(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る光学素子の製造装置及び製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る光学素子の製造装置1を示す平面図である。
【0018】
図2A及び
図2Bは、本実施の形態における加熱部10及び可動型ユニット20,30を示す正面図である。
図3は、本実施の形態における光学素子材料供給機構60を示す側面図である。
【0019】
図4は、本実施の形態における供給ゾーンZを示す平面図である。
図5Aは、本実施の形態における加熱部10及びエネルギー供給部50を示す(a)平面図及び(b)部分断面図である。
【0020】
図1に示すように、光学素子の製造装置1は、複数の加熱部10と、第1の可動型ユニット20と、第2の可動型ユニット30と、第1の可動型ユニット取付部41と、第2の可動型ユニット取付部42と、エネルギー供給部50と、光学素子材料供給機構60と、光学素子材料投入アーム70と、を備える。
【0021】
複数の加熱部10は、例えば15個の加熱部10−1〜10−15であり、ループ状に配列されている。
図2A〜
図3、及び
図5Aに示すように、加熱部10は、本体部11と、発熱部材12と、気体供給管13と、を有し、光学素子材料100を気体中で浮遊させて加熱する。
【0022】
本体部11は、略円筒形状を呈し、鉛直なZ軸方向に延びる長手方向を有し、上端において開口する。本体部11の材料は、特に限定されないが、例えば石英管である。本体部11の内径は7mmで、光学素子材料100の直径は5mmであるが、これらの大きさは一例にすぎない。また、光学素子材料100は、球状のガラス材料であるが、プラスチック等のその他の材料であってもよく、また、その他の形状としてもよい。
【0023】
発熱部材12は、本体部11の内部に配置され、気体と熱交換する。発熱部材12の材料は、特に限定されないが、例えば、SiCなどのセラミック、或いは金属などである。
気体供給管13は、図示しない気体供給源から本体部11に気体を供給する。この気体は、発熱部材12により加熱される。加熱された気体は、本体部11内の光学素子材料100に吹き付けられる。これにより、光学素子材料100は、気体中で浮遊された状態で加熱される。
【0024】
気体供給管13の気体供給量は、光学素子材料100の大きさや本体部11の大きさなどによって適宜決定されればよく、本実施形態では例えば10L/minである。詳しくは後述するが、加熱部10が周回移動するため、気体供給管13は、加熱部10の回転を許容する部材(例えばロータリーマニホールド)に連結されている。
【0025】
なお、加熱部10の構造は、気体中で光学素子材料100を浮遊させて加熱しうるものであれば、本実施形態のものに限定されない。
図2A及び
図2Bに示すように、第1の可動型ユニット20及び第2の可動型ユニット30は、加熱部10よりもZ軸方向の上方に配置されている。
【0026】
第1の可動型ユニット20は、第1の成形型21と、加熱ブロック22と、断熱ブロック23と、加圧部の一例であるシリンダ24と、を有する。
第2の可動型ユニット30は、第2の成形型31と、加熱ブロック32と、断熱ブロック33と、加圧部の一例であるシリンダ34と、を有する。
【0027】
第1の成形型21及び第2の成形型31は、略円柱形状を呈し、水平なX軸方向に対向して配置されて光学素子材料100を加圧する。第1の成形型21及び第2の成形型31には、例えば凸型の成形面21a,31aが中央に形成されている。また、第1の成形型21及び第2の成形型31には、加熱ブロック22,32側である固定端にフランジ部21b,31bが形成されている。
【0028】
加熱ブロック22,32には、例えば3本の円柱形状のヒータ22a,32aが挿入されている。
断熱ブロック23,33は、加熱ブロック22,32の熱を断熱する。
【0029】
シリンダ24,34は、第1の成形型21及び第2の成形型31を断熱ブロック23,33及び加熱ブロック22,32とともにX軸方向に移動させ、第1の成形型21と第2の成形型31との間に供給された光学素子材料100を順次加圧する。なお、第1の可動型ユニット20及び第2の可動型ユニット30のシリンダ24,34のうちの一方を省略して、他方のみを用いて光学素子材料100を加圧してもよい。その場合、シリンダにより移動されない成形型は、固定型となる。
【0030】
また、第1の成形型21(第1の可動型ユニット20)及び第2の成形型31(第2の可動型ユニット30)は、光学素子の製造装置1において、複数組配置されていてもよい。
【0031】
第1の可動型ユニット取付部41には、第1の可動型ユニット20がシリンダ24部分において取付けられている。
第2の可動型ユニット取付部42には、第2の可動型ユニット30がシリンダ34部分において取付けられている。
【0032】
図2A、
図2B、及び
図5Aに示すように、エネルギー供給部50は、ランプヒータ51と、このランプヒータ51の周囲に配置されたリフレクタ52と、を有する。エネルギー供給部50は、加熱部10の外部から発熱部材12に対して非接触で発熱用のエネルギー(本実施の形態では熱エネルギー)を供給する。
【0033】
エネルギー供給部50は、例えば、加熱部10を挟んで対向して2つ固定されて配置される。また、エネルギー供給部50は、例えば
図4に示すように(
図4の例では加熱部10の配列方向を便宜上直線にしている。)、発熱部材12に対してエネルギーを供給する供給ゾーンZを構成する。この供給ゾーンZは、
図4に示すように複数サイクル(図では4サイクル)に亘って加熱部10を加熱するものであっても、1サイクルのみ、つまり1つの加熱部10のみを加熱するものであってもよい。
【0034】
図3に示すように、光学素子材料供給機構60は、水平ガイド部61と、水平スライダ62と、加熱部支持部63と、を有する。
水平ガイド部61は、ループ状に形成されている。
【0035】
水平スライダ62は、水平ガイド部61と同様にループ状に形成され、水平ガイド部61に沿ってスライドし、周回移動する。水平スライダ62は、加熱部10ごとに設けられていてもよい。
【0036】
加熱部支持部63は、水平スライダ62に固定され、加熱部10を本体部11の外周面において支持する。
光学素子材料供給機構60は、複数の加熱部10を配列方向(周方向)に周回移動させることで、加熱された光学素子材料100を第1の成形型21と第2の成形型との間に供給する位置(
図1の加熱部10−15の位置)に循環させる。
【0037】
このように、光学素子材料供給機構60は、加熱部10により加熱された光学素子材料100を第1の成形型21と第2の成形型31との間に順次供給する機能を有する。なお、後述するが、本実施の形態では加熱部10が気体の流量を増加させることで第1の成形型21と第2の成形型31との間に光学素子材料100を投げ上げるため、加熱部10も光学素子材料100を供給する機能を有するといえる。
【0038】
また、光学素子材料供給機構60は、上述のように複数の加熱部10を移動させることで、複数の加熱部10とエネルギー供給部50とを相対的に移動(本実施の形態では配列方向に移動)させる移動手段としても機能する。
【0039】
なお、光学素子材料供給機構60は、ターンテーブルなどを用いた構造などであってもよく、上述のものはあくまで一例である。
光学素子材料投入アーム70は、加熱部10に光学素子材料100を投入する。
【0040】
以下、光学素子材料100から光学素子を製造する流れについて説明するが、上述の説明と重複する事項については説明を省略する。
まず、
図1に示すように、光学素子材料投入アーム70は、加熱部10−1に光学素子材料100を投入する。
【0041】
ここで、第1の光学素子材料投入アーム70により光学素子材料100−1が投入されるタイミングを1サイクル目とすると、9サイクル目から15サイクル目までの加熱部10は、エネルギー供給部50が発熱部材12に対してエネルギーを供給する供給ゾーンZに位置する(エネルギー供給工程)。
【0042】
なお、1サイクル目から8サイクル目は、エネルギー供給部50が発熱部材12に対してエネルギーを供給しない非供給ゾーンとなるため、8サイクル目で光学素子材料100を投入してもよい。しかし、加熱部10において光学素子材料100を安定化させるためには1サイクル目で光学素子材料100を投入するとよい。投入直後は、光学素子材料100の浮遊状態が安定しない(上下にフラフラしたり、回転が安定しない)。浮遊が不安定な状態では、加熱(気体と光学素子材料100の熱交換)も安定せず、加熱部10毎に光学素子材料100の温度がばらつく。したがって、光学素子材料100の浮遊状態を安定させるために、供給ゾーンZの前に浮遊安定ゾーンとしての非供給ゾーンを設けるとよい。上述のように、光学素子材料供給機構60は、複数の加熱部10の各々が供給ゾーンZと非供給ゾーンとを通過するように、複数の加熱部10を移動させる。
【0043】
光学素子材料100は、加熱部10に投入されたときから本体部11において浮遊状態となるが、9サイクル目から15サイクルまでの加熱部10において、ランプヒータ51により発熱部材12に熱エネルギーが供給されることで、例えばガラス転移点以上になるまで加熱される(加熱工程)。
【0044】
なお、「加熱」とは、室温状態に対して熱を加えていることをいう。従って、例えば、本体部11内よりも低い温度状態(例えば室温状態)の光学素子材料100を本体部11に投入することで、加熱工程において、本体部11内で光学素子材料100の温度を室温よりも高い温度まで上昇させることができる。また、例えば、本体部11内よりも高い温度状態の光学素子材料100を本体部11に投入することで、加熱工程において、本体部11内で光学素子材料100の温度を室温よりも高い温度まで低下させることができる。また、例えば、本体部11内と等温状態の光学素子材料100を本体部11に投入することで、加熱工程において、本体部11内で光学素子材料100の温度を室温よりも高い温度に保つことができる。
【0045】
そして、15サイクル目において、加熱された光学素子材料100は、気体供給管13から供給される気体の吹き出し量を増加させることにより加熱部10から投げ上げられ、第1の成形型21と第2の成形型31との間に非接触状態で供給される(材料供給工程)。
【0046】
この材料供給工程では、加熱部10がZ軸方向に移動可能な構造を有する場合、加熱部10をZ軸方向の上方に移動させ、その後停止又は減速することで、慣性により光学素子材料100を投げ上げるようにしてもよい。また、図示しない搬送部材が加熱部10から第1の成形型21と第2の成形型31との間に接触状態で光学素子材料100を供給してもよい。
【0047】
また、第1の可動型ユニット20及び第2の可動型ユニット30は、加熱部10よりもZ軸方向の下方に配置され、光学素子材料100が加熱部10から落下して供給されるようにしてもよい。
【0048】
光学素子材料100が第1の成形型21と第2の成形型31との間に供給されるときには、
図2A及び
図2Bに示すように、シリンダ24,34は、第1の成形型21と第2の成形型31とを接近させておく。
【0049】
次に、光学素子材料100は、第1の成形型21と第2の成形型31とに例えば同時に接触して、シリンダ24,24がX軸方向に第1の成形型21及び第2の成形型31を更に接近させることによって、第1の成形型21及び第2の成形型31により加圧される(加圧工程)。
【0050】
これにより、光学素子材料100は、第1の成形型21及び第2の成形型31の凸型の成形面21a,31aから両凹形状を転写される。
加圧工程が終了した後、すなわち、所望の厚さになるまで光学素子材料100が加圧された後、第1の可動型ユニット20及び第2の可動型ユニット30の加熱ブロック22,32のヒータ22a,32aの温度を降下させることにより、或いはヒータ22a,32aを停止させること(自然冷却)により、光学素子材料100を例えばガラス転移点以下になるまで加圧保持された状態のまま冷却してもよい(冷却工程)。なお、冷却工程は、加圧工程の際のヒータ22a,32aの設定温度がガラス転移点以下の場合には、この設定温度を変えないまま行われてもよい。
【0051】
その後、シリンダ24,34は、第1の成形型21と第2の成形型31とを遠ざけ、図示しない光学素子回収アームが光学素子材料100(製造された光学素子)を回収する。
以上の動作を、複数の加熱部10により加熱された光学素子材料100が順次第1の成形型21と第2の成形型21との間に供給されるように繰り返され、光学素子が順次製造される。
【0052】
以上説明した本実施の形態では、複数の加熱部10は、発熱部材12を有し、この発熱部材12により加熱された気体中で光学素子材料100を浮遊させて加熱する。エネルギー供給部50は、発熱部材12に対して非接触で発熱用のエネルギーを供給する。光学素子材料供給機構60は、加熱部10により加熱された光学素子材料100を第1の成形型21と第2の成形型31との間に順次供給する。加圧部の一例であるシリンダ24,34は、第1の成形型21と第2の成形型31との間に供給された光学素子材料100を第1の成形型21及び第2の成形型31により順次加圧する。
【0053】
そのため、複数の加熱部10により光学素子材料100を加熱することができ、しかも、光学素子材料100を加熱している間に第1の成形型21と第2の成形型31との間で光学素子材料100を加圧することができる。
【0054】
更には、エネルギー供給部50が発熱部材12に対して非接触でエネルギーを供給するため、加熱部10が複数あっても、加熱部10が本実施の形態のように移動する構造であっても、発熱部材12が配線で接続される場合に比べて構造や温度制御系を簡素化することができる。
【0055】
よって、本実施形態によれば、気体中で浮遊させて加熱した光学素子材料100を加圧する光学素子の製造装置1及び製造方法において、簡素な構成で光学素子の製造効率を向上させることができる。
【0056】
更には、加熱部10による光学素子材料100の投げ上げ動作時などにおいて、光学素子の製造装置1を、高速動作や振動に強い構造とすることができ、設計制約を抑えることができる。また、非接触でエネルギーが供給されるため、発熱部材12が配線で接続される場合に比べて、繰り返し動作による破損リスクを抑えることもできる。なお、従来の気体加熱ヒーター(例えばPt発熱体ヒーター)は、内部に細く編んだ発熱抵抗体を有し、電流を流して抵抗体を加熱し、通過する気体と熱交換を行っている。ヒーターの構造上、高速動作や振動による短絡でヒーターが短寿命となってしまう問題がある。
【0057】
また、本実施の形態では、光学素子材料供給機構(移動手段の一例)60は、複数の加熱部10とエネルギー供給部50とを相対的に移動させる。そのため、例えば、エネルギー供給部50を固定した構造やエネルギー供給部50を複数の加熱部10のうちの一部の加熱部10を加熱する構造などの、より一層簡素な構造で光学素子材料100を加熱することができる。
【0058】
また、本実施の形態では、光学素子材料供給機構(移動手段の一例)60は、複数の加熱部10の各々が、エネルギー供給部50が発熱部材12に対してエネルギーを供給する供給ゾーンZ(
図1では9サイクル目〜15サイクル目)と、エネルギー供給部50が発熱部材12に対してエネルギーを供給しない非供給ゾーン(
図1では1サイクル目〜8サイクル目)とを通過するように、複数の加熱部10とエネルギー供給部50とを相対的に移動させる。そのため、例えば、供給ゾーンZのエネルギー供給部50を一括管理できることなどによって、より一層簡素な構造で光学素子材料100を加熱することができる。更には、従来のように加熱部自体に通電して発熱させる場合には、加熱部の数だけ制御系が必要となるが、例えば複数サイクル分を一つのエネルギー供給部(大きなランプヒーターなど)で加熱できれば、その分、制御系の数が減り、より一層簡素な構造で光学素子材料100を加熱することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、光学素子材料供給機構(移動手段の一例)60は、複数の加熱部10とエネルギー供給部50とのうち複数の加熱部10のみを移動させ、エネルギー供給部50は、固定されている。そのため、より一層簡素な構造で光学素子材料100を加熱することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、複数の加熱部10は、ループ状に配列され、光学素子材料供給機構(移動手段の一例)60は、複数の加熱部10とエネルギー供給部50とを、複数の加熱部10の配列方向に相対的に移動させる。そのため、加熱部10を循環させることで、より一層簡素な構造で光学素子材料100を加熱することができる。
【0061】
なお、エネルギー供給部50は、
図5B(第1変形例)に示すエネルギー供給部50−1のように、加熱部10の周囲において電流を流すことで、非接触で発熱部材12にエネルギー(電気エネルギーである電磁誘導)を供給し、発熱部材12を高周波加熱するものであってもよい。この場合、加熱部10が、発熱部材12にエネルギーを供給される
図5Bに示す位置(供給ゾーン)と、それ以外の位置(非供給ゾーン)とを通過するように、エネルギー供給部50―1が前進・後退するなどして加熱部10と相対的に移動すればよい。そのため、
図5Bに示すエネルギー供給部50−1は、加熱部10の周囲の全周を取り囲まないように(一部のみを取り囲むように)配置されている。
【0062】
また、本体部11が、
図5C(第2変形例)に示す本体部11−1のように、セラミックなどの、エネルギー供給部50によりエネルギーを供給されて発熱する材料からなるようにしてもよい。この場合、本体部11−1が発熱部材を兼ねるため、本体部11内に配置される発熱部材12を省略することができる。また、この場合、
図5Cに示すように、エネルギー供給部50−2は、本体部11の全体にエネルギーを供給するような大きさとするとよい。
【0063】
また、発熱部材12は、
図5D(第3変形例)に示す発熱部材12−1のように多孔質材料からなるようにしたり、或いは、気流方向(Z軸方向の上方)に貫通孔が形成されたものであったりしてもよい。これらの場合、発熱部材12の内部において、気体を効率良く加熱することができる。
【0064】
また、発熱部材12は、
図5E(第4変形例)に示す発熱部材12−2のように表面が凹凸形状のものであってもよい。なお、凹凸形状としては、数個ずつの凹部及び凸部からなるものであっても、無数の凹部及び凸部からなるものであってもよい。この場合、発熱部材12−2の表面において、気体を効率良く加熱することができる。
【0065】
また、
図5F(第5変形例)に示すようにエネルギー供給部50から供給されるエネルギーを反射する凹面鏡(エネルギー反射部材の一例)80を用いることで、エネルギー供給部50が加熱部10の周囲の一部分に配置されていても、発熱部材12をより広い範囲から発熱させることができる。凹面鏡80は、加熱部10と一緒に移動させてもよいし、加熱部10とは独立して、加熱部10と干渉しないように移動するようにしてもよい。
【0066】
また、本実施の形態では、光学素子材料供給機構(移動手段の一例)60は、複数の加熱部10を移動させることで、複数の加熱部10とエネルギー供給部50とを相対的に移動させるが、エネルギー供給部50のみを移動させるようにしても、加熱部10及びエネルギー供給部50の両方を移動させるようにしてもよい。
【0067】
なお、エネルギー供給部50を移動させる場合には、エネルギー供給部のON/OFFを切り替えることで、ON状態のエネルギー供給部50の位置が移動する場合を含む。また、エネルギー供給部50を移動させる場合には、エネルギー供給部50が、エネルギー供給部50に接続された配線等の移動を許容する部材(例えばスリップリング)に連結されているとよい。
【0068】
また、本実施の形態では、光学素子材料供給機構60は、複数の加熱部10を配列方向に周回移動させることで、加熱された光学素子材料100を第1の成形型21と第2の成形型との間に供給する位置に移動させるが、第1の可動型ユニット20及び第2の可動型ユニット30を加熱部10に対して移動させるようにしてもよい。
【0069】
図6は、本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造装置101を示す平面図である。
本実施形態の光学素子の製造装置101では、複数の加熱部110−1〜110−15は、直線状に配列されている。
図3に示す光学素子材料供給機構60と同様の図示しない光学素子材料供給機構は、複数の加熱部110−1〜110−15の全部を、配列方向(X軸方向)に移動させることで、光学素子材料100を第1の成形型(第1の可動型ユニット120)と第2の成形型(第2の可動型ユニット130)との間に供給する位置(加熱部110−15の位置)に移動させる。これらの点及びこれらに関する構成を除いて、本実施形態の光学素子の製造装置101は、上述の一実施の形態の光学素子の製造装置1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
加熱部110−1〜110−15は、15個配置されている。図示しない光学素子材料投入アームなどにより光学素子材料100−1が供給されるタイミングを1サイクル目とすると、供給ゾーンZに位置する8サイクル目から15サイクル目までの加熱部110において、光学素子材料100が加熱される。そして、15サイクル目の加熱部110において、第1の可動型ユニット120及び第2の可動型ユニット130により、光学素子材料100が加圧される。
【0071】
15個の加熱部110−1〜110−15のすべてが供給位置に到達した後には、最初に供給位置に到達した加熱部110−15を光学素子材料100の投入位置までX軸方向の反対方向に移動させ、改めて15サイクルの動作を行うようにするとよい。
【0072】
なお、本実施の形態においても、複数の加熱部110−1〜110−15ではなく、供給ゾーンZを構成する図示しないエネルギー供給部や第1の可動型ユニット120及び第2の可動型ユニット130を移動させるようにしてもよい。