(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。この電子機器に電力や制御信号などを伝えるためにワイヤハーネスが用いられる。ワイヤハーネスは、複数の電線と電線の端末に取り付けられるコネクタとを備えている(特許文献1参照)。
【0003】
図6に示すように、特許文献1に記載されたコネクタ101は、図示しない雌端子を収容する端子収容室121が設けられた雌コネクタハウジング102と、雌コネクタハウジング102を収容する半嵌合検知部材103と、を備えている。雌コネクタハウジング102は、略箱型形状を成すハウジング本体120を備えている。このハウジング本体120には、雌端子を収容保持する端子収容室121が形成されている。
【0004】
さらに、雌コネクタハウジング102には、端子収容室121に収容される雌端子と嵌合する図示しない雄端子を収容する雄コネクタハウジング104が挿入される筒状のシュラウド122が設けられている。このシュラウド122は、雌端子の長手方向Y1先端側が開口され、長手方向Y1後端側は後端壁によって塞がれた有底筒状に形成されている。つまり、ハウジング本体120がシュラウド122内に収容されている。シュラウド122には、雌端子の長手方向Y1先端から後端に亘って雄コネクタハウジング104の外側面に設けた係止突部141が露出する切欠溝123が設けられている。
【0005】
半嵌合検知部材103の内側面には、一対の当接面122a、122aと当接して、シュラウド122が切欠溝123の溝幅が縮まる方向に変形するのを防止する正面視L字型の一対の矯正リブ131、131が設けられている。これらの一対の矯正リブ131、131は、切欠溝123の溝幅が徐々に拡がるように設けられていて、一対の矯正リブ131、131が一対の当接面122a、122aに達して当接すると、切欠溝123の溝幅を正規の溝幅となるように矯正する。このように、半嵌合検知部材103は、一対の矯正リブ131、131が、シュラウド122の切欠溝123の溝幅が縮まる方向の力に対して、切欠溝123の溝幅が縮まらない方向の力を加えることで、シュラウド122に雄コネクタハウジング104を挿入する際に、シュラウド122と雄コネクタハウジング104とが干渉することの防止を図っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のコネクタ101にあっては、半嵌合検知部材103の一対の矯正リブ131、131が、シュラウド122の切欠溝123の溝幅が縮まる方向の力に対して、切欠溝123の溝幅が縮まらない方向の力を加えていたから、ハウジング本体120をシュラウド122内に挿入する際に、切欠溝123の溝幅が縮まる方向の力に抗する挿入力が必要となり、ハウジング本体120をシュラウド122内に挿入する際の組立て作業性が悪かった。即ち、従来のコネクタ101は、組立て作業性が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、組立て作業性の向上を図りつつ、相手方コネクタとの嵌合作業が困難になることを防止することができるコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明は、端子金具と、該端子金具を収容するハウジングと、を備えたコネクタであって、前記ハウジングは、第1ハウジングと、該第1ハウジングに組み付けられる第2ハウジングと、を有し、前記第1ハウジングには、基部と、該基部からコネクタ嵌合方向に突出して形成されているとともに、互いに離間して設けられて互いの間に前記端子金具を挟んで保持する一対の端子保持部と、が設けられ、前記第2ハウジングには、前記一対の端子保持部の離間方向の少なくとも一方側に間隔をあけて隣接した壁部が設けられ、前記一対の端子保持部のうち少なくとも一方には、前記壁部に向かって突出して設けられて当該一方の端子保持部を補強する補強リブが設けられていることを特徴とするコネクタである。
【0010】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記補強リブは、前記一方の端子保持部のコネクタ嵌合方向の全長に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載の本発明において、前記補強リブは、前記一方の端子保持部の離間方向に交差する方向の一端部に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、第1ハウジングには、基部と、該基部からコネクタ嵌合方向に突出して形成されているとともに、互いに離間して設けられて互いの間に端子金具を挟んで保持する一対の端子保持部と、が設けられ、第2ハウジングには、一対の端子保持部の離間方向の少なくとも一方側に間隔をあけて隣接した壁部が設けられ、一対の端子保持部のうち一方には、壁部に向かって突出して設けられて当該一方の端子保持部を補強する補強リブが設けられているから、補強リブの離間方向に沿う寸法分だけ一方の端子保持部の剛性が増加されることとなり、よって、一対の端子保持部により構成された開口部(間口)形状が維持される。これにより、コネクタ嵌合時において、一方の端子保持部の内倒れが防止されることとなり、嵌合作業が困難になることを防止することができる。さらに、第2ハウジングを第1ハウジングに組み付ける際、第2ハウジングの壁部と、第1ハウジングの壁部に向かって突出して設けられた補強リブとが干渉する虞れがあったとしても、一方の端子保持部が弾性変形することで、補強リブにより干渉されることなく第2ハウジングを第1ハウジングに組み付けることができるから、組立て作業性の向上を図りつつ、相手方コネクタとの嵌合作業が困難になることを防止することができる。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、補強リブは、一方の端子保持部のコネクタ嵌合方向の全長に形成されているから、一方の端子保持部の全長に亘って剛性が増加されることとなり、より一層確実に一対の端子保持部の内倒れを防止することができる。
【0014】
請求項3記載の本発明によれば、補強リブは、一方の端子保持部の離間方向に交差する方向の一端部に設けられているから、例えば、補強リブの他端側に、補強リブを含んで略L字状に形成された一方の端子保持部と第2ハウジングの壁部とで凹部(位置決め凹部)を構成し、この凹部内に相手方コネクタの挿入部(位置決め板)が挿入される場合には、コネクタと相手方コネクタとの逆嵌合を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態にかかるレバー嵌合式コネクタ1を、
図1乃至
図5に基いて説明する。このレバー嵌合式コネクタ1(以下、コネクタ1と記す)は、相手方コネクタ10(
図5に示す)と嵌合して、自動車に配索されるワイヤハーネスを構成するものである。
【0017】
ここで、本明細書では、コネクタ1と相手方コネクタ10とのコネクタ嵌合方向を矢印Zで示し、この嵌合方向に直交する方向である
図1中の上下方向を矢印Yで示し、矢印Zと矢印Yとの双方向に直交する方向であるとともに、請求項中の「一対の端子保持部の離間方向」である左右方向を矢印Xで示す。また、矢印Z方向を前後方向と記す場合がある。この前後方向のうち、嵌合面側(
図1中の右下方、
図2における手前側)を「前方」と記し、(
図1中の左上方、
図2における奥側)を「後方」と記す場合がある。
【0018】
コネクタ1は、
図1に示すように、複数の雌端子(図示しない)と、全体形状が略直方体状に形成された絶縁樹脂製のハウジング2と、該ハウジング2に回動自在に設けられて、回動することで相手方コネクタ10を引き寄せて嵌合させるレバー3と、を備えて構成されている。複数の雌端子は、複数の第1端子と、第1端子よりも大きな電流が流れる4つの第2端子(端子金具)と、を備えて構成されている。各第2端子は、第1端子よりも径寸法が大きくなるように形成されている。ハウジング2は、各第1、第2端子を収容する端子収容部41を有するハウジング本体4(第1ハウジング)と、この端子収容部41の前方側(嵌合面側)に組み付けられるフロントホルダ5(第2ハウジング)と、を備えて構成されている。
【0019】
ハウジング本体4は、
図1に示すように、基部40(
図4に示す)と、この基部40から前方に向かって突出して設けられて複数の第1、第2端子を収容する端子収容部41と、基部40から端子収容部41を取り囲むように角筒状に立設して、端子収容部41との間に相手方コネクタ10を挿入案内するフード部42と、を備えている。この端子収容部41は、複数の第1端子を収容する複数の収容室(図示しない)を有する第1収容部60と、この第1収容部60の4隅に設けられて第2端子を収容する4つの第2収容部61(第2収容部の各々を61A、61B、61C、61D、と記す場合がある)と、を備えている。第1収容部60は、外形が直方体状に形成されていて、この第1収容部60の内部には、複数の収容室が、左右方向12個、上下方向に2段に並んで形成されている。
【0020】
さらに、第1収容部60には、
図2に示すように、その前端面に、フロントホルダ5の補強壁50を重ねた状態で固定するためのロック62が設けられている。第1収容部60は、その前端面が、第2収容部61の前端面よりも後方側(奥側)に設けられている。そして、ロック62によりフロントホルダ5の補強壁50が固定され、この補強壁50が固定された状態で、補強壁50の前端面と第2収容部61の前端面とが同一平面状となるように形成されている。
【0021】
4つの第2収容部61は、
図1に示すように、第1収容部60から左右方向(矢印X方向)に突出して設けられているとともに、上下方向(矢印Y方向)に間隔をあけて設けられている。即ち、第2収容部61は、第1収容部60の4隅に設けられている。各第2収容部61は、
図4に示すように、それぞれ、互いの間に第2端子を挟んで保持する一対の保持部63、64(一対の端子保持部)を備えて構成されている。一対の保持部63、64は、基部40から前方に立設して設けられているとともに、左右方向に間隔をあけて設けられて、左右方向に弾性変形自在に形成されている。ここで、一対の保持部63、64のうち、第1収容部60の左右方向側に隣接する位置に設けられた一方の保持部を第1保持部63と記し、第1保持部63を挟んで第1収容部60の反対側に設けられた他方の保持部を第2保持部64と記す。
【0022】
第1保持部63は、
図3に示すように、基部40から断面略L字状に立設した保持片66と、この保持片66から第1収容部60に向かって張り出して(突出して)設けられて、当該保持片66を補強する補強リブ67と、を備えて構成されている。補強リブ67は、保持片66の前後方向(矢印Z方向)の全長に形成されている。ここで、第1収容部60の4隅に設けられた4つの第2収容部61A、61B、61C、61Dのうち、上方側に位置する第2収容部61A、61Bにおいては、補強リブ67は保持片66の上端部に設けられ、下方側に位置する第2収容部61C、61Dにおいては、補強リブ67は保持片66の下端部に設けられている。
【0023】
第2保持部64は、
図3に示すように、基部40から略L字状に立設した保持片から構成されている。第2保持部64、即ち保持片は、第1保持部63の保持片66と、第2収容部61の軸を中心とした点対称となる格好で設けられている。
【0024】
フード部42には、
図1に示すように、その外面から左右方向(矢印X方向)に突出して設けられてレバー3を回動自在に支持するレバー支持突起44と、レバー3が
図1に示す待機位置から90度回動されて、ハウジング2と相手方コネクタ10とが正規嵌合した嵌合位置に位置した状態で、レバー3と係合する係合部45と、が設けられている。さらにこのフード部42には、その内面に相手方コネコネクタ1に設けられた一対のカムピン14を進入させる一対の溝部46が形成されている。一対の溝部46は、フード部42を構成する左右の壁42Aの内面のそれぞれに凹溝状に形成され、かつ、前後方向(矢印Z方向)に直線状に延在して形成されている。
【0025】
フロントホルダ5は、
図2、
図4にも示すように、第1収容部60の前端部を覆うことが可能な板状に形成されて第1収容部60の前端部に取り付けられて第1収容部60を補強する補強壁50と、この補強壁50に連続して形成された2つの補強枠51と、から構成されている。補強壁50は、その前端面と、補強枠51の前端面とが、同一平面状に位置するように形成されている。補強壁50には、収容室の開口を露出させるように、開口に連通される複数の貫通孔50aと、ロック62をロックする貫通孔から構成されたロック受け部52と、が形成されている。
【0026】
各補強枠51は、両端が、補強壁50の上下の角50A(
図3に示す)に連続されたコ字状の枠本体53と、このコ字状の枠本体53の内側から第2収容部61の上下の外面に沿って板状に立設して形成されて、枠本体53の一部とで各第2収容部61をそれぞれ取り囲む一対の内壁54、55と、を備えて構成されている。一対の内壁54、55は互いに間隔をあけて、上下方向(矢印Y方向)に対向して設けられている。一対の内壁54、55は、その立設方向(左右方向X)の寸法が、各第2収容部61の左右方向の寸法と略等しくなるように形成されている。そして、内壁54、55の先端が、後述する位置決め凹部20内に侵入しない寸法となるように形成されている。また、
図4に示すように、一対の内壁54、55の前後方向(矢印Z方向)の寸法は、枠本体53の前後方向の寸法よりも短くなるように形成されている。ここで、補強壁50の外周面のうち、左右方向(矢印X方向)側の側面(請求項中の壁部)に、符号56(
図3に示す)を符す。
【0027】
さらにハウジング2には、
図4に示すように、ハウジング本体4とフロントホルダ5とによって形成されるとともに、相手方コネクタ10の位置決め板15が挿入される一対の位置決め凹部20が設けられている。一対の位置決め凹部20は、ハウジング本体4にフロントホルダ5が組み付けられた状態で、第1収容部60の左右の側面(図示しない)と、この第1収容部60の前方側に固定されて、第1収容部60の左右の側面と同一平面上に設けられる補強壁50の左右の側面56(
図3に示す)と、上下の第2収容部61の補強リブ67の互いに相対する面67aと、第1保持部63の保持片66に形成されて、第1収容部60の側面56と相対する面66aと、によって形成されている。
【0028】
レバー3は、
図1に示すように、フード部42のレバー支持突起44が嵌まる丸孔3aが形成された一対の対向板30と、一対の対向板30を連結する板状に形成されてレバー3を操作する操作部31と、を有し、この丸孔3aにフード部42のレバー支持突起44が嵌まることでフード部42に回動自在に取り付けられている。一対の対向板30には、それぞれに、各溝部46に連通され、各溝部46に進入した各カムピン14(
図5に示す)を進入させて、レバー3の回動に伴って相手方コネクタ10を引き寄せるカム溝32が形成されている。操作部31には、レバー3が嵌合位置に位置した状態で、ハウジング2の係合部45に係合する係合受け部(図示しない)が設けられている。
【0029】
相手方コネクタ10は、
図5に示すように、コネクタ1の端子収容部41とフード部42との間に進入可能に形成されてコネクタ1に嵌合する相手方ハウジング11と、この相手方ハウジング11に収容されて第1端子に接続されるL字状の第1雄端子12と、この相手方ハウジング11に収容されて第2端子に接続されるL字状の第2雄端子13と、を備えている。相手方ハウジング11には、その外面から左右方向(矢印X方向)に突設されて、溝部46及びカム溝32に進入する一対のカムピン14と、その内面において、左右方向に互いに対向する板状に形成されて、ハウジング2の位置決め凹部20に挿入される位置決め板15が設けられている。
【0030】
次に、上述した構成のコネクタ1を組み立てる手順について説明する。まず、予め、レバー3と、ハウジング本体4と、フロントホルダ5と、を別体に成形しておく。そして、レバー3の丸孔3aを、ハウジング本体4のレバー支持突起44に嵌めて、レバー3をハウジング本体4に回動自在に取り付ける。
【0031】
ハウジング本体4における第1収容部60の各収容室に、各第1端子をそれぞれ収容する。そして、各第2収容部61の第1、第2保持部63、64間に第2端子を押し入れる。すると、第2端子により第2保持部64が押されて、第2保持部64が、第1保持部63から左右方向(矢印X方向)に離れる方向に弾性変形することで、第2端子は第1、第2保持部63、64間に挿入される。第2端子が、第1、第2保持部63、64間に収容されると、第2保持部64が弾性復元する。こうして、第2端子を、第1、第2保持部63、64間に保持させる。ここで、第2端子を第1、第2保持部63、64間に押し入れた際に、第1保持部63にも力がかかることになるが、第1保持部63には補強リブ67が形成されていて、補強リブ67の左右方向に沿う寸法分だけ第1保持部63の寸法が増加され、この増加された寸法分だけ、第1保持部63の剛性が増加されるから、第2保持部64に比べて第1保持部63は剛性が高くされることとなり、第1保持部63は殆ど弾性変形しない。
【0032】
第2端子が、第1、第2保持部63、64間に保持された状態で、端子収容部41にパッキン16を外嵌する。さらに、フロントホルダ5の補強壁50を第1収容部60の前端面に近付け、各補強枠51が上下の第2収容部61を取り囲むように各補強枠51を第2収容部61A、61C、及び、第2収容部61B、61Dにそれぞれ近付けて、フロントホルダ5を、端子収容部41とフード部42との間に押し込む。この際、フロントホルダ5(の側面56)と第2収容部61の補強リブ67とが干渉したとしても、第1保持部63が、フロントホルダ5の側面56から離れる方向に弾性変形することで、補強リブ67により干渉されることがない。フロントホルダ5は、その補強壁50が、第1収容部60の前端面に重なり、各補強枠51が上下の第2収容部61を囲った格好で、補強壁ロック25とロック受け部52とがロックする。これにより、フロントホルダ5がハウジング本体4に組み付けられて、コネクタ1が組み立てられる。
【0033】
次に、上述した手順で組み立てられたコネクタ1と相手方コネクタ10とが嵌合する手順について説明する。レバー起立状態のコネクタ1の前方から、相手方コネクタ10を近付ける。すると、相手方コネクタ10の位置決め板15が、コネクタ1の位置決め凹部20内に進入する。さらに近付けるに伴って、カムピン14を互いに連通した溝部46及びカム溝32に進入させ、この状態でレバー3を後方に回動し、カムピン14をカム溝32内で動かす。こうすることで、相手方コネクタ10の相手方ハウジング11がハウジング2内に引き込まれて、ハウジング2に収容された雌端子(第1端子及び第2端子)と相手方コネクタ10の雄端子(第1雄端子12及び第2雄端子13)とが嵌合される。こうして、コネクタ1と相手方コネクタ10とが嵌合する。
【0034】
上述した実施形態によれば、補強リブ67が設けられたことにより、第1保持部63(一方の端子保持部)の剛性が増加されることとなり、よって、第1、第2保持部63、64(一対の端子保持部)により構成された開口部(間口)形状が維持される。これにより、コネクタ1、10嵌合時において、第1保持部63(一方の端子保持部)の内倒れが防止されることとなり、嵌合作業が困難になることを防止することができる。
【0035】
さらに、フロントホルダ5(第2ハウジング)を、ハウジング本体4(第1ハウジング)に組み付ける際、フロントホルダ5(第2ハウジング)の側面56(壁部)と、補強リブ67とが干渉する虞れがあったとしても、第1保持部63(一方の端子保持部)が弾性変形することで、補強リブ67により干渉されることなくフロントホルダ5(第2ハウジング)をハウジング本体4(第1ハウジング)に組み付けることができるから、組立て作業性の向上を図ることができる。
【0036】
このようなコネクタ1にあっては、相手方コネクタ10の構造乃至機能を変更することなく、組立て作業性の向上を図りつつ、相手方コネクタとの嵌合作業が困難になることを防止することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態では、補強リブ67は、第1保持部63のみに設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。補強リブ67は、第2保持部64のみに設けられていてもよく、或いは、第1保持部63と第2保持部64との両方に設けられていてもよい。また、補強リブ67は、上方側に位置する第2収容部61A、61Bにおいては、補強リブ67は保持片66の上端部に設けられ、下方側に位置する第2収容部61C、61Dにおいては、補強リブ67は保持片66の下端部に設けられていたが、本発明はこれに限ったものではない。補強リブ67は、上方側に位置する第2収容部61A、61Bにおいて、補強リブ67は保持片66の下端部に設けられ、下方側に位置する第2収容部61C、61Dにおいては、補強リブ67は保持片66の上端部に設けられていてもよい。つまり、補強リブ67は、フロントホルダ5の側面56(壁部)に向かって突出して設けられていれば、第1、第2保持部63、64の何れの位置に設けられていてもよい。
【0038】
また、ハウジング本体4(第1ハウジング)は第1収容部60を有していたが、本発明はこれに限ったものではない。第1収容部60は省略してもよい。また、ハウジング本体4は、4つの第2収容部61(一対の端子保持部)を有していたが、第2収容部61は少なくとも1つ又は2つ以上あればよい。ハウジング本体(第1ハウジング)が、1つの第2収容部61(61A)を有していた場合において、補強リブ67が、第1保持部63の上下方向(前記一方の端子保持部の離間方向に交差する方向)の一端部に設けられ、上下方向の他端側に、位置決め凹部(凹部)が形成されていた場合には、相手方コネクタ10の位置決め板15が、位置決め凹部内に挿入されることで、コネクタ1と相手方コネクタ10との逆嵌合を防止することができる。
【0039】
また、前述した各実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は実施形態に実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のコネクタ1の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。