(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ウェブ製品を、所定の大きさに分割し小巻にして、小巻毎に詳細に検査する場合、小巻毎に人を配置して、検査したり、欠陥を除去したりする作業が必要なため、人的に負荷がかかっていた。特許文献1のように、単にウェブ製品を検査するだけでは、分割された小巻を少人数で、効率よく検査することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、少人数でも、効率よく検査ができる検査装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
大巻の検査対象を
展開して撮像した
第1画像データを取得する第1画像データ取得手段と、前記
第1画像データより前記検査対象における欠陥部分を検出する検出手段と、前記検出された欠陥部分の位置情報を算出する位置情報算出手段と、前記検査対象を
裁断により所定のサイズに分割した
小巻の分割検査対象
を展開手段により展開し、当該分割検査対象における欠陥部分を、前記位置情報に基づき特定する欠陥部分特定手段と、前記特定された欠陥部分を含む
第2画像データを取得する第2画像データ取得手段と、前記
第2画像データから、欠陥情報を算出する欠陥情報算出手段と、ユーザが各前記分割検査対象を検査するために、前記分割検査対象毎における前記
第2画像データと前記欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示する表示手段と、
前記分割検査対象を検査した結果に基づき、前記展開手段による展開を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検査装置において、前記表示手段によって表示された前記画像データと前記欠陥情報とを見たユーザからの検査結果を受け付ける検査結果受付手段と、前記検査結果を前記分割検査対象毎に通報する通報手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、検査装置が
検査対象を検査する検査方法において、
大巻の前記検査対象を
展開して撮像した第1画像データを取得する第1画像データ取得ステップと、前記
第1画像データより前記検査対象における欠陥部分を検出する検出ステップと、前記検出された欠陥部分の位置情報を算出する位置情報算出ステップと、
前記検査対象を
裁断により所定のサイズに分割した
小巻の分割検査対象
を展開手段により展開し、当該分割検査対象における欠陥部分を、前記位置情報に基づき特定する欠陥部分特定ステップと、前記特定された欠陥部分を含む
第2画像データを取得する第2画像データ取得ステップと、前記
第2画像データから、欠陥情報を算出する欠陥情報算出ステップと、ユーザが各前記分割検査対象を検査するために、前記分割検査対象毎における前記
第2画像データと前記欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示する表示ステップと、
前記分割検査対象を検査した結果に基づき、前記展開手段による展開を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、コンピュータを、
大巻の検査対象を
展開して撮像した
第1画像データを取得する第1画像データ取得手段、前記
第1画像データより前記検査対象における欠陥部分を検出する検出手段、前記検出された欠陥部分の位置情報を算出する位置情報算出手段、前記検査対象を
裁断により所定のサイズに分割した
小巻の分割検査対象
を展開手段により展開し、当該分割検査対象における欠陥部分を、前記位置情報に基づき特定する欠陥部分特定手段、前記特定された欠陥部分を含む
第2画像データを取得する第2画像データ取得手段、前記
第2画像データから、欠陥情報を算出する欠陥情報算出手段、ユーザが各前記分割検査対象を検査するために、前記分割検査対象毎における前記
第2画像データと前記欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示する表示手段
、および、前記分割検査対象を検査した結果に基づき、前記展開手段による展開を制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、
大巻の検査対象を検査する第1検査装置と、前記検査対象を分割する分割装置と、前記分割された
小巻の分割検査対象を検査する第2検査装置と、を備えた検査システムにおいて、前記第1検査装置が、前記検査対象を
展開して撮像した
第1画像データを取得する第1画像データ取得手段と、前記
第1画像データより前記検査対象における欠陥部分を検出する検出手段と、前記検出された欠陥部分の位置情報を算出する位置情報算出手段と、を有し、前記分割装置が、前記欠陥部分が検出された検査対象を
裁断により所定のサイズに分割する分割手段を有し、前記第2検査装置が、前記分割された
前記小巻の分割検査対象
を展開手段により展開し、当該分割検査対象における欠陥部分を、前記位置情報に基づき特定する欠陥部分特定手段と、前記特定された欠陥部分を含む
第2画像データを取得する第2画像データ取得手段と、前記
第2画像データから、欠陥情報を算出する欠陥情報算出手段と、ユーザが各前記分割検査対象を検査するために、前記分割検査対象毎における前記
第2画像データと前記欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示する表示手段と、
前記分割検査対象を検査した結果に基づき、前記展開手段による展開を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、欠陥部分を含む画像データと欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示するので、少人数でも、分割された検査対象を効率よく検査ができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、検査システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0014】
[1.検査システムおよび検査装置等の構成および機能概要]
(1.1 検査システム1の構成および機能)
まず、本発明の1実施形態に係る検査システムの構成および概要機能について、
図1を用いて説明する。
図1は、検査システム1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、検査システム1は、分割前の検査対象を検査する検査装置10と、分割前の検査対象を巻き返す巻返装置20と、検査対象を分割する分割装置30と、分割後の検査対象を検査する検査装置40と、分割後の検査対象を巻き返す巻返装置50と、分割後の検査対象を検査するための監視ブース60と、を備えている。そして、検査装置10は、巻返装置20と、検査装置40とに接続されている。検査装置40は、巻返装置40と、検査装置10とに接続されている。
【0016】
検査装置10は、巻返装置20に設置されたロール状の検査対象を検査する。ここで、検査対象の一例として、電池パック用のシート、タッチパネル、食品包装用の印刷物等が挙げられる。
【0017】
巻返装置20は、ローラに巻かれたシート状の検査対象を展開し、巻き戻す。巻返装置20により、ロールから展開されている検査対象を、検査装置10は検査する。
【0018】
分割装置30は、巻返装置20において検査された検査対象(大巻)を展開しながら、裁断部(図示せず)によって分割し、分割された検査対象(小巻)にする。例えば、分割装置30は、シート状の検査対象の長手方向(ロールから展開される方向)に3等分に分割しながら展開し、3つの小型のロールに巻き戻す。そして、分割装置30は所定の長さに達したら、短手方向に切断し、小巻の検査対象(分割された検査対象)にする。分割装置30は、大巻の検査対象を27個の小巻の検査対象にする。
【0019】
検査装置40は、巻返装置50に設置され、展開されている分割された検査対象を検査する。
【0020】
巻返装置50は、ローラに巻かれたシート状の分割された検査対象を展開し、巻き戻す。
【0021】
監視ブース60は、各検査装置40からの検査画像を表示するモニタ61と、各巻返装置50に、検査結果を通報するためのスイッチボックス62とを有している。
【0022】
モニタ61は、例えば、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。モニタ61は、検査装置40に接続されている。各モニタ61には、各小巻の検査対象(分割検査対象)の欠陥部分の拡大画像や、欠陥レベル等が表示される。
【0023】
スイッチボックス62は、表示された欠陥部分の判定をするためのボタン(OKボタンおよびNGボタン)が、小巻の検査対象毎に設置されている。スイッチボックス62は、巻返装置50に接続されている。
【0024】
監視ブース60には、監視者が数名配置され、各監視者に、監視する数台のモニタ61が割り当てられる。そして、この数台のモニタ61に対応したスイッチボックス62が分かれて存在する。また、欠陥が検出された場合、欠陥がある分割検査対象を修復する目視検査者が数名、巻返装置50が設置されているところに配置される。各目視検査者が担当する巻返装置50は、まとめて設置されている。
【0025】
(1.2 検査装置10の構成および機能)
次に、検査装置10の構成および機能について、
図2を用いて説明する。
図2は、検査装置10の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、検査装置10は、例えば、パーソナルコンピュータやプログラマブルロジックコントローラ等であり、撮像部11と、記憶部12と、通信部13と、入出力インターフェース部14と、システム制御部15とを備えている。そして、システム制御部15と入出力インターフェース部14とは、システムバス16を介して接続されている。
【0027】
撮像部11は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を有するデジタルカメラである。
【0028】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム、制御用のプログラムや画像処理用のプログラム等を記憶する。また、記憶部12は、欠陥のパターンを特定するためのデータベースを有する。
【0029】
通信部13は、巻返装置20、検査装置40等とのデータや信号の送受信を行う。
【0030】
入出力インターフェース部14は、通信部13および記憶部12とシステム制御部15とのインターフェースである。
【0031】
システム制御部15は、例えば、CPU15aと、ROM15bと、RAM15cとを有する。システム制御部15は、CPU15aが、ROM15bや、RAM15cや、記憶部12に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。例えば、システム制御部15は、画像処理等のプログラムを実行する。
【0032】
検査装置10は、画像を撮像し、画像処理および画像認識を行い、欠陥を判定する。そして、検査装置10は、巻返装置20のローラの回転位置から、大巻の検査対象における欠陥の位置情報を特定する。検査装置10は、分割された検査対象毎における欠陥の位置情報を算出し、各検査装置40に送信する。
【0033】
(1.3 巻返装置20の構成および機能)
次に、巻返装置20の構成および機能について、
図3を用いて説明する。
図3は、大巻の検査対象を巻き返す巻返装置の概要構成例を示す模式図である。
【0034】
図3に示すように、巻返装置20は、シート状の検査対象Sを展開するローラ21と、検査対象Sを巻き戻すローラ22とを有する。ローラ21から展開され搬送された検査対象Sを、検査装置10の撮像部11が撮像する。巻返装置20は、各ローラ21、22の回転位置の情報や、展開による検査対象Sの搬送距離等の情報を、検査装置10に送信する。
【0035】
(1.4 検査装置40の構成および機能)
次に、検査装置40の構成および機能について、
図4を用いて説明する。
図4は、検査装置40の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図4に示すように、検査装置40は、例えば、パーソナルコンピュータやプログラマブルロジックコントローラ等であり、撮像部41と、記憶部42と、通信部43と、入出力インターフェース部44と、システム制御部45とを備えている。そして、システム制御部45と入出力インターフェース部44とは、システムバス46を介して接続されている。さらに、入出力インターフェース部44と、監視ブース60のモニタ61とが接続されている。
【0037】
なお、検査装置40の構成および機能は、検査装置10と同一または類似であるので、詳細な説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
【0038】
記憶部42は、記憶部12に比べ、欠陥に関する詳細な欠陥のパターン等を特定するためのデータベースを有する。
【0039】
検査装置40は、検査対象Sから分割された小巻の検査対象(分割検査対象DS)の画像を撮像する。検査装置40は、検査装置10から送信された検査対象Sにおける欠陥の位置情報に基づき、ローラ51、52を回転させ、検査装置10により検出された欠陥の位置に、撮像部41の撮像範囲に分割検査対象DSを移動させる。検査装置40は、分割検査対象DSの画像の画像処理および画像認識を行い、画像認識結果と、欠陥を含む分割検査対象DSの画像をモニタ61に表示する。
【0040】
(1.5 巻返装置50の構成および機能)
次に、巻返装置50の構成および機能について、
図5を用いて説明する。
図5は、小巻の検査対象を巻き返す巻返装置の概要構成例を示す模式図である。
【0041】
図5に示すように、巻返装置50は、分割検査対象DSを展開するローラ51と、分割検査対象DSを巻き戻すローラ52とを有する。ローラ51から搬送された分割検査対象DSを、検査装置40の撮像部41が撮像する。巻返装置50は、検査装置10から送信された検査対象Sにおける欠陥の位置情報に基づき、検査装置40の制御の下、各ローラ51、52を回転する。
【0042】
[2.検査システムの動作]
次に、本発明の1実施形態に係る検査システムの動作について
図6から
図8を用いて説明する。
【0043】
図6は、検査システム1の動作例を示すフローチャートである。
図7は、検査ルームにおける表示の一例を示す模式図である。
図8は、分割された検査対象を巻き返す巻返装置の配列の一例を示す模式図である。
【0044】
まず、検査対象のロール(大巻)が巻返装置20に設置される。巻返装置20は、ロール状の検査対象を展開し、検査装置10の撮像部11により表面が順次撮像できるようにする。検査対象が、所定の単位により区切られている場合、巻返装置20は、所定の単位毎に撮像できるように、検査対象を所定の単位毎に移動させる。
【0045】
次に、検査システム1は、検査対象の画像データを取得する(ステップS1)。具体的には、検査装置10の撮像部11は、展開された検査対象を撮像し、画像データを取得する。さらに、検査装置10は、巻返装置20から、各ローラ21、22の回転位置の情報や、展開による検査対象Sの搬送距離等の情報を取得し、検査対象Sにおける撮像位置を算出する。
【0046】
このように、検査システム1は、シート状の検査対象Sを撮像した画像データを取得する第1画像データ取得手段の一例として機能する。
【0047】
次に、検査システム1は、検査対象の欠陥部分を検出する(ステップS2)。例えば、検査装置10は、画像処理により、エッジ部分を抽出し、記憶部12のデータベースを参照して、欠陥のパターンのテンプレートとパターンマッチングを行い、欠陥部分を検出する。
【0048】
このように、検査システム1は、画像データより検査対象Sにおける欠陥部分を検出する検出手段の一例として機能する。
【0049】
次に、検査システム1は、欠陥部分の位置情報を算出する(ステップS3)。具体的には、検査装置10は、欠陥部分を検出した場合、ローラ21、22の回転位置というから、欠陥部分の位置情報を算出する。例えば、所定の単位毎に順次間欠的に移動させる場合、検査装置10は、何回目の移動かにより何行目(長手方向で何番目)の単位であるかを求め、欠陥部分の位置情報を算出する。さらに、検査装置10は、欠陥部分の位置を画像から、何列目(短手方向で何番目)であるかにより、欠陥部分の位置情報を算出する。このように、検査装置10は、欠陥部分の位置情報を、シート状の検査対象Sにおいて、何行目で何列目の単位であるかを算出する。なお、検査装置10は、欠陥部分の画像から、単位内における詳細な位置情報を算出してもよい。
【0050】
そして、検査装置10は、算出された欠陥部分の位置情報を、位置情報に基づき対応する各検査装置40に送信する。
【0051】
このように、検査システム1は、検出された欠陥部分の位置情報を算出する位置情報算出手段の一例として機能する。
【0052】
次に、検査システム1は、検査対象を分割する(ステップS4)。具体的には、分割装置30は、検査対象を展開しながら、検査対象を分割し、分割された検査対象(分割検査対象)を、小巻用の小型のローラに巻き戻す。
【0053】
このように、検査システム1は、欠陥部分が検出された検査対象を所定のサイズによって分割する分割手段の一例として機能する。
【0054】
各分割検査対象のロール(小巻)は、各巻返装置50に搬送され、各巻返装置50に設置される。
【0055】
次に、検査システム1は、分割検査対象における欠陥部分を位置情報に基づき特定する(ステップS5)。例えば、各検査装置40は、検査装置10から受信した位置情報に基づき、巻返装置50が分割検査対象DSを展開し、欠陥がある部分の単位が撮像部41のところに来たら、分割検査対象DSの展開を止めるように巻返装置50に指令する。
【0056】
このように、検査システム1は、検査対象を所定のサイズにより分割した分割検査対象における欠陥部分を、位置情報に基づき特定する欠陥部分特定手段の一例として機能する。
【0057】
次に、検査システム1は、特定された欠陥部分を含む画像データを取得する(ステップS6)。具体的には、各検査装置40の撮像部41は、展開された分割検査対象DSを撮像し、画像データを取得する。
【0058】
このように、検査装置10は、特定された欠陥部分を含む画像データを取得する第2画像データ取得手段の一例として機能する。
【0059】
次に、検査システム1は、欠陥情報の算出をする(ステップS7)。例えば、各検査装置40は、画像処理により、エッジ部分を抽出し、記憶部42のデータベースを参照して、欠陥のパターンのテンプレートとパターンマッチングを行い、欠陥部分を検出し、欠陥部分のパターンを分類することにより、欠陥情報を算出する。さらに、各検査装置40は、欠陥部分の画像を抽出し、欠陥部分のパターンに応じて、欠陥部分の形状、長さ、大きさ、色の濃さ等の欠陥情報を算出する。なお、欠陥部分のパターンとして、円形パターン、線状パターン等が挙げられる。
【0060】
このように、検査システム1は、欠陥部分を含む画像データから、欠陥情報を算出する欠陥情報算出手段の一例として機能する。
【0061】
次に、検査システム1は、欠陥部分を含む画像と欠陥情報とを各モニタに表示する(ステップS8)。
図7に示すように、各検査装置40は、欠陥部分が拡大された欠陥部分を含む画像と、算出された欠陥情報とを、各モニタ61に表示する。欠陥レベルとして、欠陥の濃さ、欠陥のサイズ等の欠陥情報が各モニタ61に表示される。
【0062】
このように、検査システム1は、ユーザ(監視者)が各分割検査対象DSを検査するために、分割検査対象DS毎における欠陥部分を含む画像データと欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示する表示手段の一例として機能する。
【0063】
次に、検査システム1は、検査結果の入力を受け付ける(ステップS9)。
図7に示すように、各モニタ61は、ユーザである監視者1人が監視できる数分、まとめられている。各モニタ61に対応したスイッチボックス62がモニタ61前に設置されている。監視者は、各モニタ61に表示された欠陥部分の画像や欠陥情報を見て、各欠陥が許容範囲にあるか否かを判断する。監視者は、各モニタ61を見て、欠陥が許容範囲にある場合、スイッチボックス62において、各分割検査対象(小巻)に対応した”OK”ボタンを押し、欠陥が許容範囲に無い場合、対応したスイッチボックス62の”NG”ボタンを押す。
【0064】
なお、モニタ61上では判断の付かない、規格に近いレベルの欠陥であると判断した場合も、対応したスイッチボックス62の”NG”ボタンを押す。最終的な判断は、巻返装置50に駆けつける目視検査者に任せる。
【0065】
このように、検査装置10は、表示手段(モニタ61)によって表示された画像データと欠陥情報とを見たユーザからの検査結果を受け付ける検査結果受付手段の一例として機能する。
【0066】
次に、検査システム1は、欠陥発生を通報する(ステップS10)。具体的には、
図8に示すように、スイッチボックス62のボタンに対応する巻返装置50は、分割検査対象DSの移動を止め、警報機51を光らせ、欠陥発生を通報する。警報機51が光っている巻返装置50に目視検査者が駆けつける。目視検査者は、目視で欠陥の具合を判断し、取り除く必要がある場合、所定の単位で分割検査対象DSを切り取り、つなぎ合わせる作業を行う。なお、警報機51は、音を発してもよい。
【0067】
このように、検査装置10は、検査結果を分割検査対象毎に通報する通報手段の一例として機能する。
【0068】
修復作業が終わったら、目視検査者は、巻返装置50の修復作業終了ボタン(図示せず)を押して、巻返装置50が動きだし、検査装置40は検査を再開する。
【0069】
本実施形態によれば、シート状の検査対象Sを撮像した画像データを取得し、画像データより検査対象Sにおける欠陥部分を検出し、検出された欠陥部分の位置情報を算出し、検査対象を所定のサイズにより分割した分割検査対象DSにおける欠陥部分を、位置情報に基づき特定し、特定された欠陥部分を含む画像データを取得し、欠陥部分を含む画像データから、欠陥情報を算出し、ユーザが各分割検査対象DSを検査するために、分割検査対象DS毎における欠陥部分を含む画像データと欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示することにより、欠陥部分を含む画像データと欠陥情報とからなる表示情報を複数まとめて表示するので、少人数でも、分割された検査対象(分割検査対象DS)を効率よく検査ができる。
【0070】
また、表示手段(モニタ61)によって表示された画像データと欠陥情報とを見たユーザ(監視者)からの検査結果を受け付け、検査結果を分割検査対象DS毎に通報する場合、目視検査者は、通報を受け、分割検査対象DSが設置された巻返装置50に駆け、分割検査対象DSを目視検査すればよいので、少人数で、効率よく検査ができる。
【0071】
なお、検査装置10および検査装置40は、集中的に1台の検査装置が行ってもよい。