特許第6008906号(P6008906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6008906
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】囲み構造体
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/28 20060101AFI20161006BHJP
   F24C 1/16 20060101ALI20161006BHJP
   F24C 3/14 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   F24C15/28
   F24C1/16 Z
   F24C3/14 P
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-140209(P2014-140209)
(22)【出願日】2014年7月8日
(65)【公開番号】特開2016-17676(P2016-17676A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138336
【氏名又は名称】株式会社スノーピーク
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】山井 太
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−093487(JP,A)
【文献】 特開平10−071053(JP,A)
【文献】 特開2013−205008(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3051312(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C15/16−15/36
F24C1/16
F24C3/00−3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の板状囲み部材並設状態に配設され、各前記板状囲み部材に設けられた通し孔に引き締め用紐体通し配設されて各前記板状囲み部材連結され、隣り合う一方の板状囲み部材の一側端部と他方の板状囲み部材の反対側端部との連結部で折曲して折り畳み収納自在に構成した囲み構造体であって、隣り合う一方の板状囲み部材の一側端部に設けられた連結係止部と他方の板状囲み部材の反対側端部に設けられた連結係合部と係合した連結状態において前記連結部の少なくとも所定折曲角度以上の折曲を阻止して片側への折曲重合を阻止する折曲規制作用を生じさせる折曲規制機構備えられ、前記引き締め用紐体引き締められることで各前記板状囲み部材が前記引き締め用紐体の引き締め方向と反対方向に押し寄せられ前記連結係止部と前記連結係合部とが係合した連結状態となって前記折曲規制機構の前記折曲規制作用が生じることで所定の曲成形状に形成され、少なくとも前記引き締め用紐体緩められた状態では前記連結部で折曲して折り畳み収納し得るように構成され、前記折曲規制機構は、前記板状囲み部材の並設方向一側端部を折曲突出させて形成された前記連結係止部と、前記板状囲み部材の並設方向反対側端部を折曲突出させて形成された規制突出部と、この規制突出部に隣接状態に設けられた前記連結係合部とで構成されると共に、前記連結係止部と前記連結係合部とが係合した状態で前記連結部を前記片側へ折曲した際に、前記連結係止部若しくは前記規制突出部が前記板状囲み部材に設けられた受部に突き当ることで、隣り合う前記板状囲み部材が前記片側へ所定折曲角度以上折曲することが規制される前記折曲規制作用が生じる構成とされることを特徴とする囲み構造体。
【請求項2】
前記折曲規制機構は、前記引き締め用紐体引き締められて多数の前記板状囲み部材前記反対方向に押し寄せられた際、前記連結係止部と前記連結係合部とが係合し、各前記板状囲み部材を片側へ所定折曲角度以上折曲することが規制され且つ前記片側の反対側へは折曲重合して折り畳み収納し得るように構成され、前記引き締め用紐体緩められることで、前記反対側へ折曲して各板状囲み部材を重合させることが前記引き締め用紐体を引き締めた状態より容易となる又は前記片側への前記折曲規制作用も失われて前記片側への折曲重合も自在となる構とされることを特徴とする請求項1記載の囲み構造体。
【請求項3】
前記折曲規制機構は、前記規制突出部に隣接状態に設けられた凹部を前記連結係止部が係合する前記連結係合部とされ、前記連結係止部と前記連結係合部とが凹凸係合した状態で前記連結部を前記片側へ折曲した際に、前記連結係止部若しくは前記規制突出部が前記板状囲み部材に設けた受部に突き当ることで、隣り合う前記板状囲み部材が前記片側へ所定折曲角度以上折曲することが規制される前記折曲規制作用が生じる構成とされることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の囲み構造体。
【請求項4】
多数並設状態に連結された前記板状囲み部材の前記引き締め用紐体の引き締め方向側反対側端部に位置する板状囲み部材に、前記引き締め用紐体の一端部を固定又は抜け止め係止する若しくは前記引き締め用紐体の途中を折り返し係止し、前記引き締め用紐体の引き締め方向側端部に位置する板状囲み部材に、前記引き締め用紐体の引き出し端を係止し引き締め状態を保持する引き締め保持用係止部設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の囲み構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の板状囲み部材を並設状態に連結し、隣り合う一方の板状囲み部材の一側端部と他方の板状囲み部材の反対側端部との連結部で折曲して折り畳み収納自在に構成した囲み構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、キャンプ等の野外で使用するコンロ用の風防に構成した囲み構造体は、コンロと共に携帯できるよう折り畳み収納自在に構成されたものが多く、一般的には、ヒンジを用いて板状囲み部材同士を連結した構成となっている。
【0003】
しかしながら、このヒンジを用いて板状囲み部材を連結した従来の囲み構造体は、所定折曲角度以上の折曲を規制して所定の囲み形状を形成するための折曲規制機構を設けると、コンパクトに折り畳み収納できなくなってしまうため、この折曲規制機構を設けることができず、よって、囲み構造体を容易に所定の囲み形状に形成できなかったり、囲み形状の保持が困難で僅かな接触で直ぐに囲み形状が崩れてしまう問題があった。
【0004】
また、このような問題を解決するために、折曲規制機構を設けると、この折曲規制機構の作用によりコンパクトに折り畳み収納することができない構造となり、折り畳みできても精々二つ折り程度しか折り畳めずコンパクトな収納状態とならず携帯性を低下させる問題があった。
【0005】
即ち、従来、折曲規制機構を備え、容易に所定形状の保持ができ、そのうえ、コンパクトに折り畳み収納自在に構成した囲み構造体はなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような現状に鑑みなされたもので、折曲規制機構を備え、所定の囲み形状に容易に形成することができると共にこの形成した囲み形状が崩れにくく、しかも、コンパクトに折り畳み収納できる実用性及び携帯性に優れた画期的な囲み構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
多数の板状囲み部材1並設状態に配設され、各前記板状囲み部材1に設けられた通し孔2に引き締め用紐体3通し配設されて各前記板状囲み部材1連結され、隣り合う一方の板状囲み部材1の一側端部と他方の板状囲み部材1の反対側端部との連結部4で折曲して折り畳み収納自在に構成した囲み構造体であって、隣り合う一方の板状囲み部材1の一側端部に設けられた連結係止部5と他方の板状囲み部材1の反対側端部に設けられた連結係合部6と係合した連結状態において前記連結部4の少なくとも所定折曲角度以上の折曲を阻止して片側への折曲重合を阻止する折曲規制作用を生じさせる折曲規制機構18備えられ、前記引き締め用紐体3引き締められることで各前記板状囲み部材1が前記引き締め用紐体3の引き締め方向と反対方向に押し寄せられ前記連結係止部5と前記連結係合部6とが係合した連結状態となって前記折曲規制機構18の前記折曲規制作用が生じることで所定の曲成形状に形成され、少なくとも前記引き締め用紐体3緩められた状態では前記連結部4で折曲して折り畳み収納し得るように構成され、前記折曲規制機構18は、前記板状囲み部材1の並設方向一側端部を折曲突出させて形成された前記連結係止部5と、前記板状囲み部材1の並設方向反対側端部を折曲突出させて形成された規制突出部7と、この規制突出部7に隣接状態に設けられた前記連結係合部6とで構成されると共に、
前記連結係止部5と前記連結係合部6とが係合した状態で前記連結部4を前記片側へ折曲した際に、前記連結係止部5若しくは前記規制突出部7が前記板状囲み部材1に設けられた受部8に突き当ることで、隣り合う前記板状囲み部材1が前記片側へ所定折曲角度以上折曲することが規制される前記折曲規制作用が生じる構成とされることを特徴とする囲み構造体に係るものである。
【0009】
また、前記折曲規制機構18は、前記引き締め用紐体3引き締められて多数の前記板状囲み部材1前記反対方向に押し寄せられた際、前記連結係止部5と前記連結係合部6とが係合し、各前記板状囲み部材1を片側へ所定折曲角度以上折曲することが規制され且つ前記片側の反対側へは折曲重合して折り畳み収納し得るように構成され、前記引き締め用紐体3緩められることで、前記反対側へ折曲して各板状囲み部材1を重合させることが前記引き締め用紐体3を引き締めた状態より容易となる又は前記片側への前記折曲規制作用も失われて前記片側への折曲重合も自在となる構とされることを特徴とする請求項1記載の囲み構造体に係るものである。
【0010】
また、前記折曲規制機構18は、前記規制突出部7に隣接状態に設けられた凹部を前記連結係止部5が係合する前記連結係合部6とされ、前記連結係止部5と前記連結係合部6とが凹凸係合した状態で前記連結部4を前記片側へ折曲した際に、前記連結係止部5若しくは前記規制突出部7が前記板状囲み部材1に設けた受部8に突き当ることで、隣り合う前記板状囲み部材1が前記片側へ所定折曲角度以上折曲することが規制される前記折曲規制作用が生じる構成とされることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の囲み構造体に係るものである。
【0011】
また、多数並設状態に連結された前記板状囲み部材1の前記引き締め用紐体3の引き締め方向側反対側端部に位置する板状囲み部材1に、前記引き締め用紐体3の一端部を固定又は抜け止め係止する若しくは前記引き締め用紐体3の途中を折り返し係止し、前記引き締め用紐体3の引き締め方向側端部に位置する板状囲み部材1に、前記引き締め用紐体3の引き出し端3Aを係止し引き締め状態を保持する引き締め保持用係止部9設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の囲み構造体に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、コンパクトに折り畳み収納できる構成でありながら、単に引き締め用紐体を引き締めて、各板状囲み部材を引き締め用紐体の引き締め方向と反対方向側に押し寄せるだけの極めて簡易な操作で、折曲規制機構の折曲規制作用が有効状態となって容易に所定の曲成形状(囲み形状)に形成することができ、しかも、折曲規制作用により囲み方向に対して剛性が発揮され、この形成した曲成形状(囲み形状)が崩れにくくなって、安定した囲み状態を保持することができる実用性及び携帯性に優れた画期的な囲み構造体となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施例の引き締め用紐体を緩めた状態を示す正面側斜視図である。
図2】本実施例の引き締め用紐体を緩めた状態を示す背面側斜視図である。
図3】本実施例の板状囲み部材を示す正面図である。
図4】本実施例の板状囲み部材を示す平面図である。
図5】本実施例の引き締め用紐体を引き締めた状態を示す正面側斜視図である。
図6】本実施例の引き締め用紐体を引き締めた状態を示す背面側斜視図である。
図7】本実施例の隣り合う板状囲み部材同士の連結部の状態を示す説明図である。
図8】本実施例を囲み形状に形成した状態を示す斜視図である。
図9】本実施例を囲み形状に形成した状態を示す平面図である。
図10】本実施例を折り畳み収納する状態及び折り畳み収納状態を示す図である。
図11】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0015】
引き締め用紐体3を引き締めて、各板状囲み部材1をこの引き締め用紐体3の引き締め方向と反対方向に押し寄せると、並設状態の板状囲み部材1の隣り合う一方の板状囲み部材1の連結係止部5と他方の板状囲み部材1の連結係合部6とが係合状態となり、折曲規制機構18が有効状態となって折曲規制作用が生じる状態となる。
【0016】
これにより、引き締め用紐体3の引き締めにより一方側に押し寄せた多数の板状囲み部材1を片側へ折曲すると、折曲規制作用が生じて連結部4での所定折曲角度以上の折曲が阻止され、容易に所定の曲成形状(囲み形状)に形成されることとなる。
【0017】
しかも、この囲み形状にした状態においては、折曲規制作用により囲み方向(前記片側)に対して剛性が発揮され、形成した囲み形状が崩れにくくなる(保持される)。
【0018】
また、引き締め用紐体3を緩めた状態にすると、上述した板状囲み部材1の一方側への押し寄せ状態が解除され、例えば隣り合う一方の板状囲み部材1の連結係止部5と他方の板状囲み部材1の連結係合部6との係合状態が解除され、この隣り合う板状囲み部材1同士の連結部4で容易に折曲可能となり、例えば一方向に巻き取るように折り畳んだり、つづら折り状態に折り畳んだりして一枚の板状囲み部材1の大きさの収納状態に折り畳み収納することができ、携帯し易いコンパクトな収納状態となる。
【0019】
このように、本発明は、コンパクトに折り畳み収納できる構成でありながら、単に引き締め用紐体3を引き締めて、各板状囲み部材1をこの引き締め用紐体3の引き締め方向と反対方向に押し寄せるだけの極めて簡易な操作で、折曲規制機構18が有効状態となって折曲時に折曲規制作用が生じて容易に所定の囲み形状に形成することができ、しかも、この折曲規制作用により囲み方向に対して剛性が発揮され、この形成した囲み形状が崩れにくく安定した囲み状態を保持することができる実用性及び携帯性に優れた画期的な囲み構造体となる。
【実施例】
【0020】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施例は、多数の板状囲み部材1を並設状態に配設し、各板状囲み部材1に設けた通し孔2に引き締め用紐体3を通し配設して各板状囲み部材1を連結し、隣り合う一方の板状囲み部材1の一側端部と他方の板状囲み部材1の反対側端部との連結部4で折曲して折り畳み収納自在に構成した囲み構造体であって、隣り合う一方の板状囲み部材1の一側端部に設けた連結係止部5と他方の板状囲み部材1の反対側端部に設けた連結係合部6とを係合した連結状態において少なくとも所定折曲角度以上の折曲を阻止して片側への折曲重合を阻止する折曲規制作用を生じる折曲規制機構18を備え、前記引き締め用紐体3を引き締めることで各板状囲み部材1が前記引き締め用紐体3の引き締め方向と反対方向に押し寄せられ前記連結係止部5と前記連結係合部6とが係合した連結状態となって前記折曲規制機構18の前記折曲規制作用が生じることで所定の曲成形状に形成されるように構成し、少なくとも前記引き締め用紐体3を緩めた状態では前記連結部4で折曲して折り畳み収納し得るように構成したものである。
【0022】
具体的には、引き締め用紐体3を引き締めて多数の板状囲み部材1をこの引き締め用紐体3の引き締め方向と反対方向に押し寄せた際、連結係止部5と連結係合部6とが係合し、各板状囲み部材1を片側(内側若しくは外側)へ所定折曲角度以上折曲することが規制され且つ片側の反対側へは折曲重合して折り畳み収納し得るように折曲規制機構18を構成し、引き締め用紐体3を緩めることで、反対側へ折曲して各板状囲み部材1を重合させることが引き締め用紐体3を引き締めた状態より容易となるように又は片側への折曲規制作用も失われて片側への折曲重合も自在となるように構成している。
【0023】
尚、本実施例は、上述した本発明の囲み構造体を、図11に示すようなキャンプ等の野外活動で使用するガスコンロ10の風防壁材11に構成した場合である。
【0024】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細に説明する。
【0025】
本実施例の風防壁材11は、図1,2に示すように同一形状の板状囲み部材1を多数並設状態に連結して成るものである。
【0026】
具体的には、板状囲み部材1は、金属製の薄板部材から成り、図3に示すような方形状に形成すると共に、並設方向(連結方向)となる左右方向の一側端部(本実施例では左側端部)に連結係止部5を設け反対側端部(右側端部)に連結係合部6を設けた構成としている。
【0027】
より具体的に説明すると、図4に示すように連結係止部5は、板状囲み部材1の左側端部の略中央部に形成した帯状突出片を板状囲み部材1の背面側(風防壁材11を囲み形状に形成した際の内側)に向けて所定角度で折曲突出して形成した構成としている。
【0028】
また、連結係合部6は、上述した凸状の連結係止部5と凹凸係合する凹状に形成した構成とし、具体的には、板状囲み部材1の右側端部の上部側及び下部側に形成した帯状突出片を連結係止部5と同じ方向、即ち図4に示すように板状囲み部材1の背面側(風防壁材11を囲み形状に形成した際の内側)に向けて所定角度で折曲突出して規制突出部7を形成し、この上下方向に間隔をおいて設けた規制突出部7間の凹部を連結係合部6とした構成としている。
【0029】
また、本実施例の板状囲み部材1は、他の板状囲み部材1の規制突出部7が突き当り係止する受部8を設けた構成とし、具体的には、受部8は、図3に示すように板状囲み部材1の連結係止部5を設けた側の板状囲み部材1の板面端部に設けた構成としている。
【0030】
本実施例は、この連結係止部5、連結係合部6、規制突出部7及び受部8とで折曲規制機構18を構成し、連結係止部5と連結係合部6との係合、具体的には、隣り合う板状囲み部材1の一方の板状囲み部材1の連結係止部5と他方の板状囲み部材1の連結係合部6との係合状態において、風防壁材11の片側、本実施例の場合、板状囲み部材1の背面側に風防壁材11を各連結係止部5と連結係合部6とが係合する連結部4で折曲することにより、連結係止部5及び規制突出部7が受部8に突き当り係止して折曲が阻止される折曲規制機構18の折曲規制作用が生じる構成としている。
【0031】
また、本実施例の板状囲み部材1は、図3に示すように連結係止部5と規制突出部7との夫々に、板状囲み部材1に通し配設した引き締め用紐体3と係合する切り欠き部12を凹設した構成とし、風防壁材11を折り畳み収納する際、引き締め用紐体3がこの切り欠き部12に収納されると共に、引き締め用紐体3がこの切り欠き部12にガイドされ、引き締め用紐体3が位置ズレせず、きれいに折り畳み収納できるように構成している。
【0032】
更に、本実施例の板状囲み部材1は、上下端部に夫々、ガスコンロ10の五徳部13の先端部を着脱自在に掛け止め可能な掛止部14を凹設した構成としている。
【0033】
具体的には、本実施例は、板状囲み部材1の上端縁中央部に長溝形状に形成した長溝掛止部14Aを設け、下端縁中央部に短溝形状に形成した短溝掛止部14Bを設けた構成とし、五徳部13の位置を低くしたい場合は、上端縁に設けた長溝掛止部14Aに掛け止めし、五徳部13の位置を高くしたい場合は、本実施例の風防壁材11を上下反転させ、下端縁に設けた短溝掛止部14Bが上端縁となるようにして、この短溝掛止部14Bに掛け止めする構成としている。尚、図11は、五徳部13を長溝掛止部14Aに掛け止めした状態を示している。
【0034】
また更に、本実施例の板状囲み部材1は、通し孔2を設けた構成とし、具体的には、通し孔2は、板状囲み部材1の左右端部側及び左右方向(幅方向)中央部付近に夫々、上下方向(高さ方向)の中央より上部側寄り及び下部側寄りに設け、高さ方向中央を境にして上部側と下部側に夫々引き締め用紐体3を架設状態に通し配設し得る構成としている。
【0035】
また、本実施例の板状囲み部材1は、図11に示すように板面に通気孔15を設けた構成とし、この通気孔15は、ガスコンロ10使用時、風防壁材11で囲った内部に外部から空気を流入し、不完全燃焼を防止する目的で設けられたものである。
【0036】
本実施例は、このように構成した板状囲み部材1を多数(本実施例では7枚)並設状態に配設し、この並設状態に配設した各板状囲み部材1の通し孔2に引き締め用紐体3を通し配設して各板状囲み部材1同士を連結した構成としている。
【0037】
具体的には、本実施例は、引き締め用紐体3として金属製ワイヤー3を採用し、この金属製ワイヤー3は、図1に示すように風防壁材11の一端側に位置する板状囲み部材1の上部側寄り若しくは下部側寄りのいずれかの通し孔2から板状囲み部材1の板面に対して表裏交互に(正面側と背面側とを交互に)通し配設し、風防壁材11の他端側に位置する板状囲み部材1で折返し、再び表裏交互に通し配設し、金属製ワイヤー3の両端部を前記一端側に位置する板状囲み部材1から延出する金属製ワイヤー3の両端部をカシメ部材等で連結してループ状にして抜け止め状態に設けた構成としている。
【0038】
また、本実施例は、この通し配設した金属製ワイヤー3の折返し部にハンドル16を設け、金属製ワイヤー3を引き締める際、このハンドル16を引動操作部として引き操作することで、上下に対向する二本の金属製ワイヤー3を均等に引き締め操作し得るように構成している。
【0039】
また更に、本実施例は、風防壁材11のハンドル16を設けた側の端部に位置する板状囲み部材1の正面側板面に引き締め保持用係止部9を設けた構成とし、この引き締め保持用係止部9に引き締めにより板状囲み部材1から引き出した金属製ワイヤー3の引き出し端3Aを係止することで、金属製ワイヤー3が緩むことなく引き締め状態が保持される構成としている。
【0040】
具体的には、本実施例は、縦長帯状の係止板17を少なくともその上下部が板状囲み部材1の板面との間に金属製ワイヤー3の直径(太さ)より小径の隙間を介在するようにして付設し、この係止板17の上下部と板状囲み部材1の板面との間に生じている隙間を引き締め保持用係止部9とし、この引き締め保持用係止部9に金属製ワイヤー3の引き出し端3Aを圧入係止することによって引き締め状態を保持できる構成としている。
【0041】
尚、本実施例は、一本の金属製ワイヤー3を折り返し配設して各板状囲み部材1に通し配設した構成としたが、二本の金属製ワイヤー3を用い、各金属製ワイヤー3を夫々板状囲み部材1に抜け止め状態に通し配設した構成としても良い。
【0042】
上述のように構成した本実施例の作用・効果について以下に説明する。
【0043】
本実施例の風防壁材11を所定の囲み形状、具体的には平面視C状(若しくは平面視環状)の囲み形状に形成する際は、図5,6に示すようにハンドル16を引動操作し金属製ワイヤー3を引き締め、各板状囲み部材1をこの金属製ワイヤー3の引き締め方向と反対方向の一方側に押し寄せる。
【0044】
この金属製ワイヤー3の引き締め操作により、図7(a)に示すような風防壁材11を形成する各板状囲み部材1の隣り合う板状囲み部材1同士が間隔をおいて金属製ワイヤー3を介して間接的に連結している状態(緩み状態)から、図7(b)に示すような隣り合う板状囲み部材1同士が直接的に連結し、隣り合う一方の板状囲み部材1の連結係止部5と他方の板状囲み部材1の連結係合部6とが係合状態(引き締め状態)となり、折曲規制機構18が有効状態となって折曲規制作用が生じる状態となる。
【0045】
この折曲規制機構18が有効状態となった連結状態の風防壁材11の各板状囲み部材1同士が連結する連結部4を背面側に折曲すると、図7(c)に示すように連結係止部5及び規制突出部7が隣り合う板状囲み部材1の受部8に突き当って折曲が規制される折曲規制作用が生じ、図8,9に示すような各板状囲み部材1同士が所定角度を成して連結した平面視C形状の囲み形状を呈する風防壁材11となる。
【0046】
また、この囲み形状に形成した際は、折曲規制作用により風防壁材11は、囲み方向に対して剛性を発揮し、この形成した囲み形状が崩れにくくなって、囲み形状が良好に保持される。
【0047】
また、風防壁材11を折り畳み収納する際は、図1,2に示すような金属製ワイヤー3を緩めた状態にして、板状囲み部材1の一方側への押し寄せ状態を解除し、隣り合う一方の板状囲み部材1の連結係止部5と他方の板状囲み部材1の連結係合部6との係合状態を解除すると、板状囲み部材1同士の連結部4は屈曲自在な金属製ワイヤー3により形成され、よって、この隣り合う板状囲み部材1同士の連結部4で容易に折曲可能となり、図10(a)に示すように一方向に巻き取るように折り畳んで図10(b)に示すような一枚の板状囲み部材1の大きさの収納状態に折り畳み収納することができ、携帯しやすいコンパクトな収納状態となる。
【0048】
このように、本実施例の風防壁材11は、コンパクトに折り畳み収納できる構成でありながら、単に金属製ワイヤー3(引き締め用紐体3)を引き締め、各板状囲み部材1をこの金属製ワイヤー3の引き締め方向と反対方向の一方側に押し寄せるだけの極めて簡易な操作で、各板状囲み部材1に設けた連結係止部5及び規制突出部7が受部8に突き当り係止して所定角度以上の折曲が阻止される折曲規制機構18が有効状態となって折曲規制作用が生じることで容易に所定の囲み形状(平面視C形状)に形成することができ、しかも、この折曲規制作用により囲み方向に対して剛性が発揮され、これにより形状が崩れにくく安定した囲み状態を保持することができる実用性及び携帯性に優れた画期的な風防壁材11となる。
【0049】
また、本実施例は、同一形状の板状囲み部材1を単に金属製ワイヤー3を通し配設して連結しただけの極めて簡易な構成なので、従来のようなヒンジやこれを着設するネジなどの部材を要しないので、部品点数が少なく容易に製造することができ、低コストで優れた生産性を発揮する画期的な囲み構造体となる。
【0050】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0051】
1 板状囲み部材
2 通し孔
3 引き締め用紐体
3A 引き出し端
4 連結部
5 連結係止部
6 連結係合部
7 規制突出部
8 受部
9 引き締め保持用係止部
18 折曲規制機構
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