特許第6007655号(P6007655)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6007655
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】車輪用軸受装置
(51)【国際特許分類】
   B60B 27/00 20060101AFI20160929BHJP
   B60B 35/02 20060101ALI20160929BHJP
【FI】
   B60B27/00 J
   B60B35/02 L
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-173818(P2012-173818)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2014-31136(P2014-31136A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津崎 洋一
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−315526(JP,A)
【文献】 特開2008−080832(JP,A)
【文献】 特開2002−362101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 27/00
35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の外側部材と、この外側部材の径方向内側に設けられている内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間に設けられている複数の転動体と、前記外側部材と前記内側部材との内のいずれか一方と一体として設けられ車輪のホイール及びブレーキロータを取り付けるためのフランジと、前記フランジの軸方向外側の側面に前記ホイール及び前記ブレーキロータを取り付ける際にガイドとなるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記フランジの中心点を中心とする仮想円上に部分的に配置され、前記フランジの前記側面よりも軸方向外側へ突出している一つ又は複数の突出部材であり
前記フランジの前記側面には、ねじ穴が形成されており、
前記突出部材は、直線状である断面円形の軸部材であって、前記ホイールを径方向外側に位置させるための先部と、当該先部よりも直径が大きくかつ前記ブレーキロータを径方向外側に位置させるための基部と、が軸方向に連なった段付き形状を有し、当該基部の軸方向の一端部に雄ねじが形成されており、
前記雄ねじが前記ねじ穴に螺合することで、前記突出部材は、当該突出部材の軸方向が前記側面に直交するようにして、かつ、当該フランジから取り外し可能として取り付けられていることを特徴とする車輪用軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体に設けられ、車輪のホイールやブレーキロータ等の車輪側部材を取り付けるための車輪用軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体には、車輪のホイールやブレーキロータ等の車輪側部材を取り付けるための車輪用軸受装置(ハブユニットともいう)が設けられている。この車輪用軸受装置は、例えば、車体側に固定される円筒形状の外側部材と、この外側部材の径方向内側に設けられている内側部材と、これら外側部材と内側部材との間に設けられている複数の玉(転動体)とを備えており、外側部材に対して内側部材が回転可能となる構成を有している。そして、内側部材の軸方向外側となる端部にフランジが設けられており、このフランジに、車輪のホイールやブレーキロータ等の車輪側部材を重ねた状態で装着しボルトによって固定する。
【0003】
そして、このような車輪側部材をフランジに装着する際に、この車輪側部材をガイドするためのガイド部がフランジに設けられている。ガイド部は、フランジの中央部に設けられており、車輪側部材の取り付け面となるフランジの側面から軸方向外側へ突出している円筒状の部分からなる。
【0004】
従来のガイド部は、例えば鍛造によって内側部材の本体部及びフランジと一体に形成されている。しかし、この場合、鍛造による加工部分が多くなって工数を要し製造コストが高くなったり、ガイド部の基部に応力集中が生じたりする。そこで、これを解消するために、内側部材及びフランジとは別部材として円筒状のガイド部材を製造し、これをフランジ(内側部材)の端部に嵌め込む構成が提案されている(特許文献1参照)。なお、このようなガイド部材(ガイド部)は、インロー部材(インロー部)とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−320328号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のガイド部材によれば、車輪側部材をガイドしてフランジに固定する作業が容易となるが、ガイド部材は円筒状であることから、ガイド部材の重量が大きくなり、この結果、車輪用軸受装置が重くなってしまう。
【0007】
近年では特に燃料消費を抑えるために、自動車を構成する様々な部品の軽量化が要求されていることから、車輪用軸受装置においてもできる限り軽量化させることが望ましい。
そこで、本発明は、軽量化が可能となる車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、円筒形状の外側部材と、この外側部材の径方向内側に設けられている内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間に設けられている複数の転動体と、前記外側部材と前記内側部材との内のいずれか一方と一体として設けられ車輪のホイール及びブレーキロータを取り付けるためのフランジと、前記フランジの軸方向外側の側面に前記ホイール及び前記ブレーキロータを取り付ける際にガイドとなるガイド部材とを備え、前記ガイド部材は、前記フランジの中心点を中心とする仮想円上に部分的に配置され、前記フランジの前記側面よりも軸方向外側へ突出している一つ又は複数の突出部材であり、前記フランジの前記側面には、ねじ穴が形成されており、前記突出部材は、直線状である断面円形の軸部材であって、前記ホイールを径方向外側に位置させるための先部と、当該先部よりも直径が大きくかつ前記ブレーキロータを径方向外側に位置させるための基部と、が軸方向に連なった段付き形状を有し、当該基部の軸方向の一端部に雄ねじが形成されており、前記雄ねじが前記ねじ穴に螺合することで、前記突出部材は、当該突出部材の軸方向が前記側面に直交するようにして、かつ、当該フランジから取り外し可能として取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ガイド部材は、フランジの中心点を中心とする仮想円上に部分的に配置され、フランジの側面よりも軸方向外側へ突出している一つ又は複数の突出部材からなるため、従来の円筒状であるガイド部材のように重量が大きくなるのを防ぐことができ、車輪用軸受装置を軽量化することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガイド部材は、フランジの中心点を中心とする仮想円上に部分的に配置され、フランジの側面よりも軸方向外側へ突出している一つ又は複数の突出部材からなる。このため、従来の円筒状であるガイド部材のように重量が大きくなるのを防ぐことができ、車輪用軸受装置を軽量化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の車輪用軸受装置の実施の一形態を示す斜視図である。
図2図1に示す車輪用軸受装置の断面図である。
図3】フランジにおける突出部材の取り付け部及びその周囲を示す拡大断面図である。
図4図1に示す車輪用軸受装置が備えているフランジの変形例を示す斜視図である。
図5図4に示すフランジにおける突出部材の取り付け部及びその周囲を示す拡大断面図である。
図6】フランジにおける突出部材の取り付け部及びその周囲を示す拡大断面図である。
図7】突出部材及びその周囲を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の車輪用軸受装置1の実施の一形態を示す斜視図である。図2は、この車輪用軸受装置1の断面図である。車輪用軸受装置1は、ハブユニットとも言われており、自動車の車体が備えている懸架装置(図示せず)に固定され、かつ、車輪のホイール5及びブレーキロータ6を含む車輪側部材を回転可能として取り付けるためのものである。
【0013】
なお、図2に示す車輪用軸受装置1が車体に固定された状態で、この図2の左側は、車体の左右方向外側となり、これは、車輪用軸受装置1における軸方向外側となる。つまり、図2の左側が軸方向外側と定義され、図2の右側が軸方向内側と定義される。そして、この車輪用軸受装置1の軸方向外側に、車輪のホイール5等の車輪側部材が取り付けられる。
【0014】
本実施形態の車輪用軸受装置1は、前記懸架装置に固定される円筒形状の外側部材11と、この外側部材11の径方向内側に設けられている内側部材12と、これら外側部材11と内側部材12との間に設けられている複数の玉(転動体)13とを備えている。
【0015】
外側部材11は、円筒形状の本体部21と、この本体部21から径方向外側に延びているフランジ部22とを有しており、このフランジ部22が前記懸架装置にボルトによって固定される。外側部材11(本体部21)の内周面には、玉13が転動する軌道面23,24が形成されている。
【0016】
内側部材12は、軸状である本体部31と、この本体部31の軸方向内側の端部に取り付けられている環状の内輪部材32とを有している。内輪部材32は本体部31に外嵌しており、さらに、本体部31の軸方向内側の端部が径方向外側に塑性変形されており、この塑性変形させたかしめ部35によって内輪部材32は抜け止めされている。
本体部3の一部の外周面には、玉13が転動する軌道面33が形成されており、内輪部材32の外周面に、玉13が転動する軌道面34が形成されている。
【0017】
外側部材11の軌道面23,24と内側部材12の軌道面33,34との間に複数の玉13が介在し、玉13はこれら軌道面にアンギュラ接触しており、内側部材12は外側部材11に対して回転自在に支持されている。つまり、この車輪用軸受装置1は、複列アンギュラ玉軸受の構成を備えている。
【0018】
また、この車輪用軸受装置1は、ホイール5及びブレーキロータ6を取り付けるためのフランジ7を備えている。本実施形態では、フランジ7は内側部材12と一体として設けられている。フランジ7は、円環形状を有しており、内側部材12の本体部31(図2参照)の軸方向外側の端部から径方向外側に延びている。このフランジ7の軸方向外側の側面7aが、車輪側部材の取り付け面となる。この側面7aは、機械加工されており、車輪側部材の取り付け面としての寸法精度が確保されている。
そして、フランジ7には複数のボルト孔7bが形成されており、フランジ7にホイール5及びブレーキロータ6を軸方向に重ねた状態で装着し、これらホイール5及びブレーキロータ6を、ボルト孔7bに螺合するボルト(図示せず)によってフランジ7に締め付けて固定する。
【0019】
さらに、車輪用軸受装置1は、ホイール5及びブレーキロータ6をフランジ7に取り付ける際に、これらのガイドとして機能するガイド部材8を備えている。本実施形態(図1)では、フランジ7の軸方向外側の側面7aに、三つのガイド部材8が設けられている。
ガイド部材8は、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に部分的に配置されており、各ガイド部材8は、フランジ7の側面7aよりも軸方向外側へ突出している突出部材18からなる。
【0020】
突出部材18は、軸方向に直線状である断面円形の軸部材(又はピン部材)からなり、仮想円Qに沿って周方向等間隔で配置されている。また、この突出部材18は段付き軸部材からなり、図2に示すように、フランジ7側に近い基部18bの直径は、先部18aの直径よりも大きく構成されている。このため、仮想円Qに沿って配設された三つの突出部材18の基部18bに外接する円の直径は、三つの先部18aに外接する円の直径よりも大きくなる。そして、基部18bの径方向外側にブレーキロータ6が位置し、先部18aの径方向外側にホイール5が位置する。
【0021】
本実施形態では、突出部材18は、金属製であり、機械加工がされ精度良く製造されている。また、突出部材18は、その長手方向がフランジ7の側面7aに直交するように精度よく取り付けられている。
このため、ホイール5及びブレーキロータ6との間のクリアランスを小さくすることが可能となり、ホイール5及びブレーキロータ6をガイドする機能が高い。
【0022】
図3は、フランジ7における突出部材18の取り付け部及びその周囲を示す拡大断面図である。突出部材18は、その基端部(軸方向一端部)18cに突起部が形成されており、この突起部(18c)をフランジ7に形成されている孔41に圧入することで、突出部材18はフランジ7に取り付けられる。そして、突出部材18の基部18bの軸方向端面が、フランジ7の側面7aに面接触して取り付けられる。
【0023】
〔第2実施形態〕
図4は、図1に示す車輪用軸受装置1(フランジ7)の変形例を示す斜視図である。図5は、このフランジ7における突出部材18の取り付け部及びその周囲を示す拡大断面図である。
図4図5において、このフランジ7には、図1図3)の場合と同様に、突出部材18を圧入により取り付けるための孔41が形成されているが、この孔41は、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q(図4参照)に沿う位置に設けられている凹部内に形成されている。本実施形態の前記凹部は、周方向に連続している凹周溝42からなり、この凹周溝42は、フランジ7の側面7aに仮想円Qに沿って連続して形成されている。凹周溝42の径方向寸法(溝幅寸法)Bは、孔41の直径よりも大きく形成されており、凹周溝42内に、孔41を形成することができる。なお、各孔41は、突出部材18を仮想円Qに沿って配置して取り付けるために、この仮想円Q上に形成されている。
【0024】
ここで、側面7aに形成されている孔41に突出部材18(基端部18c)を圧入した場合、その圧入に伴って孔41の周囲が変形して隆起することがある。そこで、本実施形態の構成によれば、孔41は、フランジ7の側面7aよりも凹んでいる凹周溝42(凹部)内に形成されていることにより、この隆起を、凹周溝42(凹部)内の範囲でさせる生じさせることが可能となる。このため、ホイール5及びブレーキロータ6の取り付け面となるフランジ7の側面7aの寸法精度が、隆起によって低下してしまうのを防ぐことができる。つまり、機械加工された側面7aが、突出部材18の圧入によって変形し、側面7aの精度が損なわれるのを防ぐことが可能となる。
【0025】
〔第3実施形態〕
図6は、フランジ7における突出部材18の取り付け部及びその周囲を示す拡大断面図である。図6に示す実施形態では、突出部材18の形態、及び、この突出部材18のフランジ7に対する取り付け構造が、前記各実施形態と異なる。
すなわち、図6に示す突出部材18は、その基端部(軸方向一端部)18cに、雄ねじが形成されている。そして、フランジ7の側面7aには、この雄ねじ(18c)が螺合するねじ孔27が形成されている。ねじ孔27は、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に形成されている。
【0026】
このため、突出部材18の雄ねじからなる基端部18cを、ねじ孔27に螺合させることで、突出部材18をフランジ7に取り付けることが可能となる。そして、この突出部材18をガイド部材として機能させてホイール5及びブレーキロータ6をフランジ7に取り付けた後、ねじ孔27に対する突出部材18の基端部18cの螺合を解くことで、突出部材18を簡単にフランジ7から取り外すことが可能となる。
【0027】
なお、このように突出部材18がフランジ7にねじ込みによって取り付けられる場合、その突出部材18の先部18aの先端面に、+溝、−溝、又は、六角穴を形成するのが好ましい。この場合、ドライバや六角レンチ等の工具を用いて、突出部材18の取り付け及び取り外しが容易となる。
【0028】
〔第4実施形態〕
図7は、突出部材18及びその周囲を示す拡大断面図である。図7に示す実施形態では、突出部材18の形態、及び、この突出部材18のフランジ7に対する取り付け構造が、前記各実施形態と異なる。
図7に示す突出部材18は、基部18bの軸方向端面19は平面に形成されており、突出部材18は、フランジ7の側面7aに接着により取り付けられている。つまり、突出部材18の軸方向端面19は、接着面とされ、接着剤によりフランジ7の側面7aに接着されている。そして、この実施形態においても、突出部材18は、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に配置されている。なお、接着剤により突出部材18をフランジ7に固定する場合、側面7aに突出部材18を固定するための孔を不要とすることができる。
【0029】
〔本発明の車輪用軸受装置1について〕
以上のように、前記各実施形態に係る車輪用軸受装置1によれば、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に、三つの突出部材18が配置されていることから、このフランジ7の側面7aにホイール5及びブレーキロータ6を取り付ける際に、これら突出部材18がガイドとして機能することが可能となり、その取り付け作業が容易となる。
【0030】
そして、このように、フランジ7の側面7aにホイール5及びブレーキロータ6を取り付ける際にガイドとして機能する部材(ガイド部材8)は、この側面7aよりも軸方向外側へ突出している複数本の突出部材18からなり、これら突出部材18は、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に部分的に配置されている。このため、従来の、360°全周にわたって壁面を有する円筒状のガイド部材のように重量が大きくなるのを防ぐことができ、車輪用軸受装置1を軽量化することが可能となる。
このように車輪用軸受装置1が軽量化されることで、車両の燃料消費の低減、二酸化炭素の排出量の低減が可能となり、また、車両の走行性能を高めることが可能となる。
【0031】
そして、突出部材18を、フランジ7に対して、圧入、ねじ止め及び接着のいずれか一つの固定手段によって取り付けることができ、突出部材18を容易にフランジに取り付けることが可能となる。
なお、圧入、ねじ止めを採用する場合、フランジ7の側面7aに孔41やねじ孔27を形成するが、これら孔41、ねじ孔27を精度よく側面7aに仮想円に沿って形成するためには、センター孔を先に形成するのが好ましい。
【0032】
また、図6に示す実施形態の場合、突出部材18は、フランジ7から取り外し可能となる。ホイール5及びブレーキロータ6がフランジ7に取り付けられると、突出部材18は不要となることがあり、この場合、ホイール5及びブレーキロータ6をフランジ7に固定した後、突出部材18を取り外すことが可能となり、より一層の軽量化が可能となる。
【0033】
また、突出部材18がフランジ7から取り外し可能であることから、市場に流通した後の自動車の車輪用軸受装置1に対して、突出部材18を交換することが可能となる。なお、この交換は、例えば、突出部材18が損傷した場合に行われる。また、取り外した突出部材18を再度利用することが可能となる。
【0034】
さらに、各実施形態に係る車輪用軸受装置1によれば、ホイール5及びブレーキロータ6をフランジ7に装着する際にガイドとして機能するガイド部材8は、フランジ7と別体である突出部材18からなるため、フランジ7周辺の構成が簡素化され、フランジ7及び内側部材12の本体部31を形成するための鍛造加工が容易となる。
【0035】
また、本発明の車輪用軸受装置1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することができる。
前記各実施形態では、突出部材18を複数本(3本)とし、これら突出部材18を、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に部分的に配置した場合について説明したが、突出部材18は一本であってもよく、この場合においても、この突出部材18は、前記仮想円Q上の一箇所に設けられる。
【0036】
なお、このように突出部材18が一本であっても、その突出部材18は、フランジ7の中心点C1を中心とする仮想円Q上に配置されていることから、この突出部材18を備えている車輪用軸受装置1に対して、ホイール5及びブレーキロータ6を取り付けるためには、この仮想円Qの上位置に、この一つの突出部材18が位置するようにフランジ7を回転させればよい。そして、この上位置に存在している突出部材18によって、ホイール5及びブレーキロータ6をガイドすることができ、これらをフランジ7に装着する作業が可能となる。
【0037】
また、前記実施形態では、内側部材12が回転部材となり、この内側部材12にフランジ7が一体として設けられている場合について説明したが、外側部材11が回転部材となる車輪用軸受装置1においても、本発明は適用可能である。つまり、本発明の車輪用軸受装置1は、外側部材11と内側部材12との内のいずれか一方と一体としてフランジ7が設けられていればよく、このフランジ7にホイール5及びブレーキロータ6が取り付けられる。そして、このフランジ7に前記各実施形態で説明した突出部材18が取り付けられる。
【0038】
また、突出部材18は金属製ではなく、樹脂製やゴム製(硬質ゴム製)とすることも可能である。この場合、突出部材18に対して防錆のための表面処理が不要となる。さらに、金属製であるホイール5との錆による固着が防止される。
また、図示した各実施形態の車輪用軸受装置1は、従動輪用であるが、駆動輪用の車輪用軸受装置1についても、本発明の構成を適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:車輪用軸受装置 5:ホイール(車輪側部材) 6:ブレーキロータ(車輪側部材) 7:フランジ 7a:側面 8:ガイド部材 11:外側部材 12:内側部材 13:玉(転動体) 18:突出部材 41:孔 42:凹周溝(凹部) C1:フランジの中心点 Q:仮想円
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7