(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仕様管理機能は、更に、各プレイヤに許可する報酬取得回数の上限を定める報酬取得許可回数を含む報酬選択の仕様を、前記プレイヤグループ毎に対応づけて前記記憶部に記憶して管理するものであることを特徴とする請求項1記載のゲームプログラム。
前記グループ管理機能は、前記プレイヤグループに対応付けられた前記仕様において特定の報酬の出現確率が所定値以上になった場合、当該プレイヤグループに対して当該グループに含まれない他のプレイヤが参加することを禁止する請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、実施の形態に係るゲーム提供システム1の全体構成を模式的に示す図である。実施の形態に係るゲーム提供システム1は、情報処理装置100、第1端末200a、第2端末200b、及び第3端末200cを含む。以下本明細書において、第1端末200a、第2端末200b、及び第3端末200cを特に区別する場合を除き「端末200」と総称する。端末200は、ネットワーク300を介して情報処理装置100と通信可能に接続されている。情報処理装置100は、端末200に対してゲームを提供するサーバとして機能する。
図1に示す例では、ゲーム提供システム1は第1端末200a、第2端末200b、及び第3端末200cの3台の端末200を含むが、端末200の数は3台に限られず、2台または4台以上であってもよい。
【0019】
図1を参照して、実施の形態に係るゲーム提供システム1の概要を述べる。実施の形態に係る情報処理装置100は、複数のプレイヤが参加可能なゲームをネットワーク300を介して端末200に提供する。情報処理装置100は、複数のプレイヤから構成されるプレイヤグループを管理し、そのプレイヤグループに対して報酬選択を実行する。なお、各端末200のユーザが、情報処理装置100が提供するゲームのプレイヤとなる。
【0020】
ここで「報酬選択」とは、例えば、出現確率が異なる複数種類の報酬から構成される報酬グループを対象とする報酬の選択であり、いわゆる「ガチャ」として知られるものである。情報処理装置100が選択した報酬は、情報処理装置100に報酬取得を要求したプレイヤに対して提供される。これにより、プレイヤは報酬を取得することができる。すなわち、プレイヤが情報処理装置100に対して「報酬取得」を要求すると、情報処理装置100は、「報酬選択」を実行し、選択した報酬をプレイヤに提供する。
【0021】
情報処理装置100は、プレイヤグループを単位として報酬の選択を実施する。情報処理装置100は、報酬の確率や各プレイヤが報酬取得可能な回数等を定める報酬選択の仕様を変更する変更操作をプレイヤに許可する。プレイヤから変更操作を取得すると、情報処理装置100は、そのプレイヤが属するプレイヤグループに対応する報酬選択の仕様を変更する。なお、情報処理装置100が実施する報酬選択は、完全にランダムなものに限定されず、予め順序がきまっていて、それに応じて選択するものも含む。すなわち、「報酬選択」には、あらかじめ定めた多くのアイテムの中から抽選するだけでなく、提供順序が所定のルールに基づいて決まっており、それに基づいてプレイヤに報酬を提供することも含む。
【0022】
このように、実施の形態に係る情報処理装置100は、2以上のプレイヤで構成されるプレイヤグループを単位として報酬を選択する。各プレイヤが報酬選択の仕様を変更すると、その変更はプレイヤグループ全体の報酬選択にも反映される。各プレイヤは自分が所属するプレイヤグループのために報酬選択の仕様を有利な方向に変更すること、いわば「ガチャ」を成長させることができる。プレイヤグループに属するプレイヤが協働して仕様を変更することによってプレイヤ同士の交流が促進され、また各プレイヤの報酬取得に対する意欲を向上させることもできる。
【0023】
以下、実施の形態に係る情報処理装置100についてより詳細に説明する。
【0024】
図2は、実施の形態に係る情報処理装置100の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置100は、ストーリー提供部110、変更取得部120、仕様管理部130、報酬選択部140、グループ管理部150、イベント開催部160、譲渡操作受付部170、送受信部180、及び記憶部190を備える。
【0025】
図2は、実施の形態に係る情報処理装置100がゲームを提供するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。
図2において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メインメモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で構成することができる。またソフトウェア的には、メインメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み出し可能な記録媒体に格納されていてもよく、通信回線を介してネットワークからダウンロードされてもよい。これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0026】
図2に示す情報処理装置100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、情報処理装置100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行することで実現される。このプログラムを格納する記録媒体は、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記検索プログラムは、当該検索プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記検索プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0027】
なお、上記検索プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、C++、Objective-C、Java(登録商標)、Rubyなどのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0028】
記憶部190は、情報処理装置100を統括的に制御するためのOS(オペレーティングシステム;Operating System)や、プレイヤに提供するゲームプログラム等のデジタルデータを記憶する。記憶部190は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等、既知の大容量記憶装置を用いて実現できる。
【0029】
記憶部190は、複数のプレイヤが参加可能なゲームを制御するためのゲームプログラムを記憶している。このようなゲームの一例としては、例えばMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)、スポーツ対戦ゲーム、レーシングゲーム、対戦シミュレーションゲーム、釣りゲーム等が挙げられる。しかしながら、情報処理装置100が提供するゲームは複数のプレイヤが同時に参加可能なゲームであればどのようなゲームでもよく、上述のものに限定されない。
【0030】
以下一例として、情報処理装置100が提供するゲームが「釣りゲーム」であることを前提とする。ここで「釣りゲーム」とは、端末200の表示画面に表示された魚等のターゲットを、竿や餌等のアイテムを駆使して釣り上げるゲームのことをいう。この釣りゲームは、端末200のユーザであるプレイヤが単独で釣りに挑むこともできるが、何人かのプレイヤがグループを組み、協働で釣りに挑むこともできる。なお、以下本明細書において、ターゲットとなる「魚」等のキャラクタや、竿や餌等のアイテムを含め、「ゲーム媒体」と記載することがある。
【0031】
ストーリー提供部110は、記憶部190からゲームプログラムを読み出して実行し、ゲームのメインストーリーを進行させる。より具体的には、ストーリー提供部110は、記憶部190から読み出した釣りゲームのプログラムを実行し、その結果を送受信部180及びネットワーク300を介して端末200に送信する。これにより、端末200の表示画面には、魚等のターゲットが表示される。
【0032】
グループ管理部150は、複数のプレイヤの中の2以上のプレイヤから構成されるプレイヤグループを、記憶部190に記憶して管理する。
【0033】
図3は、実施の形態に係るプレイヤグループを管理するためのグループ管理テーブル10のデータ構造を模式的に示す図である。グループ管理テーブル10は記憶部190に記憶され、グループ管理部150によって管理される。各プレイヤには、プレイヤ名と、プレイヤを一意に特定することができるプレイヤ識別子とが割り当てられている。
【0034】
ここでグループ管理部150が管理するプレイヤグループは、種々の方法で構成することができる。例えば、ストーリー提供部110がプレイヤグループを編成するための仮想的な場所を各プレイヤにオンラインで提供する。このプレイヤグループを編成するための場所は、「ギルド」や「町」と呼ばれることもある。プレイヤはこのプレイヤグループ編成のための場所でメンバーを募り、プレイヤグループを編成してもよい。
【0035】
あるいは、グループ管理部150が、プレイヤグループの構成メンバを任意の方法(例えばランダムに選択する、プレイ時間が近いプレイヤを集める等の方法)で割り当ててもよい。
【0036】
図3は、N名(Nは2以上の整数)のプレイヤによってプレイヤグループが構成されている例を示している。N名のプレイヤのプレイヤ名はそれぞれ「第1プレイヤ」、「第2プレイヤ」、・・・「第Nプレイヤ」であり、プレイヤ識別子は「PID000001」、「PID000002」、・・・「PID00000N」である。グループ管理部150は、各プレイヤグループに割り当てられたグループ名と、プレイヤグループを一意に特定することができるプレイヤグループ識別子とを、グループ管理テーブル10に記録して管理する。
図3に示す例では、上述のN名のプレイヤから構成されるプレイヤグループのグループ名が「GroupABC」であり、そのプレイヤグループ識別子は「GID000001」であることを示している。グループ管理部150は、プレイヤグループ毎に構成メンバを対応づけて管理する。
【0037】
プレイヤは、ゲーム内で用いる竿や餌等のゲーム媒体を、ゲーム内において報酬取得を実行することによって獲得することができる。この報酬取得に応じて報酬選択部140が実行する報酬選択は、例えば、出現確率が異なる複数種類の報酬から構成される報酬グループを対象とする抽選であってもよい。報酬選択部140は、プレイヤに対して提供する報酬を選択する。ここで、報酬選択部140が実行する報酬選択は、報酬グループにどのゲーム媒体が含まれるか、各報酬の出現確率、各プレイヤに許可する報酬取得回数の上限等を定める「報酬選択の仕様」がプレイヤグループ毎に定められている。
【0038】
図4は、実施の形態に係る報酬選択の仕様を管理するための仕様管理テーブル12のデータ構造を模式的に示す図である。仕様管理テーブル12は記憶部190に記憶され、仕様管理部130によって管理される。
図4に示すように、仕様管理テーブル12には、各プレイヤに許可する報酬取得回数の上限を定める報酬取得許可回数と、複数種類の報酬それぞれの出現確率とが、プレイヤグループ毎に対応づけられて格納されている。
図4に示す仕様管理テーブル12は、プレイヤグループ識別子がGID000001で特定されるプレイヤグループについての報酬選択の仕様を例示している。
【0039】
図4に示すように、仕様管理テーブル12には、プレイヤグループを構成するプレイヤのプレイヤグループ識別子と、そのプレイヤに許可される報酬取得回数の上限とが対応づけられて記憶されている。また、報酬グループを構成する各報酬には、その報酬の希少価値を示す報酬ランクが定められている。
【0040】
図4に示す例では、ランクD、ランクC、ランクB、ランクA、及びランクSの5つの報酬ランクが規定されている。報酬ランクの希少価値はこの順序で増加するように定められており、したがって出願確率はこの順序で減少する。より具体的には、ランクD、ランクC、ランクB、ランクA、及びランクSに分類される報酬の出現確率はそれぞれdd[%]、cc[%]、bb[%]、aa[%]、及びss[%]であり、dd>cc>bb>aa>ssである。またdd+cc+bb+aa+ss=100である。
【0041】
なお、報酬の希少価値(rarerity;レアリティ)として、D、C、B、A、Sのほか、N、R、SRを用いてもよい。ここでNはノーマル(normal)を意味し、通常の珍しさの報酬であることを意味する。Rはレア(rare)を意味し、珍しい報酬であることを意味する。またSRは(super rare)を意味し、非常に珍しい報酬であることを意味する。したがって、報酬の出現確率はN、R、SRの順番で低くなる。
【0042】
報酬選択部140は、プレイヤから報酬取得の要求を取得すると、そのプレイヤが属するプレイヤグループに対応する報酬選択の仕様を記憶部190から読み出す。報酬選択部140は、読み出した報酬選択の仕様を参照して、報酬取得の要求をしたプレイヤのプレイヤ識別子に対応付けられている報酬取得許可回数を確認する。報酬取得許可回数が1以上であれば、報酬選択部140はそのプレイヤに報酬取得を提供する。このとき、報酬選択部140は、各報酬ランクに対応付けられている出現確率に基づく報酬選択を実施し、当たった報酬ランクに対応する報酬をプレイヤに提供する。
【0043】
なお、報酬選択部140は、第1報酬選択モードと第2報酬選択モードとの2種類の報酬選択モードを持ち、それぞれの報酬選択モードに対応する2種類の報酬選択を実行する。第1報酬選択モードは、複数種類の報酬それぞれについて定められた出現確率に基づく報酬選択によって報酬を決定する報酬選択モードである。具体的には、第1報酬選択モードは、
図4に示す仕様管理テーブル12に記憶された出現確率に基づく報酬選択を実行する報酬選択モードである。
【0044】
第2報酬選択モードは、複数種類の報酬それぞれの提供可能な上限数を定め、報酬選択によってプレイヤに提供する報酬を決定するとともに、提供した報酬の上限数を減じる報酬選択モードである。各報酬ランクに対応する報酬の数を定めることにより、結果として各報酬ランクの出現確率が規定される。この意味で、第2報酬選択モードも第1報酬選択モードと同様に各報酬に定められた出現確率に基づく報酬選択を実施することになる。しかしながら、第2報酬選択モードは、報酬選択が実行される度に各報酬に定められた出現確率が変動する点で、第1報酬選択モードと相違する。
【0045】
実施の形態に係る情報処理装置100が提供するゲームは、プレイヤが報酬選択の仕様を変更することを許可する。これを実現するために、変更取得部120は、プレイヤグループを構成するプレイヤから報酬選択の仕様を変更するための変更操作を取得する。仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤから取得した変更操作に応じて、そのプレイヤを含むプレイヤグループに対応する報酬選択の仕様を変更する。より具体的には、仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤから取得した変更操作に応じて所定の報酬の出現確率を増加させたり、報酬取得許可回数を増加させたりする。
【0046】
上述したように、仕様管理テーブル12は、プレイヤグループ毎に報酬選択の仕様を管理するために用いられる。このため、あるプレイヤが報酬選択の仕様を変更すると、その変更はプレイヤが所属するプレイヤグループ全体に対して反映される。いわば、プレイヤグループのメンバ全員で報酬選択/取得(ガチャ)を成長させることができる。これにより、プレイヤグループのメンバ間の交流が活性化され、プレイヤの報酬取得に対する意欲を向上させることができる。
【0047】
イベント開催部160は、プレイヤグループを単位として参加するゲームイベントを開催する。より具体的には、イベント開催部160は、記憶部190からゲームイベント用のプログラムを読み出して実行することにより、端末200に対してゲームイベントを提供する。イベント開催部160が開催するゲームイベントは複数種類存在し、各ゲームイベントにはそれぞれを一意に特定することができるイベント識別子が割り当てられている。
【0048】
イベント開催部160が開催するゲームイベントの一例として、プレイヤグループのメンバが協働して大物を釣り上げることを目的とする大物釣りが挙げられる。このようなイベントは、いわゆる「レイドバトル(raid battle)」として知られている。また、レイドバトルにおけるターゲットは「レイドボス(raid boss)」として知られている。イベント開催部160は、釣り上げる対象の大きさや種類の異なる複数のゲームイベントを開催する。プレイヤグループがゲームイベントを進行させると、イベント開催部160は所定のポイントをプレイヤグループを構成するプレイヤに付与する。イベント開催部160がプレイヤに付与するポイントは、例えばゲーム内で使用される仮想通貨や、所定のアイテムの形式で提供される。
【0049】
図5は、実施の形態に係るゲームイベントを管理するためのイベント管理テーブル14のデータ構造を模式的に示す図である。イベント管理テーブル14は記憶部190に記憶され、イベント開催部160によって管理される。
図5に示すように、イベント管理テーブル14には、複数のゲームイベントそれぞれに割り当てられているイベント識別子と、そのゲームイベントに参加したプレイヤに付与されるポイントとが対応づけられて格納されている。例えば、
図5に示すイベント管理テーブル14の例では、イベント識別子がID000001で特定されるゲームイベントに参加してゲームイベントを進行させた場合、プレイヤはXXXXポイントの付与ポイントが得られることを示している。
【0050】
イベント開催部160がゲームイベントに参加したプレイヤグループのうちどのプレイヤにポイントを付与するかは、ゲームイベント毎にあらかじめ定められている。例えば、イベント開催部160は最終的にターゲットを釣り上げたプレイヤにのみポイントを付与してもよいし、目的達成に対する各プレイヤの貢献度に応じてポイントを配分して付与してもよい。
【0051】
グループ管理部150は、ゲームイベントの進行に応じてイベント開催部160がプレイヤに付与したポイントを、そのゲームイベントに参加したプレイヤグループを構成する少なくとも一人のプレイヤに対応づけて記憶部190に記憶する。
【0052】
図6は、各プレイヤが取得しているポイントを管理するためのポイント管理テーブル16のデータ構造を模式的に示す図である。ポイント管理テーブル16は記憶部190に記憶され、グループ管理部150によって管理される。
図6に示すように、ポイント管理テーブル16には、プレイヤを特定するためのプレイヤ識別子と、そのプレイヤが取得しているポイントとが対応づけられて格納されている。
【0053】
ここで各プレイヤは、ネットワーク300を介して情報処理装置100の変更取得部120に対して自身が所持するポイントを消費する、すなわち変更取得部120に対してポイントを納めることができる。変更取得部120は、プレイヤがポイントを納める操作を、報酬選択の仕様を変更するための変更操作として取得する。すなわち、変更取得部120がプレイヤからポイントを取得することを契機として、仕様管理部130はそのプレイヤが属するプレイヤグループに対応づけられている報酬選択の仕様を変更する。
【0054】
上述したように、「報酬選択の仕様」は、報酬グループにどのゲーム媒体が含まれるか、各報酬の出現確率、報酬取得許可回数等を規定する情報である。したがって、仕様管理部130が報酬選択の仕様を変更することは、報酬グループにどのゲーム媒体が含まれるか、各報酬の出現確率、報酬取得許可回数等を規定する情報のうち少なくともいずれかひとつの情報を変更することを意味する。
【0055】
仕様の変更として報酬取得許可回数を変更する場合、仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤからポイントを取得することを契機として、当該プレイヤに対応づけて記憶部190に記憶された報酬取得許可回数を増加させる。
【0056】
図7は、実施の形態に係る報酬取得許可回数の変更を管理するための回数変更管理テーブル18のデータ構造を模式的に示す図である。回数変更管理テーブル18は記憶部190に記憶され、仕様管理部130によって管理される。
図7に示すように、回数変更管理テーブル18には、報酬取得許可回数を変更するために必要なポイントが、報酬取得許可回数の各値に対応づけられて格納されている。
図7に示す回数変更管理テーブル18の例では、報酬取得許可回数が0回のプレイヤが報酬取得許可回数を1回に増加させるためには、変更取得部120に1千ポイントを納める必要があることを示している。また、報酬取得許可回数が1回のプレイヤが報酬取得許可回数を2回に増加させるためには、変更取得部120に1万ポイントを納める必要があることを示している。以下同様である。
【0057】
仕様管理部130は、回数変更管理テーブル18を参照し、プレイヤが納めたポイントに応じた報酬取得許可回数を取得する。仕様管理部130は、取得した報酬取得許可回数を、仕様管理テーブル12に格納する。このように、仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤからポイントを多く取得した場合は、少なく取得した場合と比較して、プレイヤに対応づけて記憶部190に記憶された仕様管理テーブル12中の報酬取得許可回数を多く増加させる。これにより、プレイヤがゲームイベントに参加しようとする意欲を高めることができ、ひいてはプレイヤグループのメンバ間の交流を促進することができる。
【0058】
報酬の出現確率を変更する場合、仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤからポイントを取得することを契機として、仕様管理テーブル12中の複数種類の報酬の出現確率を変更する。より具体的には、仕様管理部130は、ポイントを納めたプレイヤを含むプレイヤグループに対応づけて記憶部190に記憶された仕様管理テーブル12中の複数種類の報酬のうち、所定の報酬の出現確率を変更する。
【0059】
図8は、実施の形態に係る報酬の出現確率の変更を管理するための確率変更管理テーブル20のデータ構造を模式的に示す図である。確率変更管理テーブル20は記憶部190に記憶され、仕様管理部130によって管理される。
図8に示すように、回数変更管理テーブル18には、Sランクの報酬の出現確率を変更するために必要なポイントが、出現確率の各値に対応づけられて格納されている。
図8に示す確率変更管理テーブル20の例では、Sランクの報酬の出現確率が0.1[%]である場合に0.2[%]に増加させるためには、プレイヤは変更取得部120に1億ポイントを納める必要があることを示している。また、Sランクの報酬の出現確率が0.1[%]である場合に10[%]に増加させるためには、プレイヤは変更取得部120に1000億ポイントを納める必要があることを示している。
【0060】
仕様管理部130は、確率変更管理テーブル20を参照し、プレイヤが納めたポイントに応じた出現確率を取得する。仕様管理部130は、取得した出現確率を、ポイントを納めたプレイヤが属するプレイヤグループに対応づけられて記憶部190に記憶されている仕様管理テーブル12中の出現確率を変更する。このように、プレイヤグループを構成するいずれかのプレイヤがポイントを納めると、そのプレイヤグループのメンバ全員についてSランクの報酬の出現確率が上昇する。これにより、プレイヤグループのメンバ全員について報酬取得に対する意欲を高めることができる。なお当然ながら、仕様管理部130がSランクの報酬の出現確率を増加させた場合、他の報酬ランクの出現確率は減少することになる。どの報酬ランクの出現確率を減少させるかは、報酬選択/取得のバランス等を考慮してあらかじめ定めておけばよい。
【0061】
また仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤからポイントを多く取得した場合は、少なく取得した場合と比較して、Sランクの報酬の出現確率の増加量を多くする。ポイントはゲームイベントの参加によって得られるため、これによりプレイヤがゲームイベントに参加しようとする意欲を高めることができる。結果として、プレイヤグループのメンバ間の交流を促進することもできる。
【0062】
例えばあるプレイヤグループのリーダ的な立場にあるプレイヤにとっては、自分のプレイヤグループのメンバが成長することを望むかもしれない。プレイヤグループの他のプレイヤが報酬取得によって良いゲーム媒体(例えば性能のよい「竿」や、食いつきのよい「餌」等)を得ることができれば、そのプレイヤのレベルがアップする。
【0063】
一般に、リーダ的な立場にあるプレイヤは、他のプレイヤと比較して所持するポイントも多いと考えられる。そこで、リーダ的な立場にあるプレイヤは、自分が所持するポイントを使って報酬選択の仕様を変更する。これにより、プレイヤグループの他のプレイヤが報酬取得によって良いゲーム媒体が得られる確率を上げることができる。これにより、リーダ的な立場にあるプレイヤが他のプレイヤのためにポイントを使用しようとする意欲を高めることができる。他のプレイヤは、多くの報酬取得の機会を得るためのポイントを使用する意欲が高まる。いずれにしても、プレイヤグループのメンバ間の交流が促進され、プレイヤの報酬取得に対する意欲を高めることができる。
【0064】
あるいは、グループ内のあるプレイヤと別のプレイヤとが知人である、いわゆる「フレンド関係」にある場合にも、互いのために報酬選択の仕様を変更するしようとする動機が生まれると考えられる。また、「リーダ」でなくても、グループ内の上級者は、初心者に対して成長を望むと考えられる。これらの場合であっても、あるプレイヤが他のプレイヤのためにポイントを使用しようとする意欲を高めることができる。他のプレイヤは、多くの報酬取得の機会を得るためのポイントを使用する意欲が高まる。これにより、プレイヤグループのメンバ間の交流が促進され、プレイヤの報酬取得に対する意欲を高めることができる。
【0065】
なお、仕様管理部130は、変更取得部120に対してポイントを収めているプレイヤの数が多いほど、報酬の出現確率の変化量を大きくするようにしてもよい。これにより、各プレイヤは、より多くの他のプレイヤが報酬取得に参加するように報酬選択の仕様を変化させようとする意欲が高まる。結果として、プレイヤが他プレイヤに報酬取得の参加を促すことにつながり、プレイヤ間の交流が促進される。
【0066】
報酬グループにどのゲーム媒体が含まれるかを変更する場合、仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤからポイントを取得することを契機として、各報酬ランクにおいて出現する報酬を変更する。
【0067】
図9は、実施の形態に係る報酬アイテムの変更を管理するための報酬変更管理テーブル22のデータ構造を模式的に示す図である。報酬変更管理テーブル22は記憶部190に記憶され、仕様管理部130によって管理される。実施の形態に係る報酬選択部140が実施する報酬選択は、複数のゲーム媒体が同一の報酬ランクに分類されている。一般に報酬ランクによって報酬の「良さ」が分けられるが、同じ報酬ランクに分類されているゲーム媒体であっても、「良い」ゲーム媒体とそうではないゲーム媒体とが存在する。
【0068】
ここで「良い」ゲーム媒体とは、そのゲーム媒体そのものの絶対的な価値や性能のみならず、その時点でプレイヤが所望するゲーム媒体も意味する。例えば、特定のゲーム媒体を複数集めて「合成」することにより、そのゲーム媒体とは異なる別のゲーム媒体が得られるとする。どのようなゲーム媒体を収集し、そのゲーム媒体をどのように使用するかはプレイヤの好みであるため、ゲーム媒体の価値はプレイヤによって変わる相対的なものでもある。
【0069】
図9に示す報酬変更管理テーブル22には、報酬選択部140が実際に提供する報酬である出現報酬が、報酬ランク毎に対応づけられて格納されている。例えば
図9に示す報酬変更管理テーブル22の例では、報酬ランクDのアイテムがアイテムD1であり、報酬ランクSのアイテムがアイテムS5であることを示している。図示はしていないが、報酬ランクDの出現報酬はアイテムD1の他にもアイテムD2、アイテムD3等が存在する。他のランクの出現報酬についても同様である。
【0070】
仕様管理部130は、変更取得部120がプレイヤからポイントを取得することを契機として報酬変更管理テーブル22中の出現報酬を変更する。仕様管理部130は、例えばプレイヤが所定量のポイント以上を変更取得部120に納める場合には、ユーザが出現報酬を選択できるようにしてもよい。この場合、プレイヤが変更取得部120に納めるポイントが所定量のポイント未満の場合には、仕様管理部130は出現報酬をランダムに変更するようにしてもよい。あるいは、仕様管理部130は、報酬ランクの高い出現報酬を変更するためには、報酬ランクの低い出現報酬を変更する場合と比較して、多くのポイントをプレイヤに要求してもよい。これにより、プレイヤの報酬取得に対する意欲を高めることができる。
【0071】
図10(a)−(b)は、報酬選の仕様の変更前後における表示画像の一例を示す図である。
図10(a)−(b)に示す表示画像は、報酬選択部140がゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置100のグラフィックプロセッサ(不図示)に計算させて生成する。
【0072】
図10(a)は、報酬選択の仕様の変更前、すなわち通常状態における報酬取得の表示画像の一例を示す図である。
図10(a)に示すように、報酬取得を示す表示画像は、実物の「カプセルトイ」を模した画像となっている。一方
図10(b)は、報酬選択の仕様の変更後の報酬取得の表示画像の一例を示す図である。
図10(b)に示す例では、
図10(a)に示す画像の背後に炎が描写され、通常状態とはことなる演出がなされている。これによりプレイヤが報酬選択の仕様が変更されていることが一見して把握でき、プレイヤの報酬取得に対する意欲を高めることができる。
【0073】
以上は、プレイヤがポイントを使用して自分自身の報酬取得許可回数を増加したり、プレイヤグループに対応づけられている報酬の出現確率を変更したりする場合について説明した。この他にも、プレイヤは
自身が所持する報酬取得に関する権利を他のプレイヤに譲渡できると便利である。ここで「報酬取得に関する権利」とは、例えば報酬取得許可回数や、上述のポイントそのもの等を意味する。
【0074】
これを実現するために、譲渡操作受付部170は、プレイヤグループを構成する第1プレイヤの求めに応じ、その第1プレイヤが有する報酬取得に関する権利を、プレイヤグループを構成する第2プレイヤに譲渡する譲渡操作を取得する。より具体的には、グループ管理部150は、譲渡操作受付部170が第1プレイヤから譲渡操作を取得した場合、第1プレイヤが実行可能な報酬取得許可回数を所定数減少し、第2プレイヤが実行可能な報酬取得許可回数を減少した回数と同じ回数だけ増加して、記憶部190中の仕様管理テーブル12に記憶する。これにより、あるプレイヤは、実施が所有する報酬取得に関する権利を、同じプレイヤグループに属する他のプレイヤに譲渡することができる。
【0075】
図11は、報酬を取得する権利を譲渡する際にプレイヤが所持する端末200に表示されるGUI(Graphical User Interface)の一例を示す図である。
図11に示すように、プレイヤは端末200に表示されたGUIをタップすることで譲渡する報酬取得許可回数の数を選択して譲渡を実行したり、譲渡を取りやめたりすることができる。
図11に示すGUIは、譲渡操作受付部170がゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置100のグラフィックプロセッサに計算させて生成する。なお図示はしないが、譲渡操作受付部170はプレイヤが譲渡を実行する前に、譲渡先のプレイヤを選択するためのGUIを生成して端末200に送信する。このとき、譲渡操作受付部170は、プレイヤが属するプレイヤグループの中から譲渡先のプレイヤの選択肢としてリストアップし、GUIを生成する。
【0076】
例えば、上述したグループのリーダ的な立場にあるようなプレイヤは、よいゲーム媒体を所持していると考えられる。このようなプレイヤにとっては実行する価値が低い報酬取得であっても、他のプレイヤにとっては実行を望む報酬取得である場合もあり得る。このような場合、リーダ的な立場にあるようなプレイヤは報酬取得に関する権利を他のプレイヤに譲渡することにより、譲渡されたプレイヤは報酬取得を実行することができるようになる。これにより、リーダ的な立場にあるようなプレイヤにとってはグループ全体のレベルが底上げされうる点で利益があり、他のプレイヤにとっては
自身の実力では実行が難しい報酬取得を実行する機会が得られる点で利益がある。結果としてプレイヤの報酬取得に対する意欲を高めることができる。
【0077】
報酬選択の仕様が変更されてよいゲーム媒体が出現する確率が上がっているときは、プレイヤにとっては報酬取得を実行するよい機会である。このようなときに、プレイヤが一度の操作で1回の報酬取得しか実行できないとすると、複数回の報酬取得を希望するプレイヤに煩わしさを感じさせることになりかねない。
【0078】
そこで報酬選択部140は、各プレイヤに対応づけて記憶部190中の仕様管理テーブル12に記憶された報酬取得許可回数を上限として、複数回の報酬取得を続けて実行することをプレイヤに許可する。これにより、プレイヤに感じさせる煩わしさを低減することができる。
【0079】
図12は、プレイヤが複数回の報酬取得を続けて実行する際に、プレイヤが所持する端末200に表示されるGUIの一例を示す図である。複数回の報酬取得の実行を希望するユーザは、端末200の表示画面をタップすることによって1度の操作で複数回の報酬取得を続けて実行することができる。
【0080】
また、報酬選択の仕様が変更されているときは、プレイヤグループを構成するプレイヤはみな報酬取得を実行することを望むと考えられる。そこで報酬選択部140は、プレイヤグループを構成する全てのプレイヤが同じタイミングで報酬取得することを許可してもよい。変更取得部120は、報酬選択部140がプレイヤグループを構成する全てのプレイヤが同じタイミングで報酬取得することを許可した場合、プレイヤが変更操作をすることを却下してもよい。これにより、プレイヤグループのメンバ全員が同じ条件で一斉に報酬取得をすることができ、プレイヤが感じる不公平感を抑制することもできる。
【0081】
特に、報酬選択部140が上述した第2報酬選択モードで報酬選択を実行している場合には、各報酬ランクに割り当てられたゲーム媒体の出現確率が、報酬選択の実行に応じて刻一刻と変化することになる。報酬選択部140は、各報酬ランクに割り当てられたゲーム媒体の出現確率を示す情報を、端末200に表示するようにしてもよい。これにより、各プレイヤは出現確率の変動を確認しながら、報酬取得を実行するタイミングをはかることが可能となる。各プレイヤは
自身が望むゲーム媒体の出現確率が上がったときに報酬取得を実行することができるので、プレイヤの報酬取得に対する意欲を向上することができる。
【0082】
図13は、実施の形態に係る情報処理装置100が実行するゲーム制御処理の流れを説明するフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば情報処理装置100が起動したときに開始する。
【0083】
グループ管理部150は、複数のプレイヤの中の2以上のプレイヤから構成されるプレイヤグループを構成する(S2)。グループ管理部150は、構成したプレイヤグループの情報を記憶部190中のグループ管理テーブル10に記録する。仕様管理部130は、複数のプレイヤグループそれぞれに対して報酬選択の仕様を設定する(S4)。仕様管理部130は、設定した仕様を記憶部190中の仕様管理テーブル12に記録する。
【0084】
なお、ステップS2とステップS4との処理順序は入れ替えてもよい。この場合、仕様管理部130は、特定のプレイヤに対して所定の報酬選択の仕様を設定する。その後、グループ管理部150は、特定のプレイヤとそのプレイヤやサーバからの通知に応じて参加した他のプレイヤとをメンバーとしてプレイヤグループを構成すればよい。この場合、情報処理装置100が前述のサーバとして機能させてもよいし、参加募集のためのサーバ(不図示)を用意してもよい。
【0085】
変更取得部120は、プレイヤから報酬選択の仕様を変更する変更操作を受け付ける(S6)。変更取得部120がプレイヤから変更操作を取得すると(S8のYes)、仕様管理部130は、変更操作をしたプレイヤが属するプレイヤグループに対応付けられている報酬選択の仕様を変更する(S10)。変更取得部120がプレイヤから変更操作を取得しない場合(S8のNo)、仕様管理部130は報酬選択の仕様を変更せずに維持する。
【0086】
報酬選択部140は、プレイヤから報酬取得を実行する旨の指示を取得すると、記憶部190に記録されている仕様管理テーブル12の情報をもとに報酬選択を実行する(S12)。報酬選択部140がプレイヤに報酬を提供するために報酬の選択を実行すると、本フローチャートにおける処理は終了する。
【0087】
なお、情報処理装置100は、ゲームプログラムを実行することによって上述した各部の機能を実現することができる。すなわち、上述したストーリー提供部110、変更取得部120、仕様管理部130、報酬選択部140、グループ管理部150、イベント開催部160、及び譲渡操作受付部170は、情報処理装置100がゲームプログラムを実行することによって、ストーリー提供機能、変更取得機能、仕様管理機能、報酬選択機能、グループ管理機能、イベント開催機能、及び譲渡操作受付機能として実現される。
【0088】
以上説明したように、実施形態に係る情報処理装置100によれば、ゲーム内で提供される報酬取得に対するプレイヤの意欲を向上させることができる。
【0089】
特に、実施の形態に係る情報処理装置100が提供する報酬選択/取得は、各プレイヤが報酬選択の仕様を変更すると、その変更はプレイヤグループ全体の報酬選択にも反映される。このため、各プレイヤは自分が所属するプレイヤグループのために報酬選択/取得を成長させることができる。プレイヤグループに属するプレイヤが協働して仕様を変更させることによってプレイヤ同士の交流も促され、また各プレイヤの報酬取得に対する意欲を向上することもできる。
【0090】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0091】
(第1の変形例)
上記では、プレイヤが変更操作に用いるポイントは、イベント開催部160が開催するゲームイベントに参加することによって得られる場合について説明した。これに代えて、あるいはこれに加えて、プレイヤはゲームイベントに参加すること以外の手段によってもポイントを得られるようにしてもよい。例えば、ゲームを実行することの見返りとして、プレイヤが所定のポイントを得られるようにしてもよい。これにより、報酬取得の実行を望むプレイヤがゲームを実行しようとする意欲を高めることができる。また、ゲームを実行することによって報酬取得の機会が得られるので、プレイヤの報酬取得に対する意欲を維持することもできる。
【0092】
(第2の変形例)
上記では、サーバとして機能する情報処理装置100がゲームプログラムを実行し、その結果をネットワーク300を介して端末200に送信する場合について主に説明した。しかしながら、ゲームプログラムに含まれる全てのプログラムモジュールを情報処理装置100が実行する必要はない。全部または少なくとも一部のプログラムモジュールが端末200で実行されてもよい。
【0093】
例えば、変更取得部120、仕様管理部130、報酬選択部140、グループ管理部150、イベント開催部160、譲渡操作受付部170、及び記憶部190等の報酬選択/取得に関する機能はサーバが実行し、ストーリー提供部110は端末200が実行するようにしてもよい。つまり、メインストーリーは端末200が実行してプレイヤに提供するが、報酬選択やグループ管理、グループでの協働作業を処理する機能はサーバが提供するようにしてもよい。
【0094】
(第3の変形例)
上記では、仕様管理部130は、Sランクの報酬の出現確率を増加する場合について説明した。しかしながら、仕様管理部130が出現確率を増加させる報酬ランクはSランクに限られず、その他の報酬ランクの出現確率を増加させてもよい。また、どの報酬ランクの出現確率を増加させるかを、プレイヤが選択可能としてもよい。これにより、プレイヤは取得したゲーム媒体が報酬に含まれる報酬ランクの出現確率を増加することができるようになり、プレイヤの報酬取得に対する意欲を向上させることができる。
【0095】
または、仕様管理部130は、特定のランクの確率を変更するのではなく、確率の変化の傾向をプレイヤに提示し、選択させるようにしてもよい。例えば、Sランクの確率が重点的に上がるように出現確率を変化させる「Sランク重視」、ランクの低い報酬の出現確率が下がるように出現確率を変化させる「ノーマル少な目」等をプレイヤに選択させるようにしてもよい。これにより、プレイヤによって報酬取得に対する要求が異なる場合でも、それらの要求にきめ細かく対応することが可能となる。プレイヤにとっては、自分が望む報酬取得の傾向に合致したグループに参加しようとする動機が生じ、結果としてプレイヤ間の交流を促進することができる。
【0096】
(第4の変形例)
グループ管理部150は、あるプレイヤグループに対応づけられた報酬選択の仕様において報酬の出現確率が一定値以上となった場合、そのプレイヤグループに新たなプレイヤが参加することを許可しないようにしてもよい。あるいは、グループ管理部150は、ひとたびプレイヤグループを確定した後は、そのプレイヤグループに新たなプレイヤが参加することを却下するようにしてもよい。これにより、あるプレイヤグループに対応づけられた報酬取得における報酬の出現確率が上昇したタイミングで、そのプレイヤグループにプレイヤが新たに参加し、報酬取得を実行することを抑制できる。報酬選択の仕様を変更するためにポイントを消費していないプレイヤが、高確率の報酬取得を実施できるといった状況を無くすことができる。
【0097】
(第5の変形例)
報酬選択部140は、ポイントの納めた量などに応じて、プレイヤが報酬取得を実行する順序を定めるようにしてもよい。例えば、報酬選択部140は、ポイントを多く消費したプレイヤの方が、ポイント消費の少ないプレイヤよりも優先して報酬取得を提供するようにしてもよい。これにより、報酬選択の仕様変更に対するプレイヤの貢献度に応じて報酬取得を実施する順序を定めることができる。結果として、プレイヤ間の報酬取得に関する不公平感を軽減することができる。
【0098】
(第6の変形例)
上記では、仕様管理部130が、報酬取得における報酬の出現確率が上昇するように仕様を変更する場合について説明した。上述した第2報酬選択モードの場合には、これに代えて、あるいはこれに加えて、所定のアイテムを追加したり、削除したりするといった仕様の変更によって、結果として報酬の出現確率を変更するようにしてもよい。
【0099】
(第7の変形例)
上記では、仕様管理部130は、各報酬ランクに含まれる報酬の出現確率を変更する場合について説明した。これに代えて、仕様管理部130は、報酬ランク単位でなく、報酬(例えば特定のアイテム)を単位としてその出現確率を変更するようにしてもよい。あるいは、報酬とするアイテムが特定の属性(例えば、火・水など/職業など)を備える場合、その属性を単位として報酬の出現確率を変更するようにしてもよい。これにより、プレイヤは自身が所望するアイテムや、属性に含まれるアイテムを報酬取得によって取得可能な確率を上昇させることができるようになり、プレイヤの報酬取得に対する意欲を向上することができる。
【0100】
(第8の変形例)
上記では、情報処理装置100の報酬選択部140が実施する報酬選択は、完全にランダムなものの他、予め順序がきまっていて、それに応じて選択するものも含む場合について説明した。報酬選択部140は、完全にランダムな態様と、予め順序がきまっていて、それに応じて選択する態様との組み合わせで報酬選択/取得を実施してもよい。具体的には、報酬の提供順序のルールを複数用意し、それらをプレイヤの操作に応じて報酬選択部140がランダムで選択する。報酬選択部140は、選択したルールに従って報酬選択/取得を実施してもよい。
【0101】
〔付記事項〕
本発明は上述したそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
以下に、本願の原出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数のプレイヤが参加可能なゲームを制御するためのゲームプログラムであって、
コンピュータに、
前記複数のプレイヤの中の2以上のプレイヤから構成されるプレイヤグループを、記憶部に記憶して管理するグループ管理機能と、
出現確率が異なる複数種類の報酬から構成される報酬グループを対象として報酬を選択し、プレイヤに提供する報酬選択機能と、
各プレイヤに許可する報酬取得回数の上限を定める報酬取得許可回数と、前記複数種類の報酬それぞれの出現確率との少なくともいずれか一方を含む報酬選択の仕様を、プレイヤグループ毎に対応づけて前記記憶部に記憶して管理する仕様管理機能と、
プレイヤグループを構成するプレイヤから、前記仕様を変更する変更操作を取得する変更取得機能とを実現させ、
前記仕様管理機能は、前記変更取得機能がプレイヤから取得した変更操作に応じて、当該プレイヤを含むプレイヤグループに対応する前記仕様を変更するゲームプログラム。
[2]
前記ゲームプログラムは、
プレイヤグループを単位として参加するゲームイベントを開催するイベント開催機能をさらに有し、
前記グループ管理機能は、前記ゲームイベントの進行に応じて付与されるポイントを、前記ゲームイベントに参加したプレイヤグループを構成する少なくとも一人のプレイヤに対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記変更取得機能は、プレイヤが前記ポイントを当該変更取得機能に対して消費する操作を、前記変更操作として取得する[1]に記載のゲームプログラム。
[3]
前記仕様管理機能は、前記変更取得機能がプレイヤからポイントを取得した場合、当該プレイヤに対応づけて前記記憶部に記憶された前記報酬取得許可回数を増加させる[2]に記載のゲームプログラム。
[4]
前記仕様管理機能は、前記変更取得機能がプレイヤからポイントを取得した場合、当該プレイヤを含むプレイヤグループに対応づけて前記記憶部に記憶された、前記複数種類の報酬のうち所定の報酬の出現確率を変更する[2]または[3]に記載のゲームプログラム。
[5]
前記仕様管理機能は、前記変更取得機能がプレイヤからポイントを多く取得した場合は、少ない場合と比較して、前記プレイヤに対応づけて前記記憶部に記憶された前記報酬取得許可回数を多く増加させる[2]から[4]のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
[6]
前記仕様管理機能は、前記変更取得機能によって前記プレイヤから前記ポイントが取得された場合、当該プレイヤを含むプレイヤグループに対応づけて前記記憶部に記憶された前記複数種類の報酬のうち、所定の報酬の出現確率を増加させ、
前記仕様管理機能は、前記変更取得機能がプレイヤからポイントを多く取得した場合は、少ない場合と比較して前記出現確率の増加量を多くする[2]から[5]のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
[7]
前記ゲームプログラムは、
プレイヤグループを構成する第1プレイヤの求めに応じ、当該第1プレイヤが有する報酬取得に関する権利を、前記プレイヤグループを構成する第2プレイヤに譲渡する譲渡操作を取得する譲渡操作受付機能をさらに有する[1]から[6]のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
[8]
前記報酬取得に関する権利は、各プレイヤが実行可能な報酬取得許可回数を含み、
前記グループ管理機能は、前記譲渡操作受付機能が前記第1プレイヤから譲渡操作を取得した場合、前記第1プレイヤが実行可能な報酬取得許可回数を所定数減少し、前記第2プレイヤが実行可能な報酬取得許可回数を前記所定数増加して前記記憶部に記憶する[7]に記載のゲームプログラム。
[9]
前記報酬選択機能は、各プレイヤに対応づけて前記記憶部に記憶された報酬取得許可回数を上限として、複数回の報酬取得を続けて実行することをプレイヤに許可する[1]から[7]のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
[10]
前記報酬選択機能は、
複数種類の報酬それぞれについて定められた出現確率に基づく報酬選択によって前記報酬を決定する第1報酬選択モードと、
複数種類の報酬それぞれの提供可能な上限数を定め、報酬選択によってプレイヤに提供する報酬を決定するとともに提供した報酬の上限数を減じる第2報酬選択モードとのいずれかのモードで報酬を選択する[1]から[9]のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
[11]
前記報酬選択機能は、前記プレイヤグループを構成する全てのプレイヤが同じタイミングで報酬取得することを許可し、
前記変更取得機能は、前記報酬選択機能が前記プレイヤグループを構成する全てのプレイヤが同じタイミングで報酬を取得することを許可した場合、前記プレイヤが変更操作をすることを禁止する[1]から[10]のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
[12]
複数のプレイヤが参加可能なゲームを制御するためのゲーム制御方法であって、
プロセッサが、
前記複数のプレイヤの中の2以上のプレイヤから構成されるプレイヤグループを、記憶部に記憶して管理するグループ管理ステップと、
出現確率が異なる複数種類の報酬から構成される報酬グループを対象として報酬を選択し、プレイヤに提供する報酬選択ステップと、
各プレイヤに許可する報酬取得回数の上限を定める報酬取得許可回数と、前記複数種類の報酬それぞれの出現確率との少なくともいずれか一方を含む報酬選択の仕様を、プレイヤグループ毎に対応づけて前記記憶部に記憶して管理する仕様管理ステップと、
プレイヤグループを構成するプレイヤから、前記仕様を変更する変更操作を取得する変更取得ステップとを実行し、
前記仕様管理ステップは、前記変更取得ステップによってプレイヤから取得された変更操作に応じて、当該プレイヤを含むプレイヤグループに対応する前記仕様を変更するゲーム制御方法。
[13]
複数のプレイヤが参加可能なゲームを制御するための情報処理装置であって、
前記複数のプレイヤの中の2以上のプレイヤから構成されるプレイヤグループを、記憶部に記憶して管理するグループ管理部と、
出現確率が異なる複数種類の報酬から構成される報酬グループを対象として報酬を選択し、プレイヤに提供する報酬選択部と、
各プレイヤに許可する報酬取得回数の上限を定める報酬取得許可回数と、前記複数種類の報酬それぞれの出現確率との少なくともいずれか一方を含む報酬選択の仕様を、プレイヤグループ毎に対応づけて前記記憶部に記憶して管理する仕様管理部と、
プレイヤグループを構成するプレイヤから、前記仕様を変更する変更操作を取得する変更取得部とを備え、
前記仕様管理部は、前記変更取得部がプレイヤから取得した変更操作に応じて、当該プレイヤを含むプレイヤグループに対応する前記仕様を変更する情報処理装置。
【解決手段】複数の前記プレイヤの中の2以上のプレイヤから構成されるプレイヤグループを、記憶部に記憶して管理し、前記プレイヤから報酬取得の要求を受け付けた場合、出現確率が異なる複数種類の報酬から構成される報酬グループを対象として報酬を選択し、プレイヤに提供し、前記複数種類の報酬それぞれの出現確率を含む報酬選択の仕様を、前記プレイヤグループ毎に対応づけて前記記憶部に記憶して管理し、前記プレイヤグループを構成する前記プレイヤから、前記仕様を変更する変更操作を受け付ける。