特許第6008946号(P6008946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6008946
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】部品実装機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20161006BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   H05K13/04 Z
   H05K13/08 Q
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-510063(P2014-510063)
(86)(22)【出願日】2013年1月24日
(86)【国際出願番号】JP2013051503
(87)【国際公開番号】WO2013153834
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2012/059965
(32)【優先日】2012年4月12日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2012/069630
(32)【優先日】2012年8月1日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2012/080167
(32)【優先日】2012年11月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】山蔭 勇介
(72)【発明者】
【氏名】吉野 朋治
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−197564(JP,A)
【文献】 特開2002−94296(JP,A)
【文献】 特開2004−172465(JP,A)
【文献】 特開2005−222976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を吸着して基板に装着する吸着ノズルを有する部品装着ヘッドと、
前記部品装着ヘッドに設けられる撮像基準部と前記吸着ノズルに吸着される吸着部品とを同時に撮像して前記撮像基準部に対する前記吸着部品の位置を検出する吸着部品位置検出装置と、
を備える部品実装機であって、
前記吸着部品位置検出装置は、前記部品実装機の基台側に設けられ撮像素子およびレンズを有する撮像部と、
前記撮像素子、前記レンズおよび前記撮像基準部を結ぶ第1光路の焦点位置を変更する第1屈折部材と、
を備え、
前記第1屈折部材は、前記撮像素子、前記レンズおよび前記吸着部品を結ぶ第2光路の焦点位置よりも低位置且つ前記基台側に設けられていることを特徴とする部品実装機。
【請求項2】
前記吸着部品位置検出装置は、前記第2光路の焦点位置を変更する第2屈折部材を備え、
前記第2屈折部材は、前記第2光路の焦点位置よりも低位置且つ前記基台側に設けられている請求項1に記載の部品実装機。
【請求項3】
前記部品装着ヘッドは、複数の前記吸着ノズルが軸線と同心の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドであり、
前記円周の直径が異なる複数の前記部品装着ヘッドの前記吸着部品の高さに合わせて、複数の前記第2屈折部材が同心円状に配置されている請求項2に記載の部品実装機。
【請求項4】
前記吸着部品位置検出装置は、前記撮像基準部および前記吸着部品に光を照射する光源を備え、
前記第1屈折部材は、前記光源よりも前記撮像部側に設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の部品実装機。
【請求項5】
前記吸着部品位置検出装置は、前記撮像基準部および前記吸着部品に光を照射する光源を備え、
前記撮像部は、前記光源から照射され前記撮像基準部および前記吸着部品で反射した反射光のうち、主として前記部品実装機の高さ方向と平行な光が前記撮像素子に達するように絞りが設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品装着ヘッドに設けられる撮像基準部と吸着ノズルに吸着される吸着部品とを同時に撮像して、撮像基準部に対する吸着部品の位置を検出可能な部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装機では、部品装着ヘッドに設けられる撮像基準部と吸着部品とを同時に撮像して、撮像された画像から吸着部品の位置ずれや角度ずれを検出している。そして、位置ずれや角度ずれの検出結果に基づいて、吸着部品の実装位置を補正している。
【0003】
また、部品実装機では、部品の実装に要するタクトタイムを短縮するために、部品装着ヘッドの移動速度の高速化が図られている。部品装着ヘッドの移動速度を高速にすると、撮像時の露光時間が短縮されるため、カメラの絞りを開き、カメラの受光量を増大させる必要がある。しかしながら、カメラの絞りを開くと、カメラの被写界深度が浅くなり、撮像基準部と吸着部品の両方に焦点を合わせることが困難になる。このことは、厚みの異なる吸着部品を同時に撮像する場合においても同様である。
【0004】
このような課題に関連した発明として、例えば、特許文献1および特許文献2に記載の発明が知られている。特許文献1に記載の位置検出装置は、吸着ピペットに吸着される部品よりも上方のマウントヘッド側に、位置マーキング装置および光学的結像装置を備え、部品の近傍に摺りガラスを備えている。そして、光学的結像装置を介して摺りガラス上に位置マーキング装置を投影して、位置マーキング装置と部品とを撮像している。
【0005】
特許文献2に記載の第1発明に係る表面実装機は、カメラの焦点位置より高位置に基準マークとレンズを備えており、レンズは、カメラの焦点位置を基準マークの高さまで上方に延長することができる。また、特許文献2に記載の第2発明に係る表面実装機は、基準マークにカメラの焦点を合わせるレンズがカメラ側に設けられており、基準マークがカメラの上方を通過する際に、レンズをカメラの撮像範囲内に移動させ、実装用部品がカメラの上方を通過する際に、レンズをカメラの撮像範囲外に退けるアクチュエータを備えている。なお、特許文献2に記載のカメラは、撮像素子としてCCDリニアセンサを用いており、実装用部品や基準マークを一次元的に撮像することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2001−518723号公報
【特許文献2】特開2005−197564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、光学的結像装置がマウントヘッド側に設けられており、マウントヘッドの構成が複雑になり、マウントヘッドが大型化、重量化する。また、マウントヘッドの移動時に、光学的結像装置や摺りガラスが部品と干渉する可能性がある。前者については、特許文献2に記載の第1発明についても同様である。
【0008】
特許文献2に記載の第2発明は、アクチュエータによって、レンズをカメラの撮像範囲内または撮像範囲外に移動させるものであり、基準マークと実装用部品とを同時に撮像することができない。また、特許文献2に記載の第2発明では、基準マークを備えるヘッドユニットの移動に伴って、アクチュエータを駆動させる必要があり、制御が複雑になる。
【0009】
さらに、特許文献2に記載のカメラは、撮像素子としてCCDリニアセンサを用いているので、二次元的な撮像を行うことができない。例えば、ロータリヘッドでは、複数の吸着ノズルが軸線と同心の円周上において回動可能に保持されており、各吸着ノズルに実装用部品がそれぞれ吸着保持される。このような場合に、CCDリニアセンサでは、基準マークと複数の実装用部品を同時に撮像することができない。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、部品装着ヘッドを移動させて撮像する際に、撮像基準部と吸着部品とを同時に撮像する光学系が吸着部品と干渉することを防止するとともに、部品装着ヘッドを軽量化することが可能な部品実装機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の部品実装機は、部品を吸着して基板に装着する吸着ノズルを有する部品装着ヘッドと、前記部品装着ヘッドに設けられる撮像基準部と前記吸着ノズルに吸着される吸着部品とを同時に撮像して前記撮像基準部に対する前記吸着部品の位置を検出する吸着部品位置検出装置と、を備える部品実装機であって、前記吸着部品位置検出装置は、前記部品実装機の基台側に設けられ撮像素子およびレンズを有する撮像部と、前記撮像素子、前記レンズおよび前記撮像基準部を結ぶ第1光路の焦点位置を変更する第1屈折部材と、を備え、前記第1屈折部材は、前記撮像素子、前記レンズおよび前記吸着部品を結ぶ第2光路の焦点位置よりも低位置且つ前記基台側に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の部品実装機は、請求項1に記載の部品実装機において、前記吸着部品位置検出装置は、前記第2光路の焦点位置を変更する第2屈折部材を備え、前記第2屈折部材は、前記第2光路の焦点位置よりも低位置且つ前記基台側に設けられている。
【0013】
請求項3に記載の部品実装機は、請求項2に記載の部品実装機において、前記部品装着ヘッドは、複数の前記吸着ノズルが軸線と同心の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドであり、前記円周の直径が異なる複数の前記部品装着ヘッドの前記吸着部品の高さに合わせて、複数の前記第2屈折部材が同心円状に配置されている。
【0014】
請求項4に記載の部品実装機は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の部品実装機において、前記吸着部品位置検出装置は、前記撮像基準部および前記吸着部品に光を照射する光源を備え、前記第1屈折部材は、前記光源よりも前記撮像部側に設けられている。
【0015】
請求項5に記載の部品実装機は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の部品実装機において、前記吸着部品位置検出装置は、前記撮像基準部および前記吸着部品に光を照射する光源を備え、前記撮像部は、前記光源から照射され前記撮像基準部および前記吸着部品で反射した反射光のうち、主として前記部品実装機の高さ方向と平行な光が前記撮像素子に達するように絞りが設定されている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の部品実装機によれば、吸着部品位置検出装置は、撮像素子、レンズおよび撮像基準部を結ぶ第1光路の焦点位置を変更する第1屈折部材を備えている。そのため、吸着部品と異なる高さに配置される撮像基準部に対する第1光路の焦点位置を変更することができ、撮像基準部と吸着部品の両方に焦点を合わせることができる。また、第1屈折部材は、撮像素子、レンズおよび吸着部品を結ぶ第2光路の焦点位置よりも低位置に設けられているので、部品装着ヘッドを移動させながら撮像する際に、第1屈折部材と吸着部品とが干渉しない。そのため、第1屈折部材と吸着部品との干渉を回避する機構を設ける必要が無く、吸着部品位置検出装置を小型化することができる。さらに、第1屈折部材は、部品実装機の基台側に設けられているので、部品装着ヘッド側に第1屈折部材を設ける場合と比べて、部品装着ヘッドの構成を簡素にすることができ、部品装着ヘッドを軽量化することができる。
【0017】
請求項2に記載の部品実装機によれば、吸着部品位置検出装置は、第2光路の焦点位置を変更する第2屈折部材を備えるので、吸着部品の高さに合わせて、第2光路の焦点位置を変更することができる。また、第2屈折部材は、第2光路の焦点位置よりも低位置且つ基台側に設けられているので、第1屈折部材において既述の効果と同様の効果を得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の部品実装機によれば、吸着ノズルが回動する円周の直径が異なる複数の部品装着ヘッドの吸着部品の高さに合わせて、複数の第2屈折部材が同心円状に配置されている。そのため、各部品装着ヘッドの吸着部品の高さに合わせて、第2光路の焦点位置をそれぞれ設定することができ、部品装着ヘッドを交換する度に第2屈折部材を交換する必要がなく、作業工数の低減を図ることができる。
【0019】
請求項4に記載の部品実装機によれば、第1屈折部材は、撮像基準部および吸着部品に光を照射する光源よりも撮像部側に設けられている。そのため、光源から照射された光が、直接第1屈折部材に導光されて第1屈折部材で反射することを防止できる。したがって、反射光によって、撮像基準部および吸着部品の撮像に悪影響を与えることが防止される。
【0020】
請求項5に記載の部品実装機によれば、前記撮像部は、光源から照射され撮像基準部および吸着部品で反射した反射光のうち、主として部品実装機の高さ方向と平行な光が撮像素子に達するように絞りが設定されている。そのため、撮像基準部および吸着部品の撮像画像におけるゴーストの発生を抑えることができ、撮像基準部および吸着部品の位置認識時の誤認識を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】部品実装機の一例を示す斜視図である。
図2】吸着部品位置検出装置の一例を模式的に示す構成図である。
図3】第1屈折部材の有無による光路長の変化を説明する説明図である。
図4】3つの第2屈折部材が同心円状に配置されている状態を示す平面図である。
図5】反射光の透過と撮像部の絞りとの関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。各図は概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
【0023】
(1)部品実装機
図1は、部品実装機の一例を示す斜視図である。同図では、基板の搬送方向を横方向(矢印X方向)とし、水平面内で横方向(矢印X方向)に直交する方向を縦方向(矢印Y方向)とする。また、水平面の法線方向を高さ方向(矢印Z方向)とする。部品実装機1は、基板搬送装置3、部品供給装置4、部品移載装置5、吸着部品位置検出装置6および制御装置7を有しており、これらは基台8に組み付けられている。なお、基台8は、システムベース2に対して縦方向(矢印Y方向)に移動可能に装架されている。
【0024】
基板搬送装置3は、基板を実装位置に搬入出する。基板搬送装置3は、部品実装機1の縦方向(矢印Y方向)の中央付近に配設されており、第1搬送装置31および第2搬送装置32が並設された、いわゆるダブルコンベアタイプの搬送装置である。第1搬送装置31は、基台8上に横方向(矢印X方向)と平行に並設される一対のガイドレールと、一対のガイドレールに案内され基板を載置して搬送する一対のコンベアベルトと、を有している。また、第1搬送装置31には、実装位置まで搬送された基板を基台8側から押し上げて位置決めする図示しないクランプ装置が設けられている。第2搬送装置32は、第1搬送装置31と同様の構成を有している。
【0025】
部品供給装置4は、部品実装機1の縦方向(矢印Y方向)の前部(同図の紙面左方向側)に設けられており、カセット式の複数のフィーダ41がフィーダホルダに着脱可能に取り付けられている。フィーダ41は、フィーダ本体42と、フィーダ本体42に回転可能かつ着脱可能に装着された供給リール43と、フィーダ本体42の先端側(部品実装機1の中央寄り)に設けられた部品供給部44と、を備えている。供給リール43は部品を供給する媒体であり、所定個数の部品を一定の間隔で保持した図示しないキャリアテープが巻回されている。キャリアテープの先端が部品供給部44まで引き出されて、キャリアテープごとに異なる部品が供給される。フィーダ41は、例えば、チップ部品などの比較的小型の部品を供給することができる。
【0026】
部品移載装置5は、部品供給装置4から部品を吸着して、実装位置に搬入された基板上に部品を実装する。部品移載装置5は、横方向(矢印X方向)および縦方向(矢印Y方向)に移動可能ないわゆるXYロボットタイプの移載装置である。部品移載装置5は、部品実装機1の縦方向(矢印Y方向)の後部(同図の紙面右方向奥側)から前部(同図の紙面左方向手前側)の部品供給装置4の上方にかけて配設されている。部品移載装置5は、ヘッド駆動機構51および部品装着ヘッド52を有している。
【0027】
ヘッド駆動機構51は、部品装着ヘッド52を横方向(矢印X方向)および縦方向(矢印Y方向)に駆動することができる。部品装着ヘッド52は、複数の吸着ノズル53を有しており、吸着ノズル53の先端部でそれぞれ部品を吸着して、実装位置に搬入された基板上に部品を実装する。なお、第1搬送装置31および第2搬送装置32で交互に基板を搬入および搬出して、部品移載装置5で交互に部品の実装を行うことができる。
【0028】
部品供給装置4と基板搬送装置3の間の基台8上には、部品の保持位置を検出する吸着部品位置検出装置6が設けられている。吸着部品位置検出装置6は、吸着ノズル53に吸着された部品(以下、吸着部品PAという。)の位置ずれ及び角度ずれを検出することができる。位置ずれ及び角度ずれの検出結果は、吸着部品PAの実装位置を補正する際に用いる。吸着部品位置検出装置6の詳細は後述する。
【0029】
部品実装機1は、カバー前側上部に配設される制御装置7によって制御することができる。制御装置7は、図示しないCPUおよびメモリを有しており、メモリに記憶されている部品装着プログラムを実行することによって、部品実装機1を駆動することができる。つまり、制御装置7は、部品装着プログラムに基づいて、基板搬送装置3、部品供給装置4、部品移載装置5および吸着部品位置検出装置6を駆動して、基板に部品を実装する。
【0030】
まず、ヘッド駆動機構51が駆動して、部品装着ヘッド52が部品供給装置4に移動する。そして、複数の吸着ノズル53が部品をそれぞれ吸着する。すべての吸着ノズル53に部品が吸着されると、ヘッド駆動機構51が駆動して部品装着ヘッド52が移動する。部品装着ヘッド52が吸着部品位置検出装置6上に到達すると、後述する撮像基準部5Mと吸着部品PAとが同時に撮像される。その後、部品装着ヘッド52は、所定位置に位置決めされた基板上に移動する。このとき、部品装着ヘッド52は、吸着部品位置検出装置6によって検出された位置ずれ及び角度ずれに基づいて、移動位置が補正される。そして、部品装着ヘッド52は、基板に部品を実装し、最後に部品供給装置4に戻る。部品実装機1は、この一連の動作を繰り返すことにより、基板に複数の部品を実装することができる。
【0031】
(2)吸着部品位置検出装置
吸着部品位置検出装置6は、部品装着ヘッド52に設けられる撮像基準部5Mと吸着ノズル53に吸着される吸着部品PAとを同時に撮像して撮像基準部5Mに対する吸着部品PAの位置を検出する。図2は、吸着部品位置検出装置の一例を模式的に示す構成図である。同図では、部品装着ヘッド52は、吸着ノズル53が回動する円周の直径が異なる2つの部品装着ヘッド52a、52dとして併記されている。また、部品装着ヘッド52aの吸着ノズル53を吸着ノズル531とし、吸着ノズル531に吸着される吸着部品PAを吸着部品PA1とする。同様に、部品装着ヘッド52dの吸着ノズル53を吸着ノズル534とし、吸着ノズル534に吸着される吸着部品PAを吸着部品PA2とする。なお、本明細書では、吸着部品PA1、PA2を特定しない場合をはじめ、適宜、吸着部品PAとして説明する。
【0032】
撮像基準部5Mは、光源64から照射された光を反射する反射部材であり、複数個(例えば4個)の撮像基準部5Mが横方向(矢印X方向)および縦方向(矢印Y方向)に所定間隔離間して配置されている。図2に示すように、撮像基準部5Mは、部品装着ヘッド52a、52dの外周側、かつ、吸着部品PA1、PA2と比べて高さ方向(矢印Z方向)の上方に設けられている。これにより、部品装着ヘッド52a、52dが基板上を移動する際に、既に実装されている他の部品と撮像基準部5Mとが干渉することを防止できる。吸着部品位置検出装置6は、撮像部61、第1屈折部材62、第2屈折部材63、光源64および画像処理部65を備えている。なお、画像処理部65は、制御装置7に設けることもできる。
【0033】
(撮像部61)
撮像部61は、図1に示す部品実装機1の基台8側(図2に示す矢印Z1方向側)に設けられている。撮像部61は、例えば、公知のCCDカメラやCMOSカメラを用いることができ、撮像部61は、撮像素子611、レンズ612および絞り613を有している。CCDカメラの場合は、撮像素子611は電荷結合素子(CCD)であり、CMOSカメラの場合は、撮像素子611は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)である。
【0034】
撮像素子611は、二次元イメージセンサであり、平面状に配置された複数の受光素子から構成されている。これにより、撮像部61は、二次元的な視野をもつ。したがって、撮像部61は、撮像基準部5Mと、回動する複数の吸着ノズル531にそれぞれ吸着保持される吸着部品PA1と、を同一視野で捉えることができ、撮像基準部5Mと吸着部品PA1とを同時に撮像することができる。なお、これらのことは、吸着部品PA1に限られず、他の吸着部品PAに対しても同様である。
【0035】
レンズ612は、公知の集光用レンズを用いることができ、凸レンズおよび凹レンズを複数組み合わせて、光学系を構成することもできる。例えば、レンズ612は、球面収差を低減した非球面レンズや光の分散を少なくして色収差を低減した低分散レンズを用いることもできる。なお、レンズ612の焦点が吸着部品PA1に合うように、レンズ612の焦点距離が設定されている。また、吸着部品PA1は、吸着部品PAのうち、高さ方向(矢印Z方向)の位置(高さ)が最も低位置であるものとする。
【0036】
(第1屈折部材62)
第1屈折部材62は、第1光路OP1の焦点位置FP1を変更する屈折部材であり、例えば、円柱状の光学ガラスを用いることができる。第1屈折部材62は、第1光路OP1の焦点位置FP1を変更することができれば良く、ガラス以外にもプラスチック、蛍石、非球面レンズをはじめとした種々のレンズ等を用いることができる。
【0037】
第1光路OP1とは、撮像素子611、レンズ612および撮像基準部5Mを結ぶ光路をいう。図2に示すように、光源64から撮像基準部5Mに光が照射されると(矢印L10)、撮像基準部5Mで反射した反射光は、第1屈折部材62およびレンズ612を透過して、撮像素子611に達する。同図では、第1光路OP1を矢印L11〜L13で模式的に示している。また、第1光路OP1の焦点のうち撮像基準部5M側の焦点位置を第1光路OP1の焦点位置FP1とし、撮像素子611側の焦点位置を焦点位置FP0とする。吸着部品位置検出装置6において、焦点位置FP0を高さ方向(矢印Z方向)の基準位置とする。
【0038】
第1屈折部材62は、第2光路OP2の焦点位置FP2よりも低位置且つ基台8側(矢印Z1方向側)に設けられている。本実施形態では、第1屈折部材62は、レンズ612の外周側に載置されている。第2光路OP2とは、撮像素子611、レンズ612および吸着部品PA1を結ぶ光路をいう。同図に示すように、光源64から吸着部品PA1に光が照射されると(矢印L20)、吸着部品PA1で反射した反射光は、レンズ612を透過して、撮像素子611に達する。同図では、第2光路OP2を矢印L21、L22で模式的に示している。また、第2光路OP2の焦点のうち吸着部品PA1側の焦点位置を第2光路OP2の焦点位置FP2とする。なお、撮像素子611側の焦点位置は、焦点位置FP0と同じである。
【0039】
図3は、第1屈折部材62の有無による光路長OL11、OL12の変化を説明する説明図である。破線L41は、撮像基準部5Mとレンズ612との間に第1屈折部材62が配設されていない場合の光路を示し、実線L42は、撮像基準部5Mとレンズ612との間に第1屈折部材62が配設されている場合の光路を示している。なお、焦点位置FP0、FP1、FP2は、図2に示す焦点位置FP0、FP1、FP2に対応している。図3に示すように、第1屈折部材62により光が屈折するため、第1屈折部材62が配設されている場合の焦点FP1の位置は、第1屈折部材62が配設されていない場合の焦点FP2の位置に対して、矢印Z方向に移動することとなる。すなわち、実線L42で示す焦点位置FP0から焦点位置FP1までの光路(第1光路OP1に相当)の光路長OL12は、破線L41で示す焦点位置FP0から焦点位置FP2までの光路(第2光路OP2に相当)の光路長OL11と比べて長くなっている。このときの光路長の増加分Δtは、第1屈折部材62の屈折率n、第1屈折部材62の高さ方向(矢印Z方向)の厚みd(厚みT62に相当)を用いて、下記数1で表すことができる。
(数1)
Δt=d(1−1/n)
【0040】
第1屈折部材62が撮像基準部5Mとレンズ612との間に介在していることにより、第1屈折部材62が介在しない場合と比べて、第1光路OP1の光路長を長くすることができる。つまり、第1光路OP1の焦点位置FP1は、第2光路OP2の焦点位置FP2より高さ方向(矢印Z方向)の上方に設定される。そのため、吸着部品PA1と比べて高さ方向(矢印Z方向)の上方に設けられる撮像基準部5Mに対して、焦点を合わせることができる。よって、撮像基準部5Mと吸着部品PA1の両方に焦点を合わせて、撮像基準部5Mおよび吸着部品PA1を同一視野で同時に撮像することができる。
【0041】
本実施形態では、吸着部品位置検出装置6は、撮像素子611、レンズ612および撮像基準部5Mを結ぶ第1光路OP1の焦点位置FP1を変更する第1屈折部材62を備えている。そのため、吸着部品PA1と異なる高さに配置される撮像基準部5Mに対する第1光路OP1の焦点位置FP1を変更することができ、撮像基準部5Mと吸着部品PA1の両方に焦点を合わせることができる。
【0042】
また、第1屈折部材62は、撮像素子611、レンズ612および吸着部品PA1を結ぶ第2光路OP2の焦点位置FP2よりも低位置に設けられているので、部品装着ヘッド52aを図2に示す縦方向(矢印Y1方向)に移動させながら撮像する際に、第1屈折部材62と吸着部品PA1とが干渉しない。そのため、第1屈折部材62と吸着部品PA1との干渉を回避する機構を設ける必要が無く、吸着部品位置検出装置6を小型化することができる。なお、これらのことは、吸着部品PA1に限られず、他の吸着部品PAに対しても同様である。
【0043】
さらに、第1屈折部材62は、部品実装機1の基台8側(矢印Z1方向側)に設けられているので、部品装着ヘッド52a側に第1屈折部材62を設ける場合と比べて、部品装着ヘッド52aの構成を簡素にすることができ、部品装着ヘッド52aを軽量化することができる。
【0044】
(第2屈折部材63)
吸着部品位置検出装置6は、第2屈折部材63を備えることができる。第2屈折部材63は、第2光路OP2の焦点位置FP2を変更する屈折部材であり、第1屈折部材62と同様の材質で形成することができる。第2屈折部材63は、第2光路OP2の焦点位置FP2よりも低位置且つ基台8側(矢印Z1方向側)に設けることができる。本実施形態では、第2屈折部材63は、第1屈折部材62より内周側のレンズ612上に載置されている。図2に示すように、光源64から吸着部品PA2に光が照射されると(矢印L30)、吸着部品PA2で反射した反射光は、第2屈折部材63およびレンズ612を透過して、撮像素子611に達する。この場合の第2光路OP2を第2光路OP21とし、同図では、第2光路OP21を矢印L31〜L33で模式的に示している。
【0045】
同図に示すように、吸着部品PA2は、吸着部品PA1と比べて高さ方向(矢印Z方向)の上方に位置している。第2屈折部材63が吸着部品PA2とレンズ612との間に介在していることにより、第2屈折部材63が介在しない場合と比べて、第2光路OP2の光路長を長くすることができる。つまり、第2光路OP21の焦点位置FP21は、第2光路OP2の焦点位置FP2より高さ方向(矢印Z方向)の上方に設定される。そのため、吸着部品PA1と比べて高さ方向(矢印Z方向)の上方に位置する吸着部品PA2に対して、焦点を合わせることができる。よって、撮像基準部5Mと吸着部品PA2の両方に焦点を合わせて、撮像基準部5Mおよび吸着部品PA2を同一視野で同時に撮像することができる。なお、撮像基準部5Mは、いずれの吸着部品PAよりも高さ方向(矢印Z方向)の上方に設けられているので、第2屈折部材63の厚みT63は、第1屈折部材62の厚みT62と比べて、薄く設定されている。
【0046】
また、撮像基準部5Mで反射した反射光のうち第1屈折部材62を介さずに撮像素子611に達する光や、吸着部品PA2で反射した反射光のうち第2屈折部材63を介さずに撮像素子611に達する光などが存在し、これらの光によって撮像画像にゴーストが発生する。そこで、本実施形態の吸着部品位置検出装置6では、光源64から照射され撮像基準部5Mおよび吸着部品PAで反射した反射光のうち、主として部品実装機1の高さ方向(矢印Z1方向)と平行な光が撮像素子611に達するように、撮像部61の絞り613が設定されている。これにより、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAの撮像画像におけるゴーストの発生を抑えることができ、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAの位置認識時の誤認識を防止することができる。
【0047】
本実施形態では、吸着部品位置検出装置6は、第2光路OP2の焦点位置FP2を変更する第2屈折部材63を備えるので、吸着部品PA2の高さに合わせて、第2光路OP2の焦点位置FP2を変更することができる。また、第2屈折部材63は、第2光路OP2の焦点位置FP2よりも低位置且つ基台8側(矢印Z1方向側)に設けられているので、第1屈折部材62において既述の効果と同様の効果を得ることができる。
【0048】
本実施形態の部品装着ヘッド52は、複数の吸着ノズル53が軸線と同心の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドである。ロータリヘッドは、吸着部品PAの大きさによって、吸着ノズル53が回動する円周の直径が異なる。例えば、大型の吸着部品PAを実装するロータリヘッドは、小型の吸着部品PAを実装するロータリヘッドと比べて、吸着ノズル53が回動する円周の直径を大きくして吸着部品PA間の間隔を確保している。また、ロータリヘッドは、複数の吸着ノズル53を有しているので、吸着ノズル53に吸着される吸着部品PAの部品種が異なる場合がある。吸着部品PAの部品種が異なると、吸着部品PAの厚みも異なり、吸着部品PAの高さ方向(矢印Z方向)の位置(高さ)も異なる。
【0049】
このように、部品装着ヘッド52が異なると、吸着ノズル53が回動する円周の直径が異なり、吸着部品PAの高さも異なる。そのため、部品装着ヘッド52に応じて、第2光路OP2の焦点位置FP2を設定する必要がある。本実施形態では、吸着ノズル53が回動する円周の直径が異なる3つの部品装着ヘッド52b〜52dの吸着部品PAの高さに合わせて、3つの第2屈折部材63が高さ方向(矢印Z1方向)視において、同心円状に配置されている。
【0050】
図4は、3つの第2屈折部材が同心円状に配置されている状態を示す平面図である。同図では、最外周側に配置される第2屈折部材63を第2屈折部材631とし、第2屈折部材631の内周側に配置される第2屈折部材63を第2屈折部材632とし、第2屈折部材632の内周側に配置される第2屈折部材63を第2屈折部材633として、3つの第2屈折部材63を区別している。なお、第1屈折部材62および第2屈折部材631〜633は、レンズ612上に載置されており、撮像部61の視野を領域VF1で示す。
【0051】
部品装着ヘッド52a〜52dは、吸着ノズル53が回動する円周の直径が大きい順に、部品装着ヘッド52a、52b、52c、52dとする。また、部品装着ヘッド52a、52b、52c、52dは、この順に、吸着ノズル531、532、533、534を有するものとする。同図では、吸着ノズル531が回動する円周を円周541、吸着ノズル532が回動する円周を円周542、吸着ノズル533が回動する円周を円周543、吸着ノズル534が回動する円周を円周544で示している。なお、図2では、部品装着ヘッド52a、52dのみを記載し、部品装着ヘッド52b、52cの記載が省略されている。
【0052】
第2屈折部材631は、部品装着ヘッド52bの吸着部品PAの高さに合わせて、第2光路OP2の焦点位置FP2が設定されている。第2屈折部材632は、部品装着ヘッド52cの吸着部品PAの高さに合わせて、第2光路OP2の焦点位置FP2が設定されている。第2屈折部材633は、部品装着ヘッド52dの吸着部品PA2の高さに合わせて、第2光路OP2の焦点位置FP2が設定されている。なお、既述のとおり、部品装着ヘッド52aの吸着部品PA1の高さに合わせて、レンズ612の焦点距離が設定されており、部品装着ヘッド52aを用いる場合は、第2屈折部材63は不要である。
【0053】
本実施形態では、吸着ノズル53が回動する円周の直径が異なる3つの部品装着ヘッド52b〜52dの吸着部品PAの高さに合わせて、3つの第2屈折部材631〜633が同心円状に配置されている。そのため、各部品装着ヘッド52b〜52dの吸着部品PAの高さに合わせて、第2光路OP2の焦点位置FP2をそれぞれ設定することができ、部品装着ヘッド52を交換する度に第2屈折部材63を交換する必要がなく、作業工数の低減を図ることができる。
【0054】
(光源64)
光源64は、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAに光を照射することができる。光源64は、例えば、公知の発光ダイオード(LED)を用いることができ、照射する光の波長は限定されない。図2に示すように、部品装着ヘッド52が吸着部品位置検出装置6上に到達すると、制御装置7から撮像部61および光源64に撮像開始信号が出力される。撮像開始信号が出力されると、光源64は、撮像部61の露光時間の間、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAに光を照射する。そして、撮像部61は、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAを同時に撮像する。なお、部品装着ヘッド52が吸着部品位置検出装置6上で停止することなく縦方向(矢印Y1方向)に移動しながら、撮像部61は、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAを同時に撮像する。
【0055】
図5は、反射光の透過と撮像部61の絞り613との関係を説明する説明図である。実線L51は、撮像基準部5Mで反射した反射光のうち第1屈折部材62を介して撮像素子611に達する光の光路を示している。実線L51で示す光路は、撮像基準部5M側に焦点P11を有し、撮像素子611側に焦点P12を有している。また、破線L51aは、撮像基準部5Mで反射した反射光のうち第1屈折部材62を介さずに撮像素子611に達する光の光路を示している。破線L51aで示す光路は、撮像基準部5M側に焦点P11を有し、撮像素子611側に焦点P12aを有している。
【0056】
実線L52は、吸着部品PA1で反射した反射光のうち第1屈折部材62を介さずに撮像素子611に達する光の光路を示している。実線L52で示す光路は、吸着部品PA1側に焦点P21を有し、撮像素子611側に焦点P22を有している。また、破線L52aは、吸着部品PA1で反射した反射光のうち第1屈折部材62を介して撮像素子611に達する光の光路を示している。破線L52aで示す光路は、吸着部品PA1側に焦点P21を有し、撮像素子611側に焦点P22aを有している。
【0057】
破線L51aに示すように、撮像基準部5Mで反射した反射光のうち第1屈折部材62を介さずに撮像素子611に達する光が存在する。破線L51aで示す光路の焦点P12aの位置は、実線L51で示す光路と異なり、撮像素子611の撮像面からずれている。したがって、破線L51aで示す光路の反射光は、撮像素子611の撮像面上では焦点P12からずれた位置に導光され、撮像画像においてゴーストが発生する。また、破線L52aに示すように、吸着部品PA1で反射した反射光のうち第1屈折部材62を介して撮像素子611に達する光が存在する。破線L52aで示す光路の焦点P22aの位置は、実線L52で示す光路と異なり、撮像素子611の撮像面からずれている。したがって、破線L52aで示す光路の反射光は、撮像素子611の撮像面上では焦点P22からずれた位置に導光され、撮像画像においてゴーストが発生する。
【0058】
本実施形態では、撮像部61は、光源64から照射され撮像基準部5Mおよび吸着部品PA1で反射した反射光のうち、主として部品実装機1の高さ方向(矢印Z1方向)と平行な光が撮像素子611に達するように絞り613が設定されている。つまり、実線L51で示す光路と異なる破線L51aで示す光路の反射光や実線L52で示す光路と異なる破線L52aで示す光路の反射光は、絞り613によって遮られる。したがって、撮像基準部5Mおよび吸着部品PA1の撮像画像におけるゴーストの発生を抑えることができ、撮像基準部5Mおよび吸着部品PA1の位置認識時の誤認識を防止することができる。なお、同図では、説明の便宜上、記載を省略しているが、吸着部品PA2で反射した反射光のうち第2屈折部材63を介さずに撮像素子611に達する光に対しても同様な効果が得られる。また、撮像基準部5Mや吸着部品PA1で反射した反射光のうち第2屈折部材63を介して撮像素子611に達する光に対しても同様な効果が得られる。
【0059】
また、本実施形態では、第1屈折部材62および第2屈折部材63は、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAに光を照射する光源64よりも撮像部61側に設けられている。そのため、光源64から照射された光が、直接第1屈折部材62および第2屈折部材63に導光されて第1屈折部材62および第2屈折部材63で反射することを防止できる。したがって、これらの反射光によって、撮像基準部5Mおよび吸着部品PAの撮像に悪影響を与えることが防止される。
【0060】
(画像処理部65)
画像処理部65は、撮像部61によって撮像された撮像基準部5Mおよび吸着部品PAを画像処理して、撮像基準部5Mに対する吸着部品PAの位置を算出する。制御装置7のメモリには、予め撮像基準部5Mに対する各吸着部品PAの正規の保持位置が記憶されている。画像処理部65は、メモリに記憶されている撮像基準部5Mと撮像部61によって撮像された撮像基準部5Mとを一致させる。そして、画像処理部65は、各吸着部品PAについて、メモリに記憶されている正規の保持位置と、撮像部61によって撮像された保持位置とを比較して、各吸着部品PAの位置ずれ及び角度ずれを算出する。位置ずれ及び角度ずれの算出結果に基づいて、吸着部品PAの実装位置が補正される。
【0061】
(3)その他
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、実施形態では、3つの第2屈折部材63が同心円状に配置されているが、第2屈折部材63の数は3つに限定されず、吸着ノズル53が回動する円周の直径に合わせて、適宜配置することができる。
【0062】
また、第2屈折部材63の形状は、同心円に限定されるものではない。例えば、図4に示す吸着ノズル532〜534に相当する部分に円柱状の第2屈折部材63を点在させることもできる。なお、実施形態では、3つの第2屈折部材631〜633がレンズ612上に載置されているが、使用する部品装着ヘッド52に対応する第2屈折部材63を1つレンズ612上に載置することもできる。そして、部品装着ヘッド52の交換の際に、部品装着ヘッド52と併せて第2屈折部材63を交換しても良い。
【符号の説明】
【0063】
1:部品実装機、
52:部品装着ヘッド、
53:吸着ノズル、5M:撮像基準部、
6:吸着部品位置検出装置、
61:撮像部、611:撮像素子、612:レンズ、
62:第1屈折部材、
63:第2屈折部材、
64:光源、
OP1:第1光路、OP2:第2光路
図1
図2
図3
図4
図5