(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による鍵管理装置を示す斜視図である。図において、鍵管理装置には、複数の鍵ホルダ1、鍵保持パネル2、鍵交換部3及び入力手段4が設けられている。鍵ホルダ1は、本実施の形態の鍵管理装置によって利用が管理される鍵(図示せず)をそれぞれ保持するものである。
【0010】
鍵保持パネル2には、鍵ホルダ1がそれぞれ挿入される複数のホルダ挿入部20が設けられている。本実施の形態では、鍵管理装置の高さ方向(鍵管理装置の載置面に垂直な方向)に沿って3段に分れてホルダ挿入部20が設けられており、各段には鍵管理装置の幅方向に互いに間隔を置いて10個のホルダ挿入部20が設けられている。図示はしないが、ホルダ挿入部20に挿入された鍵ホルダ1は係合部材に係合されており、ホルダ挿入部20から鍵ホルダ1を自由に引き抜くことができないようにされている。すなわち、鍵ホルダ1が係合部材に係合されることで、鍵の利用(持ち出し)が制限されている。
【0011】
鍵交換部3は、鍵ホルダ1に保持されている鍵を交換する際に用いられるものである。鍵交換部3には、鍵保持パネル2の下部に配置された交換時挿入開口30と、鍵管理装置に内蔵された交換ユニット31とが含まれている。交換時挿入開口30は、鍵を交換する際に鍵ホルダ1が挿入される開口である。交換ユニット31は、交換時挿入開口30に挿入された鍵ホルダ1に対して所定の操作を行うことで鍵ホルダ1のロックを解除して、ホルダアーム11(保持部材)を着脱自在にするためのものである。鍵は、その鍵に設けられた取付穴にホルダアーム11が通されることでホルダアーム11に保持される。
【0012】
図示はしないが、鍵保持パネル2及び鍵交換部3は、外カバーにより覆い隠すことができるように構成されている。外カバーは、鍵管理装置の幅方向に沿う鍵保持パネル2の一端側に設けられたヒンジ5に回動可能に取付けられるものであり、鍵保持パネル2及び鍵交換部3を覆い隠している状態でロック可能に設けられている。外カバーのロックは、鍵の利用又は交換の権限を有する利用者が入力手段4にて所定の操作を行った際に解除される。
【0013】
入力手段4は、鍵保持パネル2の側方に配置されており、表示パネル40、接触式カードリーダ41及び非接触式カードリーダ42を含んでいる。表示パネル40は、タッチパネル等により構成されており、例えば利用者が行うことができる操作の種類(鍵を利用するための利用操作及び鍵を交換するための交換操作等)、操作手順及び操作結果等の情報を利用者に表示するとともに、例えば利用者が行う操作種類等の情報の入力を行うものである。
【0014】
接触式カードリーダ41は、上端から下端に向かうにつれて手前側に位置するように鍵管理装置の高さ方向に対して傾斜されて延在されたカード挿通溝41aと、カード挿通溝41aを通されたカードの情報を読取る読取手段(図示せず)を含んでいる。カード挿通溝41aの上端及び下端は開放されており、カード挿通溝41aの上端からカードを挿入し、カード挿通溝41aの下端からカードを引き抜くことができるようにされている。
【0015】
非接触式カードリーダ42は、上端から下端に向かうにつれて手前側に位置するように鍵管理装置の高さ方向に対して傾斜して設けられた読取手段42aと、読取手段42aの下部に設けられた支持部42bとを含んでいる。読取手段42aは、読取手段42aに重ねられたカードの情報を読取る。支持部42bは、読取手段42aに重ねられたカードを支持する。
【0016】
接触式カードリーダ41又は非接触式カードリーダ42にて読取られたカードの情報に基づいて、そのカードを有する利用者に与えられている権限が確認される。鍵を利用できる権限が利用者に与えられている場合、上述した外カバーのロックが解除されるとともに、利用可能な鍵が取付けられている鍵ホルダ1と係合部材との係合が解除される。また、鍵の交換に係る権限が利用者に与えられている場合、鍵交換部3による鍵の交換が可能とされる。
【0017】
次に、
図2〜
図4を参照して鍵ホルダ1の構成を説明する。
図2は
図1の鍵ホルダ1を示す斜視図であり、
図3は
図2の鍵ホルダ1を示す背面図であり、
図4は
図1のシリンダ体101が回動された状態を示す斜視図である。
図2〜
図4に示すように、鍵ホルダ1は、ホルダ本体10及びホルダアーム11を含んでいる。ホルダ本体10は、外装体100及びシリンダ体101を含んでいる。
【0018】
外装体100は、断面多角形の外形を有するケースである。外装体100の後部外周面には、鍵ホルダ1の長手方向1aに沿って延在された複数の識別溝100aが形成されている。識別溝100aの数及び識別溝100aの形成位置は、鍵ホルダ1毎に異なるようにされている。上述の各ホルダ挿入部20(
図1参照)には、そのホルダ挿入部20に挿入されるべき鍵ホルダ1の識別溝100aに対応する突起が設けられており、各ホルダ挿入部20は対応する鍵ホルダ1のみが最奥まで挿入できるように構成されている。本実施の形態の外装体100は、30個の鍵ホルダ1を識別できる数の識別溝100aを形成するために八角形の外形を有している。しかしながら、外装体100の外形が有する角数は、識別すべき鍵ホルダ1の数や識別溝100aの大きさに応じて任意に変更できる。
【0019】
鍵ホルダ1の長手方向1aに沿う外装体100の中間位置の外周面には凹部100bが設けられている。凹部100bには、ホルダ挿入部20又は交換時挿入開口30(
図1参照)にホルダ本体10(鍵ホルダ1)が挿入された際に係合部材が係合される。凹部100bに係合部材が係合されることで、ホルダ挿入部20又は交換時挿入開口30からのホルダ本体10の引抜きが規制される。
【0020】
シリンダ体101は、外装体100の内部に設けられた筒状体である。
図3に示すように、シリンダ体101の後端には複数の鍵穴101aが形成されている。
図2〜
図4には示していないが、交換ユニット31(
図1参照)には、シリンダ体101の鍵穴101aに対応する操作鍵310が設けられている(
図6等参照)。操作鍵310が鍵穴101aに挿入された場合、シリンダ体101が外装体100の内部で回動可能とされる。すなわち、対応する操作鍵310が鍵穴101aに挿入されていない時には、シリンダ体101は外装体100の内部で回動できないようにロックされている。
【0021】
ホルダアーム11は、全体としてU字状に形成された部材である。
図4に示すようにホルダアーム11の後端部には係合爪11aが形成されている。
図2に示すようにホルダアーム11がホルダ本体10に取付けられている状態では、外装体100の内部で係合爪11aがシリンダ体101の係合溝に係合されており、ホルダアーム11がシリンダ体101及び外装体100から取り外すことができないようにされている。上述のように操作鍵310が鍵穴101aに挿入されて、
図4に示すようにシリンダ体101が回動された場合に、鍵ホルダ1の長手方向1aに沿ってホルダアーム11をホルダ本体10から引き抜くことが可能となる。
【0022】
具体的には、鍵ホルダ1の長手方向1aに沿って延在された長手状の溝部100cが外装体100の先端部に形成されており、溝部100cにはホルダアーム11が挿通されている。シリンダ体101が回動されてシリンダ体101の係合溝と外装体100の溝部100cとが連通された場合に、ホルダ本体10に対するホルダアーム11の着脱が自在とされる。以下、操作鍵310が鍵穴101aに挿入されているときに
図2の状態から
図4の状態にシリンダ体101を回動させる操作を解錠操作と呼ぶ。また、操作鍵310が鍵穴101aに挿入されているときに
図4の状態から
図2の状態にシリンダ体101を回動させる操作を施錠操作と呼ぶ。施錠操作が行われると、シリンダ体101の係合溝と外装体100の溝部100cとが非連通状態となり、ホルダ本体10に対するホルダアーム11の着脱が制限される。すなわち、施錠操作が行われると、ホルダ本体10からホルダアーム11を引き抜くことが制限されるのみならず、ホルダ本体10にホルダアーム11を挿入する(取付ける)ことも制限される。
【0023】
次に、
図5〜
図7を参照して交換ユニット31の全体的な構成を説明する。
図5は
図1の交換ユニット31を示す斜視図であり、
図6は
図5の交換ユニット31の要部を示す側面図であり、
図7は
図5の交換ユニット31を示す背面図である。
図5〜
図7に示すように、交換ユニット31は、受入枠300、操作鍵310、係合手段320、駆動手段330、挿入検出手段340及び係合解除部材350を含んでいる。
【0024】
受入枠300は、
図5に示すように断面多角形の外形を有する枠体である。受入枠300の形状はホルダ本体10の外装体100の外形に対応しており、ホルダ本体10の後端は受入枠300内に挿入される。操作鍵310は受入枠300の内部に配置されており、駆動手段330の駆動力により回動される。ホルダ本体10及び受入枠300の外形が断面多角形とされていることで、シリンダ体101及び操作鍵310とともに外装体100が回動することが防がれている。
【0025】
係合手段320は、
図6に示すように、支軸321、係合部材322、係合付勢手段323を含んでいる。係合部材322は、支軸321を中心に回動可能に設けられた部材である。係合部材322の後端は、巻きバネからなる係合付勢手段323により上方に付勢されている。この係合付勢手段323の付勢により係合部材322の先端は常時下方に付勢されている。係合部材322の先端322aは、交換時挿入開口30に挿入されたホルダ本体10により一時的に上方に持ち上げられ、下方に外装体100の凹部100bが位置した際にその凹部100bに係合される。このように凹部100bに係合部材322が係合されることで、交換時挿入開口30からホルダ本体10が引き抜かれることが規制される。
【0026】
駆動手段330は、制御部(図示せず)、駆動モータ331(
図5参照)、リンク機構332(
図7参照)、鍵駆動軸333(
図6及び
図7参照)、並びに第1角度位置検出センサ334及び第2角度位置検出センサ335(
図7参照)を含んでいる。駆動モータ331は、制御部により動作が制御されるものであり、駆動モータ331の駆動軸331aは交換ユニット31の背面板360から突出されている(
図7参照)。
【0027】
図7に示すように、リンク機構332は、第1リンク体332a、第2リンク体332b及び連結ピン332cを含んでいる。第1リンク体332aは駆動モータ331の駆動軸331aに固定されており、第2リンク体332bは鍵駆動軸333に固定されている。鍵駆動軸333は、駆動モータ331の駆動軸331aと平行に延びる軸体であり、
図6に示すように一端に操作鍵310が接続されている。連結ピン332cは、第1リンク体332aの先端に固定されているとともに、第2リンク体332bに設けられた長孔332dに挿通されている。駆動モータ331の駆動力は、これらの第1リンク体332a、連結ピン332c及び第2リンク体332bを介して鍵駆動軸333に伝えられる。すなわち、リンク機構332は、駆動モータ331の駆動軸331aを鍵駆動軸333に連結しており、駆動モータ331の駆動力により操作鍵310を回動させるためのものである。
【0028】
図7に示すように、鍵駆動軸333の他端には舌片体333aが取付けられており、舌片体333aは鍵駆動軸333とともに回動される。第1角度位置検出センサ334及び第2角度位置検出センサ335は、舌片体333aの回動軌跡を挟んで配置された発光部及び受光部をそれぞれ有しており、それら第1角度位置検出センサ334及び第2角度位置検出センサ335が配置されている位置に舌片体333aが存在するか否かを検出する。すなわち、第1角度位置検出センサ334及び第2角度位置検出センサ335は、駆動軸331a及び操作鍵310の回動の角度位置を検出するためのものである。第1角度位置検出センサ334及び第2角度位置検出センサ335の出力は、駆動手段330の制御部に入力される。
【0029】
係合解除部材350は、
図7に示す支持軸350aを中心に回動可能に背面板360に取付けられた部材である。係合解除部材350は、ホルダ本体10の挿入方向10aに沿って延在された前板部351と、前板部351の後端から垂直に折り曲げられて背面板360と平行に延在する後板部352とを有している。
図6及び
図7に示すように前板部351は、背面板360に形成された開口360aを通して係合部材322の後端上方まで延出されている。後板部352の下端には連結ピン332cの軌道と交わる位置まで突出された突出片352aが設けられている(突出片352aは後述の
図12によく現れている)。後に図を用いて説明するが、連結ピン332cが突出片352aに押し当てられた場合、支持軸350aを中心に前板部351が下方に回動される。この前板部351の回動により係合部材322の後端が押し下げられて、係合部材322の先端322aが上方に回動される。係合部材322の先端が凹部100bに係合されている場合、係合部材322の先端が上方に回動されることで、ホルダ本体10に対する係合部材322の係合が解除される。すなわち、駆動手段330は、係合解除部材350を介して係合部材322を駆動する機能も有している。
【0030】
次に、
図8及び
図9を参照して
図6の挿入検出手段340の構成を説明する。
図8は
図6の挿入検出手段340を示す側面図であり、
図9は
図8の挿入検出手段340を示す正面図である。挿入検出手段340は、
図8及び
図9に示すように挿入検出プレート341、第1挿入検出センサ342、第2挿入検出センサ343及び付勢手段344を有している。
【0031】
挿入検出プレート341は、垂直壁341a、第1遮蔽部341b及び第2遮蔽部341cを有している。垂直壁341aは、ホルダ本体10の挿入方向10aに沿ってホルダ本体10及び挿入検出プレート341を見たときに、ホルダ本体10の下部と重なるように立設された壁であり、交換時挿入開口30に挿入されるホルダ本体10の後部下端によって挿入方向10aに押圧されるものである。第1遮蔽部341b及び第2遮蔽部341cは、垂直壁341aと一体に形成されたものであり、互いに間隔を置いて設けられている。
【0032】
図9に示すように、第1挿入検出センサ342は、挿入方向10aに沿って挿入検出プレート341及び第1挿入検出センサ342を見たときに第1遮蔽部341bを挟むように配置された発光部342a及び受光部342bを含んでいる。詳しくは示さないが、第2挿入検出センサ343は、第1挿入検出センサ342と同様の構成を有しており、挿入方向10aに沿って挿入検出プレート341及び第2挿入検出センサ342を見たときに第2遮蔽部341cを挟むように配置された発光部及び受光部を含んでいる。
【0033】
ここで、本実施の形態の交換ユニット31では、ホルダ本体10の挿入方向10aに沿う交換時挿入開口30内におけるホルダ本体10の位置には、挿入位置と、この挿入位置よりも奥に位置する押込位置とが設けられている。第1挿入検出センサ342及び第1遮蔽部341bは、ホルダ本体10が挿入位置まで挿入されたことを検出するためのものであり、第2挿入検出センサ343及び第2遮蔽部341cは、ホルダ本体10が押込位置までさらに挿入された(押し込まれた)ことを検出するためのものである。
【0034】
具体的には、
図8に示すように、交換時挿入開口30にホルダ本体10が挿入されていない状態での第1挿入検出センサ342と第1遮蔽部341bとの間の第1間隔345は、交換時挿入開口30にホルダ本体10が挿入されていない状態での第2挿入検出センサ343と第2遮蔽部341cとの間の第2間隔346よりも狭くされている。ホルダ本体10が交換時挿入開口30に挿入された場合、まず第1挿入検出センサ342によって第1遮蔽部341bが検出されて、ホルダ本体10が挿入位置まで挿入されたことが検出される。その次に、ホルダ本体10がさらに挿入された場合に第2挿入検出センサ343によって第2遮蔽部341cが検出されて、ホルダ本体10が押込位置まで押し込まれたことが検出される。なお、
図8では第1間隔345が十分に確保されているように示しているが、第1間隔345は実質的に無くてもよい(側方から見たときに第1遮蔽部341bが第1挿入検出センサ342に接して配置されていてもよい)。
【0035】
挿入検出プレート341は、付勢手段344によって反挿入方向10bに付勢されている。交換時挿入開口30にホルダ本体10が挿入されていない状態では、挿入検出プレート341は、第1遮蔽部341bが第1挿入検出センサ342よりも反挿入方向10b側に位置する程度まで付勢手段344によって押し出される。
【0036】
次に、
図10は、
図6のホルダ本体10が挿入位置まで挿入されたときの交換ユニット31を示す説明図である。
図10に示すようにホルダ本体10が挿入位置まで挿入されると、ホルダ本体10の凹部100bに係合部材322が係合され、ホルダ本体10及び挿入検出プレート341が位置決めされる。この状態では、操作鍵310はホルダ本体10の鍵穴101a(
図3参照)に挿入されていない。
【0037】
次に、
図11は
図10のホルダ本体10が押込位置まで押し込まれるとともに解錠操作が行われた状態を示す説明図であり、
図12は
図11の交換ユニット31を示す背面図である。
図11に示すようにホルダ本体10が押込位置まで押し込まれると、操作鍵310がホルダ本体10の鍵穴101a(
図3参照)に挿入されるとともに、ホルダ本体10の押し込みが挿入検出手段340によって検出される。
【0038】
挿入検出手段340によって押し込みが検出された場合、
図12に示すように、駆動モータ331の駆動軸331aが
図7に示す位置(所定の停止位置)から反時計回り(第1方向)に回転駆動されて、鍵駆動軸333が時計回りに駆動される。これにより、鍵穴101aとホルダ本体10のシリンダ体101とが回動されて、ホルダ本体10に対するホルダアーム11の着脱が自在とされる(
図4参照)。すなわち、押込位置までホルダ本体10が押し込まれことを挿入検出手段340が検出した場合に、解錠操作が行われる。
【0039】
解錠操作が行われた後に利用者がホルダ本体10を解放すると、付勢手段344の付勢によりホルダ本体10は挿入位置まで戻される。この状態で利用者が再びホルダ本体10を押し込むと、
図12の状態から
図7の状態に戻すように駆動モータ331の駆動軸331aが時計回りに回転駆動される。すなわち、解錠操作が行われた後にホルダ本体10が押込位置まで再び押し込まれた場合(挿入検出手段340によってホルダ本体10の押し込みが再検出された場合)に、施錠操作が行われる。
【0040】
次に、
図13は
図7の駆動モータ331の駆動軸331aが時計回りに駆動された状態を示す説明図であり、
図14は
図13のように駆動モータ331の駆動軸331aが駆動されたときの係合部材322を示す説明図である。
図13のように
図7に示す位置から駆動モータ331の駆動軸331aが時計回り(上記第1方向とは逆の第2方向)に駆動された場合、係合部材322の突出片352aに連結ピン332cが押し当てられて、支持軸350aを中心に係合部材322の前板部351が下方に回動される(
図14参照)。この前板部351の回動により係合部材322の後端が押し下げられて、ホルダ本体10の凹部100bから離れるように係合部材322の先端が上方に回動されることで、ホルダ本体10に対する係合部材322の係合が解除される。このとき、付勢手段344の付勢により挿入検出プレート341及びホルダ本体10が反挿入方向10bに付勢されて、ホルダ本体10が交換時挿入開口30から押し出される(排出される)。
【0041】
なお、係合部材322の係合を解除するために駆動モータ331の駆動軸331aを回動させた場合でも、操作鍵310が連動して回動される。
図10に示すようにホルダ本体10が挿入位置まで挿入された際に操作鍵310がホルダ本体10の鍵穴101aに挿入されないようにしているのは、係合部材322の係合を解除する際に操作鍵310がホルダ本体10と干渉しないようにするためである。このように構成することで、操作鍵310の駆動と係合部材322の係合解除(ホルダ本体10の交換時挿入開口30からの押し出し)とを一つの駆動モータ331で行うことができるようにしている。
【0042】
次に、
図15は、
図1の交換ユニット31の動作を示すフローチャートである。図において、利用者により交換時挿入開口30にホルダ本体10が挿入されると、ホルダ本体10に係合部材322が係合されるとともに、挿入検出手段340によってホルダ本体10の挿入が検出される(ステップS1)。ホルダ本体10の挿入が検出されたことに応じて、駆動手段330の制御部は、入力手段4から入力される情報に基づいて利用者が鍵を交換する権限を有しているか否かを判定する(ステップS2)。
【0043】
この判定時に、鍵を交換する権限を有していないと判定された場合、駆動手段330の制御部は、
図7に示す所定の停止位置から
図13に示すように駆動モータ331を時計回りに回転駆動することで、ホルダ本体10に対する係合部材322の係合を解除して(ステップS3)、付勢手段344の付勢力によりホルダ本体10を交換時挿入開口30から押し出す。すなわち、ホルダ本体10が交換時挿入開口30に挿入された後に、鍵を交換する権限を有していないと判定された場合、解錠操作及び施錠操作が行われる前にホルダ本体10が交換時挿入開口30から押し出される。このようにホルダ本体10を押し出すことで、交換時挿入開口30へのホルダ本体10の誤挿入が防止される。
【0044】
一方で、ステップS2の判定時に、鍵を交換する権限を有していると判定された場合、駆動手段330の制御部は、挿入検出手段340によってホルダ本体10の押し込みが検出されるか否かを判定し(ステップS4)、押し込みが検出された場合に
図7に示す停止位置から
図12に示すように反時計回りに駆動モータ331を回転駆動することで解錠操作を行う(ステップS5)。この解錠操作により、ホルダ本体10に対するホルダアーム11の着脱が自在とされて、ホルダアーム11に保持される鍵の交換が可能となる。
【0045】
その次に、駆動手段330の制御部は、挿入検出手段340によってホルダ本体10の押し込みが検出されるか否かを判定し(ステップS6)、押し込みが検出された場合に
図12に示す状態から
図7に示す状態に戻すように駆動モータ331を時計回りに回転駆動することで施錠操作を行う(ステップS7)。この施錠操作により、ホルダ本体10に対するホルダアーム11の着脱が制限される。
【0046】
駆動手段330の制御部は、施錠操作を行った後に、
図7に示す状態から
図13に示す状態となるように駆動モータ331の駆動軸331aを回転駆動することで、ホルダ本体10に対する係合部材322の係合を解除して(ステップS3)、ホルダ本体10を交換時挿入開口30から押し出す。すなわち、駆動手段330の制御部は、解錠操作(ステップS5)を行った場合に、施錠操作(ステップS7)が行われるまで、係合部材322をホルダ本体10に係合させて交換時挿入開口30からホルダ本体10が引き抜かれることを規制する。このようにホルダ本体10の引き抜きを規制することで、交換時挿入開口30からホルダ本体10を引き抜いた状態で鍵の交換を行うことができず、鍵の交換をその場で行わせることができる。これにより、誰がどこで鍵を交換したかをより明確にすることができ、鍵の交換管理をより確実に行うことができる。
【0047】
このような鍵管理装置では、駆動手段330は、解錠操作が行われた場合に、施錠操作が行われるまで、係合部材322をホルダ本体10に係合させて交換時挿入開口30からホルダ本体10が引き抜かれることを規制するので、交換時挿入開口30からホルダ本体10を引き抜いた状態で鍵の交換を行うことができず、鍵の交換をその場で行わせることができる。これにより、誰がどこで鍵を交換したかをより明確にすることができ、鍵の交換管理をより確実に行うことができる。
【0048】
また、解錠操作は、シリンダ体101の鍵穴101aに挿入された操作鍵310を回動することにより、外装体100の溝部100cとシリンダ体101の係合溝とを連通させるようにシリンダ体101を回動させることで行われ、施錠操作は、シリンダ体101の鍵穴101aに挿入された操作鍵310を回動することにより、外装体100の溝部100cとシリンダ体101の係合溝とを非連通とするようにシリンダ体101を回動させることで行われるので、仮に解錠操作と施錠操作との間で鍵の交換が行われずに、施錠操作の後にホルダ本体10が交換時挿入開口30から引き抜かれたとしても、鍵ホルダ1に鍵を取付けることができない。これにより、より確実に鍵の交換をその場で行わせることができ、鍵の交換管理をより確実に行うことができる。