【文献】
Hakho Lee,IC/Microfluidic Hybrid System for Magnetic Manipulation of Biological Cells,IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,2006年 6月,VOL. 41, NO.6,pp. 1471-1480
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
第1の形態では、本発明は、流体サンプルを分析するためのデバイスに関する。このデバイスは、マイクロ流体素子(micro-fluidic component)を通って、毛細管力により流体サンプルが伝達されるように設計された、流体基板中に埋め込まれたマイクロ流体素子と、マイクロ流体素子に接続された流体サンプルを提供する手段と、を含む流体基板と、流体基板に取り付けられ、少なくとも部分的に流体基板を覆い、少なくとも部分的にマイクロ流体素子を閉じる蓋と、を含む。流体基板はシリコン流体基板であり、蓋はCMOSチップである。
【0006】
本発明の具体例では、流体サンプルがデバイス中に存在する場合、蓋の少なくとも一部は流体サンプルに接触する。
【0007】
本発明の具体例では、蓋は、トランジスタ層を含み、トランジスタ層は、少なくとも1つの電気部品と電気的に接続され、電気部品は以下に示す:生物学的感知回路、検出目的の電極、流体取り扱い目的の電極、データ通信目的の回路、無線データ通信目的の回路、温度センサ、温度コントロールのための電極、流体センサおよび流体粘性コントロールのための電極、の少なくとも1つである。
【0008】
本発明の具体例では、流体サンプルを提供する手段は、シリコンから形成され、マイクロ流体素子に接続された内部流体チャネルを含む集積された針である。針は、流体基板の突出部分であり、皮膚組織に向かって押しつけた場合に、皮膚組織を突き抜けるように配置される。
【0009】
本発明の具体例では、流体基板は、切り欠きを含み、切り欠き中に針が配置される。
【0010】
本発明の具体例では、流体基板は、取り外し可能なように流体基板に取り付けられた、針を保護するための保護構造を含む。
【0011】
本発明の具体例では、流体サンプルを提供する手段は注入口である。サンプル滴は、毛細管吸収力の手段によりマイクロ流体素子中に挿入されても良い。マイクロ流体素子は、例えば、マルチオミック(multi-omic)分析のために、異なるマイクロ流体素子を含んでも良い。異なるマイクロ流体素子は、同じまたは異なる深さを有する。異なるマイクロ流体素子は、例えば、流体力や電気のような、好適な方法で作動するバルブにより分離されても良い。作動のための電極は、流体基板の上、または蓋の上に搭載されても良い。
【0012】
本発明の具体例では、流体基板または蓋は、更に、デバイス中に存在する場合に、光学的励起を可能にし、流体サンプルを検出する少なくとも1つの光導波路を含んでも良い。流体基板または蓋は、蛍光信号を検出するために、発光からの光学的励起を拒絶するためのフィルタを含んでも良い。流体基板または蓋は、複数の色を有する蛍光信号を測定するためにマルチスペクトルフィルタを含んでも良い。この流体基板または蓋は、レンズ無しの顕微鏡として働くための、サンプルに放射線を照射するための光導波路および/またはピンホールを含んでも良い。
【0013】
本発明の具体例では、流体基板または蓋は、マイクロ流体素子の少なくとも1つの領域または蓋の少なくとも1つの領域に、生化学的試薬を適用するための少なくとも1つのスルーホールを含んでも良い。
【0014】
本発明の具体例では、リソグラフィでパターニングされたポリマーを用いて蓋が流体基板に接合される。
【0015】
本発明の具体例では、デバイスは、更に、流体により形成され、蓋中の測定システムで捕捉された電気信号を読み出すために蓋に電気的に接続された金属コンタクトを含んでも良い。本発明の具体例では、デバイスの蓋は、更に、流体から光学信号を読み出すためのCMOS活性ピクセルを含んでも良い。
【0016】
本発明の具体例では、流体基板および/または蓋の少なくとも一部は、透明材料から作製され、マイクロ流体素子中で流体サンプルの光学検査を可能にする。
【0017】
本発明の具体例では、デバイスの形状は、携帯通信デバイスへの挿入を可能にする。
【0018】
第2の形態では、本発明の具体例は、流体サンプルを分析するためのデバイスの製造方法に関する。この方法は、流体基板を提供する工程と、蓋を提供する工程と、少なくとも部分的に流体基板を閉じるように、流体基板を蓋に取り付ける工程と、を含む。流体基板はシリコン流体基板で、蓋はCMOSチップであり、CMOS互換接合プロセスを用いて、流体基板は蓋に取り付けられる。
【0019】
本発明の具体例では、流体基板を提供する工程は、シリコン基板を提供する工程と、例えば酸化マスクのようなマスク層を提供する工程と、酸化マスクをパターニングして酸化マスク中に微細構造を形成する工程と、酸化マスクを保護するために保護層を提供する工程と、粗い構造をパターニングする工程と、粗い構造をエッチングする工程と、粗い構造を保護するために酸化物を成長させる工程と、保護層を除去して微細構造をエッチングする工程と、酸化物を除去する工程と、を含む。
【0020】
本発明の具体例では、流体基板を提供する工程は、シリコン基板を提供する工程と、互いの上に複数のマスクを提供し、異なる深さのマイクロ流体構造を形成するためにエッチマスクを用いる工程とを含んでも良い。
【0021】
本発明の特定の具体例では、流体基板を提供する工程は、シリコン基板を提供する工程と、第1酸化マスクを提供する工程と、マイクロ流体構造をパターニングする工程と、第1の深さまで基板をエッチングする工程と、第2酸化マスクを提供する工程と、マイクロ流体構造をパターニングする工程と、第2の深さまで基板をエッチングする工程と、必要であればマイクロ流体構造の複数の深さを形成するこれらの工程を繰り返す工程を含んでも良い。
【0022】
特定の具体例では、本発明の具体例にかかるデバイスの流体基板と蓋は、より大きい流体パッケージの一部でも良く、流体パッケージは例えばポリマーのような異なる材料から形成されても良く、また、より大きい流体構造、試薬、流体、および電気的界面を含んでも良い。その長所は、そのようなシステムはより費用効率が良いことである。
【0023】
本発明の具体例では、流体基板の表面と蓋は、部分的または全体的に被覆されて、基板と流体サンプルとの表面相互反応を修正する。
【0024】
第3の形態では、本発明は、顕微鏡として働くために、本発明の第1の形態に記載されたようなデバイスの使用と、その具体例を提供する。顕微鏡は、デジタルホログラフィの原理に従い、レンズ無しの像を検出するための蓋を用いることにより実施されても良い。
【0025】
記載されたようなこのデバイスの使用は、複数のチャネル中とチャンバ中で複数の分析を行うために流体基板が使用され、CMOS蓋が全ての分析からの複数の信号を検出するために使用される、マルチオミック分析を行っても良い。それらの信号は、同じ検体からの、複数のDNA信号、RNA信号、小分子信号、細胞信号を組み合わせる。
【0026】
特定の具体例では、デバイスは、少量の流体の分析のために、一回使用の使い捨てデバイスとして使用される。
【0027】
第4の形態では、蓋からのデータが、例えば無線通信を用いてスマートデバイスに送られても良い。スマートデバイスは、データの処理、視覚化、および/または伝達に使用できる。
【0028】
本発明の具体例では、1つの同じ試料から集めた組み合わされたデータが、個人の疾病または健康に相互に関係のあるパラメータを計算するために、ソフトウエアのアルゴリズム中で使用されても良い。
【0029】
本発明の特定の好適な形態は、添付された独立請求項および従属請求項の中で述べられる。従属請求項の特徴は、単に請求項に明確に記載された通りではなく、必要に応じて、独立請求項の特徴、および他の従属請求項の特徴と組み合わせても良い。
【0030】
本発明のそれらのおよび他の形態は、これ以降に記載された具体例から明確であり、明瞭である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の具体例で使用される流体基板の具体例の3次元図を示す。
【
図2】本発明の具体例にかかる流体サンプルを分析するためのデバイスの第1の具体例の上面図を示す。
【
図3】
図2のデバイスで使用される流体基板の上面図を示す。
【
図5】本発明の具体例にかかる流体サンプルを分析するためのデバイスの第2の具体例の上面図であり、針のための切り欠きを示す。
【
図6】
図5のデバイスで使用するための、針のための切り欠きを有する流体基板の具体例の上面図を示す。
【
図8】本発明の具体例にかかる流体サンプルを分析するためのデバイスの第3の具体例の上面図であり、針のための保護構造を示す。
【
図9】
図8のデバイスで使用するための、針のための保護構造を有する流体基板の具体例の上面図を示す。
【
図11】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図12】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図13】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図14】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図15】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図16】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図17】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための流体基板の作製方法を示す。
【
図18】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するためのCMOSチップの具体例を示す。
【
図19】本発明の具体例にかかる、流体基板へのCMOSチップの接合工程を示す。
【
図20】本発明の具体例にかかる、流体基板へのCMOSチップの接合工程であり、CMOSチップはシリコンI/O相互接続を含む。
【
図21】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するためのCMOSチップの具体例であり、CMOSチップはI/Oパッドを含む。
【
図22】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するためのCMOSチップの具体例であり、CMOSチップは流体基板に接合されたI/Oパッドを含み、CMOSチップの一部は流体基板と重なる。
【
図23】本発明の具体例にかかる、流体基板へのCMOSチップの接合工程であり、CMOSチップはスルーホールを含む。
【
図24】本発明の具体例にかかる、流体基板へのCMOSチップの接合工程であり、流体基板は2つのスルーホールを含む。
【
図25】本発明の具体例にかかるデバイスの3次元図を示す。
【
図26】本発明の具体例にかかる無線独立型デバイスの3次元図を示す。
【
図27】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための、マイクロ流体素子の第1の具体例の一部の上面図を示す。
【
図29】本発明の具体例にかかるデバイスで使用するための、マイクロ流体素子の第2の具体例の一部の上面図であり、マイクロ流体素子はマイクロピラー(micro-pillarを含む。
【
図31】SDカードの形状の本発明に具体例にかかるデバイスの具体例を示す。
【
図32】SDカードの形状の本発明に具体例にかかるデバイスの他の具体例を示す。
【
図33】本発明の具体例にかかるデバイスの断面図であり、複数の機能性が1つのCMOS技術により支持される。
【0032】
図面は単に概略であり、限定的ではない。図面において、図示目的で、いくつかの要素の大きさは誇張され、縮尺通りには描かれない。
【0033】
請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈するべきではない。
【0034】
異なる図面において、同一参照符号は、同一または類似の要素をいう。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、特定の具体例について、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定されるものである。記載された図面は、単に概略であり、限定するものではない。図面において、図示目的で、いくつかの要素の大きさは拡張され、縮尺通りに記載されていない。寸法と相対寸法は、本発明の実施の実際の縮小には対応していない。
【0036】
更に、記載や請求の範囲中の、第1、第2等の用語は、類似の要素の間で区別するために使用され、時間的、空間的な、ランキングまたは他の方法の順序を表す必要はない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明の具体例は、ここに記載や図示されたものと異なる順序によっても操作できることを理解すべきである。
【0037】
また、記載や請求の範囲中の、上、下等の用語は、開示目的のために使用され、相対的な位置を示すものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明は、ここに記載や図示されたものと異なる位置でも操作できることを理解すべきである。
【0038】
また、請求の範囲で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に示される要素に限定して解釈されること排除するものであり、他の要素や工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分の存在を特定するように解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含むデバイスに限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
【0039】
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例(one embodiment)」または「具体例(an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
【0040】
同様に、必要に応じて、本発明の例示の開示中において、開示を能率的にし、1またはそれ以上の様々な発明の形態の理解を助ける目的で、本発明の多くの長所は、1つの具体例、図面、またはその記載中に時にはまとめられる。しかしながら、この開示の方法は、請求される発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が表すように、発明の形態は、1つの記載された具体例の全ての長所より少なくなる。このように、詳細な説明に続く請求の範囲は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の具体例としてそれ自身で成立する。
【0041】
更に、ここで記載された幾つかの具体例は幾つかの特徴で、他の具体例に含まれる以外の特徴を含むが、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求の範囲では、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせにおいても使用することができる。
【0042】
ここで与えられる記載において、多くの特別な細部が示される。しかしながら、本発明の具体例はそれらの特別な細部無しに実施できることを理解すべきである。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この記載の理解をわかりにくくしないために、詳細には示されていない。
【0043】
本発明の具体例では、「流体サンプル」に関して述べられるが、血液、尿、唾液のような体液についても述べられる。
【0044】
本発明の具体例では、「I/Oパッド」に関して述べられるが、マイクロチップの電気信号の入力および出力を可能にする金属コンタクトのようなコンタクトについても述べられる。
【0045】
本発明の具体例では、「CMOS」に関して述べられるが、相補型金属酸化物半導体についても述べられる。
【0046】
第1の形態では、本発明は、例えば
図26に示すような流体サンプルを分析するためのデバイス100に関する。デバイス100は、流体基板101、および流体基板101に取り付けられて流体基板101を少なくとも部分的に覆う蓋103を含む。流体基板101は、流体基板101に埋め込まれ、マイクロ流体素子102を通って毛細管力により流体酸サンプルを伝達するように形成された(サンプルパッド102a(=注入口)、試薬貯蔵庫102b、一回使用の密封バルブ102c、第1トリガバルブ102d、ミキサ102e、ディレイライン102f、第2トリガバルブ102g、ヒータ102h、および
ウィック102iのような複数のマイクロ流体素子により示される)マイクロ流体素子102と、マイクロ流体素子102に接合された流体サンプルを提供する手段とを含む。部分的に基板101を覆うことにより、蓋103は、少なくとも部分的にマイクロ流体素子102を閉じる。本発明の具体例では、流体基板101はシリコン流体基板であり、蓋103はCMOSチップである。
【0047】
流体基板101はシリコン基板であり、蓋103はCMOSチップであり、双方はシリコンプロセス技術と互換性のある大量生産を用いて製造できる。追加の優位点として、安価なCMOSパッケージ技術が、シリコン基板をCMOSチップに接合するために使用されても良い。これは、デバイスの総コストを低減し、使い捨てデバイスとして使用され、多量に生産されることを可能にする。
【0048】
図1は、流体基板101の具体例の3次元図を示す。
【0049】
デバイス100の上面図が、
図2に示され、流体基板101と蓋103が、互いに取り付けられる。
図2のデバイスに使用された例示の流体基板101の上面図が
図3に示される。流体基板101が蓋103に取り付けられた
図2のデバイス100の具体例の側面図が、
図4に示される。
【0050】
本発明の具体例にかかるデバイス100は、蓋103に取り付けられ、または接合された流体基板101を含む。流体基板101は、マイクロ流体素子102を含む。マイクロ流体素子102は、マイクロ流体チャネル、マイクロリアクタ、またはマイクロ流体素子102の全体を通って流体サンプルが伝達されるように相互接続された他のマイクロ流体部品/構造を含んでも良い。マイクロ流体素子102は、規則的な距離または不規則な距離の複数のマイクロピラーまたはマイクロ構造を含み、毛細管流動の間に、流体サンプルの濾過、および分離、調整(バルブとしての機能)、混合を可能にする。
図27は、毛細管流動の間に、流体サンプルの濾過、および分離、調整、混合を可能にするマイクロピラー270を含む開いたマイクロ流体素子102の一部の上面図を示す。
図28は、マイクロピラー270を含む
図27の開いたマイクロ流体素子102の3次元図を示す。
図27および
図28のマイクロピラー270は、傾斜を形成するように配置される。この傾斜は、マイクロ流体素子102の第1部分でより大きな粒子を濾過し、マイクロ流体素子102の第2部分でより小さい粒子を濾過するのに有利である。
図29および
図30は、マイクロ流体素子102中のマイクロピラー270の傾斜の他の具体例を示す。マイクロ流体素子102は、デバイス100を通る流体サンプルを伝達するために、毛細管現象をするように形成されても良い。マイクロ流体素子102の寸法は、流体サンプルが存在する場合に、マイクロ流体素子102中で毛細管現象が形成されるように適用されても良い。例えばマイクロ流体素子102中のマイクロピラー270の間の寸法および距離は、マイクロ流体素子102中で毛細管現象が形成されるように形成されても良い。有利な点として、本発明の具体例では、デバイス100は、デバイス100を通って流体サンプルが伝達されるための、追加の能動部品(例えば能動ポンプ)を必要としない。このように、デバイス100の複雑さが、従来技術の実施と比較して低減され、これは製造コストと電力消費を低減する。製造のコストが低いため、デバイスは、使い捨ての流体分析デバイスとして使用できる。
【0051】
マイクロ流体素子102中での流体サンプルの流れの正確な制御が、例えばマイクロ流体素子102中に存在するマイクロ流体チャネルおよび/またはマイクロピラーの大きさおよび距離を正しく配置すること達成されることは、本発明の具体例の優位点である。リソグラフィパターニングが、流体基板101中にマイクロ流体素子102を形成するために使用されても良い。マイクロ流体素子102のマイクロピラーとマイクロ流体チャネルのリソグラフィパターニングが、マイクロピラーおよびマイクロ流体チャネルの距離、大きさ、および形状の正確な制御を可能にし、これにより毛細管流動を正確に制御することは、優位点である。リソグラフィプロセスにより達成できる、この寸法の正確な制御は、制御できない側方流動を伴う多孔質紙から形成される最先端の側方流動のテストストリップより、再現性のある側方流動を達成するという優位点を与える。デバイスの長さの寸法を変えることにより、所望される流体サンプルの流動速さを低下および/または増加させることが可能である。これは、側方流動免疫学的測定テストが存在する中で使用される単純な流動より、複雑な生化学的反応の実施を可能にする。流体基板101の上に蓋として接合されたCMOSチップ中で実行される機能との組み合わせは、更に、必要であれば、温度制御、電気流体作動、および集積された生物学的感知、および読み出しの制御を付け加える。それゆえに、体液から始まる1つの集積された毛細管システム中で、DNA/RNA評価、タンパク質、小分子、および細胞およびそれらの組み合わせを含む複雑な分析の実行が可能となる。更に、制御された側方流動や温度の制御や流速の制御を用いた、シリコン中での毛細管流動の実行は、注意するテスト結果のより正確な点となる。
【0052】
本発明の具体例では、流体基板101は、マイクロ流体素子102に接続された、流体サンプルを提供するための手段を含む。
【0053】
蓋103は、流体基板101を覆うように機能し、蓋103が完全にまたは部分的にマイクロ流体素子102を閉じる。
図25は、蓋103が完全にまたは部分的にマイクロ流体素子102を閉じる本発明の具体例を示す。マイクロ流体素子102は、流体基板101中の開いたマイクロ流体素子102でも良い。本発明の代わりの具体例では、蓋103の寸法が、流体基板101の寸法と同じでも良い。蓋103は、流体基板101を完全に、または部分的に覆っても良い。流体サンプルを提供する手段が、(
図26に示すように)注入口109の場合、例えばサンプルパッド102a、蓋103は流体基板101を部分的に覆い、ユーザが流体サンプルの廃棄のために注入口109にアクセスできるようにする。
【0054】
本発明の具体例では、デバイス100は、更に、流体基板101のマイクロ流体素子102の上に配置された1またはそれ以上の電極を含んでも良い。それらの電極は、生体適合性のある電極でも良い。電極は、蓋103に電気的に接続され、マイクロ流体素子102中の流体サンプルと直接接続するように、デバイス100のマイクロ流体素子102中の流体サンプルと相互作用することを可能にする。蓋103自身が電極を含んでも良く、また電極を蓋103から分離することは、蓋103をより小さくして、コストを低減するという優位点を有する。
【0055】
本発明の具体例では、マイクロ流体素子102は、毛細管ポンプを含んでも良い。
【0056】
本発明の具体例では、流体サンプルを提供する手段は、例えばシリコンから形成され、マイクロ流体素子102に接続された内部毛細管チャネル105を含む、集積された針104でも良い。針104は、流体基板101の突出部分でも良く、皮膚組織に対して押しつけた場合、皮膚組織を突き抜けるように配置されても良い。
【0057】
流体基板101および針104は、単体のシリコンの一片から形成されても良い。これは、針104を流体基板101に取り付けるための分離した工程を不要とするため、本発明の具体例にかかるデバイス100の作製を単純にする。また、標準CMOSプロセス技術が、針104の作製のために使用されても良い。好適には、針104は、皮膚組織を突き抜けることができる鋭利な針である。流体基板101および針104は、双方がシリコンから形成されても良い。優位点として、シリコンの強度は、針104が皮膚組織を突き抜けるのを容易にするように、針104を非常に鋭利にできる。更に、シリコンの強度は、針104に対して堅く押しつけることを可能にし、針104の曲がりや破壊無しに皮膚組織を突き抜けるようにする。
【0058】
本発明の具体例では、針104は流体基板101の水平面に配置され、針104は流体基板101の側壁上に配置されても良い。針104は、流体基板101の飛び出した部分でも良い。異なる具体例では、針104は流体基板101の水平面に配置され、針は、流体基板101の主表面の上に垂直に配置されても良い。本発明の具体例では、針104は、マイクロ流体素子102に接続された開いたチャネルを備え、使用時に、皮膚組織に突き刺した場合に、皮膚組織は針104の側壁として機能しても良い。
【0059】
本発明の具体例にかかるデバイス100は、針104に対して使用者の皮膚組織を押すことにより使用されても良い。十分な力が使用された場合、針104は皮膚組織を突き抜けて、血液が針104の流体チャネル105に入るようにする。針104は、流体サンプルが内部の流体チャネル105に入るように開かれた先端部を含んでも良い。針が小さな外径(好適には200μmより小さい)を有するように鋭利な場合、皮膚組織の突き抜けは、使用者を不快にしないだろう。針104の内部流体チャネル105が、流体基板101のマイクロ流体素子102に接続された場合、血液はマイクロ流体素子102の中に入っても良い。毛細管力により、血液はマイクロ流体素子102を通って伝達される。
【0060】
図1は、(流体基板101の一部として)集積された針104を有する流体基板101の具体例を示し、針は、マイクロ流体素子102に接続された内部流体チャネル105を有する。マイクロ流体素子102は、サンプルパッド102a(=注入口)、試薬貯蔵部102b、1回使用の密封バルブ102c、第1トリガーバルブ102d、ミキサ102e、ディレイライン102f、第2トリガーバルブ102g、ヒーター102h、および
ウィック102iを含む。
図1に示すように、流体基板101中の全ての流体素子は開放されている。芯103は、いくつかまたは全ての流体素子を閉じるためのカバーとして機能する。
【0061】
本発明の具体例では、流体基板101は、針が104切り欠き部106の中に配置される切り欠き部106を含んでも良い。切り欠き部106は、流体素子101の除去部分であり、切り欠き部106中に存在する針104のための、機械的な保護を提供する。
【0062】
図5は、本発明の具体例にかかる上面図であり、蓋103が流体基板101に接合ざれている。
図6は、本発明の具体例の例示の流体基板101の上面図を示す。
図7は。本発明の具体例の側面図であり、蓋103が流体基板101に接合されている。
【0063】
図5、6、7に示されたように、針104は、流体基板101の切り欠き部106の中に配置される。切り欠き部106は、例えばデバイス100が、読み出しのために、スマートフォン等のモバイルデバイスのような外部デバイスのスロットに挿入された場合に、針104を破壊から保護する。流体基板101の側壁は、切り欠き部106を備えても良い。針104は切り欠き部106の中に配置され、切り欠き部106に向かって強く押された場合に、使用者が皮膚組織を突き抜けることを可能にする。更なる優位点として、作製中に、切り欠き部106の作製と共に、針10が作製されても良い。結果として、針104のための材料を除く、切り欠き部106のための材料のみを除去する必要があり、より少ない材料が消費される。切り欠き部106と針104は、標準シリコンプロセス技術を使用して作製しても良い。
【0064】
本発明の具体例では、流体基板101は、流体基板101に取り外せるように取り付けられた、針104を保護するための保護構造107を含む。本発明の具体例では、保護構造107は、少なくとも固定メカニズム108により、流体基板101に取り付けても良い。保護構造107は、少なくとも1つの固定メカニズム108を破壊することにより取り外しても良い。保護構造107は流体基板101の一部であり、固定メカニズム108は流体基板101中の溝で、保護構造107を溝で破壊できるものでも良い。
図8は、デバイス100のそのような具体例の上面図である。(例えば、
図8に記載されたデバイスのような本発明の具体例にかかるデバイス中で使用するための、流体基板101の例示的な具体例の上面図を示す)
図9に見られるように、保護構造107は流体基板101の一部であり、流体基板101から保護構造107を外すことができる2つの固定メカニズム108を備える。
図10は、
図8のデバイス100の側面図を示す。
【0065】
本発明の具体例では、流体サンプルを提供する手段は注入口109である。注入口109は、流体チャネルによりマイクロ流体素子102に接続された、流体基板101中の刻み目でも良い。デバイスを使用するために、使用者は血液や唾液のような体液の滴をデバイスの注入口109の上に配置する。毛細管力により、体液はマイクロ流体素子102を通って伝達される。
【0066】
図26は、本発明の具体例にかかる分解したデバイス100であり、注入口109とマイクロ流体素子102とを含む流体基板101、蓋103、およびパッケージ110を含む。パッケージ110は、流体基板101と蓋103を包むように共に組み立てられるベース部とトップ部とを含み、これにより、ほこりのような環境状態からそれらを保護する。パッケージは、流体基板101の注入口109の上に流体サンプルを配置するための、スルーホール260を含んでも良い。全ての部品が組み立てられた場合、デバイス100は、流体サンプルを分析するための独立型の無線デバイスとして機能しても良い。
【0067】
本発明の具体例では、デバイス100中に流体サンプルが存在する場合に、少なくとも蓋103の一部が流体サンプルと接触しても良い。蓋103がCMOSチップなので、蓋103が流体基板101中に開放されたマイクロ流体素子102の側壁として機能する場合、チップの表面上に存在する電子回路は流体サンプルに接触しても良い。この場合、電子回路を含むチップの側面が流体基板101のマイクロ流体素子102に接合されて、電子回路は、流体サンプルとの相互作用が所望されるマイクロ流体素子102の一部と整列しても良い。優位点として、これは、電子回路と流体サンプルとの間の相互作用を改良しても良い。
【0068】
本発明の具体例では、蓋103は、蓋103を流体基板101に接合できる接合層を含んでも良い。
【0069】
本発明の具体例では、開放されたマイクロ流体素子102を含む流体基板101の第1側面は、少なくとも1つの電気部品を含むCMOSチップ103の第1側面に接合されても良い。
【0070】
具体例では、蓋103はトランジスタ層を含み、トランジスタ層は、少なくとも1つの電気部品に電気的に接続され、電機部品は以下に示す生物学的検出回路、検出目的の電極、流体作動目的の電極、データ通信目的の回路、無線データ通信目的の回路、温度センサ、温度制御または温度サイクルのためのヒータ電極、流体粘性制御のための流体センサと電極の、少なくとも1つである。無線データ通信のための回路は、蓋103の中の電気回路から無線でデータを送るための、ブルートゥースラジオまたはWiFiモジュールによる通信のための設備を含んでも良い。優位点として、デバイス100は、更にデータを処置するために使用される携帯デバイスのような外部デバイスと通信しても良い。
【0071】
蓋103は、CMOSチップである。本発明の具体例では、CMOSチップは、シリコン基板111、トランジスタ層112、トランジスタ層112に電気的に接続された少なくとも1つの電気部品、および少なくとも1つの接合層15を含む。少なくとも1つの電気部品は、生物学的検出回路、検出目的の電極、流体作動目的の電極、データ通信目的の回路、無線データ通信目的の回路、温度センサ、温度制御のためのヒータ電極、および流体粘性制御のための流体センサと電極、の少なくとも1つである。
【0072】
本発明の具体例にかかる蓋103の特定の具体例が、
図18に示される。この具体例では、CMOSチップ103はシリコン基板111を含む。シリコン基板111の上には、トランジスタ層112が存在しても良い。トランジスタ層112の上には、相互接続層113が存在しても良い。トランジスタ層112の上には、相互接続層113によりトランジスタ層112に電気的に接続された少なくとも1つの電気部品が存在しても良い。相互接続層113は、複数の金属層を含んでも良い。本発明の具体例では、トランジスタ層112の上に、接合層15と少なくとも1つの電極114が存在しても良い。電極114は、相互接続層113によりトランジスタ層に電気的に接続されても良い。
【0073】
本発明の具体例では、少なくとも1つの電気部品は、流体腐食が無く、化学的に不活性な生体適合性のある電極でも良い。特定の具体例では、少なくとも1つの電極114は、TiN電極である。
【0074】
本発明の具体例では、接合層115は、低温と低電圧で、CMOSチップ103を流体基板101に接合できる層でも良い。それらの条件はCMOSチップにダメージを与えず、試薬や、マイクロ流体基板101の上に提供される例えばタンパク質にもダメージを与えないため、これは優位点である。特定の具体例では、接合層115は、SiO
2またはポリマー層でも良い。
【0075】
図19は、本発明の具体例にかかるデバイス100であり、
図18に示すようにCMOSチップ103は流体基板101に接合される。接合層115と電極114を含むCMOSチップ103の側面は、開放されたマイクロ流体素子102を含む流体基板101の側面に接合される。これは、
図18に示したCMOSチップ103は、
図18に記載された位置に対して、上面が下を向くようにひっくり返されることを意味する。電極114は、これにより、マイクロ流体素子102の中に存在する流体サンプルに対して、直接接触する。接合層115は、CMOSチップ103を流体基板101に接続するために使用される。
【0076】
本発明の具体例では、CMOSチップ103は、
図20に示すように、少なくとも1つのシリコンI/O接続116を含んでも良い。シリコンI/O接続116は、トランジスタ層112の中のCMOSの電気信号にアクセスするために、基板111を通る裏面開口部でも良い。更に、代わりの具体例では、シリコンI/O接続116は、相互接続層113中のCMOSチップ103の電気信号にアクセスするために、基板111とトランジスタ層112の双方を通る裏面開口部でも良い。
図20は、CMOSチップ103が、流体基板101に接続され、そしてCMOSチップ103が、基板111とトランジスタ層112の双方を通るシリコンI/O接続116を有するデバイス100を示す。
【0077】
本発明の具体例では、流体基板は、開放されたマイクロ流体素子102を含み、流体基板は、CMOSチップ103により部分的に覆われても良い。マイクロ流体素子102の一部が覆われずに、これは、マイクロ流体素子102の特定の開放された部分の上に試薬を提供する/付けることを可能にすることは、優位点である。この場合、CMOSチップ103に流体基板101を接合した後に、試薬を提供するため追加のスルーホールは不要である。活性電極が使い捨ての最も高価な部分であるため、CMOSチップ103面積がより小さいことは、優位点である。
【0078】
本発明の具体例では、CMOSチップ103は、更に少なくとも1つのI/Oパッド117を含む。少なくとも1つのI/Oパッド117は、相互接続層113の上に配置されても良い。
【0079】
図21は、CMOSチップ103の具体例を示す。CMOSチップ103は、シリコン基板111を含む。シリコン基板の上に、トランジスタ層112が存在する。トランジスタ層112の上に、相互接続層113が存在する。相互接続層113は、電気部品を有するトランジスタ層112に相互接続するための複数の金属層を含んでも良い。トランジスタ層112の上には、接合層115、I/Oパッド117、および記載された具体例では複数の電極114が存在する。電極114は、相互接続層113によりトランジスタ層112に電気的に接続される。I/Oパッド117は、また、相互接続層113によりトランジスタ層112に電気的に接続されても良い。
【0080】
本発明の具体例では、CMOSチップ103の第1主表面の第1部分は、流体基板101を覆い、CMOSチップ103の第1主表面の第2部分は、流体基板101を覆わなくても良い。それらの具体例では、CMOSチップ103は、流体基板101より大きいか、または流体基板101に対して横方向にずれて、流体基板101に対して張り出し部を形成しても良い。CMOSチップ103の第1主表面の第2部分は、I/Oパッド117にアクセスするための、少なくとも1つのI/Oパッド117を含んでも良い。
【0081】
図22は、流体基板101に接合された、
図21に示されたようなCMOSチップ103を示す。CMOSチップ103の第1部分は、少なくとも部分的に、そして記載された具体例では完全に、流体基板101を覆い、デバイス100のマイクロ流体素子102の中に流体が存在する場合に、電極114は流体サンプルに直接接触する。接合層115は、流体基板101にCMOSチップ103の第1部分を接合するために使用される。CMOSチップ103の第2部分は、流体基板101を覆わない張り出し部を形成する。第2部分は、I/Oパッド117を含む。優位点として、この張り出し部は、I/Oパッド117への容易なアクセスを可能にする。これは、標準I/Oパッド寸法とパッケージのアプローチが、スマートカードのために一般に使用されるスロット中に基板を挿入するために使えることを可能にする。CMOSチップ103の電気信号にアクセスするために、シリコンI/O接続(例えば、基板とトランジスタ層を通る孔)を形成するため追加の処理工程が必要でないことも、優位点である。
【0082】
本発明の具体例では、流体基板101は、更に、少なくとも1つの光導波路を含み、デバイス100の中に流体サンプルが存在する場合に、流体サンプルの光励起および検出を可能にする。
【0083】
本発明の具体例では、流体基板101または蓋103は、マイクロ流体素子102の領域または蓋103の領域に生化学試薬を適用するために、少なくとも1つのスルーホールを含む。流体基板101または蓋103の中のスルーホールは、マイクロ流体素子102の特定の領域または蓋103の特定の領域に、生化学試薬を適用できるようにする。これは、蓋103を流体基板101に取り付けた後に試薬を適用できるため、優位点である。
【0084】
本発明の具体例では、CMOSチップ103は、少なくとも1つのスルーホール118を含んでも良い。流体基板101に取り付けた場合、CMOSチップ103中のスルーホール118は、流体基板101中のマイクロ流体素子102の特定位置の上、またはCMOSチップ103の特定の部分の上に、試薬を付けることを可能にする。
図23は、CMOSチップ103が1つのスルーホール118を含む具体例を示す。この具体例ではCMOSチップは、更に、シリコンI/O接続116を含む。図示したように、CMOSチップ103は、流体基板101の一部を完全に覆う。
【0085】
本発明の同一または代わりの具体例では、流体基板101の第1側面は、開放されたマイクロ流体素子102を含む。マイクロ流体素子102が形成された側面と対向する他の側面は、少なくとも1つのスルーホール119を含む。スルーホール119は、流体基板101中のマイクロ流体素子102の特定の領域の上、またはCMOSチップ103の特定の部分の上に、試薬を付けることを可能にする。
図24は、流体基板が2つのスルーホール119を含む具体例を示す。CMOSチップ103の一部は、流体基板101を覆い、流体基板101を覆わず、張り出し部を形成する部分は、I/Oパッド117を含む。
【0086】
本発明の具体例では、蓋103はポリマーを用いて流体基板101に接合され、ポリマーはリソグラフィでパターニングされたポリマーが好ましい。蓋103と流体基板101との間に接合を形成するための材料は、好ましくは低温で、例えば室温で、Si−Siボンディングを形成するのに適したものである。これは、蓋103の上に存在し、接合プロセスで破壊されてはいけないCMOS回路と互換性を有し、流体基板101の上に存在し、接合プロセスで破壊されてはいけない試薬と互換性を有する。蓋103を流体基板101に接合するのに好ましい接合材料は、例えば、Dow Corning社から入手できる光でパターニングできるPDMS、Micr Chemから入手できるSU8、またはMercene Labsから入手できるOSTEである。これらの接合材料は、すべて接合温度が室温である。
【0087】
本発明の具体例では、蓋103は、CMOS互換パッケージ技術を用いて、流体基板101に接合される。CMOSパッケージ技術は、流体基板101がシリコンで、蓋103がCMOSチップの場合に用いても良い。
【0088】
本発明の具体例では、デバイス100は、更に、蓋103からの電気信号を読み出すために、蓋103に電気的に接続された金属コンタクトを含んでも良い。金属コンタクトは、蓋103の上に配置され、蓋103の中の電気回路で電気的に接続されても良い。金属コンタクトの位置および形状は、標準に従って選択され、携帯デバイスのような通信デバイス中で一般に使用されるメモリカード(例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、マルチメディアカード、またはセキュアデジタル(SD)メモリカード)のスロットのような標準化されたスロット中にデバイスを挿入できる。携帯デバイス中へのデバイス100の挿入は、携帯デバイス中に存在するプロセッサおよび/または他の電気部品により、蓋103からの電気信号の処理を可能にする。例えば、スマートフォンのプロセッサは、電気信号の処理および/またはデータの表示のために使用されても良い。
【0089】
本発明の具体例では、流体基板101および/または蓋103の少なくとも一部は、透明材料からなり、流体サンプルがマイクロ流体素子102中に存在する場合に、流体サンプルの光学的検査を可能にしても良い。透明材料から形成された流体基板101の一部は、デバイスのマイクロ流体素子102の一部でも良い。透明部分は、デバイス100のマイクロ流体素子102の側壁でも良い。透明材料は、デバイス100中で流体サンプルの光学的検査を可能にする。光学的検出器は、例えば検体を検出するために、流体サンプルを光学的に検査するために使用されても良い。光学的検出器は、外部デバイスの一部の、またはデバイス100中に集積された画像センサでも良い。透明材料は、透明な酸化物またはポリマーでも良い。顕微鏡のためには、蓋103の一部および流体基板101の一部が透明でも良い。レンズ無しの画像センサのためには、蓋103の一部と流体基板101の一部は透明で、伝送モードで働くことができ、放射源は、蓋103の透明部分を通ってデバイス100中の流体サンプル中の物体を照射するために用いられ、検出器は、流体基板101の透明部分を通って照射された物体からの信号を検出するため用いられても良い。信号は、流体サンプル中の照射された物体の回折パターンでも良い。
【0090】
図33は、本発明の具体例にかかるデバイス100であり、流体基板101と蓋103とは互いに接合されている。流体基板101は、マルチオムニック分析のために異なるマイクロ流体素子を含み、記載された具体例では、複数のチャンバ330、331、332、333とマイクロ流体チャネル(図示せず)を含む。チャンバは、それらの機能や測定が行われるタイプに応じて異なる深さを有しても良い。チャンバは、例えば流体力や電気のような好ましい方法で作動されるバルブにより分離されても良い。作動のための電極は、流体基板101の上、または蓋103の上に形成されても良い。蓋103を形成するCMOSチップは、このように、例えばCMOS顕微鏡撮像装置334、CMOS光検出器335、336、および加熱および/または検出のためのCMOS電気回路337のように、異なる機能を包含しても良い。CMOS顕微鏡撮像装置334は、マイクロ流体素子102中の流体サンプルからの光学信号を読み出すために、CMOS活性ピクセルを含んでも良い。CMOS光検出器335は、光学共鳴装置338を含む。導波路339は、CMOSチップ103の1つの場所から他の場所に、測定光を伝えるために存在しても良い。導波路は、例えば、レンズ無し顕微鏡を実施するために、サンプルを照射するために使用されても良い。更に、流体基板101の中または蓋103の中に、フィルタは、放出からの光励起を止めるために、流体基板101の中または蓋103の中に形成され、蛍光信号の測定を可能にする。また、マルチスペクトルフィルタが、複数の色を有する蛍光信号を測定するために、流体基板101の中または蓋の中に形成されても良い。
【0091】
このように、異なるタイプのマーカーの検出が、本発明の具体例にかかる、単体の、好ましくは使い捨ての検出デバイス中で行うことができる。
【0092】
本発明の具体例では、デバイス100の形状は、携帯通信デバイス中に挿入できるものである。本発明の具体例では、デバイス100は、メモリカードの形状/寸法を有する。デバイス100の寸法が、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、マルチメディアカード、セキュアデジタル(SD)メモリカードまたは他のタイプのような、携帯デバイス中で使用される標準のメモリカードのような、標準に従う。
【0093】
図31および
図32は、デバイス100がSDカードの形状を有する本発明の具体例を示す。(SDカードの標準で常に存在する)切り欠き部106の内側に、針104が存在する。SDカードの反対側には、金属コンタクトが存在して、蓋103に電気的に接続され、蓋103からの電気信号の読み出しを可能にし、この電気信号は、SDカードが挿入されたデバイスにより更に処理されても良い。
【0094】
本発明の具体例では、蓋103または流体基板101は、例えば、蓋103に電気的に接続された電池部品(図示せず)のような、デバイス100に電力を供給するための部品を含んでも良い。
【0095】
本発明の具体例の第2の形態は、本発明の第1の形態中に記載されたデバイスの作製方法に関する。この方法は、流体基板101を提供する工程と、蓋103を提供する工程と、流体基板101を蓋103に取り付けて、流体基板101を少なくとも部分的に閉じる工程とを含み、流体基板101はシリコン流体基板であり、蓋103はCMOSチップであることを特徴とし、CMOS互換接合プロセスを用いて、流体基板101が蓋103に接合される。
【0096】
CMOS互換接合プロセスを用いて、流体基板101が蓋103に接合されることが、優位点である。先端技術のデバイスでは、接合工程は、高い温度/電圧の接合技術を用いて行われる。それらの接合技術は、CMOSチップ中に存在する電気回路および/またはマイクロ流体基板101中に存在する試薬にダメージを与える。CMOS互換接合プロセスの使用は、より低い温度/電圧での接合を可能にし、それゆえに、蓋103の電気回路およびマイクロ流体素子102中に存在する試薬を保護する。本発明の具体例では、接合工程は、例えば酸化物と酸化物の直接接合またはパターニング可能なポリマーを用いた接合のような、ウエハトゥウエハまたはダイトゥウエハの接合プロセスにより行われても良い。更に、製造フロー中に、いくつかの試薬が基板の1つの上に既に付着している場合、低温での接合を行えることは、優位点である。
【0097】
流体基板101は、2つのハードマスク、層の保護と脱保護、粗い構造のエッチングと微細な構造のエッチングの組み合わせにより、一片のシリコン基板中で、粗い構造と微細な構造の組み合わせを用いて形成しても良い。微細な構造は、デバイス100のマイクロ流体素子102中で、制御された毛細管吸引を可能にするように形成される。微細な構造は、マイクロピラー270および/または他のマイクロ構造を含んでも良い。粗い構造は、例えば試薬を貯蔵するための試薬貯蔵庫102bのような大きな堆積の流体を貯蔵するための構造、または
ウィック102iでも良い。ガラスやポリマーのようなより一般的なマイクロ流体材料よりむしろシリコンを用いることは、シリコンの非常に高い異方性エッチングは、極めて高いアスペクト比を有する微細構造となるため、優位点である。シリコンのマイクロピラー270は、典型的には1μmから20μmの横方向の寸法と、20〜50のアスペクト比を有する。高いアスペクト比は、本質的に毛細管流動のために、表面の体積に対する高い比を有する場合に有利である。粗い構造と組み合わされた、高アスペクト比の微細構造は、他の材料で得られるよりも小さい専有面積で、より複雑な毛細管流体機能を実現できる。更に複雑な機能は、分離(例えば、分子から細胞を分離)、混合、制御、熱制御された反応等を含む。更に、シリコンは、生化学反応の実施に対して明確な優位点を有する不活性材料である。極めて小型の全体が集積された使い捨てデバイスの優位点は、流体基板およびCMOS蓋の双方のためにシリコンを進歩的に用いる結果である。低減された専有面積は、また、全体のデバイスのコストの低減をもたらす。
【0098】
本発明の具体例では、流体基板101を提供する工程は、
図11に示されるシリコン基板201を提供する工程と、マイクロ流体素子102を形成するためにシリコン基板をパターニングする工程と、デバイス100中に流体サンプルを提供するための手段を含み、マイクロ流体素子102は、デバイス100を通る毛細管力により流体サンプルを伝達するように形成される。
【0099】
本発明の具体例では、流体基板101を提供する工程は、シリコン基板201を提供する工程と、酸化マスク202を提供する工程と、第1のパターニング可能なマスク層210を用いて酸化マスク202をパターニングし、酸化マスク202中に微細構造203を形成する工程と(
図12)、パターニングされた酸化マスクを保護するために保護層204を提供する工程と、第2のパターニング可能なマスク層211の中に粗い構造をパターニングする工程(
図13)と、第2のマスク層211を通ってシリコン基板201中に粗い構造205をエッチングする工程(
図14)と、第2のマスク層211を除して、粗い構造205を保護するために酸化物206を堆積する工程(
図15)と、保護層204を除去して(
図16)、エッチマスクとして酸化物層206を用いて微細な基板203をエッチングする工程(
図16)と、酸化物206を除去する工程(
図17)と、を含む。結果の構造は、本発明の第1の形態の具体例にかかるデバイス中で使用されるマイクロ流体基板101である。
【0100】
図11〜
図17は、どのように流体基板101が作製されるかを示す。本発明の具体例では、流体基板101は、
シリコン基板201を提供する工程、酸化マスク202を提供する工程、酸化マスク202をパターニングして酸化マスク202中に微細な構造を形成する工程、を含む微細な構造203を提供する工程と、
酸化物202を保護するために保護層204を提供する工程と、
粗い構造205のリソグラフィを行う工程と、
粗い構造205のエッチングを行う工程と、
粗い構造205を保護するために酸化物206を成長する工程であって、微細な構造203の上の保護層204は酸化物の成長を妨げる工程と、
保護層204を除去し、微細な構造203をエッチングする工程と、
酸化物206を除去する工程と、
を行うことにより作製されても良い。
【0101】
本発明の具体例では、保護層204は窒化物層でも良い。
【0102】
本発明の具体例では、CMOSチップ103を提供する工程は、シリコン基板111を提供する工程、シリコン基板の上にトランジスタ層112を作製する工程、およびトランジスタ層の上に相互接続層113を提供する工程、を含む。相互接続層は、少なくとも1つの金属層を含む。CMOSチップ103は、標準のCMOSプロセス技術を用いて作製される。
【0103】
更に、標準CMOSプロセスフローの上に、追加の部品が、生体適合性のある電極、接合層、I/Oパッドまたは他の部品のような相互接続層113の上に堆積またはパターニングされても良い。
【0104】
本発明の具体例では、スルーホール109、118が流体基板101またはCMOSチップ103を通ってエッチングされ、流体基板101またはCMOSチップ103に試薬を適用するための、流体アクセスを可能にしても良い。CMOSチップ103中のスルーホールが形成され、一方で、CMOSチップ103の中にシリコンI/O相互接続層116を作製しても良い。流体基板101中のスルーホールは、最初に流体基板101を薄くして、続いてスルーホールをエッチングすることにより作製されても良い。
【0105】
本発明の具体例では、CMOSチップ103は、ダイトゥウエハまたはウエハトゥウエハ接合プロセスを用いて、流体基板101に接合されても良い。
【0106】
CMOSチップ103の電気信号にアクセスするために、シリコンI/O接続116が提供されても良い。本発明の具体例では、CMOSチップ103のシリコン基板111を薄くして、相互接続層113の金属層にアクセスできるようにシリコン基板111の上で裏面エッチングを行うことにより、コンタクトを形成しても良い。
【0107】
代わりに、チップ103の第1側面にI/Oパッド117を含むCMOSチップ103が形成され、CMOSチップ103の第1側面は流体基板101に接合され、I/Oパッド117を含むCMOSチップ103の第1側面は流体基板101を覆わなくても良い。これは、例えば
図22に示される。CMOSチップ103が流体基板101に接合された場合に、I/Oパッド117はアクセス可能になる。I/Oパッド117は、メモリカード上の金属コンタクトとして使用しても良い。
【0108】
本発明の具体例では、CMOSチップ103は流体基板101に接合され、一方、CMOSチップ103の第1側面の上の少なくとも1つの電気部品は、マイクロ流体素子102と整列される。例えば、CMOSチップ103の第1側面の上の検出電極および作動電極は、流体基板101の検出または作動側面と整列する。これは、流体サンプルがデバイス100中に存在する場合に、CMOSチップ103の上に存在する電気部品と流体サンプルが直接接続することを可能にする。
【0109】
本発明の具体例では、流体基板101と蓋103の表面は、流体サンプルとの表面相互作用を修正するために、部分的または完全に被覆されても良い。この表面は、マイクロ流体素子102の内部表面または流体基板101に接合されるCMOSチップ103の表面でも良い。特に、CMOSチップ103の表面のそれらの部分は、マイクロ流体素子102中に存在する流体サンプルと接触する。被覆は、親水性コーティングでも良い。
【0110】
マイクロ流体素子102の表面、および/または流体基板101に接合されたCMOSチップ103の側面は、表面の濡れ挙動を改良するために親水性に形成され、これにより毛細管流動を推進できる。壁の上への生体分子の吸着や付着を避けるために、表面が処理されても良い。被覆は、例えばシランを用いた気相被覆(vapor coating)により行われても良い。本発明の具体例では、被覆は、流体基板101の所定の位置(例えば、マイクロ流体チャネル内)またはCMOSチップ103の所定の位置で部分的に行っても良い。
【0111】
本発明の具体例では、少なくとも1つのスルーホールが、スルーホールの第1エッチングにより流体基板101中に作製され、続いてスルーホールをポリマーの透明酸化物で充填する。
【0112】
本発明の具体例は、ケアデバイスの小型で使い捨ての点の機能性、携帯性、および生産性を改良する。本発明の特定の具体例は、針、または血液または他の体液を吸入するための注入口を有する全体が集積されたシリコンデバイスである。デバイスは、毛細管現象によりデバイスを通る流体サンプル伝達のための毛細管流体システムを備える。毛細管流体システムの
ウィッキングゾーンとして機能する毛細管ポンプは、デバイス中で流体サンプルを伝達するために使用しても良い。毛細管システムの内側での生化学センサ反応により形成された信号を読み取るセンサチップは、デバイスに生体学的感知機能を加える。更に、デバイスは、パーソナルコンピュータ、コンピュータユニット、スマートフォン、または他の無線通信デバイスにデータを送るために、データ通信インターフェイスを備えても良い。デバイスは、独立のシステムとして機能し、電池のような電力インターフェイスがデバイス中のマイクロチップのような電気回路に電力を供給する。代わりに、デバイスは、デバイスの通信ポートにより電力を供給しても良い。
【0113】
デバイスは、更に、フィルタ、混合、調整構造を含む流体操作構造を含んでも良い。使用前に、針を保護し破壊から守るための切り欠き部分を有する保護構造は、使用前の汚染を避けるために存在しても良い。エレクトロウェッティング(electrowetting)、電気泳動(electrophoretic)および誘電泳動(electrophoretic)操作を含む電気的に制御できる流体操作構造のような構造は、デバイス中で流体サンプルと相互作用するために存在しても良い。電気的に制御できるヒータは、チップの温度を正確に制御するために、または熱サイクルの目的で存在しても良い。
【0114】
本発明の他の例示的な具体例は、リソグラフィで形成されたチャネル、マイクロピラー、および深い反応性イオンエッチングにより作製され、毛細管流体プラットフォームとして機能するために設計された様々な形状のマイクロ構造を含むシリコン基板を提供することにより、上記機能の全てを形成するための、洗練され、低コストで、しかも小型の方法を含む。シリコン基板は、針と針を保護するための切り欠き部分を形成するために、対策を有しても良い。シリコン基板は、デバイス中の流体サンプルの堆積と毛細管流動を正確に制御できる異なるエッチ深さを有しても良い。シリコン基板は、トランジスタ層を含むCMOSエレクトロニクスを含むCMOS基板(=蓋103)により閉じられても良い。エレクトロニクスは、検出、作動、信号伝達、データ処理およびデータ通信を含む機能を提供し、それゆえにケア機器のポイントを置き換える。電極のいくつかは、流体と直接接続し、それらの電極は、流体互換方法で保護されても良い。シリコン基板は、リークの無い、生体適合性のある方法で双方の基板を接合することにより、CMOS基板により閉じられても良い。これは、パターニング可能なポリマーを用いた接合のような、ウエハトゥウエハまたはダイトゥウエハ接合プロセスを用いて行うことができる。体液と接触する内部シリコン基板表面は、内部チャネルのコーティングによる親水性層を有しても良い。更に、デバイスが接合された後に、試薬を供給するために、スルーウエハホールがシリコン基板中に作製されても良い。それぞれの分析に対して、異なる試薬を供給しても良い。優位点として、同じデバイスは、最後の製造工程で、スルーホールを通って単に試薬を追加するだけで、異なる疾病のために設定可能となる。デバイスは、製造コストを低減し、デバイスを使い捨てデバイスとして使用可能にするCMOS互換処理工程を用いて作製しても良い。
【0115】
更に、デバイスは、標準ユーザーインターフェイスと調和することができる機器を含んでも良い。例えば、スマートカードで一般に予想されるように、スロットに挿入された無線通信デバイス中のスマートカードとして,そのようなデバイスは使用される。例えば、小型で安価な電池や、低コストの通信デバイス(例えばブルートゥース、NFC)とともに、そのようなデバイスは使用される。例えば、無線通信インターフェイス(例えば、USB)とともに、そのようなデバイスは使用される。
【0116】
本発明の具体例は、体液からDNA/RNAを検出するために使用され、突然変異(血統、薬物投与、疾病素因)、miRNA(がんおよび他の疾病のマーカー)、病原体DNA/RNA(HepC、HIV等の感染性疾病)、微生物叢DNAを検出するための分析を行う。更にデバイスは、特定の疾病(がん、アルツハイマー、感染性疾病、心臓病、がん等)の生体マーカーのようなタンパク質の検出に使用しても良い。更に、デバイスは、小分子、代謝異常の情報(コレステロール)を知らせる代謝体の検出に使用しても良い。更に、デバイスは、エキソソームからの生体マーカーの検出に使用しても良い。更に、デバイスは、血球の計算、血液中に存在する細胞(例えば循環腫瘍細胞)、感染性因子(例えば、マラリア)の特定、および血液疾患(例えば、鎌状細胞貧血)の分析のために顕微鏡として使用しても良い。