特許第6006104号(P6006104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6006104
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】タブリードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20160929BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20160929BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20160929BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20160929BHJP
【FI】
   H01M2/34 B
   H01G11/74
   H01M2/26 A
   H01M2/30 B
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-270517(P2012-270517)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2013-211253(P2013-211253A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年10月6日
(31)【優先権主張番号】特願2012-43643(P2012-43643)
(32)【優先日】2012年2月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501428187
【氏名又は名称】昭和電工パッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(72)【発明者】
【氏名】畑 浩
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 拓郎
【審査官】 藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−076861(JP,A)
【文献】 特開2004−319098(JP,A)
【文献】 特開2008−016337(JP,A)
【文献】 特開2008−192451(JP,A)
【文献】 特開2012−022821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/02
H01M 2/06 − 2/08
H01M 2/26
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体と、該硬質体における前記絶縁フィルムとの当接側の面に積層された樹脂シート体と備え、前記樹脂シート体の表面における前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に膨隆部形成用凹陥部が設けられてなる加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【請求項2】
金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体を備え、該硬質体の前記絶縁フィルムとの当接面における前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に膨隆部形成用凹陥部が設けられてなる加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【請求項3】
金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体と、該硬質体における前記絶縁フィルムとの当接側の面に積層された樹脂シート体と備え、前記硬質体の前記当接側の面における前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に膨隆部形成用凹陥部が設けられ、前記樹脂シート体の一部が、前記硬質体の膨隆部形成用凹陥部内に埋入一体化されてなる加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【請求項4】
前記樹脂シート体のゴム硬度が20度〜95度である請求項またはに記載のタブリードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リチウムイオン2次電池等の2次電池用のタブリード、電気二重層キャパシター等の電気化学デバイス用のタブリード等として好適に用いられるタブリードに関する。
【0002】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、金属板に関して「長さ方向」の語は、該金属板における絶縁フィルムで被覆されていない両端部同士を結ぶ方向を意味し、金属板に関して「幅方向」の語は、該金属板の面内において前記長さ方向と直交する方向を意味する。
【0003】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「アルミニウム」の語は、アルミニウム及びその合金を含む意味で用いている。
【0004】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「樹脂」の語は、樹脂エラストマー、ゴムをも含む意味で用いている。
【0005】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「ゴム硬度」の語は、JIS K6253−2006に準拠して測定して得られるゴム硬度(ショアA)(度)を意味する。
【背景技術】
【0006】
2次電池(非水電解質リチウム2次電池等)やキャパシターには、外部に電気を取り出すためのタブリードが設けられている。2次電池では、タブリードは、一端が電池素子に接続され、対向する外装体フィルムに挟着され、他端が前記外装体フィルムの外側に導出されている。タブリードにおける外装体フィルムで挟着されるシール部では、熱融着による優れた接着性を備えていることが求められる。
【0007】
前記外装体フィルムは、中間層としてアルミニウム箔等の金属層を有しているので、この金属層とタブリード(金属)との短絡を防止するために、タブリードと外装体フィルムとの間に絶縁樹脂フィルムを介装一体化せしめることが行われている。
【0008】
例えば、正電極、負電極及び電解液を、金属箔を含む積層フィルムからなる封入袋に収納し、電極に接続したリード線を外部に取り出す構造の非水電解質電池であって、前記リード線の取り出し部分を覆うように前記封入袋のヒートシール温度では溶融しない絶縁層を備え、前記ヒートシール温度では溶融しない絶縁層の外側に、前記封入袋のヒートシール温度で溶融する絶縁層を備えていることを特徴とする非水電解質電池が公知である(特許文献1参照)。
【0009】
また、金属層と熱融着樹脂を含む熱融着樹脂層とを有するラミネートフィルムと、該ラミネートフィルムによって外装された電池素子と、該電池素子に接続され、対向する上記熱融着樹脂層との間に挟まれ、上記ラミネートフィルムの外側に延出されたリードと、上記リードと上記熱融着樹脂層との間に設けられ、熱融着樹脂と該熱融着樹脂に混合された微細樹脂繊維とを有するフィルム状のシーラント(絶縁フィルム)とを備えた電池が公知である(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3505905号公報
【特許文献2】特開2011−249343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、2次電池やキャパシターには、従前よりもさらに苛酷な使用条件でも十分な耐久性を備えていることが求められている。例えば、電池内部の電解液漏れを十分に防止するには、端子であるタブリードの両面に外装体をヒートシールする際により厳しいヒートシール条件を採用することによって解決することが可能である。
【0012】
しかしながら、このような従来よりも厳しいヒートシール条件を採用すると、タブリードの金属板と外装体の金属層との間に短絡を生じやすく、十分な絶縁性を確保できないという問題を生じる。
【0013】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、厳しいヒートシール条件を採用してタブリードに外装体をヒートシールした場合であっても、短絡を生じず、十分な絶縁性を確保できるタブリード及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0015】
[1]金属板の長さ方向の一部の領域の一方の面に樹脂製の第1絶縁フィルムが接着され、前記一部の領域の他方の面に樹脂製の第2絶縁フィルムが接着され、前記第1絶縁フィルムの両端部と前記第2絶縁フィルムの両端部とが相互に溶着一体化されてなり、
前記第1絶縁フィルムにおける、前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部が形成され、
前記第2絶縁フィルムにおける、前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部が形成されていることをことを特徴とするタブリード。
【0016】
[2]前記第1絶縁フィルムの第1膨隆部の最大厚さを「X」(μm)とし、前記第1絶縁フィルムにおける、前記金属板の幅方向の中間部に対応する位置の厚さを「Y」(μm)としたとき、
第1膨隆率(%)={(X−Y)/Y}×100
上記計算式で算出される第1膨隆率が1%〜100%の範囲であり、
前記第2絶縁フィルムの第2膨隆部の最大厚さを「V」(μm)とし、前記第2絶縁フィルムにおける、前記金属板の幅方向の中間部に対応する位置の厚さを「W」(μm)としたとき、
第2膨隆率(%)={(V−W)/W}×100
下記計算式で算出される第2膨隆率が1%〜100%の範囲であることを特徴とする前項1に記載のタブリード。
【0017】
[3]100μm≦Y≦250μmの関係式および100μm≦W≦250μmの関係式が成立する前項2に記載のタブリード。
【0018】
[4]前記第1膨隆部の頂点の位置は、該第1膨隆部に対応する前記金属板の端縁よりも幅方向の外方にあり、前記第2膨隆部の頂点の位置は、該第2膨隆部に対応する前記金属板の端縁よりも幅方向の外方にある前項1〜3のいずれか1項に記載のタブリード。
【0019】
[5]金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体と、該硬質体における前記絶縁フィルムとの当接側の面に積層されたゴム硬度が20度〜95度の樹脂シート体とを備えた加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【0020】
[6]前記熱プレス時において、前記加熱加圧具の温度が170℃〜250℃であり、前記加熱加圧具による加圧圧力が700N〜3000Nであり、熱プレス時間が3秒〜15秒である前項5に記載のタブリードの製造方法。
【0021】
[7]金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体と、該硬質体における前記絶縁フィルムとの当接側の面に積層された樹脂シート体と備え、前記樹脂シート体の表面における前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に膨隆部形成用凹陥部が設けられてなる加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【0022】
[8]金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体を備え、該硬質体の前記絶縁フィルムとの当接面における前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に膨隆部形成用凹陥部が設けられてなる加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【0023】
[9]金属板の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルムを重ね合わせた状態でこれらを上下一対の加熱加圧具で挟み込んで熱プレスすることによってタブリードを製造する方法において、
前記加熱加圧具として、
硬質体と、該硬質体における前記絶縁フィルムとの当接側の面に積層された樹脂シート体と備え、前記硬質体の前記当接側の面における前記金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に膨隆部形成用凹陥部が設けられ、前記樹脂シート体の一部が、前記硬質体の膨隆部形成用凹陥部内に埋入一体化されてなる加熱加圧具を用いることを特徴とするタブリードの製造方法。
【0024】
[10]前記樹脂シート体のゴム硬度が20度〜95度である前項7または9に記載のタブリードの製造方法。
【発明の効果】
【0025】
[1]の発明(タブリード)では、第1絶縁フィルムにおける、金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部が形成されると共に、第2絶縁フィルムにおける、金属板の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部が形成されているから、このタブリードに外装体を厳しいヒートシール条件でヒートシールしても、タブリードの金属板と外装体の金属層との間の短絡を防止できる。従って、例えば、電池内部の電解液漏れを防止するためにより厳しいヒートシール条件を採用してタブリードに外装体をヒートシールした場合であっても、短絡を生じず、十分な絶縁性を確保できる。
【0026】
[2]の発明では、タブリードと外装体(金属層含有)との間の短絡を十分に防止できる。
【0027】
[3]の発明では、タブリードと外装体(金属層含有)との間の短絡をより十分に防止できる。
【0028】
[4]の発明では、第1膨隆部の頂点の位置は、該第1膨隆部に対応する金属板の端縁よりも幅方向の外方にあり、第2膨隆部の頂点の位置は、該第2膨隆部に対応する金属板の端縁よりも幅方向の外方にある構成であるので、タブリードと外装体(金属層含有)との間の短絡をより確実に防止できる。
【0029】
[5]〜[10]の発明では、本発明に係るタブリードを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係るタブリードの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1におけるE−E線の断面図である。
図3】本発明に係るタブリードの他の実施形態を示す断面図である。
図4】本発明に係る、タブリードの製造方法の一例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)におけるF−F線の断面図である。
図5】本発明に係る、タブリードの製造方法で使用する加熱加圧具の他の例を示す断面図である。
図6】本発明に係る、タブリードの製造方法で使用する加熱加圧具のさらに他の例を示す断面図である。
図7】本発明に係る、タブリードの製造方法で使用する加熱加圧具のさらに他の例を示す断面図である。
図8】本発明のタブリードを用いて構成された電池の一実施形態を示す平面図である。
図9図8におけるG−G線の断面図である。
図10】実施例1で得られたタブリードの断面の光学顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係るタブリード1の一実施形態を図1、2に示す。前記タブリード1は、平面視矩形状の金属板2と、該金属板2の長さ方向の一部の領域の一方の面(上面)に接着された樹脂製の第1絶縁フィルム11と、前記一部の領域の他方の面(下面)に接着された樹脂製の第2絶縁フィルム12とを備える。
【0032】
前記第1絶縁フィルム11の両端部(左端部と右端部)は、いずれも、前記金属板2の幅方向の端縁より幅方向の外方にはみ出している。また、前記第2絶縁フィルム12の両端部(左端部と右端部)は、いずれも、前記金属板2の幅方向の端縁より幅方向の外方にはみ出している。
【0033】
前記第1絶縁フィルム11の一端部(左端部)と、前記第2絶縁フィルム12の一端部(左端部)とが相互に溶着一体化され、前記第1絶縁フィルム11の他端部(右端部)と、前記第2絶縁フィルム12の他端部(右端部)とが相互に溶着一体化されている(図1、2参照)。
【0034】
前記第1絶縁フィルム11における、前記金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部11a、11aが形成されている。また、前記第2絶縁フィルム12における、前記金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部12a、12aが形成されている(図2参照)。
【0035】
前記第1絶縁フィルム11における、前記第1膨隆部11a、11aで挟まれる中間部は、厚さが均一で表面が平坦な第1平坦部11bを形成している。
【0036】
また、前記第2絶縁フィルム12における、前記第2膨隆部12a、12aで挟まれる中間部は、厚さが均一で表面が平坦な第2平坦部12bを形成している。
【0037】
前記第1膨隆部11aの頂点の位置は、該第1膨隆部に対応する前記金属板2の端縁21、22に対応する位置(端縁の真上の位置)にあり、前記第2膨隆部12aの頂点の位置は、該第2膨隆部に対応する前記金属板2の端縁21、22に対応する位置(端縁の真下の位置)にある(図2参照)。
【0038】
上記構成に係るタブリード1では、第1絶縁フィルム11における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部11aが形成されると共に、第2絶縁フィルム12における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部12aが形成されているから、タブリード1に外装体(金属層52含有)50をヒートシールした際に(即ち、図9に示すようにタブリード1の長さ方向の中間部領域の両面の絶縁フィルム11、12を挟み込む態様で外装体50の縁部が配置され、この外装体50の縁部がヒートシールによってタブリード1に封止接合された際に)、厳しいヒートシール条件を採用した場合であっても、タブリード1の金属板2と外装体50の金属層52との間の短絡を防止することができる。
【0039】
本発明では、前記第1絶縁フィルム11の第1膨隆部11aの最大厚さを「X」(μm)とし、前記第1絶縁フィルム11の第1平坦部11b(第1絶縁フィルム11における、金属板2の幅方向の中間部に対応する位置)の厚さを「Y」(μm)としたとき、
第1膨隆率(%)={(X−Y)/Y}×100
上記計算式で算出される第1膨隆率が1%〜100%の範囲であるとともに、
前記第2絶縁フィルム12の第2膨隆部12aの最大厚さを「V」(mm)とし、前記第2絶縁フィルム12の第2平坦部12b(第2絶縁フィルム12における、金属板2の幅方向の中間部に対応する位置)の厚さを「W」(mm)としたとき、
第2膨隆率(%)={(V−W)/W}×100
上記計算式で算出される第2膨隆率が1%〜100%の範囲である構成が採用されるのが好ましい。
【0040】
本発明に係るタブリード1の他の実施形態を図3に示す。この実施形態では、第1膨隆部11aの頂点の位置は、該第1膨隆部に対応する金属板2の端縁21、22よりも(金属板の)幅方向の外方にあり、第2膨隆部12aの頂点の位置は、該第2膨隆部に対応する金属板2の端縁21、22よりも幅方向の外方にある。なお、前記実施形態(図2)と同一の構成部については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0041】
図3に示すタブリード1では、第1膨隆部11aの頂点の位置は、該第1膨隆部に対応する金属板2の端縁21、22よりも幅方向の外方にあり、第2膨隆部12aの頂点の位置は、該第2膨隆部に対応する金属板2の端縁21、22よりも幅方向の外方にあるので、タブリード1の金属板2と外装体50の金属層52との間の短絡をより確実に防止できる利点がある。
【0042】
前記金属板2の平面視形状は、特に限定されるものではないが、例えば、長方形、正方形等が挙げられる。
【0043】
前記金属板2の厚さは、0.1mm〜1mmの範囲であるのが好ましい。前記金属板2の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、正極用としては、アルミニウム板等が挙げられ、負極用としては、銅合金板、表面をニッケルメッキした銅板等が挙げられる。
【0044】
前記第1絶縁フィルム11の平面視形状及び第2絶縁フィルム12の平面視形状は、特に限定されるものではないが、例えば、長方形、正方形等が挙げられる。
【0045】
前記第1絶縁フィルム11の厚さY及び第2絶縁フィルム12の厚さWは、100μm〜250μmの範囲であるのが好ましい。前記第1絶縁フィルム11及び第2絶縁フィルム12の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。
【0046】
上記構成に係るタブリード1は、例えば、次のような方法で製造することができる。まず、本製造方法で使用する加熱加圧具30の一例を図4に示す。
【0047】
この加熱加圧具30は、硬質体31と、該硬質体31における絶縁フィルムとの当接側の面に積層一体化された樹脂シート体33とを備える。前記樹脂シート体33としては、ゴム硬度が20度〜95度の樹脂シート体を用いる。前記加熱加圧具30を2個準備して互いの樹脂シート体33が向き合う態様で一方を上方側に他方を下方側に配置して使用する(図4参照)。
【0048】
しかして、金属板2の長さ方向の一部の領域を被覆するように該金属板2の上下両面にそれぞれ樹脂製の絶縁フィルム11、12を重ね合わせた状態でこれらを前記上下一対の加熱加圧具30で挟み込んで熱プレスする(図4参照)。この時、上側の加熱加圧具30の樹脂シート体33の下面の凹部34の平坦面が、前記上側の絶縁フィルム11の上面に当接すると共に、下側の加熱加圧具30の樹脂シート体33の上面の凹部34の平坦面が、前記下側の絶縁フィルム12の下面に当接した状態で、熱プレスが行われる。
【0049】
前記熱プレスを行うことによって、図1〜3に示すタブリード1が得られる。即ち、金属板2の長さ方向の一部の領域の一方の面に樹脂製の第1絶縁フィルム11が接着され、前記一部の領域の他方の面に樹脂製の第2絶縁フィルム12が接着され、前記第1絶縁フィルム11の両端部と前記第2絶縁フィルム12の両端部とが相互に溶着一体化されてなり、前記第1絶縁フィルム11における、前記金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部11aが形成され、前記第2絶縁フィルム12における、前記金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部12aが形成されているタブリード1を製造することができる。
【0050】
図4に示す加熱加圧具30を用いた製造方法において、熱プレス時における、加熱加圧具30の温度は170℃〜250℃であるのが好ましい。また、熱プレス時における、加熱加圧具30による加圧圧力は700N〜3000Nであるのが好ましい。また、この熱プレス時における、熱プレス時間は3秒〜15秒であるのが好ましい。中でも、これら3つの好適条件を満たしているのが特に好ましく、この場合には、加熱加圧具30に膨隆部形成用凹陥部が存在していなくとも、前記第1、2膨隆部11a、12aを備えたタブリード1を確実に製造することができる。
【0051】
前記図4に示す加熱加圧具30に替えて、図5〜7に示す加熱加圧具30を使用して、図1〜3に示す構成のタブリード1を製造することができる。
【0052】
図5に示す加熱加圧具30は、硬質体31と、該硬質体31における前記絶縁フィルムとの当接側の面に積層された樹脂シート体33とを備え、前記樹脂シート体33の表面(非積層面)の凹部34における金属板の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に、膨隆部形成用凹陥部36が設けられている。
【0053】
この加熱加圧具30を2個使用して上記と同様にして熱プレスを行う。そうすると、上側の加熱加圧具30の樹脂シート体33の凹部34の下面が、前記上側の絶縁フィルム11の上面に当接すると共に、下側の加熱加圧具30の樹脂シート体33の凹部34の上面が、前記下側の絶縁フィルム12の下面に当接した状態で、熱プレスが行われ、この時、樹脂シート体33の表面(非積層面)の凹部34における金属板の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に、膨隆部形成用凹陥部36が設けられているので、第1絶縁フィルム11における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部11aが形成され、第2絶縁フィルム12における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部12aが形成されたタブリード1(図1〜3参照)を製造することができる。
【0054】
図6に示す加熱加圧具30は、硬質体31を備え、該硬質体31の絶縁フィルムとの当接面の凹部32における金属板2の幅方向の両端及びその近傍に対応する領域に、膨隆部形成用凹陥部35が設けられている。
【0055】
この加熱加圧具30を2個使用して上記と同様にして熱プレスを行う。そうすると、上側の加熱加圧具30の硬質体31の凹部32の下面が、前記上側の絶縁フィルム11の上面に当接すると共に、下側の加熱加圧具30の硬質体31の凹部32の上面が、前記下側の絶縁フィルム12の下面に当接した状態で、熱プレスが行われ、この時、硬質体31の凹部32における金属板の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に、膨隆部形成用凹陥部35が設けられているので、第1絶縁フィルム11における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部11aが形成され、第2絶縁フィルム12における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部12aが形成されたタブリード1(図1〜3参照)を製造することができる。
【0056】
図7に示す加熱加圧具30は、硬質体31と、該硬質体31における絶縁フィルムとの当接側の面に積層された樹脂シート体33と備え、硬質体31の前記当接側の凹部32における金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に、膨隆部形成用凹陥部35が設けられ、樹脂シート体33の一部が、硬質体31の凹部32内及び膨隆部形成用凹陥部35内に埋入一体化されてなる。前記樹脂シート体33の表面(非積層面)は、平坦面に形成されている。
【0057】
この加熱加圧具30を2個使用して上記と同様にして熱プレスを行う。そうすると、上側の加熱加圧具30の樹脂シート体33の下面(平坦面)が、前記上側の絶縁フィルム11の上面に当接すると共に、下側の加熱加圧具30の樹脂シート体33の上面(平坦面)が、前記下側の絶縁フィルム12の下面に当接した状態で、熱プレスが行われ、この時、硬質体31の積層面における金属板の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に、膨隆部形成用凹陥部35が設けられているので、この膨隆部形成用凹陥部35に対応する樹脂シート体33の部分が熱プレス時に窪みやすく、これにより、第1絶縁フィルム11における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第1膨隆部11aが形成され、第2絶縁フィルム12における、金属板2の幅方向の両端21、22及びその近傍に対応する領域に厚さ方向の外方に突出する第2膨隆部12aが形成されたタブリード1(図1〜3参照)を製造することができる。
【0058】
前記加熱加圧具30を構成する硬質体31の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属(アルミニウム、鉄等)などが挙げられる。
【0059】
前記加熱加圧具30を構成する樹脂シート体33の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂(ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等)、合成樹脂エラストマー(オレフィン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ウレタン系エラストマー等)、ゴム(フッ素系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等)などが挙げられる。
【0060】
前記樹脂シート体33のゴム硬度は、20度〜95度の範囲であるのが好ましい。前記樹脂シート体33としては、ゴム硬度の異なる複数種類の樹脂シートを積層したものを使用してもよい。
【0061】
前記樹脂シート体33に使用できる樹脂の物性値の例を3例以下に示すが、特にこのような特性値を有したゴムに限定されるものではない。
1)フッ素樹脂:熱膨張率3.0×10-4℃、熱伝導率0.2W/m・K、比熱1600J/kg・K
2)シリコーンゴム:熱膨張率1.6×10-4℃、熱伝導率0.23W/m・K、比熱1650J/kg・K。
【0062】
前記膨隆部形成用凹陥部35、36の深さDは、
凹み率(%)={深さD/(金属板の厚さ×0.5+絶縁フィルムの厚さ×0.5)}×100
上記計算式で算出される凹み率が5%〜100%の範囲になるように設定されるのが好ましい。なお、前記式中、絶縁フィルムの厚さは、上下の2枚の合計厚さである。
【0063】
本発明に係るタブリード1を用いて構成された電池60の一実施形態を図8に示す。本実施形態の電池60は、非水電解質リチウム2次電池である。この電池60は、フィルム状の正極とフィルム状の負極とがセパレータを介して重ね合わせ状に配置され、これら正極と負極の間に非水電解質が介在するように構成されてリチウムイオンの伝達により充放電可能に構成されたものである。これら正極、負極及び電解質を含んでなる電池本体部59は、外装体50により液密状態に被覆されている、即ち外装体50の内部に封入されている(図8参照)。
【0064】
前記正極に対して正極タブリード1の一端部が電気的に接続され、該正極タブリード1の他端部が前記外装体50の外部に露出されている(導出されている)(図8、9参照)。図9に示すように、前記正極タブリード1の長さ方向の中間部領域の両面の絶縁フィルム11、12を挟み込む態様で前記外装体50の縁部が配置され、この外装体50の内側層51の縁部がヒートシール等によってタブリード1の絶縁フィルム11、12に封止接合されている。
【0065】
また、前記負極に対して負極タブリード1の一端部が電気的に接続され、該負極タブリード1の他端部が前記外装体50の外部に露出されている(導出されている)(図8、9参照)。図9に示すように、前記負極タブリード1の長さ方向の中間部領域の両面の絶縁フィルム11、12を挟み込む態様で前記外装体50の縁部が配置され、この外装体50の内側層51の縁部がヒートシール等によってタブリード1の絶縁フィルム11、12に封止接合されている(図9参照)。
【0066】
前記正極としては、特に限定されるものではなく、例えば非水電解質電池用として公知の正極材料を用いることができ、具体的には例えば、正極活物質としてのリチウム塩(LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiFeO2)、導電剤であるカーボン粉末、結着剤としてのPVDFを混合した混合組成物を、正極集電体であるアルミニウム板の表面に塗布、乾燥して形成された正極などを例示できる。前記カーボン粉末としては、特に限定されるものではないが、例えば粉体の黒鉛、粒状の黒鉛、フラーレンの黒鉛、カーボンナノチューブ等を例示できる。
【0067】
また、前記負極としては、特に限定されるものではなく、例えば非水電解質電池用として公知の負極材料を用いることができ、具体的には例えば、負極活物質としての黒鉛粉末、結着剤としてのPVDFを混合した混合組成物を、負極集電体である銅板の表面に塗布、乾燥して形成された負極などを例示できる。
【0068】
また、前記電解質としては、特に限定されるものではなく、例えば非水電解質電池用として公知の非水電解質を用いることができる。この非水電解質としては、非水溶媒と電解質とを含有してなるゲル状のものが好適である。前記非水溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。前記電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6、LiClO4等が挙げられる。
【0069】
また、前記セパレータとしては、特に限定されるものではなく、例えば非水電解質電池用として公知のセパレータを用いることができる。具体的には、例えば、多孔質ポリプロピレン等が挙げられる。
【0070】
前記外装体50としては、例えば、金属箔層52の一方の面に耐熱性樹脂層(外側層)53が積層一体化されると共に、前記金属箔層52の他方の面に熱可塑性樹脂層(内側層)51が積層一体化されてなる外装体等が挙げられる。中でも、前記外装体50としては、金属箔層52の上面に第1接着剤層を介して耐熱性樹脂層(外側層)53が積層一体化されると共に、前記金属箔層52の下面に第2接着剤層を介して熱可塑性樹脂層(内側層)51が積層一体化された構成であるのが好ましい。
【0071】
前記耐熱性樹脂層(外側層)53としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、前記耐熱性樹脂層2としては、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ナイロンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。なお、前記耐熱性樹脂層2は、単層で形成されていても良いし、或いは、例えばポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層(PETフィルム/ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていても良い。前記耐熱性樹脂層2の厚さは、12μm〜50μmであるのが好ましい。
【0072】
前記熱可塑性樹脂層(内側層)51は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させると共に、包材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
【0073】
前記熱可塑性樹脂層51としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂未延伸フィルム層であるのが好ましい。前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムにより構成されるのが好ましい。前記熱可塑性樹脂層51の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。
【0074】
前記金属箔層52は、外装体50に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層52としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられ、アルミニウム箔が一般的に用いられる。前記金属箔層52の厚さは、20μm〜100μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できると共に、100μm以下であることで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
【実施例】
【0075】
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
【0076】
<実施例1>
厚さ200μmの銅板の表面に厚さ2μmのニッケルメッキが施されてなる金属板(長さ50mm×幅50mm)2、および長さ70mm×幅10mm×厚さ100μmの樹脂製絶縁フィルム11、12を2枚準備する(図4参照)。
【0077】
また、金属製の略板状の硬質体31の片面にゴム硬度が60度のフッ素樹脂製樹脂シート体33が積層一体化されてなる加熱加圧具30を上下一対準備する(図4参照)。前記樹脂シート体33における非積層面(熱プレス時に絶縁フィルムと当接する面)には、前記絶縁フィルムと平面視略同一形状の凹部34が形成されている。
【0078】
次に、前記金属板2の両面に、各面の長さ方向の一部の領域を被覆するようにそれぞれ、前記絶縁フィルム11、12を重ね合わせて配置し、これらを上下一対の前記加熱加圧具30で挟み込んで熱プレスする(図4参照)。この時、前記加熱加圧具30を互いの樹脂シート体33が向き合う態様でそれぞれ上下に配置する(図4参照)。前記熱プレス時における、前記加熱加圧具30の温度は190℃であり、加熱加圧具30による加圧圧力は1000Nであり、熱プレス時間は7秒である。このような熱プレスを行うことによって、図3に示す構成のタブリード1を得た。
【0079】
得られたタブリード1は、その断面の光学顕微鏡写真を撮影し、その拡大画像(図10参照)から、第1膨隆率が2.5%、第2膨隆率が2.5%であることがわかった。
【0080】
<実施例2>
熱プレス時における、加熱加圧具の温度を210℃、加熱加圧具による加圧圧力を1000N、熱プレス時間を7秒に設定した以外は、実施例1と同様にして、図3に示す構成のタブリード1を得た。
【0081】
得られたタブリード1は、その断面の光学顕微鏡写真を撮影し、その拡大画像から、第1膨隆率が50%、第2膨隆率が50%であることがわかった。
【0082】
<実施例3>
熱プレス時における、加熱加圧具の温度を240℃、加熱加圧具による加圧圧力を1000N、熱プレス時間を7秒に設定した以外は、実施例1と同様にして、図3に示す構成のタブリード1を得た。
【0083】
得られたタブリード1は、その断面の光学顕微鏡写真を撮影し、その拡大画像から、第1膨隆率が90%、第2膨隆率が90%であることがわかった。
【0084】
<比較例1>
熱プレス時における、加熱加圧具の温度を160℃、加熱加圧具による加圧圧力を1000N、熱プレス時間を7秒に設定した以外は、実施例1と同様にして、タブリードを得た。
【0085】
得られたタブリードは、その断面の光学顕微鏡写真を撮影し、その拡大画像から、第1膨隆率が0%、第2膨隆率が0%であり、膨隆部が形成されていないことがわかった。
【0086】
上記のようにして得られた各タブリードについて下記評価法に基づいて評価を行った。その結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
<絶縁性評価方法(短絡有無の評価)>
タブリード1の両面に、外装体50を重ね合わせた状態で、ヒートシール温度220℃、加圧圧力1.5kN、時間15秒でヒートシールする(図9参照)。前記外装体50として、厚さ40μmのアルミニウム箔(金属層)52の一方の面に厚さ20μmの2軸延伸ナイロンフィルム(外側層)53が積層され、前記アルミニウム箔の他方の面に厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(内側層)51が積層されてなる外装フィルムを用いる。なお、外装体をヒートシールする際の前記条件は、一般的な条件よりも厳しい条件である。
【0089】
次に、タブリードの両面に外装体をヒートシールしたものについてその断面の光学顕微鏡写真を撮影し、その拡大画像を観察することによって、タブリードの金属板2と、外装体の金属層52との間の短絡の有無を調べ、短絡のないものを「○」(合格)とし、短絡が認められたものを「×」(不合格)とする。
【0090】
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜3のタブリードは、これに外装体を厳しいヒートシール条件でヒートシールしても、タブリードの金属板と外装体の金属層との間に短絡を生じず、十分な絶縁性が確保されていた。従って、例えば、電池内部の電解液漏れを防止するために厳しいヒートシール条件を採用して本発明のタブリードに外装体をヒートシールした場合であっても、短絡を生じず、十分な絶縁性を確保できる。
【0091】
これに対し、膨隆部を備えていない比較例1のタブリードでは、これに外装体を厳しいヒートシール条件でヒートシールすると、短絡を生じていた。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係るタブリードは、例えば、リチウムイオン2次電池等の2次電池や、キャパシター等の電気化学デバイスの電気端子として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0093】
1…タブリード
2…金属板
11…第1絶縁フィルム
11a…第1膨隆部
11b…第1平坦部
12…第2絶縁フィルム
12a…第2膨隆部
12b…第2平坦部
21…金属板の端(端縁)
22…金属板の端(端縁)
30…加熱加圧具
31…硬質体
32…凹部(硬質体)
33…樹脂シート体
34…凹部(樹脂シート体)
35…膨隆部形成用凹陥部(硬質体)
36…膨隆部形成用凹陥部(樹脂シート体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10