特許第6002252号(P6002252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6002252
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】パネルの段差矯正具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20160923BHJP
【FI】
   E04G21/18 C
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-4808(P2015-4808)
(22)【出願日】2015年1月14日
(62)【分割の表示】特願2011-129413(P2011-129413)の分割
【原出願日】2011年6月9日
(65)【公開番号】特開2015-92061(P2015-92061A)
(43)【公開日】2015年5月14日
【審査請求日】2015年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】木瀬 直子
【審査官】 西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−326325(JP,A)
【文献】 実公平04−014599(JP,Y2)
【文献】 特開昭62−242054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相隣るパネルA、Bのうちの一方のパネルAに壁Cが直交配置される状態下で、両パネルA、Bの間の段差を矯正するパネルの段差矯正具であって、
L型プレートからなり、該L型プレートの垂直面により構成されて壁Cに固定される固定部を備えて該壁Cに取付けられるとともに、パネルBに相対する該L型プレートの水平面に該パネルBに対応するねじ孔を設けてなる矯正用プレートと、
矯正用プレートのねじ孔に螺着されたアジャスタボルトと、パネルBに固定されてアジャスタボルトの先端が軸方向に係止し、かつ空転可能に連結される連結部材とからなる押し/引き手段とを有し、
押し/引き手段のアジャスタボルトを矯正用プレートのねじ孔に対し回転することにより、このアジャスタボルトの先端に連結されている連結部材を介してパネルBを押し/引きするパネルの段差矯正具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接するパネル(壁パネル、床パネル、屋根パネル等)の間の段差矯正具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場生産化率を高めたユニット建物では、枠組を構成するスタッドに面材を張設した床及び壁パネルからなる建物ユニットを工場で生産し、この建物ユニットの複数を建築現場で上下左右に隣接配置し、隣接配置された建物ユニットの壁パネル同士、床パネル同士を接合している。
【0003】
このとき、隣接配置された建物ユニットの壁パネル等の間に段差が生じた場合、それらの壁パネル等の段差をそれらの接合前に矯正しなければならない。
【0004】
特許文献1に記載の段差矯正具は、軸部材と、軸部材の一端に交差して固定された固定部材と、軸部の中間部に軸部と交差しつつ軸部の長手方向に移動可能な可動部材と、可動部材を固定部材の方向に押圧する押圧手段とを有し、押圧手段が軸部材に設けられた雄螺子部に螺合した把手付き締付部材からなるようにしたものである。相隣るパネルの間に軸部材を通し、固定部材と可動部材を両パネルの外側面と内側面のそれぞれに当接し、締付部材の回転によって固定部材と可動部材との間隙を狭め、これによりパネル間の段差を矯正するものである。
【0005】
特許文献2に記載の段差矯正具は、設置時に段差が生じている1対の建築用パネルの一方の突出しているパネルに吸着する第1の吸着手段と、この吸着手段が吸着していない他のパネルに吸着し、このパネルを段差が解消するように引寄せる第2の吸着手段と、この第1の吸着手段と第2の吸着手段との間に配置され、第2の吸着手段がパネルを引寄せる際に支点となる支持手段と、第1の吸着手段、第2の吸着手段及び支持手段とを一体に保持する保持手段とを有し、第2の吸着手段が段差を解消するためにパネルに吸着し、かつパネルを引寄せることができるようにパネルに対して垂直方向に移動操作可能であるようにしたものである。支持手段の接触支持板を一方のパネルの端部から若干他のパネル側に突出するように設け、第2の吸着手段により他のパネルを引寄せるとき、このパネルが接触支持板に引っ掛かるまで引寄せられることにより、両パネル間の段差を矯正するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-265671
【特許文献2】特開平5-202617
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の段差矯正具は、相隣るパネルの外側面と内側面の両面に固定部材と可動部材を当接させることにより、両パネル間の段差を矯正する。
【0008】
従って、特許文献1に記載の段差矯正具は、それらのパネルの両面が化粧を施されている場合には、固定部材又は可動部材による化粧のキズ付きを防ぐ観点から適用できない。それらのパネルの両面を化粧不要又は未化粧とするときでなければ、適用できない。
【0009】
特許文献2に記載の段差矯正具は、一方のパネルに対して他のパネルを引寄せるとき、一方のパネルの端部から若干他のパネル側に突出している支持手段の接触支持板に他のパネルが引っ掛かるまで引寄せることにより、両パネル間の段差を矯正する。
【0010】
従って、特許文献2に記載の段差矯正具は、相隣るパネルの一方の基準パネルに対し、他のパネルが凹み状に湾曲している場合に、当該他のパネルを基準パネルと面一をなす位置まで引寄せる場合に、適用できる。ところが、一方の基準パネルに対し、他のパネルが凸状に出っ張って湾曲している場合には、当該他のパネルを基準パネルと面一をなす位置まで押し込む必要があり、特許文献2に記載の段差矯正具は適用できない。
【0011】
本発明の課題は、段差矯正具において、相隣るパネルの両面のうちのいずれか一方の面には非接触としながら、一方の基準パネルに対し他のパネルを押し、引きの双方向で位置調整し得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、相隣るパネルA、Bのうちの一方のパネルAに壁Cが直交配置される状態下で、両パネルA、Bの間の段差を矯正するパネルの段差矯正具であって、L型プレートからなり、該L型プレートの垂直面により構成されて壁Cに固定される固定部を備えて該壁Cに取付けられるとともに、パネルBに相対する該L型プレートの水平面に該パネルBに対応するねじ孔を設けてなる矯正用プレートと、矯正用プレートのねじ孔に螺着されたアジャスタボルトと、パネルBに固定されてアジャスタボルトの先端が軸方向に係止し、かつ空転可能に連結される連結部材とからなる押し/引き手段とを有し、押し/引き手段のアジャスタボルトを矯正用プレートのねじ孔に対し回転することにより、このアジャスタボルトの先端に連結されている連結部材を介してパネルBを押し/引きするようにしたものである。
【0014】
【0015】
【発明の効果】
【0016】
(a)パネルAに壁Cが直交配置され、両パネルAの両面のうちで壁Cが配置されていない一方の面には当該一方の面が化粧済等の理由によって矯正用プレートを取付けできず、パネルAの他方の面には壁Cの存在によって矯正用プレートを直に取付けできないときにも、パネルA、B間の段差を矯正できる。
即ち、基準パネルAに対し他のパネルBが凹み状に湾曲している場合には、押し/引き手段の引き操作子としてのアジャスタボルトを壁Cに取付けられた矯正用プレートのねじ孔に対し一方向回転することにより、このアジャスタボルトの先端に連結されている連結部材を介してパネルBを引寄せる。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せ、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
他方、基準パネルAに対し他のパネルBが凸状に湾曲している場合には、押し/引き手段の押し操作子としてのアジャスタボルトを壁Cに取付けられた矯正用プレートのねじ孔に対し上記と逆方向に回転することにより、このアジャストボルトの先端に連結されている連結部材を介してパネルBを押し込む。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押し込み、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は基準パネルAに対し他のパネルBが凹み状段差をなしている例を示す模式図である。
図2図2は基準パネルAに対し他のパネルBが凸状段差をなしている例を示す模式図である。
図3図3参考例1の段差矯正具を示す模式図である。
図4図4参考例1の段差矯正具を示す斜視図である。
図5図5は矯正用プレートを示す模式図である。
図6図6は座板付き螺子棒を示す模式図である。
図7図7は座板付き螺子棒に螺着されるナットを示す模式図である。
図8図8は矯正用プレートに螺着されるボルトを示す模式図である。
図9図9は凹み状段差の矯正手順を示す模式図である。
図10図10は凸状段差の矯正手順を示す模式図である。
図11図11参考例2の段差矯正具を示す模式図である。
図12図12参考例2の段差矯正具を示す斜視図である。
図13図13は矯正用プレートを示す模式図である。
図14図14は座板付き螺子棒を示す模式図である。
図15図15は矯正用プレートを示す模式図である。
図16図16参考例3の段差矯正具を示す模式図である。
図17図17参考例3の段差矯正具を示す斜視図である。
図18図18は矯正用プレートを示す模式図である。
図19図19はアジャスタボルトと連結部材を示す模式図である。
図20図20は実施例の段差矯正具を示す模式図である。
図21図21は矯正用プレートを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、ユニット建物の構築に際し、工場生産された複数の建物ユニットを建築現場に輸送して隣接配置し、相隣る建物ユニットの壁パネル同士(床パネル同士等でも可)のパネルA、B同士を接合するに際し、それらの相隣るパネルA、Bの間に生じた図1図2に示す如くの段差(不陸)をそれらの接合前に矯正する段差矯正具10、100、200、300に関する。
【0032】
パネルA、Bは、図1図4に示す如く、枠組1を構成するスタッド1Aの外側(図3等に「外」として示す)と内側(図3等に「内」として示す)の両面に面材2、3を張設して製作される。図3図4の例では、パネルA、Bの接合境界部で、パネルA、Bにおけるスタッド1Aの外側の全面を面材2が張設された化粧済とし、パネルA、Bにおけるスタッド1Aの内側の一部を面材3が未だ張設されない未化粧としている。パネルA、Bの上述の未化粧部分では、面材3が現地施工でパネルAからパネルBに渡り貼りされるものになる。
【0033】
尚、図1に示したパネルA、Bの段差δ1は、スタッド1Aが湾曲していないパネルAを基準パネルAとするとき、基準パネルAに対し他のパネルBのスタッド1Aが凹み状に湾曲している場合である。
【0034】
他方、図2に示したパネルA、Bの段差δ2は、スタッド1Aが湾曲していないパネルAを基準パネルAとするとき、基準パネルAに対し他のパネルBのスタッド1Aが凸状に湾曲している場合である。
【0035】
以下、段差矯正具10、100、200、300を用いてパネルA、Bの間で、図1の凹み状の段差δ1を生ずる場合にはパネルBを基準パネルAに対しf1方向に引寄せ、図2の凸状の段差δ2を生ずる場合にはパネルBを基準パネルAに対しf2方向に押し込むことにより、それらの段差δ1、δ2を矯正する手順について説明する。
【0036】
参考例1)(図3図10
参考例1の段差矯正具10は、図3図8に示す如く、両方のパネルA、Bに取付けられてそれらのパネルA、Bに相対する矯正用プレート20と、矯正用プレート20のパネルBに相対する部分に取付けられてパネルBを押し/引きする押し/引き手段40とを有する。
【0037】
具体的には、以下の通りである。
矯正用プレート20は、図5に示す如く、矩形平板からなり、パネルAに対応するばか孔21Aとねじ孔22Aを備えるとともに、パネルBに対応するばか孔21Bとねじ孔22Bを備える。
【0038】
矯正用プレート20は、それらの両ばか孔21A、21Bを、両パネルA、Bのそれぞれに固定された座板付き螺子棒30の螺子棒32に挿通されて両パネルA、Bに取付けられる。
【0039】
座板付き螺子棒30は、図6に示す如く、座板31に螺子棒32を立設してなり、座板31に設けられる孔33Aに挿通される木ねじ33により、両パネルA、Bの面材3が張設されていない接合境界部で相隣るスタッド1Aの内側面に固定される。
【0040】
押し/引き手段40は、上記座板付き螺子棒30の矯正用プレート20に備えた両ばか孔21A、21Bから突出する螺子棒32に螺着される2個のナット41と、矯正用プレート20の両ねじ孔22A、22Bに螺着されて上記座板付き螺子棒30の座板31に押接する2個のボルト42とからなる。
【0041】
以下、段差矯正具10によるパネルA、Bの段差矯正手順について説明する。
(A)図1に示した凹み状段差δ1の矯正手順
(1)座板付き螺子棒30の座板31を基準パネルAとパネルBの相隣るスタッド1Aの内側面に木ねじ33で固定する(図9(A))。
【0042】
(2)基準パネルAとパネルBに固定された座板付き螺子棒30の螺子棒32に矯正用プレート20のばか孔21A、21Bを通し、矯正用プレート20のばか孔21Aから突出する基準パネルA側の螺子棒32にナット41を螺着する(図9(B))。
【0043】
基準パネルAに固定された座板付き螺子棒30の螺子棒32に螺着されたナット41により、矯正用プレート20を座板付き螺子棒30の座板31との間に挟んでパネルAに固定する。
【0044】
(3)パネルBに固定された座板付き螺子棒30の螺子棒32に上述(2)で通してある矯正用プレート20のばか孔21Bから突出している該螺子棒32に、押し/引き手段40の引き操作子となるナット41を螺着する。パネルA、Bの段差がなくなるまで、このナット41を矯正用プレート20に対して締め込み、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せる(図9(C))。
【0045】
(4)段差が矯正されたパネルA、Bの相隣るスタッド1Aの間にスペーサ合板4を挟み、各パネルA、Bのスタッド1Aからスペーサ合板4に打ち込む木ねじ5で両側のスタッド1A、1Aを接合する(図9(D))。尚、図9(D)では矯正具10(矯正用プレート20、座板付き螺子棒30、押し/引き手段40)を不図示としている。
【0046】
(B)図2に示した凸状段差δ2の矯正手順
(1)座板付き螺子棒30の座板31を基準パネルAとパネルBの相隣るスタッド1Aの内側面に木ねじ33で固定する(図10(A))。
【0047】
(2)基準パネルAとパネルBに固定された座板付き螺子棒30の螺子棒32に矯正用プレート20のばか孔21A、21Bを通し、矯正用プレート20のばか孔21Aから突出する基準パネルA側の螺子棒32にナット41を軽く螺着する(図10(B))。
【0048】
(3)矯正用プレート20の基準パネルA側のねじ孔22Aにボルト42を螺着し、このボルト42の先端を座板付き螺子棒30の座板31に押接することにより、該矯正用プレート20を座板付き螺子棒30の座板31から浮かせた状態で基準パネルAに固定する(図10(C))。
【0049】
(4)矯正用プレート20の基準パネルB側のねじ孔22Bに押し/引き手段40の押し操作子となるボルト42を螺着し、このボルト42の先端をパネルBに固定された座板付き螺子棒30の座板31に押接し、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押し込む(図10(D))。
【0050】
(5)段差が矯正されたパネルA、Bの相隣るスタッド1Aの間にスペーサ合板4を挟み、各パネルA、Bのスタッド1Aからスペーサ合板4に打ち込む木ねじ5で両側のスタッド1A、1Aを接合する(図10(E))。尚、図10(E)では矯正具10(矯正用プレート20、座板付き螺子棒30、押し/引き手段40)を不図示としている。
【0051】
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)相隣るパネルA、Bのそれぞれに対し、パネルAの外側面と内側面の両面のうちの一面にだけ矯正用プレート20を取付けるとともに、パネルBの両面のうちの一面にだけ押し/引き手段40を取付ける。そして、パネルAを基準パネルとし、この基準パネルAに取付けられる矯正用プレート20を介して、この矯正用プレート20に取付けられる押し/引き手段40によりパネルBを押し/引きし、両パネルA、B間の段差を矯正するものになる。
【0052】
従って、段差矯正具10において、相隣るパネルA、Bの両面のうちのいずれか一方の面には非接触としながら、一方の基準パネルAに対し他のパネルBを押し、引きの双方向で位置調整し得る。
【0053】
(b)基準パネルAに対し他のパネルBが凹み状に湾曲している場合には、基準パネルAに固定された座板付き螺子棒30に矯正用プレート20のばか孔21Aを通し、該座板付き螺子棒30の矯正用プレート20のばか孔21Aから突出する部分にナット41を螺着し、該矯正用プレート20を座板付き螺子棒30の座板31との間に挟んで基準パネルAに固定する。
【0054】
そして、パネルBに固定された座板付き螺子棒30に矯正用プレート20のばか孔21Aを通し、該座板付き螺子棒30の矯正用プレート20のばか孔21Bから突出する部分に押し/引き手段40の引き操作子となるナット41を螺着し、このナット41を矯正用プレート20に対して締め込む。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せ、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0055】
(c)基準パネルAに対し他のパネルBが凸状に出っ張って湾曲している場合には、基準パネルAに固定された座板付き螺子棒30に矯正用プレート20のばか孔21Aを通し、この座板付き螺子棒30の矯正用プレート20のばか孔21Aから突出する部分にナット41を螺着するとともに、この矯正用プレート20の基準パネルAに対応するねじ孔22Aに螺着されるボルト42の先端を座板付き螺子棒30の座板31に押接することにより、該矯正用プレート20を座板付き螺子棒30の座板31から浮かせた状態で基準パネルAに固定する。
【0056】
そして、矯正用プレート20のパネルBに対応するねじ孔22Bに押し/引き手段40の押し操作子となるボルト42を螺着し、このボルト42の先端をパネルBに固定された座板付き螺子棒30の座板31に押接する。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押込み、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0057】
参考例2)(図11図15
参考例2の段差矯正具100は、図11図12に示す如く、基準パネルAに取付けられて他方のパネルBに相対する矯正用プレート110と、矯正用プレート110のパネルBに相対する部分に取付けられてパネルBを押し/引きする押し/引き手段130とを有する。
【0058】
具体的には、以下の通りである。
矯正用プレート110は、図13に示す如く、プレス加工された板金製Z型プレートからなり、パネルAに固定される固定部111を備えてパネルAに取付けられるとともに、パネルBに対応するばか孔112とねじ孔113を備える。ねじ孔113は矯正用プレート110に溶接されたナット114により形成される。即ち、矯正用プレート110は、Z型プレートの一面を固定部111とし、この固定部111に設けられる孔115Aに挿通される木ねじ115により、パネルAの面材3が張設されていないパネルBとの接合境界部でスタッド1Aの内側面に固定される。また、矯正用プレート110は、Z型プレートの固定部111に対する反対側の面にばか孔112とねじ孔113を設けている。
【0059】
パネルBには座板付き螺子棒120が固定される。座板付き螺子棒120は、図14に示す如く、座板121に螺子棒122を立設してなり、座板121に設けられる孔123Aに挿通される木ねじ123により、パネルBの面材3が張設されていないパネルAとの接合境界部でスタッド1Aの内側面に固定される。
【0060】
押し/引き手段130は、パネルBに固定された座板付き螺子棒120の矯正用プレート110に備えたばか孔112から突出する螺子棒122に螺着されるナット131と、矯正用プレート110のねじ孔113に螺着されて上記座板付き螺子棒120の座板121に押接するボルト132とからなる。
【0061】
以下、段差矯正具100によるパネルA、Bの段差矯正手順について説明する。
(1)基準パネルAに矯正用プレート110の固定部111を固定する。
【0062】
(2)パネルBに座板付き螺子棒120の座板121を固定する。このとき、座板付き螺子棒120の螺子棒122を上述(1)の如くに基準パネルAに固定される矯正用プレート110のばか孔112に通し、このばか孔112にから突出する螺子棒122に押し/引き手段130の引き操作子となるナット131を螺着する。
【0063】
また、押し/引き手段130の押し操作子となるボルト132が上述(1)の如くに基準パネルAに固定される矯正用プレート110のねじ孔113に螺着され、ボルト132の先端が座板付き螺子棒120の座板121に押接するものとされる。
【0064】
(3)パネルBが基準パネルAに対して図1に示した凹み状段差δ1を生じている場合には、押し/引き手段130の引き操作子となる上述のナット131を、矯正用プレート110上で座板付き螺子棒120の螺子棒122に対して締め込み、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せる。
【0065】
(4)パネルBが基準パネルAに対して図2に示した凸状凹みδ2を生じている場合には、押し/引き手段130の押し操作子となる上述のボルト132の先端を、パネルBに固定された座板付き螺子棒120の座板121に押接し、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押し込む。
【0066】
(5)詳述(3)又は(4)によるパネルA、Bの段差矯正後、段差が矯正されたパネルA、Bの相隣るスタッド1Aの間にスペーサ合板を挟み、各パネルA、Bのスタッド1Aからスペーサ合板に打ち込む木ねじで両側のスタッド1A、1Aを接合する。
【0067】
尚、矯正用プレート110は、図13に示したプレス加工品に限らず、図15に示した如くに、長尺板110Aの一端側に短尺板110Bを溶接し、短尺板110Bが溶接された側を固定部111とするものでも良い。
【0068】
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)相隣るパネルA、Bのそれぞれに対し、パネルAの外側面と内側面の両面のうちの一面にだけ矯正用プレート110を取付けるとともに、パネルBの両面のうちの一面にだけ押し/引き手段130を取付ける。そして、パネルAを基準パネルAとし、この基準パネルAに取付けられる矯正用プレート110を介して、この矯正用プレート110に取付けられる押し/引き手段130によりパネルBを押し/引きし、両パネルA、B間の段差を矯正するものになる。
【0069】
従って、段差矯正具100において、相隣るパネルA、Bの両面のうちのいずれか一方の面には非接触としながら、一方の基準パネルAに対し他のパネルBを押し、引きの双方向で位置調整し得る。
【0070】
(b)基準パネルAに矯正用プレート110の固定部111が固定されて取付けられる。
そして、パネルBに固定された座板付き螺子棒120の矯正用プレート110のばか孔112から突出する部分に押し/引き手段130の引き操作子となるナット131が螺着される。
【0071】
また、押し/引き手段130の押し操作子となるボルト132が矯正用プレート110のねじ孔113に螺着される。
【0072】
従って、基準パネルAに対し他のパネルBが凹み状に湾曲している場合には、押し/引き手段130の引き操作子となる上述のナット131を矯正用プレート110上で座板付き螺子棒120に対して締め込む。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せ、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0073】
他方、基準パネルAに対し他のパネルBが凸状に湾曲している場合には、押し/引き手段130の押し操作子となる上述のボルト132の先端をパネルBに固定された座板付き螺子棒120の座板121に押接する。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押し込み、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0074】
参考例3)(図16図19
参考例3の段差矯正具200は、図16図17に示す如く、基準パネルAに取付けられて他方のパネルBに相対する矯正用プレート210と、矯正用プレート210のパネルBに相対する部分に取付けられてパネルBを押し/引きする押し/引き手段220とを有する。
【0075】
具体的には、以下の通りである。
矯正用プレート210は、図18に示す如く、プレス加工された板金製Z型プレートからなり、パネルAに固定される固定部211を備えてパネルAに取付けられるとともに、パネルBに対応するねじ孔212を備える。ねじ孔212は矯正用プレート210に溶接されたナット213により形成される。即ち、矯正用プレート210は、Z型プレートの一方の水平面211Aを固定部211とし、この固定部211に設けられる孔214Aに挿通される木ねじ214により、パネルAの面材3が張設されていないパネルBとの接合境界部でスタッド1Aの内側面に固定される。また、矯正用プレート210は、Z型プレートの固定部211に対する反対側の水平面212Aにねじ孔212を設けている。
【0076】
押し/引き手段220は、図19に示す如く、矯正用プレート210のねじ孔212(ナット213)に螺着されたアジャスタボルト221と、パネルBに固定されてアジャスタボルト221の先端が軸方向に係止し、かつ空転可能に連結される連結部材222とからなる。連結部材222は、木ねじ223が挿通される孔223Aを備えてパネルBに固定される座板222Aと、座板222Aの上面に溶接等により固定されたカップ状体222Bとからなり、アジャスタボルト221の先端をカップ状体222Bの中央平板部に設けた孔(不図示)に遊挿し、アジャスタボルト221の両側に螺着して溶接したナット224、225が僅かな隙間を介してカップ状体222Bの上記中央平板部を挟み込むようにしたものである。
【0077】
段差矯正具200は、矯正用プレート210のねじ孔212(ナット213)に、押し/引き手段220のアジャスタボルト221の中間部(アジャスタボルト221の頭部221Aと、アジャスタボルト221の先端が連結された連結部材222との間)を螺着した組立状態で使用に供される。
【0078】
以下、段差矯正具200によるパネルA、Bの段差矯正手順について説明する。
(1)基準パネルAに矯正用プレート210の固定部211を固定する。
【0079】
(2)パネルBに押し/引き手段220の連結部材222の座板222Aを固定する。
【0080】
(3)パネルBが基準パネルAに対して図1に示した凹み状段差δ1を生じている場合には、押し/引き手段220の引き操作子となるアジャスタボルト221を、矯正用プレート210のねじ孔212に対して一方向回転することにより、このアジャスタボルト221の先端に連結されている連結部材222を一方向に移動し、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せる。
【0081】
(4)パネルBが基準パネルAに対して図2に示した凸状凹みδ2を生じている場合には、押し/引き手段220の押し操作子となるアジャスタボルト221を、矯正用プレート210のねじ孔212に対して上記と逆方向回転することにより、このアジャスタボルト221の先端に連結されている連結部材222を上記と逆方向に移動し、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押し込む。
【0082】
(5)詳述(3)又は(4)によるパネルA、Bの段差矯正後、段差が矯正されたパネルA、Bの相隣るスタッド1Aの間にスペーサ合板を挟み、各パネルA、Bのスタッド1Aからスペーサ合板に打ち込む木ねじで両側のスタッドを接合する。
【0083】
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)相隣るパネルA、Bのそれぞれに対し、パネルAの外側面と内側面の両面のうちの一面にだけ矯正用プレート210を取付けるとともに、パネルBの両面のうちの一面にだけ押し/引き手段220を取付ける。そして、パネルAを基準パネルとし、この基準パネルAに取付けられる矯正用プレート210を介して、この矯正用プレート210に取付けられる押し/引き手段220によりパネルBを押し/引きし、両パネルA、B間の段差を矯正するものになる。
【0084】
従って、段差矯正具200において、相隣るパネルの両面のうちのいずれか一方の面には非接触としながら、一方の基準パネルに対し他のパネルを押し、引きの双方向で位置調整し得る。
【0085】
(b)基準パネルAに矯正用プレート210の固定部211が固定されて取付けられる。
そして、押し/引き手段220の押し操作子及び引き操作子となるアジャスタボルト221が、矯正用プレート210のねじ孔212に螺着されるとともに、このアジャスタボルト221の先端がパネルBに固定されている連結板に軸方向に係止し、かつ空転可能に連結される。
【0086】
従って、基準パネルAに対し他のパネルBが凹み状に湾曲している場合には、押し/引き手段220の引き操作子としてのアジャスタボルト221を矯正用プレート210のねじ孔212に対し一方向回転することにより、このアジャスタボルト221の先端に連結されている連結部材222を介してパネルBを引寄せる。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで引寄せ、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0087】
他方、基準パネルAに対し他のパネルBが凸状に湾曲している場合には、押し/引き手段220の押し操作子としてのアジャスタボルト221を矯正用プレート210のねじ孔212に対し上記と逆方向に回転することにより、このアジャスタボルト221の先端に連結されている連結部材222を介してパネルBを押し込む。これにより、パネルBを基準パネルAと面一をなす位置まで押し込み、両パネルA、B間の段差を矯正できる。
【0088】
(実施例)(図20図21
実施例の段差矯正具300が参考例3と異なる点は、段差矯正具200の矯正用プレート210をL型プレートからなる矯正プレート310に代え、矯正用プレート310の垂直面311Aを固定部311とし、矯正用プレート310の水平面312Aに押し/引き手段220のアジャスタボルト221が螺着されるねじ孔312(ナット313)を設けたことにある。
【0089】
矯正用プレート310の固定部311が基準パネルAに直交配置される間仕切壁C(壁C)の縦枠材6、面材7に木ねじ314、ねじ孔314Aを用いてねじ固定される。矯正用プレート310の水平面312Aに設けられる押し/引き手段220(アジャスタボルト221)により、参考例3におけると同様にして、パネルBを基準パネルAに対して引寄せ又は押し込み、パネルA、Bの段差を矯正するものである。
【0090】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、段差矯正具において、相隣るパネルの両面のうちのいずれか一方の面には非接触としながら、一方の基準パネルに対し他のパネルを押し、引きの双方向で位置調整し、両パネル間の段差を矯正できる。
【符号の説明】
【0092】
A、B パネル
C 壁
220 押し/引き手段
221 アジャスタボルト
222 連結部材
300 段差矯正具
310 矯正用プレート
311 固定部
312 ねじ孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図15
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図17
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図21