(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示部及び操作部を備えた計器本体と、前記計器本体を支持する台車部と、前記台車部に支持され、前記操作部を載置する天板部と、前記計器本体にケーブルを介して接続されるプローブとを備え、
前記天板部は、前記操作部が載置される面に隣接して前記プローブを保持するプローブホルダ部を有し、
前記台車部は、車輪が備えられた台座と、前記台座の上に固定され、前記天板部の支持機構部を内蔵する筐体とを備え、前記台座は、前記台座に固定された前記筐体の外周を囲む立ち上り部を有し、前記台座の立ち上り部と前記筐体の外周との間の空間に、前面から側面に連続する収納凹部が形成されており、前記筐体は、2枚の側面パネルを有し、当該2枚の側面パネルの少なくとも一方は、前記収納凹部が形成された位置に前記筐体の内側に向かって凹んだ凹部が形成されている
ことを特徴とする超音波撮像装置。
超音波撮像装置を搭載する台座と、前記台座に支持され、前記超音波撮像装置の少なくとも一部を載せる天板部と、前記天板部の支持機構と、前記支持機構を収納する筐体とを備えた超音波撮像装置用台車であって、
前記台座は、前記台座に固定された前記筐体の外周を囲む立ち上り部を有し、前記立ち上り部と前記筐体の外周との間に、収納凹部が形成されており、前記筐体は、2枚の側面パネルを有し、当該2枚の側面パネルの少なくとも一方は、前記収納凹部が形成された位置に筐体の内側に向かって凹んだ凹部が形成されていることを特徴とする超音波撮像装置用台車。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の超音波撮像装置及び超音波撮像装置用台車の実施形態を説明する。
本実施形態の超音波撮像装置100は、表示部33及び操作部31を備えた計器本体30と、計器本体30を支持する台車部10と、台車部10に支持され、操作部31を載置する天板部20と、計器本体30にケーブル53を介して接続されるプローブ50とを備え、天板部20は操作部
31が載置される面に隣接してプローブを保持するプローブホルダ部
22を有し、台車部10は、超音波検査時に操作者が対面する前面から側面に連続する収納凹部45が形成されている。
【0015】
また本実施形態の超音波撮像装置用台車200は、超音波撮像装置(計器本体30等)を搭載する台座11と、台座11に支持され、超音波撮像装置の少なくとも一部を載せる天板部20と、天板部20の支持機構70と、支持機構70を収納する筐体40とを備え、台座11は、台座に固定された筐体40の外周を囲む立ち上り部13を有し、台の立ち上り部と筐体の外周との間に、収納凹部45が形成されている。
【0016】
本実施形態の超音波撮像装置100及び台車200は、さらに以下の特徴を備えることができる。
【0017】
例えば、プローブホルダ部
22は、天板部20の両側に備えられ、収納凹部45は、台車部
10前面から両側面まで連続している。
【0018】
台車部10は、車輪15が備えられた台座11と、台座11の上に固定され、天板部20の支持機構部70を内蔵する筐体40とを備え、台座11は、台座11に固定された筐体40の外周を囲む立ち上り部13を有し、収納凹部45は、前記台座11の立ち上り部13と筐体40の外周との間の空間として形成されている。筐体40は、前面パネル41と2つの側面パネル42、43と裏面パネル44とを有し、2枚の側面パネル42、43の少なくとも一方は、収納凹部45が形成された位置に凹部42aが形成されている。或いは、2枚の側面パネル42、43の間隔は、台座11との固定部から天板部20に向かって、狭まっていてもよい。
【0019】
収納凹部45は、その容積を可変にする蓋部14を備えることができる。或いは着脱可能な蓋部を備えることができる。
【0020】
プローブホルダ部
22は、プローブを挿入可能な複数の切欠け部が形成されたプローブ保持部材
21からなり、プローブ保持部材の上面は水平面に対し傾斜している。傾斜は、例えば、複数の切欠け部の配列方向に沿った傾斜及び/又は筐体の側面に向かう傾斜である。
【0021】
プローブ保持部材21は、複数の切欠け部22に近接して、ゼリーホルダ23を備えることができる。ゼリーホルダ23は、複数の切欠け部に対し、最も装置前面から遠い位置に備えられ、プローブ保持部材21のゼリーホルダ23が備えられた部分の上面は、最も傾斜が大きいことが好ましい。
【0022】
以下、図面を参照して本実施形態の超音波撮像装置を説明する。
以下の説明において、便宜上、天板部に載置された操作部に、操作者が対面する面を装置前面と言い、その反対側を裏面、前面の両側の面を側面と言う。また前面に直交する方向を前後方向、側面に直交する方向を左右方向と言う。
【0023】
図1は一実施形態の超音波撮像装置の全体を示す斜視図、
図2〜
図4はその正面図、平面図及び側面図である。この超音波撮像装置は、台車部10と、台車部10上に支持機構70(
図4)によって支持されている天板部20と、天板部20の上に載置された計器本体30と、台車部10の支持機構を覆う筐体(カバー部)40とを備えている。また計器本体30に備えられた表示部とは別にディスプレイ331が設けられている。
【0024】
台車部10は、
図1および
図2に示すように、台座11と、台座11の複数個所にそれぞれ固定された車輪15とから成る。車輪15の数は特に限定されないが、図示する実施形態では走行方向が可変の4つの車輪が備えられている。車輪には回転をロック・解除するロックレバー等を設けることができる。
【0025】
台座11は、その外周に沿って略垂直方向に立ち上った縁部(立ち上り部)13が形成されており、この立ち上り部13の内面と筐体40の外面との間に、後述するプローブケーブルの収納凹部45となる空間が形成される。
【0026】
天板部20は、主として計器本体30の操作部31を載せる台であり、後述する支持機構によって、台車部10の台座11に対し、上下方向及び前後方向に移動可能且つ所定の角度範囲で旋回可能に支持されている。天板部20の、操作部31の底部が接触する載置面には、
図3に示すように、その左右方向に張り出すようにプローブ保持部材21が一体的に形成されている。また左右のプローブ保持部材21に連続して載置面前方に天板部20の位置を操作するためのハンドル47が形成されている。両側のプローブ保持部材21には、それぞれ複数のプローブホルダ部22が形成されている。プローブ保持部材21及びプローブホルダ部22の詳細は後述する。
【0027】
計器本体30は、操作者が検査に必要な条件や指令を入力するため操作ボタン、トラックボール、キーボード等が配置された操作部31と、操作に必要なGUIや超音波画像などを表示する表示部33とを備え、超音波撮像を行うために必要な電子回路が組み込まれている。計器本体30の機能ブロック図を
図5に示す。
【0028】
計器本体30は、上述した操作部31及び表示部33の他に、プローブ50が接続されるプローブ接続部60、超音波送受信部34、制御部35、メモリ部36、DSC(デジタルスキャン・コンバータ)37、補助装置38、電源装置39などで構成されている。
【0029】
超音波送受信部34は、プローブ50に電気信号を送るとともに、プローブ50からの電気信号を受信し、整相などの処理を行う。DSC37は、時間軸上の受信信号を走査し、表示部33の表示パネル上に2次元像として表示させるための処理を行う。電源装置39は電池等の電源や外部電源から電力供給するための端子を備えている。制御部35は、上記各部の動作を制御する。また各部の動作に必要なデータや処理途中或いは結果である画像データ等はメモリ部36に格納される。
【0030】
なお
図5に示す計器本体30の構成は一例であって、構成要素の一部を欠く構成や別の構成要素を追加した構成も取りえる。
【0031】
図1〜
図4に示す実施形態では、計器本体30は、天板部20から取り外して、それ自体ノート型の超音波撮像装置として機能するものであり、電子回路等が組み込まれた本体の上に操作部31が一体的に形成され、本体に対し折り畳み可能に表示部(表示パネル)33が接続されている。なお超音波撮像を行うために必要な電子回路の一部を、別途或いは計器本体30と重複して、天板部20を支持する筐体40の内部に備えることも可能である。
【0032】
天板部20を支持する支持機構のカバーである筐体40は、前面パネル41、側面パネル42、43及び裏面パネル44で囲まれた概ね直方体の形状を有し、台座11に固定される下部の外周寸法は、台座11の立ち上り部13の内周寸法よりも小さく、立ち上り部13と筐体40との間に、両側から正面まで連続した凹部45が形成されている。この凹部45は、後に詳述するが、プローブ50のケーブルを収納する収納凹部45として機能する。
【0033】
筐体40の前面パネル41は、
図4に示すように、天板部20の可動域を確保するために、下部から上部に向かって後方に傾斜している。また前面パネル41の中央部分は凹部となっており、この凹部にプローブ接続部60(
図2)が形成される。プローブ接続部60は、図示しないケーブルによって天板部20に載置された計器本体30と電気的に接続される。筐体40の両側面パネル42、43と裏面パネル44は、下部からほぼ垂直に立ち上っており、天板部20に近い部分では、側面パネル42、43は内側にゆるやかな傾斜し、側面パネル間の間隔が狭まっている。
【0034】
筐体40の上部には、この台車付き超音波撮像装置の走行を操作するための操作ハンドル46が設けられている。また天板部20の上下動及び回転を操作するためのハンドル等が、台車部10の前面側に設けられていることが好ましい。図示する実施形態では、両側のプローブ保持部材21に連続して前面側に、天板部20を回転操作するためのハンドル47が形成されている。上下動の操作はペダルやレバーで行うことも可能である。
【0035】
図示する実施形態では、操作ハンドル46は、取っ手部分が筐体40の後部に位置するように、筐体40の上部に筐体と一体的に設けられている。操作者は装置の後部側に立って、操作ハンドル46を押し、装置を前進させることができる。また図示しない操作ハンドル又は
ペダル等を操作することにより支持機構70に固定された天板部20の上下方向の位置を調整することができる。なお操作ハンドル又はペダルには、天板部20の位置をロックするためのロックハンドル(不図示)を備えていてもよい、これにより、天板部20を上下方向の任意の位置に固定することができる。
【0036】
プローブ50は、計器本体30の超音波送受信部34からの電気信号を受けて超音波信号を発するとともに検査対象内部で反射した超音波のエコー信号を受信し電気信号に変換するものであり、
図6に示すように、圧電素子を一次元或いは二次元方向に配列した圧電素子アレイを備えたプローブ本体51と、プローブ接続部60に接続されるコネクタ部52と、プローブ本体とコネクタ部とを接続するケーブル53とを備えている。なお
図6に示すプローブは一例であり、プローブ本体51の形状や大きさが異なる種々のプローブがある。ケーブル53の長さは特に定められていないが、一般的な装置の設置場所から被検体までの距離に相当する長さ以上であることが要求され、2.5〜3m程度である。
【0037】
以上説明した装置の概要を踏まえ、本実施形態の特徴を備えた各部の詳細を説明する。
【0038】
まず天板部20、特にプローブホルダ部22が設けられるプローブ保持部材21の構造について、
図7〜
図10を参照して説明する。
図7〜
図9は、それぞれプローブホルダ部21の平面図、側面図、正面図を示す。
図10はプローブホルダ部を構成するプローブカップを示す斜視図である。
【0039】
図7に示すように、プローブ保持部材21は、天板部20の計器本体30載置面20aに連続して、その左右に設けられており、プローブホルダ部22はこれらプローブ保持部材21に形成された円形の切欠け部とこの切欠け部に嵌合されるプローブカップ25(
図10)とから形成される。図示する例では、左右のプローブ保持部材21の一方(図中左側)には3つの切欠け部が形成されており、これら切欠け部は全てプローブホルダ部22となる切欠け部である。他方(図中右側)のプローブ保持部材21には、プローブホルダ部22となる2つの切欠け部と、ゼリーホルダ23となる円形の切り抜き部(穴)が形成されている。
【0040】
ゼリーホルダ23以外のプローブホルダ部22の構成は同様であるので、一つについて説明する。切欠け部は、円の一部が外側に開放された形状であり、円の部分に、プローブを保持するプローブカップ25が収められる。プローブカップ25は、
図10に示すように、両側が開口した筒状のカップで、一端に鍔部25aが形成されるとともに一端から他端にスリット25bが形成されている。プローブカップは、鍔部25aを上にして、スリット25bが切欠け部の開放部と一致するようにして、切欠け部に取り付けられている。このプローブカップ25のスリットからプローブのケーブル53を出し入れすることができ、これにより、ケーブル53がつながった状態のプローブ50を容易にプローブホルダ部22に収納し、また取り出すことができる。
【0041】
ゼリーホルダ23は、超音波検査時に検査対象に塗布するゼリーを収納した容器を置くためのものである。ゼリー容器は通常、プローブ本体51よりも高さ(長さ)の高いビンなどで構成されており、これに対応して、ゼリーホルダ用切欠け部には、プローブカップよりも深いカップ27が嵌めこまれる。これらゼリー用の切欠け部及カップ27には、プローブケーブルのための開放部やスリットは不要である。
【0042】
プローブホルダ部22及びゼリーホルダ23は、側面に沿って一列に配置されている。好適には、ゼリーホルダ23は、プローブホルダ部22の後方に配置される。
【0043】
本実施形態の天板部20は、プローブ保持
部材21の上面が、水平面に対し傾斜していることが特徴である。傾斜は、前後方向及び左右方向のいずれにも付けることができる。
図8には前後方向即ちプローブホルダ部22とゼリーホルダ23の配列方向の傾斜を示している。前後方向の傾斜は、プローブホルダ部22の床面からの高さが、前方から後方に向かうに従って高くなるように形成されている。傾斜の角度θ1は、限定されるものではないが約1°〜30°である。傾斜面は水平面に対し同一角度ではなく、変化していてもよい。例えば、プローブホルダ部22が設けられている面とゼリーホルダが設けられている面とで傾斜角度θ1、θ2を異ならせてもよいし、手前よりも後方に行くに従って連続的或いは段階的に傾斜角度が大きくなるようにしてもよい。
【0044】
このようなプローブ保持
部材21の上面の傾斜に対応して、プローブカップの軸方向も垂直方向に対し前方に傾斜することになる。これにより、装置に対面している操作者が、プローブをプローブホルダ部22から出し入れするときに、プローブを真上に上げたり真上から入れたりするのではなく、斜め前方に持ち上げ、斜め後方に下げればよいので操作性がよい。また操作者にとって手前にあるプローブホルダ部22ほど低い位置にあるので、操作者から遠い側のプローブホルダであっても取り扱いやすい。さらに、プローブのケーブルが垂直から後方に向けられるので、後に詳述するケーブル用の収納凹部45に収まりやすい。
【0045】
また一般にゼリー容器はプローブ本体よりも高さ(長さ)が高いので、ゼリーホルダ23が設けられている面の傾斜をプローブホルダ部22が設けられている面の傾斜よりも大きくすることにより、その出し入れ時の操作性を良好にすることができる。
【0046】
図9は、プローブ保持
部材21の上面の、水平面に対する左右方向の傾斜を示している。即ち、天板部20の左右に位置するプローブ保持
部材21は、それぞれ天板部20の面20aとの接続部から端部側に向かって床面からの高さがわずかに低くなるよう傾斜が形成される。このような傾斜をつけた場合、プローブカップの軸方向も、一点鎖線で示すように、垂直方向に対し傾き、その下端が上端よりも内側(筐体40側)に位置することになるので、プローブホルダ部22に収められたプローブのケーブルが、筐体40に沿って、後述するケーブル収納凹部45に収まりやすくなる。左右方向の傾斜の角度θ3についても限定されるものではないが、約1°〜30°である。
【0047】
次に台車部10、特に台座11と筐体40との間に形成されるプローブケーブル収納凹部45について、
図11及び
図12を参照して、説明する。
図11は台座11の平面図、
図12(a)は部分側面図、(b)は正面の部分断面図であり、本実施形態の超音波撮像装置の筐体40の内部及び筐体40から上の部分は一部省略している。
【0048】
図11に示すように、台座11は外周に沿って垂直方向に設けられた立ち上り部13によって上面がほぼ開放された凹部になっており、凹部の底を覆うように筐体40が固定されている。筐体40の側面パネル42、43と立ち上り部13の側面との間及び筐体40の前面パネル41と立ち上り部13の前面との間は、それぞれ空間があり、それら空間は連続してプローブケーブルの収納凹部45を形成している。側面側の空間の大きさは、特に限定されるものではないが、後述する天板部20の移動や旋回に伴ってケーブルが移動した場合にも、その動きを許容できる大きさに設計されている。図示する実施例では、前後方向の奥行きは、台座11側面の幅(前後方向の寸法)より小さく、半分より大きい。また左右方向の幅Wはケーブル径の2倍から5倍程度が好ましい。
【0049】
また立ち上り部13の側面には、
図12(a)、(b)に示すように、側面カバー(蓋部)14を取り付けてもよい。側面カバー14は、例えば、一端部を立ち上り部13または台座11にヒンジ17を介して連結し、開閉可能であってその開き角度を調節可能な構造とすることができる。このような構造を採用することにより、側面カバー14の開き角度によって、前述した収納凹部45の左右方向の幅W、即ち収納凹部45の容積を調整することができる。
【0050】
また別の例として側面カバー14を着脱可能な構造とすることも可能である。この場合、形状の異なる複数の側面カバー14を用意することにより、
図12に示す実施例と同様に、収納凹部45の容積を調整することができる。
【0051】
収納凹部45の容積を調整可能にすることによって、ケーブルの長さが異なるプローブにも、またプローブホルダ部22に収められているプローブ数が変化した場合にも、柔軟に対応することが可能となる。またプローブ数即ちケーブル数が複数の場合には、仕切り板(不図示)を側面パネルと平行に挿入することも可能である。
【0052】
収納凹部45の前面側の空間については、側面側の空間と連続していて且つ幅(前後方向)がほぼ側面側の幅Wと同程度以上が好ましい。
図11に示す実施形態では、この収納凹部45の前面側の空間には、底部にプローブ接続部60が形成されており、
図2に示す筐体40の前面41に形成されたプローブ接続部60と同様に使用することができる。本実施形態の超音波撮像装置では、プローブケーブルの収納凹部として装置の前面から側面に亘る十分な容積の空間が提供されるので、複数のプローブを複数あるプローブ接続部60に接続した状態にしておくことが可能である。従って、収納凹部45の底部を利用してプローブ接続部60を増設することに意味がある。
【0053】
収納凹部45の収納性を高める筐体40側面パネル42、43の形状について説明する。左右の側面パネル42、43の形状は左右対称であって同様であるので、代表して右側の側面パネル42について説明する。筐体40の側面パネル42は、1ないし複数枚の平面状或いはゆるやかな曲面状の板材からなり筐体40の側面を構成している。さらに
図12(a)に示すように、側面側に位置する収納凹部45に対応して、内側に凹んだ凹部42aが形成されている。凹部42aの幅(前後方向の寸法)Dは、収納凹部45の奥行きに対応し、高さhは、特に限定されるものではないが、側面パネルの高さの約半分ぐらいである。凹部42aの深さは、収納凹部45の幅と同程度かそれより少なくてよい。この側面パネル42の凹部42aと前面パネル41の右端とは、曲面状のパネルで連結されている。
【0054】
側面パネル42にこのような凹部42aを形成することにより、その上にあるプローブホルダ部22に収納されたプローブのケーブルは側面パネル42に沿って凹部42a及び収納凹部45に収められ、側面から外側に大きくはみ出すことがない。またこの凹部42aは、カルテ等の書類などの収納部を兼ねることもできる。
【0055】
次に天板部20の支持機構について、
図13及び
図14を参照して説明する。
図13及び
図14では、天板部20と台座
11とをつなぐ支持機構を模式的に示し、その他の部材は省略している。
【0056】
天板部20の支持機構70は、大きく分けて、垂直方向のスライド機構部71と、水平方向のスライド機構部73と、揺動機構部75と、回転機構部77とから成る。
【0057】
垂直スライド機構部71は、支柱711と、支柱711に嵌合し、垂直方向に移動可能な垂直スライダ713と、垂直スライダ713を駆動するための油圧シリンダ等の駆動機構部715とから成る。さらに支柱711を台座11に対し前後方向に移動させる機構を備えていてもよい。駆動機構部715は、筐体前側に備えられた操作ハンドルやフットペダル等の操作具49によって操作される。垂直スライダ713は垂直部713aと水平部713bとから成り、垂直部713aが支柱711に嵌合し、操作具49の操作により、水平部713bとともに垂直方向に移動する。
【0058】
水平スライド機構部73は、垂直スライダ713の水平部713bに嵌合し、水平方向に移動可能な水平スライダ731から成る。水平スライダ731の一端に揺動機構部75を構成する揺動アーム751の一端751aが回転可能に固定されている。揺動アーム751の他端751bには、回転機構部77が固定されている。揺動アーム751は、
図13に示す水平スライダ731と平行な位置から、
図14に示すほぼ垂直となる位置まで、水平スライダ731に固定された一端751aを回転中心として揺動することができる。
【0059】
回転機構部77は、揺動アーム751の他端751bが回転可能に固定され、水平な固定面を持つ固定部771と、固定部771の固定面に固定されるとともに天板部20を回転可能に支持する回転軸773と、回転軸773に支持された天板部20の回転量を制限するストッパ(不図示)とから成る。
【0060】
水平スライド機構部73、揺動機構部75及び回転機構部77による天板部20の移動及び回転は、操作者が、天板部20に設けられた操作ハンドル47を操作することにより行われる。
【0061】
上記構成におけるスライド機構や回転機構は、公知の機構を採用することができるので詳細は省略する。
【0062】
以上のような支持機構70で支持された天板部20の可動範囲について、
図15〜
図17を参照して説明する。
図15は、天板部20の上面図、
図16は垂直スライド機構部71による天板部の上下動を説明する図、
図17は水平スライド機構部73及び揺動機構部75による天板部の動きを説明する図である。
【0063】
図15中、天板部20の初期位置(基準位置)を点線で、旋回した位置を実線で示し、一点鎖線は、天板部20の回転(旋回)方向の可動範囲を示している。図示するように、天板部20は、上述した回転機構によって回転軸773を中心に回転し、ハンドル47の中央が筐体40の前面パネルの中央と一致している初期位置(点線)から、左右方向にストッパで規制される所定の角度旋回することができる。旋回角度は、特に限定されるものではないが、例えば±25°程度である。
【0064】
図16は垂直スライダ713による天板部20の可動範囲を示す図で、(a)は天板部20が最下端にある状態、(b)は天板部20が最上端にある状態を示している。垂直スライダ713は、これら最下端から最上端までの可動範囲を移動することができる。
図16(a)、(b)いずれにおいても、図示する位置では、水平スライダ731は最も後方に後退した位置にあり、揺動アーム751は、水平スライダ731と平行な位置にある。
【0065】
水平スライド機構部73及び揺動機構部75を用いた天板部20の移動は、垂直機構部71の上下方向の可動範囲のいずれの位置でも可能であり、垂直機構部71がロックハンドルにより固定された状態で、天板部20の操作ハンドル47を操作して、揺動機構部75を動かすことにより、揺動アーム751の揺動範囲で天板部20の高さを調整することができる。また水平スライド機構部73及び揺動機構部75の一方又は両方を動かすことにより、水平スライド機構部73の可動範囲+揺動機構部75による前後方向の可動範囲で所望の位置に設定することができる。
【0066】
図17(a)は、
図16(a)に示す垂直方向の最も低い位置で、水平
スライド機構部73によって天板部20を最も前方に引き出した状態を示し、(b)は、
図16(b)に示す垂直方向の最も高い位置で、揺動機構部75によって天板部20の高さを最も高くした状態を示している。
図17(b)に示す位置は揺動機構部75による前後方向の可動範囲では最も後退した位置でもある。
【0067】
天板部20の可動範囲は限定されるものではないが、一例を挙げると、垂直スライド機構部による上下方向の可動範囲(ストローク)は120mm、水平スライド機構部による前後方向の可動範囲(ストローク)は150mm、揺動機構部75による揺動アーム751の揺動範囲は水平〜73度であり、この揺動によりもたらされる上下ストローク及び前後ストロークは180mmである。
【0068】
上述したような可動範囲を移動する天板部20のプローブホルダ部22にプローブ50が収納されている場合、プローブ50とケーブル収納部45との関係を模式的に
図18に示す。図中、斜線で示す領域が天板部20の一点P(例えば中央に位置するプローブホルダ部)の上下及び左右方向の可動範囲であり、天板部20が
図17(a)に示す位置にある場合のケーブル53の収納状態を実線で、天板部20が
図17(b)に示す位置にある場合のケーブル53の収納状態を点線で示している。図示するように、プローブケーブルの収納凹部45が、筐体40の前面から側面に連続して形成されているので、天板部20の移動によってプローブホルダ部22に収納されたプローブ本体51とケーブル53との接続部が移動しても、一端が筐体40前面のプローブ接続部60に接続されたケーブル53に無理な力がかからず、またケーブル53が筐体40の側面から外側に飛び出ることもなく収納凹部45内に収まっている。
【0069】
さらに
図18は、天板部20が旋回の初期位置にある場合を示しているが、
図15に示したように天板部20が旋回した場合には、点Pの位置は
図18の紙面と直交する方向にも変化する。例えば、天板部20が紙面に対し手前から奥に旋回した場合には、それに伴いケーブル53も引っ張られるが、その移動分はケーブル53のたるみが解消することができ、しかも収納凹部45が前面まで連続しているので、余剰のたるみ部分は前面の収納凹部45に収まることができる。逆に天板部20が奥から手前に移動した場合には、ケーブル53のたるみ部分が多くなるが、筐体40の側面パネル42に凹部42aが形成されていることにより、筐体40の側面から外側に飛び出ることが防止できる。
【0070】
なお
図18では、一本のプローブケーブルのみを示しているが、複数のプローブが収納されている場合にも同様であり、特に筐体40の側面パネル42(43)と平行に仕切り板を挿入することにより、ケーブル同士の絡まりを確実に防止することができる。
【0071】
以上、図面を用いて本発明の超音波撮像装置の一実施形態を説明したが、これら図面に示す超音波撮像装置は一例であって、種々の変更が可能である。例えば、
図1〜
図3等では天板部20の両側にプローブ保持
部材21を備えた実施形態を示したが、
図19に示すようにプローブ保持
部材21は天板部20の片側だけに備えていてもよい。その場合、ケーブル収納凹部45は、プローブ保持
部材21が備えられた側に対応する側面と前面とが連続していればよく、プローブ保持
部材21が備えられていない側の側面には設けなくてもよい。
【0072】
また上記実施形態では、天板部20の支持機構が、垂直スライド機構部、水平スライド機構部及び揺動機構部の3つの機構部から構成される場合を説明したが、これら機構部は必須ではなく、その一部又は全部を備えなくてもよい。即ち、例えば天板部20が台車部10に対し支柱等で固定された超音波撮像装置についても本発明を適用することは可能である。
【0073】
また上記実施形態では、計器本体30として操作部31と表示部33とを開閉可能にしたノート型の計器であって天板部20に対し着脱可能なものを示したが、計器本体は種々の形態とすることができ、天板部20と一体に形成されたものであってもよい。
【0074】
その他図面に示した各部材の形状や位置は、種々の変更が可能である。