(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6009552
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置
(51)【国際特許分類】
G05G 1/30 20080401AFI20161006BHJP
B60K 26/02 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
G05G1/30
B60K26/02
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-516918(P2014-516918)
(86)(22)【出願日】2012年6月22日
(65)【公表番号】特表2014-525071(P2014-525071A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】KR2012004931
(87)【国際公開番号】WO2012177070
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月10日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0061546
(32)【優先日】2011年6月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0045589
(32)【優先日】2012年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513326303
【氏名又は名称】チェ ジョンギョン
【氏名又は名称原語表記】CHOI, Jung Kyoung
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジョンギョン
【審査官】
塚原 一久
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−120259(JP,U)
【文献】
特開2011−001024(JP,A)
【文献】
実開昭63−163517(JP,U)
【文献】
特開2000−159074(JP,A)
【文献】
実開平03−083212(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0162486(US,A1)
【文献】
独国特許出願公開第10329720(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルアームと、前記ペダルアームの末端部に結合されたペダルと、を含む自動車のフットペダル部の下部に、外部流れ込み物が挟まることを防止する装置であって、
弾性変形自在な弾性部材によって形成され、前記フットペダル部の下面と、自動車室内床面との間に配置され、前記フットペダル部と、前記自動車室内床面とのうち少なくとも一つと結合されている本体を含み、
前記本体は、
既定の断面形状が中心軸に沿って延設されることにより、内部に中空を具備するパイプ部材である表面部材と、
前記表面部材の中空に配置され、前記表面部材の断面形状を維持させる内部部材と、
を含み、
外部流れ込み物が、前記ペダルアーム及びペダルの下側への入り込みが防止されるように形成されていることを特徴とする、自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項2】
前記本体は、前記自動車室内床面に結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項3】
前記本体は、合成樹脂、合成ゴム、シリコン、発泡樹脂、ウレタンを含む群から選択される少なくとも1つの弾性部材によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、防水コーティングされていることを特徴とする、請求項3に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項5】
前記本体は、上面に、前記ペダルアームが嵌まり込む溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項6】
前記本体は、前記表面部材と前記内部部材とが一体に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項7】
前記内部部材は、菱形、多角形、円形、楕円形のうち少なくともいずれかの形状を有する貫通孔が連続して配列された網型断面が、前記表面部材の中心軸に沿って延設されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項8】
前記内部部材は、運転者の足が接触する前記表面部材の前面部から後方に延長されたプレート型部材である補強板を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項9】
前記補強板は、前記表面部材の前面部と、前記表面部材の後面部とを水平に連結する仮想線上の前端部一部分にのみ形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項10】
前記本体は、前記表面部材の中空を閉鎖する側面板を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項11】
前記表面部材は、
前記ペダルアームの下面形状に対応するように形成されたペダルアーム対応部と、
前記ペダルの下面形状に対応するように形成されたペダル対応部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項12】
前記本体は、運転者の足が接触する部分に配置された摩耗防止手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項13】
前記本体は、前記フットペダル部の下面と、自動車室内床面との間に形成された空間を覆い込む壁構造であることを特徴とする、請求項1に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項14】
前記本体は、
互いに離隔された状態に配置されている1対の側面壁部材と、
前記1対の側面壁部材の前端部を閉鎖する前面壁部材と、
を含むことを特徴とする、請求項13に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【請求項15】
前記前面壁部材は、上下方向に伸縮自在に複数個の蛇腹が形成されたジグザグ型壁部材であることを特徴とする、請求項14に記載の自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置に係り、特に、自動車走行時、外部流れ込み物を、ペダルアーム及びペダルの下側裕隔空間に流入させず、致命的な交通事故を予防することができる自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、一般的な自動車フットペダル部1の一例が図示されている。時折自動車内部で使用される硬くて体積がある形態であるカン、飲み物容器、生水瓶、及び車両の内部底マット、その他のもの等の異物Eが、車の加速や、急停車、傾きなどでの走行時に自由移動し、フットペダル部1(クラッチ、ブレーキ、アクセル)の作動に必要な裕隔空間6、すなわち、前記フットペダル部1の下部面4と、自動車の室内床面5との間に形成された空間6に、異物Eが挟み込まれる場合がある。
【0003】
警察庁、道路交通安全公団の調査報告によると、自動車の走行時、加速、傾き、制動などの物理的な状況中に、車内部で、往々にして使用される硬くて体積がある棒、または丸い形態のカン、飲み物容器、生水瓶及び車内部の底マットなどの異物がフットペダル部、特に、ブレーキ下部と、自動車床の上部面との間に形成された間隙に挟み込まれる場合、ブレーキのペダルを踏んでも、運転者の意図通りに制動されず、統制不能になり、大型事故の発生が頻繁に報道されており、クラッチ及びアクセルの場合、運転者が、高速道路や自動車専用道路で、追い越しなど運転者が所望する変速及び加速のためにペダルを踏む場合、下部に流れ込み物が挟まっていれば、意図する加速がなされず、後続する他の車に追突される事故の原因を提供する状況を作り出す。
【0004】
自動車は、走行特性上、道路与件によって、急出発、急制動、急カーブ、上り坂、下り坂などの不特定状況によって、室内で使用されていたり、あるいは備えられた異物が、フットペダル部の作動時に、必要な裕隔の空間に入り込む場合、それを確認することができなかった運転者が、走行状況に合う加速または止まりのためにペダルを踏むとき、作動せずに車両の統制不能状態になり、予想外の追突事故の原因を提供したり、あるいは自ら衝突する事故につながることになる。
【0005】
最近、このような異物挟み込みによるフットペダル部事故について、放送社によって重要時間帯に放映報道された事例もある。
【0006】
従来の技術例としては、特許文献1に開示された発明があるが、前記公開発明に開示された流れ込み物防止装置本体60は、ペダル3の下側に装着されているので、外部流れ込み物が、前記流れ込み物防止装置本体60の裏側に迂回し、ペダルアーム2の下側に挟み込まれ、そのように挟み込まれた流れ込み物が、前記流れ込み物防止装置本体60によって拘束されることにより、前記流れ込み物防止装置本体60が設置されていない場合よりもさらに危険な状況に陥ることにもなる。このため、十分な事故防止が不可能であり、製品の設置も容易ではなく、運転者の必須安全装置というには程遠いというところが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許2007−0067658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題を解決するために案出されたものであり、その目的は、自動車の走行時、外部流れ込み物をして、ペダルアーム及びペダルの下側裕隔空間に入り込ませず、致命的な交通事故を予防することができるように構造が改善された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明による自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置は、ペダルアームと、前記ペダルアームの末端部に結合されたペダルと、を含む自動車フットペダル部の下部に外部流れ込み物が挟まることを防止する装置であって、弾性変形自在な弾性部材によって形成され、前記フットペダル部の下面と、自動車室内床面との間に配置され、前記フットペダル部と、前記自動車室内床面とのうち少なくとも一つと結合されている本体を含み、前記本体は、外部流れ込み物が、前記ペダルアーム及びペダルの下側に入り込むことが防止されるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記本体は、前記自動車室内床面に結合されていることが望ましい。
【0011】
ここで、前記本体は、合成樹脂、合成ゴム、シリコン、発泡樹脂、ウレタンを含む群から選択される少なくとも一つの弾性部材によって形成されていることが望ましい。
【0012】
ここで、前記弾性部材は、防水コーティングされていることが望ましい。
【0013】
ここで、前記本体は、上面に、前記ペダルアームが嵌まり込む溝部が形成されているものでもある。
【0014】
ここで、前記本体は、既定の断面形状が中心軸に沿って延設されることにより、内部に中空を具備するパイプ部材である表面部材と、前記表面部材の中空に配置され、前記表面部材の断面形状を維持させる内部部材と、を含むことが望ましい。
【0015】
ここで、前記本体は、前記表面部材と前記内部部材とが一体に形成されていることが望ましい。
【0016】
ここで、前記内部部材は、菱形、多角形、円形、楕円形を含む多様な形状の貫通孔が連続して配列された網型断面が、前記表面部材の中心軸に沿って延設されることが望ましい。
【0017】
ここで、前記内部部材は、運転者の足が接触する前記表面部材の前面部から後方に延長されたプレート型部材である補強板を含むことが望ましい。
【0018】
ここで、前記補強板は、前記表面部材の前面部から前記表面部材の後面部を水平に連結する仮想線上の前端部一部分にのみ形成されていることが望ましい。
【0019】
ここで、前記本体は、前記表面部材の中空を閉鎖する側面板を含むものでもある。
【0020】
ここで、前記表面部材は、前記ペダルアームの下面形状に対応するように形成されたペダルアーム対応部と、前記ペダルの下面形状に対応するように形成されたペダル対応部と、を含むことが望ましい。
【0021】
ここで、前記本体は、運転者の足が接触する部分に配置された摩耗防止手段を含むことが望ましい。
【0022】
ここで、前記本体は、前記フットペダル部の下面と、自動車室内床面との間に形成された空間を覆い込む壁構造でもある。
【0023】
ここで、前記本体は、互いに離隔された状態に配置されている1対の側面壁部材と、前記1対の側面壁部材の前端部を閉鎖する前面壁部材と、を含むことが望ましい。
【0024】
ここで、前記前面壁部材は、上下方向に伸縮自在に複数個の蛇腹が形成されたジグザグ型壁部材でもある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来の自動車フットペダル部の一例を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図である。
【
図3】
図2に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の側面図である。
【
図4】
図2に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置が自動車フットペダル部に装着された状態を示す図面である。
【
図5】
図2に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置が自動車フットペダル部に装着された状態で、ペダルが加圧されてペダルアームが回転した状態を示す図面である。
【
図6】本発明の第2実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図である。
【
図7】本発明の第3実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図である。
【
図8】本発明の第4実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図である。
【
図9】
図8に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置のVIII−VIII線の断面図であり、前記流れ込み物挟まり防止装置がフットペダル部に装着された状態で、ペダルが加圧されてペダルアームが回転した状態を示す図面である。
【
図10】本発明の第5実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図である。
【
図11】
図10に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置のXI−XI線断面図であり、前記流れ込み物挟まり防止装置がフットペダル部に装着された状態を示す図面である。
【
図12】
図10に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置がフットペダル部に装着された状態で、ペダルが加圧されてペダルアームが回転した状態を示す図面である。
【
図13】
図10に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の応用例であり、クラッチペダルとブレーキペダルとに同時に装着された状態を示す図面である。
【
図14】本発明の第6実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照し、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の斜視図であり、
図3は、
図2に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置の側面図である。
図4は、
図2に図示された自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置が自動車フットペダル部に装着された状態を示す図面である。
【0028】
図2〜
図4を参照すれば、本発明の望ましい実施形態による自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置100は、
図1に図示されているような自動車フットペダル部1の下部に外部流れ込み物Eが挟まることを防止する装置であって、本体10と、結合部材20と、摩耗防止部材30と、を含んで構成される。ここで、前記フットペダル部1は、回転自在に結合されたペダルアーム2と、前記ペダルアーム2の末端部に結合されたペダル3と、を含む。
【0029】
前記本体10は、弾性変形自在な弾性部材によって形成される部材であり、前記フットペダル部1の下面4と、自動車室内床面5との間に配置されており、表面部材11と、内部部材12と、を含んで構成される。
【0030】
前記本体10は、合成樹脂、合成ゴム、シリコン、発泡樹脂、ウレタンを含む群から選択される少なくとも1つの弾性部材によって形成されるが、本実施形態では、発泡加工後、防水コーティングされたポリウレタン(PU:polyurethane)発泡樹脂から製造される。
【0031】
従って、前記本体10は、圧縮されていない大きさを100%として見るとき、圧縮力によって収縮するとき、10%〜20%の大きさで容易に圧縮され、圧縮率に優れ、圧縮力が除去された状況では、自体復元力に優れる。
【0032】
前記表面部材11は、既定の断面形状が、中心軸Cに沿って延設されることにより、内部に中空Hを具備するパイプ部材であり、ペダル対応部13と、ペダルアーム対応部14と、を含む。
【0033】
前記ペダルアーム対応部14は、前記ペダルアーム2の下面4形状に対応するように、前記本体10の後方上面に、へこんだ流線形に形成されている。
【0034】
前記ペダル対応部13は、前記ペダル3の下面形状に対応するように、前記本体10の前方上面に、張り出して突出するように形成されている。
【0035】
前記内部部材12は、前記表面部材11の中空Hに配置され、前記表面部材11の断面形状を維持させる部材であり、菱形、多角形、円形、楕円形を含む多様な形状の貫通孔H1が連続して配列された網型断面が、前記表面部材11の中心軸Cに沿って延設される。本実施形態で、前記内部部材12は、菱形貫通孔H1が連続して配列された網型断面を具備する。
【0036】
本実施形態で、前記表面部材11及び前記内部部材12は、同一の厚みT1を有するように形成されている。
【0037】
前記内部部材12の前方下端部には、運転者の足が接触する前記表面部材11の前面部15から後方に水平に延長されたプレート型部材である補強板18が挿入されている。
【0038】
前記補強板18は、前記表面部材11の前面部15と、前記表面部材11の後面部16とを水平に連結する仮想線C1上の前端部一部分(L1−L2)にのみ形成されており、前記内部部材12の後端部一部(L2)には、前記補強板18が挿入されていない。
【0039】
本実施形態では、
図3に図示されているように、前記補強板18の厚みT2が、前記表面部材11及び前記内部部材12の厚みT1よりさらに厚く形成されているので、軸力(水平方向への力)及び曲げ力に対する前記補強板18の抵抗力が、前記表面部材11及び前記内部部材12より大きい。
【0040】
本実施形態で、前記内部部材12は、前記表面部材11と一体に形成されているが、
図3に図示された前記本体10の断面形状に対応するカッティング金型を製作した後、前記カッティング金型を利用した穿孔作業を介して量産が可能である。
【0041】
前記結合部材20は、前記表面部材11の底面部17と、前記自動車室内床面5とを互いに結合させる部材であり、本実施形態では、両面に接着力を具備した両面テープが使用されている。
【0042】
前記摩耗防止部材30は、運転者の足が接触する部分に配置された摩耗防止手段であり、本実施形態では、耐久性にすぐれ、容易に畳み込まれる不織布材質のパッドが使用され、前記表面部材11の前面部15に付着している。
【0043】
前述の構成の流れ込み物挟まり防止装置100は、弾性変形自在な弾性部材によって形成され、前記フットペダル部1の下面4と、自動車室内床面5との間に配置され、前記フットペダル部1と、前記自動車室内床面5とのうち少なくとも一つと結合されている本体10を含んでいるので、自動車の走行時、外部流れ込み物Eが、前記ペダルアーム2及びペダル3の下側裕隔空間6に入り込まず、致命的な交通事故の予防が可能であるという長所がある。
【0044】
また、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、自動車の走行時、外部流れ込み物Eが、前記ペダルアーム2及びペダル3の下側裕隔空間6に入り込まないので、自動車が停止しなければならない場合に停止できずに衝突する交通事故と、自動車が加速が必要な場合に加速できず、後から走行中である車と追突する交通事故とを防止することができ、装着するだけでも、運転者に心理的な安定感を与えることができるという長所がある。
【0045】
同時に、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記フットペダル部1の下面4と、自動車室内床面5との間の裕隔空間6に装着されるので、外部から流入したほこりなどが、前記裕隔空間6にたまって自動車室内を汚さず、洗車及び車両内部の掃除が容易であり、運転者に快適な運転環境を提供することができるという長所がある。
【0046】
そして、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記本体10の底面部17が、前記自動車室内床面5に結合されているので、前記本体10が、前記ペダルアーム2及びペダル3の下側裕隔空間6から離脱しないという長所がある。
【0047】
また、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記本体10が、合成樹脂、合成ゴム、シリコン、発泡樹脂、ウレタンを含む群から選択される少なくとも1つの弾性部材によって形成されているので、
図5に図示されているように、運転者によって、前記ペダル3が加圧されたときは、圧縮率に優れ、
図4に図示されているように、前記ペダル3が加圧されない状況では、本来の形状に復元される自体復元力に優れるという長所がある。
【0048】
そして、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記本体10の弾性部材が防水コーティングされているので、外部から水気が浸透し、自体復元力が低下したり、あるいは耐久性が低下したりすることを防止することができるという長所がある。
【0049】
併せて、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記本体10が、既定の断面形状が中心軸Cに沿って延設されることにより、内部に中空Hを具備するパイプ部材である表面部材11と、前記表面部材11の中空Hに配置され、前記表面部材11の断面形状を維持させる内部部材12と、を含んでいるので、前記裕隔空間6に挟み込まれた状態で、本来の形状を維持しやすく、自体復元力にも優れるという長所がある。
【0050】
そして、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記本体10の表面部材11と、前記内部部材12とが一体に形成されているので、前記表面部材11と内部部材12との結合工程や接着工程が不要であり、製造工程が単純になり、全体的な製造コストの節減という長所がある。
【0051】
また、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記内部部材12が、菱形、多角形、円形、楕円形を含む多様な形状の貫通孔H1が連続して配列された網型断面が、前記表面部材11の中心軸Cに沿って延設されるので、前記貫通孔H1がない場合と比べ、前記内部部材12の圧縮率と自体復元力とが増大し、前記内部部材12の材料費が低下し、装飾感が向上するという長所がある。
【0052】
併せて、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記内部部材12が、運転者の足が接触する前記表面部材11の前面部15から後方に延長されたプレート型部材である補強板18を含んでいるので、運転者の足によって、前記本体10に水平方向の圧縮力が作用する場合にも、前記本体10が本来の形状を維持しやすいという長所がある。
【0053】
そして、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記補強板18が、前記表面部材11の前面部15と、前記表面部材11の後面部16とを水平に連結する仮想線C1上の前端部一部分(L1−L2)にのみ形成されているので、車種によって、異なる長さや形状を有したフットペダル部1に容易に装着されるという長所がある。すなわち、前記補強板18が挿入されていない長さ(L2)ほど、装着可能なフットペダル部1の長さに余裕が生ずる。
【0054】
また、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記表面部材11が、前記ペダルアーム2の下面4形状に対応するように形成されたペダルアーム対応部13と、前記ペダル3の下面形状に対応するように形成されたペダル対応部14と、を含んでいるので、前記フットペダル部1の下面4に容易に挿入されて装着されるという長所がある。
【0055】
そして、前記流れ込み物挟まり防止装置100は、前記本体10が、運転者の足が接触する部分に配置された摩耗防止部材30を含むので、運転者の足が反復的に接触することにより、前記表面部材11の外周面が破損されたり、あるいは摩耗されることが防止されるという長所がある。
【0056】
一方、
図6には、本発明の第2実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置200が図示されている。前記流れ込み物挟まり防止装置200は、前述の流れ込み物挟まり防止装置100と、構成及び効果がほぼ同一であるので、それに係わる詳細な説明は省略し、以下では、両者間の差異についてのみ記述する。
【0057】
前記流れ込み物挟まり防止装置200は、前記本体10の代わりに、前記表面部材11の中空Hを閉鎖する1対の側面板19を具備する本体210を含む。ここで、前記側面板19は、前記表面部材11と同一材質の部材である。
【0058】
従って、前記流れ込み物挟まり防止装置200は、前記内部部材12の貫通孔H1を介して、比較的サイズが小さい流れ込み物Eや水気などの侵透を防止することができるという長所がある。
【0059】
一方、
図7には、本発明の第3実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置300が図示されている。前記流れ込み物挟まり防止装置300は、前述の流れ込み物挟まり防止装置100と、構成及び効果がほぼ同一であるので、それに係わる詳細な説明は省略し、以下では、両者間の差異についてのみ記述する。
【0060】
前記流れ込み物挟まり防止装置300は、前記表面部材11及び内部部材12の代わりに、内部に別途の空間なしに1つの塊状に製造された本体310を具備する。
【0061】
前記本体310は、前記本体10と同様に、発泡加工後に防水コーティングされたポリウレタン(PU)発泡樹脂から製造されている。ただし、圧縮率を考慮して、発泡率を前記本体10より向上させ、比較的気泡が多量形成された発泡樹脂が使用される。
【0062】
前記流れ込み物挟まり防止装置300は、1つの塊状に製造された本体310を具備するので、前記貫通孔H1を形成するための複雑な構造のカッティング金型を製作する必要なしに、全体的な製造コストが節減されるという長所がある。
【0063】
本実施形態では、前記本体310の内部が、別途の空間なしに目一杯詰まった構造や、前記本体310の後面または底面から内部に陥没するへこんだ空間部(図示せず)を形成する構造も可能であるということは言うまでもない。
【0064】
また、
図8には、本発明の第4実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置400が図示されている。前記流れ込み物挟まり防止装置400は、前述の流れ込み物挟まり防止装置300と、構成及び効果がほぼ同一であるので、それに係わる詳細な説明は省略し、以下では、両者間の差異についてのみ記述する。
【0065】
前記流れ込み物挟まり防止装置400は、上面に、前記ペダルアーム2が嵌まり込む溝部141が形成されている本体410を含んでいる。
【0066】
従って、前記流れ込み物挟まり防止装置400は、
図9に図示されているように、運転者によって、前記ペダル3が加圧されたとき、前記ペダル3の下側に位置した前記本体410の前端部が比較的多く圧縮され、前記ペダルアーム2の下側に位置した前記本体410の後端部は、圧縮されないか、あるいは比較的不十分に圧縮され、前記溝部141がない場合と比べ、運転者がペダル3を加圧するときに感じる抵抗力が低下するという長所がある。
【0067】
また、
図10には、本発明の第5実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置500が図示されている。前記流れ込み物挟まり防止装置500は、前述の流れ込み物挟まり防止装置100と、構成及び効果がほぼ同一であるので、それに係わる詳細な説明は省略し、以下では、両者間の差異についてのみ記述する。
【0068】
前記流れ込み物挟まり防止装置500は、前記本体10の代わりに、前記フットペダル部1の下面4と、自動車室内床面5との間に形成された空間6を覆い込む壁構造である本体510を含む。
【0069】
本実施形態で、前記本体510は、互いに離隔された状態で、前記ペダルアーム2の左右側にそれぞれ配置されている1対の側面壁部材511と、前記1対の側面壁部材511の前端部を閉鎖する前面壁部材512と、を含む。
【0070】
前記側面壁部材511と前記前面壁部材512は、前記流れ込み物挟まり防止装置100の本体10と同一の構造と材質とを有するが、前記表面部材11の左右方向幅が前記本体10の左右方向幅より相対的に短い部材である。
【0071】
前記流れ込み物挟まり防止装置500は、前記本体510が、前記フットペダル部1の下面4と、自動車室内床面5との間に形成された空間6を覆い込む壁構造であるので、前記流れ込み物挟まり防止装置100,200,300,400に比べ、全体的な材料費を節減できるという長所がある。
【0072】
そして、前記流れ込み物挟まり防止装置500は、前記本体510が、互いに離隔された状態に配置されている1対の側面壁部材511と、前記1対の側面壁部材511の前端部を閉鎖する前面壁部材512と、を含むので、比較的厚みが薄いポリウレタン(PU)発泡樹脂材質のシート(sheet)を穿孔することにより、前記本体510を大量で製作することができるという長所がある。
【0073】
また、前記流れ込み物挟まり防止装置500は、
図12に図示されているように、運転者によって、前記ペダル3が加圧されたとき、前記ペダル3の下側に位置した前記前面壁部材512が比較的多く圧縮され、前記ペダルアーム2の下側に位置した前記側面壁部材511は、圧縮されないか、あるいは比較的不十分に圧縮され、運転者がペダル3を加圧するときに感じる抵抗力が低減し、前記側面壁部材511の疲労破壊現象が低減し、使用寿命が延長するという長所がある。
【0074】
また、
図13には、前記流れ込み物挟まり防止装置500の応用例として、ブレーキのフットペダル部1aと、クラッチのフットペダル部1bとを同時に保護することができる流れ込み物挟まり防止装置が図示されているが、前記流れ込み物挟まり防止装置500の当該応用例は、3個の側面壁部材511と、1個の前面壁部材512とを含んでいる。
【0075】
前記流れ込み物挟まり防止装置500の応用例を使用すれば、前記流れ込み物挟まり防止装置500を2個使用する場合より、前記側面壁部材511の個数を1個減らすことができ、全体的な製造コストが節減され、構造的に安定した装置の提供が可能であるという長所がある。
【0076】
本実施形態では、前記本体510が、「コ」字形の平面形状を具備しているが、前記フットペダル部1の平面形状と対応する平面形状を有するように、前記本体510の平面形状を変形させることができるということは、言うまでもない。
【0077】
また、
図14には、本発明の第6実施形態である自動車フットペダル部下部の流れ込み物挟まり防止装置600が図示されている。前記流れ込み物挟まり防止装置600は、前述の流れ込み物挟まり防止装置500と、構成及び効果がほぼ同一であるので、それに係わる詳細な説明は省略し、以下では、両者間の差異についてのみ記述する。
【0078】
前記流れ込み物挟まり防止装置600は、菱形貫通孔H1が連続して配列された前記前面壁部材512の代わりに、上下方向に伸縮自在に複数個の蛇腹が形成されたジグザグ型壁部材である前面壁部材612を含んでいる。
【0079】
前記ジグザグ型壁部材612は、いわゆる蛇腹構造と呼ばれる構造であり、薄厚の合成樹脂シートから製造される。
【0080】
前記流れ込み物挟まり防止装置600は、前記前面壁部材612が、上下方向に伸縮自在に複数個の蛇腹が形成されたジグザグ型壁部材であるので、前記ペダル3の反復的な加圧作動があっても、容易に疲労破壊が発生せず、前記ペダル3が加圧されたとき、圧縮率に優れるという長所がある。
【0081】
また、前記流れ込み物挟まり防止装置600は、前記ジグザグ型壁部材612自体が前記摩耗防止部材30の機能を遂行することができるので、別途の摩耗防止部材30の付着が不要であるという長所がある。
【0082】
前述の実施形態では、
図3に図示された前記本体10の断面形状に対応するカッティング金型を製作した後、前記カッティング金型を利用した穿孔作業を介して、前記本体10を量産しているが、前記穿孔作業の代わりに、押出成形工法によって、前記本体10を量産することができるということは、言うまでもない。
【0083】
前述の実施形態では、前記本体10,210,310,410,510が、前記自動車室内床面5に結合されているが、前記本体10,210,310,410,510が、前記フットペダル部1にも結合され、前記自動車室内床面5及び前記フットペダル部1いずれにも結合されもするということは、言うまでもない。
【0084】
前述の実施形態では、前記本体10の底面部17と、前記自動車室内床面5とを互いに結合させる結合手段として、両面に接着力を具備した両面テープ20が使用されているが、螺合、いわゆる、「チクチクテープ」と呼ばれるベルクロ(登録商標)結合などの他の結合手段が使用されるということは、言うまでもない。
【0085】
前述の実施形態では、運転者の足が接触する部分に配置された摩耗防止手段として、不織布材質のパッドである摩耗防止部材30が使用されているが、その他多様な材質の摩耗防止部材が使用され、運転者の足が接触する部分に、部分的に発泡率を低下させ、硬い部分を形成することも可能であるということは、もちろんである。
【0086】
以上、本発明について説明したが、本発明の技術的範囲は、前述の実施形態に記載された内容に限定されるものではなく、当該技術分野の当業者によって、修正または変更された等価の構成は、本発明の技術的思想の範囲を外れるものではないということは、明白である。