支フック6に一定間隔おきに吊支されていないとき、これをいずれかの通過検出センサ7により速やかに検出されるので、要注意搬送に対応した対策も迅速に行うことができる。
【0034】
更に、被搬送物監視装置10の第3比較器16により、被搬送物2aの長さが標準寸法外と判断されたときにも、被搬送物注意信号が出力されるので、正規の幅寸法と長さの被搬送物2,2’以外の被搬送物2aが搬送されてきたと判断することができる。従って、この被搬送物注意信号が出力されたとき、直ちに搬送装置1を停止させれば、次工程に正規の被搬送物2,2’以外の被搬送物2aが搬送されるのを未然に防止することができる。
【0035】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における変形や追加があっても、本発明に含まれる。
【0036】
例えば、前記実施例では、被搬送物2の通過を複数個の通過検出センサ7により検出するようにしたが、例えば通過検出センサ7は、1個のみ設けられていてもよいし、前記した長さ検出センサ8a〜8fを通過検出センサとして兼用しても構わない。
【0037】
また、前記実施例では、通過検出センサ7及び第1長さ検出センサ8a〜第6長さ検出センサ8fに、光電センサを使用したが、このような光電センサの代わりに、近接センサ、マイクロスイッチ等のタッチセンサ、反射センサ、静電容量センサ等を使用することもできる。
【0038】
さらに、前記実施例では、6個の長さ検出センサ8a〜8fを使用しているが、被搬送物2の長さに応じて、2個〜5個または7個以上としてもよいし、上下方向に連続して帯状に構成した長さ検出センサを1個のみ設けても構わない。