特許第6005579号(P6005579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本碍子株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6005579-半導体製造装置用部材 図000004
  • 特許6005579-半導体製造装置用部材 図000005
  • 特許6005579-半導体製造装置用部材 図000006
  • 特許6005579-半導体製造装置用部材 図000007
  • 特許6005579-半導体製造装置用部材 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6005579
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】半導体製造装置用部材
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20160929BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20160929BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H01L21/302 101G
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-86803(P2013-86803)
(22)【出願日】2013年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-232640(P2013-232640A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年2月16日
(31)【優先権主張番号】61/639207
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片居木 俊
(72)【発明者】
【氏名】谷村 昂
【審査官】 今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−268654(JP,A)
【文献】 米国特許第06490145(US,B1)
【文献】 特開2006−344766(JP,A)
【文献】 特開2009−105386(JP,A)
【文献】 特開2009−218607(JP,A)
【文献】 特開平06−244119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
B23Q 3/15
H02N 13/00
C23C 14/50
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF電圧が印加される冷却装置上に、ウエハ載置面を有する静電チャックが設けられた半導体製造装置用部材であって、
前記冷却装置のうち前記静電チャックに接合された接合面と該接合面とは反対側の面とを連通するガス供給孔と、
前記静電チャックと前記冷却装置との間に設けられ、前記ガス供給孔と対向する位置に貫通穴を有する絶縁性のボンディングシートと、
前記静電チャックのうち前記ガス供給孔に対向する面から前記ウエハ載置面に向かって形成され、前記ガス供給孔と連通する円筒形状の凹部と、
前記凹部の底面から前記ウエハ載置面まで貫通する細孔と、
前記凹部に充填された絶縁材料からなる通気性プラグと、
前記凹部の底面と前記通気性プラグとの間に設けられ、前記細孔と対向する位置に貫通穴を有する絶縁性の接着層と、
を備え、
前記細孔から前記通気性プラグを横切って前記ガス供給孔へ至る最短距離は、前記通気性プラグの厚さより長く、
前記接着層の貫通穴の縁から前記接着層に沿って前記通気性プラグの外周面に至る最短距離と前記通気性プラグの外周面から前記ボンディングシートに沿って前記ボンディングシートの貫通穴の縁に至る最短距離の和も、前記通気性プラグの厚さより長い
半導体製造装置用部材。
【請求項2】
前記細孔は、複数形成され、
前記接着層が有する貫通穴は、前記複数の細孔と対向する位置に形成され、
前記複数の細孔のうち前記ガス供給孔に最も近い細孔から前記通気性プラグを横切って前記ガス供給孔へ至る最短距離は、前記通気性プラグの厚さより長い、
請求項1に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項3】
前記複数の細孔は、前記凹部の中心から所定半径を持つ円形領域内に設けられている、
請求項2に記載の半導体製造装置用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ウエハ載置面を有する静電チャックが冷却装置上に設けられた半導体製造装置用部材が知られている。こうした半導体製造装置用部材としては、静電チャックに載置したウエハから熱を奪う目的で、ウエハの裏面にヘリウム(He)等のバックサイドガスを流すものも知られている。こうした半導体製造装置用部材において、冷却装置のうち静電チャックに接合された接合面と該接合面とは反対側の面とを連通するガス供給孔と、静電チャックのうちガス供給孔に対向する面からウエハ載置面に向かって形成されたザグリ穴と、このザグリ穴の底面からウエハ載置面まで貫通する細孔と、ザグリ穴に充填された通気性プラグとを備えたものが考えられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−315680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、静電チャックから冷却装置への熱の移動を促進するために、静電チャックの厚さを薄くする方向にある。
【0005】
これに伴い、従来の半導体製造装置用部材では、冷却装置とウエハ載置面に載置されたウエハとの間の距離が小さくなり、冷却装置とウエハとの間で絶縁破壊が発生することがあった。特に、静電チャックの厚さが1.5mm程度のように薄い場合には、ウエハから冷却装置までの絶縁部分を沿うようにして起こる放電(沿面放電)よりも、ガス供給孔と細孔とを結んだ直線距離で起こる放電(プラグ内放電)の方が支配的になることがあることがわかった。さらに、プラズマパワーが高くなると、ウエハと冷却装置間の電位差がより大きくなり、プラグ内放電が起こりやすくなることがわかった。放電が起こると、ウエハ上に放電痕が生じ、パーティクル等の原因となるばかりでなく、ウエハ上の回路を破壊することもある。
【0006】
本発明は、こうした問題を解決することを課題とするものであり、半導体製造装置用部材において、絶縁耐圧を大きくすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体製造装置用部材は、
ウエハ載置面を有する静電チャックが冷却装置上に設けられた半導体製造装置用部材であって
前記冷却装置のうち前記静電チャックに接合された接合面と該接合面とは反対側の面とを連通するガス供給孔と、
前記静電チャックと前記冷却装置との間に設けられ、前記ガス供給孔と対向する位置に貫通穴を有する絶縁性のボンディングシートと、
前記静電チャックのうち前記ガス供給孔に対向する面から前記ウエハ載置面に向かって形成され、前記ガス供給孔と連通する凹部と、
前記凹部の底面から前記ウエハ載置面まで貫通する細孔と、
前記凹部に充填された絶縁材料からなる通気性プラグと、
前記凹部の底面と前記通気性プラグとの間に設けられ、前記細孔と対向する位置に貫通穴を有する絶縁性の接着層と、
を備え、
前記細孔から前記通気性プラグを横切って前記ガス供給孔へ至る最短距離は、前記通気性プラグの厚さより長く、
前記接着層の貫通穴の縁から前記接着層に沿って前記通気性プラグの外周面に至る最短距離と前記通気性プラグの外周面から前記ボンディングシートに沿って前記ボンディングシートの貫通穴の縁に至る最短距離の和も、前記通気性プラグの厚さより長い
ものである。
【0008】
本発明の半導体製造装置用部材において、ウエハ載置面に載置されたウエハと冷却装置との間で放電経路となり得るのは、細孔から通気性プラグを横切ってガス供給孔へ至る最短経路(第1経路という)か、細孔から接着層に沿って通気性プラグの外周面に最短経路を通って至り、その外周面に沿ってボンディングシートに至り、そこからボンディングシートに沿ってガス供給孔に最短経路を通って至る経路(第2経路という)である。いま、比較基準として、第1経路が通気性プラグの厚さ方向と平行な場合を考えると、比較基準では、第1経路の長さは通気性プラグの厚さと一致する。これに対して、本発明では、第1経路の長さが比較基準より長いため、その分、絶縁耐圧が比較基準に比べて向上する。また、本発明では、第2経路のうち、絶縁耐圧に寄与するのは、電気的に絶縁されている部分、つまり、接着層の貫通穴の縁から接着層に沿って通気性プラグの外周面に至る最短経路(接着層側の部分という)と、通気性プラグの外周面からボンディングシートに沿ってボンディングシートの貫通穴の縁に至る最短経路(シート側の部分という)である。通気性プラグの外周面と静電チャックの凹部の内面との間には微小な隙間が存在するため、通気性プラグの外周面は電気的に絶縁されていないとみなされる。本発明では、接着層側の部分の長さとシート側の部分の長さの和が、比較基準の第1経路の長さより長いため、その分、絶縁耐圧が比較基準に比べて向上する。つまり、第1及び第2経路のいずれを通って放電したとしても、絶縁耐圧は比較基準に比べて向上する。
【0009】
本発明の半導体製造装置用部材において、前記細孔は、複数形成され、前記接着層が有する貫通穴は、前記複数の細孔と対向する位置に形成され、前記複数の細孔のうち前記ガス供給孔に最も近い細孔から前記通気性プラグを横切って前記ガス供給孔に至る最短距離は、前記通気性プラグの厚さより長くなるようにしてもよい。こうすれば、細孔が複数存在するため、細孔が一つの場合に比べてウエハの裏面全体にガスを均一に供給することができる。
【0010】
こうした構成において、前記複数の細孔は、前記凹部の中心から所定半径を持つ円形領域内に設けられていてもよい。こうすれば、上述した第2経路のうち接着層側の部分を長くしやすい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】半導体製造装置用部材10の縦断面図。
図2図1のA部拡大図。
図3】半導体製造装置用部材10の平面図(部分)。
図4】寸法A〜Eの説明図。
図5】絶縁耐圧の測定装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の好適な一実施形態について、図面を用いて説明する。図1は半導体製造装置用部材10の縦断面図、図2図1のA部拡大図、図3は半導体製造装置用部材10の平面図(部分)である。
【0013】
半導体製造装置用部材10は、ウエハ載置面22を有する静電チャック20が冷却装置40の上に設けられた部材である。ウエハ載置面22には、複数のエンボス(小突起)23が設けられ、このエンボス23にプラズマ処理が施されるウエハWが載置される。
【0014】
冷却装置40は、アルミニウムなどの金属製の円盤状の部材であり、ガス供給孔42を有している。このガス供給孔42は、冷却装置40のうち静電チャック20に接合された接合面44と該接合面44とは反対側の面46とを連通している。
【0015】
静電チャック20は、アルミナなどのセラミックス製の緻密な円盤状の部材であり、ザグリ穴(凹部)26と、このザグリ穴26に連通する複数の細孔34とを有している。ザグリ穴26は、ウエハ載置面22と反対側の面24のうちガス供給孔42に対向する位置からウエハ載置面22に向かって形成されている。このため、ザグリ穴26は、ガス供給孔42と連通している。また、ザグリ穴26の内部空間は、円筒形となっている。細孔34は、ザグリ穴26より小径であり、ザグリ穴26の底面27からウエハ載置面22まで貫通している。この細孔34は、ウエハ載置面22のうちエンボス23の形成されていない箇所に開口している。また、細孔34は、1つのザグリ穴26に対して、複数個(例えば7つ)設けられている。ザグリ穴26には、絶縁材料からなる通気性プラグ36が充填されている。この通気性プラグ36は、ザグリ穴26の底面27のうち細孔34が形成されていない部分に絶縁性の接着層38を介して接着されている。接着層38は、通気性プラグ36の表面を覆う大きさを有しているが、複数個の細孔34と対向する位置には円形の貫通穴39が形成されている。通気性プラグ36としては、例えば、絶縁性のセラミックスを細かく砕いたものを通気性を有するように無機接着剤で固めたものとか、セラミックスの多孔質体などが挙げられる。さらには、グラスファイバーや、耐熱性テフロン樹脂スポンジなどであっても良い。セラミックス多孔質体が非常に細かい通気孔を形成しやすいので好ましい。接着層38としては、例えばシリコーンシートやポリイミド接着剤などが用いられる。
【0016】
複数の細孔34は、ザグリ穴26の中心位置及びその周囲に設けられている。ガス供給孔42は、ザグリ穴26の中心位置からずれた位置に設けられている。これらの細孔34は、図3に示すように、ザグリ穴26の底面27の中心から所定半径を持つ円形領域35内に設けられている。なお、所定半径は、ザグリ穴26の半径未満、例えばザグリ穴26の半径の1/10〜1/2となるようにすればよい。
【0017】
冷却装置40と静電チャック20とは、絶縁性のボンディングシート50を介して接合されている。ボンディングシート50のうち、ガス供給孔42に対向する部分には貫通穴52が開けられている。
【0018】
この半導体製造装置用部材10において、ウエハ載置面22に載置されたウエハWと冷却装置40との間で放電経路となり得るのは、第1経路R1と第2経路R2の2つである。第1及び第2経路R1,R2は、図2においてそれぞれ点線で示した経路である。具体的には、第1経路R1は、複数の細孔34のうちガス供給孔42に最も近い細孔34aから通気性プラグ36を横切ってガス供給孔42へ至る最短経路である。また、第2経路R2は、いずれかの細孔34から接着層38に沿って通気性プラグ36の外周面に最短経路を通って至り、その外周面に沿ってボンディングシート50に至り、そこからボンディングシート50に沿ってガス供給孔42に最短経路を通って至る経路である。本実施形態では、第1経路R1の長さが通気性プラグ36の厚みより長くなるように設計されている。また、第2経路R2のうち、絶縁耐圧に寄与するのは、電気的に絶縁されている部分、つまり、接着層38の貫通穴39の縁から接着層38に沿って通気性プラグ36の外周面に至る最短経路(接着層側の部分R2a)と、通気性プラグ36の外周面からボンディングシート50に沿ってボンディングシート50の貫通穴52の縁に至る最短経路(シート側の部分R2b)である。通気性プラグ36の外周面とザグリ穴26の内周面との間には微小な隙間が存在するため、通気性プラグ36の外周面は電気的に絶縁されていないとみなされる。本実施形態では、接着層側の部分R2aの長さとシート側の部分R2bの長さの和(R2a+R2b)が、通気性プラグ36の厚みより長い。
【0019】
こうした半導体製造装置用部材10は、図示しないチャンバ内に設置される。そして、ウエハ載置面22にウエハWを載置し、チャンバー内に原料ガスを導入すると共に冷却装置40にプラズマを立てるためのRF電圧を印加することにより、プラズマを発生させてウエハWの処理を行う。このとき、ガス供給孔42には、ガスボンベ(図示せず)からヘリウム等のバックサイドガスが導入される。バックサイドガスは、ガス供給孔42、ザグリ穴26内の通気性プラグ36、細孔34を通ってウエハWの裏面側の空間54に供給される。
【0020】
このようにプラズマを発生させているときに、ウエハWと冷却装置40との間で放電が起きることがある。放電経路は、図2を用いて既に説明したように、第1経路R1と第2経路R2とがある。いま、比較基準として、細孔とガス供給孔とを結ぶ線分が通気性プラグ36の厚さ方向と平行な場合(表2の比較例1参照)を考えると、比較基準では、第1経路R1の長さは通気性プラグ36の厚さと一致する。これに対して、本実施形態では、第1経路R1の長さは通気性プラグ36の厚さより長いため、その分、比較基準と比べて絶縁耐圧が向上する。また、第2経路R2のうち、絶縁耐圧に寄与するのは、上述したように接着層側の部分R2aとシート側の部分R2bである。本実施形態では、接着層側の部分R2aの長さとシート側の部分R2bの長さの和が通気性プラグ36の厚みより長いため、その分、比較基準と比べて絶縁耐圧が向上する。つまり、第1及び第2経路R1,R2のいずれを通って放電したとしても、絶縁耐圧は比較基準に比べて向上する。
【0021】
なお、第1経路R1の長さ、及び、第2経路R2のうち接着層側の部分R2aの長さとシート側の部分R2bの長さの和のいずれか一方が、通気性プラグ36の厚み以下の場合には、比較基準と比べて絶縁耐圧は向上しない。というのは、例えば、第1経路R1の長さが通気性プラグ36の厚みと同じだとすると、部分R2aの長さと部分R2bの長さの和が通気性プラグ36の厚みより長くても、放電経路は第1経路R1が支配的になるからである。また、上述した長さの和が通気性プラグ36の厚み以下だとすると、第1経路R1の長さが通気性プラグ36の厚みより長くても、放電経路は第2経路R2が支配的になるからである。
【0022】
以上説明した本実施形態の半導体製造装置用部材10によれば、ウエハWと冷却装置40との間の絶縁耐圧を大きくすることができる。また、細孔34が複数存在するため、細孔34が一つの場合に比べてウエハWの裏面全体にバックサイドガスを均一に供給することができる。更に、複数の細孔34はザグリ穴26の底面27の中心から所定半径を持つ円形領域35内に設けられているため、第2経路R2のうち接着層側の部分R2aの距離を長くしやすくなり、ひいては上述した長さの和(Ra+R2b)を通気性プラグ36の厚みより長くしやすくなる。
【0023】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0024】
例えば、上述した実施形態では、複数の細孔34を備えた円形領域35の中心をザグリ穴26の底面27の中心と一致するようにしたが、円形領域35の中心をザグリ穴26の底面27の中心からずらしてもよい。また、ガス供給孔42の中心がザグリ穴26の中心からずれるようにしたが、ザグリ穴26の中心と一致させてもよい。更に、円形領域35を考慮することなく、ウエハ載置面22のうちエンボス23が形成されていない場所にまんべんなく複数の細孔34を設けてもよい。これらのいずれかを採用する場合、第1経路R1の長さが通気性プラグ36の厚さより長く、かつ、接着層側の部分R2aの長さとシート側の部分R2bの長さの和が通気性プラグ36の厚みより長くなる条件を満たすことが前提となる。
【0025】
上述した実施形態では、複数の細孔34を設けたが、細孔34を一つだけ設けてもよい。その場合、上述した実施形態に比べて、ウエハWの裏面全体にバックサイドガスを均一に供給し難くなるものの、ウエハWと冷却装置40との間の絶縁耐圧を大きくすることができるという効果は得ることができる。
【実施例】
【0026】
上述した半導体製造装置用部材10を、表1に示す実施例1〜3の寸法になるように作製した。半導体製造装置用部材を、表2に示す比較例1〜3の寸法になるように作製した。表1,2の寸法A〜Eがどこを指すかについては、図4に示した。実施例1〜3では、寸法C及び寸法D+Eを寸法B(通気性プラグ36の厚み)より長くした。比較例1では、ガス供給孔42をザグリ穴26の中心位置に設けた。この比較例1では、寸法D+Eは寸法Bより長いが、寸法Cは寸法Bと一致した。比較例2では、複数の細孔34が形成された円形領域35の中心をザグリ穴26の中心からガス供給孔42とは反対方向へずらした。この比較例2では、寸法Cは寸法Bより長いが、寸法D+Eは寸法Bより短かった。比較例3では、接着層38をなくした。この比較例3では、寸法Cは寸法Bより長いが、寸法D+Eは寸法Bより短かった。なお、実施例1〜3及び比較例1〜3とも、静電チャック20は緻密質窒化アルミニウム製、冷却装置40はアルミニウム製、通気性プラグ36は多孔質アルミナ製のものを用いた。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
実施例1〜3及び比較例1〜3につき、各々3つずつ作製し、絶縁耐圧(kV)を測定した。その結果を表1及び表2に示す。なお、絶縁耐圧は、ウエハWと冷却装置40間に直流電圧をかけ、ウエハWと冷却装置40との間でアーク放電が起きたときの電圧を測定した。その測定装置を図5に示す。図5には、実施例1の半導体製造装置用部材10を例示した。測定装置は、アクリルボックス80内に組み立てた。具体的には、半導体製造装置用部材10のウエハ載置面22にウエハWを載せた状態で、冷却装置40の面46及びウエハWの中央部分を除いて熱収縮チューブ60で覆い、冷却装置40に設けた取付穴48へパイプ62を差し込み、ウエハWにもパイプ68を取り付けた。取付穴48は、ガス供給孔42に連通する穴である。パイプ62はパッキンを介して気密に冷却装置40に装着した。このパイプ62には、金属継手64及びフッ素樹脂チューブ66を繋ぎ、40TorrのHeガスを供給した。パイプ68は熱収縮チューブ60によって気密にウエハWに装着した。このパイプ68には、金属継手70及びフッ素樹脂チューブ72を繋ぎ、40TorrのHeガスを供給した。
【0030】
実施例1〜3では、寸法C(孔間距離)が寸法B(通気性プラグ36の厚さ)より長く、しかも、寸法D+E(接着層側の部分R2aの長さ+シート側の部分R2bの長さ)も寸法Bより長かったため、絶縁耐圧は比較例1より高い値が得られた。また、比較例2,3では、寸法Cは寸法Bより長かったものの、寸法D+Eは寸法Bより短かったため、絶縁耐圧は比較例1と同等かそれより低い値となった。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、半導体製造装置に利用可能であり、例えば、ウエハを支持するサセプタや静電チャック、セラミックヒータなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 半導体製造装置用部材、20 静電チャック、22 ウエハ載置面、23 エンボス、24 面、26 ザグリ穴、27 底面、34,34a 細孔、35 円形領域、36 通気性プラグ、38 接着層、39 貫通穴、40 冷却装置、42 ガス供給孔、44 接合面、46 面、48 取付穴、50 ボンディングシート、52 貫通穴、54 空間、60 熱収縮チューブ、62 パイプ、64 金属継手、66 フッ素樹脂チューブ、68 パイプ、70 金属継手、72 フッ素樹脂チューブ、80 アクリルボックス、R1 第1経路、R2 第2経路、R2a 第2経路の接着層側の部分、R2b 第2経路のシート側の部分。
図1
図2
図3
図4
図5