(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長さ方向および幅方向に同時に調整できる次元調整可能な車両であって、前記車両を次元調整するために、旋回運動を生じさせる複数の旋回プレートに始動力を付加すると、1対の非旋回プレート間のスペースが変化するように構成された前記旋回プレートおよび前記非旋回プレートのプラットフォームを備え、
前記旋回プレートのうちの少なくとも1つは、側方方向および長手方向の両方に旋回し、中央区間内のプレートと、前方区間または後方区間内のプレートとに旋回連結している、共同旋回プレートであることを特徴とする、次元調整可能な車両。
前記プラットフォームの1区間は、1対の側方方向に隣接した側方方向旋回プレートを備え、前記プレートは、1対の非旋回プレートの間に挟まれており、これにより、前記側方方向旋回プレートのぞれぞれの側方側部が、隣接する非旋回プレートの側方側部に旋回連結され、前記1対の側方方向に隣接した側方方向旋回プレートの少なくとも一方に始動力を付加すると、車両の側方次元が調整される、請求項1に記載の車両。
前記突出プレートは、前記前方または後方区間における、側方方向に隣接した突出プレートと、側方方向旋回プレートの長手側部とに旋回連結している、請求項3に記載の車両。
第1の長手方向に拡張可能なプレートは、前記前方区間内の非旋回プレートに連結し、第2の長手方向に拡張可能なプレートは、前記後方区間内の非旋回プレートに連結し、第3の長手方向に拡張可能なプレートは、前記第1および第2の長手方向に拡張可能なプレートの間に挟まれ、入れ子式に連結している、請求項6に記載の車両。
前記中央区間は、2対の側方方向旋回プレートを備え、側方方向に隣接した前記中央区間内の2枚の側方方向旋回プレートに対して始動力が同時に付加される、請求項5に記載の車両。
前記共同旋回プレートは、前記中央区間内の側方方向旋回プレートと、前記前方区間または前記後方区間内の側方方向旋回プレートとに旋回連結しており、これにより、前記前方区間または前記後方区間内の側方方向旋回プレートへ始動力が伝達されて、前記車両の側方方向次元および長手方向次元の両方を同時に調整できるようにする、請求項1に記載の車両。
前記力始動因子は、2枚の側方方向に離間した側方方向旋回プレートと力伝達関係にあるリンク仕掛を備えたジャッキ装置であり、前記ジャッキ装置の操作によって、前記2枚のプレートが側方方向へ旋回し、前記2枚のプレートの側方方向への旋回に反応して、前記プラットフォームに次元調整操作が実施される、請求項10に記載の車両。
前記プラットフォームの全てのプレートの下に位置する支持梁と、次元調整操作の終了後に前記プラットフォームを安定化させるための2つの安定化ユニットとをさらに備え、前記2つの安定化ユニットは、前記前方および後方区間内のそれぞれの前記梁および非旋回プレートに旋回連結している、請求項1に記載の車両。
前記プラットフォームの次元を変更するための折り畳み機構は、複数の相互連結した硬質で非圧縮性の旋回プレートが下方へ延びることができるように実施される、請求項1に記載の車両。
全ての車輪が、対応する電気モータによって独立駆動され、次元調整操作の実行中であっても車両が安定した走行を続けられることを確実にするため、前記各車輪に所定の経路を追わせることを命令する、前記各モータおよび前記力始動因子と電気通信している車載コンピュータをさらに備えている、請求項19に記載の車両。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、停止中か走行中かにかかわらず、長さ方向および幅方向に同時に次元調整できる、新規の次元調整可能な車両である。
【0032】
図1A〜
図1Cは、
図1Aの縮小サイズ構成から
図1Cの拡大サイズ構成までの、次元調整された車両5の3つの上面図をそれぞれ示しており、同図中で、長さLと幅Wの両方が拡大している。
図2A〜
図2Cは、縮小サイズ構成6から中間サイズ構成7へ、さらに拡大サイズ構成8へ次元調整された車両の3つの斜視図をそれぞれ示している。要素2、3のような多様な車両本体部材は、次元調整操作の最中に、長さ方向または幅方向へ、入れ子式に拡張および収縮することができる。
【0033】
車両のサイズを、例えば拡大サイズ構成(397cm×175cm)から中間サイズ構成(290cm×140cm)または縮小サイズ構成(260cm×112cm)へ、大幅に次元縮小する機能により、これまで想像されなかった運転条件が可能になる。任意の他の車両サイズ縮小または拡大比率は、本発明の範囲内であることが理解されるだろう。
【0034】
図3に示すように、拡大サイズ構成Eに設定された車両10は、例えば1グループの子供を学校12へ運転して送り届けるなど、従来の方法で運転できる。乗員が下車した後、運転者が車内に居る状態で、車両10を
図4Aに示す中間サイズ構成Iに、または
図4Bに示す縮小サイズ構成Rに設定することができ、これは車両の走行中にも行うことができる。縮小サイズの車両Rは、
図5に示すように、標準的なサイズの車両にとって全体的に小さ過ぎるスペースにも駐車することができ、例えば、路肩19に並列駐車された2台の車両16、17の間に空いた車両長さのほぼ半分のスペース14に、車両を、道路18にはみ出すことなく路肩に対して実質的に垂直に駐車したり、あるいは、
図6に示すように、駐車場の、サイズ縮小した車両用に指定されたスペース21に、このスペース21の幅方向、および他の標準サイズの車両24に対して実質的に垂直に駐車することができる。通常は標準サイズの車両24を1台しか駐車できないスペース21内に、サイズ縮小した車両Rを幅方向に3台駐車することができる。
【0035】
本発明のサイズ縮小した車両Rにより、交通プランナーは、都市間道路および高速道路の両方について、道路レイアウトを一新することができる。これまでは、道路の車線は全て、バスなどの幅の広い車両を収容するために、例えば3.3mといった実質的に均等な幅で設計されてきた。
図7に示すように、複数車線道路システム30は、標準サイズの車両24に使用される複数の標準サイズの車線31と、サイズ縮小した車両Rが通行する、例えば標準サイズ車線31の半分の幅の、複数の比較的狭い車線33とを含むことができる。比較的狭い車線33による複数車線道路システム30を提供することで、車両収容量、つまり、所与の時間に複数車線道路システムを行き来する車両の数が増すので、交通渋滞が劇的に低減する。サイズ縮小した車両Rは、所望の車両速度または所与車線の交通流に応じて、標準サイズ車線31または比較的狭い車線33のいずれを通行してもよい。車両は走行中に次元調整可能であるため、比較的狭い車線の方が交通の流れが速い場合には、運転者は車両の幅を縮小して、比較的狭い車線33への車線変更を決定することができる。
【0036】
複数の比較的狭い車線を採用した複数車線道路システム30のさらなる利点は、縮小サイズの4輪車両と同じ車線を通行しているオートバイや自転車のような2輪車両の安全性が高まることである。
【0037】
車両を次元調整するために、車両は複数の相互連結した硬質で非圧縮性のプレート(以下、「プラットフォーム」)を備えており、そのうちの数枚の頂部には車両の座席が連結し、その他のプラットフォームの頂部には車両の本体要素が連結している。以降で説明するように、選択されたプレートに対して、ジャッキ装置によって力を加えると、プレートの角度関係が変化することで、プラットフォームが長さ方向および幅方向に同時に収縮するか、または、長さ方向および幅方向に同時に拡張する。
【0038】
図8および
図9は、本発明の一実施形態に従って、拡大サイズ構成に設定したプラットフォーム40を示す。
図8は、プラットフォームの斜視図を示し、
図9はプラットフォームの平面図を示す。プラットフォーム40は、対称的な前方区間Kおよび後方区間Mと、これらの間に挟まれ、これらよりも下に位置する中央区間Lとを設けている。
【0039】
プラットフォーム40のほとんどの要素は旋回可能であるが、要素b
1−6は例外である。要素b
1、b
3は、非旋回の凸面車輪保護部であり、凸部分付近に平坦部分42を設けており、付近のプレートはこの平坦部分に旋回連結している。プラットフォーム40のこれ以外の要素は多角形プレートである。モーメントが作用しない非旋回プレートは細長い矩形プレートであり、水平に配置され、2枚のプレートb
2を含んでおり、プレートb
2はそれぞれ、前方車輪保護部b
1と後輪車輪保護部b
3との間の中央に長手方向に配置されており、プラットフォームの各側方端部において、1対の前方車輪保護部b
1の間の中央にプレートb
4が側方方向に配置され、1対のプレートb
2の間の中央にプレートb
5が側方方向に配置され、1対の後方車輪保護部b
3の間の中央にプレートb
6が側方方向に配置されている。3枚のプレートb
4−6は、プラットフォーム40が拡大サイズ構成にあるときには、長手方向に整列する。要素b
1−6は旋回不可であるが、相互連結したプレートによって適切な力が付加されると、長手方向および側方方向に変位できることが理解されるだろう。
【0040】
図10に示すように、非旋回プレートのうちの1枚、例えばプレートb
5の上面45は、他のプレートの旋回動作のための基準面として機能する。プレートb
5は非旋回プレートであるので、プレートb
5の長手方向、つまり長さ方向の端部46、47のうちの1つに旋回連結しているプレートは、X軸と平行な軸の周囲で旋回し、基準面に対して側方方向、つまりX軸に沿って旋回せず、長手方向のみに旋回するため、「長手方向旋回プレート」と呼ばれる。プレートb
5の側方端部48、49の1つに旋回連結しているプレートは、Y軸と平行な軸周囲で旋回するが、基準面に対して長手方向には旋回せず、側方方向のみに旋回するため、「側方方向旋回プレート」と呼ばれる。長手方向旋回プレートと側方方向旋回プレートとの両方に旋回連結しているプレートは、「共同旋回プレート」と呼ばれる。
【0041】
再び
図8および
図9を参照すると、4対の側方に隣接し、対称的で、台形かつ細長い、側方方向旋回プレートa
1−2の各プレートは、連結部34によってプレートb
4に、連結部35によって対応する前方車輪保護部b
1に、または連結部36によってプレートb
3に、連結部37によって対応する後方車輪保護部b
3に旋回連結している。各々の対において、プレートa
1は連結部38によってプレートa
2に旋回連結しており、共通の旋回連結部は、これと平行する台形プレートの側部よりも短い。側方方向に隣接し、対称的で、台形かつ細長い、1対の側方方向旋回プレートa
3−4の各プレートは、連結部25によってプレートb
5に、また、連結部26によって対応するプレートb
2に旋回連結している。各々の対において、プレートa
3は連結部27によってプレートa
4に旋回連結しており、共通の旋回連結部は、これと平行する台形プレートの側部よりも長い。
【0042】
4枚の、四角形状の長手方向旋回プレートc
1の各々は、連結部28によって、非旋回プレートb
2の1つの長手方向端部に、また、連結部29によって、対応する車輪保護部に旋回連結している。一方の、四角形状の長手方向旋回プレートc
2は、連結部68によって、プレートb
4の1枚の長手方向端部に、また、連結部69によってプレートb
5に旋回連結し、他方の、長手方向旋回プレートc
2は、連結部71によって、プレートb
5の1つの長手方向端部に、また、連結部72によってプレートb
6に旋回連結している。4枚の、台形で、長手方向旋回プレートc
3の各々は、連結部73によって、対応する車輪保護部の外部長手方向端部に旋回連結している。一方の、四角形状の長手方向旋回プレートc
4は、連結部74によって、プレートb
4の外部長手方向端部に旋回連結し、他方のプレートc
4は、連結部75によって、プレートb
6の外部長手方向端部に旋回連結している。
【0043】
プラットフォーム40はまた、複数の共同旋回プレートを備えている。共同旋回プレートのうち数枚は、隣接する共同旋回プレートに対して突出しているため「突出プレート」と呼ばれ、また、共同旋回プレートのうち数枚は、隣接する四角形状プレートに対して凹状をしているため「凹状プレート」と呼ばれる。対称的かつ側方方向に隣接した、三角形で、共同旋回する突出プレートj
1−1およびj
2−1の4つの対がある。各々の突出プレートの対において、プレートj
1−1は、連結部85によって、プレートj
2−1に旋回連結しており、これらプレートに共通の旋回連結部は、三角形プレートの最長側部である。プレートj
1−1、j
2−1の各々の1側部は、連結部86によって、側方方向旋回プレートa
1、a
2の長手方向内側部にそれぞれ旋回連結している。j
1−1、j
2−1の各々の第3側部は、連結部87によって、三角形の凹状プレートj
1−2、j
2−2の各々に固定的に連結している。突出プレートおよび凹状プレートの1対は、固定的に連結して平行四辺形を画定しており、したがって、「共同旋回平行四辺形の対」、または簡潔に「平行四辺形の対」と呼ぶことができる。
【0044】
三角形の共同旋回する凹状プレートj
1−2、j
2−2の頂側部は、連結部88によって、四角形状の長手方向旋回プレートの隣接する側部に旋回連結している。凹状プレートj
1−2、j
2−2のもう一方の側部は、連結部89によって、中央区間L内に位置する、対応する台形の側方方向旋回プレートの長手方向側部に連結している。側方方向に隣接した1対の三角形の凹状プレートj
1−2、j
2−2は、頂点部分にて互いに旋回連結しており、これは、台形プレートa
3−4の共通の旋回連結部の長手方向端部と隣接している。四角形状プレートの、凹状プレートと旋回連結していない方の短側部は、突出プレートに連結している。
【0045】
プラットフォーム40の長手方向端部の各々には、側方方向に隣接した、2対の台形の共同旋回プレートj
3−4がある。プレートj
3、j
4の各々は、連結部91によって旋回的に互いに連結し、また、連結部92によって、対応する台形側方方向旋回プレートa
1、a
2の各々の外部長手方向側部に連結し、連結部93によって、側方方向に隣接している長手方向旋回プレートの側部に連結している。
【0046】
図8では、拡大サイズ構成に設定したプラットフォーム40を示しているが、その様々な部分は完全に平坦ではない。プレートの旋回を生じさせるために必要な力を小さくするべく、プラットフォームを拡大サイズ構成に設定する際に、隣接するプレートを偏らせて、基準面から若干角度がずれるようにしている。
【0047】
図11は、例示的な旋回連結を図示した、プラットフォームの一部を示す。背出し丁番52は、1対のプレートのうちの第1および第2の旋回連結されたプレート(プレートa
4とj
2−2、a
3とj
1−2、b
2とc
1、j
1−1とj
2−1、a
3とb
2を含む)に交互に連結した、シャフト54の周囲に回転可能に取り付けられた複数のループ55によって、隣接したプレートの対を旋回連結するように示されている。リミッタヒンジ57は、1対のプレートのうちの第1および第2の旋回連結したプレート(プレートa
3とa
4、a
2とj
1−1、a
1とj
2−1を含む)に交互に連結した、シャフト56の周囲に回転可能に取り付けられた複数のセグメント58によって、隣接したプレートの対を旋回連結するように示されている。プレートの、拡大サイズ構成を生じさせる方向への角運動は、セグメント58と、プレートのセグメントが連結されていない側壁部59との間の接触によって制限される。これ以外のタイプの旋回連結も採用できることが理解されるだろう。
【0048】
図12A〜
図12Cは、旋回的に相互連結したプレートの群60によって可能となる、1タイプの旋回運動を概略的に示す。群60は、非旋回プレートB
1、B
2の間に長手方向に挟まれた長手方向旋回プレートC
1を備えるものとして示されている。
図12Aでは、群60は、拡大サイズ構成にあり、その長手方向はY
1であるものとして示されている。
【0049】
プレートB
2をプレートB
1に対して長手方向に変位させる力を付加すると、プレートC
1が連続的にプレートB
1に向かって長手方向に旋回して、群60の長手方向次元が
図12BのY
2へ、さらに
図12CのY
3へと縮小する。
図12A〜
図12Cの3つの構成の全てにおいて、群60の側方方向次元はX
1のままである。
【0050】
図13A〜
図13Cは、相互に旋回連結したプレート群65によって可能となる、第2タイプの旋回運動を概略的に示す。群65は、2つの側方方向に離間した群60A、60Bと、この群60A、60Bの間に挟まれた1対の側方方向に隣接した群62A、62Bとを備えるものとして示されている。各々の群は、側方方向に隣接した群と旋回連結している。群62A、62Bの各々は、2枚の側方方向へ旋回する台形プレートと、この2枚の側方方向旋回プレートの間に挟まれ、これと長手方向に旋回連結した、共同旋回プレートとを備えている。例えば、群62Aは、側方方向旋回プレートA
1A、A
2Aと、共同旋回プレートJ
1Aとを備える。
図12Aでは、群65は拡大サイズ構成にて示されているので、長手方向次元はY
1、側方方向次元はX
4である。車両の次元調整操作を始動するための力(以下、「始動力」)が付加されると、2対の側方方向旋回プレートA
1−2A、A
1−2Bの各プレートが一斉に、対向する回転方向へ側方旋回して、共通の旋回連結部64を垂直方向へ変位させる。したがって、
図13Bに示すように、収縮始動力を付加すると、2対の各々の共通の旋回連結部64が上昇して、対応する1対の長手方向旋回プレートB
A、B
Bが互いに向かって側方方向へ変位することで、群65の側方方向次元がX
5にまで縮小する。プレートA
1−2A、A
1−2Bの同時の側方方向旋回動作から生じた力が、共同旋回プレートJ
1A−Bを長手方向および側方方向の両方へ旋回させ、次に、C
1A−Bを長手方向へ旋回させる。プレートJ
1A−B、C
1A−Bの旋回動作によって、群65の長手方向次元がY
2にまで縮小する。
図13Cに示すように、始動力の付加を継続すると、群65は、次元X
6、Y
3に対応した縮小サイズ構成となる。
【0051】
図14〜
図19は、プラットフォーム40の断面図(
図8、
図9)を参照した、車両次元調整操作のより詳細な説明を示す。
【0052】
図14A〜
図14Cは、完全拡張構成から完全収縮構成までの車両次元調整操作の第1段階を経るプラットフォームの中央区間Lの側方断面図を示す。完全拡張構成に設定されたときには、中央区間Lのプレートは実質的に同一面にある。始動力Fは、X軸と平行な縦平面と一致する、隣接したプレートa
3、a
4間の角度βが、β
1からβ
2へ、さらに、隣接する側方方向旋回プレートが相互に接触し合った完全収縮構成時における角度β
3(0°)へと減少を続けるように、2対の側方方向旋回プレートa
3、a
4のそれぞれの共通旋回連結具27に作用する。相互に接触し合ったプレートa
3、a
4の総幅はW
1となる。側方方向旋回プレートからこれと連結した非旋回プレートに力が付加された結果、角度βが減少したことに伴って、離間した非旋回プレートb
2、b
5の間の側方方向距離が減少する。
【0053】
プレートa
3、a
4の各々は、対応する平行四辺形の対と旋回連結しているので、プレートa
3、a
4の側方方向への旋回動作により、対応する平行四辺形の対が、これに対応して側方方向へ旋回する。
【0054】
図15A〜
図15Cは、プレートc
1、j
1−2、j
1−1、j
2−1、j
2−2、c
2、j
1−2、j
1−1、j
2−1、j
2−2、c
1をこの連続した順序で含む、1群のプレートの側方断面図を示す。この群が
図15Aに示す完全拡張構成にあるとき、平行四辺形の対の突出プレートは、平行四辺形の対の第2プレート、つまり凹状プレートの上に位置している。
【0055】
図8、
図11、
図18Aを参照すると、側方方向旋回台形プレートa
3−4の対の共通旋回連結部27が、凹状プレートj
1−2と台形プレートa
3との間、および凹状プレートj
2−2と台形プレートa
4との間の共通旋回連結部89のそれぞれと一致する。1対の側方方向旋回台形プレートa
3−4の共通旋回連結部27は、始動力に反応して垂直に変位するため、2つの旋回連結部89と共通旋回連結部27との間の接合点96も同じ方向へ垂直に変位する。その結果、凹状プレートとこれに対応する突出プレートとの間の固定された連結部87が原因で、プレートa
3、a
4の側方方向旋回動作がX軸内に力成分T
1を誘発し、この力成分T
1は、1対の突出プレートj
1−1とj
2−1との間の共通の旋回連結部85に作用して、この1対のプレートをやはり側方方向へ旋回させる。隣接する平行四辺形の対の間の角度βはβ
1からβ
2へと減少し続け、
図15Cに示すように、隣接した突出プレートj
1−1、j
2−1が相互に接触させられた完全収縮構成におけるβ
3(0°)をなす。相互に接触した突出プレートj
1−1、j
2−1の総幅はW
2である。平行四辺形の対の2枚のプレートは段形状をしているので、隣接した2対の平行四辺形が側方方向へ旋回して完全収縮構成となると、隣接した凹状プレートj
1−2とj
2−2の間に、W
1よりも長い幅W
3を持った空洞77が形成される。
【0056】
同様に、平行四辺形の対の側方旋回動作は、
図16A〜
図16Cに示すように、隣接した台形プレートa
1とa
2の間の共通旋回連結部38に作用する力成分T
2を誘発する。
図16A〜
図16Cは、前方区間Kの、非旋回要素b
1、b
4ならびに台形の対a
1−a
2を含む、1群のプレートの側方断面図を示す。力成分T
2は、
図8、
図11、
図19Aに示すように、旋回連結部85と2つの旋回連結部86との間の接合部97が垂直に変位することで付加される。
図16Aに示すように、完全拡張構成にある際の台形プレートは、隣接した非旋回要素よりも若干上に位置する。台形プレートa
1、a
2はそれぞれL字型をしており、比較的長い部分78と、この部分78に対し実質的に垂直な比較的短い部分79とを設けている。したがって、力成分T
2が台形の対a
1、a
2を側方方向へ旋回させることで、角度βが、完全収縮構成の角度β
3(0°)になるまで減少し続け、また、隣接した対a
1−a
2の短い部分79同士が当接関係となり、隣接した対a
1−a
2の長い部分78間に、W
2よりも長い幅W
4の空洞81を画定する。
【0057】
図14Cに示した事象に反応した、プラットフォームの前方区間Kと中央区間Lとの長手方向断面図である
図17Aおよび
図17Bに示すように、平行四辺形の対が側方方向へ旋回すると同時に、共同旋回する平行四辺形の対がまた、長手方向へ旋回する。プレートa
4、j
1−2、j
1−1、a
1、j
3を含むプレート群の旋回運動を示したが、プレートa
3、j
2−2、j
2−1、a
2、j
4;a
3、j
1−2、j
1−1、a
2、j
4;またはa
4、j
2−2、j
2−1、a
1、j
3を含むプレート群に、類似する旋回運動の適用も可能である。台形プレートa
3、a
4の長手方向側部は、その側方方向側部に対して斜めであるため、例えば
図11にも示すように、台形プレートa
4の外部斜め長手方向側部67が、側方方向へ旋回されている最中に、対応する凹状プレートの隣接する側部に対して力成分T
3を付加する。Y軸方向の力成分T
3を付加された結果、平行四辺形の対j
1−1、j
1−2は、プレートa
4と共有している旋回連結部89の周囲で長手方向へ旋回し、これにより、角度αが、平行四辺形の対j
1−1とj
1−2とプレートa
4の間の、Y軸と平行な縦平面と一致して、プレートa
4が、α
1からα
3まで減少し続ける。平行四辺形の対j
1−1、j
1−2が長手方向へ旋回することによって、台形プレートa
1が長手方向へ変位させられる。
図16A〜
図16Cに示すように、台形プレートa
1が側方方向への旋回運動を経ることで、図示するように、プレートa
1の外部長手方向側部が、共同旋回プレートj
3をα
4からα
5へ旋回させる力成分T
4を誘発する。
【0058】
次に、
図18A〜
図18Cを参照すると、完全収縮構成に設定されたプラットフォームのコンパクトな性質が示されている。明瞭化の目的で、前方区間、中央区間、後方区間の各々における、対向する回転方向に側方方向旋回する、1対の側方方向に隣接した台形プレートと、これらと相互連結した共同旋回プレートとからなるプレート群70を示す。
【0059】
図15A〜
図15C、
図17Aおよび
図17Bに関連して上述した、平行四辺形の対j
1−1とj
1−2;j
2−1とj
2−2の共同旋回運動の最中に、隣接する突出プレートj
1−1、j
2−1の共通の旋回連結部85が、中央区間に向かって長手方向へ旋回する。つまり、プラットフォームが
図18Aに示す拡大サイズ構成にある際には、中央区間において、旋回連結部85が台形プレートa
3−4の旋回連結部27に対して鈍角に配置され、一方、プラットフォームが
図18Cに示す縮小サイズ構成にある際には、旋回連結部27に対して鋭角に配置される。旋回連結部85の長手方向旋回運動は、1対の平行四辺形の対を上方へ変位させる、旋回連結部27と1対の旋回連結部89との間の接合点96の上方変位と、さらに、旋回連結部85と1対の旋回連結部86との間の接合部97の下方変位とを特徴とする。
【0060】
この旋回連結部85の長手方向への旋回運動に伴って、前方および後方区間における台形平面と、隣接した1対の平行四辺形の共同旋回する突出面との間で、旋回連結部86が下方への側方方向旋回運動を行う。1対の平行四辺形の対の共同旋回運動と、台形の対a
3−4とa
1−2の側方方向旋回運動とが反対方向に回転することで、共同旋回プレートと側方方向旋回プレートとの間の角度が減少し続ける。これにより、凹状プレートが中央区間の対応する台形プレートと接触させられ、突出プレートが前方または後方区間の対応する台形プレートと接触させられる。
【0061】
群70が
図18Cに示す完全収縮構成にあるときには、全てのプレートが実質的に縦方向に配置される。中央区間の当接し合うプレートa
3−4が、同じ平行四辺形の対の隣接した凹状プレートj
1−2とj
2−2との間に形成された空洞77内に受容される。また、同じ平行四辺形の対の当接し合う突出プレートj
1−1、j
2−1もまた、隣接した台形プレートa
1、a
2の間に形成された空洞81内に受容されるため、これにより、コンパクトなプレート収縮が提供される。
【0062】
図19A〜
図19Cは、長手方向旋回プレートc
1、c
3と、非旋回要素b
1、b
2とを含むプレート群を含んだ、前方区間Kと中央区間Lの長手方向の断面を示す。長手方向旋回プレートc
1は、旋回連結部88によって、隣接したプレートj
1−2などの凹状プレート(
図8)に連結しているので、プレートc
1が、
図17Aおよび
図17B、
図18A〜
図18Cに示すように、凹状プレートの旋回運動により生じた力成分T
5によって、旋回連結部28の周囲で、α
1からα
3へ長手方向に旋回される。長手方向旋回プレートc
3は、旋回連結部93によって、例えばプレートj
4のような隣接する共同旋回プレート(
図8)に連結しているため、プレートc
1が、
図17Aおよび
図17Bに示すように、共同旋回プレートの旋回運動により生じた力成分T
6によって、旋回連結部73の周囲をα
4からα
5へ長手方向へ旋回される。
【0063】
本発明の他の実施形態では、中央区間L(
図8)しか提供されず、非旋回車両部材に連結している場合には、プラットフォームは、単独で側方方向に調整可能であってもよい。あるいは、複数の長手方向へ旋回可能なプレートが非旋回の車両部材に連結しており、1つ以上の力始動因子によって旋回される場合には、プラットフォームは単独で長手方向へ調整可能であってもよい。
【0064】
図20A〜
図20Cは、本発明の一実施形態によるジャッキ装置によって実施されてよい、完全展開構成から完全収縮構成までの次元調整操作を示す。これらの図で説明しているプレートは、
図8および
図11に示したプレートと同一ではないが、
図8および
図11に示されるプラットフォームに関連してジャッキ装置を適用できることが理解されるだろう。
【0065】
例示的なジャッキ装置140は、長手方向に離隔した2つ以上の支持部143、144を備えており、これらの支持部は、例えばプラットフォームの中央区間L内のプレートb
5(
図8)のような非旋回プレートから縦方向に突出している。長手方向に延びたボールネジ146は、各支持部内に形成された開口149の中に回転可能に搭載されている。2つのローラ搭載型ナット部材151、152がボールネジと螺合し、好ましくは電気モータによってボールネジが回転すると、ボールネジに沿って長手方向へ変位する。各ナット部材には、側方方向へ離間した2つの水平方向に向いたローラ155が回転可能に搭載されている。全体的に縦方向に向いたローラ157が、ナット部材の各側方端部においてローラ155と回転係合している。長手方向へ延びている円筒形ローラ159が、例えばU字型ブラケット161によって、非旋回プレート付近の、例えばプレートa
4のような側方方向旋回プレートの各々に回転可能に搭載されている。2つの全体的に縦方向に向いた、長手方向に離間したローラ164は、側方方向旋回プレートに搭載された各々のローラ159と回転係合している。
【0066】
ジャッキ装置140はさらにリンク仕掛を備えており、比較的長いリンク148(以下、「長リンク」)が各ローラ157から、プレート搭載ローラ159に係合している最も近いローラ164まで延び、比較的短いリンク149(以下、「短リンク」)が、各々のプレート搭載ローラ159と転動係合した2つのローラ164間に延びている。プラットフォームが、
図20Aに示すように、完全拡張構成にある場合、リンク仕掛は実質的に矩形かつ水平である。
【0067】
始動力が付加されると、ボールネジ146が回転し、2つのナット部材151、152が、
図20Bに示すようにさらに離隔して、リンク仕掛の全てのリンクが実質的に同一面にある状態を保ちながら、長リンク148を短リンク149に対して斜めに配置させる。ナット部材151、152の長手方向運動によって、斜めに配置された各々の長リンク148が、対応するナット部材の方向に向かう引張力Gを付加し、これにより、側方方向に隣接するプレートの隣接する対が共通の旋回連結部の周囲で側方旋回する。
【0068】
図20Cに示すように、始動力を付加し続けている間に、各ナット部材151、152がそれぞれ対応する支持部と接触することで、さらなる長手方向への変位が阻止される。各ナット部材は長手方向への変位を止めるが、力は各長リンク148を通って伝達し続けるので、側方方向に隣接するプレートが共通の旋回連結部の周囲でさらに側方方向へ旋回する。側方方向への旋回運動に反応して、長リンク148の向きが、対応する短リンク149と実質的に共線をなすように変化する。側方方向旋回プレートは、側方方向へ最大限旋回した後に本質的に縦方向の配列を達成するが、各ローラ157が、対応する転動係合した水平ローラ159の周囲で転動するので、水平面に対する長リンクおよび短リンクの各々の行167の角度が変化する。
【0069】
長手方向または側方方向への旋回操作を開始するには、当業者に周知であるその他の力始動因子の採用も可能であることが理解されるだろう。力始動因子は、開始する旋回操作に応じて、中央区間、前方区間、または後方区間内に位置決めされてもよい。同様に、力始動因子は、選択した方式で、始動力を所望の方向に伝達できるように方向付けされてもよい。例えば、長手方向旋回動作によって次元調整操作を開始するために、ジャッキ装置のリンク仕掛は、2枚の長手方向に離隔した共同旋回プレートとの間で力を伝達する関係にあってもよい。
【0070】
プラットフォームの別の実施形態を、
図21A〜
図21Dに示す。プラットフォーム110は、
図8および
図9に示したプラットフォーム40と類似しているが、矩形かつ水平で、長手方向へ拡張・収縮可能な複数のプレートをさらに備えている。
図21Aは、完全拡張構成にあるプラットフォーム110を示し、
図21Cおよび
図21Dでは、完全収縮構成に設定されたプラットフォームを示している。
【0071】
図21Aに示すように、プレートp
1は、各前方車輪保護部b
1の平坦部分42に連結し、プレートp
3は、各後方車輪保護部b
3の平坦部分に連結している。プラットフォーム110を完全拡張構成に設定すると、プレートp
1およびp
3にプレートp
2が入れ子式に連結し、プレートp
1とp
3の間に挟まれた状態となる。プレートp
1−3は対応する非旋回プレートb
2の上を覆っているが、側方方向に隣接した側方方向旋回プレートの上を覆ってはいない。同様に、プレートr
1、r
3は、それぞれ非旋回プレートb
4、b
6に連結しており、プラットフォーム110が完全拡張構成にあるときには、プレートr
1およびr
3にプレートr
2が入れ子式に連結し、プレートr
1とr
3の間に挟まれた状態となる。プレートr
1−3は非旋回プレートb
5の上を覆っているが、側方方向に隣接した側方方向旋回プレートの上を覆ってはいない。ジャッキ装置140は、非旋回プレートb
5上に搭載され、隣接する側方方向旋回プレートa
4に力を付加するべく連結している。以下で説明するように、非旋回プレートb
4、b
6の各々には、これに対応した安定化ユニット120を貫通突出させるための切欠き部122が形成されている。
【0072】
図21Bでは、プラットフォーム110は中間サイズ構成に設定されている。車輪保護部b
1、b
3は、
図21Aに示す構成よりも相互に接近させられるため、各プレートp
2が対応するプレートp
3内に受容され、プレートp
3の一部がプレートp
1内に受容される。同様に、プレートr
2がプレートr
3内に受容され、プレートr
3の一部がプレートr
1内に受容される。開始力の付加が終了すると、プレートは長手方向の変位が止まる。開始力の付加が終了したら、隣接する長手方向に拡張可能なプレートを、電気機械的に作動できる装置によって固定してよい。
【0073】
旋回プレートを全く設けていないプラットフォームに、複数の長手方向に拡張および収縮可能なプレートを提供してもよいことが理解されるだろう。
【0074】
図21Cは、プラットフォームの斜視断面図を示す。プラットフォーム110の実質的に全長にわたって、幅狭の、水平に配置された支持梁115が長手方向に延びている。梁115は、プラットフォーム110の全てのプレートの下に位置しており、プラットフォームの本質的に側方中心線112に位置決めされている。安定化ユニット120が梁115に、さらに非旋回プレートb
4、b
6の各々に、旋回連結している。プレートb
4、b
6の各々に旋回連結している2つの安定化ユニット120は、対称的である。
【0075】
安定化ユニット120は、その底端部で、対応する支持梁115の長手方向端部に、要素139によって旋回的に取り付けられたバー117と、同じく底端部で、支持梁115に、要素138によって旋回連結した入れ子式に拡張可能なロッド118とを備えており、要素138は、要素139から内方へ離間し、長手方向へ拡張可能なプレート(例えばr
3)の実質的に長手方向端部の下に位置している。対応するバー117の頂端部と、入れ子式に拡張可能なロッド118との両方は、切欠き部122の壁に連結されている共通の側方方向に拡張した要素135上に回転可能に搭載されるように、側方方向に隣接した関係にて位置決めされている。
【0076】
プラットフォーム110を
図21Aに示す完全拡張構成に設定すると、各バー117が要素139の周囲で旋回して、バーの頂端部が要素139よりも上で長手方向に変位し、対応するロッド118が拡張される。プラットフォーム110が収縮すると、梁115に対するバー117およびロッド118の角度γが連続的に変化する。
図21Cに示す位置において、バー117およびロッド118の両方の角度γは約45度であり、また、次元調整が終了すると、このような三角形形成によって、プラットフォーム110の最適な安定性を提供される。次元調整操作が終了したら、当業者に周知の手段によって、ロッド118を固定してもよい。
【0077】
図21Dは、
図21Cで示したものと同一のプラットフォーム110の縦断面を、異なる斜視図にて、長手方向へ拡張可能なプレートを省略して示している。支持梁115を中央区間の非旋回プレートb
5の下側部に取り付けることで、2枚の長手方向旋回プレートc
2を非旋回プレートb
4、b
6のそれぞれに旋回連結させる旋回連結部69、71(
図8)が、やはり梁115に連結されるようにしてもよい。対応する側方方向旋回プレートa
1に旋回連結している非旋回のおよび非拡張可能なプレートの各々については、バー117と長手方向旋回プレートc
2とは実質的に相互に平行となっている。したがって、プラットフォームは、梁115に関連した2つの平行四辺形形成を有利に提供する。各々の平行四辺形形成は、バー117と、長手方向旋回プレートc
2と、バー117から長手方向旋回プレートc
2へ延びた梁115の一部と、要素135から長手方向旋回プレートc
2へ延びた非旋回プレートb
4またはb
6の一部とを含み、次元調整操作中にプラットフォームを支持し、安定化する。
【0078】
図8に示したプラットフォーム40は、2つの安定化ユニット120と、支持を提供する2つの平行四辺形形成とを伴って構成されてもよいことが理解されるだろう。
【0079】
図22〜
図24は、本発明の一実施形態による、プラットフォーム110のプレートに搭載された座席の再位置決めを示す。
【0080】
図22に示すように、各座席組立品130は、背もたれ124と、プラットフォーム110の対応する長手方向に拡張可能なプレートに取り付けられ、同プレートから上方へ突出した、2つの縦方向に配置された溝付き固定具126、127と、固定具126、127の溝131内で変位可能な、2つの側方方向へ延びたロッド128、129とを備えている。例えば、座席組立品130Aの固定具126がプレートp
2から突出し、座席組立品130Aを固定するための固定具127がプレートr
2から突出している。
【0081】
図23は、次元調整された後のプラットフォーム110を示す。運転者用に座席組立品130Bが設けられ、不動状態にされている。プラットフォーム110の次元調整により、プレートp
1とp
3の間のスペースが、
図22に示したものよりも縮小している。これにより、固定具126に保持されているロッド128が溝131から外れるまで、溝131に沿って後方へ変位する。ロッド128が溝131から外れると、座席組立品130Aが側方方向へ自由に変位できるようになる。
【0082】
図24は、座席組立品130Aを座席組立品130Bに対して側方方向へ変位させた図を示す。
【0083】
次元調整操作中に座席組立品の向きを変えるためのその他の手段は、本発明の範囲に含まれることが理解されるだろう。
【0084】
本発明の別の実施形態では、次元調整操作は車両の走行中に実施できる。この実施形態では、4つの車輪全てが、対応する電気モータによって独立駆動される。4つのモータおよび力始動因子と電気通信している車載コンピュータが、次元調整操作の実行中であっても車両が安定した走行を続けられることを確実にするため、各車輪に所定の経路を追わせることを命令する。例えば、プラットフォームのサイズ縮小を実施している際には、後輪を前輪よりも高速で回転させ、前輪にかかる摩擦の大きさを最小化することで、走行中の車両と乗員の安全を確保することができる。これとは反対に、プラットフォームを拡大している際には、後輪を固定角および定速度に設定し、前輪をこれよりも若干高速で操作することで、所望の経路を追随できるようになる。車載コンピュータに入力する摩擦力は、タイヤの局所ではなく全体に付加される一定の異方性力であってもよい。
【0085】
車載コンピュータは、視線内における次の目標物体までの最短所望距離、現在速度、道路の曲率といった、様々なパラメータに関するデータを取得してよい。4つの車輪の各々を自動操縦するため、および力始動因子として機能させるために自動操縦装置を採用している場合には、前輪をロックするための所定の初期一定速度を設定してもよい。
【0086】
4つの独立駆動される車輪は、プラットフォーム力始動因子としても機能できる。車載コンピュータから送信された命令により、隣接するプレートまたは安定化ユニットを固定している固定手段が解除されると、この命令に従って前輪および後輪が対向する方向に回転し、長手方向への次元調整操作を開始することができる。
【0087】
あるいは、車載コンピュータが、車輪に斜角配列へと回転するように命令し、次に、左右の車輪にそれぞれ対向する方向に回転するように命令することで、側方方向次元調整操作、または長手方向および側方方向への同時次元調整操作を開始する。
【0088】
別の実施形態によれば、上述した、プラットフォームの次元を変更するための折り畳み機構は、複数の相互連結した硬質で非圧縮性の旋回プレート(折り畳み可能部分)が上方でなく下方へ延びるように設計できる。これは、当業者が実施できる類似設計であり、この設計に従って、同じプラットフォームを実際に180°反転させられる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を例として説明したが、本発明は、本発明の趣旨から逸脱することなく、または特許請求の範囲を超えることなく、多くの修正、応用、適応を伴い、当業者の範囲内の多数の同等物または代替解決法を用いて実施可能であることが明らかであろう。