(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6002246
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】動力車のパワートレインの適応制御
(51)【国際特許分類】
B60W 30/182 20120101AFI20160923BHJP
F02D 11/10 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
B60W30/182
F02D11/10 K
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-553730(P2014-553730)
(86)(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公表番号】特表2015-506308(P2015-506308A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】EP2013051440
(87)【国際公開番号】WO2013110759
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2014年8月20日
(31)【優先権主張番号】1201201.9
(32)【優先日】2012年1月25日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ダーネル
(72)【発明者】
【氏名】エリオット・ヘメス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ステイシー
【審査官】
山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−147294(JP,A)
【文献】
特開2005−090452(JP,A)
【文献】
特開2008−168866(JP,A)
【文献】
米国特許第05265570(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0114521(US,A1)
【文献】
米国特許第05961420(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/182
F02D 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるアクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整する方法であって、
車両の第1の操作モードを検知して、ソース特性を適応するステップと、
車両の第2の操作モードへの変更を検知して、ターゲット特性を選択するステップと、
基本のブレンド調整レートでソース特性からターゲット特性へブレンド調整し、ブレンド調整中、アクセルペダル位置がブレンド調整に起因したトルク変化の方向に移動した場合に、ブレンド調整レートを増大させるステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
車両におけるアクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整する方法であって、
車両の第1の操作モードを検知して、ソース特性を適応するステップと、
車両の第2の操作モードへの変更を検知して、ターゲット特性を選択するステップと、
基本のブレンド調整レートでソース特性からターゲット特性へブレンド調整し、ブレンド調整中、アクセルペダル位置が移動しないか、またはブレンド調整に起因したトルク変化の方向とは反対の方向に移動した場合に、ブレンド調整レートを低減させるステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
ブレンド調整レートの低減は、ソース特性とターゲット特性のトルク差に応じて調整可能であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
基本のブレンド調整レートはゼロでないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の方法。
【請求項5】
アクセルペダル位置が移動しないか、またはブレンド調整に起因したトルク変化の方向とは反対の方向に移動した場合に、基本のブレンド調整レートを再利用するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アクセルペダル位置がブレンド調整に起因したトルク変化の方向に移動した場合に、基本のブレンド調整レートを再利用するステップをさらに有することを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項7】
基本のブレンド調整レートは、ソース特性とターゲット特性のトルク差に応じて調整可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
ブレンド調整レートの増大は、ソース特性とターゲット特性のトルク差に応じて調整可能であることを特徴とする請求項1、4、5、7のいずれか1に記載の方法。
【請求項9】
ブレンド調整レートは、その百分率で増減することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の方法。
【請求項10】
基本のブレンド調整レートが増減する量は、その時点でのアクセルペダル位置に依存することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の方法。
【請求項11】
メモリ内に記憶された複数のトルクマップを参照して、アクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整するための車両の電子制御システムであって、このシステムは、
車両の第1の操作モードを検知して、ソーストルクマップを適応し、
車両の操作モードの変更を検知して、ターゲットトルクマップを選択し、
基本のブレンド調整レートでソーストルクマップからターゲットトルクマップへブレンド調整し、
基本のブレンド調整レートは、ブレンド調整に起因したトルク変化がドライバ要求の方向であるときに増大するように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項12】
メモリ内に記憶された複数のトルクマップを参照して、アクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整するための車両の電子制御システムであって、このシステムは、
車両の第1の操作モードを検知して、ソーストルクマップを適応し、
車両の操作モードの変更を検知して、ターゲットトルクマップを選択し、
基本のブレンド調整レートでソーストルクマップからターゲットトルクマップへブレンド調整し、
基本のブレンド調整レートは、ブレンド調整に起因したトルク変化がドライバ要求の方向でないときに低減するように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項13】
ブレンド調整レートは、ソーストルクマップとターゲットトルクマップのトルク差に応じて決定されることを特徴とする請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
基本のブレンド調整レートは、その時点でのアクセルペダル位置に応じて決定されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1に記載のシステム。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか1に記載のシステムを備えた車両であって、
それぞれの操作モードに対して複数のトルクマップのうちの1つが選択され、異なる使用状態に応じて車両の操作モードを自動的に変更する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、動力車のパワートレインの適応制御に関する。特に、本発明に係る実施形態は、これに限定するものではないが、とりわけエンジン動作モードが変化する中で、オペレータの要求に対するエンジンに呼応した内燃エンジン等のパワートレインの動力源の適応制御に関する。エンジン操作モードは、エンジンが搭載された車両の操作モードの変更に付随して変化する。本発明の態様は、システム、方法、および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の内燃エンジンは、ドライバにより選択可能な動作モードを有する。すなわち、いくつかの車両は、エコノミーモード、ノーマルモード、およびスポーツモードを有し、各モードは、1つまたはそれ以上のドライバ要求に対して異なるエンジン応答を有する。典型的には、エンジンは、アクセルペダルの所与の入力に対して各モードで異なった応答を示し、エコノミーモードでの応答性が最も低く、スポーツモードでの応答性が最も高い。このように、たとえばエンジンの所望の出力トルク特性に適したアクセルペダルの可動範囲を設定することにより、車両の運転操作性を改善することができる。こうしたシステムは、詳細後述する複数のアクセルペダル位置/出力トルクのマップを有する電子制御ユニットに入力信号を出力する加速度計ポテンショメータ等、車両ドライバからの電気的インプットに必然的に依拠する。
【0003】
別の種類の動作モードは、車両が走行しようとしている地形に関する。ここに参考として一体に統合される米国特許第7,349,776号は、広範な運転状況に対して、特にオフロード走行中に遭遇し得る数多くの異なる地形に対して改善された制御方法を実現できる車両制御システムを開示している。地形に関するドライバが入力した要求に応じて、車両制御システムは、1つのまたはそれ以上の地形応答(TR)モードを含む数多くの異なる動作モードの内の1つの動作モードで動作するように選択される。各地形応答モードに対して、さまざまな車両サブシステムが対応する地形に適した手法で動作する。
【0004】
1つの実施形態において、前進第1ギア以外の第2ギアで静止状態から発進するとき、車輪が過剰にスリップするリスクを低減するように車両を構成するモード(冬仕様モード)を利用することができる。異なるモードにおいて、アクセルペダル位置/出力トルクマップ、トルク伝達(ギアシフトを行う頻度を決定するように変速機クラッチの制御された係合頻度に関連したアクセルペダル位置/出力トルクマップ)、および表面摩擦係数の関数としての変速シフトポイントは、それぞれ異なる。たとえば、1つまたはそれ以上の地形応答モードにおいて、変速シフトは、より緩やかに(より緩慢な頻度で)行われた頻度より遅く行われるように構成される。
【0005】
ドライバが適当な地形応答モードを選択したとき、車両制御ユニット(VCU)は、対応する1つまたはそれ以上のアクセルペダル/トルクマップを選択する。たとえば、岩石の多い路面上を走行しているとき、こうした地形上を走行するのに適した操作モードが選択され、そのアクセルペダル/トルクマップがわずかなアクセルペダル動作で高出力トルクを形成し、岩石の段差を乗り越えられるような瞬発力を与える。これとは対照的に、砂地路面上では、車両の車輪がスピン回転し、穴を掘ることがないように、同じアクセルペダル動作で少しのトルクを出力させてもよい。選択された地形応答モード(およびトルクマップ)は、たとえば地形上を走行する車両の1つまたはそれ以上の車輪の利用可能なグリップ力に関連付けて、ある程度、ユーザが判断すべき事項である。
【0006】
車両の異なる操作モードのそれぞれに付随する任意の2つのトルクマップは、ゼロアクセルペダル位置/ゼロトルクのポイント、および最大アクセルペダル位置/最大トルクのポイントにおいて一致する。これらの状態の間においては、マップを用いて、アクセルペダル位置の変化の関数としてエンジン出力トルクを決定する場合、エンジン出力トルクが急激に変化することがある。
【0007】
車両ドライバが択一的な操作モードを選択した場合、エンジン応答特性の変更は、通常、これに車両ドライバが驚くことはなく、予想されたものであり、好ましいものである。しかしながら、車両が操作状態の変化を検知したことに応じて自動的に操作モードを選択した場合、問題が生じる場合がある。すなわちアクセルペダルを操作したときに、車両がたとえば岩石地形から砂地地形への地形変化を検知した場合、異なるトルクマップを採用するようにエンジンに命令する。特に自動モード変更が頻繁に繰り返し実行される場合には、その後に生じるエンジン応答の変化は、ドライバを混乱させることがある。とりわけアクセルペダルをモード変更時に移動させなかった場合、車両ドライバを混乱させることがある。
【0008】
図1は、パワートレイン101Pを有する既知の動力車101を示す。パワートレイン101Pは、エンジン121、トランスミッション(変速装置)124、動力テイクオフユニット(動力取出ユニット、PTU)137、後輪のドライブシャフトまたはプロペラシャフト131Rと、前輪のドライブシャフトまたはプロペラシャフト131Fとを有する。後輪のドライブシャフト131Rは、後輪ディファレンシャル(後輪作動装置)135Rを介して一対の後輪113,114を駆動するように動作可能であり、前輪のドライブシャフト131Fは、前輪ディファレンシャル(前輪作動装置)135Fを介して一対の前輪111,112を駆動するように動作可能である。
【0009】
車両101は、アクセルペダル161からのアクセルペダル位置信号を受信するように構成されたエンジンコントローラ121Cと、ブレーキペダル161からのブレーキペダル位置信号を受信するように動作可能なブレーキコントローラ141Cとを有する。
【0010】
図1の構成において、トランスミッション124は、2輪駆動操作または4輪駆動操作を選択できるように、動力テイクオフユニットPTU137を介して後輪ドライブシャフト131Rと着脱可能に接続されている。
【0011】
動力テイクオフユニットPTU137は、入力シャフトと出力シャフトとの間のギア比が高速比または低速比に選択される「高速比」構成または「低速比」構成で動作可能である。高速比構成は、一般的なオンロード走行または「高速道路」走行に適し、低速比構成は、特定のオフロード地形および牽引時等の他の低速走行に対応するのにより適したものである。
【0012】
車両101は、車両制御ユニット(VCU)101Cと呼ばれる中央コントローラ101Cを有する。車両制御ユニット(VCU)101Cは、車両に搭載されるさまざまなセンサおよびサブシステムに信号を出力し、これらからの信号を受信する。
【0013】
車両101は、トランスミッション124の必要とされる操作モードを選択するように動作可能な変速機モード選択ダイヤル124Sを有する。選択ダイヤル124Sは、変速機コントローラ124Cに制御信号を出力することにより、選択されたモードに応じてトランスミッション124を操作するように制御する。利用可能なモードは、パーク(駐車)モード、バック(後方走行)モード、およびドライブモードである。
【0014】
また車両101は、地形応答モード選択ダイヤル128Sを有する。地形応答モード選択ダイヤル128Sは、車両操作の必要とされる地形応答モードを選択するようにドライバにより操作することができる。
【0015】
理解されるように、ユーザがトランスミッション124のドライブモードを選択したとき、エンジンコントローラ121Cは、ドライブモードのスロットルマップを用いて、アクセルペダル位置Pの関数としてエンジンが出力すべきドライブトルク量Tを決定する。ユーザがトランスミッションのスポーツモードを選択したとき、エンジンコントローラ121Cは、ドライブモードのスロットルマップの代わりに、スポーツモードのスロットルマップを用いる。スロットルマップにおいて、スポーツモードスロットルマップは、アクセルペダル161の所与の初期移動(踏込等)に対して、エンジンがより攻撃的に応答するように構成される点で異なる。それぞれ異なる操作性フィルタが、選択されたトランスミッションモードとは独立して適用されてもよい。
【0016】
異なるユーザ選択可能な地形応答モードに対して、それぞれ異なるアクセルペダル位置/出力トルクマップ(操作性フィルタ)が採用される。
【0017】
上述のように、いくつかの実施形態では、車両は、支配的な運転状態に適した地形応答モードを自動的に選択するように動作可能である。
【0018】
図2は、アクセルペダルの踏込量が0%から最大100%の範囲で推移するアクセルペダル位置Pの関数としてのトルク出力Tを表すプロット(グラフ)の形態を有する2つの異なるアクセルペダル移行マップを示す。
【0019】
図2は、2つの極端な車両操作モードA,Bを示す。操作モードAは、当初段階で慎重な(用心深い)トルクマップであり、たとえば砂上走行中に適した地形応答モードに対応するものである。操作モードBは、より強引な(攻撃的な)トルクマップであり、岩石地形上の走行中に適した地形応答モードに対応するものである。ドライバは、地形応答モード選択ダイヤル128Sを用いて、モードAまたはモードBに応じて操作を選択することができる。いくつかの車両において、異なるトルクマップが車両制御ユニット(VCU)101Cにより自動的に選択されてもよい。
【0020】
すなわちポイントCにおいて(アクセルペダルが50%踏み込まれているとき)、モードAからモードBに切り換えると、急にポイントDに飛び移り、エンジンの出力トルクが急激に上昇する。トルク特性は実質的にラインBに沿って移行する。逆方向に切り換えると、出力トルクが実質的に低減することになる。一般に、トルクマップを切り換えると、出力トルクがy軸方向に変化する。
【0021】
時間をかけてエンジンの出力トルクを変化させてもよく、
図3に示すように時間をかけてブレンド調整することができる。
図3は、ポイントCにおいて、モードAからモードBへブレンド調整しているとき、時間の関数としての出力トルクをプロットしたグラフである。すなわち出力トルクの急激な変化を回避するように、ポイントCからポイントDへの増大を制御してもよい。たとえば7Nm/sの最大ブレンド調整率で調整し、および/またはたとえば20秒間の最大時間内において一定の速度でブレンド調整してもよい。トルク変化が小さければ比較的に速やかにブレンド調整することができ、トルク変化が大きければより長い時間がかかる。
【0022】
一方のトルク特性から別のトルク特性への長時間のブレンド調整中に、車両ドライバがアクセルペダル16を移動させて、車両エンジン121からのトルクを増減させたい場合がある。車両ドライバの変更命令から計測される変更時間を最小限に抑えることが好ましい。
【0023】
本発明は、上記課題に鑑みて着想されたものである。本発明に係る態様および実施形態は、トルクのブレンド調整を改善するシステム、方法、または車両に関するものである。本発明に係る他の目的および利点は、以下の発明の詳細な説明、クレーム、および図面から明らかなものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】米国特許第7,349,776号明細書
【発明の概要】
【0025】
保護を求めようとする本発明の第1の態様によれば、車両におけるアクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整する方法が提供され、
この方法は、
車両の第1の操作モードを検知して、ソース特性を適応するステップと、
車両の第2の操作モードへの変更を検知して、ターゲット特性を選択するステップと、
基本のブレンド調整レートでソース特性からターゲット特性へブレンド調整し、ブレンド調整中、アクセルペダル位置がブレンド調整に起因したトルク変化の方向に移動した場合に、ブレンド調整レートを増大させるステップとを有する。
【0026】
保護を求めようとする本発明の第2の態様によれば、車両におけるアクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整する方法が提供され、
この方法は、
車両の第1の操作モードを検知して、ソース特性を適応するステップと、
車両の第2の操作モードへの変更を検知して、ターゲット特性を選択するステップと、
基本のブレンド調整レートでソース特性からターゲット特性へブレンド調整し、ブレンド調整中、アクセルペダル位置が実質的に移動しないか、またはブレンド調整に起因したトルク変化の方向とは反対の方向に移動した場合に、ブレンド調整レートを低減させるステップとを有する。
【0027】
アクセルペダル位置に関連付けられた出力トルクの特性は、内燃エンジンのフライホイールに出力されるトルクを直接的に意味するものであってもよいし、車両の車輪、パワー出力、牽引力、燃料フロー、またはアクセルペダルの移動とトルク出力に応じて変化する任意の測定可能なインジケータ等の同等のものを意味するものであってもよい。出力トルクは、電気モータ等の他の形態の原動力の出力またはモータ電流等の同等のものを表すものであってもよい。たとえば車両がハイブリッド電気自動車であって、1つまたはそれ以上の推進源を平行して作動させるものである場合、出力トルクは、エンジンと、1つまたはそれ以上の電気推進モータからパワートレインに伝達される純トルク(ネットトルク)に相当するものであってもよい。
【0028】
同様のものが数多く知られており、トルクは便利な直接的測定結果であるが、本発明に係る実施形態は、変化するペダル移行特性を定義するために1つまたはそれ以上の同等物の使用を排除するものではない。
【0029】
すなわち本発明の実施形態によれば、トルク推移中、車両ドライバがアクセルペダル位置をトルク要求の変化の方向に移動させるとき、車両操作モードの変更に起因するターゲット特性に対するトルク要求の変更を比較的に迅速に完了させることができる。
【0030】
本発明の実施形態によれば、モード変更に伴うトルク出力の変化により、ドライバの意図がトルク出力の変化する方向であるとき、車両ドライバをあまり混乱させないようにすることができる。
【0031】
上記説明した本発明に係る第1の態様によれば、基本のブレンド調整レートは、ゼロまたは正の値であってもよく、増大させたブレンド調整レートはより大きい値を有する。上記説明した本発明に係る第2の態様によれば、基本のブレンド調整レートは、正の値であり、低減させたブレンド調整レートはより小さいレートまたはゼロとなる。
【0032】
本発明に係る実施形態は、さまざまな方法で実施することができる。1つの方法では、モード変更に起因する出力トルク変化が要求され、ドライバのトルク要求がトルク変化の方向に変化するとき、基本のブレンド調整レートを適用する。ドライバのトルク要求が実質的に変化しないとき、およびドライバのトルク要求がブレンド調整の方向とは反対の方向に変化するとき、低減されたブレンド調整レートを適用する。
【0033】
1つの択一例では、モード変更に起因して出力トルクが変化する場合、ドライバのトルク要求が実質的に変化せず、または出力トルクが変化する方向とは反対の方向に変化するとき、基本のブレンド調整レートが適用される。ドライバのトルク要求が出力トルク変化方向にあるとき、増大させたブレンド調整レートが適用される。
【0034】
別の択一例では、標準的なブレンド調整レートを決定し、増減させたブレンド調整レートがモード変更に起因する出力トルク変化に関連するドライバ要求方向に応じて適用される。
【0035】
すべてのペダル移行トルク特性に対して、一定の基本ブレンド調整レートを適用してもよいが、特定のソースマップおよびターゲットマップに応じて基本ブレンド調整レートを適用することが好ましい。たとえば基本ブレンド調整レートは、その時点におけるソースマップとターゲットマップのトルク差に応じて変化させてもよく、トルク差が大きいほどブレンド調整レートも大きくする。さらに基本ブレンド調整レートは、アクセルペダルを完全に閉じた状態から完全に開いた状態まで移動するとき、異なるブレンド調整レートを適用するように、アクセルペダル位置に応じて調整してもよい。異なるブレンド調整レートは、たとえばトルクマップとアクセルペダル位置の関係を参照するルックアップテーブルに記録してもよい。
【0036】
同様に、調整された(増減された)ブレンド調整レートは、離散的または基本ブレンド調整レートの百分率として定義されてもよいし、出力トルクマップ間のトルク差、または現時点でのアクセルペダル位置に応じて修正してもよい。理解されるように、百分率で参照することは、割合を参照することと直接的に対応し、他の値との割合ではない固定的な絶対値とは異なるものである。
【0037】
出力トルクと同等のものの場合、当業者ならばドライバ要求が出力トルク(または選択された出力トルクに同等のもの)の変化の方向にあるとき、より迅速にブレンド調整を完了させる目的で、同様の効果を得るためのパラメータを特定するだろう。
【0038】
本発明に係る1つの実施形態において、特定の状態および現時点でのアクセルペダル位置に起因するブレンド調整レートの変化が、ソース特性とターゲット特性の現時点でのトルク差に関連付けられる。
【0039】
すなわちブレンド調整の方向のドライバ要求を受けた後の増大されたブレンド調整レートが、段差的な(急激な)変化になることがあり、たとえばブレンド調整レートが増大するときに30%〜100%の範囲でブレンド調整レートが増大することがある。ただし好適には、ブレンド調整レートの増大は現時点でのトルク差に比例し、トルク差が大きいほどブレンド調整レートも大きく、トルク差が小さくなるほどブレンド調整レートも徐々に小さくなる。ブレンド調整レートは、現時点でのアクセルペダル位置に応じて変化させてもよい。
【0040】
本発明のさらなる態様によれば、メモリ内に記憶された複数のトルクマップを参照して、アクセルペダル位置と出力トルクに関する複数の異なる特性をブレンド調整するための車両の電子制御システムが提供される。このシステムは、車両の第1の操作モードを検知して、ソーストルクマップを適応し、車両の操作モードの変更を検知して、ターゲットトルクマップを選択し、基本のブレンド調整レートでソーストルクマップからターゲットトルクマップへブレンド調整し、基本のブレンド調整レートは、ブレンド調整に起因したトルク変化がドライバ要求の方向であるときに増大するように構成される。
【0041】
任意的には、追加的または択一的に、ブレンド調整中、アクセルペダル位置が実質的に移動しないか、またはブレンド調整に起因したトルク変化の方向とは反対の方向に移動した場合に、ブレンド調整レートを低減させてもよい。
【0042】
本発明のさらなる態様によれば、電子制御システム等、地形変化等の異なる使用状態に応じて操作モードを自動的に変化させるシステムを備えた車両が提供される。
【0043】
本願の範疇において、上記段落、クレーム、および/または以下の明細書および図面に記載された、さまざまな態様、実施形態、実施例、および択一例、特に個々の特徴物は、独立してまたは組み合わせて採用することができる。たとえば1つの実施形態に関連して説明された特徴物は、その特徴物が矛盾するものでなければ、すべての実施形態に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
添付図面を参照しながら、ほんの一例としてのみ、本発明に係る実施形態について以下説明する。
【
図2】車両の異なる操作モード間のトルクのブレンド調整を示すグラフである。
【
図3】車両の異なる操作モード間のトルクのブレンド調整を示すグラフである。
【
図4】本発明に係る実施形態による動力車の概略図である。
【
図5】本発明に係る実施形態による修正されたブレンド調整を示すグラフである。
【
図6】本発明に係る実施形態による修正されたブレンド調整を示すグラフである。
【
図7】ドライバの意図に対応する変化に伴ってブレンド調整レートを増大させる方法において、本発明に係る実施形態による効果を示す。
【
図8】ドライバの意図に対応する変化に伴ってブレンド調整レートを増大させる方法において、本発明に係る実施形態による効果を示す。
【
図9】ドライバの意図に対応する変化に伴ってブレンド調整レートを増大させる方法において、本発明に係る実施形態による効果を示す。
【
図10】ドライバの意図に対応する変化に伴ってブレンド調整レートを増大させる方法において、本発明に係る実施形態による効果を示す。
【
図11】ドライバの意図に対応する変化に伴ってブレンド調整レートを増大させる方法において、本発明に係る実施形態による効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図4は、本発明に係る実施形態による動力車201の概略図である。
図1の動力車101の構成部品に同様の
図5の動力車201の構成部品には、参照符号の頭を1から2に代えた同様の参照符号を用いて示す。すなわち
図1の車両101のエンジン121は、
図4の車両201のエンジン221に対応する。
【0046】
車両201は、アクセルペダル位置Pの関数としてエンジントルクTを決定するために用いられるアクセルペダル移行マップとともにプログラムされた車両制御ユニット(VCU)201Cを有する。
【0047】
図5は、
図4に示す車両201に関し、最大アクセルペダル位置(P)に対してエンジントルク(T)をプロットしたグラフである。2つの車両モードM1,M2が図示され、各車両モードは、所与のアクセルペダル位置に応じて、エンジン221から異なる出力トルクを有する。モードM1は、
図2のプログラムAに相当し、慎重な(用心深い)ものであるのに対し、モードM2は、
図2のプログラムBに相当し、より強引な(攻撃的な)ものである。
【0048】
アクセルペダル位置を図示しないが、トルク増減はアクセルペダル位置の同様の変化に追随しているものと推定することができる。
【0049】
すなわち時刻t
0において、アクセルペダル261は踏み込まれておらず(すなわち、実質的な解放位置にあって、実質的に押圧されず、ニュートラル状態にあり)、エンジン221が回転していたとしても、エンジン出力トルクは実質的にゼロであると考えることができる。
【0050】
時刻t
1において、アクセルペダルが踏み込まれる。モードM1またはモードM2のいずれを選択するかにより、トレースM1およびトレースM2の2つのトルク経路に沿ってトルクが変化し得る。車両がモードM1にあると仮定した場合、出力トルクは、トレースM1に沿って変化する。
【0051】
時刻t
2において、アクセルペダル261の移動を停止すると、エンジン出力トルクはそれ以上増大しない。
【0052】
時刻t
3において、車両制御ユニット(VCU)201Cは、たとえば、ここでは図示しない手段により、地形の変化を検知したことに起因して、車両の操作モードをモードM2に自動的に変更する。車両ドライバが自動でモード変更されていることを気付くことなく受け入れられるものと実験的に特定された最大レートとしての固定的な基本レートで、モードM2の操作に必要なトルクにエンジン出力トルクTのブレンド調整を開始する。
【0053】
時刻t
3において、その時点でのトルク(モードM1)が約80Nmであり、ターゲットトルク(モードM2)が約200Nmである。すなわち、そのトルク差は約120Nmであり、典型的な基本ブレンド調整レートは、7Nm/秒である。ただし、その他の値も同様に有用である。この具体例において、アクセルペダル位置が一定であるとき、上記基本ブレンド調整レートでモードM1からモードM2へブレンド調整すると、約17秒かかる。
【0054】
時刻t
3の後、
図5のトレースEで示すように、エンジン出力トルクTは、モードM1より徐々に増大し始める。
【0055】
時刻t
4において、アクセルペダル位置が手前側に移動すると、その後エンジン出力トルクTは減少するが、上記基本レートでブレンド調整が続行され、時刻t
5において、アクセルペダル
を停止させると、明らかにトレースEがトレースM1より上方にさらに逸脱する。
【0056】
アクセルペダル161を時刻t
6まで停止させると、この期間、明らかに基本ブレンド調整レートでさらに上方に逸れる。
【0057】
時刻t
6において、アクセルペダル161を再び踏み込む。トルクを増大させるためのドライバ要求がモードM1からモードM2に向かってブレンド調整するものであるので、ブレンド調整レートは、基本ブレンド調整レートより増大するため、時刻t
7において、アクセルペダルを再び停止させることにより、エンジン出力トルクTは急激にモードM2に近づく。すなわち、この具体例では、時刻t
3から時刻t
6までの期間、基本ブレンド調整レートでブレンド調整すると、約25%完了する。時刻t
6から時刻t
7までのより短期間で約60%完了度合に達する。
【0058】
時刻t
7において、アクセルペダルを再び停止させると、ブレンド調整が基本ブレンド調整レートで再開される。ブレンド調整が完了する前に、アクセルペダル位置がさらに変化しない場合、ブレンド調整の時間は、約17秒から約12秒に短縮される。
【0059】
同様に、
図6に示すように、時刻t
8において、車両モードがより慎重なエンジントルクマップへ(マップM2からマップM1へ)変更されたとき、時刻t
8から時刻t
9まで(この期間においてアクセルペダル位置は変化せず)基本レートでブレンド調整される。
【0060】
時刻t
9において、エンジン221からの低トルクを要求するために、アクセルペダル261が解放される。この運転動作は、操作モードをモードM2からモードM1へ変更する方向のものであるので、アクセルペダル261位置を停止させる時刻t
10までにブレンド調整が50%完了するように、基本ブレンド調整レートを増大させる。
【0061】
時刻t
10の後、さらにアクセルペダル位置を時刻t
11から時刻t
12まで前進させ、時刻t
12で停止させる時まで、同様に基本レートでブレンド調整が継続される。
【0062】
アクセルペダルを最大位置および最小位置に向かって素早く移動させるときには、特別な手法を採用してもよい。この場合、
図4に示す実施形態に係る車両において、アクセルペダルを所定速度より大きい速度で最大位置(アクセルペダル261の移動範囲全体の95%以上と定義できる)に移動させる場合、車両制御ユニット(VCU)201Cは、
図2に示すポイントUに対応するエンジントルクTの実質的に全出力を実質的に即時に供給することを命令するように構成されている。
【0063】
いくつかの実施形態では、アクセルペダル261を最大位置に前進させたとき(ポイントUに対応)または最小位置に後退させたとき(アクセルペダル261の移動範囲全体の5%未満と定義でき、ポイントLに対応)には、ブレンド調整を実質的に即時に完了させるように、車両制御ユニット(VCU)201Cがブレンド調整を判断する。
したがって、さらなるブレンド調整は必要とされず、アクセルペダルが再び移動したとき、ブレンド調整が実施された操作モードトレースに沿ってエンジンが応答する。アクセルペダル261の所定の前進速度または後退速度は、実質的に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0064】
図4に示す実施形態において、アクセルペダル261を最大位置に前進させ、または最小位置に後退させたとき、ブレンド調整が未だ完了していない場合、車両制御ユニット(VCU)201Cは、適用可能な最大トルクまたは最小トルクを供給するが、アクセルペダルが最大位置または最小位置にあるときには基本レートでブレンド調整するように構成してもよい。ただし、ブレンド調整が完了する前に、アクセルペダルが最大位置または最小位置から実質的に離れた場合、上述のようにブレンド調整する方向にペダルが移動するときには、ブレンド調整レートを増大させてもよい。
【0065】
理解されるように、アクセルペダルの最大位置および最小位置の定義および検出は、アクセルペダル機構の性能および精度に応じて、特に、アクセルペダル位置を示すポテンショメータの出力信号に含まれる正確性、ノイズ、およびヒステリシス(履歴)に応じて選択することができる。これらのパラメータの選択および修正は、当業者の技量の範囲に含まれる。
【0066】
同様に、いくつかの実施形態では、最大位置および最小位置に向かって移動しているか否かを判断するために、アクセルペダル位置の変化速度(移動速度)を検知して、エンジン出力トルクを実質的に即時に最大化または最小化する必要があることの指示を早期に与えるようにしてもよい。
【0067】
図4に示す本実施形態において、ドライバの要求がブレンド調整方向である場合、ブレンド調整レートを増大させるように、ブレンド調整方法が実施される。ドライバの要求に変更がなく、ブレンド調整方向とは反対の方向である場合、典型的にはゼロにブレンド調整レートを低減させる方法において同様の効果を実現することができる。
【0068】
これらの2つの方法を組み合わせて、アクセルペダル位置が実質的に一定であるときには基本ブレンド調整レートを適用し、ドライバの要求がブレンド調整方向であるときにブレンド調整レートを増大させ、ドライバの要求がブレンド調整方向とは反対の方向であるときにブレンド調整レートを低減させてもよい。
【0069】
図7〜
図10は、ブレンド調整方向にエンジントルク量を変化させることをドライバが意図したときにブレンド調整レートを増大させるという、本発明に係る1つの実施形態による効果を示す。
【0070】
図7は、車両モードを時間の関数としてプロットしたグラフである。このグラフは、時刻t
3でモードM1からモードM2へのモード変更を示すものである。モードM2は、
図2のトレースBに対応し、
図2のトレースAに対応するモードM1より強引な(攻撃的な)トルクマップである。
【0071】
図8は、アクセルペダル261の移動範囲全体を0%〜100%とする例示的な位置またはレベルP1,P2の間のアクセルペダル位置を時間の関数としてプロットしたグラフである。時刻t
14で、後退させていたアクセルペダルを前進させ、時刻t
15で、アクセルペダルを安定状態にする。時刻t
16で、アクセルペダルを再び後退させ、時刻t
17で、アクセルペダルが安定状態にする。
【0072】
図9は、ブレンド調整レートB'を時間の関数としてプロットしたグラフである。この図から明らかなように、モード変更が開始された時点では、基本ブレンド調整レートB'baseが適用されている。基本ブレンド調整レートB'baseは、本実施形態で適用され得る最大利用可能ブレンド調整レートB'maxの半分に実質的に等しい。ただし、他の割合(レート)または他の絶対値も同様に有用である。アクセルペダル261が前進しないとき、時刻t
13から時刻t
14までの間、基本ブレンド調整レートが適用される。
【0073】
時刻t
14から時刻t
15までの間、アクセルペダル261が前進するとき、最大ブレンド調整レートB'maxが適用される。時刻t
15から時刻t
16までの間、アクセルペダルは実質的に停止した状態にあり、時刻t
16から時刻t
17までの間、アクセルペダル261は後退している(より浅い踏込位置に向かって移動している)。時刻t
17の後、アクセルペダル261は実質的に停止した状態にある。その結果、車両制御ユニット(VCU)201Cは、後述のように時刻t
18でブレンド調整が完了するまで、時刻t
15の後、ブレンド調整レートを最大レートB'maxから基本レートB'baseに低減する。
【0074】
図10は、ブレンド調整完了百分率BTを時間の関数としてプロットしたグラフである。この図から明らかなように、ブレンド調整レートは、時刻t
14から時刻t
15の期間の前後に比して、時刻t
14から時刻t
15の期間において実質的に増大しており、そのためモードM1からモードM2へのブレンド調整完了にかかる全体的な時間を短縮している。この図から明らかなように、ブレンド調整は時刻t
18で完了している。
【0075】
図11は、1つの実施形態に係るブレンド調整完了百分率BTをプロットしたグラフであり、ブレンド調整レートB'は、ブレンド調整が行われている期間全体を通して、実質的に基本ブレンド調整レートB'baseと同等に維持されている。図から明らかなように、モードM1からモードM2へのブレンド調整を完了させるために必要な時間は、
図7〜
図10を参照して説明した実施形態の場合のブレンド調整完了時間(
図9にブレンド調整レートを図示)に比して、はるかに長くなる。
図11に示す実施形態において、基本ブレンド調整レートB'baseは、時刻t
13から適用が開始され、エンジントルクマップがモードM2へ徐々にブレンド調整される。
図11から明らかなように、時刻t
18では、ブレンド調整が未だ完了していない。
【0076】
本発明に係る実施形態は、いくつかの択一的なシステムに比して、ブレンド調整をより迅速に完了させることができるという利点を有する。この利点は、ドライバによるアクセルペダルの移動に応じてブレンド調整レートを変更できることに少なくとも部分的に起因する。いくつかの実施形態では、モード変更に起因したトルク変化の方向にアクセルペダル261を移動させる場合、ブレンド調整レートを増大させる。択一的または追加的には、アクセルペダルを静止した状態に維持するか、またはモード変更に起因したトルク変化の方向とは反対の方向にアクセルペダル261を移動させる場合、ブレンド調整レートを低減させるか、任意的には、実質的にゼロに維持する。
【0077】
本願明細書の発明の詳細な説明及びクレームを通して、「備える(comprise)」および「含む(contain)」の用語、およびこれらの用語から派生した「備えた(comprising)」および「備え(comprises)」の用語は、「これらに限定することなく有する」という意味であり、その他の部分、付随物、成分、整数、またはステップを排除することを意図したものではない。
【0078】
本願明細書の発明の詳細な説明及びクレームを通して、単数形は、文脈上要求されるものでなければ、複数形のものを含む。特に、不定冠詞を用いた場合には、文脈上要求されるものでなければ、単数形のみならず、複数形のものを含む。
【0079】
本発明に係る特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明した特徴物、整数、特性、成分、化学成分、または化学塩基は、矛盾するものでなければ、任意の他の態様、実施形態、または実施例に適用可能であるものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0080】
101P…パワートレイン、101…動力車、111,112…前輪、113,114…後輪、121…エンジン、121C…エンジンコントローラ、124…トランスミッション(変速装置)、124S…変速機モード選択ダイヤル、124C…変速機コントローラ、128S…地形応答モード選択ダイヤル、131…ドライブシャフトまたはプロペラシャフト、135…ディファレンシャル(後輪作動装置)、137…動力テイクオフユニット(動力取出ユニット、PTU)、141C…ブレーキコントローラ、161…アクセルペダル。