(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに連結された複数の車両の少なくとも一両に設けられた空気圧縮機と、該空気圧縮機に接続流路を介して接続されるとともに、前記複数の車両にそれぞれ設けられて互いに連通する複数の空気タンクとを備える車両用の圧縮空気供給装置であって、
前記複数の空気タンクのうち前記空気圧縮機に最も短い流路を介して接続された一つの前記空気タンク内の空気圧力を測定する圧力測定部と、
前記圧力測定部の測定値が第一圧力以下となると前記空気圧縮機を動作させ、前記第一圧力よりも大きな第二圧力になると前記空気圧縮機を停止する制御部と、
前記空気圧縮機と前記複数の空気タンク各々との間の前記接続流路に設けられた逃し弁装置と、
を備え、
前記逃し弁装置は、空気の流動を制限する流動制限部と、該流動制限部よりも前記空気タンク側に設けられて、前記第二圧力よりも大きな第三圧力になると前記接続流路を大気に開放し、開放後に前記第二圧力よりも大きく前記第三圧力より小さい第四圧力となった際に閉塞する弁本体と、
を有することを特徴とする圧縮空気供給装置。
前記逃し弁装置は、前記接続流路に設けられて圧縮された前記空気を除湿するアフタークーラの下流側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮空気供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年の車両では高性能化にともなって、床下機器の数量、大きさが増大しており、上述のように推定した圧力勾配に応じた最適なバランスで空気圧縮機の性能、配置及び元空気タンクの容積を設定することが難しくなっている。よって、この場合には圧力勾配が増大してしまうおそれがある。また近年の車両においては、編成内のいくつかの空気圧縮機が故障等しても通常の運行を継続するように冗長性が確保されており、このような場合においても空気圧縮機、及び元空気タンクの搭載バランスが悪くなり、圧力勾配が増大してしまうことがある。
【0007】
そして、圧力勾配が増大すると、空気圧縮機が停止した際には調圧器で監視していない元空気タンク内の圧力が安全装置の作動する上限値を超えてしまうことがあり、安全装置の作動の反復による圧力の急変や排気音により通常運行に支障が生じる場合がある。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、車両が複数両連結された編成内での空気圧縮機、空気タンクの搭載バランスに関わらず、空気タンク間の圧力勾配を低減した状態で運行を可能とする圧縮空気供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る圧縮空気供給装置は、互いに連結された複数の車両の少なくとも一両に設けられた空気圧縮機と、該空気圧縮機に接続流路を介して接続されるとともに、前記複数の車両にそれぞれ設けられて互いに連通する複数の空気タンクとを備える車両用の圧縮空気供給装置であって、前記複数の空気タンクのうち前記空気圧縮機に最も短い流路を介して接続された一つの前記空気タンク内の空気圧力を測定する圧力測定部と、前記圧力測定部の測定値が第一圧力以下となると前記空気圧縮機を動作させ、前記第一圧力よりも大きな第二圧力になると前記空気圧縮機を停止する制御部と、前記空気圧縮機と前記複数の空気タンク各々との間の前記接続流路に設けられた逃し弁装置とを備え、前記逃し弁装置は、空気の流動を制限する流動制限部と、該流動制限部よりも前記空気タンク側に設けられて、前記第二圧力よりも大きな第三圧力になると前記接続流路を大気に開放し、開放後に前記第二圧力よりも大きく前記第三圧力より小さい第四圧力となった際に閉塞する弁本体と、を有することを特徴とする。
【0010】
このような圧縮空気供給装置では、まず空気圧縮機によって空気タンク内の圧力が第一圧力より大きくなるように蓄圧を行う。そして、圧力測定部によって空気タンク内の圧力が第二圧力となったことが測定された時点で制御部によって空気圧縮機を停止させる。ここで、空気圧縮機停止後にさらに空気タンク内の圧力が上昇し、第三圧力を超えた場合には、逃し弁装置によって接続流路の大気開放を行うことで空気タンク内の圧力を逃すことができる。
従って、全ての空気タンク内の圧力は第三圧力を超えることはないため、仮に各々の空気タンク内の圧力がこの第三圧力よりも高圧となった際に作動する安全装置が設けられている場合であっても、通常運行時に空気タンク同士の間での圧力勾配が生じて一部の空気タンク内の圧力が上昇しても、このような安全装置が作動することがない。
さらに、逃し弁装置においては、流動制限部によって空気圧縮機と空気タンクとの間での空気の流動が制限される。このため、弁本体が接続流路を大気に開放しても、開放後短時間であれば、空気タンクと流動制限部との間でのみ、圧力が大気圧に近づくように減少することになる。さらに、流動制限部と空気圧縮機との間では圧力が急激に減少することがなくなり、蓄圧に必要な高圧状態を維持することができる。
【0011】
また、逃し弁装置によって接続流路の大気開放を行った後に空気タンク内の圧力が安定化し、第二圧力よりも大きく第三圧力よりも小さい第四圧力まで低下すると、逃し弁装置の弁本体を閉塞させる。この場合、上述した通り、流動制限部と空気圧縮機との間は圧力低下が無いため、弁本体を閉塞した際には、速やかに空気タンク内への蓄圧を行うことができる。
【0012】
また、前記流動制限部は、前記接続流路よりも流路面積が小さく形成された絞り流路であってもよい。
【0013】
このように、流動制限部として絞り流路を設けることで、通常運行時において空気タンク間での圧力勾配が生じても、上記のような安全装置が作動することがなく、また逃し弁装置の弁本体の閉塞後に速やかな蓄圧が可能となる。
【0014】
さらに、前記逃し弁装置は、前記接続流路に設けられたフレキシブル管の下流側に設けられていてもよい。
【0015】
このように空気圧縮機空気タンクとの間にはフレキシブル管が設けられて、空気圧縮機での振動が、下流側に伝達しないようになっている場合が一般的である。このため、逃し弁装置をこのフレキシブル管の下流側に設けることで、振動の影響を低減でき、逃し弁装置の耐久性向上につながる。
【0016】
また、前記逃し弁装置は、前記接続流路に設けられて圧縮された前記空気を除湿するアフタークーラの下流側に設けられていてもよい。
【0017】
このように空気圧縮機と空気タンクとの間にはアフタークーラが設けられて、空気圧縮機によって高圧高温となった空気の冷却を行っている場合が一般的である。このため、逃し弁装置をこのアフタークーラの下流側に設けることで、熱による影響を低減でき、逃し弁装置の耐久性向上につながる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の圧縮空気供給装置によると、空気圧縮機と空気タンクとの間に逃し弁装置を設けたことで、編成内での空気圧縮機、空気タンクの搭載バランスに関わらず、空気タンク間での圧力勾配を低減した状態での運行が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る圧縮空気供給装置1について説明する。
図1に示すように、圧縮空気供給装置1は、互いに連結された鉄道車両2(以下、単に車両2とする)に設けられてブレーキ操作、ドアの開閉等に用いる圧縮空気Aを生成する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、圧縮空気供給装置1は、車両2の床下に設けられており、空気を取り込んで圧縮空気Aを生成する空気圧縮機3と、空気圧縮機3からの圧縮空気Aの除湿を行う除湿装置4と、除湿装置4を通過した圧縮空気Aを貯留する元空気タンク5と、元空気タンク5内の圧力を監視する調圧器6と、調圧器6の測定値に応じて空気圧縮機3の動作を制御する制御部7とを備えている。
さらに、除湿装置4内に設けられて、元空気タンク5内の圧力が所定値よりも大きくなると、元空気タンク5内の圧力を大気に開放する
図3に示す逃し弁装置80を備えている。
【0022】
ここで、本実施形態の車両2は、10両が連結されて1編成を構成しており、各号車での空気圧縮機3、調圧器6、元空気タンク5の搭載の有無、及び各号車での元空気タンク5のタンク容量(L)を表1に示している。
なお、表1に示す車両2の編成両数、各機器の搭載号車、元空気タンク5の容量は一例として本実施形態で説明するものであり、このような条件に限定されることはない。
【0024】
空気圧縮機3は、表1に示すように1、4、5号車に設けられており、各々の空気圧縮機3は、外部から取り込んだ空気を圧縮する圧縮機本体11と、圧縮機本体11からの圧縮空気Aより油を分離する分油器21とを有している。
【0025】
圧縮機本体11は、本体ケース12と、本体ケース12に設けられた駆動軸13及び固定渦巻き体14と、本体ケース12の内部で駆動軸13に取り付けられて固定渦巻き体14とともに渦巻き圧縮室16を形成する旋回渦巻き体15と、駆動軸13を回転駆動する電動機17とを有しており、いわゆる渦巻式空気圧縮機となっている。
【0026】
また、この圧縮機本体11には、渦巻き圧縮室16に連通して圧縮空気Aを吸い込む吸込口18と、渦巻き圧縮室16に連通して圧縮空気Aを吐出する吐出口19とが形成されている。
【0027】
分油器21は、圧縮機本体11の吐出口19に接続されており、圧縮機本体11から取り込んだ圧縮空気Aに含まれる潤滑油の分離を行うサイクロン部22と、その後さらに潤滑油の分離を行うフィルタ部23と、フィルタ部23で分離した潤滑油を貯留する油溜部24とを有している。
【0028】
また、油溜部24は圧縮機本体11における不図示の軸受部に連通しており、油プレフィルタ41、油冷却器(回転ファン43を含む)42、油フィルタ44を介して上記軸受部へ潤滑油を返送する。
【0029】
さらに、分油器21の下流側には、油溜部24の圧力を確保する圧力制限弁31が設けられており、この圧力制限弁31に除湿装置4が接続されている。
【0030】
図3に示すように、除湿装置4は、第一接続配管(接続流路)51を介して空気圧縮機3の圧力制限弁31に接続されている。
ここで、この第一接続配管51には、空気圧縮機3からの振動を除湿装置4に伝達させないように、テフロン(登録商標)製のホース等のフレキシブル管57が設けられている。
【0031】
そしてこの除湿装置4は、空気圧縮機3からの圧縮空気Aを冷却するアフタークーラ61と、アフタークーラ61と元空気タンク5との間に設けられた吸着装置63及びアンロード弁65とを有している。
【0032】
アフタークーラ61にはドレン弁62が設けられ、圧縮空気Aを冷却させて発生した圧縮空気Aに含まれる水分をこのドレン弁62から排出する。ここで、圧縮空気A内の湿度はほぼ100%の状態となり、下流側に送られる。
【0033】
吸着装置63は、第二接続配管(接続流路)52、及びこの第二接続配管52の一端52aに接続された第三接続配管(接続流路)53を介してアフタークーラ61に接続されている。そして、この吸着装置63は、上流側から切換弁72と、切換弁72に並列に接続された二つの吸着部71と、各々の吸着部71に接続された逆止弁73と、吸着部71と逆止弁73との間で二つの吸着部71同士を連通するように設けられた再生絞り部74を有している。
【0034】
そしてこの吸着装置63では、一方の吸着部71で圧縮空気Aに含まれる水分の吸着を行って圧縮空気Aの除湿を行っている間に、一方の吸着部71を通過した圧縮空気Aの一部が再生絞り部74を通じて他方の吸着部71に取り込まれて他方の吸着部71を乾燥させることで、連続的に圧縮空気Aの除湿を可能としている。
【0035】
また、吸着装置63の二つの逆止弁73には第四接続配管(接続流路)54が接続され、この第四接続配管54を介して元空気タンク5と除湿装置4とが接続されている。
【0036】
アンロード弁65は、第三接続配管53から分岐するように吸着装置63と並列に設けられており、第三接続配管53を大気開放して外部へ圧縮空気Aを吐出する弁装置である。即ち、第三接続配管53を大気開放することによって、圧縮空気供給装置1の系内全体を大気に連通させて次回起動時の電動機負荷を低減させる目的で使用する。
【0037】
なお、除湿装置4においては、切換弁72が第四接続配管54との間で、アンロード弁65が第四接続配管54との間で、それぞれ電磁弁67を介して連通している。
【0038】
元空気タンク5は、空気圧縮機3から除湿装置4を介して圧縮空気Aを貯留して蓄圧を行う。また本実施形態では、表1に示すように、この元空気タンク5は全号車に設けられているとともに、号車毎で容量が異なっている。
ここで、本実施形態では、10号車に設けられた元空気タンク5aが、空気圧縮機3に最も短い第一接続配管51を介して接続されており、10号車の元空気タンク5a内の蓄圧のレスポンスがもっとも速くなっている。
【0039】
ここで、表1に示すように、1、4、5、9、10号車には、安全弁75と調圧器6が設けられている。
調圧器6は、元空気タンク5内の圧力を測定、監視している。ここで10号車の元空気タンク5内の圧力を監視する調圧器6を圧力測定装置(圧力測定部)6aとする。
【0040】
安全弁75は、各々の調圧器6に設けられて、空気システムに異常が発生して高圧となった場合に、接続されている機器を保護するために調整圧力になると噴気する。
具体的には、本実施形態では、元空気タンク5内の圧力が950kPaとなった時点で異常と判断して安全弁75が噴気し、大気開放を行う。
【0041】
制御部7は、圧力測定装置6aで測定された元空気タンク5a内の圧力が800kPa(第一圧力)以下となると空気圧縮機3を動作させ、900kPa(第二圧力)を超えると停止させる。
【0042】
次に、逃し弁装置80について説明する。
逃し弁装置80は、第二接続配管52の一端52aに第三接続配管53と二股に分かれるように第五接続配管(接続流路)55を介して接続されており、この逃し弁装置80と第四接続配管54とは電磁弁67を有する第六接続配管(接続流路)56によって接続され、元空気タンク5に連通している。
【0043】
またこの逃し弁装置80は、第五接続配管55の中途位置に設けられた固定絞り部(流動制限部、絞り流路)81と、固定絞り部81よりも元空気タンク5側となる下流側に設けられた弁本体82とを有している。
【0044】
固定絞り部81は、第五接続配管55の管径よりも小径に形成された絞り流路であって、圧縮空気Aの流動を制限する。
なお、この固定絞り部81は絞り流路でなくともよく、例えば絞り弁等であってもよいし、弁本体82と一体となっていてもよい。即ち、第五接続配管55での圧縮空気Aの流動を制限するものであればよい。
【0045】
弁本体82は、圧力測定装置6aによって10号車の元空気タンク5a内の圧力が、空気圧縮機3を停止する圧力である900kPaよりも大きな930kPa(第三圧力)となったと測定された際に、第六接続配管56を大気開放し、外部へ圧縮空気Aを吐出する。また、元空気タンク5a内の圧力が安定し、930kPaより低く900kPaより高い920kPa(第四圧力)と圧力測定装置6aによって測定されると、速やかに弁本体82を閉塞させる。
ここで、本実施形態ではこの弁本体82は、上述した除湿装置4におけるアンロード弁65と同じ構成となっている。
【0046】
このような圧縮空気供給装置1においては、まず空気圧縮機3を動作させて、元空気タンク5a内の圧力が800kPaより大きくなるように蓄圧を行う。その後、圧力測定装置6aによって元空気タンク5a内の圧力が900kPaとなったことが測定された時点で、制御部7によって空気圧縮機3の動作を停止させる。
【0047】
ここで、
図4に示すように、10号車の元空気タンク5a内の圧力が900kPaとなって空気圧縮機3が停止されたとしても、編成内での空気圧縮機3、元空気タンク5の搭載のアンバランスによって、元空気タンク5同士の間に圧力勾配が発生する場合がある。
【0048】
そして、仮にこの圧力勾配が大きくなり、いくつかの元空気タンク5の圧力が950kPaを超えた場合(
図4の破線参照)には安全弁75が噴気してしまい、異常状態と判断されてしまう。
【0049】
この点、本実施形態では、元空気タンク5内の圧力が930kPaとなった時点で、逃し弁装置80によって大気開放を行うことで元空気タンク5内の圧力を逃すことができる。従って、全ての元空気タンク5内の圧力は930kPaを超えることはなく、通常運行時に安全弁75が作動することがない(
図4の実線参照)。
【0050】
さらに、逃し弁装置80においては、固定絞り部81によって空気圧縮機3と元空気タンク5との間での圧縮空気Aの流動が制限される。このため、逃し弁装置80の弁本体82が第六接続配管56を大気開放した際であっても、元空気タンク5と固定絞り部81との間でのみ圧力が減少することになり、一方で、固定絞り部81と空気圧縮機3との間では圧力が急激に減少することがなくなる。
【0051】
従って、固定絞り部81と空気圧縮機3との間では蓄圧に必要な高圧状態を維持することができ、弁本体82によって第六接続配管56を大気開放した後に、元空気タンク5内の圧力が920kPa(第四圧力)まで減少した場合、再び弁本体82によって第六接続配管56を閉塞することによって速やかに元空気タンク5内への蓄圧を行うことができる。
【0052】
具体的には、
図5の破線に示すように、仮に固定絞り部81が設けられていない場合には、逃し弁装置80の弁本体82によって第六接続配管56を大気開放した際に、元空気タンク5内の圧力が急激に減少することになるため、再度蓄圧を行う場合に時間を要してしまう。一方で、
図5の実線に示すように、固定絞り部81を設けたことによって再度蓄圧を行う場合の時間短縮が可能となる。
【0053】
さらに、逃し弁装置80は除湿装置4内に設けられているので、フレキシブル管57よりも下流側に設けられていることになる。このため、空気圧縮機3の振動の影響を低減でき、逃し弁装置80の耐久性向上につながる。
【0054】
また、逃し弁装置80は除湿装置4内で、アフタークーラ61よりも下流側に設けられている。このため、空気圧縮機3によって高温高圧となった圧縮空気Aの熱による影響を低減でき、逃し弁装置80の耐久性向上につながる。
【0055】
さらに、逃し弁装置80における弁本体82は、アンロード弁65と同じものを使用できるため、部品の共通化によるコストダウンも可能である。
【0056】
本実施形態の圧縮空気供給装置1によると、空気圧縮機3と元空気タンク5との間に逃し弁装置80を設けたことで、通常運行時に安全弁75が噴気することがなく、編成内での空気圧縮機3、元空気タンク5の搭載バランスに関わらず、元空気タンク5同士の間の圧力勾配を低減した状態での運行が可能となる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
例えば、逃し弁装置80の固定絞り部81に代えて開度調節可能な絞り弁を用いることで絞りの度合いを調整可能となるため、このような調整によって、弁本体82の開放後に再蓄圧する際のレスポンスの速さを適宜変更可能とすれば、利便性を向上できる。
【0058】
また、
図3に示すように固定絞り部81は必ずしも弁本体82と隣接して設ける必要はなく、少なくとも、弁本体82よりも空気圧縮機3側となる上流側であって、第二接続配管52の一端52aよりも下流側に設けられていればよい。
【0059】
また、仮にアンロード弁65が除湿装置4内に設けられていない場合には、フレキシブル管57や、アフタークーラ61の上流側に逃し弁装置80を設けてもよいが、上述したようにこれらフレキシブル管57、アフタークーラ61の下流側に設けることが好ましい。
【0060】
さらに、上述の実施形態では鉄道車両2に圧縮空気供給装置1を設けた場合について説明したが、例えば複数両連結された軌道系交通システムの車両に設けた場合であってもよく、鉄道車両2に限定されない。
【0061】
また、上述した800kPa、900kPa、920kPa、930kPa、950kPaといった圧力の数値は一例であって、これに限定されることはない。