(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6009505
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】2パート・ハイブリッド接着剤
(51)【国際特許分類】
C09J 4/00 20060101AFI20161006BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20161006BHJP
C09J 175/00 20060101ALI20161006BHJP
C09J 179/02 20060101ALI20161006BHJP
C09J 11/08 20060101ALI20161006BHJP
C08G 18/38 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
C09J4/00
C09J11/06
C09J175/00
C09J179/02
C09J11/08
C08G18/38
【請求項の数】51
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-158698(P2014-158698)
(22)【出願日】2014年8月4日
(62)【分割の表示】特願2011-501929(P2011-501929)の分割
【原出願日】2009年3月20日
(65)【公開番号】特開2014-240493(P2014-240493A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2014年8月19日
(31)【優先権主張番号】12/058,023
(32)【優先日】2008年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ヨンシア
(72)【発明者】
【氏名】ポール、 チャールズ ダブリュー.
【審査官】
磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−034882(JP,A)
【文献】
特表平11−512123(JP,A)
【文献】
特表2005−507969(JP,A)
【文献】
特表2007−515547(JP,A)
【文献】
特開2004−149808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 4/00
C08G 18/38
C09J 11/06
C09J 11/08
C09J 175/00
C09J 179/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ボラン・アミン錯体、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分、およびポリイソシアネートを含む2パート重合性接着剤組成物であって、前記組成物がポリイソシアネートを60重量%以上で第2パート(B)中に含む、重合性接着剤組成物。
【請求項2】
有機ボレート・アミン錯体、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分、および重合性接着剤組成物全体に対して30重量%以上のポリイソシアネートを含む、重合性接着剤組成物。
【請求項3】
前記ポリイソシアネートは、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項4】
実質的にポリオールを含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項5】
40重量%を超える尿素を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート末端プレポリマーはアミンと反応してボランを遊離し、これはその後、ラジカル重合を開始する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項7】
アクリルモノマー/オリゴマーのラジカル重合を開始する、請求項6に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項8】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、脂肪族プレポリマーである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項9】
パート(A)およびパート(B)を含む2パート接着剤であって、パート(B)に対するパート(A)の比が4:1未満から1:4より大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項10】
前記ポリアミンが、1,3−プロパンジアミンを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項11】
さらに、粘着付与剤を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項12】
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール樹脂である、請求項11に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項13】
50重量%を超える尿素を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項14】
有機ボラン・アミン錯体成分、ポリアミン成分、およびフリーラジカル重合性成分を含む第1パート(A)、および
ポリイソシアネートを含む第2パート(B)
を含む2パート重合性接着剤組成物であって、ここで、
前記第1パート(A)が実質的にヒドロキシルアミンまたはニトリルオキシド系安定剤を含まず、
前記第2パート(B)に対する前記ポリイソシアネートの含有量は60重量%以上である、重合性接着剤組成物。
【請求項15】
前記ポリイソシアネートは、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーであることを特徴とする請求項14に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項16】
実質的にポリオールを含まないことを特徴とする請求項14または15に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項17】
40重量%を超える尿素を含むことを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項18】
前記イソシアネート末端プレポリマーはアミンと反応してボランを遊離し、これはその後、ラジカル重合を開始する、15〜17のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項19】
アクリルモノマー/オリゴマーのラジカル重合を開始する、請求項18に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項20】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、脂肪族プレポリマーである、請求項14〜19のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項21】
前記第1パート(A)が、少なくとも20重量%のフリーラジカル重合性成分を含む、請求項14〜20のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項22】
前記ポリアミンが、1,3−プロパンジアミンを含む、請求項14〜21のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項23】
さらに、粘着付与剤を含む、請求項14〜22のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項24】
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール樹脂である、請求項23に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項25】
さらに、50重量%を超える尿素を含む、請求項14〜24のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項26】
パート(A)が、2から60重量%のポリアミンおよび5から80重量%のフリーラジカル重合性成分を含み、かつ
パート(B)が、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーの60から100重量%および60重量%までのフリーラジカル重合性成分を含む、請求項14に記載の接着剤。
【請求項27】
前記イソシアネート末端プレポリマーはアミンと反応してボランを遊離し、これはその後、ラジカル重合を開始する、請求項26に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項28】
アクリルモノマー/オリゴマーのラジカル重合を開始する、請求項27に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項29】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、脂肪族プレポリマーである、請求項26〜28のいずれか1項に記載の接着剤。
【請求項30】
前記ポリアミンが、1,3−プロパンジアミンを含む、請求項26〜29のいずれか1項に記載の接着剤。
【請求項31】
さらに、粘着付与剤を含む、請求項26〜30のいずれか1項に記載の接着剤。
【請求項32】
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール樹脂である、請求項31に記載の接着剤。
【請求項33】
さらに、50重量%を超える尿素を含む、請求項26〜32のいずれか1項に記載の接着剤。
【請求項34】
有機ボラン・アミン錯体成分、ポリアミン成分、およびフリーラジカル重合性成分を含む第1パート(A)、および
ポリイソシアネートを含む第2パート(B)
を含む2パート重合性接着剤組成物であって、ここで前記第1パート(A)が実質的にヒドロキシルアミンまたはニトリルオキシド系安定剤を含まず、
パート(A)が、20から40重量%のポリアミン、30から60重量%のフリーラジカル重合性成分、および5から40重量%のポリマー増粘剤を含み、かつ
パート(B)が、60から80重量%のポリイソシアネート、15から45重量%のフリーラジカル重合性成分、および5から40重量%のポリマー増粘剤を含む、重合性接着剤組成物。
【請求項35】
前記ポリイソシアネートは、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーであることを特徴とする請求項34に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項36】
実質的にポリオールを含まないことを特徴とする請求項34または35に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項37】
40重量%を超える尿素を含むことを特徴とする請求項34〜36のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項38】
前記イソシアネート末端プレポリマーはアミンと反応してボランを遊離し、これはその後、ラジカル重合を開始する、請求項35〜37のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項39】
アクリルモノマー/オリゴマーのラジカル重合を開始する、請求項38に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項40】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、脂肪族プレポリマーである、請求項34〜39のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項41】
前記ポリマー増粘剤が、テルペンフェノール樹脂である、請求項34〜40のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項42】
前記ポリアミンが、1,3−プロパンジアミンを含む、請求項34〜41のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項43】
さらに、50重量%を超える尿素を含む、請求項34〜42のいずれか1項に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項44】
ボロンに対する窒素原子比が4未満である有機ボラン・アミン錯体およびポリアミン、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマー、ならびにフリーラジカル重合性成分を含み、実質的にポリオールを含まず、ただし、イソシアネート末端プレポリマーは60重量%以上の量で存在している、重合性接着剤組成物。
【請求項45】
有機ボラン・アミン錯体、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーを含む重合性接着剤組成物であって、前記組成物が50重量%を超える尿素を含み、実質的にポリオールを含まず、ただし、イソシアネート末端プレポリマーは60重量%以上の量で存在している、重合性接着剤組成物。
【請求項46】
有機ボラン・アミン錯体、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーを含む重合性接着剤組成物であって、ただし、イソシアネート末端プレポリマーは60重量%以上の量で存在している、重合性接着剤組成物。
【請求項47】
パート(A)およびパート(B)を含む2パート接着剤であって、パート(B)に対するパート(A)の比が4:1未満から1:4より大きい、請求項46に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項48】
前記組成物が60〜100重量%のポリイソシアネートを第2パート(B)中に含む、請求項47に記載の重合性接着剤組成物。
【請求項49】
ボロンに対する窒素原子比が4未満である有機ボラン・アミン錯体およびポリアミン、ポリイソシアネート成分、ならびにフリーラジカル重合性成分を含み、実質的にポリオールを含まず、ただし、ポリイソシアネート成分は60重量%以上の量で存在している、重合性接着剤組成物。
【請求項50】
有機ボラン・アミン錯体、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分、過剰量のイソシアネートをポリオールまたはポリアミンと反応させて形成されるイソシアネート末端プレポリマーを含む重合性接着剤組成物であって、ただし、イソシアネート末端プレポリマーは60重量%以上の量で存在しており、重合性接着剤組成物はパート(A)およびパート(B)を含む2パート形式であって、ただし、パート(B)に対するパート(A)の比が4:1未満から1:4より大きい、重合性接着剤組成物。
【請求項51】
有機ボラン・アミン錯体、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分およびポリイソシアネートを含む重合性接着剤組成物であって、ただし、重合性接着剤組成物はパート(A)およびパート(B)を含む2パート形式であって、ただし、パート(B)に対するパート(A)の比が4:1未満から1:4より大きく、パート(B)が60〜100重量%のポリイソシアネートを含む、重合性接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、重合性接着剤組成物、特に2パート・ハイブリッド接着剤に関し、ここでポリ尿素/ウレタンの逐次形成がアクリルモノマー/オリゴマーの付加重合と同時に起こる。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の簡単な説明)
様々な半構造および構造用途において、通常の木材および金属部品を置き換えるためにプラスチック材料の使用が増えており、接着剤にとって難しい結合の課題をもたらしている。プライマーおよび表面処理は適した接着力を与えるために利用されることが多いが、経費および結合方法の複雑度が増す。最近、有機ボラン開始剤をベースとする接着剤は、フリーラジカル的に硬化される接着剤組成物のプラスチックへの接着力を改善できることが見い出された(M.F.Sonnenscheinらの、Macromolecules、2004年、第37巻、7974−7978頁)。
【0003】
有機ボランは自然発火性であるので、それらは空気中での酸化分解を回避するために錯化されなければならない。典型的には、有機ボランはアミンと錯化される。錯化有機ボランが1パートで存在し、脱錯化剤が第2パートに存在する多くの2パート・システムが文献に記載された。しかしながら、これらのシステムは未だ低い貯蔵安定性または過度に速い反応が問題となっている。貯蔵安定性を増強する1つの方法は、有機ボランを含有するパートに非常に過剰のアミンを使って平衡を錯化物質の方に推進することである。4より大きく34までの窒素/ボロン比が提案された(Webbらの米国特許第6,740,716号B2公報)。そのような高い比は安定性を改善するにもかかわらず、フリーラジカル重合性の成分が有機ボランを含有するパートに存在する場合、早期フリーラジカル重合を回避するためにヒドロキシルアミンまたはニトリルオキシドのような標準的ではない安定剤を必要とする可能性がある(Jialanellaらの米国特許第2005/0004332号A1公報、およびProceedings of the 30th Annual Meeting of the Adhesive Society、2007年、147頁)。さらに、イソシアネートが脱錯化剤として使用された場合、特に高いアミン濃度でのアミンとの迅速な反応は接着剤を非常に高温にし、その反応を非常に速く進行させる可能性がある。反応が過度に高速であると、接着剤が基体と強い結合を形成するのに十分な時間が与えられない[Pociusの米国特許第6,093,778号公報(第13カラム、第52行)およびWebbらの米国特許第7,235,617号B2(第16欄、第4−47行)]。この問題を克服するために、高濃度(40%まで)の高熱容量フィラーが採用されてきた(Webbらの米国特許第7,235,617号公報)。しかしながら、高濃度のフィラーを使用すると貯蔵中に分離を引き起こし、接着剤の塗布が困難になりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、良好な安定性、未処理プラスチック基体への高い接着力、および通常の装置での良好な加工特性を有する2パート接着剤システムに対する要求が存在する。本発明はこの要求を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は接着剤組成物を志向しており、ここで、ポリ尿素/ウレタンの逐次形成がアクリルモノマー/オリゴマーの付加重合と同時に起きる。より具体的には、本発明は2パート・ハイブリッド接着剤を志向している。本発明の実施において、1パート(A)は有機ボラン−アミン錯体を含み、他のパート(B)はポリイソシアネート化合物を含む。前記2つのパートを組合せると、ポリイソシアネートはアミンと反応してボランを遊離し、これはその後、アクリルモノマー/オリゴマーのラジカル重合を開始する。
【0006】
本発明の1つの実施形態は、有機ボラン・アミン錯体、ポリアミン成分、ポリイソシアネート成分、フリーラジカル重合性成分を含む重合性接着剤組成物を志向しており、実質的にポリオールを含まない。同時に、この有機ボラン・アミン錯体およびポリアミン成分は、共に4未満のボロンに対する窒素の原子比を有する。
【0007】
本発明の他の実施形態は、有機ボラン・アミン錯体成分、ポリイソシアネート成分、ポリアミン成分、フリーラジカル重合性成分を含む重合性接着剤組成物を志向しており、実質的にポリオールを含まない。この実施形態では、形成されたポリウレタン/尿素は、全組成物の40重量%を超え、好ましくは50重量%を超える。
【0008】
本発明の他の実施形態は、有機ボラン・アミン錯体成分、ポリイソシアネート成分、ポリアミン成分、およびフリーラジカル重合性成分を含む重合性接着剤組成物を志向しており、ここで、このポリイソシアネートはパート(B)の40重量%を超え、好ましくは50重量%を超える。
【0009】
本発明の他の実施形態は、有機ボラン・アミン錯体成分、ポリイソシアネート成分、ポリアミン成分、およびフリーラジカル重合性成分を含む重合性接着剤組成物を志向しており、ここで、このポリイソシアネートはイソシアネート末端のプレポリマーである。
【0010】
本発明は、
有機ボラン・アミン錯体成分、ポリアミン成分、ならびにオレフィン不飽和を有するモノマー、オリゴマー、またはポリマーおよびこれらの混合物からなる群より選択されるフリーラジカル重合性成分を含む第1パート(A);および
ポリイソシアネート成分を含む第2パート(B)を含む、2パート重合性接着剤組成物を提供する。この実施形態の1つの態様では、第1パート(A)は、実質的にヒドロキシルアミンまたはニトリルオキシド系安定剤を含まない。
【0011】
1つの好ましい実施形態では、前記第1パート(A)は、第1パート(A)の重量を基準として約2から80重量%の前記ポリアミン成分および5から80重量%の前記フリーラジカル重合性成分を含み、前記第2パート(B)は、第2パート(B)の重量を基準として約30から100重量%の前記ポリイソシアネート成分および約60重量%までの前記フリーラジカル重合性成分を含む。
【0012】
他の好ましい実施形態では、前記第1パート(A)は、第1パート(A)の重量を基準として約20から40重量%の前記ポリアミン成分、および30から60重量%の前記フリーラジカル重合性成分および少なくとも5重量%のポリマー増粘剤を含み、前記第2パート(B)は、第2パート(B)の重量を基準として約50から80重量%の前記ポリイソシアネート成分、15から45重量%の前記フリーラジカル重合性成分を含む。
【0013】
また、本発明の接着剤は、任意に、粘着付与剤、フィラー、ポリマー増粘剤、イソシアネートと活性水素との反応のための触媒、例えば、Air Products社から入手できる錫触媒、および他の所望する添加物を含んでいてもよい。
【0014】
本発明の他の実施形態は、上記2パート接着剤組成物を第1の基体に塗布するステップ、第2の基体を前記第1の基体に塗布された組成物と接触させるステップ、および前記組成物を硬化/重合させるステップを含む、材料を共に結合するための方法を志向している。様々な有用な物品、特にプラスチック基体の結合を必要とする物品の製造、または最終用途において基体を共に結合する方法が含まれている。
【0015】
本発明のさらに他の実施形態は、製造品、特にプラスチック基体を含む物品を志向しており、それらは硬化/重合された本発明の接着剤を含む。本発明の接着剤は、自動車ランプの結合、窓および扉の建設、ならびに事務所の仕切りとして使用されるようなものおよびRV車の組立のような構造パネルの積層での使用に特によく適合している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本明細書で引用されたすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
前記接着剤のパート(A)は有機ボラン・アミン錯体を含む。この錯体は、前記接着剤組成物のパート(A)の混合の間にイン−サイチュで形成されてもよく、または工程の容易さから別のステップで形成されるのが好ましい。この錯体の構造は反応性を変えるために変化させることができる。有機ボラン・アミン錯体の製造のための手順および様々な錯体の安定性は、M.F.SonnenscheinらのMacromolecules、2006年、第39巻、2507−2513頁、および米国第6,710,145号B2に記載されている。モノアミンは使用されうるが、ポリイソシアネートとの反応でより強いネットワークを生成するためにポリアミンが好ましい。モノアミンは連鎖停止剤として作用すると考えられる。最も好ましいのは、過剰の1,3−ジアミノプロパン中の溶液としてBASFから入手できるトリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパンである。この形態では、この材料は非自然発火性であり、接着剤配合物に簡単に添加される。
【0018】
また、前記接着剤のパート(A)は、ポリアミン成分を含むことができる。ボランはアミンと1:1錯体を形成する。錯体を形成するために化学量論のレベルを越えた追加的なアミンは、パート(A)での早期のフリーラジカル重合を回避するため、および接着剤の適した貯蔵安定性のために必要とされる。この追加的なアミンの少なくとも大部分は、さらにすべてはポリアミンであることがより好ましい。ポリウレタン/尿素ネットワークの靱性を最大にするために、このポリアミンの一部はより高い分子量であることが望ましく、約150ダルトン(Da)より高く、10,000ダルトンより低いのが好ましい。ポリアミンは、1つより多いイソシアネート反応性アミン基を有する分子である。このポリマーは、末端基としてまたは側鎖上に存在するアミンを有することができる。第1級または第2級アミンが使用されてもよい。第1級基は、最高反応速度および安定性のためには好ましい。しかしながら、第2級アミンは、より柔軟な接着剤が所望される場合の接着剤組成物に対して好ましい。同様な理由で、アミン末端を有する2官能性ポリマーは好ましい。最も好ましのは、テレケリックポリエーテル、好ましくはポリプロピレングリコールジアミン、例えば、Huntsman社から入手できるJeffamine D−230およびJeffamine XTJ−510である。有機ボラン基に対するアミン基の当量比は、良好な安定性のためには1:1より高くなければならないが、接着力が劣ることになる非常に迅速な反応を回避するため、その比はあまり高過ぎないことが好ましい。すなわち、有機ボラン由来のボロンに対するアミン由来の窒素の原子比は、好ましくは10未満、より好ましくは4未満である。
【0019】
少なくとも1種のフリーラジカル重合性成分(FRPC)は、パート(A)またはパート(B)、もしくはパート(A)および(B)の両方に存在することができる。本発明のフリーラジカル重合性成分としては、フリーラジカル付加重合によって重合することができるオレフィン不飽和を含む任意のモノマー、オリゴマー、ポリマーまたはこれらの混合物を挙げることができる。そのような化合物は当業者に公知である。詳細な説明がWebbの米国特許第7,235,617号B2公報、第10欄、第64行に与えられており、参照により本明細書に組み込まれる。スチレン系、ビニル、アクリルおよびメタクリルモノマーが適している。これらとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエステル、例えば、ビニルネオデカノエートおよびビニルアセテート、アクリルおよびメタクリルモノマー、例えば、アクリル酸およびメチルメタクリレートが挙げられる。フリーラジカル重合性成分は、パート(A)および/またはパート(B)にそのパートの組成物の2−80%添加される。好ましい濃度は、パート(A)の30−60%およびパート(B)の15−45%である。これらの材料は、遊離有機ボランによって開始される付加重合ネットワークを形成する。様々なモノマーが有用であり、その選択は最終の所望する接着剤特性および結合される基体によって決まりうる。また、選択されたモノマーは、ポリイソシアネートさらにはフリーラジカルと反応性であってもよい。例えば、それらはチオール、アミン、またはヒドロキシル官能基を含んでいてもよい。これらのモノマーは、付加重合ネットワークをポリウレタン/尿素ネットワークと結合させる働きをする。オリゴマーのアクリレートおよびメタクリレートとしては、Sartomer Chemical社から入手できるポリウレタンアクリレートおよびビスフェノール−A系アクリレート、さらには通常の架橋剤、例えば、Sartomer社からまた入手できるヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。好ましいモノマーとしては、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロへキシルアクリレート、ヒドロキシルプロピルメタクリレート、およびヒドロキシルエチルメタクリレートが挙げられる。最も好ましいのは、メチルメタクリレートとヒドロキシルメチルメタクリレートとのブレンドであり、ここで当量のヒドロキシル基は、イソシアネート基の少なくとも15%を反応させるのに十分であり、より好ましくは、このヒドロキシル基はイソシアネート基の35%より多くを消費する。
【0020】
パート(A)は、任意に最終のポリウレタン/尿素ネットワークの一部になることができる他のイソシアネート反応性材料を含んでいてもよい。例としては、ポリチオール、例えば、Chevron−Phillips社から入手できるもの、ポリオール、例えば、Arch社から入手できるもの、ポリアミドポリオール、例えば、商品名PapolでArizona Chemical社から入手できるもの、およびポリエステルポリオール、例えば、Bayer社から入手できるものが挙げられる。また、反応性基、例えば、アミノ−アルコールまたはチオール−アミンの組合せを有する材料は有用である。
【0021】
本発明の実施で有用なポリオールとしては、ポリヒドロキシエーテル(置換または未置換ポリアルキレンエーテルグリコールまたはポリヒドロキシポリアルキレンエーテル)、ポリオールおよびグリセロールのモノ置換エステルのエチレンまたはプロピレンオキシド付加物、ポリアミドポリオール、無定形および液状ポリエステル、ひまし油および異なった分子量および官能基の植物油、他の脂肪族ポリオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソブチレンジオール、さらにはこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
ポリエーテルポリオールの例としては、ヒドロキシル基を有する直鎖および/または分岐鎖ポリエーテルが挙げられ、実質的にヒドロキシル基以外の官能基は含まない。ポリエーテルポリオールの例としては、ポリオキシアルキレンポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどを挙げることができる。さらに、また、ポリオキシアルキレンポリオールのホモポリマーおよびコポリマーは採用されてもよい。特に好ましいポリオキシアルキレンポリオールのコポリマーとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2−エチルヘキサンジオール−1,3、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミンおよびエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物と;エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種の化合物との付加物を挙げることができる。
【0023】
多くの適したポリオールは市販品が入手可能である。非限定的な例としては、ポリエーテル、例えば、ARCOL PPG2025(Bayer)、PolyG 20−56(Arch)およびPolyG 30−42(Arch)、ポリアミドポリオール、例えば、PAPOLポリオール(Arizona Chemical)、無定形または液状ポリエステル、例えば、Dynacoll
7230(Degussa)およびStepanpol PD−56(Stepan)、およびポリブタジエン、例えば、PolyBD R−45HTLO(Sartomer)が挙げられる。また、「ポリマーポリオール」、すなわち、イン・サイチューで重合された、ビニルモノマーを一部含有するグラフトポリオール、例えば、Niax 34−28(Union Carbide)は適している。追加のポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオールおよびポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0024】
脂肪族ポリオールの例としては、ひまし油、不飽和またはポリ不飽和天然油のヒドロキシル化生成物、不飽和またはポリ不飽和ポリヒドロキシル天然油の水素化生成物、アルキルヒドロキシル脂肪酸のポリヒドロキシルエステル、重合天然油、大豆ポリオール、および脂肪酸のアルキルヒドロキシル化アミドを挙げることができる。
【0025】
また、粘着付与剤は、任意に本発明の実施に使用されてもよい。粘着付与剤は、パート(A)もしくはパート(B)のいずれかに存在してもよく、またはパート(A)および(B)の両方に存在してもよい。使用される粘着付与剤は、それが使用されるパート中の成分と非反応性のものである。この粘着付与剤成分は、通常約0重量%から約50重量%、より好ましくは10重量%から約40重量%の量で存在することができる。様々な従来の粘着付与剤は、本発明の実施で使用されてもよく、C.W.Paulによる「ホットメルト接着剤」(Hot Melt Adhisives)に記載されている(Adhesion Science and Engineering−2,Surfaces,Chemistry and Applications,M.Chaudhury and S.V.Pocius,eds.,Elsevier,New York,2002,p.711)。これらは、天然および合成樹脂を含む。天然樹脂としては、ロジン、ロジンエステル、およびポリテルペンが挙げられる。合成樹脂としては、C5環状および非環式樹脂、芳香族樹脂、C9樹脂、純粋のモノマー樹脂、例えば、α-メチルスチレンをベースとするもの、および上記モノマーの相互および/またはフェノールとのコポリマー樹脂が挙げられる。1つの型のまたは好ましい粘着付与剤は、テルペンフェノール樹脂、例えば、Arizona Chemical社から入手できるものである。
【0026】
また、フィラーおよびポリマー増粘剤は、任意に本発明の組成物に添加されてもよい。
【0027】
フィラーは、任意にパート(A)またはパート(B)に添加されてもよい。低い濃度の極端に微細なフィラーは、沈降の可能性を最少にするために望ましい。通常のフィラー、例えば、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、およびシリカは0から5%で添加されてもよい。好ましいのは、塗布された接着剤ビードの垂れを制御するために提供されたヒュームドシリカである。
【0028】
粘度を制御するために様々なポリマーが有用である。これらとしては、ポリアクリレート、例えば、Ineos社から入手できる主にメチルメタクリレートおよびブチルメタクリレートをベースとするもの、およびKraton社およびFirestone社から入手できるスチレン系ブロックコポリマー、およびクロロスルホン化ポリエチレンが挙げられる。前記接着剤組成物に溶解でき、硬化したとき硬質相を再形成する熱可塑性エラストマーは特に好ましい。ポリマー増粘剤は、パート(A)、パート(B)またはパート(A)および(B)の両方に添加されてもよい。
【0029】
パート(B)は、ポリイソシアネートを好ましくは30−100%、より好ましくは40%を超えて、最も好ましくは50%より多く含む。このポリイソシアネートはボラン−アミン錯体に対する脱錯化剤として作用し、すなわち、フリーラジカル重合性成分の重合を開始するボランを遊離する。芳香族および脂肪族イソシアネートを含む様々なポリイソシアネートは使用されてもよい。有用なポリイソシアネートの例は、Devinyの米国特許第5,872,197号公報、第4欄、第57行から第5欄、第58行に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。任意の適した2つ以上のイソシアネート基を含む化合物は本発明の実施で使用されてもよい。本発明を実施するために使用されてもよい有機ポリイソシアネートとしては、アルキレンジイソシアネート、シクロアルキレンジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートおよび脂肪族−芳香族ジイソシアネートが挙げられる。適したイソシアネート含有化合物の具体例としては、エチレンジイソシアネート、エチリデンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキシレン1,2−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、アゾベンゼン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ジクロロヘキサ−メチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、1−クロロベンゼン−2,4−ジイソシアネート、4,4’,4’’−トリイソシアナトトリフェニルメタン、1,3,5−トリイソシアナト−ベンゼン、2,4,6−トリイソシアナト−トルエン、4,4’−ジメチルジフェニル−メタン−2,2’,5,5−テトラテトライソシアネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。そのような化合物は市販品が入手可能である一方、そのような化合物を合成するための方法は当該技術分野において周知である。好ましいイソシアネート含有化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化MDI(HMDI)、メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)およびポリ−MDI(2つより多い官能基を有する)である。
【0030】
1つの好ましい成分は、過剰量のイソシアネート、例えば上にリストされたようなものをポリオールまたはポリアミン、例えば、上記のようなものと反応させることによって形成されるイソシアネート末端のプレポリマーである。好ましくは、イソシアネート基の濃度は全プレポリマーの20%未満の濃度に低下される。最も好ましいのは、Vertellus社から入手できるVorite 689、4,4’メチレンジイソシアネートとひまし油のプレポリマーである。
【0031】
また、パート(B)は、任意に60%まで、より好ましくは15−45%の上記のようなフリーラジカル重合性成分を含む。しかしながら、これらの成分は、イソシアネート反応性基を含むべきではない。最も好ましいのはメチルメタクリレートである。
【0032】
また、パート(B)は、任意にパート(A)に対して記載されたものと類似の量および型でフィラーおよびポリマーを含んでいてもよい。同様に、どのようなイソシアネート反応性基も回避されなければならない。
【0033】
ハイブリッド接着剤は、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも
50重量%の尿素を含んでいる。パーセントの尿素は最終生成物中の尿素/ウレタン相の重量%を意味する。これは通常、イソシアネートおよびアミン(存在するあらゆる他のイソシアネート反応性化合物)の重量を足して、この合計量を成分の全重量で割ることによって決定されうる。
【0034】
パート(A)およびパート(B)を簡単に完全混合するために、それらは類似の粘度を有し、2つのパートの比がほぼ等しいことが好ましい。好ましくはパート(B)の成分に対するパート(A)の成分の比が、4:1未満から1:4より大きく、より好ましくは2:1から1:2であり、さらにより好ましくは1:1である。
【実施例】
【0035】
本発明は、さらに、下記の非限定的な実施例によって説明される。
【0036】
実施例1
パート(A)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、25部のJeffamine XTJ−510および21部のSylvares TP 2019粘着付与剤(数平均分子量:575、水酸価:60−80)を充填する。容器を粘着付与剤が溶融するまで加熱する。容器を室温まで冷却する。2部のJeffamine D−230、12部のヒドロキシルエチルメタクリレート、31部のメチルメタクリレート、3部のレオロジー改質剤のCab−o−sil TS720、および6部のトリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体を混合する。また0.02部の8−ヒドロキシキノリンも含めた。
【0037】
パート(B)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、60部のVorite 689、30部のメチルメタクリレートモノマー、および10部のメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート・コポリマーを充填する。また0.02部の錫触媒(Metacure T−12)も含めた。均一になるまで混合する。
【0038】
実施例2
パート(A)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、30部のJeffamine D−2000、20部のメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート・コポリマー、29部のメチルメタクリレート、17部のヒドロキシルエチルメタクリレート、および4部のトリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体を充填する。均一になるまで混合する。
【0039】
パート(B)の製造:
実施例1と同様である。
【0040】
実施例3
パート(A)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、30部のJeffamine XT J−510、23部のメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート・コポリマー、30部のメチルメタクリレート、10部のヒドロキシルエチルメタクリレート、1部のJeffamine T−403、および6部のトリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体を充填する。また0.02部の8−ヒドロキシキノリンも含めた。均一になるまで混合する。
【0041】
パート(B)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、50部のVorite 689、40部のメチルメタクリレート、および10部のメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート・コポリマーを充填する。また0.02部の錫触媒(Metacure T−12)も含めた。均一になるまで混合する。
【0042】
実施例4
パート(A)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、30部のJeffamine XTJ−510、23部のメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート・コポリマー、28部のメチルメタクリレート、15部のヒドロキシルエチルメタクリレート、1部のJeffamine T−403、および3部のトリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体を充填する。また0.02部の8−ヒドロキシキノリンも含めた。均一になるまで混合する。
【0043】
パート(B)の製造:
撹拌パドルを取り付けた清浄な容器に、50部のVorite 689、30部のメチルメタクリレート、および20部のメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート・コポリマーを充填する。また0.02部の錫触媒(Metacure T−12)も含めた。均一になるまで混合する。
【0044】
実施例5
実施例1−4の接着剤の性能を引張り剪断結合によって試験した。試験に用いた基体は、30ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する、20%のタルクが充填されたポリプロピレンであった。1インチと4インチのポリプロピレンストリップを使って結合を作製した。接着剤組成物のパート(A)およびパート(B)を1:1の容積比で、スタティック・ミキシング・ガンにより混合し、1片の基体上に塗布した。第2の基体片を第1の基体上に重なり合う接着剤領域が1平方インチで対にした。接着剤の厚さは、約0.025インチであった。硬化後、インストロン機械を使い、室温、クロスヘッド速度0.5インチ/分で結合を試験した。結果を表1に示す。結合強度に対する表1に表記した実際の数値は、基体の破損が起こったときに計測したものである。
【0045】
【表1】