【実施例1】
【0041】
図1は、本発明の運搬用容器において、容器本体と蓋を一体的にバンドで結束した状態を示す斜視図、
図2は、
図1の運搬用容器の下面側から見た斜視図、
図3は、
図2のA部分の部分拡大図、
図4は、本発明の運搬用容器の容器本体の斜視図、
図5は、
図1の容器本体の下面側から見た斜視図、
図6は、
図5のB部分の部分拡大図、
図7は、本発明の運搬用容器のバンド受け部材を示す斜視図、
図8は、
図7のバンド受け部材の下面側から見た斜視図、
図9は、本発明の運搬用容器の容器本体のバンド受け部材装着部に、バンド受け部材を装着する状態を説明する
図6と同様な部分拡大図、
図10は、本発明の運搬用容器の容器本体のバンド受け部材装着部に、バンド受け部材を装着した状態を説明する
図6と同様な部分拡大図、
図11は、
図1の運搬用容器のバンド受け部材のバンド受け部での切欠状態の斜視図、
図12は、
図11のC部分の部分拡大図、
図13は、
図1の運搬用容器のバンド受け部材のバンド案内突設部での切欠状態の斜視図、
図14は、
図13のD部分の部分拡大図、
図15は、
図1の運搬用容器の容器本体内側から見た切欠状態の斜視図、
図16は、
図15のE部分の部分拡大図、
図17は、本発明の運搬用容器において、容器本体と蓋を一体的にバンドで結束した状態でバンドがずれた状態を示す運搬用容器の下面側から見た斜視図、
図18は、
図17のF部分の部分拡大図である。
【0042】
図1〜
図2において、符号10は、全体で本発明の運搬用容器を示している。
【0043】
図1〜
図2に示したように、運搬用容器10は、略矩形箱形状の容器本体12を備えている。この容器本体12の上方の開口部の開口縁フランジ14に、略矩形平板形状の蓋部16が、そのフランジ部18を嵌合することによって着脱自在に装着されるように構成されている。
【0044】
また、
図1に示したように、この実施例では、蓋部16の上面には、複数の上突部20が、蓋部16の縁部に沿うように形成され、これらの上突部20の間に、蓋部16の両側の長辺20aにそれぞれ、バンド挿通用凹部22が形成されている。
【0045】
一方、
図2、
図5に示したように、これらの蓋部16に設けられたバンド挿通用凹部22に対応するように、容器本体12の底部24には、バンド挿通用溝部26が、一方の長辺20bから他方の長辺20bに至るように形成されている。
【0046】
このバンド挿通用溝部26は、
図2、
図12に示したように、一定間隔離間して形成された複数のリブ28を備えており、このリブ28の上をバンドBが挿通されるように構成されている。なお、このリブ28は、バンドBを挿通して結束した際に、バンドBが容器本体12の底部24から突出して、バンドBが床面に接触して摩耗損傷しないように、リブ28と容器本体12の底部24との間には、バンドBの厚さ以上の間隙が形成されている。
【0047】
また、容器本体12の底部24には、2つの外周フランジ30が、略矩形形状に左右に分離して形成されており、これらの外周フランジ30の間の中央部分に、バンド挿通用溝部26が形成されている。
【0048】
そして、
図5、
図6に示したように、容器本体12の底部24のバンド挿通用溝部26には、その隅角部、すなわち、容器本体12の底部24の長辺20bの部分にそれぞれ、バンド受け部材装着部32が形成されている。
【0049】
このバンド受け部材装着部32は、
図6に示したように、略矩形形状の凹部を形成するように、容器本体12の底部24に形成された外周フランジ30が内周側に窪むことにより形成されている。
【0050】
一方、
図7、
図8に示したように、バンド受け部材34は、略矩形平板形状であり、その両側部には、左右一対の肉薄のスライド部36が形成されている。また、
図7に示したように、表面には、バンドBを受けるための、バンドBとの接触部分を構成する平坦なバンド受け部38が形成されている。
【0051】
そして、このバンド受け部38の基端側の両側には、バンドBの側部を案内するために、上方および左右に突設した略台形形状の左右一対のバンド案内突設部40が形成されている。
【0052】
また、バンド受け部38の略中央部分には、抜け防止手段42が形成されている。すなわち、この抜け防止手段42は、開口部44と、この開口部44内に突設するように形成した可撓性を有するリップ片46と、このリップ片46の裏面側に突設する係止片48とから構成されている。
【0053】
さらに、
図8に示したように、スライド部36とバンド案内突設部40との境界部分には、左右一対の第2の抜け防止手段を構成する係止突起50が、バンド受け部材34の裏面側に突設するように形成されている。
【0054】
また、バンド受け部材34の先端部分の略中央部分には、位置決め手段を構成する略矩形形状の位置決め係止片52が、先端側に突設するように形成されている。
【0055】
この場合、バンド受け部材34の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン樹脂などのバンドBの滑りの良い樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂などの耐磨耗性の良い樹脂、アルミニウムなどの金属などから構成することができる。
【0056】
一方、
図6に示したように、バンド受け部材装着部32の両側部には、バンド受け部材34のスライド部36が嵌入するスライド溝54が、容器本体12の底部24に形成された外周フランジ30からリブ30aを突設することにより形成されている。
【0057】
また、バンド受け部材装着部32の略中央部分には、バンド受け部材34の抜け防止手段42のリップ片46の係止片48が係合する、抜け防止部を構成する抜け防止用係止孔56が形成されている。
【0058】
さらに、
図6、
図9に示したように、バンド受け部材装着部32の外側の両側には、バンド受け部材34をバンド受け部材装着部32に装着した際に、バンド案内突設部40が嵌合する嵌合用凹部58が形成されている。
【0059】
そして、バンド受け部材装着部32の嵌合用凹部58のスライド溝54側には、バンド受け部材34の第2の抜け防止手段を構成する係止突起50が係合する、抜け防止部を構成する抜け防止用係合孔60が形成されている。
【0060】
また、バンド受け部材装着部32の奥側のリブ28aには、バンド受け部材34の位置決め手段を構成する位置決め係止片52に対応する位置に、位置決め部を構成する位置決め孔62が形成されている。
【0061】
このように構成される運搬用容器10では、使用に際して、
図9の矢印で示したように、バンド受け部材34のスライド部36を、バンド受け部材装着部32のスライド溝54に挿入する。これによって、
図10に示したように、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着することができる。
【0062】
このように構成することによって、バンド受け部材34をスライド溝54に挿入するだけで、バンド受け部材装着部32に、バンド受け部材34を着脱自在に簡単に装着することができ、作業性が良く便利である。
【0063】
この際、抜け防止手段42のリップ片46の裏面側に突設する係止片48が、バンド受け部材装着部32の平面32aによって表面側に押し上げられ、リップ片46が表面側に撓んだ状態となる。
【0064】
そして、リップ片46の裏面側に突設する係止片48が、バンド受け部材装着部32の抜け防止用係止孔56の位置に移動した際に、リップ片46の係止片48が抜け防止用係止孔56に嵌入する。これにより、リップ片46が裏面側に元の位置に戻り、リップ片46の係止片48が抜け防止用係止孔56に係合して、
図9の矢印と反対方向には、バンド受け部材34が、バンド受け部材装着部32から抜け落ちる方向には移動できないようになっている(
図16参照)。
【0065】
なお、
図12、
図16に示したように、リップ片46の係止片48の形状を、先端側にテーパー面48aを有する略三角形の形状にすることによって、このテーパー面48aに沿って、係止片48が、バンド受け部材装着部32の平面32aによって上方に押し上げられ、リップ片46が表面側に撓んだ状態となり易いので望ましい。また、後端側がストッパー面48bとなるので、クサビ効果で抜け落ちがより防止できるので望ましい。
なお、第2の抜け防止手段を構成する係止突起50についても、同様に、テーパー面を有する略三角形の形状にするのが望ましい。
【0066】
また、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着した状態では、バンド受け部材34の第2の抜け防止手段を構成する係止突起50が、バンド受け部材装着部32に形成した抜け防止用係合孔60に係合する。これにより、
図9の矢印と反対方向には、バンド受け部材34が、バンド受け部材装着部32から抜け落ちる方向には移動できないようになっている。
【0067】
このように構成することによって、バンド受け部材装着部32にバンド受け部材34を装着した状態で、バンド受け部材34の抜け防止手段を、バンド受け部材装着部32の抜け防止部に係合することによって、バンド受け部材装着部32から、バンド受け部材34が不用意に抜け落ちるのを防止することができる。
【0068】
また、バンド受け部材34が摩耗損傷した場合に、バンド受け部材34の抜け防止手段と、バンド受け部材装着部32の抜け防止部との係合状態を解除することによって、簡単に新しいバンド受け部材34と交換することができ便利である。
【0069】
すなわち、新しいバンド受け部材34と交換する際には、
図16の矢印で示した方向に、容器本体12の内側から、リップ片46の係止片48を表面側に押し上げて、リップ片46が表面側に撓んだ状態として、リップ片46の係止片48が抜け防止用係止孔56に係合した状態を解除する。これにより、
図9の矢印と反対方向に、バンド受け部材34が、バンド受け部材装着部32から取り外す方向に移動でき、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32から取り外すことができる。
【0070】
さらに、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着した状態では、バンド受け部材34のバンド案内突設部40が、バンド受け部材装着部32の嵌合用凹部58に嵌合するように構成されている。
【0071】
このように構成することによって、バンド受け部材装着部32の嵌合用凹部58にバンド案内突設部40が嵌合するので、バンド案内突設部40は、運搬用容器10の容器底部や容器側面から突出することがない。
【0072】
従って、運搬用容器10ががたついたり、不安定になることがなく、バンド案内突設部40が容器側面に突出することによって、使用に際して引っかかったりして、運搬に支障をきたすことがない。また、バンド受け部材装着部32にバンド受け部材34を装着した状態で、複数の運搬用容器10を上下に重ねて、いわゆる段積状態とすることができる。
【0073】
また、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着した状態では、バンド受け部材装着部32の奥側のリブ28aに形成した位置決め部を構成する位置決め孔62に、バンド受け部材34の位置決め手段を構成する位置決め係止片52が係合した状態となる。
【0074】
このように構成することによって、バンド受け部材装着部32にバンド受け部材34を装着する際に、バンド受け部材34の位置決め手段を構成する位置決め係止片52を、バンド受け部材装着部32の位置決め部を構成する位置決め孔62に係合させる。これによって、バンド受け部材装着部32に対して、バンド受け部材34の左右の位置を位置決めすることができる。
【0075】
従って、これにより、バンド受け部材装着部32に対して、バンド受け部材34を正確に位置決めできるので、バンド受け部材34のバンド受け部38に、バンドBをずれることなく結束することができる。
【0076】
さらに、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着した状態で、
図12に示したように、バンドBを挿通して結束した際に、バンドBが容器本体12の底部24から突出して、バンドBが床面に接触して摩耗損傷しないように、バンド受け部材34のバンド受け部38と運搬用容器の容器本体12の底部24との間に、バンドBの厚さ以上の間隙Sが形成された状態となるように構成されている。
【0077】
このようにバンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着した状態で、
図1、
図2、
図12に示したように、蓋部16の上面の上突部20の間のバンド挿通用凹部22、容器本体12の底部24のバンド受け部材34、バンド挿通用溝部26を介して、バンドBを挿通して結束する。
【0078】
これにより、バンド受け部材34のバンド受け部38にバンドが接触することになり、自動梱包機でバンドBを強く締め付けた時や、運搬用容器10をいわゆる通箱として用いるために、何度も繰り返してバンドで結束しても、運搬用容器10のバンドBとの接触部分が削れたり、孔が空いたり、破損損傷するおそれがなく、運搬用容器自体が使用できなくなることもない。また、これらの損傷部分から、塵埃などが侵入して、運搬用容器内に収納した物品が汚染するおそれがない。
【0079】
さらに、バンド受け部材装着部32に、バンド受け部材34を着脱自在に装着するように構成した取付け構造であるので、バンド受け部材34が紛失するおそれがない。
【0080】
しかも、バンドとの接触部分であるバンド受け部材34のバンド受け部38が、削れたり、孔が空いたり、破損損傷しても、新しいバンド受け部材34と交換することができる。
【0081】
また、バンド受け部材34に、バンドBの側部を案内するバンド案内突設部40が形成されている。従って、
図17、
図18に示したように、バンドBがずれて取付けられた場合に、バンド案内突設部40がない場合には、運搬用容器10のバンド挿通部の縁部とバンドBが接触して削れたり、破損損傷してしまうが、バンド受け部材34に、バンドの側部を案内するバンド案内突設部40が形成されているので、バンド案内突設部40によってバンドBがずれて取り付けられることがなくなり、たとえ、バンドBがずれて取り付けられたとしても、運搬用容器10のバンド挿通部の縁部の削れ、破損損傷を防止することができる。
【0082】
なお、
図12に示したように、バンド受け部材34のバンド受け部38の後端側にR部38aを形成することによって、バンドBの摩耗損傷を防止することができるので望ましい。
【0083】
なお、この実施例では、バンド受け部材34の抜け防止手段42として、リップ片46の裏面側に突設する係止片48とし、バンド受け部材装着部32の抜け防止部として、抜け防止用係止孔56とした。しかしながら、その逆の構成、すなわち、バンド受け部材34の抜け防止手段42として、抜け防止用係止孔を形成し、バンド受け部材装着部32の抜け防止部として、係止片を形成するようにすることも可能である。
【0084】
このことは、バンド受け部材34の第2の抜け防止手段を構成する係止突起50と、バンド受け部材装着部32の抜け防止部を構成する抜け防止用係合孔60との関係においても同様である。すなわち、バンド受け部材34の第2の抜け防止手段として、抜け防止用係合孔を形成し、バンド受け部材装着部32の抜け防止部として、係止突起を形成するようにすることも可能である。
【0085】
さらに、この実施例では、バンド受け部材装着部32の位置決め部として、位置決め孔62として、バンド受け部材34の位置決め手段として、位置決め係止片52とした。しかしながら、その逆の構成、すなわち、バンド受け部材装着部32の位置決め部として、位置決め係止片を形成し、バンド受け部材34の位置決め手段として、位置決め孔を形成するように構成することも可能である。
【実施例2】
【0086】
図19は、本発明の別の実施例の運搬用容器において、容器本体と蓋を一体的にバンドで結束した状態を示す斜視図、
図20は、
図19の運搬用容器の下面側から見た斜視図、
図21は、
図20のG部分の部分拡大図、
図22は、
図19の運搬用容器の下面側から見た部分拡大斜視図、
図23は、本発明の別の実施例の運搬用容器のバンド受け部材を示す斜視図、
図24は、
図23のバンド受け部材の下面側から見た斜視図、
図25は、本発明の運搬用容器の容器本体のバンド受け部材装着部に、バンド受け部材を装着する状態を説明する
図22と同様な部分拡大図、
図26は、本発明の運搬用容器の容器本体のバンド受け部材装着部に、バンド受け部材を装着した状態を説明する
図22と同様な部分拡大図である。
【0087】
この実施例の運搬用容器10は、
図1〜
図18に示した運搬用容器10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0088】
この実施例の運搬用容器10では、バンド受け部材34には、バンド受け部材34
(すなわち、第1のバンド受け部材34)の外側に、階段状に複数段、この実施例では、1段下がった状態の第2のバンド受け部材34cが連接されている。そして、この第2のバンド受け部材34cはバンド受け部材34とほぼ同様な構成となっている。
【0089】
すなわち、
図23、
図24に示したように、第2のバンド受け部材34cには、左右一対の肉薄のスライド部36cが形成されている。また、第2のバンド受け部材34cの表面には、バンドBを受けるための、バンドBとの接触部分を構成する平坦なバンド受け部38cが形成されている。
【0090】
そして、このバンド受け部38cの基端側の両側には、左右一対のバンドBの側部を案内するために、上方および左右に突設した略台形形状のバンド案内突設部40cが形成されている。
【0091】
また、バンド受け部38cの略中央部分には、抜け防止手段42cが形成されている。すなわち、この抜け防止手段42cは、係止片48cから構成されている。
【0092】
また、第2のバンド受け部材34cの先端部分の略中央部分には、位置決め手段を構成する略矩形形状の位置決め係止片52cが、先端側に突設するように形成されている。
【0093】
一方、第2のバンド受け部材34cに対応するように、
図22に示したように、バンド受け部材装着部32の外側に、階段状に複数段、この実施例では、1段下がった状態の第2のバンド受け部材装着部32cが形成されている。そして、この第2のバンド受け部材装着部32cは、バンド受け部材装着部32とほぼ同様な構成となっている。
【0094】
すなわち、第2のバンド受け部材装着部32cには、バンド受け部材装着部32と同様に、第2のバンド受け部材装着部32cの両側部には、スライド溝54cが形成されている。また、第2のバンド受け部材装着部32cの略中央部分には、抜け防止部を構成する抜け防止用係止孔56cが形成されている。
【0095】
また、第2のバンド受け部材装着部32cの外側の両側には、バンド案内突設部40cが嵌合する嵌合用凹部58cが形成されている。
【0096】
また、第2のバンド受け部材装着部32cの奥側の面28cには、第2のバンド受け部材34cの位置決め手段を構成する位置決め係止片52cに対応する位置に、位置決め部を構成する位置決め孔62cが形成されている。
【0097】
このように構成される運搬用容器10では、使用に際して、
図25の矢印で示したように、バンド受け部材34のスライド部36を、バンド受け部材装着部32のスライド溝54に挿入するとともに、第2のバンド受け部材34cのスライド部36cを、第2のバンド受け部材装着部32cのスライド溝54cに挿入する。
【0098】
これによって、
図26に示したように、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着することができる。
【0099】
なお、その他、バンド受け部材34を、バンド受け部材装着部32に装着する際のバンド案内突設部40cと嵌合用凹部58c、抜け防止手段42cと抜け防止部を構成する抜け防止用係止孔56c、ならびに、位置決め手段を構成する位置決め係止片52cと位置決め部を構成する位置決め孔62cとの関係については、実施例1のバンド受け部材34をバンド受け部材装着部32に装着する際と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0100】
このように構成することによって、バンド受け部材34のバンド受け部38、38cが、複数段形成されているので、バンドBとの接触部が分散されることになり、削れ、孔、摩耗損傷などを低減することができる。
【0101】
なお、この場合、
図26に示したように、容器本体12の最外側面12aより突出しない範囲で、第2のバンド受け部材34cの後端部分34dを突出させることで、容器本体12のリブ12bとバンドBとの接触を避け、リブ12bの摩耗損傷を防止することもできる。
【0102】
なお、この実施例では、バンド受け部材34のバンド受け部38を、バンド受け部38、38cの2段としたが、複数段であれば、3段以上のバンド受け部38を有するように構成することも可能である。これにより、バンドBとの接触部がより分散されることになり、削れ、孔、摩耗損傷などを低減することができる。
【0103】
なお、この実施例の運搬用容器10では、
図19に示したように、蓋部16は、一体の蓋ではなく、長辺20aにヒンジ16aによって、いわゆる「観音開き式」で開く蓋部16であるが、実施例1と同様な一体の蓋部16とすることももちろん可能である。
【0104】
また、この実施例では、バンド受け部材34には、バンド受け部材34の外側に、第2のバンド受け部材34cを連接したが、バンド受け部材34と第2のバンド受け部材34cを別々の部材とすることももちろん可能である。
【実施例3】
【0105】
図27は、本発明の別の実施例の運搬用容器の下面側から見た部分拡大斜視図、
図28は、本発明の別の実施例の運搬用容器のバンド受け部材の下面側から見た斜視図、
図29は、本発明の運搬用容器の容器本体のバンド受け部材装着部に、バンド受け部材を装着する状態を説明する
図27と同様な部分拡大図、
図30は、本発明の運搬用容器の容器本体のバンド受け部材装着部に、バンド受け部材を装着した状態を説明する
図27と同様な部分拡大図である。
【0106】
この実施例の運搬用容器10は、
図1〜
図18に示した運搬用容器10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0107】
この実施例の運搬用容器10では、
図27に示したように、バンド受け部材装着部32の両側部には、実施例1のスライド溝54の代わりに、弾性片を構成する係止部材64が立設されている。この係止部材64には、その先端が下方に傾斜したテーパー面66が形成されるとともに、基端部に係止用切欠き部68が形成されている。
【0108】
また、バンド受け部材34のバンド案内突設部40が嵌合する、バンド受け部材装着部32の嵌合用凹部58には、その外側部分に抜け防止用突起70が立設されている。
【0109】
一方、
図28に示したように、バンド受け部材34のバンド案内突設部40の後端側には、抜け防止用凹部72が形成されている。
【0110】
このように構成されるバンド受け部材34をバンド受け部材装着部32に装着するには、
図29の矢印Aで示したように、バンド受け部材34をバンド受け部材装着部32に対して、鉛直方向に押し付ければよい。
【0111】
すなわち、この押し付けによって、バンド受け部材34の両側部74が、係止部材64の先端の下方に傾斜したテーパー面66に沿って、
図29の矢印Bで示したように、係止部材64を押し広げて、基端部の係止用切欠き部68に嵌入する。これにより、バンド受け部材34が、
図29の矢印Aで示した方向と逆の方向に、バンド受け部材装着部32から抜け落ちるのが防止される。
【0112】
また、バンド受け部材34をバンド受け部材装着部32に装着した状態では、バンド受け部材34のバンド案内突設部40の後端側の抜け防止用凹部72が、バンド受け部材装着部32の抜け防止用突起70に嵌合する。これにより、バンド受け部材34が、
図30の矢印Cで示した方向に、バンド受け部材装着部32から抜け落ちるのが防止される。
【0113】
このように構成することによって、バンド受け部材装着部32の係止部材64にバンド受け部材34を係止することによって、バンド受け部材装着部32に、いわゆるスナップフィット式に、バンド受け部材34を着脱自在に簡単に装着することができ、作業性が良く便利である。
【0114】
なお、この実施例では、バンド受け部材装着部32の係止部材64を左右1つずつとしたが、この数は何ら限定されるものではない。