(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6004908
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20060101AFI20160929BHJP
G02B 7/02 20060101ALI20160929BHJP
【FI】
G02B7/04 D
G02B7/02 H
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-251942(P2012-251942)
(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公開番号】特開2014-98878(P2014-98878A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 利治
【審査官】
高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−090579(JP,A)
【文献】
特開2005−141067(JP,A)
【文献】
特開2007−282092(JP,A)
【文献】
特開2004−118033(JP,A)
【文献】
特開2000−249890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸と平行な直進案内溝を有する直進案内環と、
前記直進案内環の直進案内溝に係合する直進案内キーを有し、前記直進案内環に対して光軸方向に直進案内される移動環ブロックと、
前記移動環ブロックのいずれか一方の端部に保持される環状ユニット部材と、
を備えるレンズ鏡筒において、
前記移動環ブロックと環状ユニット部材は、互いに係合して両者を結合する径方向外方への突出係合部をそれぞれ有していること、
前記突出係合部は、前記移動環ブロックの直進案内キーと光軸方向に離間して設けられていること、及び
前記突出係合部は、前記移動環ブロックの直進案内キーとともに、前記直進案内環の直進案内溝に係合すること、
を特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1記載のレンズ鏡筒において、
前記環状ユニット部材の突出係合部は、該環状ユニット部材の径方向外方に突出する係合突起からなり、前記移動環ブロックの突出係合部は、該移動環ブロックの径方向外方に突出して前記係合突起に係合する係合片からなるレンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項1または2記載のレンズ鏡筒において、
前記移動環ブロックと環状ユニット部材は略同径であり、その径方向外方に突出させて前記突出係合部がそれぞれ形成されており、
前記直進案内環は、前記移動環ブロックと環状ユニット部材が嵌合する嵌合筒状部を有しており、この嵌合筒状部に前記直進案内溝が形成されているレンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載のレンズ鏡筒において、
前記直進案内環、前記移動環ブロック及び前記環状ユニット部材の組付状態において、前記直進案内溝、前記直進案内キー及び前記突出係合部の周方向位置が一致しているレンズ鏡筒。
【請求項5】
請求項4記載のレンズ鏡筒において、
前記直進案内溝、前記直進案内キー及び前記突出係合部は、周方向に複数セットが形成されているレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載のレンズ鏡筒において、
前記環状ユニット部材はシャッタユニットからなるレンズ鏡筒。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項記載のレンズ鏡筒において、
前記環状ユニット部材は偏光フィルタユニットからなるレンズ鏡筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動環ブロックと環状ユニット部材を結合し、この移動環ブロックと環状ユニット部材の結合体を直進案内環に対して光軸方向に直進案内したレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のレンズ鏡筒として、特許文献1には、3群レンズユニット(移動環ブロック)とシャッタ装置(環状ユニット部材)を結合し、この3群レンズユニットとシャッタ装置の結合体を固定枠(直進案内環)に対して光軸方向に直進案内したものが記載されている。シャッタ装置の底面(端面)と3群レンズユニットには係合部と係合孔がそれぞれ設けられており、この係合部と係合孔を係合させることで3群レンズユニットとシャッタ装置が結合される。固定枠と3群レンズユニットには直進案内溝と直進案内キーがそれぞれ設けられており、直進案内溝に直進案内キーを係合させることで、3群レンズユニットとシャッタ装置の結合体が固定枠に対して光軸方向に直進案内される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−31532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のレンズ鏡筒は、シャッタ装置の底面(端面)の外径側に係合部を配置しているため、シャッタ装置の開口部の配置スペースをある程度犠牲にせざるを得ない。このため、大径レンズに対応させてシャッタ装置の開口部を大径化する必要がある場合には、シャッタ装置の底部の外径側に係合部を配置するスペースがなくなって、シャッタ装置を固定枠よりも大径に構成せざるを得ず、特許文献1の構成を採用することができない。別言すると、特許文献1の構成を採用するためには、内径側の開口部と外径側の係合部の配置スペースを十分に確保するべくシャッタ装置そのものを大径に構成することが必須であり、鏡筒全体の大型化が避けられない。
【0005】
また、特許文献1記載のレンズ鏡筒は、3群レンズユニットとシャッタ装置を結合するための機構(係合部と係合孔)と、3群レンズユニットとシャッタ装置の結合体を固定枠に対して光軸方向に直進案内するための機構(直進案内溝と直進案内キー)とが別々の機構として存在しているため、強度が低く構造が複雑で組み付けが困難であり、鏡筒内部のスペース効率も悪くなってしまう。
【0006】
本発明は、上記問題意識に基づいて完成されたものであり、環状ユニット部材ひいては鏡筒全体を小径化でき、強度が高く構造が簡単で組み付けが容易であり、鏡筒内部のスペース効率が優れたレンズ鏡筒を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレンズ鏡筒は、光軸と平行な直進案内溝を有する直進案内環と、前記直進案内環の直進案内溝に係合する直進案内キーを有し、前記直進案内環に対して光軸方向に直進案内される移動環ブロックと、前記移動環ブロックのいずれか一方の端部に保持される環状ユニット部材と、を備えるレンズ鏡筒において、前記移動環ブロックと環状ユニット部材は、互いに係合して両者を結合する径方向外方への突出係合部をそれぞれ有していること、
前記突出係合部は、前記移動環ブロックの直進案内キーと光軸方向に離間して設けられていること、及び前記突出係合部は、
前記移動環ブロックの直進案内キーとともに、前記直進案内環の直進案内溝に係合すること、を特徴としている。
【0008】
前記環状ユニット部材の突出係合部は、該環状ユニット部材の径方向外方に突出する係合突起からなり、前記移動環ブロックの突出係合部は、該移動環ブロックの径方向外方に突出して前記係合突起に係合する係合片からなることが好ましい。
【0009】
前記移動環ブロックと環状ユニット部材は略同径であり、その径方向外方に突出させて前記突出係合部がそれぞれ形成されており、前記直進案内環は、前記移動環ブロックと環状ユニット部材が嵌合する嵌合筒状部を有しており、この嵌合筒状部に前記直進案内溝が形成されていることが好ましい。
【0010】
前記直進案内環、前記移動環ブロック及び前記環状ユニット部材の組付状態において、前記直進案内溝、前記直進案内キー及び前記突出係合部の周方向位置を一致させるのが実際的である。
【0011】
前記直進案内溝、前記直進案内キー及び前記突出係合部は、周方向に複数セットを形成することができる。
【0012】
前記環状ユニット部材は、シャッタユニットまたは偏光フィルタユニットから構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレンズ鏡筒によれば、環状ユニット部材ひいては鏡筒全体を小径化でき、強度が高く構造が簡単で組み付けが容易であり、鏡筒内部のスペース効率が優れたレンズ鏡筒が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明によるレンズ鏡筒の撮影状態(ズーム域)での断面図である。
【
図2】本発明によるレンズ鏡筒の収納(沈胴)状態での断面図である。
【
図3】直進案内環、2群レンズ移動環(移動環ブロック)及びシャッタユニット(環状ユニット部材)の組付前の状態を示す分解斜視図である。
【
図4】2群レンズ移動環(移動環ブロック)とシャッタユニット(環状ユニット部材)を結合した状態を示す斜視図である。
【
図5】2群レンズ移動環(移動環ブロック)とシャッタユニット(環状ユニット部材)の結合体を直進案内環に対して光軸方向に直進案内した組付状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1ないし
図6は、本発明による沈胴式ズームレンズ鏡筒(レンズ鏡筒)ZLの一実施形態を示している。
図1及び
図2に示すように、ズームレンズ鏡筒ZLの撮像光学系は、物体(被写体)側から順に、第1レンズ群LG1、シャッタS、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ25及び撮像素子26を備えている。またズームレンズ鏡筒ZLの撮像光学系は、第2レンズ群LG2の前方の光路上に挿脱可能な偏光フィルタ43を有している。以下の説明中で光軸方向とは、この撮影光学系の光軸Oと平行な方向を意味し、前方とは光軸方向の前方(被写体側)、後方とは光軸方向の後方(像面側)を意味する。また、光軸Oを中心とする径方向において、光軸Oに近い側を内径側、光軸Oから遠い側を外径側とする。
【0016】
ズームレンズ鏡筒ZLは固定部材として筒状のハウジング22を有し、ハウジング22の後部に撮像素子ホルダ21が固定される。ローパスフィルタ25と撮像素子26はユニット化されて撮像素子ホルダ21の後面部に固定されている。
【0017】
第3レンズ群LG3は、ズームレンズ鏡筒ZLにおけるフォーカスレンズ群であり、3群レンズ枠51に保持されている。3群レンズ枠51は、ガイド軸(図示せず)を介して光軸方向に直進移動可能に支持されており、AFモータ(図示せず)の駆動力によって前後方向に移動可能となっている。
【0018】
ハウジング22の内側には、3群レンズ枠51の支持駆動手段とは別に、鏡筒駆動モータ(図示せず)により駆動制御される変倍群(カム環)ブロックが支持されている。この変倍群(カム環)ブロックは、カム環11、繰出筒12、直進案内環13及び2群レンズブロック80を含んでいる。
【0019】
カム環11は、繰出筒12と共にズームレンズ鏡筒ZLの外観筒を構成しており、ハウジング22の内周面に形成したカム環ガイド溝22aに対して摺動可能に嵌るガイド突起(図示せず)を有している。カム環11は、鏡筒駆動モータ(図示せず)による回転駆動力を受けて回転され、カム環ガイド溝22aの案内により回転しながら光軸方向に移動する。直進案内環13はハウジング22内に支持されている。直進案内環13は、ハウジング22の内面に形成した直進案内溝を介して光軸方向に直進移動可能に案内されており、カム環11とは相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように結合されている。
【0020】
2群レンズブロック80は、2群レンズ移動環(移動環ブロック)8と、その前部に支持した偏光フィルタユニット40とシャッタユニット(環状ユニット部材)81を備えている。偏光フィルタユニット40は、光軸Oを通る光路上に偏光フィルタ43を挿脱させ、かつ挿入した偏光フィルタ43をフィルタ駆動モータ180の回転駆動力によって光軸Oを中心として回転させることが可能である。偏光フィルタユニット40は図示しない係合部を有しており、シャッタユニット81は係合部81b(
図3、
図4)を有している。これらの係合部を互いに係合させることにより、偏光フィルタユニット40(偏光フィルタ43)がシャッタユニット81に支持されて両者が一体化されている。シャッタユニット81は内部に開閉可能なシャッタSを有し、シャッタアクチュエータ82によってシャッタSを開閉駆動する。また第2レンズ群LG2は、2群レンズ移動環8の筒状部8a内に形成した保持枠部8cによって保持されている。
【0021】
図3ないし
図6に示すように、2群レンズ移動環8は、その周方向に、筒状部8aの後端付近から外径方向に突出する3つの直進案内キー8bを有している。また直進案内環13は、2群レンズ移動環8の筒状部8aが嵌合する嵌合筒状部13aを有しており、この嵌合筒状部13aの周方向に、光軸と平行な長穴である3つの直進案内溝13bが形成されている。3つの直進案内キー8bと3つの直進案内溝13bの周方向位置を一致させて摺動可能に係合させることで、直進案内環13に対して2群レンズ移動環8が光軸方向に直進案内されている。
【0022】
2群レンズ移動環8の3つの直進案内キー8b上にはそれぞれ2群用カムフォロア8dが固定されている(
図3ないし
図6)。2群用カムフォロア8dは、カム環11の内周面に形成した2群制御カム溝CG2に対して摺動可能に係合している。2群レンズ移動環8(2群レンズブロック80)は直進案内環13を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、2群用カムフォロア8dが2群制御カム溝CG2の案内を受けて、2群レンズ移動環8(2群レンズブロック80)が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
【0023】
繰出筒12内には第1レンズ群LG1が保持されている。繰出筒12は、内面側に設けた直進案内キー(図示せず)を直進案内環13に形成した直進案内溝(図示せず)に対して摺動可能に係合させることで、光軸方向へ直進案内されている。繰出筒12の後端付近の外周面上には1群用カムフォロア12aが設けられ、この1群用カムフォロア12aがカム環11の内周面に形成した1群制御カム溝CG1に対して摺動可能に係合している。繰出筒12は直進案内環13を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、1群用カムフォロア12aが1群制御カム溝CG1の案内を受けて、繰出筒12が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
【0024】
以上の構造からなるズームレンズ鏡筒ZLは次のように動作する。
図1に示す撮影状態(ズーム域のワイド端)において、鏡筒駆動モータ(図示せず)を鏡筒繰出方向に駆動させると、カム環ガイド溝22aの軌跡に従い、ハウジング22に対してカム環11が光軸方向前方に繰り出される。第1レンズ群LG1を支持する繰出筒12と、第2レンズ群LG2を支持する2群レンズブロック80はそれぞれ、カム環11の回転に応じてカム溝CG1、CG2の案内を受けて光軸方向に相対移動する。
【0025】
図1に示す撮影状態から、鏡筒駆動モータ(図示せず)を鏡筒収納方向に駆動させると、カム環ガイド溝22aの案内を受けたカム環11が回転しながら光軸方向後方へ移動される。繰出筒12と2群レンズブロック80(2群レンズ移動環8)は、カム環11上のカム溝CG1、CG2の軌跡による所定の相対移動を伴いつつ、カム環11と共に光軸方向後方へ移動する。やがて
図2の鏡筒収納状態まで達すると、鏡筒駆動モータ(図示せず)の鏡筒収納方向の駆動が停止される。また、第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠51も、
図2に示す後退位置になるようにAFモータ(図示せず)によって位置制御される。
【0026】
本実施形態は、2群レンズ移動環(移動環ブロック)8とシャッタユニット(環状ユニット部材)81を結合し、この2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の結合体を直進案内環13に対して光軸方向に直進案内するズームレンズ鏡筒ZLに本発明を適用したものである。以下、その詳細を
図3ないし
図6を用いて説明する。
【0027】
2群レンズ移動環8とシャッタユニット81は略同一の径を有する環状部材である。シャッタユニット81は、その周方向に、径方向外方に突出する3つの係合突起(突出係合部)81aを有している。2群レンズ移動環8は、その周方向に、径方向外方に突出する3つの係合片(突出係合部)8eを有している。2群レンズ移動環8の直進案内キー8bと係合片8eは、その周方向位置を一致させて形成されている。シャッタユニット81の3つの係合突起81aと2群レンズ移動環8の3つの係合片8eとを係合させると、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81とが結合される。この結合状態では、2群レンズ移動環8の直進案内キー8bの周方向位置と、シャッタユニット81と2群レンズ移動環8の突出係合部(係合突起81aと係合片8e)の周方向位置とが一致している。
【0028】
2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の結合体を直進案内環13に組み付けるときには、2群レンズ移動環8の直進案内キー8b及びシャッタユニット81と2群レンズ移動環8の突出係合部(係合突起81aと係合片8e)の周方向位置と、直進案内環13の直進案内溝13bの周方向位置とを一致させて、直進案内環13の嵌合筒状部13aに、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の結合体を嵌合させる。すると、2群レンズ移動環8の直進案内キー8b及びシャッタユニット81と2群レンズ移動環8の突出係合部(係合突起81aと係合片8e)の双方が同時に、直進案内環13の直進案内溝13bに係合する。
【0029】
このように本実施形態では、光軸と平行な直進案内溝13bを有する直進案内環13と、この直進案内環13の直進案内溝13bに係合する直進案内キー8bを有し、直進案内環13に対して光軸方向に直進案内される2群レンズ移動環8(移動環ブロック)と、この2群レンズ移動環8のいずれか一方の端部に保持されるシャッタユニット81(環状ユニット部材)と、を備えるレンズ鏡筒ZLにおいて、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81は、互いに係合して両者を結合する径方向外方への突出係合部(係合片8eと係合突起81a)をそれぞれ有しており、この突出係合部(係合片8eと係合突起81a)は、直進案内環13の直進案内溝13bに係合する。
【0030】
この構成によれば、シャッタユニット81の係合突起81aが径方向外方に突出していてシャッタユニット81の開口部の配置可能スペースを犠牲にすることがないので、大径レンズに対応させてシャッタユニット81の開口部を大径化してもレイアウト上の問題が生じることはない。しかも、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の突出係合部(係合片8eと係合突起81a)が、2群レンズ移動環8の直進案内キー8bと共に、直進案内環13の直進案内溝13bに係合するので、鏡筒全体を小径化することができる。さらに、直進案内環13の直進案内溝13bが、2群レンズ移動環8の直進案内キー8bを案内する機能と、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の突出係合部(係合片8eと係合突起81a)を逃がす機能とを兼用しているので、強度が高く構造が簡単で組み付けが容易であり、鏡筒内部のスペース効率を向上させることができる。
【0031】
ここで、比較対象例として、2群レンズ移動環8の直進案内キー8bと、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の突出係合部(係合片8eと係合突起81a)との周方向位相をずらして、直進案内環13(嵌合筒状部13a)の周方向に、2群レンズ移動環8の直進案内キー8bを案内するための溝部と、2群レンズ移動環8とシャッタユニット81の突出係合部(係合片8eと係合突起81a)を逃がすための溝部とを別個に形成した場合を想定する。この比較対象例は、本実施形態のレンズ鏡筒ZLよりも、直進案内環13(嵌合筒状部13a)の周方向に多数の溝部が形成されることになるため、直進案内環13(嵌合筒状部13a)ひいてはレンズ鏡筒全体の強度が低くなり、また構造が複雑で組み付けが困難になり、さらには鏡筒内部のスペース効率も悪くなってしまう。
【0032】
以上の実施形態では、2群レンズ移動環8(移動環ブロック)の前端部にシャッタユニット81(環状ユニット部材)を保持する場合を例示して説明したが、2群レンズ移動環8の後端部にシャッタユニット81を保持することも可能である。
【0033】
以上の実施形態では、突出係合部として、シャッタユニット81に係合突起81aを形成し、2群レンズ移動環8に係合片8eを形成した場合を例示して説明したが、この関係を逆にして、2群レンズ移動環8に係合突起を形成し、シャッタユニット81に係合片を形成することも可能である。
【0034】
以上の実施形態では、環状ユニット部材としてシャッタユニット81を用いた場合を例示して説明したが、環状ユニット部材として偏光フィルタユニット40を用いることも可能である。
【0035】
以上の実施形態では、直進案内環13の直進案内溝13b、2群レンズ移動環8の直進案内キー8b、及びシャッタユニット81と2群レンズ移動環8の突出係合部(係合突起81aと係合片8e)のセットを、周方向に3つ配置した場合を例示して説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、これらのセットを2つまたは4つ以上設けることも可能である。また、これらのセットを周方向に等間隔または不等間隔で設けてもよい。重要なのはこれらのセットの周方向位置が一致していることである。
【符号の説明】
【0036】
ZL 沈胴式ズームレンズ鏡筒(レンズ鏡筒)
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
S シャッタ
CG1 1群制御カム溝
CG2 2群制御カム溝
8 2群レンズ移動環(移動環ブロック)
8a 筒状部
8b 直進案内キー
8c 保持枠部
8d 2群用カムフォロア
8e 係合片(突出係合部)
11 カム環
12 繰出筒
12a 1群用カムフォロア
13 直進案内環
13a 嵌合筒状部
13b 直進案内溝
21 撮像素子ホルダ
22 ハウジング
22a カム環ガイド溝
25 ローパスフィルタ
26 撮像素子
40 偏光フィルタユニット
43 偏光フィルタ
51 3群レンズ枠
80 2群レンズブロック
81 シャッタユニット(環状ユニット部材)
81a 係合突起(突出係合部)
81b 係合部
82 シャッタアクチュエータ
180 フィルタ駆動モータ