【実施例】
【0071】
ここで本開示を以下の実施例によってさらに詳細に説明し、温度は摂氏度で示され、略語は当技術分野における通常の意味を有する。別途記述されない限り、以後に記載のすべての手順は不活性雰囲気下で行った。すべての調製および操作はH
2、N
2またはAr雰囲気下で、乾燥無酸素溶媒中での標準的なシュレンク技術、真空ライン技術およびグローブボックス技術の使用によって行った。テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(Et
2O)およびヘキサンはナトリウムベンゾフェノンケチルから乾燥させかつ蒸留した。重水素化溶媒は活性化モレキュラーシーブ上で脱気しかつ乾燥させた。NMRスペクトルは300MHz分光計(
1Hで300MHz、
13Cで75MHz、
31Pで121.5)上で記録した。すべての
31P化学シフトは外部基準としての85% H
3PO
4に対して測定した。
1Hおよび
13C化学シフトは、部分重水素化溶媒ピークに対して測定されたが、テトラメチルシランに対して報告されている。
【0072】
実施例1(a)
3,5-ジメトキシフェニルホスホン酸ジエチルの調製
1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(20g、92.1mmol)のTHF(100ml)溶液をマグネシウム(2.5g、103mmol)、I
2(20mg)およびTHF(50ml)と共にフラスコ(500ml)に加え、2時間還流させた。得られた明褐色溶液を別のフラスコ(500ml)に移し、-78℃に冷却した。THF(80ml)中ホスホロクロリド酸ジエチル(17.8g、103mmol)を-78℃で1時間以内に加えた。混合物を-78℃で1時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、室温で終夜攪拌した。ブライン(20%、200ml)を混合物に加え、それを30分間攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(200mlx1)およびCH
2Cl
2(100mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(300mlx2)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルパッドで精製した(溶離液: CH
2Cl
2で不純物を除去した後、CH
2Cl
2/THF=10/1で生成物を洗い流す)。溶媒を除去した後、純粋な生成物を淡黄色油状物として得た(20.2g、収率80%)。
【0073】
実施例2
2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニルホスホン酸ジエチルの調製
3,5-ジメトキシフェニルホスホン酸ジエチル(12.5g、45.6mmol)のCH
2Cl
2(150ml)溶液にN-ブロモスクシンイミド(NBS)(8.9g、50mmol)を0℃で加えた。得られた懸濁液を0℃で6時間攪拌した。Na
2CO
3(飽和、60ml)を加えて反応液を反応停止させた。それを室温で30分間攪拌し、有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2(80mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去して粗生成物を淡黄色油状物(14g、収率87%)として得た。それは次の工程用に十分に純粋であった。純粋な試料をクロマトグラフィーで得た。
【0074】
実施例3
4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸(R,S)-テトラエチルの調製
2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニルホスホン酸ジエチル(8.0g、22.7mmol)のDMF(30ml)溶液に銅粉(4.23g、68mmol)を加えた。懸濁液を140℃で2時間攪拌した。DMFを減圧除去した。残渣をCHCl
3(80ml)と共に30分間攪拌した。それを濾過し、固体をCHCl
3(50ml)で洗浄した。一緒にした有機層をブライン中(100ml)希NH
4OH(5%)、次にブライン(100ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それをシリカゲルパッドを通して濾過した(溶離液: CHCl
3/THF=15/1で不純物を除去した後、CH
2Cl
2/THF=1/1で生成物を洗い流す)。溶媒を濾液から除去して生成物を淡黄色固体として得て、これをCH
2Cl
2/エーテル(1/10)から再結晶させて純粋な生成物を無色結晶性固体(3.1g、収率50%)として得た。
【0075】
実施例4
4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸(R,S)-テトラエチルの分割
4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸テトラエチル(1.82g、3.3mmol)をCH
2Cl
2(4.5ml)に溶解させた。エーテル(20ml)中L-(-)-DBTA一水和物(1.35g、3.6mmol)を加えた。別のエーテル(30ml)をゆっくりと加えた。懸濁液を室温で1時間攪拌した。それを濾過して白色固体(1.32g、82%ee)を得て、これをCH
2Cl
2(3.2ml)に再溶解させ、エーテル(50ml)を加えた。得られた懸濁液を1時間攪拌した。固体を濾取し(0.97g、97.5%ee)、これをもう一度再結晶させて(S)-体/(-)-DBTA複合体(0.8g、99%ee)を得た。複合体をCH
2Cl
2(30ml)に溶解させ、NaHCO
3(飽和、40mlx2)、ブライン(40ml)で洗浄した。有機層をMgSO
4で2時間乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して(S)体鏡像異性体を無色固体(0.46g、収率50%、>99%ee)として得た。[α]
25D = -22.8°(C=1.1、CHCl
3)。一緒にした母液をNaHCO
3で遊離させ、D-(+)-DBTAで分解して(R)体鏡像異性体を無色固体(0.53g、収率58%、>99%ee)として得た。[α]
25D = +23.0°(C=1.0、CHCl
3)。(HPLC: Chiralpak AS-Hカラム0.46cm×25cm。2-PrOH/ヘキサン=15/85、1ml/分、25℃、254nm。(S)体=6.96分、(R)体=4.9分)。
【0076】
実施例5
(R)-4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸ジクロリドの調製
4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸(R)-テトラエチル(220mg、0.4mmol)とDMF(0.08ml)との混合物に塩化チオニル(0.4ml、650mg、5.5mmol)を加えた。得られた混合物を80〜90℃で3時間攪拌した。すべての揮発物を減圧除去した。残渣をCH
2Cl
2/ヘキサンから再結晶させて白色固体を得た。
31P NMR(121.1MHz、CD
2Cl
2)δ: 34.45。
【0077】
実施例6
(R)-4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)の調製
4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸ジクロリド(0.5mmol)のTHF(3ml)溶液に臭化フェニルマグネシウム(THF中1.0M、6mmol)を-78℃で加えた。混合物を-78℃で1時間攪拌した後、それを室温にゆっくりと昇温させ、室温でさらに1時間攪拌した。NH
4Cl(飽和、30ml)を加えた。有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2(40mlx2)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した(溶離液: CH
2Cl
2/THF=10/1、次にCH
2Cl
2/THF=1/1で生成物を洗い流す)。溶媒を除去して生成物を白色固体として得た。
【0078】
実施例7
(R)-4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)の調製
(R)-4,4',6,6'-テトラメトキシ-ビフェニル-2,2'-ジイル-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)(50mg、0.074mmol)のトルエン(6ml)懸濁液にHSiCl
3(0.2ml、268mg、1.98mmol)を加えた。得られた混合物をAr下で20時間還流させた。それを室温に冷却し、NaOH(2N、30ml)を加え、得られた混合物を50℃で30分間攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(30mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それをシリカゲルパッドを通して濾過した。溶媒を除去して生成物を白色固体(40mg、84%)として得た。
【0079】
実施例8
(S)-4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)の調製
実施例7で概説した手順を使用して(S)-4,4',6,6'-テトラメトキシ-ビフェニル-2,2'-ジイル-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)から(S)-4,4',6,6'-テトラメトキシ-ビフェニル-2,2'-ジイル-ビス(ジフェニルホスフィン)を調製した。
【0080】
実施例9
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィンオキシドの調製
NaI(1.1g、7.4mmol)および4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸(R)-テトラエチル(1.0g、1.83mmol)のCH
3CN(12ml)溶液にMe
3SiCl(0.81g、7.4mmol)を加えた。得られた懸濁液を50℃で2時間攪拌した。すべての揮発物を減圧除去した。乾燥CH
2Cl
2(12ml)をDMF数滴と共に残渣に加えた後、塩化オキサリル(3g、23.8mmol)を加えた。得られた混合物を40℃で4時間攪拌した。それを濾過し、すべての揮発物を濾液から除去して四塩化物中間体を得て、これをTHF(30ml)に溶解させた。それをドライアイス浴で冷却し、臭化(4-メトキシフェニル)マグネシウム(THF中0.5M、30ml、15mmol)を-78℃で加えた。得られた混合物を-78℃で0.5時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、1時間攪拌した。NH
4Cl(飽和、30ml)および水(20ml)を加えて反応液を反応停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(40mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(飽和、80mlx2)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して粗生成物を淡黄色固体として得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液: CH
2Cl
2/THF=10/3→10/4)で精製した。溶媒を除去して生成物を淡黄色固体(1.1g、収率76%)として得た。
【0081】
実施例10
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン)の調製
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィンオキシド)(0.57g、0.72mmol)およびトルエン(50ml)の反応混合物にHSiCl
3(2.1ml)を加えた。混濁混合物を110℃で終夜加熱した。それを室温に冷却し、NaOH(80ml、2M)をゆっくりと加え、30分間攪拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(40ml)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(30ml)で洗浄し、ショートシリカゲルパッドに通した(CH
2Cl
2/THF=6/1を溶離液として)。すべての溶媒を濾液から除去し、減圧乾燥させて生成物を白色固体(0.43g、78%)として得た。
【0082】
実施例11
(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン)の調製
実施例10で概説した手順を使用して(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン)から(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン)を調製した。
【0083】
実施例12
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メチルフェニル)ホスフィンオキシド)の調製
NaI(1.12g、7.5mmol)および4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸(R)-テトラエチル(1.04g、1.90mmol)のCH
3CN(10ml)溶液にMe
3SiCl(0.86g、7.5mmol)を加えた。得られた懸濁液を50℃で2時間攪拌した。すべての揮発物を減圧除去した。乾燥CH
2Cl
2(12ml)をDMF数滴と共に残渣に加えた後、塩化オキサリル(3g、23.8mmol)を加えた。得られた混合物を40℃で4時間攪拌した。それを濾過し、すべての揮発物を濾液から除去して四塩化物中間体を得て、これをTHF(30ml)に溶解させた。それをドライアイス浴で冷却し、臭化(4-メチルフェニル)マグネシウム(THF中0.5M、30ml、15mmol)を-78℃で加えた。得られた混合物を-78℃で0.5時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、1時間攪拌した。NH
4Cl(飽和、30ml)および水(20ml)を加えて反応液を反応停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(40mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(飽和、80mlx2)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して粗生成物を淡黄色固体として得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液: CH
2Cl
2/THF=10/3→10/4)で精製した。溶媒を除去して生成物を淡黄色固体(1.32g、収率95%)として得た。
【0084】
実施例13
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メチルフェニル)ホスフィン)の調製
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メチルフェニル)ホスフィンオキシド)の試料(0.58g、0.79mmol)をトルエン(40ml)に溶解させ、HSiCl
3(2.8ml)を反応混合物に加えた。混濁混合物を透明になるまで(約20時間)攪拌しながら110℃で加熱し、室温に冷却し、NaOH(80ml、2M)をゆっくりと加え、混合物を30分間攪拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(40ml)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(30ml)で洗浄し、ショートシリカゲルパッドに通し(CH
2Cl
2を溶離液として)、溶媒を濾液から除去し、減圧乾燥させて生成物を白色固体(0.43g、80%)として得た。
【0085】
実施例14
(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メチルフェニル)ホスフィン)の調製
実施例13で概説した手順を使用して(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メチルフェニル)ホスフィン)から(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メチルフェニル)ホスフィン)を調製した。
【0086】
実施例15
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィンオキシド)の調製
NaI(1.1g、7.4mmol)および4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイルジホスホン酸(R)-テトラエチル(1.02g、1.83mmol)のCH
3CN(10ml)溶液にMe
3SiCl(0.86g、7.4mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で終夜攪拌した。すべての揮発物を減圧除去した。乾燥CH
2Cl
2(12ml)を残渣に加え、DMF数滴を加えた後、塩化オキサリル(2.4g、23.8mmol)を加えた。得られた混合物を40℃で4時間攪拌した。すべての揮発物を濾液から除去して四塩化物中間体を得て、これをTHF(30ml)に溶解させた。それをドライアイス浴で冷却し、臭化(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)マグネシウム(THF中0.5M、36ml、18mmol)を-78℃で加えた。得られた混合物を-78℃で0.5時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、1時間攪拌した。NH
4Cl(飽和、30ml)および水(20ml)を加えて反応液を反応停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(40mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(飽和、80mlx2)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して粗生成物を淡黄色固体として得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液: CH
2Cl
2/THF=10/3→10/4)で精製した。溶媒を除去して生成物を淡黄色固体(1.26g、収率56%)として得た。
【0087】
実施例16
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン)の調製
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジトリフルオロメチル)フェニル)ホスフィンオキシド)(0.50g、0.41mmol)のトルエン(40ml)溶液にHSiCl
3(1.4ml)を加えた。混合物を110℃で36時間攪拌した(TLCは出発原料をモニタリングしなかった)。それを室温に冷却し、NaOH(40ml、2M)をゆっくりと加え、混合物を30分間攪拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(40ml)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(30ml)で洗浄し、ショートトシリカゲルパッドに通した(CH
2Cl
2/ヘキサン=3/10を溶離液として)。溶媒を濾液から除去し、減圧乾燥させて生成物を白色固体(0.33g、69%)として得た。
【0088】
実施例17
(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン)の調製
実施例16で概説した手順を使用して(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィンオキシド)から(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホスフィン)を調製した。
【0089】
実施例18
(3,5-ジメトキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキシドの調製
THF(60ml)中1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(10g、46.1mmol)をマグネシウム(1.2g、49.9mmol)、I
2(10mg)およびTHF(40ml)と共にシュレンクフラスコ(250ml)に加えた。混合物を2時間還流させた。それを室温に冷却した。得られた明褐色溶液を別のフラスコ(250ml)に移し、それを-78℃に冷却した。THF(30ml)中クロロジフェニルホスフィン(11g、49.9mmol)を-78℃で加えた。混合物を-78℃で1時間攪拌した後、それを室温にゆっくりと昇温させ、室温で1時間攪拌した。得られた反応液に水(50ml)を加えた後、H
2O
2(30%、13ml)を0℃で滴下した。得られた混合物を30分間攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50mlx2)で抽出した。一緒にした有機層をNaHSO
3(100mlx3)およびブライン(100mlx2)で徹底的に洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去して粘稠性油状物を得て、これを結晶化(CH
2Cl
2/ヘキサン=1:20)で精製して生成物を無色固体(15.2g、収率: 97.5%)として得た。
【0090】
実施例19
(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキシドの調製
(3,5-ジメトキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド(12.3g、36.4mmol)のCH
2Cl
2(140ml)溶液にNBS(6.7g、37.6mmol)を0℃で加えた。得られた懸濁液を0℃で1時間攪拌した。Na
2CO
3(飽和、40ml)を加えて反応液を反応停止させた。それを室温で30分間攪拌し、有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2(40mlx2)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去して粗生成物を淡黄色固体(14.3g、収率94%)として得た。それは次の工程用に十分に純粋であった。純粋な試料をCH
2Cl
2/ヘキサン(1/15)からの結晶化によって得た。
【0091】
実施例20
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)の調製
(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキシド(12.7g、30.5mmol)のDMF(50ml)溶液に銅粉(5.81g、91.5mmol)を加えた。ヨウ素(100mg)を加えた。得られた懸濁液を140℃で2時間攪拌した。DMFを減圧除去した。残渣にCHCl
3(200ml)を加えた。それを30分間攪拌した。固体を濾過し、CHCl
3(20ml)で洗浄した。一緒にした濾液をブライン(5% NH
3・H
2Oを有する、200mlx2)、ブライン(20%、200mlx1)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。固体を濾過し、CHCl
3(20ml)で洗浄した。溶媒を濾液から除去して粗生成物を帯黄白色固体として得て、これをCH
2Cl
2/エーテル(10/200)からの結晶化によって精製して純粋な生成物を無色固体(6.2g、収率60.3%)として得た。
【0092】
実施例21
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)の分割
(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)(6.2g、9.2mmol)のCH
2Cl
2(30ml)溶液にEt
2O(30ml)中L-(-)-DBTA一水和物(3.49g、9.28mmol)を加えた。別のEt
2O(120ml)を混合物に加えた。得られた懸濁液を0.5時間攪拌した。固体を濾過し、エーテル(20ml)で洗浄し、乾燥させて生成物を無色結晶性固体として得て、これを新たなCH
2Cl
2/エーテル(100ml/150ml)と共に1時間攪拌した。白色結晶性固体を濾過し、それを別の新たなCH
2Cl
2/エーテル(80ml/120ml)と共に1時間攪拌した。無色結晶性固体を濾過し、エーテル(20ml)で洗浄し、減圧乾燥させて無色固体を得て、これをCH
2Cl
2(150ml)に懸濁させ、NaHCO
3(飽和、100mlx2)で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して(S)-GarPhosオキシドを無色固体(2.3g、収率74.2%、99.5%ee)として得た。[α]
25D = -115.2°(C=0.95、CH
2Cl
2)。一緒にした母液をNaHCO
3で中和して(R)-濃縮ホスフィンオキシド(3.9g)を得て、これをD-(+)-DBTA(2.1g)によって分割した。エナンチオピュアな生成物をNaHCO
3で遊離させて(R)体鏡像異性体を無色結晶性固体(2.7g、収率87.1%、99.9%ee)として得た。[α]
25D = +114.6°(C=0.99、CH
2Cl
2)。(HPLC: Chiralpak IAカラム0.46cm×25cm。2-PrOH/ヘキサン=40/60、1ml/分、25℃、254nm。(S)体=9.55分、(R)体=5.88分)。
【0093】
実施例22
(3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシドの調製
THF(80ml)中1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(20.2g、93mmol)をTHF(100ml)中マグネシウム(2.4g、99mmol)およびI
2(20mg)と共にフラスコ(500ml)に60℃で加えた。添加が完了した後、混合物を2時間還流させた。それを室温に冷却した。得られた明褐色溶液を別のフラスコ(250ml)に移した。それを-78℃に冷却した。THF(100ml)中クロロビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン(27.4g、99mmol)を-78℃で1時間以内に滴下した。得られた混合物を-78℃で0.5時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、室温で30分間攪拌した。得られた反応液にH
2O(100ml)を加えた後、H
2O
2(25ml、30%)を0℃で滴下した。混合物を室温で0.5時間攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mlx2)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(200mlx2)、NaHSO
3(飽和、200mlx3)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去した。粘稠性残渣をCH
2Cl
2/ヘキサン(20ml/800ml)と共に1時間攪拌した。固体を濾取して生成物を無色固体(32.3g、収率88%)として得た。
【0094】
実施例23
(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシドの調製
(3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド(30g、76mmol)のCH
2Cl
2(400ml)溶液にNBS(13.5g、76mmol)を0℃で加えた。得られた懸濁液を0℃で1時間攪拌した。Na
2CO
3(飽和、300ml)を加えて反応液を反応停止させた。それを室温で30分間攪拌し、有機層を分離した。水層をCH
2Cl
2(100mlx2)で抽出した。一緒にした有機層を水(150mlx2)、ブライン(200mlx1)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去して粗生成物を淡黄色固体(14.3g)として得た。これは次の工程用に十分に純粋であった。純粋な生成物(34.2g、収率93%)をエーテル/ヘキサン(1/15)からの結晶化によって得た。
【0095】
実施例24
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド)の調製
(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド(32.6g、68.9mmol)のDMF(180ml)懸濁液に銅粉(13.5g、212.4mmol)を加えた。ヨウ素(100mg)を加えた。得られた懸濁液を140℃で2時間攪拌した。DMFを減圧除去した。残渣にCHCl
3(300ml)を加えた。それを30分間攪拌した。固体を濾過し、CHCl
3(20ml)で洗浄した。一緒にした濾液をブライン(5% NH
4OHを有する、300mlx2)、ブライン(20%、300mlx1)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、固体をCHCl
3(20ml)で洗浄した。溶媒を濾液から除去して粗生成物を帯黄白色固体として得て、これをCH
2Cl
2/エーテル(10ml/300ml)と共に1時間攪拌した。固体を濾過し、減圧乾燥させて純粋な生成物を無色固体(17.6g、収率64.9%)として得た。
【0096】
実施例25
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)-ホスフィンオキシド)の分割
(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド)(16g、20.3mmol)のCH
2Cl
2(75ml)溶液にEt
2O(130ml)中L-(-)-DBTA一水和物(7.9g、21mmol)を加えた。CCl
4(150ml)を加えた後、別のEt
2O(580ml)を混合物に加えた。得られた混合物を1時間攪拌した。固体を濾過し、エーテル(50ml)で洗浄し、乾燥させて生成物を無色結晶性固体(17.6g)として得て、これを新たなCH
2Cl
2(100ml)と共に15分間攪拌した後、CCl
4(155ml)を加えて、混合物をさらに15分間攪拌した。エーテル(480ml)を滴下した。得られた懸濁液をさらに40分間攪拌した。結晶性固体を濾過し、エーテル(40ml)で洗浄し、減圧乾燥させて生成物を無色固体(11.5g)として得て、これをCH
2Cl
2(80ml)に懸濁させ、NaHCO
3(飽和、100mlx2)で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して鏡像異性体の(R)体を無色固体(7.4g、収率92.5%、>99%ee)として得た。[α]
25D = +185.9°(C=0.71、CH
2Cl
2)。一緒にした母液をNaHCO
3で中和して(S)-濃縮ホスフィンオキシド(8.5g)を得て、これをD-(+)-DBTA(4.0g)によって分割した。エナンチオピュアな複合体をNaHCO
3で遊離させて(S)体鏡像異性体を無色固体(7.6g、収率95%、>99%ee)として得た。[α]
25D = -186.3°(C=1.01、CH
2Cl
2)。(HPLC: Chiralpak IAカラム0.46cm x 25cm。2-PrOH/ヘキサン(1% Et
2NH)=5/95、1ml/分、25℃、254nm。(S)体=19.10分、(R)体=25.90分)。
【0097】
実施例26
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンの調製
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド)(1.1g、1.4mmol)のトルエン(60ml)溶液にHSiCl
3(4.0ml)を加えた。得られた混合物をAr下、110℃で終夜攪拌した。それを室温に冷却し、NaOH(2N、100ml)を0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で30分間攪拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(60mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それをシリカゲルパッドを通して濾過した。溶媒を除去して生成物を白色固体(1.03g、97.6%)として得た。
【0098】
実施例27
(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンの調製
実施例26で概説した手順を使用して(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)から(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンを調製した。
【0099】
実施例28
(3,5-ジメトキシフェニル)ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシドの調製
THF(60ml)中1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(10g、46.1mmol)をTHF(40ml)中マグネシウム(1.2g、49.9mmol)およびI
2(20mg)と共にフラスコ(250ml)に60℃で加えた。添加が完了した後、混合物を2時間還流させた。それを室温に冷却した。得られた明褐色溶液を別のフラスコ(250ml)に移した。それを-78℃に冷却し、THF(40ml)中クロロビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン(16.8g、49.9mmol)を-78℃で1時間以内に滴下した。得られた混合物を-78℃で0.5時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、室温で30分間攪拌した。得られた反応混合物に水(50ml)を加えた後、H
2O
2(13ml)を0℃で滴下した。混合物を室温で0.5時間攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mlx2)およびCH
2Cl
2(100mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(200mlx2)、NaHSO
3(200mlx3)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去した。粘稠性残渣をCH
2Cl
2/ヘキサン(5ml/100ml)と共に1時間攪拌した。固体を濾取して生成物を無色固体(17.4g、収率83%)として得た。
【0100】
実施例29
(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシドの調製
(3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド(11.3g、25mmol)のCH
2Cl
2(150ml)溶液にNBS(4.5g、25.3mmol)を0℃で加えた。得られた懸濁液を0℃で1時間攪拌した。Na
2CO
3(飽和、60ml)を加えて反応液を反応停止させた。それを室温で30分間攪拌し、有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2(40mlx2)で抽出した。一緒にした有機層を水(150mlx2)、ブライン(200mlx1)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去して粗生成物を淡黄色固体(12.9g)として得た。これは次の工程用に十分に純粋であった。純粋な生成物(12.0g、収率90%)をシリカゲルクロマトグラフィーによって得た。
【0101】
実施例30
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)オキシドの調製
(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド(10g、18.7mmol)のDMF(30ml)溶液に銅粉(3.6g、56.6mmol)を加え、ヨウ素(20mg)を加えた。得られた懸濁液を140℃で2時間攪拌した。DMFを減圧除去した。残渣にCHCl
3(50ml)を加えた。それを30分間攪拌した。固体を濾過し、CHCl
3(20ml)で洗浄した。一緒にした濾液をブライン(5% NH
3・H
2Oを有する、100mlx2)、ブライン(20%、100mlx1)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、固体をCHCl
3(20ml)で洗浄した。溶媒を濾液から除去して粗生成物を黄褐色固体(7.8g)として得た。それをエーテル/ヘキサン(30ml/50ml)からの再結晶によって精製した。固体を濾過し、減圧乾燥させて純粋な生成物を淡褐色固体(4.5g、収率53%)として得た。
【0102】
実施例31
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)オキシドの分割
(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)オキシド(4.5g、4.96mmol)のCH
2Cl
2(17ml)溶液にEt
2O(25ml)中L-(-)-DBTA一水和物(1.08g、2.87mmol)を加えた。CCl
4(20ml)を加えた後、別のEt
2O(120ml)を混合物に加えた。得られた混合物を0.5時間攪拌した。固体を濾取し、エーテル(15ml)で洗浄し、乾燥させて生成物を無色結晶性固体(3.3g)として得て、これを新たなCH
2Cl
2/CCl
4/Et
2O(15ml/15ml/100ml)と共に40分間攪拌した。結晶性固体を濾過し、エーテル(15ml)で洗浄し、減圧乾燥させて無色固体(3.1g)を得て、これをCH
2Cl
2(40ml)に溶解させ、NaHCO
3(飽和、40mlx2)で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を濾液から除去して(R)体鏡像異性体を無色固体(2.0g、収率90%、>99%ee)として得た。[α]
25D = +150.6°(C=1.0、CH
2Cl
2)。一緒にした母液をNaHCO
3で遊離させて濃縮ホスフィンオキシドを得て、これを上記の通りD-(+)-DBTAによって分割した。エナンチオピュアな複合体をNaHCO
3で遊離させて(S)体鏡像異性体を無色固体(2.04g、収率91.8%、>99%ee)として得た。[α]
25D = -156.0°(C=1.01、CH
2Cl
2)。(HPLC: Chiralpak IAカラム0.46cm x 25cm。2-PrOH/ヘキサン(0.5% Et
2NH)=8/92、1ml/分、25℃、254nm。(S)体=15.8分、(R)体=22.9分)。
【0103】
実施例32
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)の調製
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)オキシド(2.0g、2.2mmol)のトルエン(75ml)溶液にHSiCl
3(4.0ml、5.4g、39.9mmol)を加えた。得られた懸濁液をAr下、120℃で6時間攪拌した。それを室温に冷却し、NaOH(4N、80ml)を0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で30分間攪拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(80mlx1)で抽出した。一緒にした有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それをシリカゲルパッドを通して濾過し、CH
2Cl
2/THF(10/1、50ml)で洗浄した。溶媒を除去して生成物を白色固体(1.83g、95%)として得た。
【0104】
実施例33
(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)の調製
実施例32で概説した手順を使用して(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン)オキシドから(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(4-メトキシ-3,5-ジメチル-フェニル)ホスフィン)を調製した。
【0105】
実施例34
RuCl
2(p-シメン)(ジホスフィン)触媒の調製の一般的手順
[RuCl
2(p-シメン)]
2(0.25mmol)とジホスフィン配位子(0.5mmol)との混合物にエタノール/CH
2Cl
2共溶媒(3/1、40ml)を加えた。混合物を不活性雰囲気下で3〜5時間還流させた。すべての揮発物を減圧除去した。CH
2Cl
2(4ml)を加えて残渣を溶解させ、ヘキサン(20ml)を加えてあらゆる不純物を析出させた。混合物を濾過し、濾液を濃縮して生成物を黄色固体として得た。収率=80〜85%。
(a)RuCl
2(p-シメン)((R)-Ph-Garphos):
(b)RuCl
2(p-シメン)((R)-DMM-Garphos):
【0106】
実施例35
RuCl
2(ジホスフィン)(ジアミン)触媒の調製の一般的手順
ジホスフィン配位子(1.0mmol)と[RuCl
2(シメン)]
2(320mg、0.5mmol)との混合物にトルエンおよびDMFの共溶媒(10ml/0.5ml)を加えた。得られた混合物を70℃で2時間攪拌した。それを室温に冷却し、キラルジアミン(1.04mmol)を混合物に加えた。反応液を70℃でさらに1.5時間攪拌した。すべての揮発物を減圧除去して生成物を黄褐色固体として得た。収率=95〜99%。
(a)RuCl
2((S)-Ph-Garphos)((S,S-DPEN):
(b)RuCl
2((S)-Ph-Garphos)((S)-DAIPEN):
(c)RuCl
2((S)-キシリル-Garphos)((S,S-DPEN):
(d)RuCl
2((R)-キシリル-Garphos)((R)-DAIPEN):
この触媒のX線結晶構造を
図1に示す。
(e)RuCl
2((S)-キシリル-Garphos)((S)-DAIPEN):
(f)RuCl
2((S)-DMM-Garphos)((S,S-DPEN):
(g)RuCl
2((S)-DMM-Garphos)((S)-DAIPEN):
【0107】
実施例36
[Rh(COD)(ジホスフィン)][BF
4]触媒の調製の一般的手順
Rh(COD)(acac)(0.93g、3.0mmol)のTHF(30ml)溶液にHBF
4・Et
2O(0.5g、3.1mmol)のTHF(5ml)溶液を加えた。混合物を50℃で1時間攪拌した。それを室温に冷却し、キラルジホスフィン(3.0mmol)を加えた。得られた橙色溶液を50℃でさらに1時間攪拌した。すべての揮発物を減圧除去して粗生成物を橙色固体として得た。エーテル(30ml)を残渣に加えた。懸濁液を室温で2時間攪拌した。それを濾過し、減圧乾燥させて純粋な生成物を橙色固体として得た。収率=90〜95%。
(a)[Rh(COD)((R)-Ph-Garphos)][BF
4]:
(b)[Rh(COD)((R)-キシリル-Garphos)][BF
4]:
(c)[Rh(COD)((R)-DMM-Garphos)][BF
4]:
【0108】
実施例37
RuCl
2(p-シメン)-(R-Ph-Garphos)を使用する4-クロロアセト酢酸エチルの水素化
アルゴン下、50mlオートクレーブ中で基質の溶液に触媒の塩化メチレン溶液を加えた。混合物を水素ガスで掃流し、所望の温度に加熱し、水素で加圧した。所望の時間攪拌後、オートクレーブを室温に冷却し、脱気した。転化をGCで評価した。生成物の試料をエチルエステルに変換し、エナンチオ選択性をGCを使用して決定した。
【0109】
実施例38
RuCl
2(Garphos)(ジアミン)を触媒として使用する純粋ケトンの水素化
ケトンの2-プロパノール溶液を50mLシュレンクフラスコに加えた。排気してアルゴンを再充填した後、触媒と塩基(例えばKO
tBu)との混合物を加えた。次に得られた混合物を、既にアルゴン雰囲気下に配置していた50mLオートクレーブに注入した。オートクレーブを水素ガスで加圧し、反応混合物を所望の温度で攪拌した。反応の進行をTLCでモニタリングした。反応の完了時点で溶媒を減圧除去し、ヘキサン/酢酸エチルを使用するショートシリカゲルパッド(約6cm)を通して混合物を濾過した。次に溶媒を濾液から除去して生成物を得た。
【0110】
実施例39
RuCl
2(Garphos)(ジアミン)を触媒として使用する1-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エタノンの水素化
50mLオートクレーブ中にてケトンおよびKO
tBuの2-プロパノール中混合物を水素ガス下で5分間攪拌した。触媒の2-プロパノール溶液をアルゴンで脱気した後、オートクレーブに注入した。次にこれを水素ガスで加圧し、反応混合物を所望の温度で攪拌した。反応の進行をTLCでモニタリングした。反応の完了時点で溶媒を減圧除去し、3:1ヘキサン:酢酸エチルを使用するショートシリカゲルパッド(約6cm)を通して混合物を濾過した。次に溶媒を濾液から除去して生成物を得た。
【0111】
実施例40
2-(3-(3-(2-(7-クロロキノリン-2-イル)ビニル)フェニル)-3-オキソプロピル)安息香酸(E)-メチルの水素化
ステンレス鋼オートクレーブ中で基質(0.2g)、臭化テトラブチルアンモニウム(7.0mg)、トルエン(5ml)およびNaOH(1M、0.5ml)を一緒にした。オートクレーブを封止し、水素ガスで繰り返し加圧および脱気して攪拌下でのオートクレーブ内の雰囲気の完全な交換を確実にした。触媒のストック溶液(アルゴン下で触媒2.2mgを2-PrOH 4.0mlに溶解させることで調製)のアリコート(1.0ml)をオートクレーブに加えた。次にオートクレーブを水素で3〜5回加圧および脱気してあらゆる残留空気の雰囲気を掃流した。水素化を130Psi下、周囲温度で24時間行った。アリコート(あらゆる残留圧力を適切に脱気した後にオートクレーブから除去)のNMR分析は完全な変換を明らかにした。HPLC用の純粋な試料をシリカゲルクロマトグラフィーで得た(溶離液: CH
2Cl
2/THF=1/20)。エナンチオマー過剰率(e.e.)(>99%)をHPLCで決定した。キラルカラム: Chiralpak AS-Hカラム0.46cm x 25cm; HPLC条件: カラム温度=40℃; 2-PrOH/ヘキサン=10/90、1.0ml/分; R-異性体の保持時間=17.8分、S異性体の保持時間=22.4分、出発原料の保持時間=13.5分。
【0112】
実施例41
DTBM-Garphosの調製
(a) ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)(3,5-ジメトキシフェニル)ホスフィンオキシドの調製
マグネシウム(3.14g、129.2mmol)とヨウ素(120mg)とのTHF(100mL)中混合物にTHF(150mL)中1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(25.5g、117.5mmol)を加えた。添加が完了した後、混合物を1時間還流させた。それを室温に冷却した。得られた明褐色溶液を別のフラスコに移した。それを-78℃に冷却し、THF(100mL)中クロロビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン(59.3g、117.4mmol)を-78℃で滴下した。得られた混合物を-78℃で0.5時間攪拌した後、室温にゆっくりと昇温させ、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物に水(300mL)を加えた後、H
2O
2(17mL、30%)を0℃で滴下した。混合物を30分間攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(200mLx2)およびCH
2Cl
2(200mLx1)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(200mLx2)、NaHSO
3(200mLx3)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去した。粘稠性残渣をCH
2Cl
2(30mL)およびエーテル(100mL)に溶解させた後、ヘキサン(400mL)を加えた。混合物を400mLに減圧濃縮した後、シード添加した。懸濁液を1.5時間攪拌し、得られた固体を濾取し、乾燥させて生成物を無色固体(57g)として得た。第2の産物(13g)を母液から収集した。収率=95.7%。
【0113】
(b) (2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィンオキシドの調製
ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)(3,5-ジメトキシフェニル)ホスフィンオキシド(70g、112.4mmol)のCH
2Cl
2(350mL)溶液にNBS(206g、115.7mmol)を0℃で加えた。得られた懸濁液を0℃で1時間攪拌した後、室温に昇温させ、4時間攪拌した。残留する出発原料がなくなるまでTLCで反応をモニタリングした。溶液を室温にて濃Na
2CO
3(300mLx2)で洗浄した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、溶媒を除去して粗生成物を得た。ヘキサン(400mL)を加え、溶液を300mLに濃縮した。それは混濁し、白色固体が析出した。ヘキサンをさらに100mL加えた。懸濁液を室温で2時間攪拌した。それを濾過し、固体を減圧乾燥させて生成物を無色固体(64.4g)として得た。第2の産物(7.2g)を母液から得た。全体的収率=90.9%。
【0114】
(c) (R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン)オキシドの調製
銅粉(19.2g、302mmol)と(2-ブロモ-3,5-ジメトキシフェニル)ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィンオキシド(70.5g、105mmol)とのDMF(300mL)中混合物にヨウ素(320mg)を加えた。得られた懸濁液を140℃で3.5時間攪拌した。それを濾過し、固体をDMF(40mL)で洗浄した。一緒にした濾液を2L丸底フラスコに移し、水を加え、懸濁液を1時間攪拌した。それを濾過し、固体をCH
2Cl
2に溶解させ、NH
4OH溶液(3%、500mLx3)、次に水(500mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させた。それを濾過し、固体をCHCl
3(20mL)で洗浄した。溶媒を除去して粘稠性油状物を得て、これをエーテル/ヘキサン(1/10、500mL)から結晶化させてカップリング生成物と脱臭素化生成物との混合物(1:1、65g)を得た。これを酢酸エチル/ヘキサン(150mL/150mL)で洗浄して純粋な生成物を無色固体として得た。収量=32.8g。
脱臭素化副生成物(31g)も回収した。
【0115】
(d) (R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン)オキシドの分割
(R,S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン)オキシドの試料(32.8g、26.4mmol)をジエチルエーテル(285mL)および酢酸エチル(100mL)に懸濁させた。次にL-(-)-DBTA一水和物(9.92g、26.4mmol)を加えた。混合物を室温で攪拌したところ、それは透明から混濁に変化した。白色固体が析出した。酢酸エチル(180mL)を加えた。懸濁液を1時間攪拌した。それを濾過し、固体を酢酸エチル(25mL)で洗浄し、減圧乾燥させて生成物18gを得た。固体を懸濁させ、別の酢酸エチル/エーテル(90mL/90mL)中で1時間攪拌した。それを濾過し、固体を酢酸エチル(20mL)で洗浄し、乾燥させて純粋な(S)-DTBM-Garphosオキシド/(-)-DBTA複合体を無色固体(13.4g)として得た。遊離(S)-DTBM-Garphosオキシドを、Na
2CO
3溶液を使用して遊離させ、無色固体として単離した。収量=10.3g。
【0116】
母液(上記)から溶媒を除去し、固体のエーテル(120mL)およびEA(50mL)中懸濁液に(+)-DBTA(5.8g、16.2mmol)を加えた。それを数分間攪拌し、酢酸エチル(70mL)をゆっくりと加えた。得られた懸濁液を終夜攪拌した。固体を濾過し、エーテル(30mL)で洗浄した。それを乾燥させて(R)-DTBM-Garphosオキシド/(+)-DBTA複合体を無色固体(17.1g)として得て、これをCH2Cl2(150mL)に溶解させ、Na2CO3溶液と共に攪拌して遊離ホスフィンを遊離させた。ワークアップによって(R)-DTBM-Garphosオキシドを無色固体として得た。収量=13.0g(>99%ee)。[α]
25D = +82.8°(C=1.0、CH
2Cl
2)。
【0117】
(e) (R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン)の調製
(R)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)-ホスフィン)オキシド(13.0g、10.5mmol)のトルエン(150mL)溶液にHSiCl
3(14.2g、105mmol)を加えた。得られた懸濁液を100℃で終夜攪拌した。それを室温に冷却し、NaOH(2M、300mL)を0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で30分間攪拌した。有機層を分離し、水層をトルエン(2x150mL)で抽出した。一緒にした有機層を蒸発乾固させ、CH
2Cl
2(100mL)を残渣に加えた。溶液をショートシリカゲルパッドを通して濾過した。パッドをCH
2Cl
2(150mL)で洗浄した。濾液を一緒にし、溶媒を減圧除去して生成物を白色無色固体として得た。収量=12.4g、97.9%。
【0118】
(f) (S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン)の調製
上記で概説した手順を使用して(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)-ホスフィン)オキシドから(S)-(4,4',6,6'-テトラメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィン)を調製した。
【0119】
実施例42
PtCl
2((R)-Ph-Garphos)の調製
アルゴン充填フラスコ中でPtCl
2(COD)(0.075g、0.20mmol)および(R)-Ph-Garphos(0.129g、0.20mmol)を一緒にした。塩化メチレン(2mL)をフラスコに加え、得られた淡黄色溶液をおよそ2時間攪拌した。次に溶液を減圧乾固させて淡黄色残渣を得た。収量: 0.153g(93%)。
【0120】
実施例43
Pd(OAc)
2((R)-Ph-Garphos)の調製
アルゴン充填フラスコ中でPd(OAc)
2(0.050g、0.22mmol)および(R)-Ph-Garphos(0.143g、0.22mmol)を一緒にした。塩化メチレン(2mL)をフラスコに加え、得られた橙褐色溶液をおよそ2時間攪拌した。次に溶液を減圧乾固させて橙色残渣を得た。収量: 0.171g(89%)。
【0121】
実施例44
Pd(acac)
2((R)-Ph-Garphos)の調製
アルゴン充填フラスコ中でPd(acac)
2(0.075g、0.25mmol)および(R)-Ph-Garphos(0.158g、0.25mmol)を一緒にした。塩化メチレン(2mL)をフラスコに加え、得られた黄褐色溶液をおよそ2時間攪拌した。次に溶液を減圧乾固させて黄橙色残渣を得た。収量: 0.224g(96%)。
【0122】
実施例45
鈴木・宮浦カップリングの一般的手順
アルゴンガス下でブロモベンゼン(0.079g、0.5mmol)、フェニルボロン酸(0.073g、0.60mmol)および炭酸カリウム(0.138g、1mmol)の1,4-ジオキサン溶媒(2.0mL)中溶液に固体触媒(0.01mmol、2mol%)を加えた。次に反応液を80℃で16時間攪拌した。次に混合物を室温に冷却し、濾過し、減圧濃縮した。続いて残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAcまたはヘキサン/エーテル)で精製した。単離された生成物を
1H NMR分光法で特性決定した。特性決定データ(ビフェニル): 無色固体として単離。
結果を表4に示す。
【0123】
好ましい例であると本開示において考えられるものを参照して本開示を説明してきたが、開示される例に本開示が限定されないと理解すべきである。逆に、本開示は、添付される特許請求の範囲の真意およびその範囲内に含まれる様々な修正および等価な構成を含むことが意図されている。
【0124】
すべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照によりその全体が組み入れられるように具体的かつ個々に指示される場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本出願におけるある用語が、参照により本明細書に組み入れられるある文献において異なって定義されることがわかる場合、本明細書に示される定義がその用語の定義としての役割を果たすものとする。
【0125】
(表1)RuCl
2(p-シメン)-(R-Ph-Garphos)を使用する4-クロロアセト酢酸エチルの水素化
【0126】
(表2)RuCl
2(Garphos)(ジアミン)を触媒として使用する純粋ケトンの水素化(H
2=10atm)
【0127】
(表3)RuCl
2(Garphos)(ジアミン)を触媒として使用する1-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エタノンの水素化
【0128】
(表4)Pd(Garphos)(OAc)
2またはPd(Garphos)(acac)
2を使用するフェニルベンゼンの作製のための鈴木・宮浦カップリング