特許第6004518号(P6004518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6004518
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】電子機器および送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 27/00 20060101AFI20160929BHJP
   G05B 7/02 20060101ALI20160929BHJP
【FI】
   F04D27/00 V
   G05B7/02 G
   F04D27/00 S
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-84687(P2012-84687)
(22)【出願日】2012年4月3日
(65)【公開番号】特開2013-213451(P2013-213451A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−048105(JP,A)
【文献】 特開2011−209906(JP,A)
【文献】 特開平01−291680(JP,A)
【文献】 特開2009−163345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 27/00
G06F 3/033
G06F 3/048
G05B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる目標出力に対応し、人体の接触を検知するタッチセンサを有する複数の目標出力設定部と、
前記タッチセンサに入力された信号に基づき目標出力を設定する制御部と、を備え、
前記複数の目標出力設定部は、対応する目標出力が小さい側から大きい側に順に並べて配列され、
前記制御部は、複数の隣接する目標出力設定部を順になぞるスライド操作を検知したときは、目標出力を前記スライド操作でなぞられている目標出力設定部に対応する目標出力に順に切り替え、
前記目標出力設定部の何れか1つに触れるタッチ操作を検知したときは、目標出力を前記タッチ操作がされた目標出力設定部に対応する目標出力に切り替え
目標出力を微調整する目標出力微調整部をさらに備え、
前記複数の目標出力設定部のうち少なくともひとつの目標出力設定部は、該目標出力設定部の範囲内で細分化された複数の細分化目標出力を有し、
前記制御部は、前記目標出力微調整部に入力された信号に基づき、目標出力を前記細分化目標出力に準じて微調整し、
前記目標出力設定部のうち最も小さい目標出力に対応する目標出力設定部が前記細分化目標出力を有する場合において、スライド操作またはタッチ操作により最も小さい目標出力に対応する目標設定領域が選択されたとき、前記制御部は前記細分化目標出力の範囲内で最も小さい目標出力に切り替えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記目標出力設定部がスライド操作またはタッチ操作を検知した場合において、スライド操作またはタッチ操作により選択された目標出力設定部が前記細分化目標出力を有するとき、前記制御部は前記細分化目標出力の範囲内の何れか特定の1つの目標出力に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記目標出力設定部のうち最も大きい目標出力に対応する目標出力設定部が前記細分化目標出力を有する場合において、スライド操作またはタッチ操作により最も大きい目標出力に対応する目標設定領域が選択されたとき、前記制御部は前記細分化目標出力の範囲内で最も大きい目標出力に切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記目標出力設定部のうち最も小さい目標出力または最も大きい目標出力に対応する目標出力設定部は、1つの目標出力のみを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
空気を送り出す送風装置をさらに備え、前記制御部は前記目標出力に応じて前記送風装置の出力を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目標出力設定手段を備える電子機器および送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には従来の送風装置が開示されている。この送風装置(扇風機)は風量を切換える風量スイッチが一つ設けられている。電源スイッチを入れると羽根が回転を始めると共に、弱の風量で運転が行われる。この状態で風量スイッチを押すと中の風量で運転が行われる。さらに風量スイッチを押すと強の風量で運転が行われる。もう一度風量スイッチを押すと再び弱の風量で運転が行われる。このようにして、風量スイッチを押す度に風量が3段階で順送りで切換わる。
【0003】
風量スイッチにより選択された風量は、風量表示部に表示されるようになっているため、風量スイッチにより選択された風量を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−98204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の送風装置によると、好みの風量に設定するためには何度も風量スイッチを押さなくてはならず、また風量を3段階にしか設定できないため好みの風量に設定できない場合があるという問題がある。
【0006】
また、設定可能風量毎に風量スイッチを設けたとしても、風量スイッチを設置できる数に制約があり、風量を細かく調整することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、直観的に、かつ、すばやく目標出力を調整することができる電子機器および送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電子機器は、それぞれ異なる目標出力に対応し、人体の接触を検知するタッチセンサを有する複数の目標出力設定部と、上記タッチセンサに入力された信号に基づき目標出力を設定する制御部とを備える。上記複数の目標出力設定部は、対応する目標出力が小さい側から大きい側に順に並べて配列され、上記制御部は、複数の隣接する目標出力設定部を順になぞるスライド操作を検知したときは、目標出力を上記スライド操作でなぞられている目標出力設定部に対応する目標出力に順に切り替え、上記目標出力設定部の何れか1つに触れるタッチ操作を検知したときは、目標出力を上記タッチ操作がされた目標出力設定部に対応する目標出力に切り替える。さらに目標出力を微調整する目標出力微調整部を備え、上記複数の目標出力設定部のうち少なくともひとつの目標出力設定部は、上記目標出力設定部の範囲内で細分化された複数の細分化目標出力を有し、上記制御部は、上記目標出力微調整部に入力された信号に基づき、目標出力を上記細分化目標出力に準じて微調整し、上記目標出力設定部のうち最も小さい目標出力に対応する目標出力設定部が上記細分化目標出力を有する場合において、スライド操作またはタッチ操作により最も小さい目標出力に対応する目標設定領域が選択されたとき、上記制御部は上記細分化目標出力の範囲内で最も小さい目標出力に切り替えることを特徴とする。

【0010】
また、上記目標出力設定部がスライド操作またはタッチ操作を検知した場合において、スライド操作またはタッチ操作により選択された目標出力設定部が上記細分化目標出力を有するとき、上記制御部は上記細分化目標出力の範囲内の何れか特定の1つの目標出力に切り替えることを特徴とする。
【0012】
また、上記目標出力設定部のうち最も大きい目標出力に対応する目標出力設定部が上記細分化目標出力を有する場合において、スライド操作またはタッチ操作により最も大きい目標出力に対応する目標設定領域が選択されたとき、上記制御部は上記細分化目標出力の範囲内で最も大きい目標出力に切り替えることを特徴とする。
【0013】
また、上記目標出力設定部のうち最も小さい目標出力または最も大きい目標出力に対応する目標出力設定部は、1つの目標出力のみを有することを特徴とする。
【0014】
また、空気を送り出す送風装置をさらに備え、上記制御部は上記目標出力に応じて上記送風装置の出力を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
風量切換ボタン(目標出力設定部)をスライド操作することで、直観的に、かつ、すばやく風量を調整することができる。また、スライド操作に慣れていないユーザであっても従来のスイッチと同様に直接目的の目標出力設定部をタッチ操作することで風量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態の送風装置を示す斜視図
図2】本発明の第1実施形態の送風装置を示す斜視図
図3】本発明の第1実施形態の送風装置を示す側面図
図4】本発明の第1実施形態の送風装置の操作パネルを示す正面図
図5】本発明の第1実施形態の送風装置の操作パネルの風量切換ボタン周辺を示す拡大図
図6】本発明の第1実施形態の送風装置の操作パネルの風量切換ボタン周辺を示す拡大図
図7】本発明の第1実施形態の送風装置の操作パネルの風量切換ボタン周辺を示す拡大図
図8】本発明の第1実施形態の送風装置の操作パネルの風量切換ボタン周辺を示す拡大図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1図2及び図3はそれぞれ第1実施形態の送風装置1の前方から見た斜視図、後方から見た斜視図、外装カバーを外した側面図を示している。図1図3の白抜き矢印は送風装置による空気の流通経路及び流通方向を示している。
【0018】
送風装置1は設置部3と回動部2とを備える。設置部3は平面視円形により形成されて設置面に設置される。設置部3の後部には電源コード8とその先端に設けた電源プラグ(不図示)とを備える。電源コード8を介して送風装置1は商用交流電源から電力の供給を受ける。
【0019】
回動部2は設置部3上に立設して回動可能に配される。回動部2は底面が円形で形成され、上下方向略中央部から上端にかけては略直方体形状で形成される。回動部2の背面には回動部2に凹設した把持部10が設けられる。ユーザは把持部10を把持して送風装置1を持ち運ぶ。また、回動部2は下部に首振りモータ(不図示)を有し、首振りモータを駆動すると、回動軸2aを中心に左右に首振動作する。
【0020】
回動部2は下部側面に開口する吸込口4と上部正面に開口する吹出口5と送風通路20とを備える。回動部2内に配される送風通路20は上下方向に延びて吸込口4と吹出口5とを連通させる。吸込口4には塵埃を捕集する不図示の集塵フィルタと、複数の通気孔を開口した通気板9とが配される。
【0021】
送風通路20の空気流通方向の下流部は上方に向かって延びるとともに前方に向かって湾曲する。送風通路20の下流部は5枚の仕切り板21により6本の通風路22に区分される。
【0022】
通風路22の入口部23は後述するイオン発生装置30の配置箇所のすぐ下流に位置し、出口部24は吹出口5のすぐ上流に位置する。6本の通風路22は入口部23において送風装置1の前後方向に一列に並び、出口部24において上下方向に一列に並ぶ。
【0023】
通風路22の出口部24と吹出口5との間には6枚の可動ルーバー25が設けられる。可動ルーバー25は各々上流端が5枚の仕切り板21と出口部24の最下方の壁板26とに連続して取り付けられる。可動ルーバー25は下流側がルーバーモータ(不図示)に連結される。ルーバーモータを駆動すると、6枚の可動ルーバー25の下流部が揃って上下方向に変位する。
【0024】
送風通路20の下部にはシロッコファンからなる送風ファン7が配される。送風ファン7の吸気口(不図示)は吸込口4に隣接し、送風ファン7の排気口7aは上方を指向する。送風ファン7は吸込口4から吸い込んだ空気を吹出口5に向かって流通させる。送風ファン7はDCファンモータ(不図示)の出力軸に固定されており、DCファンモータを回転させることで送風ファン7は回転させられる。
【0025】
送風ファン7の上方であって空気流通方向の下流側にはイオン発生装置30が配置される。イオン発生装置30により発生するイオンは送風通路20を流通する気流に含ませられる。また、回動部2の内部には制御部(不図示)が設けられる。
【0026】
イオン発生装置30は送風ファン7に対して空気流通方向の下流側に配置される。イオン発生装置30は正イオン発生部、負イオン発生部(いずれも不図示)を備える。正イオン発生部は正放電電極(不図示)を備え、負イオン発生部は負放電電極(不図示)を備える。二対の正放電電極及び負放電電極は各々針状に形成されて所定の間隔で並べて配置され、送風通路20に臨んで配される。
【0027】
正放電電極、負放電電極に高圧電気発生回路で生成された高電圧が供給されて放電を発生させてイオンを放出する。ここで、イオン発生装置30の正放電電極、負放電電極には交流波形またはインパルス波形からなる電圧が印加される。正放電電極には正電圧が印加され、コロナ放電によって発生する水素イオンが空気中の水分と結合して主としてH(HO)mからなる正イオンを発生する。
【0028】
負放電電極には負電圧が印加され、コロナ放電によって発生する酸素イオンが空気中の水分と結合して主としてO(HO)nからなる負イオンを発生する。ここで、m、nは任意の自然数である。H(HO)m及びO(HO)nは空気中の浮遊菌や臭い成分の表面で凝集してこれらを取り囲む。
【0029】
そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH(過酸化水素)を微生物等の表面上で凝集生成して浮遊菌や臭い成分を破壊する。ここで、m’、n’は任意の自然数である。したがって、イオン発生装置30は送風通路20の内部を流通する空気に対して正放電電極及び負放電電極で放電により発生させた正イオン及び負イオンを含ませるように放出することにより、例えば室内の殺菌や脱臭を行うことができる。
【0030】
(HO)m+O(HO)n→・OH+1/2O+(m+n)HO ・・・(1)
(HO)m+H(HO)m’+O(HO)n+O(HO)n’
→ 2・OH+O+(m+m'+n+n')HO ・・・(2)
(HO)m+H(HO)m’+O(HO)n+O(HO)n’
→ H+O+(m+m'+n+n')HO ・・・(3)
回動部2の上面には操作パネル6が配される。図4は操作パネル6を示す正面図である。タッチパネルにより形成される操作パネル6には複数の操作ボタンが設けられている。操作ボタンは運転ボタン61、風量切替ボタン62,63(目標出力設定手段)、イオン発生モードボタン64、フィルタ交換ランプ65、リセットボタン66及び首振ボタン67からなる。各ボタンに対応する位置に人体の接触を検知するタッチセンサ(不図示)が埋め込まれており、タッチ操作によりボタンを操作することができる。
【0031】
回動軸2a上に配される運転ボタン61は送風装置1の電源のON/OFFを切替える。イオン発生モードボタン64はイオン発生装置30のON/OFFを切替える。LED光源からなるフィルタ交換ランプ65は集塵フィルタ(不図示)の交換時期が来ると点灯する。リセットボタン66はフィルタ交換時にタッチ操作して点灯したフィルタ交換ランプ65を消灯する。首振ボタン67は回動部2の首振動作時にタッチ操作されると首振動作を停止し、首振動作の停止時にタッチ操作されると首振動作を開始する。
【0032】
風量切替ボタン62,63は送風装置1の風量を調整する。風量切換ボタン62,63を操作することで、DCファンモータの出力を32段階に切り替えることができる。以下の説明において、DCファンモータの32段階の出力を弱い方から順に風量1,風量2,風量3,・・・,風量31,風量32とする。
【0033】
図5図8は、操作パネル6の風量切替ボタン62,63の周辺を拡大した図である。風量切換ボタン62は運転ボタン61の周囲を囲むように円弧状に配置されている。風量切換ボタン62は、それぞれ異なる8つのDCファンモータの出力領域に対応する目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hを有する。目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hは、それぞれ風量1〜4,風量5〜8,風量9〜12,風量13〜16,風量17〜20,風量21〜24,風量25〜28,風量29〜32に対応する。
【0034】
各目標出力設定部は操作パネル内部に埋め込まれているランプにより、それぞれ発光させることができる。風量1〜4のいずれかの風量で運転されているときは、図5に示すように目標出力設定部62aが発光する。風量5〜8のいずれかの風量で運転されているときは、図6に示すように目標出力設定部62a,62bの2箇所が発光する。風量9以上の場合も同様に、対応する目標出力設定部と、該目標出力設定部よりも小さな風量に対応する全ての目標出力設定部が発光する。このように目標出力設定部が発光することで、ユーザは現在の設定風量を視覚により直感的に認識することができる。なお、図7には風量29〜32のときの操作パネルの発光状態を、図8には停止時の操作パネルの発光状態を示す。停止時は、全ての目標出力設定部が発光しない。
【0035】
風量切換ボタン62を操作することにより、8段階の風量調整を行うことができる。風量切替ボタン62を用いた風量の切替方法は2通りの方法がある。一つ目の方法は、目標出力設定部62a〜62hのいずれか一つの領域を直接タッチ操作する方法である。目標出力設定部62a〜62hのいずれか一つが直接タッチ操作されることで、タッチ操作された目標出力設定部に対応する4段階の風量の中で最も小さい風量に切り替わる。すなわち、目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hをタッチ操作すると、それぞれ風量1,風量5,風量9,風量13,風量17,風量21,風量25,風量29に切り替わる。
【0036】
二つ目の方法は、操作前に設定されている目標出力設定部に触れ、操作パネルに触れたまま目標出力設定部が配置されている円弧(方向)に沿って指をスライドさせるスライド操作をする方法である。スライド操作が行われると、スライド操作中に触れられている目標出力設定部に対応する風量に順次切替られ、最後に指が離された位置に対応する目標出力設定部に対応する風量で送風装置1は運転が継続される。例えば、操作前に目標出力設定部62cに対応する風量(風量9〜12のいずれか)で運転されているとき、目標出力設定部62cに触れ、そのまま指が操作パネルから離されずに目標出力設定部62d,62e,62fと順にスライド操作されると、風量は風量13,風量17,風量21の順で切り替わる。目標出力設定部62fで指が離されると、目標出力設定部62fに対応した風量21で送風装置1は運転が継続される。
【0037】
スライド操作が行われる際、スライド操作をする直前の風量に対応する目標出力設定部以外の目標出力設定部に触れ、その位置からスライド操作されたときは、一旦最初に触れられた目標設定領域に対応する風量に切り替えられた後に、通常のスライド操作と同様にスライド操作に応じた風量に順次切り替えられる。
【0038】
本実施形態では、停止状態から運転開始するには運転ボタン61をタッチ操作することが必要であり、運転ボタン61をタッチ操作すると風量1で運転開始されるが、停止状態から風量切換ボタン62をタッチ操作またはスライド操作することで運転開始するようにしてもよい。
【0039】
風量切換ボタン63は、微調整ボタン63a,63b(目標出力微調整部)を有する。運転中に微調整ボタン63a,63bをタッチ操作することで、風量切換ボタン62による8段階の風量調整よりも細かな風量微調整(32段階の風量調整)が可能となる。微調整ボタン63aがタッチ操作されると、風量が1段階(32段階中の1段階)大きい風量に切り替わる。微調整ボタン63bがタッチ操作されると、風量が1段階(32段階中の1段階)小さい風量に切り替わる。
【0040】
風量切換ボタン63がタッチ操作される前の風量が各目標出力設定部中の4段階の中で最も大きい風量(例えば、目標設定領域62bにおける風量8)であるとき、微調整ボタン63aがタッチ操作されると風量は32段階中の1段階大きくなり、隣接する目標設定領域の中で最も小さい風量に切り替わる(例えば、タッチ操作前が風量8のとき、目標設定領域は62cで風量は9となる)。同様に、風量切換ボタン63がタッチ操作される前の風量が各目標出力設定部中の4段階の中で最も小さい風量(例えば、目標設定領域62bにおける風量5)であるとき、微調整ボタン63bがタッチ操作されると風量は32段階中の1段階小さくなり、隣接する目標設定領域の中で最も大きい風量に切り替わる(例えば、タッチ操作前が風量5のとき、目標設定領域は62aにおける風量4となる)。
【0041】
各目標出力設定部62a〜62hは、それぞれの各目標出力設定部の中でさらに4段階の風量設定(細分化目標出力)を有するが、各目標出力設定部62a〜62hが、2段階や5段階など複数の風量設定を有していれば、4段階以外の風量設定を有していてもよい。また、各目標出力設定部62a〜62hは、それぞれが異なる段階の風量設定を有していてもよい。また、各目標出力設定部62a〜62hは、少なくとも一つの目標出力設定部が複数の風量設定を有していてもよい。
【0042】
上述のように、本実施形態では、風量切換ボタン62をタッチ操作またはスライド操作することにより、8段階の風量調整を行うことができるが、そのときに設定される風量は、各目標出力設定領が有する複数の風量設定の中で最小の風量である。なお、風量切換ボタン62をタッチ操作またはスライド操作することにより設定される風量は、各目標出力設定領が有する複数の風量設定の中であればどの風量であってもよい。
【0043】
また、風量切換ボタン62をタッチ操作またはスライド操作することにより設定される風量は、目標出力設定部62a〜62hの中で最も小さい風量に対応する目標出力設定部62aにおいては該目標出力設定部の中で最小の風量である風量1である。このようにすることで、ユーザが風量切替ボタン62をスライド操作したときに、目標出力設定部62aまで指をスライドすることで、確実に送風装置の最小風量に設定することができる。
【0044】
また、風量切換ボタン62をタッチ操作またはスライド操作することにより設定される風量を、目標出力設定部62a〜62hの中で最も大きい風量に対応する目標出力設定部62hでは該目標出力設定部の中で最大の風量である風量32にしてもよい。このようにすることで、ユーザが風量切替ボタン62をスライド操作したときに、目標出力設定部62hまで指をスライドすることで、確実に送風装置の最大風量に設定することができる。
【0045】
風量切換ボタン62(目標出力設定部)をスライド操作することで、直観的に、かつ、すばやく風量を調整することができる。また、スライド操作に慣れていないユーザであっても従来のスイッチと同様に直接目的の目標出力設定部をタッチ操作することで風量を調整することができる。
【0046】
風量切替ボタン63(微調整ボタン)を備えていることにより、風量を容易に微調整することができる。ユーザが就寝時などに送風装置を使用する場合、日中活動をしているときに比べて風をより敏感に感じ取りやすくなることがあるが、そのようなときに微調整ボタン63a,63bを操作することで風量を微調整して容易に好みの風量に変更することができる。スライド操作のみで微調整しようとすると、指を離す位置によってなかなか好みの風量に調整し難い場合があるが、風量切替ボタン62(目標出力設定部)をスライド操作して大まかに風量を決めてから、風量切替ボタン63(微調整ボタン)をタッチ操作することで1段階毎に風量を微調整することで、すばやく、かつ、正確に好みの風量に調整することができる。
【0047】
上記の実施形態は、風量切替ボタン62,63により風量の調整を行う送風装置であるが、本発明は、携帯型音楽プレーヤーや、テレビジョン受像機のリモートコントローラなどの音声再生が可能な装置の音量調整のための目標出力設定操作にも用いることができる。その他、出力が調整可能な電子機器の目標出力設定操作に用いることができる。
【0048】
<第2実施形態>
説明の便宜上、前述の第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、目標出力設定部62a〜62hの中で最も大きい風量に対応する目標出力設定部62hが唯一の風量設定のみを有する。
【0049】
風量切換ボタン62,63を操作することで、DCファンモータの出力を32段階に切り替えることができる。以下の説明において、DCファンモータの32段階の出力を弱い方から順に風量1,風量2,風量3,・・・,風量31,風量32と表現する。
【0050】
風量切換ボタン62は、それぞれ異なる8つのDCファンモータの出力領域に対応する目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hを有する。目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hは、それぞれ風量1〜4,風量5〜8,風量9〜12,風量13〜16,風量17〜21,風量22〜26,風量27〜31,風量32に対応する。本実施形態では、目標出力設定部62hが1つ(1段階)の風量設定のみに対応するため、目標出力設定部62e,62f,62gがそれぞれ5段階の風量設定に対応することで、全体としては32段階の風量設定に対応している。
【0051】
最大の風量に対応する目標出力設定部62hが唯一の風量設定のみを有することで、ユーザが風量切替ボタン62をスライド操作したときに、目標出力設定部62hまで指をスライドすることで、確実に送風装置の最大風量に設定することができる。また、全ての目標出力設定部62が発光しているときは必然的に最大風量となるため、視覚的にもユーザは最大風量であることを容易に認識することができる。
【0052】
<第3実施形態>
説明の便宜上、前述の第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、目標出力設定部62a〜62hの中で最も小さい風量に対応する目標出力設定部62aが唯ひとつの風量設定のみを有する。
【0053】
風量切換ボタン62,63を操作することで、DCファンモータの出力を32段階に切り替えることができる。以下の説明において、DCファンモータの32段階の出力を弱い方から順に風量1,風量2,風量3,・・・,風量31,風量32と表現する。
【0054】
風量切換ボタン62は、それぞれ異なる8つのDCファンモータの出力領域に対応する目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hを有する。目標出力設定部62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g,62hは、それぞれ風量1,風量2〜5,風量6〜9,風量10〜13,風量14〜17,風量18〜22,風量23〜27,風量28〜32に対応する。本実施形態では、目標出力設定部62aが1つ(1段階)の風量設定のみに対応するため、目標出力設定部62f,62g,62hがそれぞれ5段階の風量設定に対応することで、全体としては32段階の風量設定に対応している。
【0055】
最小の風量に対応する目標出力設定部62aが唯一の風量設定のみを有することで、ユーザが風量切替ボタン62をスライド操作したときに、目標出力設定部62aまで指をスライドすることで、確実に送風装置の最小風量に設定することができる。また、目標出力設定部62aのみが発光しているときは必然的に最小風量となるため、視覚的にもユーザは最小風量であることを容易に認識することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 送風装置
2 回動部
2a 回動軸
3 設置部
4 吸入口
5 吹出口
6 操作パネル
62 風量切替ボタン
62a〜h 目標出力設定部
63 風量切替ボタン
63a,b 目標出力微調整部
67 首振ボタン
図1
図2
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図8