(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6006370
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】サーバベースの番組記録スケジューリング
(51)【国際特許分類】
H04N 5/76 20060101AFI20160929BHJP
【FI】
H04N5/76 Z
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-113530(P2015-113530)
(22)【出願日】2015年6月3日
(62)【分割の表示】特願2011-526027(P2011-526027)の分割
【原出願日】2008年11月3日
(65)【公開番号】特開2015-173504(P2015-173504A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】12/205,761
(32)【優先日】2008年9月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502099382
【氏名又は名称】ティヴォ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100092048
【弁理士】
【氏名又は名称】沢田 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】バートン、ジェイムズ
【審査官】
松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2005/015906(WO,A1)
【文献】
特開2002−158951(JP,A)
【文献】
特開2002−185876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/38−5/46
5/76
5/765
5/80−5/91
5/915
5/92
5/922
5/928−5/93
5/937−5/94
5/95−5/956
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の動作を行うように構成されているサーバであって、
ネットワークを介して、第1のセットトップデジタルビデオレコーダから、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに記録するよう既に指示した2つ以上の番組の第1の集合を特定する第1の情報を受信する動作、
前記第1の情報に基づいて、前記2つ以上の番組の前記第1の集合内の番組の少なくとも2つの放送を記録するための第1のスケジュールを決定する動作であって、前記少なくとも2つの放送番組の少なくとも1つの放送番組が、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダでチューナにより受信可能である、動作、
前記記録するための第1のスケジュールを、前記サーバのコンピュータ可読媒体に格納されている前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに対する第1の全体記録スケジュールに結合する動作であって、複数のセットトップデジタルビデオレコーダに対する複数の全体記録スケジュールも、前記サーバの前記コンピュータ可読媒体に格納されている、動作、
単一のエンティティとして、前記第1のスケジュールを、前記ネットワークを介して前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに送信する動作
を行うように構成された、サーバ。
【請求項2】
前記第1の情報内で特定される各番組に関して、(a)その番組の放送が始まる日付、(b)その番組の放送が始まる時間、および(c)その番組の放送が行われるチャンネル、を決定するようにさらに構成された、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダとは別の第2のセットトップデジタルビデオレコーダから前記ネットワークを介して、前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが記録するよう前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダに既に指示した2つ以上の番組の第2の集合を特定する第2の情報を受信し、
前記第2の情報に基づいて、前記2つ以上の番組の前記第2の集合内の番組の少なくとも1つの放送を記録するための第2のスケジュールを決定し、
前記第2のスケジュールを前記コンピュータ可読媒体に格納し、
前記第2のスケジュールを前記ネットワークを介して前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダに送信するようにさらに構成された、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダから前記第1の情報を受信することに応じて、前記第1の情報を前記コンピュータ可読媒体に格納し、
前記ネットワークを介して、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダ以外の装置から、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが前記第1の情報に対して行いたいと望む変更を示す変更情報を受信し、
前記第1の情報を受信することに応じて、前記第1の情報を変更し、それによって、変更された第1の情報を生成し、
前記変更された第1の情報を前記コンピュータ可読媒体に格納し、
前記変更された第1の情報に基づいて修正されたスケジュールを生成し、
前記ネットワークを介して前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに前記修正されたスケジュールを送信するようにさらに構成された、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記サーバが前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダの代わりに前記第1のスケジュールを生成するように構成され、それによって前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダが前記第1のスケジュールを生成する負荷を軽減する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サーバが、前記サーバ上にある番組リストの第1版を、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに格納された前記番組リストの第2版と同期させるように構成され、前記番組リストの前記第1版は前記2つ以上の番組の第1の集合を特定し、前記第2版が前記第1版とは異なる、請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
ネットワークを介して、サーバにおいて、第1のセットトップデジタルビデオレコーダから、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに記録するよう既に指示した2つ以上の番組の第1の集合を特定する第1の情報を受信するステップと、
前記第1の情報に基づいて、前記2つ以上の番組の前記第1の集合内の番組の少なくとも2つの放送を記録するための第1のスケジュールを決定するステップであって、前記少なくとも2つの放送番組の少なくとも1つの放送番組が、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダでチューナにより受信可能である、ステップと、
前記記録するための第1のスケジュールを、前記サーバのコンピュータ可読媒体に格納されている前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに対する第1の全体記録スケジュールに結合するステップであって、複数のセットトップデジタルビデオレコーダに対する複数の全体記録スケジュールも、前記サーバの前記コンピュータ可読媒体に格納されている、ステップと、
単一のエンティティとして、前記第1のスケジュールを、前記ネットワークを介して前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の情報内で特定される各番組に関して、(a)その番組の放送が始まる日付、(b)その番組の放送が始まる時刻、および(c)その番組の放送が行われるチャンネル、を決定するステップをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダとは別の第2のセットトップデジタルビデオレコーダから前記ネットワークを介して、前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが記録するよう前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダに既に指示した2つ以上の番組の第2の集合を特定する第2の情報をサーバにおいて受信するステップと、
前記第2の情報に基づいて、前記2つ以上の番組の前記第2の集合内の番組の少なくとも1つの放送を記録するための第2のスケジュールを決定するステップと、
前記第2のスケジュールを前記コンピュータ可読媒体に格納するステップと、
前記第2のスケジュールを前記ネットワークを介して前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダに送信するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダから前記第1の情報を受信することに応じて、前記第1の情報を前記コンピュータ可読媒体に格納するステップと、
前記ネットワークを介して、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダ以外の装置から、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが前記第1の情報に対して行いたいと望む変更を示す変更情報を受信するステップと、
前記第1の情報を受信することに応じて、前記第1の情報を変更し、それによって、変更された第1の情報を生成するステップと、
前記変更された第1の情報を前記コンピュータ可読媒体に格納するステップと、
前記変更された第1の情報に基づいて修正されたスケジュールを生成するステップと、
前記ネットワークを介して前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに前記修正されたスケジュールを送信するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記サーバにおいて前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダの代わりに前記第1のスケジュールを生成し、それによって前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダが前記第1のスケジュールを生成する負荷を軽減するステップをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記サーバにおいて、前記サーバ上にある番組リストの第1版を、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに格納された前記番組リストの第2版と同期させるステップをさらに含み、前記番組リストの前記第1版は前記2つ以上の番組の第1の集合を特定し、前記第2版が前記第1版とは異なる、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
命令を格納する、揮発性または不揮発性のコンピュータ可読格納媒体であって、前記命令が、1つ以上のプロセッサによって実行された場合、1つ以上のプロセッサに以下のステップを行わせ、それらのステップが、
ネットワークを介して、サーバにおいて、第1のセットトップデジタルビデオレコーダから、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに記録するよう既に指示した2つ以上の番組の第1の集合を特定する第1の情報を受信するステップと、
前記第1の情報に基づいて、前記2つ以上の番組の前記第1の集合内の番組の少なくとも2つの放送を記録するための第1のスケジュールを決定するステップであって、前記少なくとも2つの放送番組の少なくとも1つの放送番組が、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダでチューナにより受信可能である、ステップと、
前記記録するための第1のスケジュールを、前記サーバのコンピュータ可読媒体に格納されている前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに対する第1の全体記録スケジュールに結合するステップであって、複数のセットトップデジタルビデオレコーダに対する複数の全体記録スケジュールも、前記サーバの前記コンピュータ可読媒体に格納されている、ステップと、
単一のエンティティとして、前記第1のスケジュールを、前記ネットワークを介して前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに送信するステップと、
を含む、コンピュータ可読格納媒体。
【請求項14】
前記ステップがさらに、
前記第1の情報内で特定される各番組に関して、(a)その番組の放送が始まる日付、(b)その番組の放送が始まる時刻、および(c)その番組の放送が行われるチャンネル、を決定するステップを
さらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項15】
前記ステップが、さらに、
前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダとは別の第2のセットトップデジタルビデオレコーダから前記ネットワークを介して、前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが記録するように前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダに既に指示した2つ以上の番組の第2の集合を特定する第2の情報を、サーバにおいて受信するステップと、
前記第2の情報に基づいて、前記2つ以上の番組の前記第2の集合内の番組の少なくとも1つの放送を記録するための第2のスケジュールを決定するステップと、
前記第2のスケジュールを前記コンピュータ可読媒体に格納するステップと、
前記第2のスケジュールを前記ネットワークを介して前記第2のセットトップデジタルビデオレコーダに送信するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項16】
前記ステップが、さらに、
前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダから前記第1の情報を受信することに応じて、前記第1の情報を前記コンピュータ可読媒体に格納するステップと、
前記ネットワークを介して、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダ以外の装置から、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダのユーザが前記第1の情報に対して行いたいと望む変更を示す変更情報を受信するステップと、
前記第1の情報を受信することに応じて、前記第1の情報を変更し、それによって、変更された第1の情報を生成するステップと、
前記変更された第1の情報を前記コンピュータ可読媒体に格納するステップと、
前記変更された第1の情報に基づいて修正されたスケジュールを生成するステップと、
前記ネットワークを介して前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに前記修正されたスケジュールを送信するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項17】
前記ステップが、さらに、
前記サーバにおいて前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダの代わりに前記第1のスケジュールを生成し、それによって前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダが前記第1のスケジュールを生成する負荷を軽減する、ステップを含む、
請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項18】
前記ステップが、さらに、
前記サーバにおいて、前記サーバ上にある番組リストの第1版を、前記第1のセットトップデジタルビデオレコーダに格納された前記番組リストの第2版と同期させるステップをさらに含み、前記番組リストの前記第1版は前記2つ以上の番組の第1の集合を特定し、前記第2版が前記第1版とは異なる、
請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は概して、デジタルビデオレコーダ(DVR)に関する。本発明の実施形態は、より具体的には、これからテレビ放映される番組を実際に記録するDVRから離れて位置するサーバの電源の処理を使用して、それらの番組の記録をスケジューリングおよび調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本節に記載された手法は追求可能であるが、必ずしも以前に着想されたか追求された手法とは限らない。したがって、本明細書に別途示されない限り、本節に記載された手法は本出願の請求項に対する従来技術ではなく、本節に含まれることによって従来技術と認められることはない。
【0003】
高機能の現代のDVRは、将来いつかテレビ放映される予定の番組の記録のスケジューリングが可能である。DVRのユーザがテレビ放映されるシリーズのすべてのエピソードを記録することに関心がある場合、DVRのユーザは自分のDVRに、そのシリーズの「シーズンパス(season pass)」を得るよう指示することができる。そのような指示に応じて、DVRは自動的に、電子番組ガイド(「EPG」)データから、シリーズのエピソードが将来放映される予定の時間を決定する。通常、選択されたシリーズのエピソードがまさに放送されようとしているときにはいつも、DVRは、チャンネルをエピソードがまさに放送されようとしているチャンネルに自動的に合わせ、DVRのハードディスクドライブにそのエピソードを記録する。記録されたエピソードがDVRのハードディスクドライブに残っている限りの間、DVRのユーザはDVRに、ユーザのテレビジョンにエピソードを再生させるよう指示することができる。便利なことに、このことはDVRのユーザが関心を抱いた番組を、ユーザがその番組の放送時間以外の時間に見ることを可能にする。DVRのユーザは、その番組が放送される予定の正確な時刻をあらかじめ知っておく必要すらない。
【0004】
本明細書では、「番組」とはテレビジョンのディスプレイおよび/またはスピーカを介して提示される、可視および/または可聴の任意のコンテンツである。例えば、番組は複数エピソードのシリーズ中の1エピソード、映画、スポーツイベント、またはニュースであってもよいが、これは「番組」の排他的な羅列ではない。DVRが将来の記録のために番組をスケジューリングするとき、DVRは番組に、DVRがDVR自身の記憶機構内に維持する「すること(to do)」リストを加えようとする。DVRの「すること」リスト上の番組が放映されるときにはいつも、DVRは自動的にその番組を記録する。
【0005】
しかしながら、DVRがDVRの「すること」リストに番組を加える前に、その番組のいずれかの部分が、すでに「すること」リストにある任意の他の番組が放送される予定である時刻と同じ時刻に放送される予定であるかどうかを、DVRは決定する。DVRが(多くのDVRがそうであるように)一度に1つの番組のみを記録できる場合、そしてDVRがDVRの「すること」リストに加えようとしている「新しい」番組のいずれかの部分が、すでに「すること」リスト上にある他の番組が放送される予定の時間帯と同じ時間帯の最中に放送される予定の場合、これら2つの番組は互いに衝突する。DVRが「新しい」番組をその「すること」リストに加えることが可能になる前に、DVRは番組間の衝突を解消する必要がある。
【0006】
DVRが番組間の衝突を解消することが可能な方法が複数ありうる。例えば、DVRが衝突を検出したときに、DVRはDVRのユーザに、これらの番組は放送予定の時間帯が少なくとも部分的に重なるので衝突した番組の両方の記録はできない旨、知らせてもよい。DVRはDVRのユーザに、衝突した番組の一方または他方を選択することを求めてもよい。DVRはDVRの「すること」リスト上に選択された番組を配置する(または維持する)。DVRは選択されなかった番組をDVRの「すること」リストから取り除く(または選択されなかった番組をDVRの「すること」リストに加えることを差し控える)。選択されなかった番組が属するシリーズに複数のエピソードがある場合、DVRはDVRのユーザに、すでに「すること」リストにある番組と衝突しないシリーズのすべてのエピソードの記録をスケジューリングするという選択肢を与えてもよい。
【0007】
この選択肢を提供するために、DVRは、DVRのユーザが選択した複数の「シーズンパス」を含む「優先リスト」を維持してもよい。各「シーズンパス」は、DVRのユーザがDVRに自動的に記録してほしいと望むエピソードを有するシリーズを示す。「優先リスト」内の「シーズンパス」は順位づけされて維持される。1つの「シーズンパス」からの番組の記録が別の「シーズンパス」からの番組の記録と衝突する場合、DVRはより高い順位の「シーズンパス」からの番組をDVRの「すること」リストに配置し、より低い順位の「シーズンパス」からの番組をDVRの「すること」リストに配置することを差し控える。
【0008】
DVRのユーザはDVRに、DVRの「優先リスト」内にある「シーズンパス」の順位を変更することを指示してもよい。そのような変更は、例えば、DVRのユーザが「優先リスト」に新しい「シーズンパス」を追加することに応じて起こりうる。いかなる理由であれ「シーズンパス」の順位が変更された場合、DVRはそれに応じて、「すること」リストにあるべき番組を再決定する。「優先リスト」内の「シーズンパス」の順位変更はしばしば、DVRに、「すること」リストからいくつかの番組を取り除かせ、「すること」リストに他の番組を加えさせるだろう。これは計算的に激しいタスクでありうる。DVRが大きな処理リソースを有しない場合、このタスクはかなりの時間の間DVRを占めうる。その最中、DVRは何らかの他のタスクを実施することができないかもしれない。しかしながら、DVRが大きな処理リソースと共に構成される場合、DVRの金銭的支出はかなり増加し、潜在的なDVRの購入者に対してDVRはより魅力的でなくなる。加えて、DVRが多くの機能を実施するセットトップボックスの部分である場合、セットトップボックスはDVR部分が利用可能な部分がセットトップボックスの処理リソースのわずかな部分しかDVR部分に利用可能としないことがある。
【0009】
本発明は、例として、しかし限定としてではなく、添付の図面の図において図示され、同一の参照符号は同一の要素に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態が実装されるシステムの例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、DVRに代わってサーバにおいて、スケジューリングされた番組記録の「すること」リストを生成するための技法の例を示すフロー図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、DVRの内部構造および動作の例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態が実装されるデジタルビデオレコーダを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
近々放映される番組の記録をスケジューリングする装置および方法が記載される。以下の記載においては、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細部が記載される。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細部なしに実施されてもよいことは当業者には明らかである。他の例では、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるように、周知の構造または装置がブロック図形式において示される。
【0012】
実施形態は本明細書において以下の概要に従って記述される。
1.0 全体の概観
2.0 DVRの概観
3.0 DVRに代わってのサーバにおける番組の記録のスケジューリング
4.0 実施の機構−ハードウェアの概観
5.0 拡張例および代替例
【0013】
1.0 全体の概観
先述の背景技術で特定された需要、および以下の記載において明らかになる他の需要および目的が、本発明において達成される。それは、一態様では、DVRから遠くに位置するサーバがDVRに代わって近々放送される番組の記録をスケジューリングして、これらの記録のスケジューリングにおけるDVRの計算負荷を軽減する方法を含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、DVRは、DVRのユーザがDVRに将来記録するように指示した単一の番組、番組の集合、および/または複数エピソードのシリーズを示す情報を、インターネットを介して、DVRから遠くに位置するサーバに送信する。情報はまた、番組および/または集合内のシリーズの互いに対する順位を示してもよい。そのような順位はDVRのユーザによってあらかじめ特定されてDVRのハードディスクドライブに記憶されてもよい。DVRからの情報の受信に応じて、サーバは、将来放送されるときにDVRが記録すべき番組の「すること」リストを決定する。「すること」リストは、可能性のある他の情報と共に、(a)DVRが合わせるべきチャンネル、および(b)「すること」リスト内の番組を記録するためにDVRがチャンネルをこれらのチャンネルに合わせるべき日付および時刻、を示す。DVRのために「すること」リストを決定した後に、サーバは「すること」リストを、インターネットを介してDVRに返送する。DVRはサーバからインターネットを介して「すること」リストを受信し、「すること」リストをDVRのハードディスクドライブに記憶する。「すること」リスト上の番組が放送されるとき、DVRはリストに特定された日付および時刻にリストに特定されたチャンネルでそれらの番組を自動的に記録する。DVRはそれらの番組を、DVRのユーザが後に見ることのためにDVRのハードディスクドライブに記憶する。
【0015】
本発明の一実施形態では、DVRのための「すること」リストを決定する際に、サーバは、DVRのユーザが記録したい2つ以上の番組が、少なくとも部分的に重なる時間帯に放送される予定かどうかを決定する。言い換えれば、サーバは2つ以上のそのような番組の放送が衝突するかどうかを決定する。本発明の一実施形態では、2つ以上のそのような番組の放送が衝突する旨の決定に応じて、サーバはEPGデータを用いて、それらの番組から、そのすべて(またはできる限り多く)が衝突しない将来の放送の集合を見つけようとする。例えば、2つの番組の放送が衝突した場合、サーバは、他の番組の放送と衝突する番組の放送の代わりに記録することができる、一方の番組の後の放送を見つけようとしてもよい(しばしば、番組は複数の異なった日および/または時間に、潜在的には異なるチャンネルで、放送されることがある)。本発明のそのような実施形態では、サーバがそのような集合を見つけることができる場合、サーバはDVRに関する「すること」リストに、番組の、集合内で衝突しない放送を加える。代替として、本発明の一実施形態では、サーバが、DVRのユーザがDVRに記録してほしい番組の衝突しない放送の完全な集合を見つけることができない場合、相容れずに衝突する番組の放送のグループごとに、サーバは、DVRから得られた順位情報に基づいて、そのグループから、グループ内の番組のうち最も高い順位の番組の放送を選択する。サーバはこの放送を「すること」リストに加え、グループ内の他の放送を無視する。代替として、サーバは、衝突するプログラムの中から選択するようDVRのユーザに頼むように、DVRに指示してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態では、DVRがすでに記録してDVRのハードディスクドライブに記憶した番組が、最大限可能な時間の間、またはその番組の記録に関する「有効期限」が過ぎるまで、DVRのハードディスクドライブに残りうるように、サーバは「すること」リストを構成する。例えば、DVRのハードディスクドライブがいっぱいになったので特定の番組の新しい記録のスペースをつくるために少なくとも1つの記録された番組が削除されることが必要になる時間を遅らせるために、サーバは、すでに記録された番組の「有効期限」が過ぎた後(したがって、特定の番組の記録のためのスペースをつくるためにハードディスクドライブから削除することができる)の放送である、特定の番組の次にある放送とは限らない将来の放送を見つけて「すること」リストに加えようとしてもよい。特定の番組の、より後の放送を選択することによって、サーバは、番組の記録がDVRのハードディスクドライブ上に視聴可能な状態で残る時間の量を最大にしようとすることができる。したがって、記録された番組が「有効期限」が過ぎる前にハードディスクドライブから削除されることがより少なくなる。
【0017】
本発明の一実施形態では、上記のようなサーバは、共にサーバから離れて、かつ互いに離れて位置してもよい複数の別々のDVRから、インターネットを介して情報を受信する。サーバがそのような情報を受信するDVRは異なる人によって所有されてもよく、異なる家に存在してもよい。そのようなDVRのそれぞれにおいて、サーバがそのDVRから受信する情報は、DVRのユーザがDVRに将来記録するよう指示した番組および/または複数エピソードのシリーズの集合を示す。情報はまた、集合内の番組および/またはシリーズの互いに対する順位を示してもよい。サーバがそのような情報を受信する元であるそれぞれのDVRにおいて、サーバはそのDVRに関する「すること」リストを決定してもよい。すなわち、サーバは異なるDVRには異なる「すること」リストを決定してもよい。サーバは、サーバが各DVRに関して決定した「すること」リストをその各DVRに送信する(例えば、上で説明した方法で)。これらのDVRは受信された「すること」リストを用いて、これらのDVRのユーザによって記録が望まれる番組を自動的に記録するために、チャンネルを適切な時間に適切なチャンネルに合わせる。したがって、本発明の一実施形態では、単一のサーバの計算力が複数の別々のDVRによって分配されて(例えば交替して)利用されてもよい。
【0018】
先述の技術の結果として、本発明の一実施形態では、DVRはより少ない処理リソースで構成されうる。このより安価な構成は、DVRの原価および価格の削減を可能とし、DVRを、それらのDVRの潜在的な購入者に対してより魅力的なものとする。対照的に、上記のサーバは、サーバがDVRの代わりに高速でタスクのスケジューリングを行うことを可能にする処理リソースを有する、より能力の高いコンピュータとして実装されてもよい。
【0019】
他の態様では、本発明の実施形態は先述の技術を実行するように構成されたコンピュータ装置とコンピュータ読み取り可能記憶媒体とを包含する。例えば、本発明の一実施形態では、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、サーバの上記の動作を実行するように、上記のようにサーバに指示するコードを記憶する。他の例では、本発明の一実施形態では、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、上記のようにサーバと対話するようにDVRに指示するコードを記憶する。
【0020】
2.0 DVRの概観
図3は、本発明の一実施形態による、内部構造とDVRの動作の例を示すブロック図である。一実施形態では、DVR302は一般的に複数の構成要素を有し、それは、アナログテレビジョン信号をデジタル化してデジタルデータストリームに変換するかデジタルデータストリームを受け入れるために必要な、信号変換器354によって示される。内部構造およびDVRの動作の例はさらに米国特許第6233389号明細書において記載される。
【0021】
DVR302は、アンテナ、ケーブルテレビシステム、衛星受信器などからの放送信号を、入力352Aを介して受信する。入力352Aは、複数の信号が同時に受信および記録されることを可能にする、複数のチャンネル合わせモジュールを有してもよい。例えば、入力352Aによって受信されたTV入力ストリームは、全国テレビジョン方式委員会(NTSC)準拠の信号またはPAL準拠の放送信号の形態をとってもよい。他の例によれば、入力352Aによって受信されるTV入力ストリームはデジタルサテライトシステム(DSS)準拠の信号、デジタル放送サービス(DBS)準拠の信号、またはアドバンスドテレビジョン方式委員会(ATSC)準拠の信号などのデジタル形式をとってもよい。DBS、DSS、およびATSCは動画エキスパートグループ2(MPEG−2)およびMPEG−2トランスポートと呼ばれる規格に基づく。MPEG−2トランスポートは、テレビ受信器が入力ストリームを逆アセンブル(disassemble)して、多重化された信号内から番組を見つけることを可能にするように、TV発信元送信機からのデジタルデータストリームをフォーマットするための規格である。
【0022】
MPEG−2トランスポート多重化は、同一の放送チャンネル内に、複数の映像および音声放送および個人データを含む複数の番組をサポートする。入力352Aは特定の番組にチャンネルを合わせ、チャンネルから特定のMPEGストリームを抽出し、MPEGストリームをシステムの残りに供給する。アナログTV信号は別々の映像音声エンコーダを用いて同一のMPEGフォーマットにコード化され、したがってシステムの残りは信号がどのように得られたのかを知らない。情報は多くの標準的な方法でアナログTV信号の垂直帰線期間(VBI)に変換されてもよい。例えば北米放送テレテキスト標準(NABTS)が用いられて情報をNTSC信号のある線上に変調してもよく、FCC(米国連邦通信委員会)は字幕(CC)および拡張データサービス(EDS)のために他のある線の使用を命じる。そのような信号は入力352Aによってデコードされて、あたかも信号がMPEG−2プライベートデータチャンネルを介して配信されたかのように、他のモジュールに送られる。
【0023】
記録モジュール360は、少なくとも1つの記憶装置にデジタルデータストリームを記憶することによって、入来するそのデータストリームを記録する。記憶装置は、デジタルデータストリームのセグメントを保持するように設計された記憶装置364A/164Bによって示される。記憶装置364A/164Bは、内部の364Aおよび/または外部の364Bである、1つ以上の不揮発記憶装置(例えばハードディスク、半導体ドライブ、USB外部ハードドライブ、USB外部メモリスティック、USB外部ソリッドステートドライブ、ネットワークにアクセス可能な記憶装置、など)であってもよい。信号変換器354はデータストリームのセグメントを検索し、データストリームをアナログ信号に変換し、そして信号をRF搬送波に変調し、出力352Bを通り、それを介して信号は標準のTVセットに配信される。出力352Bは代替として、TVセットまたは映像モニタにデジタル信号を配信してもよい。例えば、DVR302はDVIケーブルを介してTVにデジタル信号を送信するためにデジタルビジュアルインターフェイスポート(DVI)を利用してもよい。
【0024】
DVR302はまた通信インターフェイス362を含み、それを介してDVR302はネットワーク305と、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、モデム、または他の通信規格を通して通信する。さらに、DVR302はTVシステムに一体化されてもよく、よって上記構成要素は、DVR302の各構成要素の機能を実施可能なTVセット内に収納される。
【0025】
他の実施形態では、DVR302は一般的に、例えばPC、DVR、サービスプロバイダ、またはコンテンツサーバなどの複数の発信元からデジタルデータ信号を受信、記録、記憶、転送、および再生するために必要な、複数の構成要素からなる。DVR302は他のDVRまたはPCにデジタルデータ信号を転送することができる。DVR302はエンコーダ356Aおよびデコーダ356Bを介して、再生、記憶または転送のための複数のフォーマットにデジタル信号をコード化またはデコードしてもよい。本発明の一実施形態によれば、エンコーダ356AはMPEGストリームを生成する。本発明の他の実施形態によれば、エンコーダ356Aは異なるコーデックを用いてコード化されたストリームを生成する。デコーダ356Bはエンコーダ356Aによってコード化されたストリーム、またはストリームが適切なデコーダを用いて受信された場合のフォーマットで記憶されたストリームをデコードする。DVR302はまた、デジタルデータ信号を記憶、転送または再生する暗号化器/解号器358を用いてデジタルデータ信号を暗号化または解号することもできる。
【0026】
一実施形態では、DVR302はサービスプロバイダと通信する。サービスプロバイダは、プログラムガイドデータ、ブランドアイコンおよび画像などのグラフィカルリソース、サービス情報、ソフトウェアプログラム、広告、および、DVR302がサービスプロバイダから独立して動作して自立的な記録機能を実行することを可能にする他の形式のデータを供給する。DVR302とサービスプロバイダの間の通信は安全な配信アーキテクチャを使用して、サービスデータとユーザのプライバシーの両方が保護されるように、DVR302とサービスプロバイダの間でデータを転送する。
【0027】
3.0 DVRに代わってのサーバにおける番組の記録のスケジューリング
図1は、本発明の一実施形態が実装されてもよいシステム100の例を示すブロック図である。システム100はサーバ102、インターネット104、DVR106A−N、およびクライアント108A−Nを含む。DVR106A−Nは互いに異なる建物内にあってもよい。クライアント108A−Nは互いに異なる建物内にあってもよい。加えて、または代替として、クライアント108A−Nの1つ以上は移動型であってもよい。DVR106A−Nおよびクライアント108A−Nは、サーバ102がある建物とは別の建物内にある。DVR106A−Nおよびクライアント108A−Nはインターネット104および/またはいくつかの他のネットワークの組み合わせ(例えばローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、無線ネットワーク、電話回線など)を介してサーバ102と通信する。本発明の一実施形態では、DVR106A−Nおよびクライアント108A−Nはインターネットプロトコル(IP)および通信制御プロトコル(TCP)に基づいてインターネット104を介してメッセージを送信することによって互いに通信する。そのようなメッセージは例えば拡張マークアップ言語(XML)でフォーマットされてもよい。そのようなメッセージは、例えばインスタントメッセージの形態で送信されてもよい。本発明の一実施形態では、DVR106A−Nが互いに、およびサーバ102と安全に通信し、したがって外部の権限のない者がDVR106A−Nおよび/またはサーバ102の間の通信を解読することはできない。DVRが互いにおよびサーバと安全に通信することができる技法は、米国特許出願第10/220356号および米国特許出願第10/220558号に開示されており、これらの特許出願の両方は本明細書に完全に開示されたかのようにすべての目的において参照によって組み込まれる。
【0028】
クライアント108A−Nは異なる種類のデバイスであってもよい。例えばクライアント108A−Nのうち様々なものはパーソナルコンピュータであっても、ラップトップコンピュータであっても、セルラー電話であっても、携帯情報端末(PDA)であっても、および/または他のデバイスであってもよい。例えばMozilla Firefoxなどのウェブブラウザアプリケーションが、クライアント108A−Nの1つ以上で実行されてもよい。そのようなウェブブラウザアプリケーションはインターネット104を介してサーバ102からウェブページを要求および受信してもよい。本発明の一実施形態では、サーバ102は、クライアント108A−Nに、クライアント108A−Nのユーザがサーバ102に提出するために情報を入力することができるフィールドを有するフォームを含むウェブページを提供する。そのような情報は、クライアント108A−Nのユーザが、DVR106A−Nの対応するものに記録してほしいと望む、番組および/または複数エピソードのシリーズを特定してもよい。DVR106A−Nのそれぞれは異なる識別子と関連づけられてもよい。クライアント108A−NはこれらのDVRに関連づけられた識別子を介して、これらのクライアントの通信に関するDVRを特定してもよい。
【0029】
本発明の一実施形態では、DVR106A−Nのそれぞれがハードディスクドライブを有し、そこにそのDVRは、そのDVRのユーザがそのDVRに自動的に記録してほしいことを望む、番組および/または複数エピソードのシリーズのリストを維持する。リモートコントロールを使用して、DVR106A−Nのいずれかのユーザは、DVRが提示したメニューから、ユーザが記録していてほしいと望む、番組および/または複数エピソードのシリーズを選択する。そのようなユーザの選択に応じて、選択が行われたDVRは、そのDVRの所望の記録のリストに、選択された番組および/または複数エピソードのシリーズを追加する。本発明の一実施形態では、DVR106A−NのそれぞれがDVRのハードディスクドライブ上に所望の記録の別々のリストを保持する。しかしながら、本発明の一実施形態では、DVR106A−Nはそれら自身のハードディスクドライブ上にプログラムのリストをそれぞれ保持しない。そのかわりに、本発明のそのような代替の実施形態では、サーバ102のみが、DVR106A−Nのそれぞれに関する所望の番組のリストを維持する。サーバ102は、例えばデータベース内にこの情報を維持してもよい。本発明のそのような代替の一実施形態では、DVR106A−Nのいずれかのユーザが記録のためにスケジューリングされるべき番組を選択することに応じて、そのDVRはサーバ102に、選択された番組の識別子のみを送信する。選択された番組の識別子の受信に応じて、サーバ102は、受信された番組識別子の送信元であるDVRに関連づけられた番組のリストを取ってきて、識別された番組を一時的にリストに加え、そしてそのDVRに関する「すること」リストを(以下でより詳細に説明するように)計算する。識別された番組の一時的にスケジューリングされた記録と、DVRの「すること」リストに示された他のスケジューリングされた記録と、の間に衝突が検出されない場合、サーバ102はDVRの「すること」リストに、識別された番組のスケジューリングされた記録を恒久的に加え、更新された「すること」リストをDVRに送信する。代替として、本発明のそのような代替の一実施形態では、衝突が存在する場合、サーバ102はDVRに、衝突しているスケジューリングされた記録の中から選択するようユーザに頼むように指示する。ユーザが選択した後に、DVRはユーザの選択結果をサーバ102に送信し、サーバ102はそれに応じてDVRの「すること」リストを更新し、修正された「すること」リストをDVRに返信する。本発明のそのような代替の一実施形態では、DVR106A−Nのいずれにも、記憶された番組の中に所望のリストがない。記録をスケジューリングする技法は、米国特許出願第09/422121号に開示されており、この特許出願は本明細書に完全に開示されたかのようにすべての目的において参照によって組み込まれる。
【0030】
本発明の一実施形態では、DVR106A−Nのそれぞれに関して、サーバ102はそのサーバのハードディスクドライブ上に所望の記録の別々のリストを維持する。本発明の一実施形態では、クライアント108A−Nはインターネット104を介してサーバ102と対話し、サーバ102に記憶された所望の記録リストに変更を加える。周期的に(例えば15分ごとに)、および/または特定のイベント(例えば、DVRの所望の記録リストへの新しい番組の追加またはDVRの所望の記録リストからの番組の削除)に応じて、サーバ102はDVR106A−Nに同期する(異なる時にサーバ102はDVR106A−Nの異なる1つと同期してもよい)。本発明の一実施形態では、特定のDVRに同期している間、サーバ102は(a)インターネット104を介して、特定のDVRに記憶された所望の記録リストを受信し、(b)(特定のDVRに関して)このリストを、サーバ102に記憶された対応する所望の記録リストに結合し、(c)結合された所望の記録リストをサーバ102に記憶し、(d)結合された所望の記録リストを、インターネット104を介して特定のDVRに返信する。結合された所望の記録リストの受信に応じて、特定のDVRは結合された所望の記録リストをそのDVRのハードディスクドライブに記憶する。同期の結果として、サーバ102に記憶される所望の記録リストと特定のDVRに記憶される所望の記録リストは同じものとなる。本発明の一実施形態では、サーバ102またはDVR106A−Nの1つのいずれかで所望の記録リストに変更が行われた場合はいつも、変更が行われたエンティティは変更が行われなかったエンティティ(例えば、サーバ102またはDVR106A−Nの適切な1つ)にインスタントメッセージを送信し、行われた変更を示す。そのようなインスタントメッセージを受信するエンティティは、所望の記録リストのローカルに記憶された版に変更を自動的に加えてもよい。しかしながら、上記のように、本発明の代替実施形態においては、DVR106A−Nのそれぞれに関する所望の番組リストがサーバ102にのみ記憶され、DVR106A−Nには記憶されない。本発明のそのような代替の一実施形態では、上記のような、所望の番組リストのDVRサーバ同期は一切実行されない。
【0031】
本発明の一実施形態では、所望の記録リストのそれぞれがユーザ優先明細および順位に従って順序づけられる。DVR106A−Nおよび/またはクライアント108A−Nを介して、ユーザは所望の記録リスト上の番組およびシリーズの順位を変更することができ、よって、所望の記録リスト上で、1つの番組および/またはシリーズは他の番組および/またはシリーズよりも高い、または低い記録優先度を有する。
【0032】
周期的に、および/または特定のイベント(例えば、DVRの所望の記録リストの変更)に応じて、サーバ102は各DVR106A−Nに関して「すること」リストを生成する。サーバ102はEPGデータに基づいた特定のDVRに関する「すること」リストを生成し、特定のDVRに関する所望の記録リストを生成する。本発明の一実施形態では、特定のDVRに関する「すること」リストの生成にさきがけて、サーバ102は上記の方法でこの特定のDVRと同期し、サーバ102に記憶された特定のDVRの所望の記録リストの版が、特定のDVR上に記憶された版と同じであることを保証する。しかしながら、上記の本発明の一実施形態では、サーバ102のみが特定のDVRの所望の記録リストを記憶し、同期は一切起こらない。サーバ102は上記のように特定のDVRに関する「すること」リストを生成する。本発明の一実施形態では、サーバ102は、特定のDVRの「すること」リストに、特定のDVRの所望の記録リスト内の番組のすべておよびシリーズの(EPGデータから)知られているエピソードのすべてに関する放送を加えようとする。特定のDVRの所望の記録リストが複数エピソードのシリーズを示す場合、サーバ102はそのシリーズに属するすべてのエピソードに関するEPGデータを検索し、「すること」リストを生成する目的で所望の記録リスト内の別々の番組としてこれらのエピソードのそれぞれを処理する。
【0033】
本発明の一実施形態では、特定のDVRのハードディスクドライブにすでに記録されて記憶された他の番組の放送が、それらの記録された放送の有効期限切れまでの可能な最大の時間の間、特定のDVRのハードディスクドライブに残り、削除または上書きをされないように、サーバ102は特定のDVRの「すること」リストに番組の放送をスケジューリングしようとする。特定のDVRに関する「すること」リストを生成する際に、サーバ102は特定のDVRの所望の記録リスト内の優先順位を用いて、少なくとも部分的に重なり合う時間帯が発生する番組の放送どうしの衝突を解決する。
【0034】
上記のように、本発明の一実施形態では、「すること」リストは、「すること」リスト上のスケジューリングされた番組の放送ごとに関して、スケジューリングされた番組の放送の記録が開始および終了する日付および時刻と、スケジューリングされた番組が放送される予定のチャンネルを示す。サーバ102がEPGデータプロバイダから周期的にかつ自動的に得るEPGデータから、サーバ102は、将来の番組の放送に関するそのような開始および終了の日付および時刻を収集してもよい。
【0035】
サーバ102がDVR106A−Nのうち特定のDVRに関する「すること」リストを生成した後、サーバ102は「すること」リストをローカルハードディスクドライブ上に記憶し、また、インターネット104を介して特定のDVRに「すること」リストを送信する。本発明の一実施形態では、サーバ102はDVR106A−Nのそれぞれとの持続性の接続(例えば持続性のTCP接続)を常に維持し、それらの持続性の接続を介してDVR106A−Nと通信する。本発明の一実施形態では、これらの持続性の接続は「インスタントメッセージ」アプリケーション(例えばYahoo Instant Messenger)によって用いられるのと同じ種類の「インスタントメッセージ」接続であり、情報はインスタントメッセージを介してサーバ102とDVR106A−Nの間で通信される。サーバ102からの「すること」リストの受信に応じて、DVR106A−Nのうちの特定のDVRは「すること」リストを特定のDVRのハードディスクドライブに記憶する。その後、「すること」リスト上のスケジューリングされた番組の放送に関する日付および時刻が現在の日付および時刻になろうとするときはいつでも、特定のDVRはチャンネルをそのスケジューリングされた番組の放送に関する「すること」リストに示されたチャンネルに合わせ、番組の放送の記録を開始し、特定のDVRのハードディスクドライブ上に番組を記録する。特定のDVRは、スケジューリングされた番組の放送に関して示された終了の日付および時刻に達するまで、示されたチャネルから記録する。上記の本発明の一実施形態はテレビ放映されたコンテンツの記録をスケジューリングするが、本発明の代替の実施形態では、インターネットを介してアクセスおよび視聴可能なコンテンツ(そのようなコンテンツは、従来の方法でもテレビ放映されるかもしれないし、されないかもしれない)のスケジューリングを同様に含んでもよい。例えば、本発明の一実施形態では、サーバ102は、Amazon Un−Boxを介して、および/またはYouTubeから、ダウンロードおよび/またはストリーミング可能なコンテンツの「すること」リストを生成する。本発明のそのような一実施形態では、サーバ102はこのリストをDVRに送信する。「すること」リストはテレビ放映されるコンテンツとインターネットでダウンロード/ストリーミング可能なコンテンツとの組み合わせを含んでもよい。
【0036】
したがって、本発明の一実施形態では、DVR106A−Nは「すること」リストを全く生成しない。本発明のそのような一実施形態では、DVR106A−Nに関する「すること」リストは上記の方法でサーバ102によって排他的に生成される。DVR106A−Nは、本発明のそのような一実施形態では、「すること」リストを生成する必要がないため、DVR106A−Nはより能力が低く、より安価な処理リソースで構成されてもよい。DVR106A−Nが組み込まれるであろうセットトップボックスは、DVRに特定のタスクに充当する処理リソースと処理時間を、より少なくすることができる。
【0037】
本発明の一実施形態では、DVR106A−Nの1つ以上はまた、クライアント108A−Nの1つと同じ能力で作動する。例えば、所望の番組のリストがサーバ102上に記憶される場合、DVR106Aのユーザは、何らかのウェブブラウザクライアントアプリケーションが行うのと同様に、リストをトランスペアレントに修正するかもしれない。そのような場合には、DVR106Aのユーザはリストを見るように頼むかもしれない。これに応じて、DVR106Aはリストのコピーをサーバ102から検索してリストをユーザに提示するかもしれない。ユーザはしたがって、DVR106Aによって提示されるユーザインターフェイスを介してリストを修正するかもしれない。ユーザがリストの修正を終えた後、DVR106Aはサーバ102にリストを返送するかもしれない。サーバ102はそれに応じて、DVR106Aから受信された修正されたリストに基づいて「すること」リストを生成し、その後でサーバ102はDVR106Aに「すること」リストを返送するかもしれない。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態による、DVRに代わってサーバにおいて、スケジューリングされた番組の記録の「すること」リストを生成するための技法の例を示すフロー図である。本発明の一実施形態では、図示された技法のステップのうち少なくともいくつかはサーバ102によって行われる。ブロック202において、サーバはインターネットを介してDVRから、DVRのユーザがDVRに将来記録するよう指示した番組および/または複数エピソードのシリーズの集合を示す情報を受信する。本発明の一実施形態では、この情報が示すものは、DVRのユーザがDVRに記録するよう単に指示した単一の番組の識別子にすぎないかもしれない。ブロック204において、DVRからの情報を受信することに応じて、サーバは番組が将来放送されるときにDVRが記録すべきそれらの番組の「すること」リストを決定する。「すること」リストは、可能性のある他の情報の中で、「すること」リスト内の番組を記録するために(a)DVRが合わせるべきチャンネルと、(b)DVRがチャンネルをそれらのチャンネルに合わせるべき日付および時刻と、を示す。ブロック206において、DVRに関する「すること」リストを決定した後、サーバはインターネットを介してDVRに「すること」リストを返送する。ブロック208において、DVRはインターネットを介して「すること」リストをサーバから受信し、「すること」リストをDVRのハードディスクドライブに記憶する。「すること」リスト上の番組が放送されるとき、DVRはリストに特定された日付および時刻ならびにリストに特定されたチャンネルでそれらの番組を自動的に記録する。DVRはDVRユーザによる後の視聴のためにDVRのハードディスクドライブにそれらの番組を記憶する。
【0039】
4.0 実施の機構−ハードウェアの概観
図4は、本発明の実施形態が実装されてもよいコンピュータシステム400を示すブロック図である。コンピュータシステム400はバス402または情報を通信するための他の通信機構と、バス402と結合されており情報を処理するためのプロセッサ404と、を含む。コンピュータシステム400はまた、バス402に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶装置などの、情報およびプロセッサ404によって実行される命令を記憶するためのメインメモリ406を含む。メインメモリ406はまた、プロセッサ404によって実行される命令の実行の間、一時的な変数または他の中間情報を記憶するために用いられてもよい。コンピュータシステム400はさらに、バス402に結合された、プロセッサ404のために静的情報および命令を記憶するためのリードオンリーメモリ(ROM)408または他の静的記憶装置を含む。情報および命令を記憶するための磁気ディスクまたは光ディスクなどの記憶装置410が提供され、バス402に結合される。
【0040】
コンピュータシステム400はバス402を介して、例えば陰極線管(CRT)などの、コンピュータユーザに情報を示すためのディスプレイ412に結合されてもよい。情報およびコマンド選択をプロセッサ404に通信するための、英数字および他のキーを含む入力装置414が、バス402に結合される。他のタイプのユーザ入力装置は、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ404に通信し、ディスプレイ412上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、スタイラス、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御416である。この入力装置は典型的には、第1の軸(例えばx軸)および第2の軸(例えばy軸)である2つの軸において2つの自由度を有し、それは装置が平面上での位置を特定することを可能にする。
【0041】
本発明は、DVRの選択されたトリックプレイモードに応じた表示のために多フレーム映像番組のフレームを選択するためのコンピュータシステム400の使用に関する。本発明の一実施形態によれば、DVRの選択されたトリックプレイモードに応じた表示のために多フレーム映像番組のフレームを選択することは、メインメモリ406に含まれる1つ以上の命令の1つ以上の配列を実行するプロセッサ404に応じて、コンピュータシステム400によって提供される。そのような命令は他のコンピュータ読み取り可能媒体、例えば記憶装置410からメインメモリ406に読み取られてもよい。メインメモリ406に含まれる命令の配列の実行は、プロセッサ404に本明細書に記載された処理のステップを実行させる。代替の実施形態では、本発明を実施するためのソフトウェア命令の代わりに、または組み合わせて、ハードワイヤードの回路が用いられてもよい。したがって、本発明の実施形態はハードウェア回路およびソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0042】
本明細書で用いられる用語「コンピュータ読み取り可能媒体」は、プロセッサ404に実行の命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および送信媒体を含むがそれらに限定されない、多くの形態をとることができる。不揮発性媒体には、例えば、光または磁気ディスク、例えば記憶装置410などが挙げられる。揮発性媒体にはダイナミックメモリ、例えばメインメモリ406などが挙げられる。送信媒体には同軸ケーブル、銅線および、バス402を有するワイヤを含む光ファイバなどが挙げられる。送信媒体はまた、電波および赤外線データ通信の最中に生成されるものなどの、音波または光波の形態をとることもできる。
【0043】
コンピュータ読み取り可能媒体の共通の形態には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジが挙げられる。
【0044】
様々な形態のコンピュータ読み取り可能媒体が、実施のためにプロセッサ404への1つ以上の命令の1つ以上の配列を実行することに関与してもよい。例えば、命令はリモートコンピュータの磁気ディスク上で最初に実行されてもよい。リモートコンピュータはそのダイナミックメモリに命令をロードして、モデムを用いて電話線で命令を送信することができる。コンピュータシステム400にローカルなモデムが電話線上のデータを受信して、赤外線送信器を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。赤外線検出器が赤外線信号に搬送されたデータを受信して、適切な回路がバス402上にデータを流すことができる。バス402はメインメモリ406にデータを搬送し、メインメモリ406からプロセッサ404は命令を取り出して実施する。メインメモリ406によって受信された命令は、プロセッサ404による実施の前または後のいずれかに、記憶装置410上に、任意で記憶されてもよい。
【0045】
コンピュータシステム400はバス402に結合された通信インターフェイス418も含む。通信インターフェイス418はローカルネットワーク422に接続されたネットワークリンク420に、双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェイス418は、対応するタイプの電話線にデータ通信接続を提供する総合デジタル通信網(ISDN)カードまたはモデムであってもよい。他の例として、通信インターフェイス418は、互換可能なローカルエリアネットワーク(LAN)にデータ通信接続を提供するLANカードであってもよい。無線リンクが実装されてもよい。そのような任意の実装において、通信インターフェイス418は、様々なタイプの情報を示すデジタルデータストリームを搬送する電気的、電磁気的、または光信号を送信および受信する。
【0046】
ネットワークリンク420は一般的に1つ以上のネットワークを介して他のデータ装置にデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク420はローカルネットワーク422を介して、ホストコンピュータ424またはインターネットサービスプロバイダ(ISP)426によって操作されるデータ装置への接続を提供してもよい。同様に、ISP426は、「インターネット」428と一般的に呼ばれている世界的パケットデータ通信ネットワークを介してデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク422およびインターネット428は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気的、電磁気的、または光信号を用いる。デジタルデータをコンピュータシステム400へ、またはコンピュータシステム400から搬送する、様々なネットワークを介した信号およびネットワークリンク420上にあって通信インターフェイス418を介した信号は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形態をとる。
【0047】
コンピュータシステム400は、ネットワーク、ネットワークリンク420、および通信インターフェイス418を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ430はアプリケーションプログラムのために要求されたコードを、インターネット428、ISP426、ローカルネットワーク422および通信インターフェイス418を介して送信してもよい。
【0048】
受信されたコードは受信されたときにプロセッサ404によって実行されてもよく、および/または後の実行のために記憶装置410、または他の不揮発性記憶装置に記憶されてもよい。このようにして、コンピュータシステム400は搬送波の形態でアプリケーションコードを得ることができる。
【0049】
5.0 拡張例および代替例
前記の特定において、本発明の実施形態は、その特定の実施形態を参照して記載された。しかしながら、本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が加えられてもよいことは明らかである。明細書および図面は、したがって、限定的な意味ではなく例示的な意味とみなされるべきである。