特許第6005562号(P6005562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6005562
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】取引装置及び取引操作制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20160929BHJP
【FI】
   G07D9/00 426C
   G07D9/00 426A
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-53845(P2013-53845)
(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2014-178993(P2014-178993A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591051645
【氏名又は名称】株式会社OKIソフトウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】平石 尚広
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−159209(JP,A)
【文献】 特開2000−227817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引の実行に係る操作画面を表示する表示手段と、
所定の手順の各段階で取得した操作情報に基づいて取引処理を行う取引処理手段と、
上記取引処理手段による取引処理の各段階でなされた操作情報を取得すると、当該段階の操作済みである旨を示す操作済み情報を上記表示手段に表示させる取引操作制御手段と
上記各段階の操作情報と上記操作済み情報とを対応付けて記憶する記憶手段と
を備え、
上記取引処理手段による取引処理中に上記表示手段に表示されるいずれかの上記操作済み情報が選択された場合、上記取引操作制御手段が、選択された上記操作済み情報に対応する段階の操作情報を含む操作画面を上記表示手段に表示させ、
上記記憶手段が、上記各段階の操作情報と上記操作済み情報とを対応付けると共に、各段階の相互関連性を記憶し、
上記取引操作制御手段は、
上記相互関連性のある上記操作済み情報が選択されると、当該選択された操作済み情報とこれに関連のある操作済み情報との表示を上記表示手段から削除し、
当該選択された操作済み情報に対応する操作画面を上記表示手段に表示する
ことを特徴とする取引装置。
【請求項2】
上記取引操作制御手段が、上記選択された操作済み情報に対応する操作画面を上記表示手段に表示した後、上記選択された操作済み情報と相互関連性のある操作済み情報に対応する操作画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の取引装置。
【請求項3】
上記取引操作制御手段が、上記取引処理手段による取引処理の進行のたびに、上記段階の操作済み情報を逐次上記表示手段に表示させるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の取引装置。
【請求項4】
上記操作済み情報が、対応する段階の操作を示す選択ボタンであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の取引装置。
【請求項5】
コンピュータを、
取引の実行に係る操作画面を表示する表示手段と
所定の手順の各段階で取得した操作情報に基づいて取引処理を行う取引処理手段と、
上記取引処理手段による取引処理の各段階でなされた操作情報を取得すると、当該段階の操作済みである旨を示す操作済み情報を上記表示手段に表示させる取引操作制御手段と
上記各段階の操作情報と上記操作済み情報とを対応付けて記憶する記憶手段と
して機能させ、
上記取引処理手段による取引処理中に上記表示手段に表示されるいずれかの上記操作済み情報が選択された場合、上記取引操作制御手段が、選択された上記操作済み情報に対応する段階の操作情報を含む操作画面を上記表示手段に表示させ、
上記記憶手段が、上記各段階の操作情報と上記操作済み情報とを対応付けると共に、各段階の相互関連性を記憶し、
上記取引操作制御手段は、
上記相互関連性のある上記操作済み情報が選択されると、当該選択された操作済み情報とこれに関連のある操作済み情報との表示を上記表示手段から削除し、
当該選択された操作済み情報に対応する操作画面を上記表示手段に表示する
ことを特徴とする取引操作制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引装置及び取引制御プログラムに関し、例えば、入金や出金等の取引処理を行う取引装置及び取引操作制御プログラムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば金融機関や駅構内やコンビニエンスストア等には自動取引装置(ATM:Automated Teller Machine)が設けられている。自動取引装置は取引種別を選択させるメニュー画面を表示部に表示し、顧客はメニュー画面を通じて所望の取引種別を選択する。
【0003】
取引種別が選択されると、自動取引装置は選択された取引の操作手順に従った操作画面を表示部に表示する。そして、顧客は、操作画面を見ながら、例えばカードや通帳等の挿入や暗証番号の入力等の取引に必要な操作を行う(特許文献1参照)。
【0004】
従来、顧客がある取引の操作を行っている最中に、ある操作の入力内容に誤りがあり修正をしたい場合や、ある操作の入力内容を再度確認したい場合等が生じ得る。このような場合、表示画面には取消ボタン(キャンセルボタン)が設けられており、顧客が取消ボタンを選択することで、自動取引装置はそれまでの操作を中断することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−128804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、自動取引装置が取引操作を中断させてしまうと、顧客はある操作の入力を修正したり又は確認したりすることはできない。そのため、顧客は最初の取引操作からやり直す必要が生じ得る。その結果、自動取引装置における顧客の操作時間が長期化してしまうという問題が生じ得る。
【0007】
また、自動取引装置が一度取引を中断させてしまうと、それまでに顧客が入力した情報は全て失われてしまう。そのため、顧客に対して操作性の煩わしさを与えてしまうという問題も生じ得る。
【0008】
そのため、上記課題に鑑み、取引操作の途中においても、顧客が意図する操作段階に戻り、操作の入力情報の修正や確認を許容する取引装置及び取引操作制御プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、(1)取引の実行に係る操作画面を表示する表示手段と、(2)所定の手順の各段階で取得した操作情報に基づいて取引処理を行う取引処理手段と、(3)取引処理手段による取引処理の各段階でなされた操作情報を取得すると、当該段階の操作済みである旨を示す操作済み情報を表示手段に表示させる取引操作制御手段と、(4)各段階の操作情報と操作済み情報とを対応付けて記憶する記憶手段とを備え、取引処理手段による取引処理中に表示手段に表示されるいずれかの操作済み情報が選択された場合、取引操作制御手段が、選択された操作済み情報に対応する段階の操作情報を含む操作画面を表示手段に表示させ、記憶手段が、各段階の操作情報と操作済み情報とを対応付けると共に、各段階の相互関連性を記憶し、取引操作制御手段は、相互関連性のある操作済み情報が選択されると、当該選択された操作済み情報とこれに関連のある操作済み情報との表示を上記表示手段から削除し、当該選択された操作済み情報に対応する操作画面を表示手段に表示することを特徴とする取引装置である。
【0010】
第2の本発明は、コンピュータを、(1)取引の実行に係る操作画面を表示する表示手段と(2)所定の手順の各段階で取得した操作情報に基づいて取引処理を行う取引処理手段と、(3)取引処理手段による取引処理の各段階でなされた操作情報を取得すると、当該段階の操作済みである旨を示す操作済み情報を表示手段に表示させる取引操作制御手段と、(4)各段階の操作情報と操作済み情報とを対応付けて記憶する記憶手段として機能させ、取引処理手段による取引処理中に上記表示手段に表示されるいずれかの操作済み情報が選択された場合、取引操作制御手段が、選択された操作済み情報に対応する段階の操作情報を含む操作画面を表示手段に表示させ、記憶手段が、各段階の操作情報と操作済み情報とを対応付けると共に、各段階の相互関連性を記憶し、取引操作制御手段は、相互関連性のある操作済み情報が選択されると、当該選択された操作済み情報とこれに関連のある操作済み情報との表示を表示手段から削除し、当該選択された操作済み情報に対応する操作画面を表示手段に表示することを特徴とする取引操作制御プログラム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、取引操作の途中においても、顧客が意図する操作段階に戻り、操作の入力情報の修正や確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態の自動取引装置の内部構成を示す内部構成図である。
図2】第1の実施形態の自動取引装置の外観構成を示す外観構成図である。
図3】第1の実施形態の取引操作制御部の主な機能を示す機能ブロック図である。
図4】支払処理の取引操作手順のフローチャートである。
図5】入金処理の取引操作手順のフローチャートである。
図6】残金照会処理の取引操作手順のフローチャートである。
図7】振込処理の取引操作手順のフローチャートである。
図8】第1の実施形態の自動取引装置における取引操作制御処理を示すフローチャートである。
図9】第1の実施形態の履歴画像を含む画面例を示す画面図である(その1)。
図10】第1の実施形態の履歴画像を含む画面例を示す画面図である(その2)。
図11】第1の実施形態の履歴画像を含む画面例を示す画面図である(その3)。
図12】第2の実施形態の取引操作制御部の主な機能を示す機能ブロック図である。
図13】第2の実施形態の自動取引装置における取引操作制御処理を示すフローチャートである。
図14】第2の実施形態の履歴画像を含む画面例を示す画面図である。
図15】第3の実施形態の取引操作制御部の主な機能を示す機能ブロック図である。
図16】第3の実施形態の操作段階毎の操作情報の管理情報の構成を示す構成図である。
図17】第3の実施形態の自動取引装置における取引操作制御処理を示すフローチャートである。
図18】第3の実施形態の履歴画像を含む画面例を示す画面図である(その1)。
図19】第3の実施形態の履歴画像を含む画面例を示す画面図である(その2)。
図20】第1の実施形態の変形実施形態の操作段階毎の操作情報の管理情報の構成を示す構成図である。
図21】第1の実施形態の履歴画像を含む画面例の変形例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の取引装置及び取引操作制御プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
第1の実施形態では、取引装置の一例として自動取引装置(ATM)に本発明を適用する場合の実施形態を例示する。
【0015】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態の自動取引装置の外観構成を示す外観構成図である。図2において、第1の実施形態の自動取引装置1は、操作表示部12、カード入出口13、紙幣入出口14、硬貨入出口15、通帳入出口16を有する。
【0016】
自動取引装置1は、例えば、銀行、コンビニエンスストア、駅、ホテル等に設置されるものであり、支払取引(出金取引)、入金取引、残高照会、振込取引等の金融取引を行なうものである。
【0017】
操作表示部12は、例えば、取引種類の選択メニュー画面、各取引種類の操作画面、取引内容の確認画面等を表示したり、顧客が入力した入力情報を取り込んだりするものである。操作表示部12は、例えば、タッチパネル方式の操作表示部を適用することができる。なお、操作表示部12は、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル方式のものに限らず、操作部と表示部とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
【0018】
カード入出口13は、顧客がキャッシュカードを挿入したり又はキャッシュカードを排出したりするものである。
【0019】
紙幣入出口14は、顧客が紙幣を挿入したり又は紙幣を排出したりするものである。硬貨入出口15は、顧客が硬貨を投入したり又は硬貨を排出したりするものである。通帳入出口16は、顧客が通帳を挿入したり又は通帳を排出したりするものである。
【0020】
図1は、第1の実施形態の自動取引装置1の内部構成を示す内部構成図である。自動取引装置1は、例えば制御装置や機構部等を有して構成されるものであり、図1は、自動取引装置1の内部構成を機能的に示している。
【0021】
図1において、自動取引装置1は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作表示制御部24、カード機構部25、通帳機構部26、現金機構部27を有する。
【0022】
制御部21は、自動取引装置1の全体機能を司る処理部又は装置である。制御部21は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インターフェース等を有して構成されるものであり、CPUがROMに格納される処理プログラムを実行することにより自動取引装置1の各種機能が実現される。図1では、制御部21によりなされる機能を示している。
【0023】
図1に示すように、制御部21の主な機能としては、現金の出金処理を行う支払処理部211、現金の入金処理を行う入金処理部212、取引口座の残高を照会する残高照会処理部213、振り込み処理を行う振込処理部214、取引操作制御部215を有する。
【0024】
なお、図1は、自動取引装置1が行う取引処理の一例として、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214を例示する。しかし、自動取引装置1が行う取引処理は、これらの取引処理に限定されるものではない。また自動取引装置1は、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214の全部を有する必要はなく、これらの一部を含むものであっても良い。
【0025】
取引操作制御部215は、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214による各種取引において、それぞれの操作段階で行なわれた操作を履歴管理するものである。また、取引操作制御部215は、ある取引が終了するまで、当該取引で完了した操作段階を操作表示部12に表示させるものである。
【0026】
また、取引操作制御部215は、取引が終了するまでの間に、ある操作段階の選択があると、その操作段階の操作画面を操作表示部12に表示させると共に、その操作段階より前の入力情報を有効なものとして当該取引を処理させるものである。
【0027】
さらに、ある操作段階に戻った場合、取引操作制御部215は、当該操作段階の入力情報の修正を許容するものである。
【0028】
図3は、第1の実施形態の取引操作制御部215の詳細な機能を示す機能ブロック図である。図3において、取引操作制御部215は、操作情報取得部31、操作履歴管理部32、履歴画像表示部33、操作履歴選択情報取得部34、取引続行処理部35を有する。
【0029】
操作情報取得部31は、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214による各種取引において、各操作段階の操作情報を取得するものである。
【0030】
ここで、操作情報とは、各種取引の操作手順に従って、顧客によりなされた情報である。例えば、自動取引装置1が要求する操作がカード挿入である場合、操作情報は顧客によりカード挿入されたか否かを含む情報等とすることができる。また例えば、自動取引装置1が要求する操作が入金金額の入力である場合、操作情報は、操作表示部12を通じて顧客が入力した入金金額を含む情報等とすることができる。
【0031】
操作履歴管理部32は、操作情報取得部31により取得された操作情報を各種取引の操作段階毎に履歴管理するものである。つまり、操作履歴管理部32は、各種取引の各操作手順に従って、それぞれの操作段階と、各操作段階でなされた操作情報とを対応付けた情報を記憶部22に記憶して管理するものである。
【0032】
履歴画像表示部33は、各種取引の各操作段階の操作がなされると、その操作段階の操作がなされた旨を示す履歴画像(以下、履歴アイコンともいう。)として生成し、その履歴画像を操作表示部12に表示するものである。
【0033】
ここで、履歴画像は、特許請求の範囲に記載の操作済み情報の一例である。操作済み情報は、当該段階の操作がなされた旨を示す情報であり、選択可能なボタンを意図する。例えば、送信済み情報は、選択ボタン上に、操作がなされた操作項目名を示す文字情報のみを表記したものであっても良いし、又選択ボタン上に、その操作を想起させる図柄を含むものであっても良い。
【0034】
履歴画像表示部33は、操作段階の操作情報の内容と履歴画像(履歴アイコン)とを対応付けて管理し、履歴画像(履歴アイコン)が選択された場合に、その履歴画像(履歴アイコン)に対応する操作情報を表示できるようにする。なお、完了した操作を履歴画像として表示する方法については動作の項で詳細に説明する。
【0035】
操作履歴選択情報取得部34は、顧客により履歴画像が選択された場合に、操作表示部12から履歴画像に関する情報を取得するものである。例えば、取引途中において、顧客が入力情報の確認又は修正を行いたい場合等に、操作表示部12に表示される履歴情報を顧客が選択する。この場合、操作履歴選択情報取得部34は、顧客により選択された情報を取得する。
【0036】
取引続行処理部35は、操作履歴選択情報取得部34が顧客により選択された履歴画像に関する情報を取得すると、その選択された履歴画像に対応する操作段階の操作情報を含む操作画面を操作表示部12に表示させるものである。これにより、顧客に対して操作情報を確認させたり、また当該操作画面に含まれる操作情報の修正を許容させたりすることができる。
【0037】
このとき、取引続行処理部35は、顧客により選択された操作段階に戻って、当該取引操作を続行させる。つまり、取引続行処理部35は、操作履歴管理部32に対して、顧客により選択された操作段階より前の操作情報を保持させ、当該操作段階よりも後の操作情報を削除させるようにする。換言すると、取引続行指示部35は、顧客により選択された操作段階よりも前の操作情報を有効なものとする。
【0038】
また、取引続行処理部35は、当該取引を実行している取引処理部(すなわち、支払処理部211、入金処理部212、残高照会処理部213、振込処理部214)に対して、顧客により選択された操作段階から取引処理を続行させるように指示するものである。
【0039】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の自動取引装置1における取引操作制御処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0040】
まず、自動取引装置1の操作表示部12に表示されるメニュー画面に基づいて、顧客は所望の取引種類を選択する。
【0041】
ここで、図4図7を用いて、支払処理、入金処理、残金照会処理、振込処理の各種取引の操作手順を簡単に説明する。
【0042】
図4は、支払処理の取引操作手順のフローチャートである。図4に示すように、支払処理部211は、「カード挿入(S201)」、「暗証番号入力(S202)」、「支払金額入力(S203)」を顧客に要求して支払処理を行う。そして、支払処理部211は、出金する現金を顧客に戻す「カード受け取り(S204)」及び「現金受け取り(S205)」を確認して処理を終了する。
【0043】
例えば、支払処理の場合、取引操作制御部215は、「カード挿入(S201)」、「暗証番号入力(S202)」、「支払金額入力(S203)」の各段階の操作情報を管理する。
【0044】
図5は、入金処理の取引操作手順のフローチャートである。図5に示すように、入金処理部212は、「カード及び又は通帳挿入(S211)」、「暗証番号入力(S212)」、「現金挿入(S213)」を顧客に要求し、返金があるか否かを確認する(S214)。そして、入金処理部212は、返金がある場合、現金を顧客に戻す「現金受け取り(S215)」を行う。さらに、入金処理部212は、入金金額を確認する「金額確認(S216)」をしてから入金処理を行う。また、入金処理部212は、「カード及び又は通帳受け取り(S217)」を確認して処理を終了する。
【0045】
例えば、入金処理の場合、取引操作制御部215は、「カード及び又は通帳挿入(S211)」、「暗証番号入力(S212)」、「現金挿入(S213)」の各段の操作情報を管理する。
【0046】
図6は、残金照会処理の取引操作手順のフローチャートである。図6に示すように、残金照会処理部213は、「カード及び又は通帳挿入(S221)」、「暗証番号入力(S222)」、「レシート印字をするか?(S223)」を顧客に要求して残金照会処理を行う。そして、残金照会処理部213は、顧客がレシートを要求するときには「レシート受け取り(S224)」と、「カード及び又は通帳受け取り(S225)」を確認して処理を終了する。
【0047】
例えば、残金照会処理の場合、取引操作制御部215は、「カード及び又は通帳挿入(S221)」、「暗証番号入力(S222)」、「レシート印字をするか?(S223)」の各段階の操作情報を管理する。
【0048】
図7は、振込処理の取引操作手順のフローチャートである。図7に示すように、振込処理部214は、振込をカードで行なうか又は現金で行うかを選択させる「カード又は現金選択(S231)」を行う。ここでは、カードで行なう場合を例示する。その場合、振込処理部214は、「カード挿入(S232)」、「銀行名入力(S233)」、「支店選択(S234)」、「振込内容確認(S235)」を顧客に要求して振込処理を行う。そして、振込処理部214は、「レシートを印字するか?(S236)」を確認し、必要に応じて、「カード、レシート受け取り(S237)」を確認して処理を終了する。
【0049】
例えば、振込処理の場合、取引操作制御部215は、「カード挿入(S232)」、「銀行名入力(S233)」、「支店選択(S234)」、「振込内容確認(S235)」、「レシートを印字するか?(S236)」の各段階の操作情報を管理する。
【0050】
図8は、第1の実施形態の自動取引装置1における取引操作制御処理を示すフローチャートである。
【0051】
図8において、顧客が自動取引装置1の操作表示部12のメニュー画面を見て、所望の取引を選択する。これにより、自動取引装置1において、制御部21は、顧客により選択された取引処理を開始する。
【0052】
自動取引装置1において取引が開始されると、当該取引の操作手順に従って、操作画面が操作表示部12に表示される。顧客は、操作表示部12に映し出される操作画面を見ながら要求される操作を行う。
【0053】
制御部21において、取引操作制御部215は、顧客によりなされた操作情報を操作段階毎に取得し(S101)、当該取引の操作段階の操作情報を履歴情報として記憶部22に記憶して管理する(S102)。
【0054】
また、取引操作制御部215は、当該取引の1個の操作段階の操作が完了すると、その完了した操作を履歴として操作表示部12に表示させる(S103)。
【0055】
ここで、完了した操作を履歴として操作表示部12に表示させる処理を、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10は、完了した操作の履歴表示を含む画面図である。
【0056】
なお、ここでは、自動取引装置1が図7の手順で振込取引を行う場合であり、
取引操作制御部215が、「カード挿入(S232)」、「銀行名入力(S233)」、「支店選択(S234)」、「振込内容確認(S235)」、「レシートを印字するか?(S236)」の各段階の操作情報を管理するものとする。
【0057】
図9の画面500は、顧客がカード挿入と銀行名の入力という操作を完了しており、自動取引装置1が「支店選択(S234)」を要求する場合の画面例である。
【0058】
図9の画面500は、大別して、主画面501と従画面502とを有するものである。
【0059】
主画面501は、既存の自動取引装置1が表示する画面と同様に、取引の手順に従って顧客に対して操作を要求する画面が表示される。現時点では、自動取引装置1が支店選択を要求しているため、主画面501は、例えば「支店名を入力してください」等のガイダンスを示すガイダンス部505と、入力部507と、入力部507を通じて入力された内容を示す表示部506とを有する。
【0060】
従画面502は、完了した操作を履歴表示する画面である。現時点で、カード挿入と銀行名入力という操作が完了しているため、従画面502には、カード挿入履歴画像(カード挿入履歴アイコン)503と、銀行名入力履歴画像(銀行名入力履歴アイコン)504とが表示されている。
【0061】
図9において、顧客が、操作表示部12に表示される主画面501を通じて支店名を入力すると、その入力情報は、操作表示制御部24を介して制御部21に与えられる。取引操作制御部215は、当該取引の「支店選択」という操作の操作情報として「○○支店」の情報を管理する。
【0062】
そして、「支店選択」という操作が完了すると、取引操作制御部215は、図10に示すように、支店名入力履歴画像(支店名入力履歴アイコン)508を従画面502に表示させる。
【0063】
このように、当該取引の各操作が完了すると、取引操作制御部215は、操作画面部12の一部に完了操作を示す画像を表示させることで、顧客に対して完了操作を履歴として認識させることができる。
【0064】
なお、履歴表示の方法は、種々の態様を広く適用することができる。例えば、図9及び図10の例の場合、完了した履歴画像は、画面500中の左側に、操作手順に従って、従画面502の上部から下部に縦に整列させる場合を例示している。その他の例として、画面500の上部側を主画面501とし、下部側を従画面502とし、従画面502の左から右(又は右から左)に履歴画像を横に整列させても良い。また、履歴画像は、完了操作を想起させる図柄を付随させても良い。
【0065】
また、履歴画像は、顧客が入力した入力情報を付与したものであっても良い。但し、履歴画像に入力情報を付与する際、セキュリティの関係から、表示させる入力情報(例えば、銀行名や支店名等)と表示させない入力情報(例えば、暗証番号や入出金金額等)とを予め決めておくことが望ましい。例えば、図20は操作履歴管理部32が管理する情報を示す構成図である。図20に示すように、操作履歴管理部32は、「操作項目:銀行名入力」は、顧客により入力された情報「顧客操作:○○銀行」と対応付けて管理される。また、「操作項目」は入力情報を表示するか否かを示す「表示/非表示」を項目として有する。例えば、「表示/非表示」はフラグの有無により実現することができる。そして、図21に例示する画面例に示すように、「操作項目」に対して「表示」が付与されている場合、従画面502の履歴画像に顧客が入力した情報が付与され、「非表示」が付与されている場合には、従画面502の履歴画像に入力情報が付与されないようにすることができる。
【0066】
上記のように、取引操作制御部215は、当該取引の各操作段階の操作情報を管理し、完了した操作については逐次履歴画像を操作表示部12に表示させる。
【0067】
顧客が操作表示部12の履歴画像を選択しないで(S104)、主画面501の誘導に従って顧客が操作を進めることで、取引は終了する(S109)。
【0068】
一方、顧客がある操作段階の入力情報を確認したい場合や入力情報の修正を行いたい等の場合、顧客は操作表示部12の従画面502上の対応する操作段階の履歴画像を選択する(S104)。ここで、操作表示部12の履歴画像は、選択ボタンとなっており、履歴画像が選択されると、その選択情報が操作表示制御部24を介して制御部21に与えられる。
【0069】
そうすると、取引操作制御部215は、選択された操作段階に対応する操作情報を記憶部22から読み出し、当該操作段階の操作情報を含む操作画面を操作表示部12に表示する(S105)。また、取引操作制御部215は、選択された操作段階よりも後の段階の操作情報を削除する(S106)。
【0070】
図11は、図10の画面例において、顧客が銀行名入力履歴画像504を選択した場合に操作表示部12に表示される画面例を示す画面図である。
【0071】
例えば、図10の画面500において、顧客が銀行名の入力について確認又は修正を行いたい場合、顧客は銀行名入力履歴画像504を選択する。そうすると、取引操作制御部215は、図11に示すように、主画面501に、顧客が選択した操作段階(銀行名入力操作)の操作画面を表示し、従画面502に、顧客が選択した操作段階(銀行名入力操作)以後の履歴画像を削除する。
【0072】
図11に示すように、主画面501には、顧客が入力した入力情報(すなわち、入力した銀行名)が保持された状態で表示される。これにより、顧客に対して入力情報の確認を行わせることができる。また、修正がある場合、顧客は修正ボタン等を選択して入力情報の修正を行うことができる。なお、修正ボタンを選択しないで、そのまま上書き入力で修正しても良い。
【0073】
なお。取引操作制御部215は、選択された操作段階に戻って操作入力を許容するため、表示する履歴画像は選択された操作段階以後のものとなる。一方、主画面501には、選択された操作段階の操作情報も表示させるため、取引操作制御部215は、選択された操作段階の操作情報は削除せず保持し、選択された操作段階よりも後の操作情報を削除する。
【0074】
このように、顧客により選択された操作段階の操作画面が操作表示部12に表示され、顧客が入力情報を修正した場合(S107)、取引操作制御部215は、当該操作段階の操作情報の修正後の操作情報に更新する(S108)。その後は、当該取引が終了するまで行われる(S109)
一方、顧客が入力情報の修正を行わない場合(S107)、取引操作制御部215は、処理をS109に移行させる。この場合、取引は終了していないため、S101に戻って次の操作手順の操作情報の取得を行う。上記のような処理は、当該取引の操作手順が終了するまで行われる(S109)。
【0075】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、取引におけるそれぞれの操作が完了すると、その操作をアイコン化していつでも選択可能な状態とする。そして、アイコンが選択されると、その操作で入力された情報を伴って操作画面を表示することで、当該操作に戻って、入力情報の確認や修正を行うことができる。
【0076】
また、第1の実施形態によれば、任意の操作履歴のアイコンから取引操作を再開することで、それまでになされた取引を中断することなくやり直すことができる。この場合、選択した履歴アイコン以前の操作は破棄されないため、顧客がそれまでに入力した内容が破棄されることはないという効果も得ることができる。
【0077】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の取引装置及び取引操作制御プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0078】
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に自動取引装置に本発明を適用する場合の実施形態を例示する。第2の実施形態の自動取引装置の外観構成及び主たる内部構成は、第1の実施形態と同様であるため、第2の実施形態においても、図1及び図2を用いて説明する。
【0079】
第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、取引操作制御部215の機能である。従って、以下では、第2の実施形態の取引操作制御部215の機能を中心に詳細に説明する。
【0080】
図12は、第2の実施形態の取引操作制御部215の詳細な機能を示す機能ブロック図である。図12において、取引操作制御部215は、操作情報取得部31、操作履歴管理部32、履歴画像表示部33、操作履歴選択情報取得部34、取引続行処理部36を有する。
【0081】
操作情報取得部31、操作履歴管理部32、履歴画像表示部33、操作履歴選択情報取得部34は、第1の実施形態で説明した処理と同様であるため、図3と同一の符号を付している。
【0082】
取引続行処理部36は、第1の実施形態と同様に、操作履歴選択情報取得部34が顧客により選択された情報を取得すると、その選択された操作段階の操作情報を含む操作画面を操作表示部12に表示させるものである。これにより、顧客により選択された操作段階に戻って、操作情報を含む操作画面を表示することができるため、顧客に対して操作情報(入力情報)の確認や修正を許容することができる。
【0083】
ここで、第1の実施形態では、顧客により選択された操作段階よりも後の操作段階の操作情報を削除する場合を例示した。これに対して、第2の実施形態の取引続行処理部36は、顧客により選択された操作段階よりも後の操作段階の操作情報を削除しない。
【0084】
すなわち、取引続行処理部36は、顧客によって選択された操作段階の操作画面を操作表示部12に表示させて確認や修正を許容するが、その確認や修正が完了した後は、取引続行処理部36は履歴情報を選択する前の操作画面を操作表示部12に表示させるようにする。
【0085】
これにより、顧客が履歴情報を選択するまでの全ての操作段階の操作情報を有効なものとしながら、顧客が希望する操作情報の確認又は修正を行うことができる。また、全ての操作段階の操作情報を有効なものとするため、顧客が履歴情報を選択する前の操作手順から操作を続行させることができる。
【0086】
(B−2)第2の実施形態の動作
図13は、第2の実施形態の自動取引装置1における取引操作制御処理を示すフローチャートである。
【0087】
図13において、第1の実施形態と同様に、顧客は自動取引装置1の操作表示部12のメニュー画面を見て、所望の取引を選択する。
【0088】
自動取引装置1において取引が開始されると、取引操作制御部215は、顧客によりなされた操作情報を操作段階毎に取得し(S101)、当該取引の操作段階の操作情報を履歴情報として記憶部22に記憶して管理する(S102)。
【0089】
また、取引操作制御部215は、当該取引の1個の操作段階の操作が完了すると、その完了した操作を履歴として操作表示部12に表示させる(S103)。
【0090】
操作表示部12に操作履歴を表示する方法は、第1の実施形態と同様の方法に、従画面に各操作の履歴画像(履歴アイコン)を表示させる方法を適用することができる。
【0091】
顧客が操作表示部12の履歴画像を選択しないで(S104)、主画面501の誘導に従って顧客が操作を進めることで、取引は終了する(S109)。
【0092】
一方、顧客がある操作段階の入力情報の確認や修正を行いたい等の場合、顧客は操作表示部12の従画面502上の対応する操作段階の履歴画像を選択する(S104)。
【0093】
そうすると、取引操作制御部215は、選択された操作段階に対応する操作情報を記憶部22から読み出し、当該操作段階の操作情報を含む操作画面を操作表示部12に表示する(S105)。
【0094】
このとき、取引操作制御部215は、選択された操作段階よりも後の段階の操作情報を削除しない。すなわち、取引操作制御部215は、それまでに顧客が行なった全ての操作情報を保持したままとする(S110)。
【0095】
図14は、図10の画面例において、顧客が銀行名入力履歴画像504を選択した場合に操作表示部12に表示される画面例を示す画面図である。
【0096】
例えば、図10の画面500において、顧客が銀行名の入力について確認又は修正を行いたい場合、顧客は銀行名入力履歴画像504を選択する。そうすると、取引操作制御部215は、図14に示すように、主画面501に、顧客が選択した操作段階(銀行名入力操作)の操作画面を表示する。また、取引操作制御部215は、従画面502に、それまでの操作段階の履歴画像を保持したままとする。
【0097】
図14に示すように、主画面501には、顧客が入力した入力情報(すなわち、入力した銀行名)が保持された状態で表示される。これにより、顧客に対して入力情報の確認を行わせることができる。又修正がある場合、顧客は修正ボタン等を選択して入力情報の修正を行うことができる。なお、修正ボタンを選択せずに、そのまま上書き入力して入力情報を修正するようにしても良い。
【0098】
このように、顧客により選択された操作段階の操作画面が操作表示部12に表示され、顧客が入力情報を修正した場合(S107)、取引操作制御部215は、当該操作段階の操作情報の修正後の操作情報に更新する(S108)。そして、取引操作制御部215は、顧客による履歴選択前に表示させていた操作画面を操作表示部12に復帰させる(S110)。その後は、当該取引が終了するまで行われる(S109)。
【0099】
一方、顧客が入力情報の修正を行わない場合(S107)、第1の実施形態と同様に、取引操作制御部215は、処理をS109に移行させる。この場合、取引は終了していないため、S101に戻って次の操作手順の操作情報の取得を行う。上記のような処理は、当該取引の操作手順が終了するまで行われる(S109)。
【0100】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、履歴画像(履歴アイコン)に対応する入力情報を主画面に展開することにより詳細内容を確認又は修正を行うことができるという効果を得ることができる。
【0101】
また、第2の実施形態によれば、選択した履歴アイコンの内容のみを変更することにより、それまでに操作した操作情報を破棄せずに保持するため、確認又は修正を希望する操作段階の操作情報だけを変更することができるという効果を得ることができる。
【0102】
(C)第3の実施形態
次に、本発明の取引装置及び取引操作制御プログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0103】
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態も、第1の実施形態、第2の実施形態と同様に自動取引装置に本発明を適用する場合の実施形態を例示する。第3の実施形態の自動取引装置の外観構成及び主たる内部構成は、第1の実施形態、第2の実施形態と同様であるため、第3の実施形態においても、図1及び図2を用いて説明する。
【0104】
第3の実施形態が、第1の実施形態、第2の実施形態と異なる点は、取引操作制御部215の機能である。従って、以下では、第3の実施形態の取引操作制御部215の機能を中心に詳細に説明する。
【0105】
図15は、第3の実施形態の取引操作制御部215の詳細な機能を示す機能ブロック図である。図12において、取引操作制御部215は、操作情報取得部31、操作履歴管理部37、履歴画像表示部33、操作履歴選択情報取得部34、取引続行処理部38を有する。
【0106】
操作情報取得部31、履歴画像表示部33、操作履歴選択情報取得部34は、第1の実施形態、第2の実施形態で説明した処理と同様であるため、図3と同一の符号を付している。
【0107】
操作履歴管理部37は、第1の実施形態と同様に、操作情報取得部31により取得された操作情報を各種取引の操作段階毎に履歴管理するものである。
【0108】
ここで、操作履歴管理部37は、ある取引における操作手順で取得する情報間で相互に関連するものについては、予め関連情報として管理するものである。
【0109】
図16は、操作履歴管理部37が管理する情報を示す構成図である。図17は、振込取引における各操作段階で取得した操作情報の管理情報を例示している。
【0110】
例えば、図16において、「操作項目:銀行名入力」は、顧客により入力された情報「顧客操作:○○銀行」と対応付けて管理される。
【0111】
また例えば、振込取引の場合、「操作項目:銀行名入力」と「操作項目:支店選択」とは関連するものである。この場合、操作履歴管理部37は、「操作項目:銀行名入力」と「操作項目:支店選択」とに関連情報であることを示す情報(例えば、1ビット又は数ビットのフラグ)を付与するようにする。これにより、それぞれの操作項目の間で関連するものを予め特定することができる。
【0112】
なお、1つの取引の中で、それぞれ異なる複数の関連情報がある場合には、それぞれ関連性の種類を区別するフラグを付与するようにしても良い。
【0113】
取引続行処理部38は、第1の実施形態、第2の実施形態と同様に、操作履歴選択情報取得部34が顧客により選択された情報を取得すると、その選択された操作段階の操作情報を含む操作画面を操作表示部12に表示させるものである。これにより、顧客により選択された操作段階に戻って、操作情報を含む操作画面を表示することができるため、顧客に対して操作情報(入力情報)の確認や修正を許容することができる。
【0114】
ここで、顧客により選択された操作画面において、入力情報の修正があった場合の処理が、第1の実施形態、第2の実施形態と異なる。
【0115】
取引続行処理部38は、入力情報の修正があった場合、操作履歴管理部37により管理される情報を参照して、顧客により選択された操作段階の項目が、他の操作項目と関連するものか否かを判断する。つまり、取引続行処理部38は、選択された操作段階の項目にフラグが付与されているか否かを判断する。
【0116】
そして、顧客により選択された操作段階の項目が他の操作項目と関連するものである場合、取引続行処理部38は、当該選択された操作段階の入力情報を修正後の内容に更新すると共に、これに関連する操作項目の操作情報を削除する。そして、当該選択された操作画面の表示に続けて、関連する操作項目の操作画面を表示する。
【0117】
つまり、関連性のある操作項目のうちいずれの情報を修正する場合には、他の関連する操作項目についても修正する可能性がある。そのため、取引続行処理部38が、選択された操作画面の表示に続けて、これに関連する操作画面を表示することで、相互に関連する操作項目の内容を修正させることができる。
【0118】
(C−2)第3の実施形態の動作
図17は、第3の実施形態の自動取引装置1における取引操作制御処理を示すフローチャートである。
【0119】
図17において、第1の実施形態、第2の実施形態と同様に、顧客は自動取引装置1の操作表示部12のメニュー画面を見て、所望の取引を選択する。
【0120】
自動取引装置1において取引が開始されると、取引操作制御部215は、顧客によりなされた操作情報を操作段階毎に取得し(S101)、当該取引の操作段階の操作情報を履歴情報として記憶部22に記憶して管理する(S102)。このとき、ある取引において、相互に関連する操作項目については予め関連情報(例えばフラグ)が付与されている。
【0121】
また、取引操作制御部215は、当該取引の1個の操作段階の操作が完了すると、その完了した操作を履歴として操作表示部12に表示させる(S103)。
【0122】
操作表示部12に操作履歴を表示する方法は、第1の実施形態と同様の方法に、従画面に各操作の履歴画像(履歴アイコン)を表示させる方法を適用することができる。
【0123】
顧客が操作表示部12の履歴画像を選択しないで(S104)、主画面501の誘導に従って顧客が操作を進めることで、取引は終了する(S109)。
【0124】
一方、顧客がある操作段階の入力情報の確認や修正を行いたい等の場合、顧客は操作表示部12の従画面502上の対応する操作段階の履歴画像を選択する(S104)。
【0125】
取引操作制御部215は、操作履歴管理部37による管理情報を参照して、顧客により選択された操作項目に関連情報が付与されているか否かを判断する(S112)。
【0126】
また、取引操作制御部215は、選択された操作段階に対応する操作情報を記憶部22から読み出し、当該操作段階の操作情報を含む操作画面を操作表示部12に表示する(S105)。このとき、取引操作制御部215は、それまでに行われた全ての操作情報を保持したままとする(S113)。
【0127】
ここで、操作表示部12に表示される履歴画像の表示方法について、図18及び図19を参照して説明する。
【0128】
ここでは、相互に関連する履歴画像(履歴アイコン)を従画面502から削除するものとする。これにより、顧客に対して関連する操作項目を意識させることができる。また、1個の操作での入力情報の修正だけでなく、これに関連する操作での入力情報の修正も続けて許容することができる。
【0129】
さらに、取引操作制御部215は、全ての操作段階の操作情報を保持しているため、それまでに入力された情報を有効なものとして取り扱うことができる。
【0130】
図18は、振込取引において、レシートを発行するか否かを顧客に要求する画面例を示す画面図である。図18においては、「カード挿入操作」、「銀行名入力操作」、「支店選択操作」、「振込額入力」の各操作が完了しており、これら各操作の履歴画像が従画面502に表示されている状態である。
【0131】
図19は、図18の画面例において顧客が銀行名入力履歴画像504を選択した場合に操作表示部12に表示される画面例を示す画面図である。なお、「操作項目:銀行名入力」と「操作項目:支店選択」とは、図16に例示するように相互に関連するものであるとする。
【0132】
この場合、取引操作制御部215は、図16の管理情報を参照して、顧客により選択された操作(すなわち、銀行名入力)は、支店選択と関連するものと判断する。
【0133】
従って、この場合、取引操作制御部215は、図19に示すように、従画面502における「銀行名入力履歴画像(銀行名入力履歴アイコン)504」と、「支店選択履歴画像(支店選択履歴アイコン)508」とを削除する。また、取引操作制御部215は、顧客により選択された銀行名入力履歴画像に対応する操作画面を主画面501に表示する。これにより、顧客により選択された銀行名入力の操作画面において、入力情報の確認及び修正を行うことができる。
【0134】
なお、図19の画面例において、相互に関連する履歴画像(履歴アイコン)を削除する場合を例示した。しかし、このときに、顧客が選択した履歴画像だけでなく、これに関連する操作項目の入力情報の修正が必要か否かの確認画面を表示するようにしてもよい。
【0135】
顧客により選択された操作段階の操作画面が操作表示部12に表示され、顧客が入力情報を修正がない場合(S107)、取引操作制御部215は、処理をS109に移行させる。
【0136】
一方、顧客により選択された操作段階の操作画面が操作表示部12に表示され、顧客が入力情報を修正した場合(S107)、取引操作制御部215は、当該操作段階の操作情報の修正後の操作情報に更新する(S108)。入力情報の修正が完了すると、顧客は確認ボタンを選択する。
【0137】
そして、確認ボタンが選択されて当該操作段階の操作項目に関連情報がある場合(S112)、取引操作制御部215は、当該操作段階に関連する操作項目の操作画面を操作表示部12に表示する(S113)。なお、この関連する操作画面を表示することで、取引操作制御部215は、当該関連する操作画面において、入力情報の修正も許容する。
【0138】
一方、当該操作段階の操作項目に関連情報がない場合(S112)、取引操作制御部215は、処理をS109に移行させる。
【0139】
S109では、当該取引の操作手順が終了するまで行われる(S109)。
【0140】
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態、第2の実施形態の効果に加えて、関連する操作の履歴アイコンの表示を削除するため、関連する操作を顧客に意識させることができる。
【0141】
(D)他の実施形態
上述した第1〜第3の実施形態においても本発明の種々の変形実施形態を説明したが、本発明は以下の変形実施形態も適用することができる。
【0142】
(D−1)上述した第1〜第3の実施形態において、完了した操作を示す履歴画像(履歴アイコン)を表示画面の従画面に表示する場合を例示した。履歴画像は、完了した操作画面を入力情報と共に呼び起こし、その操作画面を主画面に表示することができるものであれば広く適用することができる。
【0143】
(D−2)上述した第1〜第3の実施形態では、表示画面が主画面と従画面とを有する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、物理的に異なる2個の表示部を備え、一方の表示部が取引操作入力用のものであり、他方の表示部が操作完了した履歴画像を表示するものであっても良い。
【符号の説明】
【0144】
1…自動取引装置、21…制御部、22…記憶部、23…通信部、24…操作表示制御部、25…カード機構部、26…通帳機構部、27…現金機構部、211…支払処理部、212…入金処理部、213…残高照会処理部、214…振込処理部、215…取引操作制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図19
図20
図21