【実施例】
【0014】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1に係る高齢者サポート管理システムについて図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
本実施例1の高齢者サポート管理システム1は、
図1に示すように、例えば、家屋2内の天井3等に配置され、その家屋2内に居住する例えば一人暮らしの高齢者Mの日常における動態(動き)を表す動態信号を検知する光センサー等のような動態検知センサー4と、前記家屋2内の例えばベッド5上に設置され、このベッド5上に横たわり、又は就寝する前記高齢者Mの心拍・呼吸・体動・離床・着床等の生体信号を検知するマット型センサー6と、前記動態検知センサー4、マット型センサー6とケーブル接続した読取処理手段11と、を有している。
【0016】
また、本実施例1の高齢者サポート管理システム1は、
図1に示すように、更に前記高齢者Mに関する情報管理を行う管理サーバ31と、前記高齢者Mの保護者が所持し、前記管理サーバ31に登録したクライアントコンピュータ41と、前記高齢者Mの保護者が所持し、前記管理サーバ31に登録した携帯電話51と、前記読取処理手段11と前記管理サーバ31との間の情報交信を行う無線データ回線21と、前記管理サーバ31、クライアントコンピュータ41間、及び前記管理サーバ31、携帯電話51間の情報交信を行うインターネット回線網22と、を含む構成としている。
【0017】
前記マット型センサー6は、非接触・非拘束タイプのエアー圧力センサーで、防水仕様としたマット本体に、4本のセンサーパッドを内蔵し、中身は空気入りとし、また、4本のセンサーパッドのうち一番信号感度の良いセンサーパッドの検知信号を利用する構成としている。
【0018】
このマット型センサー6は、その上に高齢者Mが寝るだけで、当該高齢者Mの心拍・呼吸・体動・離床・着床等の生体信号をリアルタイムに検知するようになっている。
また、前記マット型センサー6は、高齢者Mの様々な体型・姿勢・寝ている位置に対応して生体信号をリアルタイムに検知するようになっている。
【0019】
そして、前記マット型センサー6は、防水仕様であり、また内部には電子部品は一切無いため、万が一濡らしても故障が生じることはなく保守、交換も容易であり、更に、マット本体の中身は空気であるため、違和感なく使用できる利点を有している。更には、介護施設や病院の病室等で使用されているマットレスにも対応する仕様としている。
【0020】
前記読取処理手段11は、図示しないがAC100V電源(なお、太陽電池を電力供給源として採用することも可能である)から電力供給を受けるとともに、
図2に示すように、前記動態検知センサー4からの動態信号及びマット型センサー6からの生体信号を受信し、通信モジュール15に予め割り付けている個人識別情報をこの通信モジュール15から読み出し、前記動態信号及び生体信号を個人識別情報に関連付けてこれらをサポート情報として生成するワンボードマイコン13と、前記サポート情報を記憶するフラッシュメモリー14と、高齢者別の個人識別情報が予め割り付けられ記憶保持するとともに、ワンボードマイコン13により生成した、又はフラッシュメモリー14に一旦記憶したサポート情報を無線データ回線21に出力する通信モジュール15と、停電補償用の例えばリチウムイオン電池等を用いたバッテリー12と、を有している。
【0021】
前記通信モジュール15は、前記無線データ回線21に対応する通信プロトコルを採用した仕様としている。
前記無線データ回線21は、詳細は図示しないが通信事業者が提供する公知のネットワークのホストとユーザとを結ぶ中継装置を含む公衆無線LAN等により構成している。
【0022】
前記管理サーバ31は、
図3に示すように、本実施例1の高齢者サポート管理システム1全体の制御を行う制御部32と、前記読取処理手段11から無線データ回線21を経て送信されてくるサポート情報を受信する受信部33と、前記受信部33にて受信した読取処理手段11からのサポート情報を記憶する記憶手段34と、クライアントコンピュータ41のアドレス(電子メールアドレス)を予め記憶したクライアントアドレス記憶部35と、携帯電話51のアドレス(携帯メールアドレス)を予め記憶した携帯電話ユーザアドレス記憶部36と、本実施例1に係る高齢者サポート管理システム1の動作プログラムと、前記サポート情報に含まれる動態信号、生体信号を基に当該高齢者の動きの正常、異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報を作成する高齢者状況情報作成プログラムと、クライアントコンピュータ41のアドレスと前記高齢者状況情報とを基にクライアントコンピュータ41向けの電子メールを作成し、また、携帯電話51のアドレスと前記高齢者状況情報とを基に携帯電話51向けの携帯メールを作成するためのメール作成プログラムと、作成した個別の電子メール及び携帯メールを前記インターネット回線網22を通じて対応するアドレスに定時送信(例えば予め設定した1日4回:9時、12時、18時、22時等)するための送信プログラムと、を格納したプログラムメモリ37と、前記メール作成プログラムにより作成した電子メール及び携帯メールを一時的に記憶するメール情報記憶部38と、前記送信プログラムに基づき、クライアントコンピュータ41向けの電子メール、携帯電話51向けの携帯メールを前記インターネット回線網22に出力する送信部39と、キーボード40と、表示部30とを有している。
【0023】
次に、本実施例1に係る高齢者サポート管理システム1の動作について、
図4、
図5及び
図6をも参照して説明する。
【0024】
本実施例1の高齢者サポート管理システム1において、
図4に示すように、前記高齢者Mが居住する家屋2内の天井3に配置された動態検知センサー4は、高齢者Mの日常の動態(動き)を表す動態信号を検知し、前記読取処理手段11に出力する。
【0025】
また、前記ベッド5上に設置されたマット型センサー6は、このベッド5上に起居し、又は就寝する前記高齢者Mの心拍・呼吸・体動・離床・着床等の生体信号を検知し、前記読取処理手段11に出力する。
【0026】
前記読取処理手段11のワンボードマイコン13は、前記動態検知センサー4からの動態信号及びマット型センサー6からの生体信号を受信し、前記通信モジュール15に予め割り付けている個人識別情報を読み出し、前記動態信号及び生体信号を個人識別情報に関連付けてこれらをサポート情報として生成する。
【0027】
生成した前記サポート情報は、前記フラッシュメモリー14に記憶されるとともに、通信モジュール15により無線データ回線21に出力する。
【0028】
前記管理サーバ31においては、前記受信部33が、動作プログラムに基づき読取処理手段11から無線データ回線21を通じて送信されてくる前記サポート情報を受信し、記憶手段34に記憶する。
【0029】
更に、前記管理サーバ31においては、高齢者状況情報作成プログラムにより前記サポート情報に含まれる動態信号、生体信号を基に当該高齢者Mの動きの正常、異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報を作成する。
【0030】
図5に正常時の高齢者状況情報の作成例を示し、また、
図6に異常時の高齢者状況情報の作成例を示す。
【0031】
なお、当該高齢者Mの動きの正常、異常の判定は、高齢者状況情報作成プログラムによって例えば前記動態信号が例えば短い時間間隔で送信されてきた場合には正常と、例えば6時間にわたって前記動態信号が送信されてこないような場合には異常と判定するものである。
【0032】
また、生体信号については、心拍情報が例えば65(パルス/分)、呼吸数情報が例えば20(回/分)のような場合には正常と、心拍情報が例えば80(パルス/分)、呼吸数情報が例えば40(回/分)のような場合には異常と、判定する例等を挙げることができる。
【0033】
次に、前記管理サーバ31においては、メール作成プログラムによりクライアントコンピュータ41のアドレスと前記高齢者状況情報とを基にクライアントコンピュータ41向けの電子メール情報を作成し、また、携帯電話51のアドレスと前記高齢者状況情報とを基に携帯電話51向けの携帯メール情報を作成する。
【0034】
これらの電子メール情報、携帯メール情報は、メール情報記憶部38に一時的に記憶されていく。
【0035】
次に、前記管理サーバ31は、送信プログラムにより、作成した電子メール情報、携帯メール情報、又はメール情報記憶部38に一時的に記憶した電子メール情報、携帯メール情報を、前記インターネット回線網22を通じてクライアントコンピュータ41、携帯電話51に各々送信(例えば予め設定した1日4回:9時、12時、18時、20時等)する。
【0036】
これにより、前記高齢者Mの保護者のクライアントコンピュータ41には、当該高齢者Mの動きの正常又は異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報が電子メールにて送信され、また、前記高齢者Mの保護者の携帯電話51には、当該高齢者Mの動きの正常又は異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報が携帯メールにて送信される。
【0037】
本実施例1に係る高齢者サポート管理システム1によれば、クライアントコンピュータ41の画面又は携帯電話51の画面を視認した保護者は、当該高齢者Mの動態の正常、異常や身体の心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を容易に把握することができ、万一当該高齢者Mに異常事態が生じている場合には速やかにサポート措置(当該高齢者Mの居住家屋に駆けつける、関係機関に救急車支援を要請する等)を講じることが可能となる。
【0038】
また、本実施例1に係る高齢者サポート管理システム1によれば、高齢者Mの動態を動態検知センサー4により検知し、また、高齢者Mの生体信号をマット型センサー6により検知する構成を採用することから、高齢者M自身の姿を撮影する必要はなく、これにより、当該高齢者Mのプライバシー保護をも考慮したサポート管理システム1を実現することができる。
【0039】
更に、本実施例1によれば、前記無線データ回線21、インターネット回線網22を利用するものであることから、安価な通信使用料金にて上述したサポート体制を享受することが可能な高齢者Mのサポート管理システム1を実現することができる。
【0040】
なお、前記管理サーバ31によるメール送信の回数は、上述した例に限定されるものではなく各々任意回数とすることが可能である。
【0041】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る高齢者サポート管理システム1Aについて
図7、
図8を参照して詳細に説明する。
【0042】
本実施例2の高齢者サポート管理システム1Aは、既述した実施例1の高齢者サポート管理システム1と略同様な構成であるため、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0043】
本実施例2の高齢者サポート管理システム1Aは、実施例1の高齢者サポート管理システム1を、複数(多数)の高齢者M及び各高齢者Mに対応する個別の保護者に対応するシステム構成に拡張したことが特徴である。
【0044】
本実施例2の高齢者サポート管理システム1Aについて、例えば3人の高齢者M及びこれら3人の高齢者Mを個別にサポートする各高齢者M別の3人の保護者Pa、Pb、Pcに対応するシステム構成とした場合を例にとり、
図7を参照して説明する。
【0045】
本実施例2の高齢者サポート管理システム1Aは、実施例1の場合と同様、地理的に異なる位置に存在する3軒の各家屋2内の天井3等に動態検知センサー4を各々配置し、また、前記各家屋2内の例えばベッド5上に各々マット型センサー6を設置し、更に、各家屋2内に各々前記動態検知センサー4、マット型センサー6とケーブル接続した読取処理手段11を配置している。
【0046】
また、本実施例2の高齢者サポート管理システム1Aは、
図7に示すように、前記3人の高齢者Mに関する情報管理を行う実施例1の場合と同様な構成の管理サーバ31と、前記3人の高齢者Mの各保護者Pa、Pb、Pcが所持し、前記管理サーバ31に登録した各クライアントコンピュータ41と、前記高齢者Mの各保護者Pa、Pb、Pcが所持し、前記管理サーバ31に登録した各携帯電話51と、前記各読取処理手段11と前記管理サーバ31との間の情報交信を行う無線データ回線21と、前記管理サーバ31、各クライアントコンピュータ41間、及び前記管理サーバ31、各携帯電話51間の情報交信を行うインターネット回線網22と、を含む構成としている。
【0047】
次に、本実施例2に係る高齢者サポート管理システム1Aの動作について、
図8をも参照して説明する。
【0048】
本実施例2の高齢者サポート管理システム1Aにおいて、各高齢者Mが居住する3軒の家屋2内の天井3に配置された各動態検知センサー4は、各高齢者Mの日常の動態(動き)を表す動態信号を各々検知し、対応する読取処理手段11に出力する。
【0049】
また、前記各ベッド5上に設置された各マット型センサー6は、このベッド5上に起居し又は就寝する前記各高齢者Mの心拍・呼吸・体動・離床・着床等の各生体信号を検知し、前記各読取処理手段11に出力する。
【0050】
前記各読取処理手段11においては、各ワンボードマイコン13が、前記動態検知センサー4からの動態信号及びマット型センサー6からの生体信号を受信し、前記通信モジュール15に予め割り付けている個人識別情報を読み出し、前記動態信号及び生体信号を個人識別情報に関連付けてこれらをサポート情報として各々生成する。
【0051】
生成した前記各サポート情報は、前記各フラッシュメモリー14に記憶されるとともに、各通信モジュール15により無線データ回線21に出力する。
【0052】
前記管理サーバ31においては、前記受信部33が、動作プログラムに基づき各読取処理手段11から無線データ回線21を通じて送信されてくる前記各サポート情報を受信し、記憶手段34に記憶する。
【0053】
更に、前記管理サーバ31においては、高齢者状況情報作成プログラムにより前記各サポート情報に含まれる動態信号、生体信号を基に当該高齢者Mの動きの正常、異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報を各高齢者M別に作成する。
【0054】
この場合の正常時の高齢者状況情報、異常時の高齢者状況情報は、既述した
図5、
図6に示す場合と同様である。
【0055】
次に、前記管理サーバ31においては、メール作成プログラムにより3人の保護者Pa、Pb、Pcの各クライアントコンピュータ41のアドレスと対応する各高齢者状況情報とを基に各クライアントコンピュータ41向けの電子メール情報を作成し、また、3人の保護者Pa、Pb、Pcの各携帯電話51のアドレスと対応する高齢者状況情報とを基に各携帯電話51向けの携帯メール情報を作成する。
【0056】
これらの各電子メール情報、各携帯メール情報は、メール情報記憶部38に一時的に記憶されていく。
【0057】
次に、前記管理サーバ31は、送信プログラムにより、作成した個別の電子メール情報、携帯メール情報又はメール情報記憶部38に一時的に記憶した個別の電子メール情報、携帯メール情報を、前記インターネット回線網22を通じて3人の保護者Pa、Pb、Pcの各クライアントコンピュータ41、携帯電話51に各々送信(例えば予め設定した1日4回:9時、12時、18時、20時等)する。
【0058】
これにより、前記3人の高齢者Mに対応する3人の保護者Pa、Pb、Pcの各クライアントコンピュータ41には、各々自己がサポートすべき高齢者Mの動きの正常、異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報が電子メールにて送信され、また、前記3人の高齢者Mに対応する3人の保護者Pa、Pb、Pcの各携帯電話51には、各々自己がサポートすべき高齢者Mの動きの正常、異常を表す動き情報、心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を含む高齢者状況情報が電子メールにて送信される。
【0059】
本実施例2に係る高齢者サポート管理システム1Aによれば、3人の保護者Pa、Pb、Pcが各々自己のクライアントコンピュータ41の画面又は携帯電話51の画面を視認することで、自己がサポートすべき高齢者Mの動態の正常、異常や身体の心拍情報(パルス/分)、呼吸数情報(回/分)を容易に把握することができ、万一自己がサポートすべき高齢者Mに異常事態が生じている場合には速やかにサポート措置(当該高齢者Mの居住家屋に駆けつける、関係機関に救急車支援を要請する等)を講じることが可能となる。
【0060】
また、本実施例2に係る高齢者サポート管理システム1Aによれば、実施例1の場合と同様、各高齢者Mの動態を動態検知センサー4により検知し、また、各高齢者Mの生体信号をマット型センサー6により検知する構成を採用することから、各高齢者M自身の姿を撮影する必要はなく、これにより、当該高齢者Mのプライバシー保護をも考慮したサポート管理システム1Aを実現することができる。
【0061】
更に、本実施例1Aによれば、前記無線データ回線21、インターネット回線網22を利用するものであることから、各保護者Pa、Pb、Pcが安価な通信使用料金にて上述したサポート体制を享受することが可能な高齢者Mのサポート管理システム1を実現することができる。
【0062】
なお、前記管理サーバ31によるメール送信の回数は、上述した例に限定されるものではなく各々任意回数とすることが可能であることは実施例1の場合同様である。
【0063】
本実施例2に係る高齢者サポート管理システム1Aは、対象とすべき高齢者M及び各高齢者Mに対応する個別の保護者の数として、10人、50人、100人、更にはもっと多数の人数に対応するシステム構成とすることももちろん可能であり、実施例2で述べた場合に限定されるものでないことはもちろんである。
【0064】
上述した本発明の実施例1及び実施例1Aにおいては、高齢者Mの高齢者状況情報を保護者のクライアントコンピュータ、保護者の携帯電話に送信する構成としたが、高齢者Mの高齢者状況情報を例えばコールセンターのクライアントコンピュータに送信し、コールセンターを通じてサポート措置をとるようなシステム構成とすることも可能である。
【0065】
また、本発明の実施例1、実施例1Aにおいて、前記管理サーバ31としては、例えば、個別に指定可能な大量のフォルダ領域を有するフォルダを内蔵したデータベースと、このデータベースの個別のフォルダ領域にアドレス及び高齢者状況情報を記憶する(書き込む)と同時に、対応するアドレスの各クライアントコンピュータ又は携帯電話に対して電子メール、携帯メールにより瞬時に、かつ、個別に送信処理する瞬時記憶・送信プログラムを有する構成の瞬時転送型の管理サーバを採用する構成とすることも可能である。