特許第6007320号(P6007320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6007320
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】計算機、関連性算出方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20160929BHJP
【FI】
   G06Q10/10 310
【請求項の数】18
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2015-519520(P2015-519520)
(86)(22)【出願日】2013年5月28日
(86)【国際出願番号】JP2013064709
(87)【国際公開番号】WO2014192072
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】特許業務法人藤央特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 裕司
(72)【発明者】
【氏名】田村 公孝
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−250080(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/061371(WO,A1)
【文献】 特開2010−176288(JP,A)
【文献】 特開2006−260333(JP,A)
【文献】 特開2007−233474(JP,A)
【文献】 特開2002−279119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含む制御部と、複数の業務が使用したデータを記憶する記憶部と、を備えて前記複数の業務の関連性を算出する計算機であって、
前記記憶部は、
前記複数の業務で使用したデータを特定するデータ特定情報と、
前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持し、
前記制御部は、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データが一致する異なる業務特定情報を、関連性を含む業務特定情報の組み合わせとして出力し、
前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加され、かつ、当該処理の使用回数を計数して所定値以上になったときには、他方の前記業務特定情報に対応する業務に前記処理を追加することを特徴とする計算機。
【請求項2】
請求項1に記載の計算機であって、
前記制御部は、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち全ての前記データ特定情報が一致する異なる業務特定情報を、関連性を有する業務特定情報の組み合わせとして出力することを特徴とする計算機。
【請求項3】
請求項1に記載の計算機であって、
前記制御部は、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データ特定情報が一致する割合に基づいて関連度を算出し、当該関連度を異なる業務特定情報間の関連度として出力することを特徴とする計算機。
【請求項4】
請求項3に記載の計算機であって、
前記制御部は、
前記関連度が所定の閾値以上のときに、前記異なる業務特定情報の組み合わせを関連性のある業務特定情報と判定することを特徴とする計算機。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれかひとつに記載の計算機であって、
前記記憶部は、
前記複数の業務で使用したデータ特定情報と、
前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報の順序と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持し、
前記制御部は、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データ特定情報の順序が一致する異なる業務特定情報について、前記順序が一致する前記データ特定情報の割合に基づいて関連度を算出することを特徴とする計算機。
【請求項6】
請求項1に記載の計算機であって、
前記制御部は、
前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加された場合には、他方の前記業務特定情報に対応する業務に前記処理を追加することを特徴とする計算機。
【請求項7】
プロセッサを含む制御部と、複数の業務が使用したデータを記憶する記憶部と、を備えて前記複数の業務の関連性を算出する計算機であって、
前記記憶部は、
前記複数の業務で使用したデータを特定するデータ特定情報と、
前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持し、
前記制御部は、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データが一致する異なる業務特定情報を、関連性を含む業務特定情報の組み合わせとして出力し、
前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加された場合には、当該処理の使用回数を計数し、
他方の前記業務特定情報に対応する業務に対して、前記追加された処理と、前記一方の前記業務特定情報に対応する業務と、前記処理の使用回数を通知することを特徴とする計算機。
【請求項8】
プロセッサと記憶部を備えた計算機で、複数の業務の関連性を算出する関連性算出方法であって、
前記計算機が、前記記憶部に、前記複数の業務が使用したデータを記憶する第1のステップと、
前記計算機が、前記記憶部に、前記複数の業務で使用したデータを特定するデータ特定情報と、前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持する第2のステップと、
前記計算機が、前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データが一致する異なる業務特定情報を、関連性を含む業務特定情報の組み合わせとして出力する第3のステップと、
前記計算機が、前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加され、かつ、当該処理の使用回数を計数して所定値以上になったときには、他方の前記業務特定情報に対応する業務に前記処理を追加する第4のステップと、
を含むことを特徴とする関連性算出方法。
【請求項9】
請求項8に記載の関連性算出方法であって、
前記第3のステップは、
前記計算機が、前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち全ての前記データ特定情報が一致する異なる業務特定情報を、関連性を有する業務特定情報の組み合わせとして出力することを特徴とする関連性算出方法。
【請求項10】
請求項8に記載の関連性算出方法であって、
前記第3のステップは、
前記計算機が、前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データ特定情報が一致する割合に基づいて関連度を算出し、当該関連度を異なる業務特定情報間の関連度として出力することを特徴とする関連性算出方法。
【請求項11】
請求項10に記載の関連性算出方法であって、
前記第3のステップは、
前記関連度が所定の閾値以上のときに、前記異なる業務特定情報の組み合わせを関連性のある業務特定情報と判定することを特徴とする関連性算出方法。
【請求項12】
請求項9ないし請求項11のいずれかひとつに記載の関連性算出方法であって、
前記第2のステップは、
前記計算機が、前記記憶部に、前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報の順序と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持し、
前記第3のステップは、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データ特定情報の順序が一致する異なる業務特定情報について、前記順序が一致する前記データ特定情報の割合に基づいて関連度を算出することを特徴とする関連性算出方法。
【請求項13】
請求項8に記載の関連性算出方法であって、
前記計算機は、前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加された場合には、他方の前記業務特定情報に対応する業務に前記処理を追加するステップをさらに含むことを特徴とする関連性算出方法。
【請求項14】
プロセッサと記憶部を備えた計算機で、複数の業務の関連性を算出する関連性算出方法であって、
前記計算機が、前記記憶部に、前記複数の業務が使用したデータを記憶する第1のステップと、
前記計算機が、前記記憶部に、前記複数の業務で使用したデータを特定するデータ特定情報と、前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持する第2のステップと、
前記計算機が、前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データが一致する異なる業務特定情報を、関連性を含む業務特定情報の組み合わせとして出力する第3のステップと、
前記計算機が、前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加された場合には、当該処理の使用回数を計数する第5のステップと、
前記計算機が、他方の前記業務特定情報に対応する業務に対して、前記追加された処理と、前記一方の前記業務特定情報に対応する業務と、前記処理の使用回数を通知する第6のステップと、
を含むことを特徴とする関連性算出方法。
【請求項15】
プロセッサと記憶部を備えた計算機で、複数の業務の関連性を算出するプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記記憶部に、前記複数の業務が使用したデータを記憶する第1のステップと、
前記記憶部に、前記複数の業務で使用したデータを特定するデータ特定情報と、前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持する第2のステップと、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データが一致する異なる業務特定情報を、関連性を含む業務特定情報の組み合わせとして出力する第3のステップと、
前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加され、かつ、当該処理の使用回数を計数して所定値以上になったときには、他方の前記業務特定情報に対応する業務に前記処理を追加する第4のステップと、
を前記計算機に実行させるプログラムを格納した非一時的な計算機読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
請求項15に記載の記憶媒体であって、
前記第3のステップは、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち全ての前記データ特定情報が一致する異なる業務特定情報を、関連性を有する業務特定情報の組み合わせとして出力することを特徴とする記憶媒体。
【請求項17】
請求項15に記載の記憶媒体であって、
前記第3のステップは、
前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データ特定情報が一致する割合に基づいて関連度を算出し、当該関連度を異なる業務特定情報間の関連度として出力することを特徴とする記憶媒体。
【請求項18】
請求項17に記載の記憶媒体であって、
前記第3のステップは、
前記関連度が所定の閾値以上のときに、前記異なる業務特定情報の組み合わせを関連性のある業務特定情報と判定することを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる業務間の関連性を算出する計算機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビッグデータの利用に対する関心が高まっている。ビッグデータとして想定されているものの中には、POS端末のデータや取引データなどの従来の情報系のデータに加えて、センサーデバイスなどの制御系データも含まれており、これらの情報から新しい価値のある情報を創出して提供することのニーズが高まっている。
【0003】
ビッグデータを利用する新しい価値として、例えば、情報系データまたは制御データを使用して、様々な異なる業務の関連性を算出することが挙げられる。
【0004】
業務間の関連性に関する技術として、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1では、設計手順をテンプレートとして計算機で記憶し、テンプレートに知見情報が関連付けて記述されている。そして、計算機は、テンプレートの新規作成または更新時に、この関連付けた知見情報を基にして、記憶しているテンプレート間の差異および従属関係を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−252057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、異なる業務の関連性を新しい価値として抽出し、この業務間の関連性を用いることにより、例えば、特定業務で実施した業務の改善内容を、当該特定の業務に関連する他の業務に提示することで他の業務の業務改善が期待できる。
【0007】
ここで、業務の関連性を算出することで重要なのは、計算機によって自動的に関連性を取得することである。なぜなら、近年では情報系及び制御系のデータの種類や、データ量が膨大なものとなってきており、手作業によりこれらの膨大なデータを処理することが困難になってきているからである。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1等の従来の技術では、テンプレートと知見情報の関連付けを手作業で行なっているため、異なる業務間の関連性を算出するには多大な労力が必要となる、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、プロセッサを含む制御部と、複数の業務が使用したデータを記憶する記憶部と、を備えて前記複数の業務の関連性を算出する計算機であって、前記記憶部は、前記複数の業務で使用したデータを特定するデータ特定情報と、前記複数の業務をそれぞれ特定する業務特定情報と、前記業務で使用する前記データ特定情報と前記業務特定情報の関係を格納する関連情報と、を保持し、前記制御部は、前記関連情報を参照して、前記業務で使用する前記データ特定情報のうち少なくともひとつの前記データが一致する異なる業務特定情報を、関連性を含む業務特定情報の組み合わせとして出力し、前記異なる業務特定情報の組み合わせが関連性を含む場合に、一方の前記業務特定情報に対応する業務に処理が追加され、かつ、当該処理の使用回数を計数して所定値以上になったときには、他方の前記業務特定情報に対応する業務に前記処理を追加する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、膨大な量のデータの中から、各業務で処理したデータ特定情報を比較することで、異なる業務間の関連性を算出することができる。その結果、特定の業務で実施した業務の改善内容を、当該特定の業務に関連する他の業務に提示することが可能となって、他の業務の改善を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施例を示し、計算機システムの一例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施例を示し、データ格納テーブルの一例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施例を示し、障害対策業務用のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施例を示し、部品拡販業務用のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施例を示し、レポート作成業務用のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施例を示し、関連情報管理テーブルの一例を示す図である。
図7】本発明の第1の実施例を示し、作業情報管理テーブルの一例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施例を示し、障害対策業務の画面の一例を示すイメージである。
図9】本発明の第1の実施例を示し、障害対策業務の画面の一例を示すイメージである。
図10】本発明の第1の実施例を示し、障害対策業務の画面の一例を示すイメージである。
図11】本発明の第1の実施例を示し、障害対策業務の画面の一例を示すイメージである。
図12】本発明の第1の実施例を示し、業務処理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第1の実施例を示し、画面表示部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第1の実施例を示し、点検報告書を加えた場合の作業情報管理テーブルの一例を示す図である。
図15】本発明の第1の実施例を示し、関連情報処理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の第1の実施例を示し、関連する業務のフロー情報テーブル更新処理で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の第1の実施例を示し、関連度算出部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明の第1の実施例を示し、レコードを追加した後の関連情報管理テーブルの一例を示す図である。
図19】本発明の第1の実施例を示し、関連度テーブルの一例を示す図である。
図20】本発明の第1の実施例を示し、図15の処理が完了した後の障害対策業務用のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
図21】本発明の第1の実施例を示し、図15の処理が完了した後のレポート作成業務用のフロー情報テーブルの一例を示す図である。
図22】本発明の第1の実施例を示し、データ配信処理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図23A】本発明の第2の実施例を示し、データ収集配信サーバ1の構成の一例を示すブロック図である。
図23B】本発明の第2の実施例を示し、関連情報処理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図24】本発明の第2の実施例を示し、使用回数テーブルの一例を示す図である。
図25】本発明の第3の実施例を示し、関連情報処理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図26】本発明の第3の実施例を示し、画面表示部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図27】本発明の第3の実施例を示し、障害対策業務時の画面の一例を示すイメージである。
図28】本発明の第4の実施例を示し、関連情報処理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図29】本発明の第4の実施例を示し、関連度算出部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図30】本発明の第4の実施例を示し、関連度テーブルの一例を示す図である。
図31】本発明の第4の実施例を示し、関連度テーブルの一例を示す図である。
図32A】本発明の第5の実施例を示し、関連度算出部で行われる処理の一例を示すフローチャートの前半部である。
図32B】本発明の第5の実施例を示し、関連度算出部で行われる処理の一例を示すフローチャートの後半部である。
図33】本発明の第5の実施例を示し、関連度テーブルの一例を示す図である。
図34】本発明の第5の実施例を示し、関連度テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の第1の実施例を示し、計算機システムの一例を示すブロック図である。データ収集配信サーバ1は、演算処理を行うCPU10と、プログラムやデータを保持する主記憶装置11と、データやプログラムを格納する補助記憶装置12と、図示しないネットワークインターフェースを含む計算機である。データ収集配信サーバ1は、図示しないネットワークインターフェースを介してネットワーク30、31に接続される。
【0014】
ネットワーク30には、図示しないセンサーや計算機あるいは装置が接続されており、各種データ300をデータ収集配信サーバ1へ送信する。データ収集配信サーバ1は、ネットワーク30から各種データ300を収集して補助記憶装置12へ格納する。
【0015】
ネットワーク31には、各種業務を実行する計算機としての業務クライアント2−1〜2−nが接続される。データ収集配信サーバ1は、業務クライアント2−1〜2−nからの要求に応じて、収集した各種データ300を送信する。各種データ300としては、センサー情報や、画像情報、報告書などの文書情報等の多様な情報で構成される。
【0016】
業務クライアント2−1〜2−nでは、各種業務が実行され、例えば、センサー情報や画像情報を入力して装置の障害を監視する障害対策業務や、センサー情報を入力して装置の部品交換を計画する部品拡販業務や、センサー情報や画像情報を入力して装置の状態を報告するレポート作成業務などが含まれる。なお、以下では、業務クライアント2−1〜2−nの総称を業務クライアント2として表す。
【0017】
データ収集配信サーバ1は、主記憶装置11にデータ収集処理部110と、データ配信処理部120と、関連情報処理部130と、関連度算出部140とを格納し、CPU10によって実行される。
【0018】
データ収集配信サーバ1は、補助記憶装置12にデータ格納テーブル210と、フロー情報テーブルF001〜F003と、関連情報管理テーブル230と、作業情報管理テーブル240と、関連度テーブル250とを格納する。なお、F001〜F003は、業務を特定するための情報であり、後述の業務特定情報である。
【0019】
データ収集処理部110は、ネットワーク30から各種データ300を収集して、データ格納テーブル210に格納する。
【0020】
データ配信処理部120は、業務クライアント2からの要求に応じ、該当業務のフロー情報テーブルF001〜F003(後述)を参照して、業務クライアント2で処理するデータを配信する。
【0021】
関連情報処理部130は、後述する関連度テーブル250を参照して、一方の業務で新しいデータが処理された場合に他方の業務に提示するか否かを判定する処理を行う。
【0022】
関連度算出部140は、データ格納テーブル210とフロー情報テーブルF001〜F003を参照して、業務同士の関連度を算出する。
【0023】
データ収集処理部110と、データ配信処理部120と、関連情報処理部130及び関連度算出部140の各機能部はプログラムとして主記憶装置11にロードされる。
【0024】
CPU10は、各機能部のプログラムに従って処理を実行することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、CPU10は、データ収集プログラムに従って処理を実行することでデータ収集処理部110として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、CPU10は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部(または制御部)としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部(又は制御部)を含む装置及びシステムである。
【0025】
なお、データ配信処理部120はデータ配信プログラムをCPU10が実行することでデータ配信処理部として機能し、関連情報処理部130は関連情報プログラムをCPU10が実行することで関連情報処理部として機能し、関連度算出部140は関連度算出プログラムをCPU10が実行することで関連度算出部として機能する。なお、他の機能部位についても同様であり、以下の説明で機能部位が主語の場合でも、処理の実行主体はCPU10(又は制御部)である。
【0026】
データ収集配信サーバ1の各機能を実現する上述のプログラムや、テーブル等の情報は、補助記憶装置12や不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0027】
業務クライアント2−1〜2−nは、CPU20と、主記憶装置21と、入出力装置24と、図示しないネットワークインターフェースを含む計算機である。主記憶装置21には画面表示部22と業務処理部23−1〜23−nがそれぞれ格納されて、CPU20によって実行される。
【0028】
業務処理部23−1〜23−nは、上述の障害対策業務や、部品拡販業務や、レポート作成業務等が含まれる。なお、以下では業務処理部23−1〜23−nの総称を業務処理部23で表す。各業務クライアント2で実行される業務処理部23は、各業務クライアントのユーザが選択することができる。入出力装置24は、キーボードやマウスなどの入力装置(または入力部)と、ディスプレイ等の出力装置(または出力部)とを含む。業務処理部23は、業務を実行する際に作業情報を記録し、業務完了後に作業情報をデータ収集配信サーバ1に送信する。
【0029】
画面表示部22は、フロー情報テーブルF001〜F003をデータ収集配信サーバ1から受け付けて、業務クライアント2に接続された入出力装置24のディスプレイ等に出力する。
【0030】
なお、業務処理部23は、業務プログラムをCPU20が実行することで機能し、画面表示部22は画面表示プログラムをCPU20が実行することで機能する。
【0031】
なお、業務クライアント2は、Webブラウザ(図示省略)を使用してデータ収集配信サーバ1に接続し、Webブラウザ上で業務を実施するような形態では、業務処理部に相当する処理はデータ収集配信サーバ1に配置してもよい。
【0032】
本実施例の概要は、次の通りである。データ収集配信サーバ1と業務クライアント2を含む計算機システムは、例えば、火力発電所のガスタービンの保全業務を実施する。
【0033】
ガスタービンの保全業務には、障害対策業務、部品拡販業務、レポート作成業務がある。各業務クライアント2が行う障害対策業務では、センサー情報、設備写真、ガスタービン図面のデータが使用される。部品拡販業務では、センサー情報のデータが使用される。レポート作成業務では、センサー情報、設備写真、ガスタービン図面のデータが使用される。各業務の実施時に、データ収集配信サーバ1が業務で使用するデータをデータ格納テーブル210から選択し、業務を実施する業務クライアント2に配信する。
【0034】
ここで、障害対策業務において点検報告書を使用することで、作業の品質が向上したと仮定する。このとき、この"点検報告書を使用する"という知見を、他の業務にも自動的にフィードバックする場合、どの業務にこの知見をフィードバックするかが課題となる。そこで、本発明では、各業務がどのデータ(センサー情報、設備写真、ガスタービン図面)を使用しているかという情報から業務間の関連性を見出す。本実施例の場合では、障害対策業務とレポート作成業務がセンサー情報、設備写真、ガスタービンの図面を使用しているということから関連性があると判断する。その結果、レポート作成業務の作業者にこの知見(点検報告書を使用すること)をフィードバックできるようになる。
【0035】
なお、データ収集配信サーバ1は、ガスタービンの保全業務に限定されるものではなく、収集した各種データ300を、複数種の業務が実行される業務クライアント2へ配信する計算機システムに適用することができる。
【0036】
各種データ300としては、上述した取引データやセンサー情報の他に、ソーシャルネットワークサービス(SNS)のデータなどを含むことができる。これにより、異なる業務間で処理したデータを比較して、業務間の関連性を算出する。そして、関連性の高い業務については、一方の業務でしか実施されていないデータや処理を、他方の業務に提案することが可能となる。
【0037】
次に、補助記憶装置12に格納する各テーブルについて説明する。
【0038】
図2は、データ格納テーブル210の一例を示す図である。データ格納テーブル210は、収集した各種データ300のデータの識別子を格納するデータID211と、データの名称を格納するデータ名称(データ特定情報)212と、データの実体を蓄積するテーブルを格納するデータテーブル213と、をひとつのレコード(またはエントリ)に含む。データID211は計算機システム内でユニークな識別子であればよい。またデータテーブル213は、各種データ300の実体を格納するテーブルへのポインタであってもよい。また、本実施例では、テーブルに情報を格納する例を示すが、配列等の記憶領域に情報を格納するものであればよく、テーブルに限定されるものではない。したがって、データ格納テーブル210はデータ格納領域やデータ格納部であってもよく、以下に説明する他のテーブルも同様である。
【0039】
また、本実施例では、データ格納テーブル210が補助記憶装置12に格納される例を示すが、データ格納テーブル210の一部または全部が主記憶装置11に格納されても良い。すなわち、データ格納テーブル210は、主記憶装置11と補助記憶装置12を併せた記憶装置(又は記憶部)に格納すれば良く、主記憶装置11や補助記憶装置12に限定されるものではない。なお、以下に説明する他のテーブルも同様である。
【0040】
また、本実施例では、データ格納テーブル210がデータ収集配信サーバ1に格納される例を示すが、他の計算機やストレージ装置に格納されても良く、データ格納テーブル210の格納先が、計算機のローカルな記憶装置に限定されるものではない。なお、以下に説明する他のテーブルについても同様である。
【0041】
図3は、障害対策業務用のフロー情報テーブル(F001)の一例を示す図である。図3図5に示すフロー情報テーブルF001〜F003は、業務ごとに作業の手順(ステップ)と内容を格納するテーブルである。
【0042】
障害対策業務用のフロー情報テーブルF001は、業務のフローの順序を格納するステップID221と、ステップID221に対応する作業の名称を格納する作業名222と、ステップID221で使用するデータを格納する使用データ(データ特定情報)223と、ステップID221で使用するコマンド(クエリなど)を格納する作業コマンド224と、をひとつのレコード(またはエントリ)に含む。また、使用データ223は、データの実体を格納する先のポインタであってもよい。
【0043】
図3の障害対策業務用のフロー情報テーブル(F001)では、業務実施の直前60日間についてセンサー情報をデータ収集配信サーバ1から取得し、設備の写真とガスタービンの図面に基づいて障害対策を実施する業務を示している。
【0044】
図4は、部品拡販業務用のフロー情報テーブル(F002)の一例を示す図である。テーブルの構造は図3と同様である。この業務では、業務実施の直前30日間についてセンサー情報をデータ収集配信サーバ1から取得し、部品の交換に関する提案を作製する業務を示している。
【0045】
図5は、レポート作成業務用のフロー情報テーブル(F003)の一例を示す図である。テーブルの構造は図3と同様である。この業務では、設備の写真と、業務実施の直前30日間についてセンサー情報をデータ収集配信サーバ1から取得し、ガスタービンの図面を使用して、レポートを作成する業務を示している。
【0046】
図6は、関連情報管理テーブル230の一例を示す図である。関連情報管理テーブル230は、業務を特定する情報を格納する業務特定情報231と、業務の名称を格納する業務名称232と、当該業務について作業情報を記録するテーブルの名称を格納する作業情報管理テーブル名233と、をひとつのレコード(またはエントリ)に含む。
【0047】
ここで、業務特定情報231は、業務のフロー(フロー情報テーブル)を特定する情報であり、本実施例では、業務フローの識別子(F001〜F003)を用いるが、識別子に限定されるものではなく、名称や番号などで業務を特定可能な情報であれば良い。
【0048】
図7は、作業情報管理テーブル240の一例を示す図である。図7では、図6に示した作業情報管理テーブル名233=W001の例を示す。
【0049】
作業情報管理テーブル240は、フロー情報テーブルF001〜F003のステップID221を格納するステップID241と、当該ステップで使用するコマンドを格納する作業コマンド242と、当該ステップで使用するデータを指定する使用データ名称(データ特定情報)243と、当該ステップで使用するデータの値を格納する使用データ値244と、をひとつのレコード(またはエントリ)に含む。
【0050】
ステップID241は、フロー情報テーブルのステップID221に対応し、作業コマンド242は、フロー情報テーブルの作業コマンド224に対応し、使用データ名称243は、フロー情報テーブルの使用データ223に対応する。
【0051】
図示の作業情報管理テーブル240は、作業情報管理テーブル名233=W001の場合であり、ステップID241は、図3のフロー情報テーブルF001と同様である。また。ステップID=001で使用する使用データ値244=センサー情報_20130201.csvは、作業コマンド242のクエリによって、業務実施時(2013/2/1)から直近60日分のセンサー情報がcsvデータとして使用されることを表す。
【0052】
図19は、関連度テーブル250の一例を示す図である。関連度テーブル250は、第1の業務を特定する情報を格納する業務特定情報1(251)と、第2の業務を特定する情報を格納する業務特定情報2(252)と、関連度253と、をひとつのレコード(またはエントリ)に含む。
【0053】
関連度テーブル250は、全てのフロー情報テーブルF001〜F003の組み合わせについて、関連度253を設定するテーブルである。関連度テーブル250は、フロー情報テーブルが加えられると、既存のフロー情報テーブル(F001〜F003)との組み合わせのレコードが生成される。そして、後述の関連度算出部140の処理によって、関連度253が設定される。なお、フロー情報テーブルが追加される度に、関連度テーブル250のレコードを追加する処理は関連度算出部140で行うことができる。
【0054】
なお、関連度テーブル250と、業務特定情報に対応する業務で使用するデータを定義する関連情報管理テーブル230と、を併せて関連情報として定義しても良い。本実施例1では、関連情報が管理する業務で使用するデータの全てが一致するときに、業務特定情報間の関連性があると判定するものである。
【0055】
図8図11は、業務クライアント2で障害対策業務のステップID=001〜004を実行したときに、入出力装置24のディスプレイに表示される画面イメージを示す。
【0056】
図8のステップ=1では、画面400に"開く"ボタン401と、"検索"ボタン402と、"次へ"ボタン403と、検索するデータを指定するための検索窓(入力欄)404とを含む。
【0057】
ステップ1〜3では、フロー情報テーブルF001で使用データ名称が定義されているため、業務の開始時にデータ収集配信サーバ1から業務クライアント2にデータが転送されており、業務を実施する利用者が"開く"ボタン401をクリックすることで参照できる。なお、センサー情報の収集期間を変更するために、検索窓404に入力した条件で"検索"ボタン402をクリックすることで所望のセンサー情報を取得することができる。なお、次のステップへ進む場合は、"次へ"ボタン403を"クリック"すれば良い。
【0058】
図9のステップ=2では、画面410に"開く"ボタン401と、"検索"ボタン402と、"次へ"ボタン403と、検索するデータを指定するための検索窓404とを含む。
【0059】
ステップ2では、フロー情報テーブルF001で使用データ名称"設備写真.jpg"が定義されているため、データ収集配信サーバ1から業務クライアント2に設備写真が転送されており、業務を実施する利用者が"開く"ボタン401をクリックすることで参照できる。なお、設備写真を変更するために、検索窓414に入力した条件で"検索"ボタン402をクリックすることで所望の設備写真を取得することができる。なお、次のステップへ進む場合は、"次へ"ボタン403を"クリック"すれば良い。
【0060】
図10のステップ=3では、画面420に"開く"ボタン401と、"検索"ボタン402と、"次へ"ボタン403と、検索するデータを指定するための検索窓404とを含む。
【0061】
ステップ3では、フロー情報テーブルF001で使用データ名称"ガスタービン図面.jpg"が定義されているため、データ収集配信サーバ1から業務クライアント2に設備写真.jpgが転送されており、業務を実施する利用者が"開く"ボタン401をクリックすることで参照できる。なお、ガスタービン図面を変更するために、検索窓404に入力した条件で"検索"ボタン402をクリックすることで所望の図面を取得することができる。なお、次のステップへ進む場合は、"次へ"ボタン403を"クリック"すれば良い。
【0062】
図11のステップ=4では、画面430に"検索"ボタン402と、"完了"ボタン431と、検索するデータを指定するための検索窓404とを含む。ステップ4では、"完了"ボタン431をクリックすることで処理を終了する。
【0063】
図12は、業務クライアント2の業務処理部23で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、業務クライアント2の利用者が業務を開始したときに実行される。
【0064】
業務クライアント2は、データ収集配信サーバ1に対して、業務特定情報を通知して、フロー情報テーブルの情報と、当該フロー情報テーブルで使用するデータを要求する(S1)。業務特定情報としては、図6の関連情報管理テーブル230の業務特定情報231を通知する。例えば、業務クライアント2が障害対策業務を開始する場合は、データ収集配信サーバ1に対して業務特定情報=F001を通知する。
【0065】
データ収集配信サーバ1は、業務特定情報とフロー情報テーブルの情報及びデータの要求を受け付けると、業務特定情報に対応するフロー情報テーブルF001〜F003を選択し、フロー情報テーブルで使用するデータをデータ格納テーブル210から選択する。データ収集配信サーバ1は、選択したデータとフロー情報テーブルの情報を業務クライアント2へ送信する。
【0066】
業務クライアント2は、データとフロー情報テーブルの情報をデータ収集配信サーバ1から受信する(S2)。業務クライアント2は、変数iを1にリセットして、受信したフロー情報テーブルの情報に含まれるステップ数までステップS3〜S6の処理を繰り返す。
【0067】
ステップS4では、後述するように画面表示部22を実行する(S4)。次に、フロー情報テーブルのステップiで処理したデータと作業コマンドを作業情報として保持する(S5)。作業情報としては、図7の作業情報管理テーブル240と同様に、ステップID、作業コマンド、使用データ名称、使用データ値を業務クライアント2の主記憶装置21上に保持しておく。
【0068】
次に、業務クライアント2は、フロー情報テーブルの全てのステップが終了したか否かを判定し、終了していなければ変数iをインクリメントしてステップS3に復帰し、終了していればステップS7へ進む。
【0069】
ステップS7では、業務クライアント2は、主記憶装置21上に保持していた作業情報と業務特定情報をデータ収集配信サーバ1へ送信する。作業情報と業務特定情報を受信したデータ収集配信サーバ1は、新たなレコードを関連情報管理テーブル230に追加する。データ収集配信サーバ1は関連情報管理テーブル230の追加したレコードに、業務特定情報231、業務名称232、作業情報管理テーブル名233を追加する。この作業情報管理テーブル名233は新たなテーブル名で、業務特定情報231は業務クライアント2が通知した情報で、業務名称232は、業務特定情報231に対応して予め設定された値である。
【0070】
また、データ収集配信サーバ1は、新規の作業情報管理テーブル名233の作業情報管理テーブル240を追加する。データ収集配信サーバ1は、新たな作業情報管理テーブル240に業務クライアント2から受信した作業情報を追加する。なお、データ収集配信サーバ1は、作業情報管理テーブル240に、新たな使用データ値244が加わると、当該作業情報管理テーブル240の名称を新たな名称で設定する。なお、新たな名称は、例えば、シリアル番号などで設定することができる。
【0071】
以上のように図12の処理では、図7に示す作業情報管理テーブル240が、業務を実施するごとに追加されていく。作業情報管理テーブル240を生成するための作業情報は、業務クライアント2の主記憶装置21上に保存された後、業務の終了時には、この作業情報がデータ収集配信サーバ1に送信され、新たな作業情報管理テーブル240として追加される。
【0072】
図13は、図12のステップS4の画面表示部22で行われる処理の一例を示すフローチャートである。画面表示部22は、現在のステップIDのフロー情報テーブルを取得する(S10)。
【0073】
次に、画面表示部22は、取得したフロー情報テーブルの情報から、現在のステップID221に対応する作業名222、使用データ223や入出力装置24に表示する検索窓(入力欄)404及び"検索"ボタン402等の表示要素を生成して、入出力装置24へ出力する(S11)。なお、当該ステップIDが最後のステップIDの場合には、画面表示部22は、"次へ"ボタン403に代わって"完了"ボタン431を出力する。
【0074】
次に、画面表示部22は、"検索"ボタン402がクリックされたか否かを判定し、クリックされた場合にはステップS13へ進み、他のボタンが操作された場合にはステップS15へ進む。
【0075】
"検索"ボタン402が操作されたステップS13では、検索窓404へ入力された内容と現在のステップIDをデータ収集配信サーバ1に送信する。データ収集配信サーバ1は、受信したステップIDで使用する使用データ223を特定し、データ格納テーブル210から該当するデータを検索する。データ収集配信サーバ1は、検索結果を業務クライアント2に応答する。
【0076】
画面表示部22は、データ収集配信サーバ1からの検索結果を受信し、入出力装置24へ出力する(S14)。
【0077】
一方、ステップS15において、画面表示部22は画面400〜430で操作されたボタンが示す処理を実行して処理を終了する。例えば、"開く"ボタン401をクリックした場合には、現在のステップIDに対応する使用データ値(図8の直近2ヶ月のデータ、図9の設備写真.jpg、図10のガスタービン図面.jpg)を開いて入出力装置24へ出力し、"次へ"ボタン403が操作された場合は、業務クライアント2は、次のステップIDへ移行する。
【0078】
以上の処理により、業務クライアント2の画面表示部22は、ステップIDに応じた情報を入出力装置24へ出力し、受け付けた検索条件をデータ収集配信サーバ1に渡して検索を行うことができる。
【0079】
図14は、新たにレコードを加えた作業情報管理テーブル240の一例を示す図である。障害対策業務を実施した時点(例えば、2013/3/1)において、ステップID003においてガスタービン図面以外に点検報告書を使用した場合の作業情報管理テーブル240を示す。
【0080】
図7に示した作業情報管理テーブル240(W001)に対して、ステップID003の次にステップID003の点検報告書が加えられ、新たな作業情報管理テーブル名=W005となっている。
【0081】
このとき、業務クライアント2がデータ収集配信サーバ1へ問い合わせたクエリが、作業コマンド242に記録される。このクエリでは、日付が最新の点検報告書をデータ格納テーブル210の点検報告書テーブルから選択したことが記録されている。この検索の結果、図14の使用データ値のように、"点検報告書201302.doc"は、障害対策業務を実施した時点で最新の点検報告書が(2013/2月)の点検報告書であったことを示す。
【0082】
業務クライアント2では、フロー情報テーブルから取得した情報に加えて、業務を実施した業務クライアント2の利用者が作業した内容を、作業情報として保持し、業務の修了後にデータ収集配信サーバ1へ送信する。これにより、データ収集配信サーバ1は、利用者が新たに加えた作業の内容を作業情報管理テーブル240に加えることができる。
【0083】
図15は、関連情報処理部130で行われる処理の一例を示すフローチャートである。データ収集配信サーバ1は、業務クライアント2から作業情報を受信すると関連情報処理部130の処理を開始する。すなわち、この処理は、図12のステップS7で業務クライアント2が作業情報と業務特定情報を送信した後に開始される。
【0084】
ステップS21では、データ収集配信サーバ1が受信した作業情報と業務特定情報を関連情報処理部130が受け付ける。
【0085】
関連情報処理部130は、新たなレコードを関連情報管理テーブル230に追加する(S22)。関連情報処理部130は、関連情報管理テーブル230の追加したレコードに、業務特定情報231、業務名称232、作業情報管理テーブル名233を追加する。この作業情報管理テーブル名233は新たなテーブル名で、業務特定情報231は業務クライアント2が通知した情報で、業務名称232は、業務特定情報231に対応して予め設定された値である。なお、新たなテーブル名は、関連情報処理部130がシリアル番号などを用いて設定することができる。例えば、図18で示す作業情報管理テーブル名233="W005"は、シリアル番号を利用したものである。なお、図18は、図6に新たなレコード(W005)を追加した後の関連情報管理テーブル230である。
【0086】
関連情報処理部130は、新たな作業情報管理テーブル名233の作業情報管理テーブル240を追加する。関連情報処理部130は、追加した新たな作業情報管理テーブル240に業務クライアント2から受信した作業情報を追加する(S23)。
【0087】
関連情報処理部130は、新たな作業情報管理テーブル名233の作業情報管理テーブル240の使用データ名称243が、当該業務のフロー情報テーブルF001〜F003の使用データ223に含まれているか否かを判定する。使用データ名称243がフロー情報テーブルの使用データ223に存在しない新たな名称であればステップS25へ進み、使用データ名称243が新たな名称でなければ処理を終了する(S24)。
【0088】
ステップS25では、関連情報処理部130が、作業情報管理テーブル240に設定したステップID241、作業コマンド242、使用データ名称243、使用データ値244を当該業務特定情報に対応するフロー情報テーブルに追加する(S25)。
【0089】
例えば、図12のフローチャートで、業務特定情報=F001の障害対策業務を業務クライアント2で実施し、当初のフロー情報テーブルF001の使用データ223にない"点検報告書"を使用した場合、関連情報処理部130は、図3に示したフロー情報テーブルF001に新たなレコードを追加する。つまり、図14で示すように、業務クライアント2が障害対策業務を実施し、ステップID=003、使用データ名称243="ガスタービン図面"を追加した場合、関連情報処理部130は、図3に示したフロー情報テーブルF001のステップID=003の後に、図20で示すように、ステップID221=003、作業名222=点検報告書参照、使用データ223=点検報告書、作業コマンド224=図14の作業コマンド242、というレコードを追加する。なお、作業名222="点検報告書参照"については、図14の使用データ名称243="点検報告書"に"参照"という業務の名称を自動的に加えたものである。
【0090】
次に、関連情報処理部130は、図19に示した関連度テーブル250を開く。そして、関連度テーブル250の全レコードについて、ステップS26〜S30の処理を繰り返して実行する。
【0091】
関連情報処理部130は、ステップS25で新たなレコードを追加したフロー情報テーブルF001〜F003に対応する業務特定情報を特定する。そして、関連情報処理部130は、特定した業務特定情報が関連度テーブル250に含まれるか否かを、先頭レコードから終端のレコードへ向けて順次判定する(S27)。
【0092】
関連情報処理部130は、関連度テーブル250の業務特定情報1(251)と業務特定情報2(252)の何れか一方に、上記特定した業務特定情報が含まれていればステップS28へ進む。特定した業務特定情報が、関連度テーブル250の現在のレコードに含まれていなければステップS30へ進む。
【0093】
ステップS28で、関連情報処理部130は、当該業務特定情報を含む関連度テーブル250のレコードで、関連度253が有り又は無しの何れであるかを判定する。関連情報処理部130は、関連度253が有りの場合はステップS29へ進み、 関連度253がなしの場合にはステップS30へ進む。
【0094】
ステップS29では、関連情報処理部130が、後述するように、当該業務特定情報と関連する業務のフロー情報テーブルF001〜F003を更新する。そして、ステップS30の処理へ進む。
【0095】
ステップS30において、関連情報処理部130は、関連度テーブル250のすべてのレコードについてS26以降の処理が完了していなければ、次のレコードを選択してステップS26へ戻って処理を繰り返す。一方、関連度テーブル250のすべてのレコードについてS26以降の処理が完了した場合、関連情報処理部130は処理を終了する。
【0096】
以上の処理により、データ収集配信サーバ1の関連情報処理部130は、業務クライアント2が作業情報と業務特定情報を送信すると、関連情報処理部130は、関連情報管理テーブル230に新たなレコードを追加し、受信した作業情報のテーブル名233を設定する。そして、関連情報処理部130は、受信した作業情報から新たな作業情報管理テーブル240を、新たなテーブル名233で生成する。
【0097】
そして、業務クライアント2で行った業務特定情報が、関連度テーブル250に含まれ、かつ、関連度がある場合には、関連する業務のフロー情報テーブルを後述するように更新する。例えば、業務クライアント2で行った業務特定情報がF001(障害対策業務)の場合、関連度テーブル250では、業務特定情報2=F003が関連度ありと判定される。
【0098】
図16は、関連情報処理部130で行われる関連する業務のフロー情報テーブルの更新処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、データ収集配信サーバ1の関連情報処理部130が、図15のステップS29で実行する。
【0099】
まず、関連情報処理部130は、図15で述べたように、使用データ名称243がフロー情報テーブルの使用データ223に存在しない新たな名称であれば、当該業務特定情報のフロー情報テーブルで、新たな名称が使用されたステップIDを特定する(S41)。また、関連情報処理部130は、特定したステップID(221)と同じステップIDで、他の名称の使用データ(223)の名称を特定する(S42)。
【0100】
つまり、上記図15ではステップS25で、図20のフロー情報テーブルF001にステップID=003の使用データ(223)に"点検報告書"を追加した場合、関連情報処理部130は、同じステップID=003で、使用データ(223)の名称が異なる"ガスタービン図面"を特定する(S43)。
【0101】
次に、関連情報処理部130は、同一のステップIDで、異なる名称の使用データが存在するか否かを判定する。同一のステップIDで、異なる名称の使用データが存在する場合はステップS44へ進み、存在しない場合にはステップS47へ進む。
【0102】
ステップS44において、関連情報処理部130は、該当する使用データが、関連する業務のフロー情報テーブルに存在するか検索する。すなわち、図15の処理で、関連情報処理部130が、図20に示すフロー情報テーブルF001のステップID=003の"点検報告書"を追加した場合、同じステップID=003の使用データ223で"ガスタービン図面"を名称の異なる他の使用データとして特定する。
【0103】
そして、図15の処理で、当該業務特定情報=F001に関連する業務は、図19で示したように、業務特定情報2=F003である。
【0104】
ステップS44では、フロー情報テーブルF003の使用データ223について、ステップS43で特定した"ガスタービン図面"を含む使用データ(223)を検索する。
【0105】
次に、関連情報処理部130は、ステップS43で特定した"ガスタービン図面"を含む使用データ(223)が関連するフロー情報テーブルに存在するか否かを判定する(S45)。ステップS43で特定した名称を含む使用データが、当該業務特定情報と関連するフロー情報テーブルに存在する場合にはステップS46へ進み、存在しない場合にはステップS47へ進む。
【0106】
ステップS46では、関連情報処理部130は、関連する業務のフロー情報テーブル(F003)に、フロー情報テーブルF001と同様に、図15で追加された使用データ="点検報告書"のレコードを追加する。これにより、フロー情報テーブルF001に関連するフロー情報テーブルF003は、図21で示すように、ステップID=003に使用データ223="点検報告書"のレコードが追加される。なお、図21の作業名222の"点検報告書参照"と作業コマンド224は、図20のフロー情報テーブルF001と同じく、図14に示した作業情報管理テーブル240の使用データ名称243="点検報告書"と同一レコードの作業コマンド242である。
【0107】
次に、ステップS48では、新たに作業情報管理テーブル240が作成されたので、業務特定情報の関連度を、後述するように更新する。
【0108】
一方、ステップS43またはS45の判定でNOとなった場合のステップS47では、ステップS48で関連度を算出して処理を終了する。
【0109】
以上の処理により、フロー情報テーブルF001で新たな使用データ223を追加した場合には、このフロー情報テーブルF001に関連する異なる業務のフロー情報テーブルにも、追加したステップIDと同様のレコードを追加する。
【0110】
図17は、関連度算出部140で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図16のステップS48で行われる処理である。関連度の算出は、図15のステップS26〜S30のループにおいて選択された関連度テーブル250のレコードについて実施される。本実施例1では、関連度テーブル250の一対の業務特定情報1と、業務特定情報2に対応するフロー情報テーブルで使用されるデータが同一のときに関連度ありと判定し、関連度テーブル250の関連度253を更新するものである。
【0111】
関連度算出部140は、図15のステップS26〜S30のループにおいて選択された関連度テーブル250のレコードを読み込んで、図19に示した業務特定情報1(251)と、業務特定情報2(252)を取得する(S50)。また、関連度算出部140は、データ格納テーブル210を取得する(S51)。
【0112】
関連度算出部140は、変数としてのFlagを1にリセットし、変数iを1にリセットする(S52)。
【0113】
関連度算出部140は、Flagが1の間、データ格納テーブル210の全レコードについて、ステップS53〜S60の処理を繰り返す。
【0114】
関連度算出部140は、ステップS51で取得したデータ格納テーブル210のi番目のレコードのデータ名称212を読み込み変数N1に代入する(S54)。i=1の場合、N1="センサー情報"となる。
【0115】
次に、関連度算出部140は、ステップS54で取得したデータ名称N1が、業務特定情報1(251)のフロー情報テーブルの使用データ223で使用されている回数を取得して変数C1へ代入する(S55)。フロー情報テーブルF001の場合、"センサー情報"の使用回数は1回となる。
【0116】
次に、関連度算出部140は、ステップS54で取得したデータ名称N1が、業務特定情報2(252)のフロー情報テーブルの使用データ223で使用されている回数を取得して変数C2へ代入する(S56)。フロー情報テーブルF003の場合も、"センサー情報"の使用回数は1回となる。
【0117】
関連度算出部140は、変数C1とC2が等しいか否かを判定する(S57)。変数C1とC2が、等しければ関連度算出部140は、Flagを1に維持したままステップS58へ進み、等しくなければステップS59へ進んで、Flagを0に更新する。
【0118】
ステップS58では、関連度算出部140は、変数iに1を加算して、データ格納テーブル210の次のレコードへ移動する。
【0119】
ステップS60では、Flagが1、あるいはデータ格納テーブル210の全てのレコードについて処理が終了していない場合には、変数C1、C2を0にリセットしてからステップS53へ戻って処理を繰り返す。一方、Flagが1でない場合、または、データ格納テーブル210の全レコードについて処理が終了した場合には、ステップS53〜S60のループを終了してステップS61に進む。
【0120】
ステップS61において、関連度算出部140は、Flagが1であるか否かを判定し、Flagが1であればステップS62へ進み、Flagが1でなければステップS63へ進む。ステップS62では、ステップS51で読み込んだ関連度テーブル250の業務特定情報1と業務特定情報2は関連ありと判定して、関連度テーブル250の関連度253に"あり"を設定する。
【0121】
一方、ステップS63では、ステップS51で読み込んだ関連度テーブル250の業務特定情報1と業務特定情報2は関連なしと判定して、関連度テーブル250の関連度253に"なし"を設定する。
【0122】
以上の処理により、図15のステップS26〜S30の関連度テーブル250のループ処理中に、業務特定情報1(251)と業務特定情報2(252)の関連度を、使用データ223が一致するか否かに応じて判定することができる。すなわち、業務特定情報1のフロー情報テーブルで使用する全ての使用データ223が、業務特定情報2のフロー情報テーブルでも使用されていれば、業務特定情報1と業務特定情報2は関係ありと判定することができる。
【0123】
換言すれば、本実施例1では、異なる業務間で処理するデータが完全一致した場合に、異なる業務間の関連があると判定することができる。
【0124】
図20は、図15の関連情報処理部130の処理が完了した後の障害対策業務用のフロー情報テーブルF100の一例を示す図である。図20では、ステップID221=003に使用データ223="点検報告書"のレコードが追加されている。これは、障害対策業務のフロー情報テーブルF001を用いて、業務クライアント2が業務を実行した結果である。図14の作業情報管理テーブル240(W005)のように、業務クライアント2では、ステップID=003の使用データ名称243="ガスタービン図面"の次のステップで、点検報告書を参照するステップID=003を加えており、この追加されたステップID=003がフロー情報テーブルF001に反映されている。
【0125】
図21は、図15のステップS29で行われる関連情報処理部130の処理が完了した後のレポート作成業務用のフロー情報テーブルF300の一例を示す図である。
【0126】
フロー情報テーブルF001に新たな使用データ223が追加されると、関連情報処理部130は図15の処理で、フロー情報テーブルF001に関連する他のフロー情報テーブルF003にも、フロー情報テーブルF001と同様のステップを追加する。
【0127】
これにより、フロー情報テーブルF003も、ステップID=003の使用データ223="ガスタービン図面"の次のステップで、"点検報告書"を参照するステップID=003が加えられる。
【0128】
図22は、データ配信処理部120で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、業務クライアント2から業務の開始のため、フロー情報テーブル等を要求されたときにデータ配信処理部120が実行する。
【0129】
データ配信処理部120は、業務クライアント2からデータの配信要求を受信する(S71)。この処理は、図12のステップS1で示したように、業務クライアント2がフロー情報テーブルの業務特定情報とデータの要求を含む。
【0130】
データ配信処理部120は、関連情報管理テーブル230を参照して、受信した業務特定情報に該当するフロー情報テーブルを読み込む(S72)。次に、データ配信処理部120は、フロー情報テーブルのレコード数に応じてステップS73〜S76の処理を繰り返す。
【0131】
データ配信処理部120は、取得したフロー情報テーブルの各レコード毎に、使用データ223を特定する(S74)。次に、現在のレコードの作業コマンド224を取得し、データ格納テーブル210からデータを取得する。すなわち、データ配信処理部120は作業コマンド224を実行し、使用データ223で指定された名称のデータをデータ格納テーブル210から取得する。
【0132】
上記処理をフロー情報テーブルの終端のレコードまで実行すると、データ配信処理部120は上記S73〜S76のループ処理を終了してステップ77に進む。
【0133】
ステップ77では、作業コマンド224を実行して取得したデータと、業務特定情報に対応するフロー情報テーブルの情報(各レコード)を、業務クライアント2へ配信して処理を終了する。
【0134】
以上のように、本実施例1によれば、業務クライアント2が既存のフロー情報テーブルの情報に新たな使用データ及び作業コマンドを加えると、データ収集配信サーバ1は、該当するフロー情報テーブル(例えば、F001)に新たな使用データ及び作業コマンドを含むレコードを加える。そして、関連情報処理部130は、関連度テーブル250を参照して、レコードを追加したフロー情報テーブル(F001)に関連するフロー情報テーブルを検索する。関連するフロー情報テーブル(例えば、F003)が存在する場合、元のフロー情報テーブルに追加したレコードを、関連するフロー情報テーブル(例えば、F003)にも追加する。これにより、特定の業務で実施した業務の改善内容を、当該特定の業務に関連する他の業務に提供することが可能となる。
【0135】
また、業務特定情報1のフロー情報テーブルで使用する全ての使用データ223が、業務特定情報2のフロー情報テーブルでも使用されていれば、業務特定情報1と業務特定情報2は関係ありと判定することができる。これにより、膨大な量のデータの中から、各業務で処理したデータを比較することで、異なる業務間の関連性を算出することができる。
【0136】
また、上記実施例では、データ格納テーブル210のデータ名称212と、フロー情報テーブルF001〜F003の使用データ223と、作業情報管理テーブル240の使用データ名称243が、各業務で使用するデータを特定するデータ特定情報として利用される例を示した。データ特定情報は、データを特定する名称や識別子、あるいは番号等で構成することができ、当該計算機システムないでデータを特定可能な情報である。
【実施例2】
【0137】
図23A図23B図24は第2の実施例を示す。前記実施例1では、業務クライアント2がフロー情報テーブルの情報に新たな使用データ及びコマンドを加えた場合には、データ収集配信サーバ1が当該使用データを理容するレコードをフロー情報テーブルへ自動的に追加する例を示した。本実施例2では、業務クライアント2がフロー情報テーブルの情報に新たな使用データ及び作業コマンドを加えた場合には、データ収集配信サーバ1は、この新たな使用データ及び作業コマンドを加えた新たなレコードを保持する。そして、データ収集配信サーバ1は、新たなレコードの使用回数が所定の閾値以上になると、初めてフロー情報テーブルへ新たな使用データ及び作業コマンドを使用するレコードを加えるようにしたものである。その他の構成は前記実施例1と同様である。
【0138】
図23Aは、データ収集配信サーバ1の構成の一例を示すブロック図である。データ収集配信サーバ1は、前記実施例1の構成に、使用回数テーブル260を加えて補助記憶装置12に格納した。その他の構成は、前記実施例1と同様である。
【0139】
図24は、使用回数テーブル260の一例を示す図である。使用回数テーブル260は、後述するように関連情報処理部130によって管理される。
【0140】
使用回数テーブル260は、フロー情報テーブルに追加した使用データの名称を格納するデータ名称261と、フロー情報テーブルを特定する情報を格納する業務特定情報262と、業務特定情報に対応する業務の名称を格納する業務名263と、当該データを使用するフロー情報テーブルのステップの識別子を格納するステップID264と、当該データが業務クライアント2で使用された回数を格納する使用回数265と、をひとつのレコード(またはエントリ)に含む。
【0141】
データ名称261は、フロー情報テーブルの使用データ223及び作業情報管理テーブル240の使用データ名称243に対応する。業務特定情報262は、関連情報管理テーブル230の業務特定情報231に対応する。業務名263は、フロー情報テーブルの作業名222及び関連情報管理テーブル230の業務名称232に対応する。ステップID264はフロー情報テーブルのステップID241及び作業情報管理テーブル240のステップID241に対応する。
【0142】
図23Bは、関連情報処理部130で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、前記実施例1の図15に示したステップ25に代わって実行される処理(S25A)で、ステップS251〜S257を含む。
【0143】
関連情報処理部130は、図15のステップS24で、使用データ名称243がフロー情報テーブルの使用データ223に存在しない新たな名称であると判定した場合、ステップS251へ進む。
【0144】
関連情報処理部130は、使用データ名称243に対応する業務特定情報が使用回数テーブル260の業務特定情報262に一致し、新たな使用データ名称243が使用回数テーブル260のデータ名称261に一致するレコードを検索する(S251)。
【0145】
関連情報処理部130は、ステップS251の検索でレコードが存在したか否かを判定する(S252)。関連情報処理部130は、検索対象のレコードが存在した場合、ステップS253へ進み、レコードが存在しない場合、ステップS257へ進む。
【0146】
ステップS253では、関連情報処理部130が、検索結果のレコードの使用回数265を取得して、所定の閾値である5以上か否かを判定する(S253)。該当レコードの使用回数265が閾値以上であればステップS254へ進み、使用回数265が閾値未満(図中4以下)であればステップS256へ進む。
【0147】
ステップS254では、関連情報処理部130は、使用回数テーブル260の該当レコードのデータ名称261が、所定回数使用されたので、当該データ名称261を該当するフロー情報テーブルF001〜F003に追加する。この処理は、前記実施例1の図15に示したステップS25と同様である。
【0148】
そして、関連情報処理部130は、フロー情報テーブルF001〜F003に追加したデータ名称261のレコードを使用回数テーブル260から削除する。
【0149】
一方、使用回数265が閾値未満の場合、関連情報処理部130は、使用回数テーブル260の該当レコードの使用回数265に"1"を加算する。
【0150】
また、ステップS252の判定で、検査対象のレコードが存在しない場合、関連情報処理部130は、使用回数テーブル260に新たなレコードを追加する。そして、関連情報処理部130は、新規のデータ名称261と、業務特定情報262と、業務名263と、ステップID264を、図15のS21、S22で作業情報管理テーブル240及び関連情報管理テーブル230に設定した情報から設定する。
【0151】
上記、ステップS255〜S257の何れかの処理が完了すると、関連情報処理部130は、図15のステップS26の処理へ進む。
【0152】
以上のように、第2の実施例によれば、業務クライアント2がフロー情報テーブルにはない新たなデータを使用した場合、データ収集配信サーバ1は、まず、業務特定情報と関連づけて新たなデータの名称を使用回数テーブル260のデータ名称261に登録する。そして、同一の業務特定情報で当該データ名称261の使用回数が所定の閾値以上になったときに当該データ名称261をフロー情報テーブルF001〜F003に追加する。
【0153】
このように、フロー情報テーブルF001〜F003に存在しない使用データが新たに加えられても、当該新たな使用データの使用回数が同一の業務特定情報で所定の使用回数になるまではフロー情報テーブルに追加されない。このように、業務クライアント2がデータ収集配信サーバ1からフロー情報テーブルの情報を取得して業務を行う際に、新たな使用データが加えられても、この使用データの使用回数が閾値以上となるまでは、当該使用データをフロー情報テーブルF001〜F003に追加するのを保留する。そして、同一の業務で新しい使用データの使用回数が閾値以上になると、初めてフロー情報テーブルF001〜F003に追加される。これにより、一時的に使用した使用データや、ほとんど使用されない使用データがフロー情報テーブルF001〜F003に追加されるのを防ぐことができる。
【0154】
なお、前記実施例1と同様に、関連度テーブル250と、業務特定情報に対応する業務で使用するデータを定義する関連情報管理テーブル230と、を併せて関連情報として定義しても良い。本実施例2では、関連情報が管理する業務で使用するデータの少なくともひとつが一致するときに、業務特定情報間の関連性があると判定するものである。
【実施例3】
【0155】
図25図27は、本発明の第3の実施例を示す。前記実施例2では新たな使用データが、特定(業務特定情報)の業務において追加された場合、当該使用データが当該特定の業務で所定回数利用されると、フロー情報テーブルに追加される例を示した。本実施例3では新たな使用データが特定(業務特定情報)の業務において追加された場合、業務クライアント2へ当該使用データが追加されていることを通知する例を示す。
【0156】
図25は、関連情報処理部130で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、前記実施例2の図23Bに示した処理(S25A)の一部を変更した処理(S25B)で、図23BのステップS252の後に、ステップS2521と、ステップS2522を追加したものである。その他の構成は第2実施形態と同様である。
【0157】
図25において、使用回数テーブル260に検査対象のレコード(新たなデータ名称261)のレコードが存在する場合、関連情報処理部130はステップS2521へ進み、レコードが存在しない場合にはステップS2522へ進む。
【0158】
ステップS2521では、データ収集配信サーバ1が、新たなデータ名称261に関連するフロー情報テーブルのレコードの情報と、当該レコードで使用するデータと、使用回数テーブル260で検査条件に該当するレコードを業務クライアント2へ配信する。
【0159】
一方、ステップS2522では、使用回数テーブル260のレコードはないので、データ収集配信サーバ1は、フロー情報テーブルのレコードの情報と、当該レコードで使用するデータとを業務クライアント2へ配信する。
【0160】
なお、他のステップは前記実施例2の図23Bと同様であるので、説明は省略する。
【0161】
図26は、業務クライアント2の画面表示部22で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、前記実施例1の図13のフローチャートのステップS11とS12の間に、ステップS112、S113、S114を挿入したものであり、その他の構成は前記実施例1の図13と同様である。
【0162】
ステップS10、S11では、業務クライアント2の画面表示部22は、前記実施例1の図13と同様に、フロー情報テーブルから現在のステップiに関する使用データ、使用データの値などを取得する。そして、取得したフロー情報テーブルの情報から、現在のステップID221に対応する作業名222、使用データ223や入出力装置24に表示する検索窓(入力欄)404及び"検索"ボタン402等の表示要素を生成し、入出力装置24へ出力する(S11)。
【0163】
次に、画面表示部22は、使用回数テーブル260から現在表示するステップiに対応するレコードの情報を取得する。画面表示部22は、ステップiに対応するレコードの有無を判定し(S113)、該当するレコードが存在する場合には、ステップS114へ進んで使用回数テーブル260の該当レコードからデータ名称261、業務名263、使用回数265を入出力装置24へ出力する。
【0164】
なお、以降の処理は前記実施例1の図13と同様であるので説明を省略する。
【0165】
上記の処理によって、フロー情報テーブルのレコードの情報と、当該レコードのステップIDに対応する使用回数テーブル260のレコードの情報を入出力装置24に表示することができるのである。
【0166】
図27は、障害対策業務を実行している業務クライアント2の入出力装置24に出力される画面の一例を示すイメージである。上記図26の処理によって入出力装置24の出力部には、図27で示すような画面420が表示される。この画面420はステップID=003で、障害対策業務の作業名222="ガスタービン図面参照"で、各ボタン401〜403及び検索窓404は前記実施例1の図10と同様である。本実施例3では、使用回数テーブル26のレコードの一部を表示する領域2600を有し、データ名称261と、業務名263と、使用回数265が表示される。
【0167】
これにより、業務クライアント2で、障害対策業務を行っている利用者は、同一の障害対策業務のステップID=003では、レポート作成業務でも、ガスタービン図面の参照の他に点検報告書を利用することを知ることができる。
【0168】
このように、画面表示部22が、フロー情報テーブルの各ステップの内容(レコード)を出力する画面に、使用回数テーブル260の情報を加えることで、他の利用者が行った異なる業務で使用したデータが、当該業務でも使用可能なデータあることを提示することが可能となる。
【実施例4】
【0169】
図28図31は、第4の実施例を示す。前記実施例1では、異なる業務で使用するデータが完全に一致する場合に関連度を有りとして、関連度を2値で表す例を示した。本実施例4では、異なる業務で使用するデータが部分的に一致する場合についても関連度を数値化して算出する例を示す。また、数値化した関連度は、閾値を用いて業務間の関連性を判定する例を示す。
【0170】
図28は、関連情報処理部130で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、前記実施例1の図15の処理のうち、ステップS28を、ステップS81に置き換えたもので、その他の処理は前記実施例1の図15と同様である。
【0171】
ステップS81では、関連情報処理部130が、現在新たなデータ名称をフロー情報テーブルの使用データ223に追加した業務特定情報を含む関連度テーブル250のレコードの関連度253が、所定の閾値である50%以上であれば、ステップS29へ進んで関連する業務のフロー情報テーブルにレコードを追加する。その他の処理は、前記実施例1の図15と同様であるので、説明は省略する。
【0172】
この処理によって、フロー情報テーブルF001で新たな使用データ223を追加した場合には、このフロー情報テーブルF001に関連するフロー情報テーブルF003にも、フロー情報テーブルF001へ追加したステップIDと同様のレコードを追加する。
【0173】
図29は、関連度算出部140で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、前記実施例1の図17の処理の一部を変更して、関連度を百分率で表示する例を示す。
【0174】
この処理は、前記実施例1の図16のステップS48で行われる処理である。関連度の算出は、図15のステップS26〜S30のループにおいて選択された関連度テーブル250のレコードについて実施される。本実施例4では、関連度テーブル250の一対の業務特定情報1と、業務特定情報2に対応するフロー情報テーブルで使用されるデータが一致する度合を関連度として算出し、関連度テーブル250の関連度253を更新するものである。
【0175】
関連度算出部140は、図15のステップS26〜S30のループにおいて選択された関連度テーブル250のレコードを読み込んで、図19に示した関連度テーブル250の業務特定情報1(251)と、業務特定情報2(252)を取得する(S50)。また、関連度算出部140は、データ格納テーブル210を取得する(S51)。
【0176】
関連度算出部140は、変数Countと変数Totalをそれぞれ0にリセットし、変数iを1にリセットする(S52A)。
【0177】
関連度算出部140は、データ格納テーブル210の全レコードについて、ステップS53A〜S60の処理を繰り返す。
【0178】
関連度算出部140は、ステップS51で取得したデータ格納テーブル210のi番目のレコードのデータ名称212を読み込み変数N1に代入する(S54)。i=1の場合、N1="センサー情報"となる。
【0179】
次に、関連度算出部140は、ステップS54で取得したデータ名称N1が、業務特定情報1(251)のフロー情報テーブルの使用データ223で使用されている回数を取得して変数C1へ代入する(S55)。フロー情報テーブルF001の場合、"センサー情報"の使用回数は1回となる。
【0180】
次に、関連度算出部140は、ステップS54で取得したデータ名称N1が、業務特定情報2(252)のフロー情報テーブルの使用データ223で使用されている回数を取得して変数C2へ代入する(S56)。フロー情報テーブルF003の場合も、"センサー情報"の使用回数は1回となる。
【0181】
関連度算出部140は、変数C1とC2の少なくとも一方が0より大であるか否かを判定する(S92)。変数C1とC2の少なくとも一方が0より大であればステップS90に進んで、関連度算出部140は変数Totalに1を加算する(S93)。次に、関連度算出部140は、変数C1とC2が等しいか否かを判定する(S94)。変数C1とC2が等しい場合には、ステップS95に進んで関連度算出部140は変数Countに1を加算する。なお、ステップS92またはステップS94の判定でNOの場合にはそのままステップS58に進む。
【0182】
ステップS58では、関連度算出部140が変数iに1を加算して関連度テーブル250の次のレコードに移動する。
【0183】
ステップS60において、関連度算出部140は、データ格納テーブル210の全てのレコードについて処理が終了していない場合には、変数C1、C2を0にリセットしてからステップS53Aへ戻って上記の処理を繰り返す。一方、データ格納テーブル210の全レコードについて処理が終了した場合には、ステップS53A〜S60のループを終了してステップS96に進む。
【0184】
ステップS96では、関連度算出部140が業務特定情報1と業務特定情報2の関連度を、
関連度=Count/Total
として算出し、関連度テーブル250の関連度253を更新する。なお、関連度253は、百分率で出力してもよい。
【0185】
以上の処理により、関連度算出部140がデータ格納テーブル210に登場する全てのデータについて、業務特定情報1と業務特定情報2の両業務のフロー情報テーブルでデータ名称の使用回数を算出し、少なくともひとつのデータ名称一致する業務特定情報の組み合わせを関連性ありと判定し、全データ名称のうちどの程度が一致するかを関連度として算出する。これにより、複数の業務で利用するデータが部分一致する業務の組み合わせを特定することができる。
【0186】
図30図31は、関連度テーブル250の一例を示す図である。図30は、フロー情報テーブルF001〜F003が、前記実施例1の図3図5の場合、実施例4の処理によって関連度253を算出した例を示す。前記実施例1では、関連度253="なし"のレコードが33%となっている。
【0187】
次に、図31は、フロー情報テーブルF001とF003に、前記実施例1の図20図21のように使用データ223に"点検報告書"のレコード(ステップID=003)を加えた場合に、実施例4の処理によって関連度253を算出した例を示す。前記実施例1では、関連度253="なし"のレコードが25%となっている。
【0188】
以上のように、本実施例4によれば、異なるフロー情報テーブルの使用データ223が一致している度合を百分率にて出力し、関連度253とすることで、フロー情報テーブルに対応する業務間の関連性を数値によって把握することができる。
【実施例5】
【0189】
図32A図32B図33図34は、第5の実施例を示す。前記実施例1では、異なるフロー情報テーブルの使用データ223が一致していれば関連度253="あり"として2値で出力する例を示した。本実施例5では、使用データ223が出現する順序を考慮して関連度を数値で算出する例を示す。なお、本実施例5では、前記実施例4の図28を用い、関連度253を閾値(50%)以上で関連するフロー情報テーブルを更新するものとする。その他の構成は前記実施例1と同様である。
【0190】
図32A図32Bは、関連度算出部140で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、前記実施例1の図17の処理の一部を変更して、関連度算出部140がフロー情報テーブルの使用データ223の出現順序を考慮して、関連度を数値で算出する例を示す。
【0191】
この処理は、前記実施例1の図16のステップS48で行われる処理である。関連度の算出は、図15のステップS26〜S30のループにおいて選択された関連度テーブル250のレコードについて実施される。本実施例5では、関連度テーブル250の一対の業務特定情報1と、業務特定情報2に対応するフロー情報テーブルで使用される使用データ223が一致すれば変数Countに1を加えて関連度として算出し、関連度テーブル250の関連度253を更新するものである。そして、関連度253の算出の際には、関連度算出部140がフロー情報テーブルにおいて使用データ223が出現する順序を考慮する点が実施例1と相違する。
【0192】
関連度算出部140は、図15のステップS26〜S30のループにおいて選択された関連度テーブル250のレコードを読み込んで、図19に示した関連度テーブル250の業務特定情報1(251)と、業務特定情報2(252)を取得する(S50)。また、関連度算出部140は、データ格納テーブル210を取得する(S51)。
【0193】
関連度算出部140は、変数Flag及び変数iを1にリセットし、変数Countと変数Total及び変数iをそれぞれ0にリセットする(S52B)。
【0194】
関連度算出部140は、Flagが1の間、データ格納テーブル210の全レコードについて、ステップS53〜S60の処理を繰り返す。
【0195】
関連度算出部140は、ステップS51で取得したデータ格納テーブル210のi番目のレコードのデータ名称212を読み込み変数N0に代入する(S54)。i=1の場合、N0="センサー情報"となる。
【0196】
次に、関連度算出部140は、ステップS54で取得したデータ名称N0が、業務特定情報1(251)のフロー情報テーブルの使用データ223で使用されている回数を取得して変数C1へ代入する(S55)。フロー情報テーブルF001の場合、ステップID=001で"センサー情報"の使用回数は1回となる。
【0197】
次に、関連度算出部140は、ステップS54で取得したデータ名称N0が、業務特定情報2(252)のフロー情報テーブルの使用データ223で使用されている回数を取得して変数C2へ代入する(S56)。フロー情報テーブルF003の場合は、ステップID=003で"センサー情報"の使用回数は1回となる。
【0198】
図32のステップS57では、関連度算出部140が、変数C1とC2が等しいか否かを判定する(S57)。変数C1とC2が、等しければ関連度算出部140は、Flagを1に維持したままステップS151へ進み、変数C1とC2が、等しくなければステップS59へ進んで、Flagを0に更新する。
【0199】
ステップS151では、関連度算出部140が変数Countに1を加算する。そして、ステップS152では、関連度算出部140が、業務特定情報1に対応するフロー情報テーブルで、現在着目しているレコードの使用データ223の次のレコードの使用データ223の名称を取得して、変数N1に代入する。図3において、現在着目しているレコードがフロー情報テーブルF001のステップID=001の"センサー情報"の場合、次のレコードの使用データ223="設備写真"が変数N1に代入される。
【0200】
ステップS153では、関連度算出部140が、業務特定情報2に対応するフロー情報テーブルで、現在着目しているレコードの使用データ223の次のレコードの使用データ223の名称を取得して、変数N2に代入する。図5において、現在着目しているレコードがフロー情報テーブルF003のステップID=002の"センサー情報"の場合、次のレコードの使用データ223="ガスタービン図面"が変数N2に代入される。
【0201】
次に、ステップS154では、関連度算出部140が、変数N1と変数N2が等しいか否かを判定する。変数N1と変数N2が等しい場合には、ステップS155へ進んで関連度算出部140は変数Nextに1を加算する。
【0202】
次に、ステップS58では、関連度算出部140が変数iに1を加算して関連度テーブル250の次のレコードに移動する。
【0203】
ステップS60において、関連度算出部140は、Flagが1、あるいはデータ格納テーブル210の全てのレコードについて処理が終了していない場合には、変数C1、C2を0にリセットしてからステップS53へ戻って上記の処理を繰り返す。一方、Flagが0、あるいは、データ格納テーブル210の全レコードについて処理が終了した場合には、ステップS53〜S60のループを終了してステップS61に進む。
【0204】
ステップS61において、関連度算出部140は、Flagが1であるか否かを判定し、Flagが1であればステップS156へ進み、Flagが1でなければステップS157へ進む。
【0205】
ステップS156では、関連度算出部140が業務特定情報1と業務特定情報2の関連度を、
関連度=(Count+Next)/(Count×2)
として算出し、関連度テーブル250の関連度253を更新する。なお、関連度253は、百分率で出力してもよい。
【0206】
以上の処理により、関連度算出部140がデータ格納テーブル210に登場する全てのデータについて、業務特定情報1と業務特定情報2の両業務のフロー情報テーブルでデータ名称の使用回数を算出し、全データ名称のうち一致する場合には変数Countに1を加算する。さらに、関連度算出部140は、業務特定情報1と業務特定情報2の両業務の使用データ223が一致する場合には、次のレコードの使用データ223も両業務で一致すれば変数Nextに1を加算する。そして、関連度算出部140は、変数Countと変数Nextから関連度を算出し、関連度テーブル250の関連度253を更新する。
【0207】
以上の処理により、関連度算出部140は、業務特定情報1と業務特定情報2の両業務のフロー情報テーブルでの使用データ223について、データ格納テーブル210に格納されたデータ名称212が一致すれば、フロー情報テーブルの次の使用データ223についてもデータ名称212が一致するか否かを加味して関連度253を算出する。これにより、各業務特定情報1、2のフロー情報テーブルで使用するデータの一致に加えてデータの出現順序を考慮した関連度253を用いて、業務間の関連性を比較することが可能となる。
【0208】
図33図34は、関連度テーブル250の一例を示す図である。図33は、フロー情報テーブルF001〜F003が、前記実施例1の図3図5の場合、実施例5の処理によって関連度253を算出した例を示す。前記実施例1では、関連度253="あり"のレコードの関連度は67%となっている。
【0209】
次に、図34は、フロー情報テーブルF001とF003に、前記実施例1の図20図21のように使用データ223に"点検報告書"のレコード(ステップID=003)を加えた場合に、実施例5の処理によって関連度253を算出した例を示す。前記実施例1では、関連度253="あり"のレコードが75%となって、データ名称の出現順序が加味されたことが分かる。
【0210】
以上のように、本実施例5によれば、異なるフロー情報テーブルの使用データ223が一致している度合には、次の使用データ223も一致するか否かを判定することで、使用データ223のデータの出現順序を加味したより精度の高い関連度253を算出することが可能となるのである。これにより、使用データ223が一致する他の業務を特定でき、処理の順序に応じた関連度の高い他の業務を容易に特定することが可能となるのである。
【0211】
なお、実施例5では、実施例1と同様に、業務特定情報1、2のフロー情報テーブルで使用するデータが一致するか否かで変数Countを設定したが、実施例4と同様にフロー情報テーブルで使用するデータが一致する度合を算出してから、本実施例5のようにデータの出現順序を加味するようにしても良い。
【0212】
<補足>
【0213】
上記各実施例1〜5では、業務クライアント2が処理したデータの比較による関連度253の算出について、フロー情報テーブルを使用する例を示したが、テーブルを使用することは一実施例であり、本発明の実現方法はテーブルの使用に限定されるものではない。テーブルに代わって、例えば、業務クライアント2のログファイルをデータ収集配信サーバ1で比較して関連度253を算出してもよい。
【0214】
また、図22は、業務クライアント2からの要求による配信(PULL配信)であるが、このPULL配信は一実施例であり、データ収集配信サーバ1からのPUSH配信によって実現してもよい。具体的には、業務を定期的(月に1回等)に実施することが決まっており、そのタイミングでデータ収集配信サーバ1から自動的に業務クライアント2へデータが配信される形態でもよい。
【0215】
また、上記各実施例1〜5は、本発明をガスタービンの保全を行う計算機システムに適用した例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、異なる業務(業務プログラム)が業務クライアント2で実行され、業務クライアント2で使用したデータと業務を管理計算機(データ収集配信サーバ1)で保持する計算機システムであれば、本発明を適用することができる。なお、業務クライアント2で使用したデータは、管理計算機からアクセス可能な装置に格納されていれば良い。
【0216】
なお、本発明において説明した計算機等の構成、処理部及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0217】
また、本実施例で例示した種々のソフトウェアは、電磁的、電子的及び光学式等の種々の記録媒体(例えば、非一時的な記憶媒体)に格納可能であり、インターネット等の通信網を通じて、コンピュータにダウンロード可能である。
【0218】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
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