(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(1)第1の実施の形態
(1−1)本実施の形態によるデータ収集配信システムの構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるデータ収集配信システムを示す。このデータ収集配信システム1は、1又は複数のデータ収集クライアント2が第1のネットワーク3を介して仲介サーバ4と接続されると共に、仲介サーバ4が第2のネットワーク5を介して1又は複数のデータ配信先クライアント6と接続されて構成されている。
【0017】
データ収集クライアント2は、例えば各家庭に設置された電力メータや、工場や機械に設置されたセンサデバイス等のデータ提供者10側に設けられたM2M機器であり、CPU(Central Processing Unit)11、主記憶装置12及び二次記憶装置13を備えて構成される。
【0018】
CPU11は、データ収集クライアント2全体の動作制御を司るプロセッサである。また主記憶装置12は、例えば揮発性の半導体メモリから構成され、CPU11のワークメモリとして利用される。さらに二次記憶装置13は、不揮発性の大容量の記憶装置から構成される。
【0019】
データ収集クライアント2は、自装置又は外部機器のステータス(障害の有無、稼働中又は停止中)などの装置の稼働状態を表す稼働情報と、自装置又は外部機器のCPU稼働率及びメモリ利用率や、自装置内又は外部機器内の図示しない各種センサから出力される計測値といった性能情報と、障害情報などからなるエラー情報となどの情報を収集し、収集したこれらの情報を定期的に又は収集したタイミングで収集データとして当該仲介サーバ4に送信する。
【0020】
そのための手段として、データ収集クライアント2の主記憶装置12には、収集データ送信部14、収集識別子送信部15及び発生データ取込み部16が格納され、データ収集クライアント2の二次記憶装置13には、収集識別子保存テーブル17が格納されている。
【0021】
収集データ送信部14は、収集した情報を収集データとして送信する機能を有するプログラムである。また収集識別子送信部15は、収集データ送信部14が収集データを仲介サーバ4に送信する際、データ提供者10及びデータ交換仲介者20間の「事前の取決め」に従ったその収集データの属性(稼働情報、性能情報及びエラー情報等であり、以下、これを収集データ属性と呼ぶ)を表す識別子(以下、これを収集識別子と呼ぶ)を仲介サーバ4に送信する機能を有するプログラムである。なお収集識別子送信部15は、かかる収集識別子を収集データに含めることで、当該収集識別子を仲介サーバ4に送信する。さらに発生データ取込み部16は、外部機器からその情報を収集する機能を有するプログラムである。
【0022】
また収集識別子保存テーブル17は、上述の「事前に取決め」に従った収集データ属性ごとの収集識別子を保存し、管理するために利用されるテーブルである。収集識別子保存テーブル17には、システム管理者等により収集データの属性ごとの収集識別子が予め登録される。
【0023】
仲介サーバ4は、データ交換仲介者20により設置されたサーバ装置であり、データ収集クライアント2から送信される収集データを保管し、保管した収集データをデータ交換仲介者20及びデータ利用者30間の「事前の取決め」に従った形式で当該データ利用者30のデータ配信先クライアント6に配信する機能を有する。
【0024】
この仲介サーバ4は、CPU21、主記憶装置22及び二次記憶装置23を備えて構成される。これらCPU21、主記憶装置22及び二次記憶装置23は、データ収集クライアント2の対応部位(CPU11、主記憶装置12又は二次記憶装置13)と同様の機能を有するものであるため、ここでの説明は省略する。
【0025】
データ配信先クライアント6は、データ利用者30側に設けられたコンピュータ装置であり、仲介サーバ4から送信される配信データを利用してデータ利用者30の業務に応じた所定処理(例えば分析や予測など)を実行する機能を有する。
【0026】
このデータ配信先クライアント6もCPU31、主記憶装置32及び二次記憶装置33を備えて構成される。これらCPU31、主記憶装置32及び二次記憶装置33も、データ収集クライアント2の対応部位と同様の機能を有するものであるため、ここでの説明は省略する。
【0027】
データ配信先クライアント6の主記憶装置32には、配信識別子送信部34、配信データ受信部35及びデータ利用部36が格納され、データ配信先クライアント6の二次記憶装置33には配信識別子保存テーブル37が格納されている。
【0028】
このうち配信識別子保存テーブル37は、データ交換仲介者20及びデータ利用者30間の「事前の取決め」により規定された配信データの属性(以下、これを配信データ属性と呼ぶ)ごとの識別子(以下、これを配信識別子と呼ぶ)を保存するために利用されるテーブルである。
【0029】
また配信識別子送信部34は、配信を希望する配信データ(収集データ)の配信識別子を配信識別子保存テーブル37から読み出し、読み出した配信識別子を含む当該配信データの配信要求(以下、これをデータ配信要求)を仲介サーバ4に送信する機能を有するプログラムである。
【0030】
さらに配信データ受信部35は、かかるデータ配信要求に応じて仲介サーバ4から配信される配信データを受信する機能を有するプログラムであり、データ利用部36は、仲介サーバ4から配信されてきた配信データを利用した上述の所定処理を実行するアプリケーションプログラムである。
【0031】
(1−2)本実施の形態によるデータ収集配信機能
(1−2−1)本実施の形態によるデータ収集配信機能
次に、仲介サーバ4に搭載された本実施の形態によるデータ収集配信機能について説明する。なお、以下においては、収集データについての「属性」という用語を、その収集データの内容の種類(稼働情報、性能情報又はエラー情報など)を表す意味と、その収集データの形式、送信元範囲及び受信頻度などを表す意味との双方の意味を表すものとして使用する。ただし、これらの混同を防ぐため、「属性」を収集データの種類を意味する用語として用いる場合には「収集データ属性」と表記し、収集データの形式等を表す用語として用いる場合には「収集データの属性」と表記するものとする。なお「収集データの属性」については、「収集データの形式等」とも表記するが、これらの用語は同じ意味を表す。
【0032】
本データ収集配信システム1の場合、仲介サーバ4には、各データ収集クライアント2からそれぞれ送信される収集データの形式等がデータ提供者10及びデータ交換仲介者20間の「事前の取決め」に従った形式等であるか否かを監視し、「事前の取決め」に従った形式等の収集データのみを選択的にデータ配信先クライアント6に配信するデータ収集配信機能が搭載されている。
【0033】
このような本実施の形態によるデータ収集配信機能を実現するための手段として、仲介サーバ4の主記憶装置22には、収集データ受信部40、収集データ属性差異判定部41、収集データ処理方法決定部42、収集データ保管処理部43、データ配信要求受信部44、保管データ取出し部45、保管データ加工部46及び配信データ送信部47が格納され、当該仲介サーバ4の二次記憶装置23には、収集データ保管部50、収集データ代替保管部51、収集データ属性テーブル52、差異判定条件定義テーブル53、収集データ保管方法定義テーブル54、収集データ保管方法記録テーブル55及び配信データ属性テーブル56が格納されている。
【0034】
収集データ受信部40は、各データ収集クライアント2から送信されてくる収集データを受信する機能を有するプログラムである。また収集データ属性差異判定部41は、収集データ受信部40が受信した収集データの収集データ属性を特定し、当該収集データの属性がその収集データ属性について規定された「事前の取決め」に従ったものであるか否かを判定する機能を有するプログラムである。
【0035】
収集データ処理方法決定部42は、収集データ受信部40が受信した収集データについて、収集データ属性差異判定部41の判定結果に基づいてその処理方法(保管方法)を決定する機能を有するプログラムである。また収集データ保管処理部43は、収集データ受信部40が受信した収集データを、収集データ処理方法決定部42の決定結果に基づく保管方法により、二次記憶装置23内の収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51に保管する機能を有するプログラムである。
【0036】
さらにデータ配信要求受信部44は、データ配信先クライアント6から送信されたデータ配信要求を受信処理する機能を有するプログラムであり、保管データ取出し部45は、データ配信先クライアント6からのデータ配信要求に応じて、収集データ保管部50に保管されている対応する収集データを取り出す(読み出す)機能を有するプログラムである。
【0037】
さらに保管データ加工部46は、保管データ取出し部45により収集データ保管部50から取り出された収集データを、データ交換仲介者20及びデータ利用者30間の「事前の取決め」に従った形式(データ長、データの順番、データ内容等)に加工する加工処理を施す機能を有するプログラムであり、配信データ送信部47は、保管データ加工部46により加工された収集データを上述のデータ配信要求の送信元のデータ配信先クライアント6に配信データとして配信する機能を有するプログラムである。
【0038】
一方、収集データ保管部50は、データ収集クライアント2から送信された収集データの属性がデータ提供者10との「事前の取決め」に従った形式である場合にその収集データを保管しておくための記憶領域であり、収集データ代替保管部51は、データ収集クライアント2から送信された収集データの形式等がデータ提供者10との「事前の取決め」と異なる場合にその収集データを保管しておくための記憶領域である。
【0039】
また収集データ属性テーブル52は、データ提供者10との「事前の取決め」により規定された収集データ属性ごとの形式等を管理するために利用されるテーブルである。この収集データ属性テーブル52は、
図2に示すように、収集識別子欄52A、データ名欄52B、属性欄52C及び保管方法欄52Dから構成される。
【0040】
そして収集識別子欄52Aには、対応する収集データ属性に対して付与された収集識別子が格納され、データ名欄52Bには、収集データ属性を識別し易いように対応する収集データ属性に対してデータ交換仲介者20が付与したラベル表す文字列(「稼働情報」、「性能情報」及び「エラー情報」など)が格納される。
【0041】
また属性欄52Cは、データ提供者10との「事前の取決め」により規定された対応する収集データ属性の形式等のうちの詳細属性を管理するための詳細属性欄52Eと、当該収集データ属性の形式のうちの周辺属性を管理するための周辺属性欄52Fとから構成される。
【0042】
そして詳細属性欄52Eは、データ長欄52EA及び複数の項目欄52EBから構成されており、データ提供者との「事前の取決め」により規定された対応する収集データ属性に属する収集データのデータ長がデータ長欄52EAに格納され、当該「事前の取決め」により規定された対応する収集データ属性に属する収集データに含まれる個々の情報についてのフォーマットがそれぞれ対応する項目欄(項目#1、項目#2、……)52EBに格納される。例えば、エンジンの回転数、温度及びトルク等の計測値が1つの収集データとして送信される場合、項目#1が回転数、項目#2が温度、項目#3がトルク、……に該当し、これら項目ごとに「事前の取決め」により規定されたその項目のデータの開始位置、長さ及び値の範囲などの情報が各項目欄52EBにそれぞれ格納される。
【0043】
また周辺属性欄52Fは、送信元範囲欄52FA及び受信頻度欄52FBから構成されており、データ提供者10との「事前の取決め」により規定された対応する収集データ属性に属する収集データの送信元のIPアドレスの範囲が送信元範囲欄52FAに格納され、当該「事前の取決め」により規定されたその収集データ属性に属する収集データの受信頻度が受信頻度欄52FBに格納される。
【0044】
さらに保管方法欄52Dには、受信した収集データの属性が、その収集データが属する収集データ属性についてデータ提供者10との「事前の取決め」により規定された属性に従っている場合のその収集データの保管方法が格納される。
【0045】
従って、
図2の場合、例えば「稼働情報」という収集データ属性の収集データについては、データ長が「128」バイト、データの先頭(「0byte」)から「4」バイト分が「0〜100」の範囲の数値をとる「項目#1」の情報であり、データの「4byte」目から「4」バイト分が「-256〜256」の範囲の数値をとる「項目#2」の情報であるべきことがデータ提供者10との「事前の取決め」により規定されていることが示されている。
【0046】
また
図2の場合、その収集データ属性(稼働情報)を送信するデータ収集クライアント2の送信元のIPアドレスの範囲は「アドレスA〜アドレスB」で、送信されてくる頻度は「1回/日以下」であることがデータ提供者10との「事前の取決め」により規定され、さらにこの収集データ属性の収集データが、当該収集データ属性について「事前の取決め」により規定された形式を満たす場合には、その収集データを「属性1_###(###は連番)」というファイル名の「ファイル」として保管するよう規定されていることが示されている。
【0047】
差異判定条件定義テーブル53は、仲介サーバ4が、データ収集クライアント2から送信されてきた収集データの形式等がデータ提供者10との「事前の取決め」により規定された形式等に従っているか否かを判定するための判定条件を管理するために利用されるテーブルであり、
図3に示すように、判定条件番号欄53A、対象収集識別子欄53B及び判定条件欄53Cから構成される。
【0048】
そして判定条件番号欄53Aには、個々の判定条件の優先度を表す番号(判定条件番号)が格納される。なお
図3では、判定条件番号の左側の数字が対象とする収集データ属性の収集識別子と一致しており、右側の数字(枝番)が対応する収集データ属性における判定条件の優先度を表す。この優先度は、右側の数値が小さいほど高い。従って、例えば
図3の例の場合、判定条件番号が「1-3」の判定条件よりも判定条件番号が「1-2」の判定条件の方が優先度が高く、判定条件番号が「1-2」の判定条件よりも判定条件番号が「1-1」の判定条件の方が優先度が高い。
【0049】
また対象収集識別子欄53Bには、対応する判定条件が適用される収集識別子が格納される。また判定条件欄53Cには、対応する収集データ属性に属する収集データがデータ提供者との「事前の取決め」に従った属性(形式等)であるか否かを判定する際の判定条件が格納される。
【0050】
従って、
図3の場合、例えば「収集データ属性#1」という収集データ属性(稼働情報)に属する収集データに対する判定条件は「1-1」〜「1-3」の3つが規定されており、最も優先度が高い判定条件は、「収集データのデータ長が一致し、かつ収集データの実際の値が項目#1、項目#2の範囲をすべて満たし、かつ送信元範囲を満たす」ことであり、次に優先度が高い判定条件は「収集データの送信元が、収集データ属性について定義された送信元範囲である」ことであり、最も優先度が低い判定条件は、「収集データの受信頻度が、収集データ属性について定義された受信頻度を満たす」ことであることが示されている。
【0051】
収集データ保管方法定義テーブル54は、収集データ処理方法決定処理の判定結果に応じて予め定義された収集データに対する処理方法(保管方法)を管理するために利用されるテーブルであり、
図4に示すように、対象判定条件欄54A及び処理欄54Bから構成される。
【0052】
そして対象判定条件欄54Aには、差異判定条件定義テーブル53の判定条件番号欄53Aに格納されている各判定条件番号がそれぞれ格納される。また処理欄54Bには、判定条件を優先度の高いものから順番に判定していった場合に、対応する判定条件番号の判定条件を初めて満たさなかった場合のその収集データの処理方法(保管方法)が格納される。この場合において、収集データを「事前の取決め」と異なる方法で保管する場合には、具体的な保管方法及び必要なパラメータが処理欄に格納される。
【0053】
従って、
図4では、例えば収集識別子が「収集データ属性#1」という収集データ属性(この例では稼働情報)の収集データについては、優先度が最も高い「判定条件#1−1」という判定条件から順番に判定条件を満たすか否かを判定し、最初に「判定条件#1−3」という判定条件を満たさなかった場合(「判定条件#1−1」及び「判定条件#1−2」の判定条件は満たしたが「判定条件#1−3」の判定条件は満たさなかった場合)には、「属性1_範囲外###」(###は連番)というファイル名を付与した「ファイル」として保管すべきことが示されている。また
図4では、「収集データ属性#2」の収集データについては、優先度が最も高い「判定条件#2−1」から順番に判定条件を満たすか否かを判定し、「判定条件#2−1」の判定条件を満たさなかった場合と、「判定条件#2−1」の判定条件は満たすが「判定条件#2−2」の判定条件を満たさない場合のいずれの場合にも、「事前の取決め」に従った方法で保管すべきことが示されている。
【0054】
収集データ保管方法記録テーブル55は、受信及び保管した各収集データの保管方法を管理するために利用されるテーブルであり、
図5に示すように、レコード番号欄55A、収集識別子欄55B、識別子内連番欄55C、保管方法欄55D及び保管詳細欄55Eから構成される。
【0055】
そしてレコード番号欄55Aには、そのレコード(行)に付与された識別番号が格納され、収集識別子欄55Bには、対応する収集データが属する収集データ属性の収集識別子が格納される。また識別子内連番欄55Cには、対応する収集データに付与された識別子内連番が格納される。この識別子内連番は、同じ収集識別子が付与された収集データ(つまり同じ収集データ属性の収集データ)を区別するために付与される連番であり、同じ収集データ属性の収集データに対して異なる識別子内連番が順次付与される。
【0056】
保管方法欄55Dには、対応する収集データがその収集データ属性に応じた「事前の取決め」に従った保管方法と同一の保管方法及び異なる保管方法のいずれの方法で保管されているかが格納される。具体的に、対応する収集データがその収集データ属性に応じた「事前の取決め」に従った保管方法で保管されている場合には「同一」であることを表す文字列又はコード等が格納され、当該収集データがその収集データ属性に応じた「事前の取決め」と異なる保管方法で保管されている場合には「異なる」ことを表す文字列又はコード等が格納される。
【0057】
さらに保管詳細欄55Eには、対応する収集データの保管方法の詳細が格納される。例えば、対応する収集データが「ファイル」形式として保管されている場合には、「保管方法=ファイル」という情報と、その「ファイル」のファイル名とが格納される。
【0058】
従って、
図5の場合、例えば、収集識別子として「収集データ属性#1」、識別子内連番として「1」が付与された収集データの保管方法は、その収集データの収集データ属性について予め定められた「事前の取決め」による保管方法と「同一」であり、より詳細には、その収集データが「ファイル」形式で「属性1_1」というファイル名で保管されていることが示されている。
【0059】
なお
図5では、収集データ保管方法記録テーブル55において、各収集データを収集データ属性ごとに纏めるようにソートした状態を示しているが、受信した順番で収集データを収集データ保管方法記録テーブル55に登録し、そのままの状態で各収集データの保管方法を管理(つまり収集データ属性ごとに纏めるようにソートしない状態で管理)するようにしても良い。
【0060】
配信データ属性テーブル56は、配信データ属性を管理するために利用されるテーブルであり、
図6に示すように、配信識別子欄56A、収集識別子欄56B、配信項目欄56C及び配信先欄56Dから構成される。
【0061】
そして配信識別子欄56Aには、仲介サーバ4からデータ配信先クライアント6に送信される配信データの各配信データ属性の配信識別子がそれぞれ格納され、収集識別子欄には、その配信識別子と対応付けられた収集識別子が格納される。
【0062】
さらに配信項目欄56Cには、対応する収集データ属性に属する収集データのうち、データ配信先クライアント6に配信すべき項目を表す情報(配信対象の項目の識別情報)が格納される。また配信対象が収集データ全体の場合には、その旨を表す文字列又はコード(「収集データ全体」)等が配信項目欄56Cに格納される。さらに配信先欄56Dには、対応する配信データの配信先となるデータ配信先クライアント6のアドレスが格納される。
【0063】
従って、
図6の場合、「配信データ属性#1」という配信識別子は「収集データ属性#1」という収集識別子と対応付けられており、当該収集識別子に属する収集データのうちの「項目#1、#2」のデータを「アドレス1」のデータ配信先クライアント6に送信すべきことが示されている。
【0064】
(1−3)本実施の形態によるデータ収集配信機能に関する各種処理
次に、本実施の形態によるデータ収集配信機能に関連して実行される各種処理の処理内容について説明する。なお、以下においては、各種処理の処理主体を「プログラム(……部)」として記載するが、実際上は、そのプログラムに基づいて仲介サーバ4のCPU21(
図1)がその処理を実行することはいうまでもない。
【0065】
(1−3−1)データ収集処理
(1−3−1−1)データ収集処理
図7は、データ収集クライアント2から収集データが送信されてきたときに仲介サーバ4において実行されるデータ収集処理の処理手順を示す。
【0066】
仲介サーバ4では、データ収集クライアント2から収集データが送信されてくるとこのデータ収集処理が開始され、まず、収集データ受信部40(
図1)によりその収集データの受信処理が実行される(SP1)。なお、収集データには、上述のようにその収集データ属性も含まれる。
【0067】
続いて、その収集データの属性(形式等)が、当該収集データが属する収集データ属性について規定されている「事前の取決め」に従った形式等と差異があるか否かを判定する収集データ属性差異判定処理が収集データ属性差異判定部41(
図1)により実行される(SP2)。
【0068】
次いで、かかる収集データ属性差異判定処理の処理結果に基づいてその収集データの処理方法(保管方法)を決定する収集データ処理方法決定処理が収集データ処理方法決定部42(
図1)により実行される(SP3)。
【0069】
さらに、かかる収集データ処理方法決定処理の処理結果に従ってその収集データを保管する収集データ保管処理が収集データ保管処理部43(
図1)により実行され(SP4)、この後、このデータ収集処理が終了する。
【0070】
(1−3−1−2)収集データ属性差異判定処理
図8は、
図7について上述したデータ収集処理のステップSP2において収集データ属性差異判定部41により実行される収集データ属性差異判定処理の具体的な処理内容を示す。
【0071】
収集データ属性差異判定部41は、この収集データ属性差異判定処理を開始すると、まず、そのとき対象としている収集データに含まれる収集識別子からその収集データの収集データ属性を特定する(SP10)。
【0072】
続いて、収集データ属性差異判定部41は、差異判定条件定義テーブル53(
図3)から、対象収集識別子欄53Bに格納されている収集識別子がステップSP10において特定した収集データ属性の収集識別子と合致する判定条件の中から未処理の判定条件であって優先度が最も高い1つの判定条件を選択する(SP11)。
【0073】
次いで、収集データ属性差異判定部41は、ステップSP11で選択した判定条件に従って、その収集データの形式等がステップSP11で選択した判定条件を満たすか否かを判断する(SP12)。そして収集データ属性差異判定部41は、この判断で肯定結果を得ると、この収集データ属性差異判定処理を終了する。
【0074】
これに対して、収集データ属性差異判定部41は、ステップSP12の判断で否定結果を得ると、差異判定条件定義テーブル53に登録された判定条件であって、対象収集識別子欄53Bに格納されている収集識別子がステップSP10において特定した収集データ属性の収集識別子と合致するすべての判定条件についてステップSP12の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP13)。
【0075】
収集データ属性差異判定部41は、この判断で否定結果を得るとステップSP11に戻り、この後、ステップSP11で選択する判定条件を順次他の未処理の判定条件に切り替えながらステップSP11〜ステップSP13の処理を繰り返す。
【0076】
そして収集データ属性差異判定部41は、やがて差異判定条件定義テーブル53に登録された判定条件であって、対象収集識別子欄53Bに格納されている収集識別子がステップSP10において特定した収集データ属性の収集識別子と合致するすべての判定条件についてステップSP12の処理を実行し終えることによりステップSP13で肯定結果を得ると、この収集データ属性差異判定処理を終了する。
【0077】
(1−3−1−3)収集データ処理方法決定処理
図9は、
図7について上述したデータ収集処理のステップSP3において収集データ処理方法決定部42により実行される収集データ処理方法決定処理の具体的な処理内容を示す。
【0078】
収集データ処理方法決定部42は、この収集データ処理方法決定処理を開始すると、まず、上述した収集データ属性差異判定処理(
図8)のステップSP12の判定結果に基づいて、そのとき対象としている収集データが当該収集データの収集データ属性について規定されたすべての判定条件を満たしているか否かを判断する(SP20)。
【0079】
この判断で肯定結果を得ることは、その収集データの形式が、その収集データが属する収集データ属性についての「事前の取決め」に従った形式等であることを意味する。かくして、このとき収集データ処理方法決定部42は、その収集データの処理方法(保管方法)として、当該収集データが属する収集データ属性についての「事前の取決め」に従った方法に決定し(SP21)、この後、この収集データ処理方法決定処理を終了する。
【0080】
これに対して、ステップSP20の判断で否定結果を得ることは、その収集データの形式が、その収集データが属する収集データ属性についての「事前の取決め」に従った形式でないことを意味する。かくして、このとき収集データ処理方法決定部42は、その収集データが満たさない判定条件のうち、判定条件番号が最も小さい(優先度が最も高い)判定条件の当該判定条件番号を取得する(SP22)。
【0081】
続いて、収集データ処理方法決定部42は、ステップSP22において取得した判定条件番号に対して収集データ保管方法定義テーブル54上で規定された処理方法(保管方法)をその収集データの処理方法として決定し(SP23)、この後、この収集データ処理方法決定処理を終了する。
【0082】
(1−3−1−4)収集データ保管処理
図10は、
図7について上述したデータ収集処理のステップSP4において収集データ保管処理部43により実行される収集データ保管処理の具体的な処理内容を示す。
【0083】
収集データ保管処理部43は、この収集データ保管処理を開始すると、まず、上述した収集データ処理方法決定処理(
図9)において決定された、そのとき対象としている収集データの処理方法(保管方法)を収集データ処理方法決定部42から取得する(SP30)。
【0084】
続いて、収集データ保管処理部43は、ステップSP30において取得した処理方法が「事前の取決め」に従った保管方法であるか否かを判断する(SP31)。
【0085】
そして収集データ保管処理部43は、ステップSP31の判断で否定結果を得ると、上述の収集データ処理方法決定処理(
図9)のステップSP23で決定した処理方法(保管方法)を収集データ保管方法定義テーブル54(
図4)から取得する(SP32)。また収集データ保管処理部43は、ステップSP31の判断で肯定結果を得ると、その収集データに対する「事前の取決め」に従った処理方法を収集データ属性テーブル52(
図2)から取得する(SP33)。
【0086】
次いで、収集データ保管処理部43は、そのとき対象としている収集データをステップSP32又はステップSP33で取得した処理方法により保管する(SP34)。この際、収集データ保管処理部43は、その収集データを「事前の取決め」に従った処理方法により保管する場合には、その収集データを二次記憶装置23内の収集データ保管部50(
図1)に格納する。これに対して収集データ保管処理部43は、その収集データを「事前の取決め」以外の処理方法により保管する場合には、その収集データを二次記憶装置23内の収集データ代替保管部51(
図1)に格納する。
【0087】
さらに収集データ保管処理部43は、その収集データを収集データ保管方法記録テーブル55(
図5)に登録し(SP35)、この後、この収集データ保管処理を終了する。
【0088】
(1−3−2)データ配信処理
(1−3−2−1)データ配信処理
図11は、データ配信先クライアント6からデータ配信要求が送信されてきたときに仲介サーバ4において実行されるデータ配信処理の処理手順を示す。
【0089】
仲介サーバ4では、データ配信先クライアント6からデータ配信要求が送信されてくるとこのデータ配信処理が開始され、まず、データ配信要求受信部44(
図1)によりそのデータ配信要求の受信処理が実行される(SP40)。なお、この際、データ配信要求には、上述のように要求する配信データの配信データ属性を表す配信識別子も含まれる。
【0090】
続いて、そのデータ配信要求により要求された収集データを二次記憶装置23内の収集データ保管部50(
図1)から取り出す保管データ取出し処理が保管データ取出し部45(
図1)により実行される(SP41)。
【0091】
次いで、保管データ取出し部45により二次記憶装置23内の収集データ保管部50から取り出された収集データの形式をデータ利用者との「事前の取決め」に従った形式に加工する保管データ加工処理が保管データ加工部46(
図1)により実行される(SP42)。
【0092】
さらに、かかる保管データ加工処理により加工された収集データを配信データとしてデータ配信要求の送信元のデータ配信先クライアント6に送信する配信データ送信処理が配信データ送信部47(
図1)により実行され(SP43)、この後、このデータ配信処理が終了する。
【0093】
(1−3−2−2)保管データ取出し処理
図12は、
図11について上述したデータ配信処理のステップSP41において保管データ取出し部45により実行される保管データ取出し処理の具体的な処理内容を示す。
【0094】
保管データ取出し部45は、この保管データ取出し処理を開始すると、まず、データ配信要求に含まれる配信識別子に基づき、配信データ属性テーブル56(
図6)を参照して、配信データの配信データ属性を特定する(SP50)。
【0095】
続いて、保管データ取出し部45は、配信データ属性テーブル56を参照して、ステップSP50で特定した配信データ属性に対応する収集データ属性(二次記憶装置23内の収集データ保管部50から取り出すべき収集データの収集データ属性)を特定する(SP51)。
【0096】
さらに保管データ取出し部45は、ステップSP51において特定した収集データ属性を有するすべての収集データを収集データ保管方法記録テーブル55(
図5)上で特定する(SP52)。
【0097】
次いで、保管データ取出し部45は、ステップSP52で特定した収集データの中から1つの収集データを選択し(SP53)、選択した収集データの保管方法がその収集データの収集データ属性について定められた「事前の取決め」に従った保管方法であるか否かを収集データ保管方法記録テーブル55を参照して判断する(SP54)。
【0098】
ここで、このステップSP54の判断で否定結果を得ることは、そのとき対象としている収集データの形式等がその収集データの収集データ属性について予め定められた「事前の取決め」に従った形式等でないことを意味する。かくして、このとき保管データ取出し部45は、ステップSPに56進む。
【0099】
これに対して、ステップSP54の判断で肯定結果を得ることは、そのとき対象としている収集データの形式等がその収集データの収集データ属性について予め定められた「事前の取決め」に従った形式等であることを意味する。かくして、このとき保管データ取出し部45は、そのとき対象としている収集データを二次記憶装置23内の収集データ保管部50から取り出す(SP55)。
【0100】
次いで、保管データ取出し部45は、ステップSP52において収集データ保管方法記録テーブル55上で特定したすべての収集データについてステップSP54及びステップSP55の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP56)。
【0101】
保管データ取出し部45は、この判断で否定結果を得るとステップSP54に戻り、この後、ステップSP53で選択する収集データを順次他の未処理の収集データに切り替えながらステップSP53〜ステップSP56の処理を繰り返す。
【0102】
そして保管データ取出し部45は、やがてステップSP52において収集データ保管方法記録テーブル55上で特定したすべての収集データについてステップSP54及びステップSP55の処理を実行し終えることによりステップSP56で肯定結果を得ると、この保管データ取出し処理を終了する。
【0103】
(1−3−2−3)保管データ加工処理
図13は、
図11について上述したデータ配信処理のステップSP42において保管データ加工部46により実行される保管データ加工処理の具体的な処理内容を示す。
【0104】
保管データ加工部46は、この保管データ加工処理を開始すると、まず、上述した保管データ取出し処理(
図12)において二次記憶装置23内の収集データ保管部50から取り出した収集データを1つ選択し(SP60)、配信データ属性テーブル56(
図6)を参照して、選択した収集データの形式をデータ利用者との「事前の取決め」に従った形式に加工する加工処理を実行する(SP61)。
【0105】
次いで、保管データ加工部46は、保管データ取出し処理において二次記憶装置23内の収集データ保管部50から取り出したすべての収集データについてステップSP61の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP62)。
【0106】
そして保管データ加工部46は、この判断で否定結果を得るとステップSP60に戻り、この後、ステップSP60で選択する収集データを順次他の未処理の収集データに切り替えながらステップSP60〜ステップSP62の処理を繰り返す。
【0107】
そして保管データ加工部46は、やがて保管データ取出し処理において二次記憶装置23内の収集データ保管部50から取り出したすべての収集データについてステップSP61の処理を実行し終えることによりステップSP62で肯定結果を得ると、この保管データ加工処理を終了する。
【0108】
なお、
図11のステップSP43について上述したように、このように保管データ加工部46により加工された収集データがこの後、配信データ送信部47(
図1)によりデータ配信要求の送信元のデータ配信先クライアント6に送信される。
【0109】
(1−4)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態のデータ収集配信システム1では、仲介サーバ4が、データ配信先クライアント6からのデータ配信要求に応じて、データ収集クライアント2から送信される収集データのうち、データ提供者10及びデータ交換仲介者20間の「事前の取決め」に従った形式等の収集データのみを選択的にそのデータ配信先クライアント6に送信する。
【0110】
従って、本データ収集配信システム1では、データ収集クライアント4から仲介サーバ4に送信される収集データとして、データ提供者10及びデータ交換仲介者20の「事前の取決め」に従った形式等のものと、当該「事前の取決め」と異なる形式等のものとが混在している場合においても、仲介サーバ4からデータ配信先クライアント6に対して常にデータ交換仲介者20及びデータ利用者30間の「事前の取決め」に従った収集データのみが配信データとして送信される。
【0111】
よって、本データ収集配信システム1によれば、データ提供者10によるデータ収集クライアント2の更新やデータ収集試験に起因して、仲介サーバ4からデータ配信先クライアント6に「事前の取決め」と異なる形式等の配信データが配信されるのを未然かつ有効に防止することができるため、データ提供者10がデータ収集クライアント2の更新やデータ収集試験をデータ提供者10側の都合で自由に行うことができる。かくするにつき、データ提供者の利便性を向上させることができる。
【0112】
(2)第2の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す
図14は、第2の実施の形態によるデータ収集配信システム60を示す。このデータ収集配信システム60は、収集データの形式等が「事前の取決め」と異なる形式等である場合に、本来その収集データの配信を受けるべきであったデータ配信先クライアント6に対して、収集データが「事前の取決め」と異なる方法で保管された(二次記憶装置23内の収集データ代替保管部51に保管された)ことを通知する収集データ代替保管通知機能が搭載されている点を除いて第1の実施の形態によるデータ収集配信システム1と同様に構成されている。
【0113】
実際上、本実施の形態によるデータ収集配信システム1では、仲介サーバ61の主記憶装置22内に、第1の実施の形態について上述した各種プログラムに加えて、収集データ代替保管通知部62が格納されている。この収集データ代替保管通知部62は、収集データ保管処理部43(
図1)が収集データを「事前の取決め」と異なる保管方法で保管した場合に、その旨を本来その収集データの配信を受けるべきであったデータ配信先クライアント6に通知する機能を有するプログラムである。なお、以下においては、この通知を収集データ代替保管通知と呼ぶものとする。
【0114】
また本実施の形態の場合、配信データ属性テーブル63には、
図15に示すように、第1の実施の形態による配信データ属性テーブル56(
図6)の配信識別子欄56A、収集識別子欄56B、配信項目欄56C及び配信先欄56Dと同様の情報がそれぞれ格納される配信識別子欄63A、収集識別子欄63B、配信項目欄63C及び配信先欄63Dに加えて、通知要否欄63Eが設けられている。
【0115】
そして通知要否欄63Eには、対応する配信データ属性の配信データの配信を受けるデータ利用者30(
図1)との「事前の取決め」により上述の収集データ代替保管通知を送信する必要があるか否かを表す情報(文字列又はコード等)が格納される。具体的に、通知要否欄63Eには、収集データ代替保管通知を対応するデータ配信先クライアント6に送信する必要がある場合には「要」、必要がない場合には「否」が格納される。
【0116】
かくして収集データ代替保管通知部62は、収集データ保管処理部43により収集データが二次記憶装置23内の収集データ代替保管部51に保管された場合であって、配信データ属性テーブル63における対応する通知要否欄63Eに「否」が格納されている場合には、その配信データ属性の収集データの配信を受けるべきであったデータ配信先クライアント6に収集データ代替保管通知を送信しないのに対して、配信データ属性テーブル63における対応する通知要否欄63Eに「要」が格納されている場合には、その配信データ属性の収集データの配信を受けるべきであったデータ配信先クライアント6に収集データ代替保管通知を送信する。
【0117】
図16は、このような収集データ代替保管通知部62により実行される収集データ代替保管通知処理の具体的な処理手順を示す。収集データ代替保管通知部62は、収集データ保管処理部43による収集データ保管処理(
図10)が完了すると、この
図16に示す収集データ代替保管通知処理を開始し、まず、そのとき実行された収集データ保管処理の処理内容を収集データ保管処理部43に問い合わせる(SP70)。
【0118】
続いて、収集データ代替保管通知部62は、ステップSP70の問合わせ結果に基づいて、そのとき対象としている収集データが「事前の取決め」に従った保管方法により収集データ保管部に保管されたか否かを判断する(SP71)。そして収集データ代替保管通知部62は、この判断で肯定結果を得るとこの収集データ代替保管通知処理を終了する。
【0119】
これに対して、収集データ代替保管通知部62は、ステップSP71の判断で否定結果を得ると、配信データ属性テーブル63を参照して、そのとき対象としている収集データが属する収集データ属性と対応付けられたすべての配信データ属性を特定する(SP72)。
【0120】
次いで、収集データ代替保管通知部62は、ステップSP72で特定した配信データ属性の中から1つの配信データ属性を選択し(SP73)、配信データ属性テーブル63を参照して、ステップSP73で選択した配信データ属性について、対応するデータ配信先クライアント6に対する収集データ代替保管通知の送信が必要であるか否かを判断する(SP74)。
【0121】
そして収集データ代替保管通知部62は、この判断で否定結果を得ると、ステップSP76に進む。これに対して、収集データ代替保管通知部62は、ステップSP74の判断で肯定結果を得ると、配信データ属性テーブル63を参照して、その収集データの配信を受けるべきであったデータ配信先クライアント6に対して収集データ代替保管通知を送信する(SP74)。
【0122】
この後、収集データ代替保管通知部62は、ステップSP72で特定したすべての配信データ属性についてステップSP74及びステップSP75の処理を完了したか否かを判断する(76)。そして収集データ代替保管通知部62は、この判断で否定結果を得るとステップSP73に戻り、この後、ステップSP73で選択する配信データ属性を順次未処理の他の配信データ属性に切り替えながら、ステップSP73〜ステップSP76の処理を繰り返す。
【0123】
そして収集データ代替保管通知部62は、やがてステップSP72で特定したすべての配信データ属性についてステップSP74及びステップSP75の処理を完了することによりステップSP76で肯定結果を得ると、この収集データ代替保管通知処理を終了する。
【0124】
以上のように本実施の形態によるデータ収集配信システム60では、データ提供者10及びデータ交換仲介者20間の「事前の取決め」と異なる形式等の収集データがデータ収集クライアント2から仲介サーバ61に与えられ、仲介サーバ61がその収集データを収集データ代替保管部51に保管した場合に、仲介サーバ61がその旨をデータ配信先クライアント6に通知するようにしているため、データ利用者がそのような収集データの存在を認識することができる。
【0125】
従って、例えばデータ利用者がそのような収集データを利用したい場合にその収集データの配信をデータ配信先クライアント6から仲介サーバ61に要求することで、そのような収集データについてもデータ利用者が利用することができる。
【0126】
よって、本データ収集配信システム60によれば、データ提供者10側の都合での収集データの形式変更に対して、データ利用者30側が形式変更された収集データの利用できるようになるまでの時間を短縮することができるため、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、データ利用者側の利便性を向上させることができるという効果をも得ることができる。
【0127】
(3)第3の実施の形態
(3−1)本実施の形態によるデータ収集配信システムの構成
図14との対応部分に同一符号を付して示す
図17は、第3の実施の形態によるデータ収集配信システム70を示す。このデータ収集配信システム70は、仲介サーバ71に第1の拡張データ配信機能が搭載されている点を除いて第2の実施の形態によるデータ収集配信システム60と同様に構成されている。
【0128】
ここで、かかる第1の拡張データ配信機能とは、「事前の取決め」と異なる保管方法で保管された(つまり収集データ代替保管部51に保管された)収集データを新たな配信データ属性と対応付けて管理すると共に、当該新たな配信データ属性の存在をデータ配信先クライアント6に通知し、データ配信先クライアント6からのデータ配信要求に応じてその新たな配信データ属性に属する収集データをそのデータ配信先クライアント6に提供する機能である。
【0129】
このような第1の拡張データ配信機能を実現するための手段として、仲介サーバ71の主記憶装置22には、収集データ受信部40、収集データ属性差異判定部41、収集データ処理方法決定部42、収集データ保管処理部43、データ配信要求受信部44、保管データ加工部46及び配信データ送信部47に加えて、配信データ属性生成部72が格納されている。また仲介サーバ71の主記憶装置22には、保管データ取出し部45(
図14)に代えて、拡張保管データ取出し部73が格納されると共に、仲介サーバ71の二次記憶装置23には、配信データ属性テーブル63(
図14)に代えて拡張配信データ属性テーブル74が格納されている。
【0130】
配信データ属性生成部72は、収集データ保管処理部43により収集データが二次記憶装置23内の収集データ代替保管部51に保管された場合(つまり収集データの形式が「事前の取決め」の形式等を満たさなかった場合)に、その収集データと対応付けた新たな配信データ属性を生成し、生成した新たな配信データ属性を拡張配信データ属性テーブル74に登録する機能を有するプログラムである。
【0131】
また拡張保管データ取出し部73は、データ配信先クライアント6から配信要求された配信データ属性(配信データ属性生成部72により生成された新たな配信データ属性を含む)の収集データを収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出す(読み出す)機能を有するプログラムである。
【0132】
さらに拡張配信データ属性テーブル74は、配信データ属性を管理するために利用されるテーブルであり、
図18に示すように、配信識別子欄74A、収集識別子欄74B、保管方法欄74C、配信項目欄74D、配信先欄74E及び通知要否欄74Fから構成される。
【0133】
そして配信識別子欄74A、収集識別子欄74B、配信項目欄74D、配信先欄74E及び通知要否欄74Fには、
図15について上述した第2の実施の形態の配信データ属性テーブル63の配信識別子欄63A、収集識別子欄63B、配信項目欄63C、配信先欄63D及び通知要否欄63Eに格納される情報と同様の情報が格納される。
【0134】
また保管方法欄74Cには、対応する収集データの保管方法が格納される。この場合、「事前の取決め」により規定されている既存の配信データ属性に対応するレコード(行)の保管方法欄74Cには、対応する収集データが「事前の取決め」により規定された保管方法により保管されている旨の情報(「事前の取決めと同一」を表す文字列又はコード等)が格納される。これに対して新たに生成された配信データ属性に対応するレコードの保管方法欄74Cには、対応する収集データが「事前の取決め」とは異なる方法で保管されている旨の情報(「事前の取決めと異なる」を表す文字列又はコード等)と、その収集データの具体的な保管方法を表す情報(保管方式やファイル名等)とが格納される。
【0135】
従って、
図18の場合、最後のレコード(行)は、「事前の取決め」と異なる形式等でデータ収集クライアントから送信されてきた「収集データ属性#1」に属する収集データが「属性1_範囲外_###」というファイル名が付与された「ファイル」として保管されており、その収集データが「配信データ属性#8」という配信識別子と対応付けられていることが示されている。
【0136】
(3−2)第1の拡張データ配信機能に関連して実行される各種処理
(3−2−1)配信データ属性生成処理
図19は、配信データ属性生成部72により実行される配信データ属性生成処理の処理手順を示す。配信データ属性生成部72は、収集データ保管処理部43により
図10について上述した収集データ保管処理が実行された後、収集データ代替保管通知部75により
図16について上述した収集データ代替保管通知処理が実行される前に、この
図19に示す配信データ属性生成処理を実行する。
【0137】
配信データ属性生成部72は、この配信データ属性生成処理を開始すると、まず、先行して収集データ保管処理部43により実行された収集データ保管処理において収集データが「事前の取決め」以外の保管方法で保管されたか否かを収集データ保管処理部43に問い合わせる(SP80)。そして配信データ属性生成部72は、かかる収集データが「事前の取決め」に従った保管方法で保管された場合(SP80:NO)には、この配信データ属性生成処理を終了する。
【0138】
これに対して、配信データ属性生成部72は、かかる収集データが「事前の取決め」以外の保管方法で保管された場合(SP80:YES)には、かかる収集データの収集データ属性と対応付けられたすべての配信データ属性を拡張配信データ属性テーブル74上で特定する(SP81)。
【0139】
続いて、配信データ属性生成部72は、ステップSP81で特定した配信データ属性の中から1つの配信データ属性を選択し(SP82)、選択した配信データ属性に関連して生成すべき配信データ属性が存在するか否かを拡張配信データ属性テーブル74を参照して判断する(SP83)。具体的に、配信データ属性生成部72は、ステップSP83において、ステップSP82で選択した配信データ属性が対応付けられた収集識別子と同じ収集識別子と対応付けられ、かつ、その収集識別子が付与された収集データ属性に属する収集データの保管方法が「事前の取決め」以外の方法の保管方法である場合の配信データ属性が存在するか否かを拡張配信データ属性テーブル74を参照して判断する(SP83)。
【0140】
そして、配信データ属性生成部72は、ステップSP83の判断で肯定結果を得ると、この配信データ属性生成処理を終了する。これに対して、配信データ属性生成部72は、ステップSP83の判断で否定結果を得ると、新たな配信データ属性を生成し、生成した配信データ属性を拡張配信データ属性テーブル74に追加登録する(SP84)。
【0141】
この際、新たに生成された配信データ属性は、その収集データと本来的に対応付けられた配信データ属性(つまりその収集データが「事前の取決め」に従った保管方法で保管された場合に対応付けられる配信データ属性)と対応付けられた収集データ属性の収集識別子と、配信先と、収集データ代替保管通知の要否とを引き継ぐ。また新たに生成された配信データ属性では、配信対象は収集データ全体とする。
【0142】
従って、配信データ属性生成部72は、ステップSP84において、拡張配信データ属性テーブル74に新たに生成した配信データ属性用のレコード(行)を追加し、そのレコードの配信識別子欄74Aに新たに生成した配信データ属性に対して付与した配信識別子を格納する。また配信データ属性生成部72は、そのレコードの収集識別子欄74B、配信先欄74E及び通知要否欄74Fに、そのとき対象としている収集データと本来的に対応付けられた配信データ属性に対応するエントリの収集識別子欄74B、配信先欄74E及び通知要否欄74Fに格納されている情報をコピーする。
【0143】
さらに配信データ属性生成部72は、ステップSP84において、拡張配信データ属性テーブル74に追加したレコードの保管方法欄74Cに、保管方法が「事前の取決め」と異なる旨の情報を格納すると共に、収集データ保管方法定義テーブル54(
図4)における対応する処理欄54Bに登録されている保管方法をコピーする。さらに配信データ属性生成部72は、ステップSP84において、拡張配信データ属性テーブル74に追加したレコードの配信項目欄74Dに、収集データ全体を配信対象とする旨の文字列又はコード等の情報を格納する。
【0144】
次いで、配信データ属性生成部72は、ステップSP81で特定したすべての配信データ属性についてステップSP83及びステップSP84の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP85)。そして配信データ属性生成部72は、この判断で否定結果を得るとステップSP82に戻り、この後ステップSP82〜ステップSP85の処理を繰り返す。
【0145】
そして配信データ属性生成部72は、やがてステップSP81で特定したすべての配信データ属性についてステップSP83及びステップSP84の処理を実行し終えることによりステップSP85で肯定結果を得ると、この配信データ属性生成処理を終了する。
【0146】
(3−2−2)保管データ取出し処理
一方、
図20は、
図11について上述したデータ配信処理のステップSP41において、保管データ取出し部45(
図14)に代えて拡張保管データ取出し部73により実行される保管データ取出し処理の処理内容を示す。
【0147】
拡張保管データ取出し部73は、この保管データ取出し処理を開始すると、まず、データ配信要求に含まれる配信識別子から配信データ属性を特定し(SP90)、拡張配信データ属性テーブル74(
図18)を参照して、特定した配信データ属性と対応付けられた取出し対象の収集データの収集データ属性を特定する(SP91)。
【0148】
続いて、拡張保管データ取出し部73は、拡張配信データ属性テーブル74を参照して、ステップSP91において特定した取出し対象の収集データが「事前の取決め」に従った保管方法で保管されているか否かを判断する(SP92)。
【0149】
そして拡張保管データ取出し部73は、この判断で肯定結果を得た場合には、ステップSP91で特定した収集データ属性に属する収集データのうち、「事前の取決め」と異なる保管方法で保管されている収集データを収集データ保管方法記録テーブル55上で特定する(SP93)。これに対して、拡張保管データ取出し部73は、ステップSPの判断で否定結果を得た場合には、ステップSP91で特定した収集データ属性に属する収集データのうち、「事前の取決め」に従った保管方法で保管されている収集データを収集データ保管方法記録テーブル55上で特定する(SP94)。
【0150】
そして拡張保管データ取出し部73は、ステップSP93又はステップSP94において特定した収集データのうちの1つの収集データを選択し(SP95)、選択した収集データを二次記憶装置23内の収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出す(SP96)。
【0151】
さらに拡張保管データ取出し部73は、ステップSP93又はステップSP94において特定したすべての収集データについてステップSP96の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP97)。そして拡張保管データ取出し部73は、この判断で否定結果を得るとステップSP95に戻り、この後、ステップSP95において選択する収集データを未処理の収集データに順次切り替えながらステップSP95〜ステップSP97の処理を繰り返す。
【0152】
そして拡張保管データ取出し部73は、やがてステップSP93又はステップSP94において特定したすべての収集データを収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出し終えることによりステップSP97で肯定結果を得ると、この保管データ取出し処理を終了する。
【0153】
なお、この後に収集データ代替保管通知部75により実行される収集データ代替保管通知処理(
図16)では、ステップSP75において対応するデータ配信先クライアント6に収集データ代替保管通知を送信する際、上述の保管データ取出し処理において新たに生成した配信データ属性の配信識別子もその収集データ代替保管通知に含めてデータ配信先クライアント6に送信する。
【0154】
従って、新たに生成された配信データ属性と対応付けられた配信識別子を受信したデータ配信先クライアント6は、その新たな配信データ属性と対応付けられた収集データの送信を希望する場合には、当該配信識別子を含むデータ配信要求を仲介サーバ71に送信することになる。
【0155】
(3−3)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態のデータ収集配信システム70では、仲介サーバ71が、収集データを収集データ代替保管部51に保管した場合に、そのような収集データを新たな配信データ属性と対応付けて管理すると共に、収集データを収集データ代替保管部51に保管した旨と、その収集データと対応付けられた新たな配信データ属性とを対応するデータ配信先クライアント6に通知する。また仲介サーバ71は、その配信データ属性を指定したデータ配信要求に応じて、当該配信データ属性と対応付けられた収集データをデータ配信先クライアント6に送信する。
【0156】
従って、本データ収集配信システム70によれば、第2の実施の形態と同様に、データ提供者10側の都合での収集データの形式変更に対して、データ利用者30側が形式変更された収集データの利用できるようになるまでの時間を短縮することができるため、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、データ利用者側の利便性を向上させることができるという効果をも得ることができる。
【0157】
(4)第4の実施の形態
(4−1)本実施の形態によるデータ収集配信システムの構成
図1との対応部分に同一符号を付して示す
図21は、第4の実施の形態によるデータ収集配信システム80を示す。このデータ収集配信システム80は、仲介サーバ81に第2の拡張データ配信機能が搭載されている点を除いて第1の実施の形態によるデータ収集配信システム1と同様に構成されている。
【0158】
ここで、第2の拡張データ配信機能とは、データ収集クライアント2から送信されてきた収集データ全体の形式等がデータ提供者10及びデータ交換仲介者20間の「事前の取決め」と異なっている場合においても、データ長がその「事前の取決め」を満たしており、かつ配信対象の各項目の形式がその「事前の取決め」を満たしている場合には、その収集データを対応するデータ配信先クライアント6に配信する機能である。
【0159】
このような第2の拡張データ配信機能を実現するための手段として、仲介サーバ81の主記憶装置22には、収集データ受信部40、収集データ属性差異判定部41、収集データ処理方法決定部42、収集データ保管処理部43、データ配信要求受信部44及び配信データ送信部47に加えて、収集データ属性差異記録部82が格納されている。また仲介サーバ81の主記憶装置22には、保管データ取出し部45(
図1)及び保管データ加工部46(
図1)にそれぞれ代えて拡張保管データ取出し部83及び拡張保管データ加工部84が格納されると共に、仲介サーバ81の二次記憶装置23には収集データ属性差異記録テーブル85が格納されている。
【0160】
収集データ属性差異記録部82は、収集データ属性差異判定部41による収集データ属性差異判定処理(
図8)が完了した後に、収集データ処理方法決定部42により実行される収集データ処理方法決定処理(
図9)と並行して、収集データの詳細属性であるデータ長及び各項目の形式が「事前の取決め」と差異があるか否かを判定し、判定結果を後述する収集データ属性差異記録テーブル85に記録する機能を有するプログラムである。
【0161】
この場合において、収集データ属性差異記録部82は、各項目の形式が「事前の取決め」と差異があるか否かを、収集データ属性テーブル52(
図2)を参照して、その項目の開始位置から規定された長さ分のデータ部分を抽出し、そのデータ部分がその項目について規定された範囲内の数値を表しているか否かに基づいて、その項目の形式が「事前の取決め」と差異があるか否かを判断する。例えば、
図2の「項目#1」の項目が「事前の取決め」と差異があるか否かは、収集データのペイロード部の先頭から4バイト分のデータ部分を抽出し、抽出したデータ部分が「0〜100」の範囲の数値を表しているか否かに基づいて判定することになる。
【0162】
また拡張保管データ取出し部83は、データ配信先クライアント6から与えられたデータ配信要求に応じて、当該データ配信要求において指定された配信データ属性に対応する収集データを二次記憶装置23から取り出す機能を有するプログラムである。この場合、第1の実施の形態の保管データ取出し部45は、二次記憶装置23内の収集データ保管部50に格納された「事前の取決め」に従った収集データのみを取り出していたのに対して、拡張保管データ取出し部83は、二次記憶装置23内の収集データ保管部50に格納された「事前の取決め」に従った形式等の収集データのみならず、二次記憶装置23内の収集データ代替保管部51に格納された「事前に取決め」と異なる形式等の収集データをも取り出す点が第1の実施の形態の保管データ取出し部45と機能的に相違する。
【0163】
さらに拡張保管データ加工部84は、二次記憶装置23内の収集データ保管部50に格納された「事前の取決め」に従った形式等の収集データのみならず、二次記憶装置23内の収集データ代替保管部51に格納された「事前に取決め」と異なる形式等の収集データであっても、収集データの詳細属性であるデータ長及び配信対象の各項目の形式が「事前の取決め」を満たしている場合には、その収集データについても「事前の取決め」に従って加工処理する機能を有するプログラムである。
【0164】
収集データ属性差異記録テーブル85は、収集データの詳細属性であるデータ長及び各項目の形式が「事前の取決め」と差異があるか否かの収集データ属性差異記録部82による判定結果を保持するために利用されるテーブルであり、
図22に示すように、収集識別子欄85A、識別子内連番欄85B及び詳細属性欄85Cから構成される。
【0165】
そして収集識別子欄85Aには、該当する収集データが属する収集データ属性の収集識別子が格納され、識別子内連番欄85Bには、対応する収集データに付与された識別子内連番(
図5参照)が格納される。
【0166】
また詳細属性欄85Cは、データ長欄85CAと、「事前の取決め」により規定された各項目にそれぞれ対応付けられた複数の項目欄85CBとから構成される。そして、データ長欄85CAには、対応する収集データのデータ長が格納され、各項目欄85CBには、それぞれ対応する項目の形式が「事前の取決め」の形式と差異があるか否かを表す情報が格納される。具体的には、対応する収集データの対応する項目の形式が「事前の取決め」の形式と合致している(差異がない)場合には、その旨を表す情報(文字列、コード又はフラグ等)が格納され、対応する収集データの対応する項目の形式が「事前の取決め」の形式と合致していない(差異ある)場合には、その旨を表す情報(文字列、コード又はフラグ等)が格納される。
【0167】
(4−2)第2の拡張データ配信機能に関連して実行される各種処理
(4−2−1)拡張保管データ取出し処理
図23は、
図11について上述したデータ配信処理のステップSP41において、保管データ取出し部45(
図1)による保管データ取出し処理(
図12)に代えて、拡張保管データ取出し部83により実行される拡張保管データ取出し処理の処理手順を示す。
【0168】
拡張保管データ取出し部83は、この
図23に示す拡張保管データ取出し処理を開始すると、ステップSP100〜ステップSP103を、
図12について上述した保管データ取出し処理のステップSP50〜ステップSP53と同様に処理する。
【0169】
続いて、拡張保管データ取出し部83は、ステップSP103で選択した収集データを二次記憶装置23内の収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出し(SP104)、この後、ステップSP102で特定したすべての収集データについてステップSP104の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP105)。
【0170】
拡張保管データ取出し部83は、この判断で否定結果を得るとステップSP103に戻り、この後、ステップSP103で選択する収集データを順次他の未処理の収集データに切り替えながらステップSP103〜ステップSP105の処理を繰り返す。
【0171】
そして拡張保管データ取出し部83は、やがてステップSP102において収集データ保管方法記録テーブル55上で特定したすべての収集データについてステップSP104の処理を実行し終えることによりステップSP105で肯定結果を得ると、この拡張保管データ取出し処理を終了する。
【0172】
(4−2−2)拡張保管データ加工処理
一方、
図24は、
図11について上述したデータ配信処理のステップSP42において、保管データ加工部46(
図1)による保管データ加工処理(
図13)に代えて、拡張保管データ加工部84により実行される拡張保管データ加工処理の処理手順を示す。
【0173】
拡張保管データ加工部84は、この
図24に示す拡張保管データ加工処理を開始すると、まず、上述の拡張保管データ取出し処理(
図23)で収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出した収集データを1つ選択する(SP110)。
【0174】
続いて、拡張保管データ加工部84は、ステップSP110で選択した収集データが事前の取決めに従った保管方法により保管されているか否か(つまり収集データ保管部50に保管されているか否か)を判断する(SP111)。
【0175】
拡張保管データ加工部84は、この判断で肯定結果を得ると、配信データ属性テーブル56(
図6)を参照して、そのとき対象としている収集データの形式をデータ利用者との「事前の取決め」に従った形式に加工する加工処理を実行し(SP112)、この後ステップSP115に進む。
【0176】
これに対して、拡張保管データ加工部84は、ステップSP111の判断で否定結果を得ると、収集データ属性差異記録テーブル85を参照して、その収集データのデータ長と、データ配信要求の送信元のデータ配信先クライアント6に配信すべきすべての項目の形式とが「事前の取決め」を満たしているか否かを判断する(SP113)。
【0177】
拡張保管データ加工部84は、この判断で肯定結果を得ると、配信データ属性テーブル56(
図6)を参照して、そのとき対象としている収集データの形式をデータ利用者との「事前の取決め」に従った形式に加工する加工処理を実行し(SP112)、この後ステップSP115に進む。
【0178】
これに対して、拡張保管データ加工部84は、ステップSP113の判断で否定結果を得ると、その収集データを破棄し(SP114)、この後、拡張保管データ取出し処理(
図23)で収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出したすべての収集データについてステップSP111〜ステップSP114の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP115)。
【0179】
拡張保管データ加工部84は、この判断で否定結果を得るとステップSP110に戻り、この後、ステップSP110〜ステップSP115の処理を繰り返す。そして拡張保管データ加工部84は、やがて拡張保管データ取出し処理(
図23)で収集データ保管部50又は収集データ代替保管部51から取り出したすべての収集データについてステップSP111〜ステップSP114の処理を実行し終えることによりステップSP115で肯定結果を得ると、この拡張保管データ加工処理を終了する。
【0180】
(4−3)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態によるデータ収集配信システム80では、仲介サーバ81が、データ収集クライアント2から送信されてきた収集データ全体の形式等がデータ提供者10及びデータ交換仲介者20間の「事前の取決め」と異なっている場合においても、データ長がその「事前の取決め」を満たしており、かつ配信対象の各項目の形式がその「事前の取決め」を満たしている場合には、その収集データを対応するデータ配信先クライアント6に配信する。
【0181】
従って、本データ収集配信システム80によれば、第1の実施の形態のデータ収集配信システム1では配信されなかった、「事前の取決め」と異なる形式等の収集データの一部も仲介サーバ81からデータ配信先クライアント6に配信されるため、データ提供者10によるデータ収集クライアント2の更新やデータ収集試験が仲介サーバ4からデータ配信先クライアント6へのデータ配信に与える影響を第1の実施の形態によるデータ収集配信システム1に比べて低減することができる。
【0182】
よって、本データ収集配信システム80によれば、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、データ提供者10側の都合による収集データの形式等の変更の影響がデータ利用者側に及ぶのを最小限に抑制し得るという効果をも得ることができる。
【0183】
(5)第5の実施の形態
図25は、第5の実施の形態によるデータ収集配信システム90を示す。このデータ収集配信システム90は、収集データ処理方法決定部42により決定される収集データの処理方法の1つとして「データの廃棄」が存在する点と、これに応じて仲介サーバ91の収集データ保管処理部92により実行される収集データ保管処理の処理内容が第1の実施の形態の収集データ保管処理部43(
図1)と異なる点とを除いて、第1の実施の形態によるデータ収集配信システム1と同様に構成されている。
【0184】
実際上、本実施の形態によるデータ収集配信システム90の場合、
図26に示すように、収集データ処理方法定義テーブル54において、収集データの形式等が「事前の取決め」と異なる形式等であった場合の収集データの処理方法の1つとして「データの廃棄」という処理方法が定義されている。
【0185】
そして収集データ保管処理部92は、収集データ処理方法決定部42により決定された収集データの処理方法が「データの廃棄」であった場合、その収集データを収集データ代替保管部51に格納することなく廃棄する。
【0186】
図27は、
図7について上述したデータ収集処理のステップSP4において、収集データ保管処理部43(
図1)による収集データ保管処理(
図10)に代えて、本実施の形態の収集データ保管処理部92により実行される収集データ保管処理を示す。
【0187】
本実施の形態による収集データ保管処理部92は、この
図26に示す収集データ保管処理を開始すると、ステップSP120及びステップSP121を
図10について上述した第1の実施の形態の収集データ保管処理のステップSP30及びステップSP31と同様に処理する。
【0188】
そして収集データ保管処理部92は、ステップSP121の判断で肯定結果を得ると、ステップSP122〜ステップSP124を、
図10について上述した第1の実施の形態の収集データ保管処理のステップSP33〜ステップSP35と同様に処理し、この後、この収集データ保管処理を終了する。
【0189】
これに対して収集データ保管処理部92は、ステップSP121の判断で否定結果を得ると、
図9について上述した収集データ処理方法決定処理のステップSP23で決定した処理方法を収集データ保管方法定義テーブル54(
図4)から取得する(SP125)。
【0190】
続いて、収集データ保管処理部92は、ステップSP125で取得した収集データの処理方法が「データの廃棄」であるか否かを判断する(SP126)。そして収集データ保管処理部92は、この判断で否定結果を得るとステップSP123に進み、この後、ステップSP123及びステップSP124を処理した後にこの収集データ保管処理を終了する。
【0191】
これに対して収集データ保管処理部92は、ステップSP126の判断で否定肯定結果を得ると、その収集データを収集データ代替保管部51に格納することなく、当該収集データを破棄し(SP127)、この後、この収集データ保管処理を終了する。
【0192】
以上のように本実施の形態によるデータ収集配信システム90では、収集データ処理方法決定部42により決定される収集データの処理方法の1つとして「データの廃棄」が存在するため、不要な収集データが仲介サーバ91の収集データ代替保管部51に保管されるのを有効に防止することができる。
【0193】
従って、本データ収集配信システム90によれば、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、かかる不要な収集データが仲介サーバ91の収集データ代替保管部51に保管されることに起因する仲介サーバ91の負荷を低減し、かつ収集データ代替保管部51の使用容量の増加を有効に防止できるという効果をも得ることができる。
【0194】
(6)他の実施の形態
なお上述の第1〜第5の実施の形態においては、データ収集クライアント2が収集した収集データを収集し、保管し、データ配信先クライアント6に配信するデータ収集配信装置としての仲介サーバ4,61,71,81,91を、
図1、
図14、
図17、
図21又は
図25のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かかるデータ収集配信装置としての仲介サーバ4,61,71,81,91の構成としては、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0195】
また上述の第1〜第5の実施の形態においては、収集データ処理方法決定部42の決定結果に基づいて、「事前の取決め」に従った形式等の収集データを選択的にデータ配信先クライアント6に配信する収集データ処理部を、収集データ保管処理部43、データ配信要求受信部44、保管データ取出し部45、保管データ加工部46及び配信データ送信部47等により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かかる収集データ処理部の構成としては、この他種々の構成を広く適用することができる。