(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献に記載の技術には次のような問題があった。詳しくは、上述したハンドオーバー技術を、携帯端末と印刷装置との間のデータ通信に適用した場合に、ハンドオーバーを行って無線通信を確立させたとしても、無線通信確立後の印刷処理において、印刷指示等のユーザ操作が必要なため、操作性が低い。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、印刷装置との間でデータ通信を行う携帯端末において、操作性を向上させるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、
本願明細書に記載のプログラムは、画像を表示する表示部と、画像を印刷する印刷装置と近接無線通信を行う近接無線通信部と、ユーザ操作を受け付ける受付部と、を備える携帯端末のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段と、前記コンテンツデータに基づく1以上の画像を前記表示部に表示させるための画面データを出力する画面データ出力手段と、前記画面データ出力手段が複数の画像を前記表示部に表示させるための画面データを出力した場合に、該複数の画像のうちのいずれかの画像を選択するユーザ操作を前記受付部が受け付けたことにより発生した選択データを取得する、選択データ取得手段と、前記印刷装置との前記近接無線通信が確立した場合に、前記選択データ取得手段が取得した選択データに基づいて、前記ユーザ操作が選択した画像に対応するコンテンツデータの印刷を指示する印刷指示データを出力する印刷指示データ出力手段と、して前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、
本願明細書に記載の携帯端末は、画像を表示する表示部と、画像を印刷する印刷装置と近接無線通信を行う近接無線通信部と、ユーザ操作を受け付ける受付部と、を備える携帯端末であって、コンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得手段と、前記コンテンツデータに基づく1以上の画像を前記表示部に表示させるための画面データを出力する画面データ出力手段と、前記画面データ出力手段が複数の画像を前記表示部に表示させるための画面データを出力した場合に、該複数の画像のうちのいずれかの画像を選択するユーザ操作を前記受付部が受け付けたことにより発生した選択データを取得する、選択データ取得手段と、前記印刷装置との前記近接無線通信が確立した場合に、前記選択データ取得手段が取得した選択データに基づいて、前記ユーザ操作が選択した画像に対応するコンテンツデータの印刷を指示する印刷指示データを出力する印刷指示データ出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願明細書に記載のプログラム若しくは、携帯端末では、印刷装置との近接無線通信が確立した場合に、ユーザにより選択された画像に対応するコンテンツデータの印刷を指示する旨の情報が、印刷装置に送信される。つまり、ユーザは任意の画像を選択し、携帯端末を印刷装置に接近させるだけで、画像の印刷処理を行うことが可能となる。これにより、印刷指示のユーザ操作を省くことが可能となり、携帯端末の操作性を向上させることが可能となる。
【0009】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、コンテンツデータが、複数のページに対応する複数のページコンテンツデータから構成されている。そして、携帯端末において、印刷装置との近接無線通信が確立した場合に、ユーザにより選択された画像に対応するページコンテンツデータの印刷を指示する旨の情報が、印刷装置に送信される。文書は、通常、複数のページから構成されているため、
本願明細書に記載のプログラムによれば、文書のページ毎の印刷を容易に実行することが可能となる。
【0010】
また、
本願明細書に記載のプログラムにおいて、携帯端末は、近接無線通信より通信距離の長い長距離無線通信を、印刷装置と行うことが可能とされており、長距離無線通信により、画面データ等が携帯端末から印刷装置に送信される。これにより、データ量の多い画面データ等を適切に送信することが可能となる。
【0011】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、複数の画像がサムネイル形式で表示部に表示される。これにより、ユーザは多くの画像をまとめて閲覧することが可能となる。
【0012】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、サムネイル形式で表示された複数の画像が、ユーザ操作に従って拡大される。これにより、画像を詳細に閲覧することが可能となる。また、サムネイル形式で表示された複数の画像が、ユーザ操作に従って縮小される。これにより、より多くの画像を表示部に表示することが可能となる。
【0013】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、画像が1枚毎に表示部に表示される。これにより、画像を1枚毎に詳細に閲覧することが可能となる。
【0014】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、印刷処理を行うべき印刷装置がデフォルト設定されており、携帯端末に設けられた印刷ボタンが操作されることで、デフォルト設定されている印刷装置による印刷処理が行われる。これにより、例えば、ユーザが携帯端末を印刷装置に接近させるだけで、ユーザ自身の近くにある印刷装置に印刷処理を行わせることも、普段から使用するためにデフォルト設定されている印刷装置によって画像の印刷を行うことも可能となる。
【0015】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、印刷装置との近接無線通信が確立した場合に、その印刷装置が、印刷ボタンの操作により印刷処理を行う装置として設定される。これにより、直近に使用した印刷装置による印刷を、印刷ボタンの操作により行うことが可能となる。
【0016】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、表示部に表示される複数の画像から個別に画像を選択するための選択画像ボタンと、表示部に表示される複数の画像の全てを選択するための全画像選択ボタンとが設けられている。つまり、表示部に表示される複数の画像の全てを印刷したい場合には、ユーザは全選択ボタンを操作すればよく、操作性が向上する。
【0017】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、選択可能な画像が1枚の場合には、ユーザによる画像の選択が行われなくても、印刷装置との近接無線通信が確立した場合に、その1枚の画像に対応するコンテンツデータの印刷を指示する旨の情報が、印刷装置に送信される。つまり、ユーザは画像の選択を行わなくても、携帯端末を印刷装置に接近させるだけで、画像の印刷処理を行うことが可能となる。これにより、画像選択および印刷指示のユーザ操作を省くことが可能となり、携帯端末の操作性を向上させることが可能となる。
【0018】
また、
本願明細書に記載のプログラムでは、ユーザにより選択された画像が記憶されており、携帯端末と印刷装置との近接無線通信が遮断し、再度、確立した場合に、ユーザによる画像の選択が行われなくても、記憶されている画像に対応するコンテンツデータの印刷を指示する旨の情報が、印刷装置に送信される。つまり、ユーザによる画像の選択が行われ、選択された画像の印刷処理が行われた後に、携帯端末を印刷装置から離間させ、再度、携帯端末を印刷装置に接近させた場合には、同じ画像の印刷処理が行われる。これにより、例えば、携帯端末の印刷装置への接近・離間を繰り返すだけで、同じ画像の印刷を複数回行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<通信システムの構成>
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話10、MFP(Multifunction Peripheralの略)50、アクセスポイント80、ウェブサーバ82、基地局84を備える。携帯電話10、および、MFP50は、無線LAN端末装置としての機能を備える。また、MFP50は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備える多機能周辺装置である。アクセスポイント80は、無線LANアクセスポイントとしての機能を備える。ウェブサーバ82は、ネットワークにおいて、クライアント装置に対し、自身の持っている機能やデータを提供する装置である。なお、MFP50も無線LANアクセスポイントとしての機能を備えている。
【0021】
携帯電話10の構成について説明する。携帯電話10は、CPU(Central Processing Unitの略)12、記憶部14、携帯電話通信I/F16、無線LANI/F18、NFCI/F20、パネル22、ボタン入力部24、スピーカ28、マイク30を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート30を介して互いに通信可能とされている。
【0022】
無線LANI/F18は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、WiFi方式(WF方式と略して記載する場合もある)の無線通信90を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、アクセスポイント80へアクセスし、WF方式の無線通信90を行える状態になれば、アクセスポイント80を介して、MFP50とデータ通信することが可能になる。
【0023】
また、無線LANI/F18は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、WiFiダイレクト方式(WFD方式と略して記載する場合もある)の無線通信92を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、MFP50が備えるアクセスポイントへアクセスし、WFD方式の無線通信92を行える状態になれば、MFP50と直接、データ通信することが可能になる。
【0024】
NFCI/F20は、ISO/IEC21481またはISO/IEC18092の国際標準規格に基づいて、NFC方式の無線通信94を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、NFC方式の無線通信94を行える状態になれば、MFP50と直接、データ通信することが可能になる。ただし、NFC方式の無線通信94では、WF方式の無線通信90およびWFD方式の無線通信92と比較して、通信距離が短く、通信速度は遅い。
【0025】
携帯電話通信I/F16は、基地局84との間で携帯電話通信方式の無線通信96を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、携帯電話通信方式の無線通信96を行える状態になれば、ウェブサーバ82と、基地局84を介して、データ通信することが可能になる。
【0026】
CPU12は、記憶部14内のプログラム32に従って処理を実行する。以降、印刷アプリケーション32aなど、プログラムを実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「印刷アプリケーション32aが」という記載は、「印刷アプリケーション32aを実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。なお、記憶部14は、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、フラッシュメモリー、HDD(ハードディスクの略)、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0027】
記憶部14は、プログラム32を記憶する。プログラム32は、印刷アプリケーション32a、オペレーティングシステム32b(OS32bと略して記載する場合もある)を含む。印刷アプリケーション32aは、コンテンツデータ記憶領域14aに記憶されているコンテンツデータによって表される画像をMFP50に印刷させる処理を、CPU12に実行させるためのアプリケーションである。
【0028】
オペレーティングシステム32bは、印刷アプリケーション32aに利用される基本的な機能を提供するプログラムである。OS32bは、携帯電話通信I/F16、無線LANI/F18、NFCI/F20を介して無線通信90,92,94,96を実行させるためのプログラム、および、記憶部14,パネル22,ボタン入力部24などを制御するプログラムなどを含む。
【0029】
また、記憶部14は、コンテンツデータ記憶領域14aを備える。コンテンツデータ記憶領域14aは、複数の写真データ、文書データを記憶する領域である。写真データとしては、JPEG方式のデータが記憶されており、文書データとしては、PDF方式のデータが記憶されている。また、文書データは、通常、複数のページに対応する複数のページ文書データから構成されている。印刷アプリケーション32aは、OS32bを介して、記憶部14が記憶しているデータを取得する。また、印刷アプリケーション32aは、データを出力し、OS32bを介して記憶部14に記憶させる。
【0030】
パネル22は、携帯電話10の各種機能を表示する表示面を備える。印刷アプリケーション32aは、表示用の画像データを出力し、OS32bを介してパネル22に表示させる。ボタン入力部24は、タッチセンサを有し、パネル22と一体的に構成されており、入力媒体のパネル22への接近・接触を検出し、ユーザによるボタン操作を受け付ける。印刷アプリケーション32aは、OS32bを介して、ユーザによるボタン操作内容を示すデータを取得する。
【0031】
<携帯電話の動作>
実施形態に係る携帯電話10の動作について説明する。携帯電話10では、携帯電話10をMFP50に接近させるだけで、コンテンツデータ記憶領域14aに記憶されているコンテンツデータに対応する画像のうちの任意の画像を、MFP50により印刷することが可能となっている。
【0032】
具体的には、携帯電話10では、コンテンツデータ記憶領域14aに記憶されているコンテンツデータに基づく画像100が、
図2に示すように、サムネイル形式でパネル22に表示される。なお、コンテンツデータ記憶領域14aには、JPEG方式の写真データ、および、PDF方式の文書データが記憶されている。携帯電話10は、JPEG方式の写真データに基づいて、写真の画像をパネル22に表示することが可能である。
【0033】
一方、携帯電話10は、PDF方式の文書データに基づいて、文書の画像をパネル22に表示することができない。このため、携帯電話10では、PDF方式の文書データが、無線通信96を用いてウェブサーバ82へ送信され、ウェブサーバ82において、PDF方式の文書データの各ページ文書データがそれぞれJPEG方式のページ文書データに変換される。すなわち、PDF方式の文書データが、複数のJPEG方式のページ文書データに変換される。そして、変換されたJPEG方式のページ文書データが、無線通信96を用いて携帯電話10に戻され、変換されたJPEG方式のページ文書データに基づいて、文書の画像がパネル22に表示される。
【0034】
パネル22に表示された複数の画像100の各々には、チェック欄102が設けられている。チェック欄102は、チェック欄102が設けられている画像100がユーザにより選択されているか否かを示すものであり、画像100へのタップ操作により、チェック欄102に「レ」が記される。チェック欄102に「レ」が記された画像100は、ユーザにより選択されている画像100である。また、チェック欄102に「レ」が記された画像100へのタップ操作により、チェック欄102から「レ」が消去される。これにより、ユーザによる選択が解除される。つまり、ユーザは、パネル22に表示される画像100から任意のものを選択および解除することが可能となる。なお、タップ操作とは、ユーザの指等の入力媒体をパネル22に接近させる操作、または、接触させる操作である。
【0035】
パネル22には、複数の画像100の上方に、縮小ボタン104および拡大ボタン106が表示されている。縮小ボタン104および拡大ボタン106は、画像100を縮小・拡大するためのボタンであり、例えば、拡大ボタン106が操作されることで、
図2のパネル22に表示されている画像100が、
図3に示すように、拡大される。これにより、ユーザは、画像100を詳細に確認することが可能となり、画像選択に便利である。一方、縮小ボタン104が操作されることで、
図3のパネル22に表示されている画像100が、
図2に示すように、縮小される。これにより、ユーザは、多くの画像100を一度に閲覧することが可能となる。
【0036】
また、携帯電話10では、パネル22に表示される画像100の全てを一括して選択することも可能である。詳しくは、パネル22の下方に、メニューボタン108が表示されている。メニューボタン108が操作されると、
図4に示すように、パネル22の下方に、全画像選択ボタン110が表示される。この全画像選択ボタン110が操作されることで、全ての画像100のチェック欄102に「レ」が記される。つまり、パネル22に表示される画像100の全てが一括して選択される。なお、パネル22には、画像選択解除ボタン111も表示され、この画像選択解除ボタン111が操作されることで、全ての画像100のチェック欄102から「レ」が消去される。つまり、画像100の選択が一括して解除される。
【0037】
パネル22に表示された画像100のうちの任意の画像100が、ユーザによって選択されると、携帯電話10は、ユーザによってどの画像が選択されたかを示す情報を記憶する。ユーザは、携帯電話10をMFP50に接近させる。携帯電話10のMFP50への接近により、携帯電話10とMFP50との距離が、NFC方式の無線通信94の通信範囲内となると、携帯電話10とMFP50との間で、NFC方式の無線通信94が確立する。
【0038】
NFC方式の無線通信94が確立すると、その無線通信94を用いて、WF方式の無線通信90若しくは、WFD方式の無線通信92を確立するための接続情報が、携帯電話10とMFP50との間で送受信される。これは、WF方式の無線通信90およびWFD方式の無線通信92は、NFC方式の無線通信94より高速でデータの送受信を行うことが可能であり、文書データ若しくは、写真データの送受信は、WF方式の無線通信90若しくはWFD方式の無線通信92により行うことが好ましいためである。
【0039】
なお、WF方式の無線通信90および、WFD方式の無線通信92を確立するための接続情報の例としては、例えば、SSID(Service Set IDentifierの略)が挙げられ、SSIDが携帯電話10とMFP50との間で送受信される。詳しくは、NFC方式の無線通信94が確立すると、まず、携帯電話10の無線LAN I/F18が使用するSSIDが、NFC方式の無線通信94によって携帯電話10からMFP50に送信される。
【0040】
そして、携帯電話10のSSIDがMFP50の使用しているSSIDと同じである場合には、WF方式の無線通信90若しくは、WFD方式の無線通信92が、携帯電話10とMFP50との間で確立できていることになる。この場合、WF方式の無線通信90若しくは、WFD方式の無線通信92が確立している旨のメッセージが、MFP50から携帯電話10に送信される。
【0041】
一方、携帯電話10のSSIDがMFP50の使用しているSSIDと同じでない場合には、MFP50のアクセスポイントにアクセスしWFD方式の無線通信92を確立するためのSSIDが、NFC方式の無線通信94によってMFP50から携帯電話10に送信される。そして、携帯電話10は、MFP50のSSIDに基づいて、MFP50との間でWFD方式の無線通信92を確立させる。
【0042】
携帯電話10とMFP50との間でWFD方式の無線通信92若しくは、WF方式の無線通信90が確立すると、携帯電話10は、ユーザによってどの画像が選択されたかを示す情報に基づいて、ユーザにより選択された画像100のページ文書データ、もしくは写真データをMFP50に送信する。この際、画像100のページ文書データ、もしくは写真データとともに、画像100の印刷指令も、携帯電話10からMFP50に送信される。これにより、MFP50では、送信されたページ文書データ、もしくは写真データに基づく画像100の印刷処理が行われる。
【0043】
このように、携帯電話10のユーザは、パネル22に表示された画像100の中から任意のものを選択し、携帯電話10をMFP50に接近させるだけで、選択した画像100をMFP50によって印刷させることが可能となる。つまり、携帯電話10では、印刷指示等のユーザ操作を省くことが可能となり、ユーザの使い勝手が向上する。
【0044】
なお、MFP50が、PDF方式の文書データを印刷することが可能な機種である場合には、コンテンツデータそのもの、つまり、PDF方式の文書データと、ユーザによって選択された画像に対応するページを示す情報と、をMFP50に送信することが可能である。さらに言えば、MFP50が、別の方式のデータを印刷することが可能な機種である場合には、その別の方式のデータに変換し、MFP50に送信することも可能である。
【0045】
また、携帯電話10をMFP50に接近させた後に、一旦、携帯電話10をMFP50から離間させても、携帯電話10は、ユーザによってどの画像が選択されたかを示す情報を記憶している。そのため、再度、携帯電話10をMFP50に接近させた場合には、ユーザによる画像の選択が再度行われなくても、前回の印刷時に用いられたページ文書データ若しくは、写真データに基づく画像を印刷することが可能である。つまり、携帯電話10のMFP50への接近・離間を繰り返すだけで、同じ画像の印刷を複数回行うことが可能となる。
【0046】
また、パネル22に表示すべき画像100の写真データが1つである場合、若しくは、文書データが1つのページ文書データによって構成されている場合には、パネル22に1枚の画像100しか表示されない。このような場合には、ユーザによる画像100の選択が行われなくても、携帯電話10のMFP50への接近によりNFC方式の無線通信94を確立させた後に、その1枚の画像のページ文書データ若しくは、写真データと印刷指令とが無線通信90,または92によってMFP50に送信される。これにより、パネル22に表示される画像100が1枚である場合には、ユーザによる画像選択を行うことなく、該1枚の画像100を印刷することが可能となり、ユーザの使い勝手が向上する。
【0047】
また、上記手法とは異なる手法により、画像100の印刷処理を行うことが可能である。具体的には、
図2に示すように、パネル22の下方には、印刷ボタン112が表示されている。また、記憶部14には、デフォルト設定として印刷装置と、その印刷装置との間でWFD方式の無線通信92若しくは、WF方式の無線通信90を確立するためのSSIDと、が予め設定されており、印刷ボタン112の操作により、予め設定されている印刷装置によって、画像の印刷が行われる。つまり、パネル22に表示された画像100のうちの任意の画像100が、ユーザによって選択された後に、印刷ボタン112が操作されると、予め設定されている印刷装置に、WFD方式の無線通信92若しくは、WF方式の無線通信90によって、ページ文書データ若しくは、写真データおよび、印刷指令が送信される。そして、ページ文書データ若しくは、写真データおよび印刷指令を受信した印刷装置では、該ページ文書データ若しくは、写真データに基づく画像の印刷処理が行われる。これにより、例えば、ユーザは、携帯電話10をMFP50に接近させるだけで、ユーザ自身の近くにあるMFP50に印刷処理を行わせることも、普段から使用するためにデフォルト設定されている印刷装置によって画像の印刷を行うことも可能となり、ユーザの使い勝手が向上する。
【0048】
さらに、携帯電話10では、例えば、デフォルト設定されている印刷装置がMFP50でない場合に、携帯電話10とMFP50との間でNFC方式の無線通信92が確立すると、印刷ボタン112の操作により印刷処理を行う印刷装置として、MFP50がデフォルト設定される。つまり、直近に使用された印刷装置が、印刷ボタン112の操作により印刷処理を行う印刷装置としてデフォルト設定される。これにより、直近に使用した印刷装置による印刷を、印刷ボタン112の操作により再度行うことが可能となる。
【0049】
<印刷アプリケーション>
上述した印刷処理は、印刷アプリケーション32aがCPU12によって実行されることで行われる。以下に、
図5乃至
図8を用いて、携帯電話10内に記憶されているコンテンツデータに基づく画像を、MFP50によって印刷するためのフローを説明する。
【0050】
まず、
図5に示すメインフローのS100において、CPU12は、パネル22にOS32bを介して表示画像選択画面を表示するための画面データを出力する。表示画像選択画面は、写真画像と文書画像とのいずれの画像をパネル22に表示するかを選択するための画面であり、写真画像を選択するためのボタンと文書画像を選択するためのボタンが表示される。そして、S102に進む。
【0051】
S102において、CPU12は、写真画像を選択するためのボタンへの入力を受け付けたか否か、つまり、写真画像を選択するためのボタンが操作されたことにより発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。写真画像を選択するためのボタンが操作された場合(S102:YES)には、S104に進む。S104において、CPU12は、記憶部14が記憶しているJPEG方式の写真データを、OS32bを介して取得する。そして、S112に進む。
【0052】
一方、写真画像を選択するためのボタンが操作されず、文書画像を選択するためのボタンが操作された場合(S102:NO)には、S106に進む。S106において、CPU12は、記憶部14が記憶しているPDF方式の文書データを、OS32bを介して取得する。そして、S108に進む。S108において、CPU12は、携帯電話通信I/F16が、携帯電話通信方式の無線通信96によってウェブサーバ82に送信するよう、PDF方式の文書データを出力する。そして、S110に進む。S110において、CPU12は、無線通信96によって携帯電話通信I/Fが受信したJPEG方式のページ文書データを取得する。このJPEG方式のページ文書データは、ウェブサーバ82がPDF方式の文書データを変換したデータである。そして、S112に進む。
【0053】
S112において、CPU12は、JPEG方式のページ文書データ若しくは、写真データに基づく画像100を、サムネイル方式でパネル22に表示するための画面データを出力する。画面データには、ページ文書データ若しくは、写真データをOS32bが取得するためのデータパス情報、ページ文書データ若しくは、写真データ、縮小ボタン、拡大ボタンなどを画面のどこに配置するかを示す配置情報が含まれる。そして、S114に進む。S114において、CPU12は、NFC方式の無線通信94が確立しているか否かを判定する。NFC方式の無線通信94が確立していない場合(S114:NO)には、S116に進む。
【0054】
S116において、CPU12は、パネル22に表示されている画像100への入力を受け付けたか否か、つまり、画像100が操作されたことにより発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。画像100が操作された場合(S116:YES)には、S118に進む。S118において、CPU12は、OS32bを介して入力を受け付けた画像100のチェック欄102に「レ」を表示するためのデータを出力する。そして、S120に進む。一方、画像100が操作されていない場合(S116:NO)には、S120に進む。
【0055】
S120において、CPU12は、全画像選択ボタン110への入力を受け付けたか否か、つまり、全画像選択ボタン110が操作されたことにより発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。全画像選択ボタン110が操作された場合(S120:YES)には、S122に進む。S122において、CPU12は、OS32bを介して全ての画像100のチェック欄102に「レ」を表示するためのデータを出力する。そして、S124に進む。一方、全画像選択ボタン110が操作されていない場合(S120:NO)には、S124に進む。
【0056】
S124において、CPU12は、画像選択解除ボタン111への入力を受け付けたか否か、つまり、画像選択解除ボタン111が操作されたことにより発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。画像選択解除ボタン111が操作された場合(S124:YES)には、S126に進む。S126において、CPU12は、OS32bを介して全ての画像100のチェック欄102から「レ」を消去するためのデータを出力する。そして、S116に戻る。一方、画像選択解除ボタン111が操作されていない場合(S124:NO)には、S128に進む。
【0057】
S128において、CPU12は、NFC方式の無線通信94が確立しているか否かを判定する。NFC方式の無線通信94が確立している場合(S128:YES)には、S136に進む。S136において、CPU12は、無線LANI/F18が無線通信に用いるよう設定されているSSIDを取得する。そして、S138に進む。S138において、CPU12は、NFCI/F20がNFC方式の無線通信94によってMFP50に送信するよう、取得したSSIDを出力する。そして、S140に進む。
【0058】
S140において、CPU12は、MFP50からメッセージを受信したか否か、つまり、メッセージの受信により発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。メッセージを受信した場合(S140:YES)には、S142に進む。S142において、CPU12は、WF方式の無線通信90若しくは、WFD方式の無線通信92が確立している旨のメッセージを受信したか否か、つまり、無線通信90,若しくは92が確立した旨のメッセージの受信により発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。WF方式の無線通信90若しくは、WFD方式の無線通信92が確立している旨のメッセージを受信していない場合(S142:NO)には、S144に進む。
【0059】
S144において、CPU12は、受信したメッセージにSSIDが含まれているか否かを判定する。受信したメッセージにSSIDが含まれていない場合(S144:NO)には、S140に戻る。一方、受信したメッセージにSSIDが含まれている場合(S144:YES)には、S146に進む。S146において、CPU12は、SSIDに基づいてMFP50が備えるアクセスポイントにアクセスしWFD方式の無線通信92を確立する。そして、S148に進む。なお、S142でWF方式の無線通信90若しくは、WFD方式の無線通信92が確立している旨のメッセージを受信した場合(S142:YES)にも、S148に進む。
【0060】
S148において、CPU12は、チェック欄102に「レ」が記されている画像100、つまり、ユーザによって選択された画像100に対応するページ文書データ若しくは、写真データを、出力画像データとして識別するための情報を記憶する。そして、S150に進む。なお、出力画像データは、印刷対象としてMFP50に出力すべきページ文書データ若しくは、写真データである。すなわち、出力画像データである写真データは、ユーザによって選択された画像に対応するコンテンツデータそのものである。また、出力画像データであるページ文書データは、ユーザによって選択された画像に対応するコンテンツデータから生成されたデータである。S150において、CPU12は、無線LANI/F18がWF方式若しくはWFD方式の無線通信90,若しくは92によってMFP50に送信するよう、出力画像データおよび、出力画像データに基づく画像100の印刷指令を出力する。これにより、MFP50では、ユーザにより選択された画像100に対応するコンテンツデータの印刷処理が行われる。
【0061】
また、S114でNFC方式の無線通信94が確立している場合(S114:YES)には、S152に進む。S152において、CPU12は、パネル22に表示されている画像100が1枚であるか否か、つまり、パネル22に表示される画像100の写真データが1つであるか若しくは、文書データが1つのページ文書データによって構成されているか否かを判定する。パネル22に表示されている画像100が1枚でない場合(S152:NO)には、S116に進み、以下の処理が行われる。
【0062】
一方、パネル22に表示されている画像100が1枚である場合(S152:YES)には、S154に進む。S154において、CPU12は、パネル22に表示されている1枚の画像100に対応するページ文書データ若しくは、写真データを、出力画像データとして識別するための情報を記憶する。そして、S150に進み、以下の処理が行われる。
【0063】
また、S128でNFC方式の無線通信94が確立していない場合(S128:NO)には、S156に進む。S156において、CPU12は、印刷ボタン112への入力を受けたか否か、つまり、印刷ボタン112が操作されたことにより発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。印刷ボタン112が操作されていない場合(S156:NO)には、S116に戻る。
【0064】
一方、印刷ボタン112が操作されている場合(S156:YES)には、S148に進み、以下の処理が行われる。
【0065】
上述した処理により、携帯電話10内に記憶されているコンテンツデータに基づく任意の画像が、MFP50によって印刷される。また、上記処理によって、画像が印刷された後に、
図9に示すフローの処理が行われる。
【0066】
具体的には、S160において、CPU12は、NFC方式の無線通信94が確立しているか否かを判定する。NFC方式の無線通信94が確立していない場合(S160:NO)には、S162に進む。S162において、CPU12は、印刷ボタン112への入力を受けたか否か、つまり、印刷ボタン112が操作されたことにより発生したデータをOS32bを介して取得したか否かを判定する。印刷ボタン112が操作されていない場合(S162:NO)には、S160に戻る。
【0067】
一方、印刷ボタン112が操作されている場合(S162:YES)には、S164に進む。S164において、CPU12は、無線LANI/F18がWF方式若しくはWFD方式の無線通信90,若しくは92によってMFP50に送信するよう、記憶されている出力画像データおよび、そのデータに基づく画像100の印刷指令を出力する。
【0068】
また、S160でNFC方式の無線通信94が確立している場合(S160:YES)には、S164に進み、以下の処理が行われる。このように、画像が印刷された後に、再度、携帯電話10がMFP50に接近された場合、若しくは、印刷ボタン112が操作された場合には、記憶されている出力画像データに基づく画像、つまり、直近に印刷された画像の印刷処理が行われる。なお、
図5に示すメインフローのS100を実行させるためのユーザ操作が行われると、出力画像データとして識別するための情報は全て消去される。
【0069】
<変形例>
本実施形態では、複数の画像100が、
図2に示すように、サムネイル形式でパネル22に表示されるが、複数の画像100を1枚毎にパネル22に表示することも可能である。具体的には、
図10に示すように、複数の画像100のうちの1枚の画像100を、パネル22に表示し、パネル22に表示されている送りボタン120若しくは戻りボタン122の操作により、表示されている画像100が、順次、切り換えられるように表示することが可能である。
【0070】
また、1枚毎にパネル22に表示される画像100にも、チェック欄102が設けられており、画像100へのタップ操作により、チェック欄102への「レ」の表示と非表示とが切り換えられる。つまり、1枚毎にパネル22に画像100が表示される際にも、画像100へのタップ操作により、画像100の選択と非選択とが切り換えられる。
【0071】
さらに、1枚毎にパネル22に表示される画像100の下方には、2種類の印刷ボタン126,128が表示されている。印刷ボタン126は、パネル22に表示されている画像100を印刷するためのボタンである。つまり、印刷ボタン126が操作されると、デフォルト設定されている印刷装置に、パネル22に表示されている画像100のページ文書データ若しくは、写真データおよび、その画像100の印刷指令が送信される。これにより、パネル22に表示されている画像100が、デフォルト設定されている印刷装置によって印刷される。
【0072】
一方、印刷ボタン128は、パネル22に表示されている画像100だけでなく、送りボタン120および戻りボタン122の操作によりパネル22に表示される画像100の全てを印刷するためのボタンである。つまり、印刷ボタン128は、選択可能な画像100の全てを印刷するためのボタンであり、印刷ボタン128が操作されると、デフォルト設定されている印刷装置に、選択可能な全ての画像100のページ文書データ若しくは、写真データおよび、それら全ての画像100の印刷指令が送信される。これにより、選択可能な全ての画像100が、デフォルト設定されている印刷装置によって印刷される。
【0073】
また、本実施形態では、MFP50が無線LANアクセスポイントを備えているが、無線LANアクセスポイントを備えていない印刷装置を採用することも可能である。無線LANアクセスポイントを備えていない印刷装置を採用する場合、S144においてメッセージに含まれているか否かの判断対象となったSSIDは、印刷装置との間でWF方式の無線通信を確立するためのSSIDとなる。印刷装置がアクセスポイント80にアクセスできる場合は、アクセスポイント80にアクセスし、無線通信90を確立するためのSSIDがS144において判断対象となる。
【0074】
また、本実施例の携帯電話10は、PDF方式の文書データに基づいて、文書の画像をパネル22に表示することができないが、PDF方式の文書データに基づいて、文書の画像を表示部に表示することが可能な携帯端末を採用することが可能である。
【0075】
また、本実施例の携帯電話10では、パネル22に表示された画像100が、縮小ボタン104若しくは拡大ボタン106の操作により、縮小若しくは拡大されるが、ピンチイン操作、若しくは、ピンチアウト操作により、パネル22に表示された画像100が縮小若しくは拡大されてもよい。なお、ピンチイン操作は、ユーザが2本の指をパネル22に接触若しくは接近させた状態で接近させる操作であり、ピンチアウト操作は、ユーザが2本の指をパネル22に接触若しくは接近させた状態で離間させる操作である。
【0076】
また、本実施例の携帯電話10では、写真データ等に基づく画像100がパネル22に表示される際に、CPU12は、JPEGデータのパス情報、もしくは、JPEGデータから作成したサムネイルデータのパス情報を含む画面データを出力するが、画面データに、ページ文書データ若しくは、写真データそのものを含むことが可能である。
【0077】
また、MFP50への接近により印刷指示を行うことが可能な装置は、携帯電話10に限られず、タブレット機器などでもよい。
【0078】
本実施例の携帯電話10では、印刷アプリケーション32aに基づいて実行するCPU12が、各種の処理を行う場合を説明した。しかし、この形態に限られない。印刷アプリケーション32aに基づいて実行するCPU12が、オペレーティングシステム32b、他のシステム、ハード構成に対して、各種の処理を行わせる指示を出す形態であってもよい。
【0079】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0080】
携帯電話10は携帯端末の一例である。CPU12は、コンピュータの一例である。記憶部14は装置記憶部および選択データ記憶部の一例である。無線LANI/F18は長距離通信部の一例である。NFCI/F20は近接無線通信部の一例である。パネル22は表示部の一例である。ボタン入力部24は受付部の一例である。印刷アプリケーション32aはプログラムの一例である。MFP50は印刷装置の一例である。画像100は選択画像受付部の一例である。全画像選択ボタン110は全画像受付部の一例である。S104,106を実行するCPU12は、コンテンツデータ取得手段の一例である。S112を実行するCPU12は、画面データ出力手段の一例である。S148を実行するCPU12は、選択データ取得手段および記憶指示データ出力手段の一例である。S150,164を実行するCPU12は、印刷指示データ出力手段の一例である。
【0081】
なお、各プログラムは一つのプログラムモジュールから構成されるものであってもよいし、複数のプログラムモジュールから構成されるものであってもよい。また、各一例は置換可能な他の構成であってもよく、本発明の範疇である。印刷処理プログラム(印刷アプリケーション32aなど)に基づく処理を実行するコンピュータ(CPU12)であってもよいし、オペレーティングシステムや他のアプリケーション、プログラムなど、印刷処理プログラム以外のプログラムに基づく処理を実行するコンピュータであってもよいし、コンピュータの指示に従って動作するハード構成(パネル22など)であってもよいし、コンピュータとハード構成とが連動した構成であってもよい。もちろん、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータであってもよいし、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータの指示に従って動作するハード構成であってもよい。