(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の無線通信プロトコルを介して伝送されている前記アプリケーションデータと関連づけられたエラー許容性に少なくとも一部基づいて前記アプリケーションデータロスは許容されると決定される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記第2の無線通信プロトコルを介して前記ネットワーク通信が取得されるとき、前記特定された期間の間、前記データ通信セッションの一部としての前記アプリケーションデータの伝送は保留されないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記パケットベースの通信プロトコルは汎用パケット無線サービス(GPRS)通信プロトコル、または、ロング・ターム・エボリューション(LTE)通信プロトコルであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
前記コンピュータ実行可能な命令の前記一以上のプロセッサによる実行は更に前記移動装置に、前記第1のネットワークを介して伝送されているアプリケーションデータのエラー許容性に少なくとも一部基づいて、前記アプリケーションデータロスが許容可能であるか否かを決定する段階を更に実行させる、ことを特徴とする請求項9に記載の移動装置。
前記メッセージが第2のネットワークから取得されるとき、前記データ通信セッションの一部としての前記アプリケーションデータの伝送は前記特定された期間の間保留されないことを特徴とする請求項9に記載の移動装置。
【背景技術】
【0004】
ワイヤレス通信は、回路交換(CS)アーキテクチャー又はパケット交換(PC)アーキテクチャーのいずれかで実現することができる。回路交換ネットワークは、ユーザデータ交換のために連続的接続を使用する。例えば、回路交換セルラーネットワークは、「固定」接続を使用してセルラーネットワークを通して1つの移動装置を別の移動装置へ接続する。CSルートの接続は、接続期間中不変のままである。対照的に、パケット交換ネットワークは、CS接続のように「固定」接続をもたない。むしろ、PS接続は、要素のネットワーク上を柔軟にルーティングされ、その基礎的なトランスポートルートは、事前に規定されず、ネットワーク要素間で動的にホップする。
【0005】
PSネットワークは、データを、転送のための小さな「パケット」へとセグメント化する。各パケットは、ソース及び行先の両ターミナルのルート可能なネットワークアドレス(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス)を含む。低いレベルでは、PSベースのコールが流動するが、高いレベルのソフトウェアは、冗長性又はエラー修正等を使用し且つQoS要件(例えば、待ち時間)も課して接続の完全性(即ち、全てのパケットが受信されること)を保証するために種々のパラメータをネゴシエーションする。PS接続は、データ待ち時間、スループット、帯域巾、頑健さ、等の変化するアプリケーション要件をサポートするように構成される。
【0006】
回路交換とパケット交換の配信モデル間の動作の相違は、時々、矛盾する。しかしながら、種々の理由で、回路交換ネットワークとパケット交換ネットワークとの間の相互動作が望まれる。例えば、セルラーネットワーク内では、初期のインカネーションが主として回路交換される。しかしながら、新規なデータ技術に伴い、セルラーネットワークは、パケット交換ネットワークトポロジーへと移動している。更に、回路交換セルラーネットワークは、例えば、ゲートウェイ及び他の同様のコンポーネントを経てパケット交換ネットワークへと橋絡する。
【0007】
(GSM(登録商標)、GPRS、EDGEネットワークの相互動作)
GSM(移動通信用のグローバルシステム)は、「第二世代」又は「2G」のセルラー電話技術の1つの例示的な具現化である。GSM技術は、回路交換式である。GPRS(汎用パケット無線サービス)は、パケット化データサービスをサポートするためにGSMのユーザに利用できるパケット指向の移動データサービスである。GPRSは、2.5Gのセルラー技術と考えられ、GSMと同じ無線アクセスネットワーク(RAN)を使用する。EDGE(GSM進化のためのエンハンストデータレート)、又はエンハンストGPRS(EGPRS)は、既存のGSMネットワークに対して更なる改善を与える。EDGEは、「第三世代」又は「3G」セルラー技術と考えられ、完全なパケット交換ネットワークである。
【0008】
GSM、GPRS及びEDGEの混合ネットワークは、回路交換ネットワークとパケット交換ネットワークとの間のギャップを橋絡する。完全なCSベースのネットワーク又は完全なPSベースのネットワークとは異なり、この混合ネットワーク(即ち、CS及びPSベースのルーティングをサポートする)は、特殊な事柄や制約を受ける。例えば、二重転送モード(DTM)プロトコルは、同じGSM無線チャンネルにおけるCSボイス及びPSデータの共存を可能にする。DTMケーパブルの移動電話は、GSM/EDGEネットワークにおける同時のボイス接続(CSによる)及びパケットデータ接続(PSによる)をサポートすることができる。DTM能力の具現化は、簡単ではなく、GSM/GPRS/EDGE装置は、更に、種々の程度のレガシーサポートを与える種々のクラスに細分化される。移動装置は、クラスA、クラスB及びクラスC装置に分割される。ネットワーク装置は、3つのネットワーク動作モード(NMO):NMO−1、NMO−2及びNMO−3で動作する。
【0009】
クラスAの移動装置は、GSM及びGPRS/EDGEの両ネットワークに同時に接続することができ、即ちクラスAの装置は、CS及びPS接続の同時動作をサポートする。
対照的に、クラスBの移動装置は、GSM又はGPRS/EDGEネットワークのいずれかからコールを自動的に接続するが、同時ではない。クラスBの装置がPS接続をオープンすると、到来するCSドメインコールが無視される(その逆のことも言える)。最後に、クラスCの移動装置は、GSMネットワーク又はGPRS/EDGEネットワークのみで動作するように手動で構成されねばならない。クラスCの移動装置は、1つのネットワークに接続されるだけである。
【0010】
ネットワーク装置は、ページング能力及びサポートによりNMOへと分類される。以下に詳細に述べるように、ページングは、混合ネットワークにとって特殊な重要性をもっている。簡単に述べると、NMO−1ネットワーク構造は、GSM(CS)及びGPRS/EDGE(PS)ドメインの両方において装置を一緒にページングする。換言すれば、ネットワークエンティティ(例えば、移動交換センター(MSC)、GPRSサポートノード(GSN)、等)は、GSM及びGPRSの両ページングチャンネルにおける装置の一貫したページングを保証するために内部ダイヤログを維持する。
【0011】
それとは対照的に、NMO−2は、GSMドメインにおいてのみページングメッセージを送信し、GPRSサービスは、既存のGSMページングチャンネルを経てページングされる。GSMネットワークエンティティは、GPRSネットワークエンティティからGPRSページを受信し、ページは、受信されると、GSMコントロールチャンネルを経て転送される。
【0012】
最後に、NMO−3の構成は、GSMネットワークとGPRSネットワークとの間のページングオペレーションを完全にデカップルする。不都合なことに、NMO−3ネットワークでは、移動装置は、GSM及びGPRSの両ページングチャンネルを同時に監視しなければならない。というのは、そのいずれでもページを受信できるからである。
【0013】
GSM/GPRS/EDGEの状況において、加入者は、非DTM NMO−2ネットワークで動作しているクラスBの移動装置がCSボイスコールを逸することがあると報告している。更に、持続性を有するパケットデータ交換サービス(例えば、「プッシュ」データ通知、等のスタティックなIPアプリケーション)では、問題が著しく悪化される。
不都合にも、NMO−2ネットワークエンティティは、既存のGSMチャンネルを使用してページングメッセージを与えるだけであるが、クラスBの移動装置がGPRS/EDGEサービスで占有されると、GSMメッセージが無視される。明らかに、CS及びPSドメインオペレーションを結合するための従来のGSM/GPRS/EDGE解決策は、動作の「盲点」で悩まされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、例えば、GSM/GPRS/EDGEネットワーク内でのページング動作のための改良された解決策が要求されている。そのような改良された解決策は、ユーザの経験に悪影響を及ぼすことなく、GSMから、GPRS及びEDGEネットワークを通しての全ネットワーク移行を完全にサポートしなければならない。しかしながら、より一般的には、共存するネットワーク内でページングするための改良された方法及び装置が要望される。そのような改良された解決策は、理想的には、通常の排他的条件のもとで第1ネットワークから第2ネットワークへ移行することができねばならない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ワイヤレスネットワークにおいてページングするための改良された装置及び方法を提供することにより前記要望を満足する。
【0016】
本発明の1つの態様において、ワイヤレスネットワーク内で改良されたページングを行うための方法が開示される。一実施形態では、移動装置(mobile device)におけるサービスがプライオリティ決めされ、そして移動装置又は移動装置と通信する第2ネットワーク内のアクティビティ又はプロセスを潜在的に妨げることなく、1つのネットワークを経て発生されたページングメッセージを受信できるようにプライオリティ構造が適用される。
【0017】
本発明の第2の態様において、ページング機能を実施するための装置が開示される。一実施形態では、この装置は、GSMネットワークにインターフェイスされる移動セルラー通信装置を備えている。
【0018】
別の実施形態では、この装置は、デジタルプロセッサと、このプロセッサとデータ通信する一次ワイヤレスインターフェイスと、このプロセッサとデータ通信する二次ワイヤレスインターフェイスと、このプロセッサとデータ通信する記憶装置とを備え、この記憶装置は、コンピュータ実行可能なインストラクションを含む。このインストラクションは、デジタルプロセッサにより実行されたときに、一次ワイヤレスインターフェイスに結合された1つ以上のアプリケーションに少なくとも一部分基づいてアプリケーションのリストを生成し、アプリケーションのリストに対する二次ワイヤレスインターフェイスへのアクセスを追加する。アプリケーションのリストの各アプリケーションに対して、インストラクションは、それに対応するプライオリティを指定し、1つ以上の評価事象をスケジュールし、そして評価事象の間に、その指定されたプライオリティに基づいてアプリケーションのリストから1つのアプリケーションを選択して実行する。
【0019】
本発明の第3の態様において、コンピュータ読み取り可能な装置が開示される。一実施形態では、この装置は、ホスト装置のプロセッサで実行されたときに、通常排他的な条件(例えば、回路交換及びパケット交換の同時動作)のもとで第1ネットワーク又は第2ネットワークのいずれかにおいて移動装置のページングを遂行するコンピュータプログラムが配置された記憶媒体を備えている。
【0020】
第2の実施形態では、そのプログラムは、ホスト装置のプロセッサにより実行されたときに、通信媒体へホスト装置の一次インターフェイスを結合させ、一次インターフェイスは、少なくとも1つのエラー許容アプリケーションをサポートするものであり、一次インターフェイスを保留することなくページングメッセージについて二次インターフェイスをチェックし、そしてそれにより生じるエラーを少なくとも1つのエラー許容アプリケーションにおいて無視することにより、1つ以上のアプリケーションにわたって優先的ページング受信を遂行するように構成された複数のインストラクションを含む。
【0021】
1つの変形例では、ホスト装置は、ワイヤレス移動装置であり、第1インターフェイスは、ワイヤレスインターフェイスであり、第1インターフェイス及び第2インターフェイスの一方は、回路交換ネットワークと通信し、そして第1インターフェイス及び第2インターフェイスの他方は、パケット交換ネットワークと通信する。
【0022】
本発明の第4の態様において、改良されたワイヤレス通信システムが開示される。
【0023】
本発明の第5の態様において、上述した改良されたページング方法及び装置をベースとしてビジネスを行う方法が開示される。
【0024】
本発明の第6の態様において、メッセージを受信する方法が開示される。一実施形態では、メッセージは、一次ネットワークに接続される間に二次ネットワークを経て受信され、一次及び二次ネットワークは、通常排他的であり、そしてこの方法は、1つ以上の評価事象をスケジュールし、一次ネットワークと通信する1つ以上のアプリケーションをプライオリティ決めし、評価事象ごとに、二次ネットワークがメッセージについてチェックされねばならないかどうか決定することを含む。メッセージについてチェックされるべき評価事象について、この方法は、更に、1つ以上のアプリケーションに関連した一次インターフェイスを経て受信された1つ以上のアプリケーションデータエレメントを無視し、そして二次インターフェイス上でメッセージを検出することも含む。
【0025】
1つの変形例において、一次ネットワークは、パケット交換型であり、そして二次ネットワークは、回路交換型である。例えば、一次ネットワークは、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワークであり、そして二次ネットワークは、移動通信用のグローバルシステム(GSM)ネットワークである。二次インターフェイスへの結合は、例えば、GPRS一時的ブロックフロー(TBF)期間中、又はGPRSアイドルフレーム期間中(例えば、成功裡なGPRSベースステーションアイデンティティコード(BSIC)デコード期間の後の)に行われる。
【0026】
本発明の第7の態様において、移動装置における1つ以上のアプリケーションにわたりページング受信を優先的にサポートするための方法が開示される。一実施形態では、移動装置は、一次インターフェイスに結合され、一次インターフェイスは、少なくとも1つのエラー許容アプリケーションをサポートし、そしてこの方法は、一次インターフェイスを保留することなくページングメッセージについて二次インターフェイスをチェックし、そしてそれにより生じたエラーを少なくとも1つのエラー許容アプリケーションにおいて無視することを含む。
【0027】
1つの変形例では、少なくとも1つのページングメッセージが見つかった場合に、一次インターフェイスが保留にされる。別の変形例では、ページングメッセージが見つからなかった場合に、一次インターフェイスが継続される。
【0028】
別の変形例では、少なくとも1つのエラー許容アプリケーションは、プライオリティ及びサービスクオリティ(QoS)パラメータを含み、プライオリティは、QoSパラメータに少なくとも一部分基づく。
【0029】
更に別の変形例では、一次及び二次インターフェイスは、実質的に時間整列され、そしてこの方法は、更に、二次インターフェイスをチェックする行動に対するスケジュールを決定することを含み、そのスケジュールは、共有時間事象に少なくとも一部分基づいている。共有時間事象は、例えば、フレーム又はスロット境界を含む。
【0030】
本発明の第8の態様において、パケット交換及び回路交換の両ネットワークとのバーチャル同時接続を与えるようにクラスB移動ワイヤレス装置を動作する方法が開示される。
一実施形態では、この方法は、パケット交換ネットワークの動作中における少なくとも1つの機会を識別し、そしてその少なくとも1つの機会の間にのみ回路交換ネットワークに関連したページングチャンネルをデコードすることを含む。
【0031】
1つの変形例において、この方法は、更に、ページングチャンネルを経て送られる1つ以上のページングメッセージを得るためにパケット交換ネットワークに関連したアプリケーションの動作を保留又は中断しないことを含む。
【0032】
本発明の他の特徴及び効果は、添付図面及び例示的実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより当業者に直ちに認識されよう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
全体にわたり同様の部分が同じ番号で示された添付図面を参照する。
【0035】
(概略)
1つの態様において、本発明は、通常排他的な条件のもとで第1ネットワーク又は第2ネットワークのいずれかで第1の装置をページングするための方法及び装置を提供する。
1つの例示的な実施形態では、本発明は、クラスBの移動装置(mobile device)が、GPRSネットワーク(パケット交換)に接続されたままである間に、GSMネットワーク(回路交換)からページを受け取ることができるようにする。回路交換及びパケット交換ネットワークの性質は、単一のインターフェイスに対して通常排他的であり、即ち、装置は、同じインターフェイスにおいて回路交換及びパケット交換プロトコルを同時に使用することはできない。しかしながら、本発明の態様では、クラスBの移動装置は、好都合にも、同じ無線インターフェイスを使用してGSM回路交換ネットワークのページングチャンネルを監視しながら、GPRSパケット交換ネットワークで動作することができる。
【0036】
本発明の1つの具現化において、装置は、現在実行中のアプリケーションに対してプライオリティのリストを発生する。従って、装置が多数の比較的プライオリティの低いタスクを有するときに、装置は、二次ネットワークのページングアクセスに注意を転じることができる。従って、以下に詳細に述べるように、クラスBの移動装置は、GPRSアイドル周期中にGPSページングチャンネルアクセスを受け取ることができる。
【0037】
本発明の別の態様において、装置は、二次ネットワークにおいてページを受け取るために、1つ以上の現在アプリケーションにより使用されるリソースを「徴用(commandeer)」することができる。ほとんどのデータアプリケーションは、ある程度のデータロスを既に許容するか、或いは又、データアプリケーションは、装置にとって特に有用でないことがある。そのようなデータアプリケーションを意図的に無視することにより、装置は、その注意を別のネットワークの監視に転じることができる。従って、別の例では、クラスBの移動装置は、他のエラー許容アプリケーション(ウェブブラウジング又はバックグランドタスクのような)に代わって、GSMページングチャンネルアクセスを受けることができる。
【0038】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
本発明の例示的実施形態を詳細に説明する。この実施形態は、主として、GSM、GPRS/EDGE混合セルラーネットワークのページングメカニズムに関して説明するが、当業者であれば、本発明はこれに限定されないことが明らかであろう。実際に、本発明の種々の態様は、これに限定されないが、アドホックネットワーク及びピアツーピアワイヤレスネットワークを含むここに述べる多数のページングメカニズムの同時動作から利益が得られるワイヤレスネットワーク(セルラーであるかその他であるかに関わらず)に有用である。
【0039】
図1は、本発明の種々の実施形態に有用な1つの例示的なセルラーネットワーク100を示す。セルラー無線システムは、ベースステーション(BTS)102のネットワークを備え、その各々は、移動装置104のための「セル」内に無線カバレージを与える。セルのネットワークは、1つ以上のネットワークエンティティにより管理される。2つのネットワークエンティティ、即ち第1のGSM移動交換センター(MSC)106及びサービングGPRSサポートノード(SGSN)108が示されている。図示されたように、MSC及びSGSNは、同じBTS又は専用のBTSを使用して移動装置と通信する。
【0040】
GPRS及びGSMは、周波数分割デュープレックス(FDD)及びTDMA(時分割多重アクセス)の組み合わせに基づき同じ無線アクセス方法を使用する。FDD動作は、一対のアップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)周波数帯域を各ユーザに与える。
GSM/GPRS内では、UL/DL周波数帯域は、アップリンクシグナリングについて1つそしてダウンリンクシグナリングについて1つの、一対の物理的無線キャリアを指定するARFCN(絶対高周波チャンネル番号)によって特定される。更に、UL/DL周波数帯域の各々は、TDMA動作のために時間的に分離される。TDMAシステムは、無線チャンネルをタイムスロットに分割する。各ユーザにはタイムスロットが指定される。
これは、複数のユーザが同じ高周波チャンネルを共用できるようにする。
【0041】
(ページングメカニズム)
多数のワイヤレス無線通信システムにはページングメカニズムが使用される。ページングメカニズムは、ワイヤレス装置が、とりわけ、無線リソースを解放して、電力消費を最小にするか又はリソースを他のタスクに向けることができるようにする。ページングは、一般的に、2つのタイプのモード、即ち「接続」モード及び「非接続」又は「アイドル」モードにより特徴付けされる。アイドルモードでは、ワイヤレス装置は、ページングチャンネルを周期的に監視するが、その他は、インアクティブのままである。ワイヤレス装置は、ページングチャンネルメッセージを受信すると、「ウェイクアップ」して応答する。
接続又はアクティブモードでは、ワイヤレス装置は、接続が終了されるか又は保留されるまで別の装置とアクティブに通信する。種々の技術で、接続及びアイドルモードを種々の他のサブ状態へ更に細分化することができる。
【0042】
GSM移動ネットワークでは、移動ターミナルがCCCH(共通コントロールチャンネル)を経てページングされる。CCCHは、物理的なブロードキャストコントロールチャンネル(BCCH)を経て論理的チャンネルとして搬送される。BCCHは、GSMセルラーネットワークに使用されるポイント対マルチポイントの単一方向性(ダウンリンク)無線チャンネルである。BCCHを含むGSM ARFCNは、「ビーコン」チャンネルとして指定され、フルパワーで連続的に送信することが要求される。CCCHチャンネルは、ベースステーションと移動ターミナルとの間の通信リンクを設定するのに使用される。CCCHは、移動装置のためのページング要求及びチャンネル指定メッセージを搬送する。CCCHは、更に、ページングチャンネル(PCH)及びアクセス許可チャンネル(AGCH)に分割される。アイドル移動装置は、ネットワークからのPCHサービス通知についてCCCHを監視する。
【0043】
あるGPRSネットワークは、BCCH(CCCH)に加えて、ページングのための付加的な物理チャンネルをサポートする。パケット共通コントロールチャンネル(PCCCH)は、GPRSネットワーク特有の物理的チャンネルである。GPRSセルは、PCCCHを与える必要がない。セルがPCCCHチャンネルを有していない場合には、そのセルのベースステーションが、(BCCHにおいて送信された)既存のCCCHチャンネルを経てGPRSチャンネルをページングする。
【0044】
ネットワークオペレーションモード(NMO)の前記説明を参照すると、CCCH及びPCCCHの一貫したページングメッセージをサポートするネットワークは、NMO−1として分離される。GSM及びGPRSの両方に対するページングメカニズムが共存することで、移動装置は、動作状態に関わりなく、GSM又はGPRSのためのページングメッセージを受信することができる。例えば、GPRSパケットデータコール中に、移動装置は、CCCH又はPCCCHのいずれかを経てGSMボイスコールを受信することができる。GSMとGPRSとの間の一貫したページングは、偶発的に欠落するページがないことを保証する。
【0045】
他方、NMO−3ネットワークは、CCCHを通してGSMパージングを、又はPCCCHを通してGPRSページングを、一度に1つだけ、受信することができる。CCCH及びPCCCHは、一貫したものではない(即ち、ページングメッセージが共用されない)ので、あいまいさは存在しない。移動装置は、PCCCHからGPRSページを受信するか、又はCCCHからGSMページを受信するだけである。
【0046】
NMO−1及びNMO−3とは対照的に、NMO−2ネットワークは、クラスB装置のページを潜在的にドロップさせることがある。NMO−2ネットワークは、GSMインフラストラクチャー(例えば、CCCH)を経てGPRSページを与える。装置は、GSMCCCHを経てGPRSページに応答した後に、専用のGPRSパケットデータトラフィックチャンネル(PDTCH)へ移動して、データサービスを消費する。しかしながら、不都合なことに、クラスB装置は、所与の時間にGPRS又はGSMのいずれかのコールしかサポートできない。従って、クラスB装置がGPRSコールの際にNMO−2ネットワークに接続されると、GSMページングチャンネルは、もはや監視されない。従って、将来のページング通知(CCCHにおける)は、従来の装置では完全に無視される。
【0047】
従来、データ使用は、散発的で、比較的短時間に多量の帯域巾を使用するものである。
しかしながら、近年では、帯域巾使用効率が良いために、パケットベースのデータ使用モデルが次第に普及してきている。低帯域巾、一定又はほぼ一定データレートのアプリケーション(例えば、プッシュe−メール、持続的IP接続、等)に対するパケットデータの使用が着実に増加している。従って、PSデータの接続長さが増加し続けるにつれて、GPRSデータ接続の時間巾も増加している。GPRSデータ接続の時間巾が長いほど、1つ以上のGSMページが欠落する確率も高くなる。
【0048】
(動作例)
図2を参照すれば、1つの例示的なGPRS PDTCH202及び1つの例示的なGSM BCCH204が時間ドメインにおいて示されている。図示されたように、GSMコントロールマルチフレーム202は、51のフレームを含み、そして合計で235.4msの時間巾を有する。コントロールマルチフレームは、更に、時間的にスケジュールされる論理的チャンネルへと細分化される。そのような1つの論理的チャンネルは、多数のページングチャンネルを含む多数の更に別のサブチャンネルより成る共通のコントロールチャンネルである。各ページングチャンネル(PCH)は、長さがタイムスロット4個分である。GSMチャンネル構造に関する他の詳細は、参考としてここにそのまま援用する広く出版されているGSM規格3GPP TS 05.03:“Channel coding”に説明されている。更に、全体にわたって使用される(フレーム長さ、時間巾、数、等の)実施
特有量に関する詳細は、明瞭化及び例示のために与えられたもので、本発明を実施するのに必要なものではないことが明らかである。
【0049】
又、1つのGPRS PDTCHフレーム構造も
図2に示されている。上述したように、GPRSフレーム構造は、既存のGSMフレーム構造の上に構築され、無線チャンネルの特徴が2つの技術間に共有される(例えば、GSM及びGPRSは、同じスロット及びフレームタイミング、並びに電力制約を共有する)。従って、PDTCH動作の間に、GPRSデータの4つのタイムスロットは、GSM PCHと同じ時間巾を有する。2つのチャンネル間の整列は、完全でないことがある。というのは、送信距離の変化、等のために、ある程度の時間シフトが存在するからである。時間シフトの修正は、GSM/GPRS/EDGEセルラーネットワークのアーティファクトであり、その解決策は、適用分野で良く知られている。
【0050】
本発明の一実施形態において、移動装置は、GPRS PDTCHとGSM PCH(これは、BCCHのCCCH内で送信される)との間の整列を決定し、次いで、1つ以上のアプリケーション事柄に基づいて、移動装置は、回路交換(CS)ページングデコード周期を識別する。CSページングデコード周期の間に、移動装置は、その現在アプリケーションプライオリティを識別する。アプリケーションプライオリティが、プライオリティの高いものでない場合には、移動装置は、GSM BCCHに同調し、PCHバーストをデコードする。GSM PCHデコード中に、あるデータが失われることがある。従って、プライオリティ決めステップは、移動装置がロッシーGPRSデータ受信とGSMボイスコール受信との間でトレードオフできるようにする。
【0051】
本発明の1つの態様において、移動装置及び現在GPRSネットワークは、GSMページングチャンネルをデコードするための進行中のGPRSデータ転送を保留することはしない。本発明の第2の態様では、移動装置は、GSMページング受信を含めて異なるサービスをプライオリティ決めする。従って、例えば、ユーザは、異なるクオリティサービス(QoS)要件を各々伴う異なるパケット交換サービスを有する。あるサービスは、遅延に不感である(又はウェブブラウジングのようなバックグランドクラス)。他のアプリケーションは、遅延感知である(例えば、ストリーミングビデオ又はオーディオ)。従って、本発明の1つのそのような実施例では、ウェブブラウジングは、回路交換GSMページングメッセージの収集より低いプライオリティが与えられ、一方、ストリーミングビデオ又はオーディオは、GSMページの収集より高いプライオリティが与えられる。
【0052】
図3は、(ここでは、GSM/GPRS/EDGEネットワークで動作する)本発明の移動装置の実施特有のページングチャンネルメカニズムを更に示すプロセス図である。ステップ302において、移動装置は、GSMネットワークに対するページングブロックを計算する(各加入者のページングブロックが「国際移動加入者識別(IMSI)」から計算される)。図示されたように、BS_PA_MFRMSパラメータは、PCHサブチャンネルページングデコーディングの周期性を定義する。その値は、BCCHを経てブロードキャストされ、そして2から9の範囲である。例えば、その値が9に等しい場合には、MSは、ページングサイクルごとにそのページングサブチャンネルをデコードする。
【0053】
ステップ304において、移動装置は、そのGPRSセッション管理(SM)状態マシンをチェックする。移動装置が進行中のセッションを有する場合には、移動装置は、本発明によりそのページング動作を調整するように進む。或いは又、装置がアクティブなGPRSセッションを有していない場合には、移動装置は、レガシーNMO−2ページングを実行する。他の実施形態では、後続ステップへの移行が、GPRSコールの開始によりトリガーされる(即ち、ステップ304は、セッションのエントリー/退出によりトリガーされる)。
【0054】
後続ステップの各々は、GPRS実施特有の詳細に基づく。これらの説明は、以下に述べる一般的な方法及び装置を明瞭化する上で役立つと考えられる(本書のどこかに現れる「方法」及び「例示的装置」の説明を参照)。以下に詳細に述べるように、一実施形態における本発明の移動装置は、GSM PCHをデコードするための過少利用又はアイドル周期を「徴用(commandeer)」する。従って、過少利用又はアイドル周期は、他のプロトコル又はシステムについて異なることが明らかである。
【0055】
GSM/GPRS/EDGEネットワーク内には、2つの潜在的に過少利用の周期、即ち(i)一時的ブロックフロー(TBF)及び(ii)アイドル、がある。
【0056】
一時的ブロックフロー(TBF)は、典型的に、(例えば、インターネットプロトコル(IP)データグラム、等に対する)一方向性データを送信するのに使用される。不都合なことに、TBF接続の開閉は、著しい時間を要する(数百ミリ秒程度)。従って、本発明の一実施形態では、移動装置は、欠落TBFの影響を最小にするためにその現在実行中のアプリケーションを知性的に管理する。典型的なNMO−2動作とは異なり、移動装置は、PCHデコーディングの前にGPRSネットワーク動作(例えば、TBF保留、等)を保留せず、従って、TBF周期中に送信されるGPRSデータが欠落する。GPRSデータパケットの潜在的なロスのため、移動装置は、CSページングデコーディングを既知のアプリケーションに基づいてプライオリティ決めし、或いは移動装置は、回復可能なデータロス、等に依存するか又はそれを計画する。
【0057】
アイドル周期は、一般的に、近傍のベースステーションのBSIC(ベースステーションアイデンティティコード)をデコードしてハンドオーバーを容易にするために移動ステーションにより使用される。これは、比較的重要度の低いタスクであり、移動装置が近傍のベースステーションのレコードをいったんもつと、アイドル周期は、著しく過少利用となる。これらの周期は、PCHデコーディングに使用することができる。
【0058】
図3に戻ると、ステップ306において、移動装置は、一時的ブロックフロー(TBF)が、(ステップ302で計算された)その予想GSM PCHスケジュールに重畳するかどうか決定する。TBFが重畳する場合には、GPRSネットワークの次のマルチフレームのタイムスロットが移動装置に割り当てられる。従って、その到来する短いTBFインターバル中に、移動装置は、潜在的なデータロスを受け容れようとする場合には、GSM PCHを自由にチェックする(ステップ308を参照)。しかしながら、一時的ブロックフロー(TBF)が、GSM PCHスケジュールに重畳しない場合には、移動装置は、アイドルタイムスロット中にPCHをデコードしなければならない(各々ステップ320及びステップ330を参照)。
【0059】
ステップ308において、移動装置は、プライオリティテーブル又は他のそのようなデータ構造を参照して、徴用された到来するTBFインターバルの適当な使用を決定する。
図4は、そのようなプライオリティテーブルの1つの実施例を示す。CSページングデコードが、現在のSAPI(サービスアクセスポイント識別子)より高いプライオリティを有する場合には、次のページングサイクル中に、PCHがデコードされる(310)。
図4の例示的なテーブルにおいて、「プッシュ」タイプのe−メールサービスは、GSM PCHデコードより高くプライオリティ決めされ、一方、それよりプライオリティの低い他のタスク、例えば、HTTP及びSMTPは、それに従属される。しかしながら、順序又はプライオリティは、図示されたものから変化してもよく、実際には、ユーザ入力や、親ネットワークからのコマンドを経て(例えば、ベースステーション、等を経て)動的に変化してもよいことが明らかである。ここに示す実施形態では、移動装置は、ステップ320及び330において完全なGPRS TBF保留を要求せずにGSM PCHをデコードできるかどうか決定する。一時的ブロックフロー(TBF)がGSM PCHスケジュールに重畳しない場合には、ステップ320において、移動装置は、GSM PCHバーストがGPRSフレームのアイドルフレームに整列されるかどうか決定する。GPRSフレーム構造の第26番目のフレームは、(例えば、ハンドオーバー、等に対する)上述した隣接セル測定のために、常にアイドルである。移動装置が近傍セルの最新の情報を有するか、又はそのような情報を必要としない(例えば、ハンドオーバーに関心がない、等の)場合、及びアイドルフレーム及びPCHバーストがこれらのタイムスロットにおいて重畳する場合には、移動装置は、GSMページングデコードを迅速に遂行する。
【0060】
最後に、移動装置は、GPRSフレーム内のアイドルフレーム中にGSM PCHフレームがスケジュールされるかどうか決定する(ステップ330)。例えば、GPRSアップリンク及びダウンリンクアクセスに対してタイムスロット1及び7に指定された移動装置について考えると、他の全てのタイムスロットにおいて、装置はアイドルである。従って、タイムスロット2ないし6は、これらタイムスロットにおいてPCHバーストが重畳する場合にGSMページングデコードのために使用される。
【0061】
ステップ340において、GSM PCHチャンネルが移動装置のためのページを有する場合には、ステップ350においてGPRSデータリンクが保留され(TBF保留)、そして回路交換GSMコールが確立される。
【0062】
上述したように、以上の説明は、主として、GSM/GPRS/EDGEネットワーク技術及び特徴をベースとするものである。従って、本発明の1つ以上の態様を具現化するための一般的な方法及び装置について以下に述べる。
【0063】
(方法)
図5を参照して、一次ネットワークインターフェイスの現在アプリケーションロードに少なくとも一部分基づいて二次ネットワークインターフェイスのためのページングチャンネル受信を行う一般的な方法500の例示的実施形態を説明する。本発明の1つの態様において、二次ネットワークのページングチャンネルは、一次ネットワークにおける凪又は比較的重要度の低い期間中にのみデコードされ、従って、非常にプライオリティの高いアプリケーションは、二次ページングチャンネルデコードディングの先を越すものである。
対照的に、プライオリティの低い一次ネットワークデータアクティビティは、二次ネットワークページングメッセージを収集するために簡単に外される。以下の方法は、第1又は一次ネットワークに接続される第1装置を参照する。その後、第1装置は、第2又は二次ネットワークのページングメッセージをデコードする。
【0064】
更に、以下の説明は、主として、回路交換型の二次ネットワーク及びパケット交換型の一次ネットワークを参照して述べるが、本発明は、一次ドメインと二次ドメインとの間に整合が存在しない通信システムにも適用できる。例えば、LTE−CDMAのような将来の技術は、互換性のない多数のモードを一緒に混合することができる。更に、本発明を実施するのにワイヤレス動作は要求されず、本発明は、同じ物理的媒体を経て排他的ワイヤライン技術を結合するときにも特に使用できることが明らかであろう。
【0065】
方法500のステップ502において、第1装置は、一次ネットワークに接続される。
一実施形態において、第1装置は、一次ネットワークとの1つ以上のアクティブなセッションをオープンする。又、第1装置は、近傍のネットワークの識別も行う。ある変形例では、一次ネットワークは、近傍のネットワークとある程度互換性がある。他の変形例では、一次及び近傍のネットワークは、全く関係がない。
【0066】
一実施形態において、第1装置は、近傍のネットワークから1つ以上の二次ネットワークを識別し、第1装置は、例えば、GSM/GPRS/EDGEイネーブル型クライアントであり、一次ネットワークは、GPRSネットワークであり、そして二次ネットワークは、GSMネットワークである。更に、そのような1つの変形例では、イネーブル型クライアントは、クラスBのGSM/GPRS/EDGEクライアントであり、そして一次ネットワークは、NMO−2準拠の動作を経て、GSM無線アクセスネットワークを使用してGPRS SGSNにより管理される。
【0067】
ステップ504において、第1装置は、一次ネットワークで実行されている現在アプリケーションプライオリティのリストを識別し維持する。一実施形態では、第1装置は、第2ネットワークにメッセージを得るために、第1ネットワークからのメッセージを選択的に欠落しようとする。例えば、パケット交換GPRSに接続された移動装置では、回路交換GSMページを受信するために、プライオリティの低いメッセージを欠落するよう接続が選択的に行われる。又、本発明は、あるGPRSデータサービスが他のものより一時的なデータロスに対して弾力性があり、そしてこの知識を使用して、システムの動作を適宜に最適化できることも予期している。
【0068】
一実施形態では、各セッション又はその分離可能なサブ区分は、相対的な重要性があり、そして関連サービスクオリティのパケット交換データサービスは、例えば、第1次元では無線リンク又は実行中のアプリケーションに対するそれらの重要性に基づいて分類されると共に、第2次元では欠落データに対するそれらの弾力性に基づいて分類される。そのような弾力性は、例えば、エラー修正、許容できる待ち時間、受け容れられるロス、等の程度で測定される。
【0069】
本発明の1つの態様において、一次ネットワークで実行される各アプリケーションにはプライオリティが指定される。そのような1つの具現化において、周辺の二次ページングチャンネルアクセスのためのタスクには、一次ネットワークアプリケーションに対するプライオリティが指定される。第1装置によるプライオリティの指定は、第1装置が、二次ページングアクセスの受信を調整できるようにし、それにより、一次ネットワークに対するそのような周辺受信の影響を最小にする。同様に、プライオリティ決めは、二次ページングアクセスが第1ネットワークの比較的低い利用性に勝つことができるようにする。1つの変形例では、プライオリティの指定は、アプリケーションタイプ(例えば、HTTP、SMTP、ストリーミング、等)のスタティックなメトリックに基づいて行われる。他の変形例では、プライオリティの指定は、動的な調整に基づいて行われる。
【0070】
ステップ506において、第1装置は、周辺の二次ネットワークページングアクセスをスケジューリングする。一実施形態では、第1装置は、第1ネットワークと第2ネットワークとの間の既存の関係に基づいてスケジュールを導出する。例えば、GSM/GPRSネットワークでは、GSMネットワークは、GPRSネットワークに対して同一のタイミングを有し、移動装置は、タイミングシフトを補償して、適切なページングチャンネルを導出するだけでよい。しかしながら、他のネットワークでは、既存の関係はない。そのような非整合ネットワークを分析することで、周辺アクセスにおいて欠落となるパケット、フレーム、データ、等の数の推定値を生じることができる。この推定値に基づいて、第1装置は、周辺ネットワークアクセスを適当にスケジュールすることができる。
【0071】
更に、他の実施形態では、スケジュールは、他の事柄によって影響を受ける。例えば、第1装置は、二次ネットワークのページングアクセスデコーディングの試みを食い違わせようとする。そのような食い違いは、他の装置の事柄、例えば、電力消費、処理負担、アプリケーション要件、ユーザの「経験」(例えば、認知できる待ち時間を含む)、等に基づく。
【0072】
ステップ580において、スケジュールされた周辺二次ネットワークアクセスがトリガーされると、第1装置は、適当にプライオリティ決めされたアクションを決定する。二次ネットワークアクセスが他の現在アクションより高いプライオリティを有する場合には、第1装置は、ステップ510へ進む。さもなければ、他の一次ネットワークアクティビティがより重要である場合には、第1装置は、適当なアクション508Aを実行し、そして次にスケジュールされた周辺事象を待機する。
【0073】
一実施形態では、第1装置は、ステップ504で発生されたプライオリティ決めスケジュールを調べて、適当なアクションを決定する。プライオリティは、異なる解決策に基づいて、例えば、各スケジュールされた繰り返しの後に更新されてもよい。例えば、あるケースでは、低プライオリティタスクのプライオリティを高くして、少なくとも何回か行うようにする必要がある。他の変形例では、プライオリティは、スタティックであり、変化しない。
【0074】
更に別の変形例では、例えば、(低ビットレートストリーミングデータのような)アイソクロナスアプリケーションに幾つかの他の事柄が存在し、所与の時間フレームにおいてデータを送信しなければならない。しかしながら、時間フレームにおいていつデータを送信するかについての要求がない(即ち、インターバル内に入る限り、インターバル内で早く送られても遅く送られても等しく良好である)。
【0075】
ステップ510において、第1装置が二次ネットワークにおいてページングメッセージを検出する場合に、第1装置は、一次ネットワークの動作を保留し、そして二次ネットワークのページにサービスする。他の具現化では、第1装置は、ページに選択的に応答する。更に別の解決策では、第1装置は、一次ネットワークの動作を保留せずにページに応答することができる(即ち、より多くのデータが途中で脱落するのを許す)。例示的な実施形態では、GSMページが保留中であることを決定するクラスB装置は、TBF保留メッセージをGPRS SGSNへ送信し、それにより、更に別のGPRSサービスを停止させる。
【0076】
(例示的な移動装置)
図6を参照し、本発明の方法を具現化するのに有用な例示的な装置600について説明する。
【0077】
この装置600は、1つ以上の基板604にマウントされたデジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は複数の処理コンポーネントのようなプロセッササブシステム602を備えている。又、この処理サブシステムは、内部キャッシュメモリも備えている。処理サブシステム602は、例えば、SRAM、フラッシュ及びSDRAMコンポーネントを含むメモリより成るメモリサブシステム606に接続される。このメモリサブシステムは、良く知られたように、データアクセスを容易にするために1つ以上のDMAタイプハードウェアで実施される。
【0078】
無線/モデムサブシステム608は、一般的に、デジタル基本帯域、アナログ基本帯域、TXフロントエンド及びRXフロントエンドを備えている。装置600は、更に、アンテナアッセンブリ610も備え、選択コンポーネントは、特定の周波数レンジ又は指定のタイムスロットに対する種々のアンテナ動作モードを可能にするための複数のスイッチを含む。本開示が与えられると、当業者に明らかなように、ある実施形態では、あるコンポーネントを除去してもよいし、さもなければ、互いに合体してもよい(3GデジタルRFに使用されるタイプの、結合されたRF RX、RF TX及びABBのような)。
【0079】
ここに例示する電源管理サブシステム(PMS)612は、装置に電力を供給し、そして集積回路及び/又は複数の個別の電気的コンポーネントを含む。装置の1つの例示的なポータブル移動装置では、電源管理サブシステム612は、バッテリとインターフェイスする。
【0080】
この装置のある実施形態では、ユーザインターフェイスシステム614が設けられる。
ユーザインターフェイスは、キーパッド、タッチスクリーン又は「マルチタッチ」スクリーン、LCDディスプレイ、バックライト、スピーカ、及びマイクロホンを含む多数の良く知られたI/Oを含むが、これに限定されない。しかしながら、ある用途では、これらコンポーネントの1つ以上が省かれてもよいことが認識される。例えば、PCMCIAカードタイプの移動装置実施形態は、ユーザインターフェイスがなくてもよい(それらが、物理的及び/又は電気的に結合された装置のユーザインターフェイスに便乗できるからである)。
【0081】
図6の装置は、更に、任意の付加的な周辺装置も備え、これは、1つ以上のGPSトランシーバ、又はネットワークインターフェイス、例えば、IrDAポート、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、Wi−Fi(IEEE規格802.11)トランシーバ、WiMAX(IEEE規格802.16e)トランシーバ、USB(例えば、USB2.0、USB3.0、ワイヤレスUSB、等)、Firewire、等を含むが、これに限定されない。しかしながら、これらのコンポーネントは、本発明の原理による装置600の動作には必ずしも要求されないことが認識される。
【0082】
(ビジネス方法及びルール)
以上の装置及び方法は、実現可能で、且つ種々のビジネスモデルに容易に適応されることが認識される。
【0083】
1つのそのようなビジネスパラダイムにおいて、適当にイネーブルされたユーザ装置は、セルラーページを頑健に受信し(サービス通知をより速く受信し)、多数のネットワークの既存のページングチャンネルを効率的に監視し、それにより、知覚される全体的な経験のクオリティを高める。レガシー装置は、一度に1つのネットワークからページを効率的に受信できるだけであるが、本発明による装置は、複数のネットワークの動作に素早くまたがることができる。前記解決策は、非常に効率的であり、又、移動装置による電力消費を著しく改善し、それにより、バッテリ寿命を延長し、ひいては、ユーザ経験を伸ばすことができる。そのため、そのような装置は、ネットワークオペレータ又は製造者により「アップグレード」又は「プレミアム」装置として提供され、そしてより高い価格及び/又は契約料金で売ることができる。或いは又、それらを、ネットワークオペレータにより既存の加入者に、それらの契約に関連した期間及び/又はサービスの延長と引き換えに、報奨として与えてもよい。
【0084】
本開示が与えられれば、ページングチャンネル回復を具現化する他の多数のスキーム、及びそれを利用するビジネス方法が当業者によって認識されよう。
【0085】
本発明の幾つかの態様を方法ステップの特定シーケンスに関して説明したが、これらの説明は、本発明の広い方法を単に例示するものに過ぎず、特定の用途で要求されるように変更できることが認識される。あるステップは、ある環境のもとでは不要とされ又は任意とされる。更に、ここに開示された実施形態に幾つかのステップ又は機能を追加することもできるし、或いは2つ以上のステップの実行順序を入れ替えることもできる。このような変更は、全て、特許請求の範囲内に包含されると考えられる。
【0086】
本発明の新規な特徴を種々の実施形態に適用して、以上に詳細に説明したが、当業者であれば、本発明から逸脱せずに、ここに示す装置又はプロセスの形態及び細部に種々の省略、置き換え及び変更がなされ得ることが理解されよう。又、以上の説明は、本発明を実施するのに現在意図された最良の態様である。この説明は、これに限定されるものではなく、本発明の一般的な原理を例示するに過ぎない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に基づいて決定されるべきである。